乳腺疾患の診断e4...対象と目的...

Post on 25-Jun-2020

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乳腺疾患の診断

高松赤十字病院

法村尚子

乳がんの症状

• 乳房に「しこり」を触れる。 • 腕を挙げたとき、乳房に「えくぼ」「ひきつれ」がある。

• 乳首からの分泌(赤褐色)がある。 • 乳首にびらんや、ただれを認める。 • 乳房全体が赤く腫れていたり、乳房に潰瘍ができて治らない。

• わきの下のしこり(硬いリンパ節)を触れる。

• 乳房の痛みや張りで受診される方も多いが、乳癌は痛みを伴わないことが多い。

えくぼ症状

乳頭分泌物とびらん

炎症性乳癌

乳房全体が赤く腫れている みかんの皮のようになっている

乳房に潰瘍ができて治らない。

更に進行すると・・

マンモグラフィー

• 乳房のX線撮影。

• 腫瘍の有無、大きさ・形・濃度、石灰化の有無等をみる。

• 特に、エコーで描出することが難しい微細な石灰化を見つけることができる。

8

MLO撮影

CC撮影

9

外側

内内側側

10

乳房の領域

11

マンモグラフィーの所見

• 腫瘤、石灰化、その他の病変

• カテゴリー1 異常なし

• カテゴリー2 良性

• カテゴリー3 良性、しかし悪性を否定できず

• カテゴリー4 悪性の疑い

• カテゴリー5 悪性

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腫瘤の形状

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腫瘤の辺縁

14

腫瘤のカテゴリー分類

15

腫瘤のカテゴリー分類

16

粗大石灰化 C-2

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腫瘤のカテゴリー分類

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境界明瞭な腫瘤 C-3

19

腫瘤のカテゴリー分類

20

微細分葉状 多角形腫瘤 C-4

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腫瘤のカテゴリー分類

22

スピキュラを伴う腫瘤 C-5

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腫瘤と局所的非対称陰影(FAD) の評価

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微小石灰化 分布

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石灰化の形態

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石灰化のカテゴリー分類

28

石灰化のカテゴリー分類

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粗大石灰化 中心透亮性石灰化

乳管拡張症に伴う石灰化 動脈硬化に伴う石灰化

石灰乳石灰化

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石灰化のカテゴリー分類

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集簇性石灰化

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区域性石灰化 C-5

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エコー検査の概要

• 乳房に超音波をあてて反射したシグナルを画像化する検査であり、乳腺の検査として広く利用されている。マンモグラフィーは若年者の検出感度が悪いという弱点があるが、エコーでは基本的に全年齢検出可能である。

• メリットは、痛みを伴わない、被曝がなく繰り返し受けることができる、妊娠中の女性でも受けることができることであり、デメリットは、検査を行う人の技量に左右される部分が大きく、客観性に乏しい。微小石灰化がわかりにくい、ことである。

対象と目的 • 乳腺が高濃度なためマンモグラフィーで検出しにくい50歳未満の女性や、マンモグラフィー検診で指摘された病変の精査等に用いる。超音波でのみ検出される病変や、マンモグラフィーのブラインドエリアに存在する病変もあるため、マンモグラフィーに併用することで診断率が上がる。しかし、現時点では超音波による乳癌検診を勧められる十分な根拠はない。

• 腫瘤の形状、境界部、内部エコー、随伴所見等から良悪や組織型を推定することができる。

正常像(解剖)

良性の腫瘤(線維腺腫)

・楕円形、縦横比(D/W)小(<0.7)横長の腫瘤で、境界は明瞭、内部エコーは均質である。 前方境界線は断裂ない。後方エコーは増強している(①)

悪性の腫瘤(硬癌)

・不整形、縦横比(D/W)大(>0.7)縦長の腫瘤で、境界部は不明瞭、内部エコーは不均質である。 後方エコーの減弱(①)と前方境界線の断裂(②)を認める。 また境界部に高エコー像(halo)(③)を有する。

悪性の腫瘍(乳頭腺管癌)

分葉状の形状、縦横比(D/W)小(<0.7)横長の腫瘤で、 境界部は明瞭粗造、内部エコーは不均質、後方エコーは不変である。 前方境界線は断裂しており(①)、内部には微細な高エコースポット(石灰化)(②)も認めている。 また境界部には高エコー像(halo)(③)を有する。

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