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Post on 26-Jun-2020
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道路維持管理事業~近江大橋を例に~
文世一ゼミ 年度平松班
浅川、小菅、平松、福間、吉田
もくじ
研究の経緯社会資本アセットマネジメント
料金体系~混雑の観点から~
検討の結果
補足
維持補修、関心高まる
各自治体が、インフラ補修に
積極的に取り組む姿勢を
見せている。
…ところが!
年 月 日
日本経済新聞地方経済面 兵庫
補修が急務、でも予算が…
危険な道路インフラの現状
→補修の必要性を認識も、
予算の問題で
十分に対応できていない!
→過去米国では死亡例も…
このままの状態で
放置しつづけることはリスク!!
いずれも日本経済新聞年 月 日 月 日年 月 日
近江大橋
そんな折、京大から車で 分 のところにある
近江大橋有料道路が無料化されると知った。
維持費とかどうするんやろ?!気になる…
近江大橋の位置①
近江大橋の位置②
琵琶湖の南端に位置。草津市と大津市を結ぶ。
近江大橋概要
正式名称:近江大橋有料道路
総延長: 有料道路区間
建設費 億 万円
旧橋草津市方面ゆき:昭和 年 月供用開始。
新橋大津市方面ゆき:昭和 年 月供用開始。
通行台数 台 日無料化後、 増の 台 日見込)
慢性的に混雑する国道1号のバイパスとしての役割。
近江大橋無料化について①
これまでの維持管理費は、 億円 年※ 。県道路予算※2 億円のうち、年平均橋梁修繕費の約17%に相
当。
近江大橋の適正な維持管理に必要な費用平準化後、数値は実績値◆通常管理費: 万円 年◆通常修繕及び大規模修繕費: 万円 年◆大規模部材更新費: 万円
→さらに、上記金額に加えられていない大規模部材 年 年スパンで更新のものを考慮に入れると、今後 年間で 億円以上、多額の修繕費が必要に。
合計 億 万円 年
※
旧橋供用開始から平成 年までの 年間で、維持にかかった費用= 億円 億円 年新橋供用開始から平成 年までの 年間で、維持にかかった費用= 億円 億円/年
※ 滋賀県の平成 年度道路予算は 億円。
近江大橋無料化について②
近江大橋は平成 年 月 日に無料開放した。
料金徴収期間は、修繕費用も通行料金再掲:普通車 円から賄ってきた。
では無料開放後の維持管理費はどこが負担するのか。
→近江大橋は県道。滋賀県が負担!
しかし、県道路予算から多額の費用捻出は、困難…
近江大橋無料化について③
当面の維持管理費用「滋賀県近江大橋等維持修繕基金※」で対応。基金の財源:滋賀県一般会計道路予算ではない→長期的な問題には目をつぶる。
既に建設後 年が経過第一期区間。 一般的な橋の寿命は ~ 年。橋の架け替え検討など抜本的な対策が必要に。
現行制度では、償還後は無料。橋が老朽化したらまた新しい橋の建設を有料で行い、また償還後は無料に。
※平成 年 月 日 無料開放日 施行。 滋賀県例規集平成 年 月 日現在
従来型料金制度のイメージ
→「壊れたら造りなおす」は適正なのだろうか。多額の維持費、税金で賄う方法は適切なのだろうか。
料金政策
「償還主義」…高速道路の料金は、道路の建設や維持管理などに要する費用(総費用)をある期間内でまかなうことができる水準に設定され、開通後に徴収するすべての料金収入(総収入)により総費用を償還し終えると無料開放されることになっている。この原則のこと。消費者庁「高速道路料金の決まり方」http://www.caa.go.jp/information/koukyou/highway/hi03.html
「維持管理有料」一定の条件下で、許可を受けた料金徴収期間の経過後も料金を徴収することができる制度。
具体的用件として、「道路の維持または修繕に関する工事に特に多額の費用を有する」ことなど。Ex.真鶴道路(神奈川県)、富士山スカイライン(静岡県)、関門トンネル(山口県・福岡県)
従来型料金制度
「維持管理有料」料金制度
県の無料開放に向けた対応
滋賀県、償還後の維持補修財源確保のため「維持管理有料」制度を検討、国土交通省に要請
→拒否された。やむなく県負担基金(既出)で対処。
◆疑問点◆通常の維持管理に加え、老朽化の予防保全も重要。長期的視野に立ち、道路の安全と長寿命化のための維持管理費用が継続して確保できるのか?
今回私たちは、この「維持管理有料」制度が適用されたときを想定し、分析を試みる。
料金を変動させたとき、 交通流動と維持コストを考慮した費用の比較
検討方法
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ料金制度 有料 有料 無料料金設定 ① 円従来 ②維持管理制度料金 円 ③ 円
このとき、以下のそれぞれを勘案し、最も総費用の少ないものを考える。維持コストは、これから述べる健全度毎に 億円、 億円、 億円、参考として億円のときを考える。
維持コスト回収方法
通行料 通行料 税金
交通流動 ? ? ?
以下のように、まず つの料金ケースを設定し、維持コストを変動させる。この後さらに、料金設定についても検討する。
公的資金の限界費用(MCPF)
価格弾力的な課税標準に対する課税は、経済主体の行動に「歪み」をもたらし、「厚生損失」(ex.超過負担や死荷重)を発生させる。このような税で政府支出が調達されている限り、担税者はその支出の名目的な税額に加え、厚生損失に相当する費用を負担することになる。この歪みをもたらす税収が1単位増加することによる実効費用の追加的変化のこと。
今回は として分析を行った。参考文献別所俊一郎・赤井伸郎・林正義,「公的資金の限界費用」,2003年3月,日本経済研究センターhttp://www.jcer.or.jp/academic_journal/jer/PDF/47-1.pdf
林正義・別所俊一郎,「累進所得税と厚生変化-公的資金の社会的限界費用の試算-,2003年6月,内閣府経済社会総合研究所http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis042/e_dis042.html
もくじ
研究の経緯
社会資本アセットマネジメント料金体系~混雑の観点から~
検討の結果
補足
背景
日本では、高度経済成長とともに、社会資本の急速な整備→相当量のストック
地球温暖化対策をはじめ、資源の有効利用・環境負荷の低減などの課題の山積
⇒今後の社会資本の維持管理・運営にかかる費用は急激な増加が予想される。
社会資本ストック
社会資本のストック額(百万円)
(『アセットマネジメント導入への挑戦』をもとに作成)
地方自治体が管理する橋梁
年 年 年 年 年
高齢橋梁数の予測
出所:『アセットマネジメント導入への挑戦』
高齢橋= 歳以上の橋梁
背景②
一方で、国や地方公共団体の財政状況は厳しいと言わざるを得ない
効率的・効果的なシステムのもと、国民(住民)への十分な説明により、理解を得ながら必要な財源を確保する必要性。
⇒アセットマネジメント
『アセットマネジメント』とは
『国民の共有財産である社会資本を、国民の利益向上のために、長期的視点に立って、効率的、効果的に管理・運営する体系化された実践活動。工学、経済学、経営学などの分野における知見を総合的に用いながら、継続して(ねばりづよく)行うものである。』
(社団法人 土木学会『アセットマネジメント導入への挑戦』より)
要求性能確保のための対策
性能(
安全性・快適性・美観・景観)
年数
対策実施水準
要求水準
要求性確保のための対策
(ライフサイクルコスト)最小化のためのさまざまな対策時期
性能(
安全性・快適性・美観・景観)
年数
要求水準
予防対策実施水準
早期対策実施水準
事後対策実施水準
更新対策実施水準
計算
シナリオ別の (ライフサイクルコスト)
の算出
判定区分 判定内容
Ⅰ 損傷が著しく、交通の安全確保の支障となる恐れがある。
Ⅱ 損傷が大きく、詳細調査を実施し補修の必要性を検討する必要がある。
Ⅲ 損傷が認められ、追跡調査を行う必要がある。
Ⅳ 損傷が認められ、その程度を記録する必要がある。
OK 点検の結果から、損傷は認められない。
各部材の損傷度判定
ここでは、 年ごとに 段階ずつ劣化するものとする。
劣化モデル
年 年後 年後 年後 年後 年後 年後 年後
Ⅳ Ⅳ Ⅲ Ⅲ Ⅱ Ⅱ
年後 年後
Ⅰ Ⅰ
今回対象となる部材
①鋼
②コンクリート
③伸縮装置
④支承
の算出
鋼構造物
腐食、防食機能の劣化 千円/㎡
千円
Ⅳ 塗装面積
Ⅲ 塗装面積
Ⅱ 塗装面積
Ⅰ 塗装面積
『群馬県橋梁長寿命化計画』をもとに算出
コンクリート構造物
ひび割れ 千円/m
剥離・鉄筋露出・うき 千円/㎡
千円
Ⅳ 橋面積×
Ⅲ 橋面積×
Ⅱ 橋面積×
Ⅰ 橋面積×
千円
Ⅳ 橋面積×
Ⅲ 橋面積×
Ⅱ 橋面積×
Ⅰ 橋面積×
『群馬県橋梁長寿命化計画』をもとに算出
伸縮装置
亀裂、破断、変形、遊間異常千円
Ⅳ 橋面積×
Ⅲ 橋面積×
Ⅱ 橋面積×
Ⅰ 取替工
『群馬県橋梁長寿命化計画』をもとに算出
支承
腐食、破断、亀裂、変形など千円
Ⅳ 金属溶射 基
Ⅲ 金属溶射 基
Ⅱ 金属溶射 基
Ⅰ 取替工『群馬県橋梁長寿命化計画』をもとに算出
シナリオ①
許容健全度Ⅳ以上
⇒Ⅲ以下にならないようにする
年を想定
橋梁の面積は ㎡
どの段階においても、補修すれば まで回復するものとする
※注意
便宜上、以下では
鋼構造物⇒「鋼」
コンクリート構造物(ひび割れ)⇒「 ①」
コンクリート構造物(剥離・鉄筋露出・うき)⇒「 ②」
伸縮装置⇒「伸」
支承⇒「支」
と表記するものとする。
算出①-1(Ⅳ以上)
鋼 Ⅳ
①
② Ⅳ
伸
支 Ⅲ
算出①- (Ⅳ以上)
鋼
①
②
伸
支
算出①- (Ⅳ以上)
鋼
①
②
伸
支
①(健全度Ⅳ以上)
支承
伸縮装置
②
①
鋼
(千円)
(年)
(健全度)
総計
合計すると、、、
千円( 億 万 円)
つまり、 年で約 億円(年 億円)
シナリオ②
許容健全度Ⅲ以上
⇒Ⅱ以下にならないようにする
年を想定
橋梁の面積は ㎡
どの段階においても、補修すれば まで回復するものとする
算出②ー
鋼 Ⅳ
①
② Ⅳ
伸
支 Ⅲ
算出②-
鋼
①
②
伸
支
算出②-
鋼
①
②
伸
支
②(健全度Ⅲ以上)
支承
伸縮装置
②
①
鋼
(千円)
(年)
(健全度)
総計
合計すると、、、
千円( 億 万 円)
つまり、 年で約 億円(年 億円)
シナリオ③
許容健全度Ⅱ以上
⇒Ⅰ以下にならないようにする
年を想定
橋梁の面積は ㎡
どの段階においても、補修すれば まで回復するものとする
算出③- (Ⅱ以上)
鋼 Ⅳ
①
② Ⅳ
伸
支 Ⅲ
算出③- (Ⅱ以上)
18 19 20 21 22 23 24
鋼 600,600
① 128,700
② 457,600
伸 8,800
支 56,000
算出③- (Ⅱ以上)
鋼
①
②
伸
支
総計
合計すると、、、
千円( 億 万円)
つまり、 年で約 億円(年 億円)
③(健全度Ⅱ以上)
支承
伸縮装置
C②
C①
鋼
年
(健全度)(千円)
健全度グラフ
比較
①(健全度Ⅳ以上)
支承
伸縮装置
②
①
鋼
(千円)
(年)
(健全度)
②(健全度Ⅲ以上)
支承
伸縮装置
②
①
鋼
(千円)
(年)
(健全度)
③(健全度Ⅱ以上)
支承
伸縮装置
C②
C①
鋼
年
(健全度)(千円)
最小化のためのさまざまな対策時期
性能(
安全性・快適性・美観・景観)
年数
要求水準
予防対策実施水準
早期対策実施水準
事後対策実施水準
更新対策実施水準
考察
許容健全度を高く設定し、細かく小さな修繕を繰り返すほうが費用は低くなる。
社会資本アセットマネジメント研究の位置づけ
社会資本の維持管理においては、
将来にわたる劣化予測に基づき、適切な時期に適切な規模の修繕を行うことが重要。
もくじ
研究の経緯
社会資本アセットマネジメント
料金体系~混雑の観点から~検討の結果
補足
方程式を解く
𝑄𝐴 = 30000,𝑄𝐵 = 25000,𝑄𝐶 = 70000,𝑄𝐷 = 50000
𝑄𝐴 = 𝑌1 + 𝑋1𝑄𝐵 = 𝑋𝐵𝑄𝐶 = 𝑌2 + 𝑌3𝑄𝐷 = 𝑌1 + 𝑌3𝑌2 = 𝑋𝐴 + 𝑋𝐵
𝑋𝐴 = 12500𝑋𝐵 = 25000𝑌1 = 17500𝑌2 = 37500𝑌3 = 32500
・ルート𝑋2二車線約 台 日無料
分
・ルート𝑋1四車線約 台 日普通車 円
分
近江大橋の料金にかかわらず、通行台数の合計は一定であるとする。
社会的純便益を最大化する社会的純便益=社会的便益ー社会的費用=利用者の便益+料金収入ー利用者の金銭的費用ー利用者の時間費用ー運営コスト
利用者の便益は目的地に到着することであり、通行台数は一定である
利用者の時間費用を最小化すればよい
利用者の時間費用
𝑣 ×𝑄𝐴
2𝑁+ 𝑣 ×
𝑄𝐵
𝑁
( 𝑣は時間価値、𝑁は一日あたりの二車線の交通容
量、𝑄𝐴、𝑄𝐵はそれぞれの交通台数)
方程式
通行台数を一定と仮定すると𝑄𝐴 + 𝑄𝐵 = 55000
利用者が費用を最小化しようとした結果、均衡がとれるとき
P+𝑣 ×𝑄𝐴
2𝑁= 𝑣 ×
𝑄𝐵
𝑁
以上から
𝑄𝐴 =1
3(110000 −
2𝑁
𝑣𝑃)
𝑄𝐵 =1
3(55000 +
2𝑁
𝑣𝑃)
時間価値に代入する
𝑣 ×𝑄𝐴2𝑁+ 𝑣 ×
𝑄𝐵𝑁
=𝑣
2𝑁𝑄𝐴 + 2𝑄𝐵
=𝑣
2𝑁
1
3110000 −
2𝑁
𝑣𝑃 +
2
3(55000 +
2𝑁
𝑣P)
=𝑣
6𝑁× 220000 +
1
3𝑃
𝑣、𝑁は一定なのでP= 0のとき、時間価値の和は最少となる
具体的な値の算出へ
P+𝑣 ×𝑄𝐴
2𝑁= 𝑣 ×
𝑄𝐵
𝑁
150 + 𝑣 ×30000
2𝑁= 𝑣 ×
25000
2𝑁𝑣
𝑁=
150
10000
料金 円時の利用者の一年あたりの時間費用の総和
{(𝑣 ×30000
2𝑁) × 30000 + 𝑣 ×
25000
𝑁× 25000} × 365
=𝑣
𝑁450000000 + 625000000 × 365
= 5,885,625,000
料金無料時の利用者の一年あたりの時間費用の総和
{𝑣 ×36666
2𝑁) × 36666 + 𝑣 ×
18333
𝑁× 18333} × 365
=𝑣
𝑁672197778 + 336098889 × 365
= 5,520,424,251
P+𝑣 ×𝑄𝐴
2𝑁= 𝑣 ×
𝑄𝐵
𝑁→ 𝑄𝐴 = 2𝑄𝐵
これと𝑄𝐴 + 𝑄𝐵 = 55000から、𝑄𝐴 = 36666, 𝑄𝐵 = 18333
料金 円時の利用者の一年あたりの時間費用の総和
{(𝑣 ×34444
2𝑁) × 34444 + 𝑣 ×
20555
𝑁× 20555} × 365
=𝑣
𝑁450000000 + 625000000 × 365
= 5,560,971,696
もくじ
研究の経緯
社会資本アセットマネジメント
料金体系~混雑の観点から~
検討の結果補足
結果(健全度Ⅳ:維持コスト1億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ
料金制度 有料 有料 無料
料金設定 ① 円従来 ②維持管理制度 円 ③ 円
維持コスト ×
交通流動
結果
→これらのケースの中では、ケースⅢが最も費用が少ないが、
ケースⅡとケースⅢの差額はわずかに約 万円であり、
ほぼ変わらないと見てもよいと考えられる。
結果(健全度Ⅲ:維持コスト1.2億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ
料金制度 有料 有料 無料
料金設定 ① 円従来 ②維持管理制度 円 ③ 円
維持コスト ×
交通流動
結果
→これらのケースの中では、ケースⅡが最も費用が少なく、最適である。
分析の結果、ケースⅡの「維持管理有料」制度がふさわしいと考えられる。ケースⅡとケースⅢの差は 万円ほどである。
結果(健全度Ⅱ:維持コスト1.5億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ
料金制度 有料 有料 無料
料金設定 ① 円従来 ②維持管理制度 円 ③ 円
維持コスト ×
交通流動
結果
→これらのケースの中では、ケースⅡが最も費用が少なく、最適である。
分析の結果、ケースⅡの「維持管理有料」制度がふさわしいと考えられる。ケースⅡとケースⅢの差は 万円ほどである。
結果(参考:維持コスト2.5億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ
料金制度 有料 有料 無料
料金設定 ① 円従来 ②維持管理制度 円 ③ 円
維持コスト ×
交通流動
結果
→これらのケースの中では、ケースⅡが最も費用が少なく、最適である。
分析の結果、ケースⅡの「維持管理有料」制度がふさわしいと考えられる。
ケースⅡとケースⅢの差は 万円弱である。
結果
維持コストを変動させたとき、維持コストが大きくなるほどケースⅡ「維持管理有料」制度がふさわしくなる。
では、交通流動を変化させたときはどうか。
維持管理有料制度下で、料金を変動すると。
維持管理有料下で、料金を変動させる。
すると、交通流動も変化する。
その際の時間費用は、先と同じように算出。
通行料金が 円のとき
通行料金が 円のとき
通行料金が 円のとき
結果(健全度Ⅳ:維持コスト1億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ ケースⅣ
料金制度 有料 有料 有料 有料
料金設定 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円
維持コスト
交通流動
結果
→これらのケースの中では、ケースⅢが最も費用が少ない。次点であるケースⅡとケースⅢの差額は約 万円である。
結果(健全度Ⅲ:維持コスト1.2億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ ケースⅣ
料金制度 有料 有料 有料 有料
料金設定 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円
維持コスト
交通流動
結果
→これらのケースの中でも、ケースⅢが最も費用が少ない。次点であるケースⅡとケースⅢの差額は約 万円である。
結果(健全度Ⅱ:維持コスト1.5億円)
ケースⅠ ケースⅡ ケースⅢ ケースⅣ
料金制度 有料 有料 有料 有料
料金設定 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円 維持管理 円
維持コスト
交通流動
結果
→これらのケースの中でも、ケースⅢが最も費用が少ない。次点であるケースⅡとケースⅢの差額は約 万円である。
結果
これらから、最適な維持管理手法は
「維持管理有料下で、料金設定が 円程度のとき」
かつ
「維持コストが最小のとき」
であると考えられる。
端数の料金設定は難しいことから、
現実的には 円又は 円の設定が妥当であるといえる。
もくじ
研究の経緯
社会資本アセットマネジメント
料金体系~混雑の観点から~
検討の結果
補足
併せて考えたいメリット・デメリット
無料開放のメリット・混雑する国道1号線、名神高速(瀬田西-大津)の混雑緩和
・湖東~湖西の地域間流動促進→経済活性化にも
無料開放のデメリット
・維持費を(道路予算からではなく)一般会計から捻出することは危険では(→モラルハザードの可能性)。
・近江大橋無料化の恩恵が薄い自治体(Ex.湖北地域)、他の県道への維持管理予算不足に対する不安感。
・有料のまま道路を延長し、国道1号線と直結させるべきと
の声も。
その他の解決策
建設からもうすぐ 年 「高齢橋」
旧橋活用「長寿命化型管理」劣化を未然に防ぐ予防的な補修工事を計画的に行うもの
橋梁点検のデータベース化横浜市維持管理事業の効率化を目的 日本経済新聞社 年 月 日地方経済面 頁
ビッグデータの活用可能性も富士通・メタウォーター、水道インフラの維持管理サービス開発
年 月 日日本経済新聞朝刊
参考文献
滋賀県道路公社/近江大橋有料道路ウェブページ
http://www.biwa.ne.jp/~douro-co/omi/
近江大橋の維持管理のあり方を考える検討会
各種資料(滋賀県ウェブページ内)
http://www.pref.shiga.lg.jp/h/doro/d_oumiijikanrikentoukai.html
滋賀県道路課
http://www.pref.shiga.lg.jp/h/doro/
参考文献
古田均『これだけは知っておきたい社会資本アセットマネジメント』 森北出版
土木学会編『アセットマネジメント導入への挑戦』 技報堂出版
日本コンクリート工学協会コンクリート構造物のアセットマネジメント研究委員会『コンクリート構造物のアセットマネジメントに関するシンポジウム:委員会報告・論文報告集』 日本コンクリート工学協会
『群馬県橋梁長寿命化計画』( )
国土交通省『道路構造物の修繕および更新について』(
)
『公共土木施設の維持管理に関する研究会 報告書』( )
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