中近東のサウンドを織り交ぜた独特な ブルータル・デス ... · 2012. 5....

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中近東のサウンドを織り交ぜた独特なブルータル・デス・メタル・サウンドを轟かせるUS産バンドNILEが最新作

『At The Gate Of Tethu』をリリース!!Karl Sanders (Vo) インタビュアー:櫻井 カオリ Translator:Yuga

-激ロックでは初めてのインタビューとなりますので、まずはバンドの結成経緯を含めた自己紹介からお願いします。

俺はNILE の Karl だ。俺たちは 93 年に結成して今で結成 12 年目だな(笑)。俺たちは日本で開催されたメタル・フェス LOUD PARK 07 への出演を含めて、3 回ジャパン・ツアーをしたことがあるんだ。

-アメリカ出身のバンドが古代エジプトをコンセプトにされているとあって、非常に興味深いところですが。どうしてエジプトにこだわられたんでしょうか?

ただの個人的な興味だよ。趣味と言ったら良いのかな。たぶん一種の現実逃避なのかもしれない。俺たちが住んでいる町はすごく退屈だからね。

-これまでの作品を通して、ブルータルなサウンドと中近東の風景を思わせるサウンドの融合がとても魅力的です。楽曲を制作するにあたって、エジプトの歴史や音楽などについても研究されているんですか?手にする参考資料も相当だったのではないでしょうか?

7つのフルレングス・アルバムといくつかの EP を書くにあたって、結構な時間をNILEの曲の歌詞のためにリサーチをしたり、様々な種類の中近東の音楽を大量に聴き漁ったよ。

-さて、新作の完成おめでとうございます。3 年ぶりの新作とあって、日本のファンも作品が聴けることをとても楽しみにしています。現在の率直な思いを教えてください。

新しいアルバムをやっと完成させることができてとても嬉しいよ。10 ヶ月もかけたからな。

-かなり濃密に時間をかけて制作された作品のように感じました。実際はどのように制作は進んでいったんでしょうか?スムーズに進みましたか?

大体はスムーズにいったよ。今回は一度も怪我をしなかった。それはかなり助かったよ。

-アルバムのタイトルにもあるように、エジプトの神話に登場する“セト神”がテーマになっているようですが、このキャラクターを選んだ経緯を教えてください。

違うな、セト神はキャラクターじゃない。“Sethu”は地下世界の門番である極悪非道な悪魔なんだ。太陽神であるラーは夜明けと共に蘇る前に、暗闇の夜の間にその門を通らなければいけないんだ。

-1 曲目の出だしからじわりじわりと怪しさ満点で、ワクワクしながら聴いてしまいました。資料にもリスナーの恐怖心を煽る様な内容になっているとありましたが、もちろんそこにも“セト神”で語られる残虐性や暴力性といった背景が関わっているかと思います。バンドのカラーと、このキャラクターの特徴を融合させるためにどのような工夫をされたんでしょうか?

うーん、また違うな。このアルバムで最初に聴こえる音は、死後の世界で燃え苦しんでいる呪われた者の叫びなんだ。この不安なインタールードは「Enduring The Eternal Molestation Of Flame」のイントロの役割を果たしているんだ。

-私が聴いた限りなので、勘違いでしたら申し訳ないのですが……。英語ではない言語も織り込まれているように聴こえました。あれはエジプト語で歌われているんですか?

俺たちの多くのアルバムではたくさんの古代エジプト語やシュメール語を古文からそのまま持ってきているんだ。でもこのアルバムでは「Slaves of Xul」の中で Jon Vesano が、意識が朦朧として訳のわからない言葉を発しているというパート以外は全ての歌詞は英語だよ。

-複雑なリフにおどろおどろしいグロウルは凶暴さを増していますね。また、何かに

インタビューの続きは激ロックウェブサイトをチェック!!>>GEKIROCK.COM

急かさせるような気持ちにさせられるドラムも冷徹なベース音も良い意味で非常に気味が悪いです(笑)。演奏面において、メンバー同士で話し合ったりされたのでしょうか。

していないな。Dallas(Vo)と George(Dr)はブルータル・メタルのやり方を熟知しているから、デモ曲を聴く以外に何の話し合いも必要ないんだ。曲を書きながら徹底的にデモを作るんだ。そうやってお互いとコミュニケーションをとるんだよ。それが曲のあるべき姿だ。

-アルバムの制作中に起こった印象的なエピソードがありましたら教えてください。

いや……あんまりなかったね。俺たちは仕事中はいつもとてもとても集中していて、しっかりと秩序を保つようにしているんだ。そして、アルバム制作中はそれ以外のことをほとんどやらないしね。

-今作はアートワークにも力を入れられたそうですね。デザイナーとして起用されたSeth Siro Anton のファンだったということですが。彼に白羽の矢を立てた理由を教えてください。どんな話をされましたか?

そうだな、彼のファンだよ。それに彼のバンドのSEPTIC FLESHも前からのファンだったんだ。彼は俺たちと仕事をしたいと言ってくれて、それは俺たちにとってもすごく良いアイデアだったんだ。それだけシンプルな話だよ。

-4 月から 5 月にかけて THE BLACK DAHLIA MURDER や SKELETONWITCHといったバンドとツアーを周られていますが、彼らとのツアーを通して何か得たものはありますか?

もちろんだ。ツアーをしたどのバンドからも必ず何かを学んで来ている。しかしここ15 年でツアーをしたバンドのリストはすごく長いものになっている。きっと印刷できるスペースを全て使ってしまうくらいにね。恐らくツアーしたことのないバンドのリストを作る方が短くて簡単なんじゃないかな。

-ライヴでは新作からの楽曲も演奏もされていることと思います。ファンの反応はどんな感じでしたか?

みんなモッシュやヘッド・バンギングをやめて、止まって口をあんぐり開けたまま曲を聴き出すんだ!そういうリアクションは 98 年~ 99 年のMORBID ANGELとのツアー以来見ていないよ。その時はメタル・ファンが僕たちのことをまだ知らなくて、彼らは一体何が目の前で起こっているのかさっぱり分からなかったんだ。

-最後に来日されたのは 10 年でした。このアルバム発表に合わせて、再来日する可能性は期待してもよいでしょうか?

もちろんだ。日本は俺たちが行くのを実際楽しみにしている国のひとつだし、日本のファンは地球上のメタル・ファンの中で一番のお気に入りなんだ。

怪しく神秘的なエジプトの文化とデス・メタルの残虐性を完璧なまでに融合させた楽曲で日本でも人気を博している NILE の新作が登場。彼らの個性ともいえる“エジプティック”な雰囲気は健在で、そのうえ邪悪さを引き出すテクニックに磨きがかかり楽曲にぐっと深みを与えている。デス・メタルの中にある種の妖艶さまで感じることができる1 枚だ。アルバム全体のブルータル感は衰えることなく、よりリスナーの持つ怒りや恐怖といった感情がダイレクトに揺さぶられるはずだ。そうした雰囲気はアートワークにも表現されている。映画の一場面を切り取ったかのようなドラマティックで怪しげなメロディが流れてきたと思ったら、途端に強烈な右フック並みの凶暴なギター・リフが襲い掛かってくるので、ぜひ油断して聴かないように注意していただきたい。櫻井 カオリ

NILEAt The Gate Of Sethu2012.6.20 ON SALE!!

LABEL : 日本コロムビア / Incubator / Nuclear Blast JapanGENRE : BRUTAL DEATH METALFOR FANS OF : MORBID ANGEL,CRYPTOPSY, MESHUGGAH

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