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デジタルカメラマガジン 09-2011 61デジタルカメラマガジン 09-201160

正面

上 20°

特別企画

EIZOのPC/AV用ディスプレイであるFORISシリーズに新モデル「FORIS FS2332」が加わった。「用途を選ばずにさまざまなデジタルコンテンツを楽しめる」という前機種のコンセプトはそのままに、IPSパネル、2系統のHDMI端子、オーバードライブ回路搭載、カラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」対応と見所満載。それでいながらEIZOダイレクト(ダイレクトショップ)のセット価格はなんと48,800円。これを機会にモニターキャリブレーションをはじめてみてはいかがだろうか。

1,920×1,080のフルHD対応IPSパネルの採用で広視野角

 まずはFフ ォ リ ス

ORIS FS2332について紹介してみたい。液晶パネルは23型、表示解像度はフルHDに対応する1,920×1,080といった仕様だ。旧製品のFS2331と異なるのは液晶の駆動方式で、FS2331がVA方式だったのに対して、FS2332ではIPS方式を採用している。IPS方式のメリットはいうまでもなく視野角による色変位が少ないことだ。TN方式やVA方式のパネルでは角度によって画面の端でコントラストや色の見え方が変わってしまう。本誌の読者だと写真を鑑賞することが多いだろうが、写真の左右端だけが反転表示になったり黄味がかったりしては興ざめというものだろう。ましてやフォトレタッチのように写真データそのものをいじるとなれば、視点を変えて色をチェックするという要らない手間もかけなければならない。この点、IPS方式の本機では隅 ま々で表示が安定しているため、気持ちよく作業ができる。 もうひとつ大きな変更点は「S

ス マ ー ト

mart Rレゾリューション

esolution」という映像処理機能が追加されたことだ。これはコンテンツに応じて解像感を向上させる機能だ。たとえば、スト

リーミング動画やサイズを無理に引き伸ばしたようなフォトデータなどでも、比較的、見栄えを整えて表示してくれる。従来機も「Power Resolution」という機能を搭載していたが、これはおもにシャープネスを強調する機能のため、“すべての表示で自然に”とはいかなかった。表示域に対して一様にシャープネス処理を施すと、滑らかに描かれる部分でもノイズが浮いてしまうし、写真も平坦な感じになってしまうからだ。このためPower Resolutionはゲームや動画のときだけ使用するといった使い方に止まっていた。 こうした問題をクリアすべく、Smart Resolutionでは、信号の解析処理を大幅に改善して、強調する部分とぼかす部分を判別している。空をバックに建物を撮影したような写真でも、空にノイズを浮かすことなく建物だけを強調処理してくれる。また、フォーカスにも留意しており、写真の奥行きも極力保った処理がおこなわれる。このため、どのような映像でも自然な調子で解像感を向上する。また、テキスト判別や動画領域判別もおこなわれるので、機能をオンにしたままでビジネスアプリや動画サイトを表示しても違和感がない。 そのほかではLEDバックライトを採用

したことも注目すべきポイントだ。結果として最大消費電力を従来機から25%削減(45Wから34W)することに成功している。また、最低輝度も約3cd/㎡(カンデラ)まで絞ることができるようになった。周辺光に合わせて明るさを調整するAuto EcoView機能と合わせれば、電力消費を効果的に抑えられるだろう。企業・個人の別なく節電が叫ばれるこのご時世ではわりと重要な要素かもしれない。無論、ディスプレイをキャリブレーションして運用する場合には輝度の上げ下げは厳禁なので、機能はON/OFFできるようになっている。 以上、従来機との差異を中心に駆け足で紹介したが、冒頭で記した通り、オーバードライブ機能やGameモード/Cinemaモード、コントラスト拡張機能、ゲーム用に調整した2種のガンマモードなど、マルチパーパス機としての機能はしっかりと継承している。ハードウェアの面でもHDMI×2 、DVI-D、D-Subなどの豊富な入力系統を備えているため、デスクトップだけでなく、ノートパソコン、あるいはビデオ機器やゲーム機器など、さまざまな用途の出力として利用できる。読者が気になるであろうEIZO EasyPIXの手順については次頁で紹介しているので併せてご覧いただきたい。

●Smart Resolutionの効果 ● Smart Resolutionの設定手順

黄色い枠が表示されている画面左が「Smart Resolution」がONになっているエリア、右側が通常エリア。左側の機能ONは適度にシャープネスとコントラストが施されることで、全体にクッキリとした印象に仕上がっているのがわかる(注意:画面はON/OFFの比較をするためにデモモードで表示)

Smart Resolutionは液晶ディスプレイのOSDメニューから設定できる。「カラー調整」-「詳細設定」-「Smart Resolution」の順で呼び出せる。効果のレベルは5段階、「肌補正」「文字補正」「動画領域補正」のON/OFFを個別に設定可能

●コントロールパネル

メニュー操作はリモコンに任せているので、コントロールパネルはいたってシンプル。右から電源、音量(UP)、音量(Down)、入力切り替え、さらにリモコン受信部と輝度感知センサーが並ぶ

●リモコン

電源のON/OFF、メニュー画面の操作、入力切り替え、輝度調節などはすべて付属のリモコンで行える。DVIとHDMIのボタンが用意されているので複数の入力を切り替えるときも便利だ

● カラーシート パネル

付属のカラーシートを貼ることでカラーリングのカスタマイズをすることができる。シートはレッド、ブルー、グレーの3色

●インターフェイス

FS2332の特徴は広視野角の IPSパネルを採用すること(旧製品のFS2331はVAパネル)。上下左右とも45°の角度であれば、ほぼ正面から見たときの印象と変わらない。さすがに60°になると少し暗部が見えづらくなるが、それでも大きく色調反転してしまうようなことはない

電源スイッチ 電源コネクタ

DVI-D24ピン D-Sbu15ピン

HDMI

ヘッドホン出力

スタンドは着脱可能になっており、100×100mmに対応した壁がけやフリーアームに装着させることができる

● IPSパネルによる 広視野角

榊信康(さかきのぶやす):1971年神奈川県生まれ。PC周辺機器、おもにプリンター、スキャナ、液晶ディスプレイなどのイメージングデバイスを中心に雑誌、Webなどで執筆している

レポート:榊信康

のセットが

23型液晶ディスプレイ測色器 FORIS FS2332

デジタル一眼レフユーザーに朗報 !! カラーマッチング初心者でも安心 !!

EIZO EasyPIX

なんと48,800円

下 20°

右 45°

右 60°

Smart Resolution(ON)

Smart Resolution(OFF)

オーディオ入力

デジタルカメラマガジン 09-2011 63デジタルカメラマガジン 09-201162

5手順

4手順

3手順

1

sRGBの画面と比較すると一目瞭然だが、雲がしっかりと白で表現されており、色かぶりがないことがわかる。コントラストも最適化されており、ハイライトからシャドウまでしっかりと表現されている

ちなみにディスプレイのプリセットモードにはsRGBのほかにPaper、Game、Cinemaというモードが存在する。Paperは目に優しいように低コントラストで赤みが強く、Gameはハイコントラスト、Cinemaは落ち着いた印象になり、長時間見ていても目が疲れない

ユーザーはモードを選ぶだけ作業手順は初心者でも簡単

 「EIZO EasyPIX」はEIZOディスプレイ専用のモニタキャリブレーションツールだ。ナナオにはプロ/ハイアマチュア向けのColorEdgeシリーズがあるが、ColorEdgeは広範でのカラーマネジメントまでを見据えた製品であり、精度も高いが値段も高い。個人の趣味で用いるにはそれなりの金額と覚悟が必要となる。とはいえ、色を扱うためのディスプレイに定期的なキャリブレーションが必要なのは事実。もうちょっと手軽なモニタキャリブレーションツールを、という声に応えて登場したのが「EasyPIX」とい

うわけだ。それでも価格は19,800円で、安価といえるほどではないが、EIZOダイレクトで販売しているFS2332とのセットならばディスプレイ価格に9,000円を上乗せ(合計48,800円)するだけで入手できる。かなりお買い得なセットといえるだろう。 EasyPIXのパッケージは計測器と専用ソフトウェアで構成されており、手軽にディスプレイの調整が行える。以下にキャリブレーションの手順を紹介していこう。 まずはEasyPIXのメニューにある1~3の任意のボタンを押してメイン画面を起動する。メイン画面のインターフェイスは4つのステップを進めていくことでキャリブレーションが完了するよう設計されている。

 最初に表示されるのは「使い方を選ぶ」というステップだ。「マッチング」、「写真鑑賞」、「Webなど一般用途」、「キャリブレーション」という項目からひとつ選んで次へと進む。この内の「写真鑑賞」と「Webなど一般用途」はその名のとおりのモードで、輝度のみ調整したら後はソフトまかせとなる。「マッチング」とはプリントする用紙の紙白とディスプレイの白色点を合わせるもので、センサーで用紙を測定した後にディスプレイを測定して紙白に合わせ込む。「キャリブレーション」はVer.2.0から追加された新モードで、ユーザーが任意の目標値を設定できるのが特徴だ。「調整目標を決める」の手順に進むと、輝度、色

温度、色再現域、ガンマの設定画面が表示される。画面右上には目的に応じたプリセット値が用意されているので、目標値がよくわからないという人はここから選んでもよいだろう。なお、FS2332では色再現域が「Monitor native」しか選択できないが、これはFORISの仕様なので問題はない(広色域表示モデルでは選択可能)。 「測定を始める」ステップではモニタに計測器を設置して測定を開始するだけだ。しばらくすると「調整名を決める」ステップになるので、適当な名前を付けて保存すれば作業は完了だ。メイン画面が閉じて、再び画面が表示されると、選択したボタンに先ほどの調整名と目標値が反映

される。ここで「微調整をする」というボタンを押すと、カラーピッカーによって目標値を微調整した後に再度キャリブレーションを行える。 ちなみにEasyPIXとのセット販売は、このFS2332だけではない。一般的なPC用ディスプレイである「FlexScanシリーズ」の多くの製品でも実施されているので、モニタキャリブレーションに興味がある人はチェックしておくとよいだろう。 また、EasyPIXのソフトウェアだけならばナナオのWebサイトで無料配布されている。ソフトウェア単体でも目視による「マッチング」が可能なので、興味がある人はそちらから試してみてはいかがだろうか。

FORIS FS2332製品仕様液晶パネル 23型(IPS:オーバードライブ回路搭載)

視野角 水平178°/垂直178°

最大輝度 250cd/㎡(カンデラ)

コントラスト比 1,000:1(コントラスト拡張時1500:1)

応答速度 16ms(黒-白-黒)、6ms(中間階調域)

推奨最大解像度 1,920×1,080

標準表示面積 509.76×286.74mm

画素ピッチ 0.2655×0.2655mm

最大表示色 約1,677万色(約10億6,433万色中/ 10bit-LUT)

表示階調 256階調(1021階調中)

ドットクロック 148.5MHz(デジタル/アナログ)

走査周波数(デジタル)

HDMI( 水平:31~68kHz/ 垂直:49~61Hz)

DVI-D( 水平:31~68kHz/ 垂直:59~61Hz)

走査周波数(アナログ)

D-Sub、DVI-I(水平:31~81kHz/垂直:55~76Hz)

サウンド入力 ステレオミニジャック×1、HDMI×2

サウンド出力 ヘッドホン(ステレオミニジャック)×1

カラーモード User1、User2、sRGB、Paper、Game、Cinema

画像調整(アナログ)

自動レンジ調整、クロック、フェーズ、ポジション

拡大モード ノーマル、拡大、フルスクリーン

調整機能

ブライトネス、黒レベル、コントラスト、色の濃さ、色合い、色温度、コントラスト拡張、Smart Resolution(肌補正、文字補正、動画領域補正)、ガンマ、ゲイン、オーバードライブ、リセット

プラグ&プレイ VESA DDC 2B

スタンド チルト:上20°、下5°

フリーマウントピッチ 100×100mm

スピーカー ステレオ(500mW+500mW)

サウンド調整 音量、消音、音声レベル、音源

電源 AV100-120V/AC200-240V±10% 50/60Hz

最大消費電力 34W

標準消費電力 20W

節電時消費電力 1W以下(D-Sub接続、スピーカ非動作時)

待機消費電力 0.17W以下(2次電源オフ時)

大きさ(液晶単体) 549(W)×393(H)×58(D)mm

大きさ(スタンド含む) 549(W)×403(H)×212(D)mm

重さ(液晶単体) 約5.4kg

重さ(スタンド含む) 約6.2kg

同梱品

液晶モニタ、スタンド、DVI-Dケーブル、電源ケーブル、リモコン、リコモン用電池(CR2032)、オーディオケーブル、ユーティリティディスク(電子マニュアル、ScreenManager Pro for LCD)、カラーシート3色、VESAマウント取り付けネジ(M4×12mm)4本、保証書、セットアップガイド

EIZO EasyPIX製品仕様対応OS Windows7/Vista/XP

Mac OS X 10.4.11以降(※1)

インターフェイス USB(Rev 2.0)

大きさ 93(W)×99(H)×33(D)mm

同梱品 本体、CD-ROM(EIZO EasyPIX Software)、説明書

(※1)FORIS FS 2332、2331はMac OS非対応

測色器である「EX-1」を画面表示のマークに合わせてセットしたら[次の手順へ]をクリック

あとは自動的にレッド、ブルー、グリーンなどのカラーパッチが次々と表示されながら、それを測色器が計測していく。すべて終わると調整名が表示され(任意の名称に変更可能)、右下の[適用して終了]をクリックして作業終了

キャリブレーションした結果は3種類まで記憶しておくことができる。写真用、Web用、ゲーム用、プリント用といったように用途別に保存しておくことも可能だ。なお、最終調整日と経過時間が表示されるので、100~200時間(2週間から1ヶ月)ぐらいを目安に再調整するとより最適な状態を維持できる

EasyPIXを起動させるとディスプレイの使い方を選ぶ画面が表示される。もっとも簡単で初心者向けなのが「写真鑑賞」もしくは「Webなど一般用途」、次いで「キャリブレーション(上級社向け)」、「マッチング」の順となる

❶❷

写真鑑賞(初心者向け)

画面中央に表示される白がただしく白に見えるように「明るさ」を調整するだけ。明るさは表示画面のGUIもしくはキーボードの「PageUp」と「PageDown」で調整できる(※Webなど一般用途を選んだ場合も作業手順は同様)

プリントする用紙の紙白とディスプレイの白色点を合わせるモード。普段、プリントの色味をチェックしている環境光で計測する必要がある。環境光についての知識がある程度は必要なので、かなり上級者向け。用紙は透けないように画面同様、2枚重ねるのがポイント。センサーは用紙から25cm程度離してから[用紙を計測する]のボタンをクリック。次の手順で「明るさ」と「色合い」を決める

カラーモードによる色調の違い

ディスプレイのプリセットモードであるsRGBで表示。このモードだけを見ているとまったく問題のないように感じるが、写真の評価やフォトレタッチをするには、色温度が少し高く、コントラストもやや高めになっている

● sRGB

●写真用 5500K 80cd/m2 ● Paper(テキスト用)

●Game(ゲーム用)

●Cinema(映画用)

手順

EIZO EasyPIXによる操作手順

キャリブレーション(上級者向け)

キャリブレーションはVer.2.0から追加された新モードで、ユーザーが任意に輝度、色温度、ガンマを選ぶことができる。右上にプリセット調整目標として[写真を見る/調整する][Webを見る][文書を作成する][ムービーを見る/編集する]の4種類が用意されているので、それを選ぶだけでもいい。輝度、色温度、ガンマはとくに明確な目標値がなければ、デフォルトのままでかまわない

マッチング(プリント向け)

手順

2-❶

手順

2-❸手順

2-❷

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