アイパス 顧客起点&現場主導のコア業務集中をrpa...

Post on 26-May-2020

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トランスコスモス株式会社

Case Study

人と技術の融合で顧客価値を創出その企業理念にRPAが合致

 ネットからリアルまで企業と顧客をつなぐすべてのチャネルをITアウトソーシングサービスで支えるトランスコスモスは、コールセンター、BPO、デジタルマーケティング、EC、ビッグデータアナリティクス、オフショア開発など多彩な事業を展開。ビジネスを取り巻く環境変化に迅速に対応し、デジタルの活用で顧客の変革を支援する「Global Digital Transformation Partner」を標榜している。 そうした中で3年以上も前から注目し、段階的な社内導入を進めているのがRPA(Robotic Process Automation)だ。同社の川崎大輔氏

(サービス推進本部 システム統括部)は「弊社は『People & Technology』をコーポレートビジョンの一つとして掲げ、人と技術の融合によって品質と価値の高いサービスを継続的に提供することを目標としてきました。RPAはまさにこのコンセプトと合致するものです」と語る。

先行部門が続々とトライ全社横断のサポート体制を整える

 トランスコスモス全体としては、どのような取り組みが進んでいるのか──。例えば BPO部門では、業務の見直しとデジタルツールの適用をセットにしてプロセスの全体最適を図る「Digital BPO®」※サービスの中で、RPAの活用を提案し、導入実績を積み上げている。インターネット広告サービスなどを手掛けるデジタルマーケティング部門では、データアナリシスのプロセスの一部に RPAの適用を進めている。また、本社系部門においても、人事や経理などの業務に積極的にRPAを適用して成果を上げ始めている。 いくつもの部署が、より実効性の高い使い方を同時並行的に模索する状況下においては、衆知を集めたり疑問や悩みに応えたりといった円滑な情報交流が成熟を促すこととなる。そこで CoE(Center of Excellence)としての位置付けで、全社横断的な支援組織を2017年11月に立ち上げた。いわば RPAのサポート事務局であり、前出の川崎氏が所属するシステム統括部が任務にあたることとなった。

顧客起点&現場主導のコア業務集中をRPAで具現化「分かりやすさ」と「伝えやすさ」が決め手に

顧客企業のビジネスプロセスを「コスト最適化」と「売上拡大」の両面から支援するトランスコスモスは現在、アジアを中心に世界33カ国・173拠点でサービスを展開している。オペレーショナル・エクセレンスの追求にはテクノロジーの動向調査もまた欠かせないものであり、RPAについても3年前から着目して、調査・研究・導入を進めてきた。ここで同社は、顧客接点となる「現場」が主導する業務改革を重要視しており、取り組みを支えるために導入したツールの一つがデリバリーコンサルティングの「ipaS(アイパス)」である。

トランスコスモス株式会社● 本社所在地 〒150-8530 東京都渋谷区渋谷3-25-18● 資本金 290億6,596万円● 従業員数 グループ:24,875名 単体:10,609名(2018年3月末現在)● 事業内容 コンタクトセンターサービス、ビジネスプロセスアウ

トソーシングサービス、デジタルマーケティングサービス、ECワンストップサービス

● URL https://www.trans-cosmos.co.jp/

 具体的な活動としては、RPAポータルの運営による情報発信やヘルプデスク機能、RPAに関する全体会議の開催による情報交換などを挙げることができる。隔月で開催している全体会議には、毎回50名以上が参加。検討から導入、そして運用へと進む中で得た知見などが活発に語られ、それに刺激を受けて、別の部署にRPAが広がったり使い方が高度化したりといった好循環を生んでいる。 実際にRPAを導入するにあたって、同社が現在推奨しているのがデリバリーコンサルティングの「ipaS」だ。RPAの爆発的な関心の高まりに伴って日本市場でも様々なタイプの製品が登場しており、どれが最適かを見定めるのが難しいとの声も聞こえてくる。トランスコスモスがipaSを採用した背景には、どんな理由や狙いがあるのだろうか。 「私たちは常にお客さまのご要望に合わせた最適な提案を行うことをサービスの原点としているため、RPAについても特定の製品に絞り込んでいるわけではありません。とはいえ、ノウハウや技術力をしっかり蓄積する観点では軸となるものが必要との想いがありました。いくつか試してみると、ipaSは PCで行う手順をそのまま視覚的に設定できるので、初めてRPAに触れた人にとって、“これは使えそう”という手応えを早々につかんでもらえる点に魅力を感じました。そこでRPAの知見を全社で共有させたいという弊社のニーズから、まずは ipaSを出発点として習熟を図っていくことにしたのです」(川崎氏)。 全社的にRPAに取り組むトランスコスモスの中で、ipaSを全国展開しているのがコンタクトセンター部門だ。

アイパス

※「Digital BPO®」は、トランスコスモス株式会社の登録商標です(登録第5982695号)。

サービス推進本部システム統括部HRD部エグゼクティブプロジェクトマネジャー

川崎 大輔 氏

トランスコスモス株式会社

コンタクトセンター部門の活用事例相似形の作業手順書とスクリプト

 「プログラミングの経験がないメンバーでも、すぐに使い始めることができるんですよ。それがipaS導入の決め手になりました」──。こう話すのはデジタルコミュニケーションセンター統括 サービス企画部の岩浅佑一氏だ。「ある拠点の担当者は月次の報告書を仕上げるため、毎月最初の営業日は朝から手間のかかるデータの転記や集計に忙殺されていました。従来は 1時間以上を要していたこの作業をipaSで自動化したことで10分ほどにまで短縮され、『慌ただしかった月初の朝にゆとりが生まれました』と喜びの声をもらっています」(岩浅氏)。 コンタクトセンター部門では、業務システムを使う際の手順書を日頃からしっかりと整備している。RPAを機能させるにあたっては「所定の操作を覚えさせる」ことが必要となるが、「ipaSは、人間によるシステムの操作とipaSのスクリプト(ipaSへの命令文)がほぼ1対1で対応するため、特別な知識を必要とせずに違和感なく直感的に扱うことができます」と話すのは笹川貴弘氏(デジタルコミュニケーションセンター統括 サービス企画部 RPAソリューション課)だ。先の「すぐに使い始めることができる」理由がここにある。 既にある作業手順書をなぞるようにipaSのスクリプトを作成できるとなれば、導入の負荷を大幅に抑えることができる。「日々多忙をきわめているコンタクトセンターの担当者に余計な負担やストレスを感じさせないためにも、これは非常に重要な要件となりますね」(笹川氏)。 加えて、岩浅氏は ipaSがデスクトップ型のRPAツールである点も評価したという。先述した通り、トランスコスモスでは顧客企業の要望に最適化させる故に、社内には多種多様な業務プロセスが存在することとなる。そうした中にサーバー型の RPAツールを導入し、すべての業務プロセスを集中管理しようとしても、現場の細かい事情を把握しきれずに破たんしてしまう危惧がある。「既存の業務プロセスを単純に統合した合理化ではなく、まずは現場主導で業務改革を進めていくことを優先課題としました。この取り組みにデスクトップ型の RPAツールであるipaSが適していました」(岩浅氏)。

全国の拠点を巡ってコツを伝授RPAでの代替事例を積み上げる

 笹川氏が所属するRPAソリューション課は目下、全国各地に点在す

るコンタクトセンターの拠点を順次訪問し、ipaSの説明会や研修会を開催している。そこで大きな手応えを実感しているのが、想像していた以上のipaSの「分かりやすさ」と「広めやすさ」だ。「ipaSの操作そのものの説明は簡単なデモを見せるだけで、20分程度もあれば終わってしまうんですよ。後はどの作業をソフトウェアロボットに置き換えれば自分たちが楽になるのかという“コツ”さえ掴んでもらえば、ipaSは現場主導でどんどん活用が進んでいきます」と笹川氏は強調する。 実際、2017年度だけで既に 40を超える作業が RPA化されたという。入力フォームに単純にデータを転記するだけの単純作業を自動化したものもあれば、中には報告書作成にまつわる最新の実績データの収集からCSV加工、Excelへの展開、メール送信に至る一連の業務プロセスを丸ごとRPAに置き換えた事例もある。できるだけ多くの労働力をロボットで代替しようというのが狙いではなく、想定しているのは集計 /分析作業の前段階のデータ整理など、あくまでも定型的かつ単調な繰り返し作業をロボットに任せることにある。 今はまだ立ち上げ期でもあり、まずは自動化の取り組みを通じて、より多くの事例を作っていくことに全力を注ぐ。その実績が積み上がっていく中から、作業のリードタイム短縮や工数削減といった定量的な効果も自ずと明らかになっていくという考え方に基づくものだ。笹川氏は「2018年度内に 630以上の作業をソフトウェアロボットに置き換えたいですね」とし、部門内での活用促進を図っていく考えだ。

蓄積するナレッジを元に水平展開を加速適材適所と全社最適のセンスが求められる

 業務の品質や効率のアップにRPAを積極的に活かしているトランスコスモス。ユースケースのバリエーションが広がっていく中で、RPAの導入効果の評価方法や導入の各工程における検討ポイントもより鮮明になってくると考えられる。先に触れた全社横断的なサポート事務局が中心となり、ポータルや全体会議の場を通じて現場の経験値を吸い上げると共に、形式知として体系化。業務適用のガイドやサンプルスクリプトといった成果物へと昇華させ、各部門にフィードバックしながら裾野を拡げていく構えだ。 導入部門の観点で見れば、一人ひとりの業務効率が上がることで、新たな仕事にチャレンジする時間や精神的な余裕が生まれる効果が見込める。また、RPAのスクリプト作成を通して、業務プロセスそのものの是非の検討や、よりコンパクトにリサイズすることで業務改善が進む。最終的には、受託体制の構築がより機動的になり、キャパシティを拡大することで、新規の顧客獲得や売上拡大に結実する──身近な課題の解決にフォーカスした RPAではあるが、うまく定着した先の副次的効果は絶大だ。

コンタクトセンターのパフォーマンス最大化にRPAが活かされている

●お問い合わせ先株式会社デリバリーコンサルティングTel:03-6683-4474Web:http://www.deliv.co.jp

Case Study

アイパス

取材:2018.6※本書は、IT Leaders(インプレス)に掲載された記事を再編集したものです。

デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括デジタルコミュニケーションセンター総括サービス戦略本部 サービス企画部RPAソリューション課 課長代理

笹川 貴弘 氏

デジタルマーケティング・EC・コンタクトセンター統括デジタルコミュニケーションセンター総括サービス戦略本部サービス企画部 部長代理

岩浅 祐一 氏

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