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1

国会議員との原子力意見交換会

2011年2月25日(金)衆議院第二議員会館多目的会議室

NPO法人 IOJ(日本の将来を考える会)

原子力の現状認識

2

発電所稼働率

アレルギー

規制自治体

燃料増殖

国際展開

原子力の特徴

安全性の実態と向上

廃棄物管理アレルギー

チェルノブイリ

原子力を日本の救世主へ-エネルギー安全保障力の向上-

3

資料構成

エネルギー保障が日本の弱点である理由

原子力発電の4大特徴

救世主としての条件

4

エネルギー保障が日本の弱点である理由

5

日本のエネルギー自給率はわずか 4%

出典:IEA「ENERGY BALANCES OF OECD COUNTRIES (2010 Edition)/「ENERGY BALANCES OF NON-OECD COUNTRIES (2010 Edition)」/農林水産省ホームページ

• 日本の食料自給率は41%、エネルギー自給率は4%しかない。

主要国のエネルギー自給率(2008年)

6

国民が直面しているエネルギー供給リスク-天然資源の枯渇-

各天然資源の枯渇予想年数

• 天然資源は増やせない。石油は40年、ガス60年、ウランで100年

7

国民が直面しているエネルギー供給リスク-輸入価格の高騰-

0

5,000

10,000

15,000

20,000

2000 2007 2015 2030

中国

インド

その他途上国

OECD諸国

旧ソ連・東欧

石油換算百万トン

【出典】OECD/IEA,「World Energy Outlook 2009 」よりIOJ作成

世界の一次エネルギー需要予測

・今後2030年までに、世界のエネルギー消費は約4割増加

・天然ガス27% 、発電石油13%、石炭25%増+石油価格乱高下のリスク

8,000

8,500

9,000

9,500

10,000

2010年 2020年 2030年

0

10

20

30

40

50

2000年 2010年 2020年 2030年

天然ガス(ドル/百万BTU)

原油(ドル/バレル)

石炭(ドル/トン)

USドル

天然ガス・原油・石炭価格の長期見通し

現在の化石依存型電源が続く場合の電気代

天然ガス

原油

石炭

IOJ試算 (2010年電源比率で換算)

(4人家族1ヶ月あたりを想定)

¥8,300

¥9,495

8

原子力発電所 太陽光発電 風力発電

資料:資源エネルギー庁

基幹エネルギーに求められる発電能力とは

面積: 約0.6K㎡費用: 約3000億円

面積: 約58K㎡費用: 約6~7兆円平均設備利用率: 12%(日中のみ)

面積: 約214K㎡費用: 約1兆円平均設備利用率:20%

(山手線と同等)(山手線の1/100の面積) (山手線の3.4倍)

100万kW(=約30万世帯をまかなえる電気)の発電に必要な設備

・太陽光や風力だと、原発の100倍以上の面積が必要。・太陽光は日中のみ、風力は風任せ(発電出来る時間10~20%)のため、これからの日本に不可欠な電源であるものの、基幹電源の役割を果たすことはできない

東京

新宿

池袋

東京

新宿

池袋

東京

新宿

池袋

9

原子力発電の4大特徴

10

原子力発電における4つの特徴

永続性 continuous

環境にやさしい clean energy

経済的 cost competitive

安全運転のしくみとノウハウ

11

原子力の特徴1 : Clean (環境に優しい)

【出典】電中研報告書「日本の発電技術のライフサイクルCO2排出量評価」(平成22年7月)

各電源のCO2排出量

0

200

400

600

800

1000

水力

地熱

原子力

風力

太陽光

天然ガス

石油

石炭

発電燃料(直接)

その他(間接)

排出量(g-CO2/kWh)

12

原子力エネルギーの特徴2: コスト競争力がある

単価(円/kWh)

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

太陽光

水力

石油

天然ガス

石炭

原子力

固定費(設備費+人件費)

燃料費

発電単価の比較

• 原子力は5.3円kWhと、他の電源に比べてコスト競争力がある。燃料費の割合が低く、価格変動にも強い。

・ウランはわずか1kgで、約1,000世帯を1ヶ月まかなえる。

【出典】電事連図面集2010年版出典:資源エネルギー庁「原子力2007」

エネルギーの効率(燃料1kgあたり)

0

50

100

150

200

250

300

350

発電電力量(原子力は利用率80%)

GWh

濃縮ウラン(33万kWh)

天然ガス(7.5kWh)

石油(4.8kWh)

石炭(3.2kWh)

13

原子力エネルギーの特徴3 : Continuous(永続性)

・輸入資源であるウランは、再処理することで国産の燃料増殖が可能

国産化不可能 国産化可能

輸入資源輸入資源

国産化の手段なし

燃料のリサイクル

国産燃料を増殖

石油 天然ガス 石炭 ウラン

再処理と

高速炉

14

運転監視

保守管理

10年ごとの安全レビュー

30年以降の高経年評価

•国内外トラブルの水平展開

改善活動

巡視点検

定例試験

状態監視

運転中 停止中

定期事業者検査

点検・検査

修理・取替

定期検査

経年変化事象等の把握評価

健全性の把握

点検計画への反映

運転管理

性能維持向上メインテナンス性向上

原子力発電所の保全活動の仕組み

原子力エネルギーの特徴4:

今の原子力発電所が安全に運転される仕組み

・細部まで行き渡った保全活動の仕組みを国内すべての発電所が維持・改善活動を実践。

⇒ 他国と比べ、予期しないプラント停止回数(計画外

スクラム回数)が圧倒的に少ない

0.970.59

0.43

0.42

0.28

0.250.12

0.07

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

スウェーデン

フランス

フィンランド

韓国

アメリカ

ロシア

ドイツ

日本

計画外スクラム回数(7,000時間当たり, 2008年)

運転実績

原子力設備にみる安全

プレゼンター
プレゼンテーションのノート
安全レビューでは、運転試験を評価、最新の技術知見の反映、確率論的安全評価

15

原子力発電における安全性の実態と向上

被ばく

放射能

危険と不安

16

安全指標の観点から

寿命短縮日数(各リスクによる人の寿命の平均損失日数)の比較

[出典]National Center for Health Statistics “Monthly Vital Statistics Reports” 36,5 (1987)より

0

200

400

600

800

1000

喫煙

飲酒

交通事故

航空機事故

原子力

石炭火力

石油火力

天然ガス

損失日数

0.05

2590

365

207

1 23 4 2.5

・原子力は意外に安全であり、原子力発電所から出る放射線量は医療診断時に比べはるかに微量である

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

ラドンガス 宇宙放射線医療診断核燃料サイクル

UNSCEAR2008報告書

0.000002

年間一人当たり実効線量(mSv/年)

17

チェルノブイリ事故その後はどうであったか 1- ウクライナの発電状況-

・危険な設計(RBMK-1000炉)。しかし電源確保のため隣接の3基は止められず、厳重管理のもと運転を継続。(1号:96年、 2号:91年、3号:2000年まで)

・豊富なウラン資源のもと、現在原子力比率50%(15基可動、2基予定)

ウクライナで1986年に事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所4号炉

史上最悪の事故原子力に対する逆風

(平面図)

18

チェルノブイリ事故その後はどうであったか 2- ウクライナは事故とどう向き合っているか -

EXCLUSIEVE REIS NAAR CHERNOBYLEcologische reis naar de kernreactor van Chernobyl!

チェルノブイリで観光ツアー解禁原発周辺、1月から

(2010年12月23日 朝日新聞)

【モスクワ=副島英樹】1986年4月に史上最悪の原発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発周辺で、来年1月から観光ツアーが解禁される。ウクライナ緊急事態省が21日、発表した。来年の事故発生25年にあわせ、事故の「遺産」を観光資源として生かす方針で、収益の一部は国庫に入るという。

事故現場の4号炉を覆う巨大なコンクリートの「石棺」をのぞむ展望エリアや、ゴーストタウンとなった町プリピャチなど、放射能で汚染された立ち入り規制ゾーンで見学ルートを設定。ツアーには専門家が同行し、原発の歴史などを解説すると同時に、服装を含めた観光客の放射線対策など安全確保も担う。

緊急事態省の報道担当者は「非常に関心が高く、見学したいという要望が多いため、こうしたシステムを設けることにした。ただ、決してサファリやショーのようなツアーではない」と話している。

ウクライナは来年4月、放射能汚染が及んだベラルーシやロシアの大統領を招いて式典を開く計画をしている。

・事故から20年を迎え、観光ツアー化により、事故と向き合う国もある

19

日本においても、原子力に対する国民の見方が変わりつつある

【出典】原子力に関する特別世論調査(内閣府政府広報室, 2009年11月公表)

4.4%

6.1%

20.4%

35.7%

48.1%

43.4%

17.8%

10.5%

5.1% 4.1%

4.3%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

2005年12月

2009年10月

原子力発電についての感じ方

安心/どちらかと言えば安心

わからない

不安/どちらかと言えば不安

・原子力への前向きな潮流の変化の兆し。・社会の矛盾を解き、国民の漫然とした不安を取り去る必要がないか。

20

救世主としての条件

21

原子力を救世主にするために必要なことその1(原子燃料サイクル)

①貯蔵の課題

②高レベル放射性廃棄物処分の課題

原発内の使用済燃料が一杯当面の中間貯蔵施設が必要

処理地が未定

最高度安全保護技術のカプセル

●日本原燃資料より

・サイクルがないと燃料の増殖が出来ない!

22

現在の原子力発電所の設備稼働率は低迷している 政府行動計画では、2020年までに85%、2030年までに90%を目標。

・原子力の稼働率が約60%から約90%になると、年間約1兆円の節約(7920億円のエネルギー海外調達、年間CO2発生量の7.5%( 9000万ton=2250億円*)の削減)

*:1ton-CO2=2500円で取引されると想定

50

55

60

65

70

75

80

85

90

95

100

1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008年

設備

利用

率(%)

出展:原子力施設運転管理年報(平成21年版)

韓国 93.1

米国 91.3

日本 58.0

原子力を救世主にするために必要なことその2(もっと有効活用=稼働率)

岡村さん、韓国の規制が見直された年を

ご存知ですか?

23

稼働率があがらないのは何故か(その1)

①定期検査のための停止期間が長い・運転期間が短い

• 発電停止して行なう分解対象機器の数が膨大

• 運転中点検の対象範囲が制限

②トラブル停止後の停止期間が長い

• 小さなトラブルでも徹底した原因究明、再発防止策をするまで停止させ続ける。

• 規制当局の要求が細かい。

• 当局が許可した後でも、再度自治体の了承が要る

直接の理由

・設備稼働率の低下による不利益を国民がこうむることに対する認識が薄い

・安全性を無限に追い求める主張に、反論しにくい空気がある

その背景

24

稼働率があがらないのは何故か(その2)

具体例 (自治体の了承)

・より科学的・合理的な行政を目指す必要はないか

トラブル事象

・2010年8月 東京電力福島第一発電所

・蒸気タービンからの水滴(3秒に1滴の微量)

原因

・前回の分解点検(2~3年に1度が義務)時に

接触面の磨き作業ミス 漏洩

米国専門家の見解

・安全性に影響のない機器の小トラブルで、プラント停止はしない。

・点検の頻度が不合理に高すぎ。(米国は10年に1度の分解)

・自治体が「安全上、どう発電所を動かすかを指示」するのはおかしい。

結果プラント停止:33日国の原因/対策説明及び自治体の対応国=23日、自治体=10日

25

原子力の認識-まとめ-• 圧倒的脆弱なエネルギー安全保障を改善することが日本に必要。

それがエネルギー自給率の向上であることを、国民は自覚する必要がある

• 経済大国日本がとりうる唯一のエネルギー自給率向上策は原子力発電である。日本には安全を最優先に運転してきた実績、しくみ、ノウハウがある。

• 過去20年にわたり、他国のような重大事故の起こらなかった日本では、原子力への国民の見方に変化が起きている。

• 原子力発電が、エネルギー安全保障および国民の暮らしを支えるエネルギー(=救世主)になるためには、

世論の変化を受け止め、

規制を改良し、

国と国民とが原子力発電設備の有効活用を促進することが必要。

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