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マテリアルフローコスト会計による コスト削減行動のメカニズム

中央大学渡辺ゼミナール チームジャポニカン

小川 修平 鈴木 由香 林 孝治 本田 愛

山田 悠介

Watanabe seminar7th

目次

Ⅰ.問題意識 Ⅱ.マテリアルフローコスト会計とは Ⅲ.研究目的 Ⅳ.仮説モデル Ⅴ.仮説 Ⅵ.実験室実験に関して Ⅶ.今後の課題 Ⅷ.参考文献

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異常気象

地球温暖化

砂漠化

資源枯渇問題

地球上では様々な 環境問題が起きている!!

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Watanabe seminar7th

Ⅰ.問題意識

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家の電気の つけっ放しにしちゃったな・・・

こんな経験ありませんか?

企業も同様です!

ティッシュペーパーをついつい使いすぎちゃう・・・

Watanabe seminar7th

Ⅰ.問題意識

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埋蔵量 世界消費量 日本消費量

ニッケル 6.400(万トン) 142(万トン) 19.6(万トン)

コバルト 700(万トン) 5.5(万トン) 1.4(万トン)

タンタル 43,000(トン) 1,290(トン) 897(トン)

インジウム 2,800(トン) 351(トン) 211(トン)

参考:銅 48,200(トン) 1,796(トン) 125(トン)

環境省(2008)

つまり

企業は資源を節約する必要性がある。

約45年 約127年 約33年 約80年 約27年

レアメタル埋蔵量と消費量

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マテリアルフローコスト会計に注目

Ⅰ.問題意識

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コスト削減

環境負荷低減

そこで!

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「製造工程におけるマテリアルのフローとストックを適切に把握することによって、今まで過ごされていた無駄(廃棄物等)の経済的な大きさを評価する手法」 國部他(2007,p56)

Ⅱ.マテリアルフローコスト会計とは(定義)

「経営者や現場管理者の意思決定に用いることで、環境負荷の低減とコスト低減の両立を同時に達成することを目的とした、環境管理会計の手法の一つである。」 経済産業省(2008,p2)

負の製品 廃棄物 正の

製品 良品 作業くず 仕損品※良品にならないもの

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第三工程 第二工程 第一工程

正の製品

負の製品

負の製品

負の製品

正の製品 製品

金額情報と物量情報を同時に提示する!!

完成

Ⅱ.マテリアルフローコスト会計とは(全体の流れ)

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負の製品 廃棄物 正の

製品 良品

Watanabe seminar7th

MFCAの特徴は

工程別に正負の製品を把握し、金額と物量情報の同時提示をする。

Ⅱ.マテリアルフローコスト会計とは(特徴)

伝統的原価計算とは廃棄物を負の製品として、工程別で把握する点が異なる!!

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数値データとして物量とコストが明確になったことで、現場担当者の中にムダを出してはいけないという意識が芽生え始めた。 (あさ川製菓株式会社)

作業には手間がかかったが、紙の価格を種類ごとに調べ、平均単価に基づき算定したことで、 ロスに対する意識が向上した。 (株式会社第一印刷)

経済産業省(2008)

MFCAによってコスト意識を持った

Ⅱ.マテリアルフローコスト会計とは(導入事例)

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Ⅲ.研究目的

しかし、MFCAのコスト削減行動の影響の メカニズムは明らかにされていない!!

明らかにされていないMFCAのメカニズムを明確化にする!

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Ⅳ.仮説モデル

同一化型動機づけ

コスト削減 パフォーマンス

A

コスト意識B ①物量 ②金額

コスト削減 パフォーマンス

B

コスト意識C ①物量

コスト意識A ①負工程別 ②物量 ③金額

環境教育

(+) ⅳ (+) ⅲ

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コスト削減 パフォーマンス

コスト意識A´ ①負工程別 ②物量 ③金額

コスト削減 パフォーマンス

C

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Ⅴ.仮説(ⅰ)

高田他(2003) (例)キヤノンの複写機工場

「工程単位の責任が明確になり、省エネ意識を引き出しやすくなる」 高田他(2003,p34)

第三工程 第二工程 第一工程

部門全体 電力を把握

(ⅰ)工程別に負の製品原価を把握する方が、全体の負の製品原価を把握するより、コスト意識が高まる。

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Ⅴ.仮説(ⅱ)

(ⅱ)負の製品原価を提供する方が、その物量情報のみを提供するより、コスト意識が高まる。

Hunt(1941)

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130キロのストレート

100キロのカーブ

120キロのストレート

100キロのカー

ブがアンカーになり、速く感じる

アンカリング(対比効果) ある刺激がアンカーとなる別の刺激と比較されたときに生じ,その刺激に対する主観的認識がアンカーから対極側

に(遠ざかるように)シフトすること。

Watanabe seminar7th

Ⅴ.仮説(ⅱ)

アンカリングの対比効果によって日常の金銭感覚がアンカーとして働く、つまり負の製品の金額情報を与えることによってコスト意識が高まる!

日常で身につく金銭感覚 アンカー 負の

製品 金額表示

物量表示

負の製品の原価を認識して、 もったいないと感じる!!

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Ⅴ.仮説(ⅲ)

(ⅲ)コスト意識が高い場合、環境教育を行うと、同一化型動機づけが高くなる。

速水(1997)

どう 同一化型動機づけとは、外にある価値を自分自身の価値として感じ、それに従って自ら行動すること。

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外部の価値

自分の価値

介護士になるために勉強しよう

介護士になることは社会的に意義のあることだ

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Ⅴ.仮説(ⅲ)

環境教育により、環境負荷低減行動に社会的意義を感じ、その結果同一化型動機づけにつながる。

同一化型動機づけ

コスト意識

環境教育

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コスト 削減行動

環境負荷 低減

社会的に価値のある行動

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(ⅳ)同一化型動機づけが高い場合、コスト削減パフォーマンスが高くなる。 (ⅴ)同一化型動機づけ状態である時は、無いときより、 コスト削減パフォーマンスが高くなる。

Ⅴ.仮説(ⅳ,ⅴ)

どう 「自律性とは,自由な意志と自己選択の感覚を持って、自由に行動することをいう。」 宮脇(2008,p638)

速水(1997)

同一化型 動機づけ

自律性 が高い

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どう 一般的なこととして,人は何をどうするかを自分で決めた時,今までよりもしっかりとその行勤をやり遂げようとする。

Ⅴ.仮説(ⅳ,ⅴ)

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Deci(1995)

自律性高

自分の意思で決めたことだから、やり遂げよう!!

高い パフォーマンス

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(ⅵ)コスト意識が高い場合、コスト削減パフォーマンスが高くなる。

Ⅴ.仮説(ⅵ)

コスト意識が高まるとコスト削減量が増加!

(例)三菱重工 西本他(2010)

ターボ圧縮式温水ヒートポンプ

「ちょっとした’’もったいない’’レベルの排熱も回収、活用を」 西本他(2010,p135)

49%コスト削減した

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Ⅵ.実験室実験の概要

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Ⅵ.実験室実験の概要(ゲーム内容)

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直径(円)5㎝

10㎝

直径(円)4㎝

8㎝

直径(円)3㎝

6㎝

20point 50point

100point

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Ⅵ.実験室実験の概要(ゲーム内容)

直径を何本か引いて円を作成

扇型の半径を何本か引いて扇型を作成

4箇所をテープで貼る

ルール

Ⅱ.計2回実施する※1回目→ロスの提示→2回目 Ⅰ.1チーム3人(各工程1人ずつ)

Ⅲ.作業中の私語厳禁 Ⅳ.使用物は、OHPフィルム、ハサミ×3,ペン×2,定規×2,テープとする

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Ⅵ.実験室実験の概要(ゲーム内容)

負の製品を工程別で金額表示・物量表示+環境教育

負の製品を工程別で金額表示・物量表示

負の製品を全体で金額表示・物量表示

負の製品を全体で物量表示

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Ⅶ.今後の課題

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①実験室実験の分析

②サンプル数の増加

→統計ソフトSPSSを用いて、分析し考察をする

→現在、サンプル数が約50人なので、今後更に増やして行きたいと思います。

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Ⅷ.参考文献

・環境省(2008)『使用済小型家電からのレアメタルの回収及び適正処理について』 ・経済産業省 (2008)『マテリアルフローコスト会計(MFCA)導入事例集』 ・経済産業省 (2007)『マテリアルフローコスト会計(MFCA)導入事例集』 ・國部 克彦・伊坪 徳宏・水口 剛(2007)『環境経営・会計』有斐閣アルマ ・國部 克彦(2008)『実践マテリアルフローコスト会計』社団法人 産業環境管理協会 ・國部 克彦・中嶌 道靖(2008)『マテリアルフローコスト会計-環境管理会計の革新的手法 第2版』日本経済新聞出版社 ・稲盛和夫(2006)『アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役』日本経済新聞社 ・岡崎宏行(2009)「『学習』の仕組と『アンカリング』」『行政&情報システム』12月号pp94-97 ・速水敏彦(1997)『自己形成の心理』金子書房 ・伊藤崇達(2010)「動機づけの内在化プロセスの検証-親の自律的動機づけ及び支援のあり方に着目して-」『発達研究』第24巻pp1-12 ・宮川雅充、井勝久喜、諸岡浩子、廣田陽子、土生真弘、青山動(2010)「環境配慮行動および社会活動の実践と生き方志向との関係 -岡山県の大学生を対象とした質問紙調査- 」『吉備国際大学研究紀要』第20巻pp47-55 ・高田憲一・宮坂賢一(2003)「会計手法や社内排出権取引を駆使 新たな視点が起爆剤に」『日経エコロジー 』8月号pp34-35

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Ⅷ.参考文献

・伊藤崇達(2009)『自己調整学習の成立課程』北大路書房 ・ ・Deci,E.L.&R.Flaste (1995) Why we do what we do:The dynamics of personal autonomy ・William A Hunt(1941)ANCHORING EFFECTS IN JUDGMENT,The American Journal Psychology

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ご静聴 ありがとうございました

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