グローバルなジャーナル評価の最新事情 -...

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グローバルなジャーナル評価の最新事情

~ジャーナル・インパクトファクターを超えて~

クラリベイト・アナリティクス・ジャパン株式会社学術情報事業ソリューション部 仁村幹彦mikihiko.nimura@clarivate.com

J-STAGEセミナージャーナルのプレゼンス向上に向けて~評価指標の観点から~2018.9.14

ひろがり

ふかさ

Journal Impact Factor

新しい視点

-相対被引用度(CNCI)- Top10%論文割合

-高被引用論文数 etc.

JIF を深く知る

-引用の分布- JIFに寄与する文献- JIF に寄与する国・地域 / 研究機関

JIF 定義

≒ 1.377(回/論文)

2016年の掲載論文数=130報

2017年に150回引用

2015年の掲載論文数=127報

2017年に204回引用

127+130

150+204

257

354

※計算対象(分母) Articleと Review

4

コアな国際誌(ジャーナル)掲載論文

Web of ScienceCore Collection

自然科学:SCIE社会科学:SSCI人文学 : A & HCI成長 :ESCI学術書 :BCI会議録 :CPCI

20,000誌

JIF 付与される対象

SCIE:Science Citation Index ExpandedSSCI: Social Sciences Citation IndexA&HCI: Arts & Humanities Citation IndexESCI:Emerging Sources Citation IndexBCI:Book Citation IndexCPCI:Conference Proceedings Citation Index

5

国際性 引用分析

●国際的な利用

●著者・編集委員会の国際性

●総被引用数等

●最近の引用動向等

●著者・編集員会のメンバーの引用

●他ジャーナルからの引用 など

●ピアレビュー

●出版倫理の順守

●電子ファイル

●定期刊行

●国際的な編集慣例

●書誌事項が英語

●学術コミュニティーの要望

●他の類似ジャーナルとの比較

●類似ジャーナルの有無

●新規性

http://wokinfo.com/essays/journal-selection-process/

20,000誌

Web of Science Core Collection

11,000+誌

ジャーナル・インパクトファクター

発行基準 編集内容発行基準 編集内容

JIF 付与されるジャーナル / 評価基準

6

ESCI Evaluation査定

Journal submission新規・申請

Rejection収載ならず

Acceptance収載決定

高いジャーナルのパフォーマンスが確認できると、WOS-3 (SCIE, SSCI ,AHCI)に移行となる。SCIE, SSCI のジャーナルにはジャーナル・インパクトファクターが付与される

ESCI 索引化

WOS-3Evaluation 査定

Rejection収載ならず

Acceptance収載決定

WOS-3SCIE, SSCI, AHCI 索引化

SELECTIVITY

In 2017:

48誌がESCI からWOS-3へ評価される

15誌がWOS-3からESCIへ評価される

Web of Science 審査のプロセス

7

• ジャーナル・インパクトファクターは、ジャーナル単位で算出する値

- (ジャーナル全体の引用回数)/(ジャーナル全体の論文数)

• 個別の論文の引用状況を必ずしも反映しない

- 個別の論文を反映したパラメータは含まれていない

• 論文ごとの評価、著者個人の評価には適さない

- 同じジャーナルの中にも引用数の多い論文と少ない論文がある

JIF 注意点

JIF 30.0引用回数 0

JIF 3.0引用回数 20?

出典:Journal Citation Reports 2018

8

JIF 注意点

• 分野ごとの JIF の絶対値の違い

出典:Journal Citation Reports 2018

9

• 四分位 Quartile

• あるジャーナルの JIF がそのジャーナルの属する分野の中でどの位置にいるかを判断する尺度

JIF 注意点

Q1 上位 25%

Q2 上位 50%

Q3 上位 75%

Q4 上位 100%

出典:Web of Science

ひろがり

ふかさ

Journal Impact Factor

新しい視点

-相対被引用度(CNCI)- Top10%論文割合

-高被引用論文数 etc.

JIF を深く知る

-引用の分布- JIFに寄与する文献- JIF に寄与する国・地域 / 研究機関

11Journal Citation Reports 2018

ジャーナル情報

ジャーナル・インパクトファクター(JIF)

引用インパクトプロファイル

JIF詳細

JIF計算に含まれる論文情報

被引用トップ論文

ジャーナルソースデータ(JIF 年 [e.g JCR2017=2017年])

ジャーナルに貢献している国・機関(直近3年間)

12

JIF ジャーナルインパクトファクターの時系列での推移

5年間の推移が表示 カーソルを当てると値が表示

全年代を表示

Journal Citation Reports 2018

13

Citation Distribution section-それぞれのレコードは実際にどのぐらい引用された?

ドキュメントタイプごとの内訳

Unlinked Citations数

Review & Articleの被引用数の中央値

Journal Citation Reports 2018

14

インパクトファクターの計算の元になっているデータの透明化.

JIF 計算値 WoSへのリンク

Journal Citation Reports 2018

15

インパクトファクターの計算の元になっているデータの透明化

個々の論文のJIF年での引用数とともに表示

Journal Citation Reports 2018

16

ジャーナルへの貢献を国・地域と研究機関単位で表出

Journal Citation Reports 2018

ひろがり

ふかさ

Journal Impact Factor

新しい視点

-相対被引用度(CNCI)- Top10%論文割合

-高被引用論文数 etc.

JIF を深く知る

-引用の分布- JIFに寄与する文献- JIF に寄与する国・地域 / 研究機関

18論文に関する指標

論文数

被引用数

ジャーナル・インパクトファクター

国際共著率

h-indexTop10%論文割合

高被引用論文数

国際共著

Top1%論文

ジャーナル

個別論文

研究者・研究機関・国

閲覧数・使用回数

緑:論文を見ると把握できる指標黒:各論文やジャーナル単体の指標青:上記指標の母集団に対する相対的な指標

19

指標 概要・特徴

論文数シェア 当該機関の分野内の総論文数を当該分野内の総論文(世界)で割った値。

被引用数シェア 当該機関の分野内の総被引用数を当該分野内の総被引用数で割った値。規模の大きさ(論文数の多さ)も含めたインパクトの大きさを示す。

相対被引用度(CNCI)(論文)

対象の論文について、被引用数をその論文の分野・発表年が同じ論文集合全体の1論文あたり平均被引用数で割った値。1を基準とし、1を上回るかどうかで水準を判定できる。

平均相対被引用度(機関)

機関全体の論文それぞれの相対被引用度(論文)の平均値を算出した値。論文数で規格化した値ではあるが、論文数が少ないと、異常値をとるケースがしばしば見られる。1を基準とし、1を上回るかどうかで水準を判定できるが、機関単位では世界平均は1にはならない。

パーセンタイル(論文)

同分野・同発表年の全論文を被引用数順で並べ、大きいものからパーセンタイル順位を付与した値。論文数で規格化した値であり、0~100%の値を取るため、異常値を取らない。

平均パーセンタイル(機関)

当該機関の各論文のパーセンタイルの平均値。被引用数は一般的に機関単位では正規分布を取らないため、平均ではなく、中間値を用いる場合もある。

Top 1%(10%)論文 分野内で被引用数が上位1%(10%)以内に位置づけられる論文数

機関内Top 1%(10%)論文割合 当該分野の対象機関の論文全体に対するTop 1%(10%)論文の割合

分野内Top 1%(10%)論文割合

当該分野全体に対する対象機関のTop 1%(10%)論文の割合。一般的に、規模が大きいほうが分野内高被引用論文シェアは高い傾向がある。

ジャーナル・インパクトファクター

特定のジャーナルに掲載された論文の平均被引用数。ある年のインパクトファクターは、その年の前2年に掲載された論文が、その年に引用された回数を前2年の掲載論文数で割った値。

論文に関する指標

20

相対被引用度=30/20

=1.5

相対被引用度(CNCI)

同一分野・出版年の論文集合における相対的な平均被引用数➢ 特定分野、特定年(期間)において論文集合(研究者・機関・ジャーナルなど)が発表した

総論文の平均被引用数を同分野、同年(期間)、同じドキュメントタイプの世界の平均値で除した値であり、1.0が同条件の論文集合の平均と等しくなる。

➢ 分野や発表年の異なる論文同士を比較する場合には、単純に被引用数を比較するのではなく、分野や発表年によって違う論文の引用されやすさを考慮したCNCIを使うことにより、分野感の引用傾向の違いを正規化することが可能となる。

➢ 集合内に非常に相対比引用度が大きい論文が含まれる場合、集合の平均値が大きくなることがある点に注意が必要。

➢ 1論文あたりの平均被引用数の世界標準を「1」として計算されているため、1より大きければ、「世界平均より上」と見ることができる。

相対被引用度の計算例:化学、2016年、Article

論文A 世界全体

論文数 1報 100,000報

被引用数30回

2,000,000回(100,000報の合計)

平均被引用数 - 20回/報

まとめ

Journal Impact Factorを深く知る

-ジャーナルの影響度を引用をもとに算出した指標-個別の論文/著者 などをあらわす指標としては不適- JIF に寄与する論文を把握する

別の視点から見る

-対象別(ジャーナル/研究者/機関 etc.)に指標を選ぶ- JIF と組み合わせてジャーナルを多面的に評価する

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