コールドポリペクトミー...2016/02/09  · コールドポリペクトミーの利点...

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コールドポリペクトミー

平成28年2月29日

外来看護師

大腸ポリープ 誘因・原因 遺伝的素因、食生活などの環境的素因、大腸内での機 械的刺激

病態

多くの成人にみられる。同時多発的に、また何度も再発 することがある

症状・臨床所見 最も頻度が高い病変は腫瘍性の腺腫であり、癌化すること がある。 多くの場合は無症状であり、検診などで偶然発見されること が多い。 ポリープが大きい場合には閉塞症状が、ポリープに出血 がある場合は血便・貧血が認められることがある。

大腸ポリープ

検査・診断分類

・下部消化管内視鏡検査、注腸X線造影検査が主な検査

・下部消化管内視鏡検査は、病変を詳細に観察できるほか

生検も可能で、最もよく行われる。

・拡大内視鏡の開発により、生検を行わずに病変の組織診

断を類推することが可能になった。

・表面型ポリープは同定が困難なことが多く、注意が必要

大腸ポリープ

治療

症状(閉塞・出血など)があるポリープ、がんが含まれる、ある

いは今後、がんに進展する可能性があるポリープは治療適応

近年ほとんどの大腸ポリープが内視鏡的に切除される。

ポリープ形態分類 Ⅰ型(隆起型) Ⅱ型(表面型)

Ⅱa 様 (表面隆起型)

Ⅱb 様 (表面平坦型)

Ⅰp 様 (有茎型)

Ⅰsp 様 (亜有茎型)

Ⅰs 様 (無茎型)

ポリープの治療

内視鏡的粘膜切除術(EMR) または

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)

ポリペクトミー ホットバイオプシー

Ⅱ型(表面型)ポリープ 有茎性・亜有茎性ポリープ 5mm以下の微小ポリープ

EMRは、生理食塩液を病変の下に

注入し、病変を隆起させてからスネアをかけ、通電して焼き切る。(ESD

はスネアの代わりに高周波メスを用いて粘膜下層を剥離する。)

ポリープのくびれ部分にスネアをかけ、通電して焼き切る。

鉗子でポリープをつまみ上げ、通電して焼き切る。

コールドポリペクトミー

高周波手術装置を併用せずにポリープを切除する 手技 使用する処置具により コールドフォーセプスポリペクトミー コールドスネアポリペクトミー の2種類がある。

コールドポリペクトミーの利点

利点

①熱傷による遅発性出血の発生が少ない

通電せずに切除するため、熱傷をおこさない

②手技時間が短縮される

粘膜下層への局注・通電・クリッピング不要

③コスト削減

局注針・局注液・クリップの不使用

④準備等を含めた労力を減らすことができる

対象者に対する通電準備・その他上記手技準備

大腸の構造

コールドポリペクトミーの適応

適応

10mm未満の非有茎性の低異形度線種

・ 10mm以上の病変はスネアワイヤの絞扼だ

けでは切除困難

・ 遺残を誘発する可能性がある

・ 有茎性は血管の走行が疑われ、出血のリス

クが高くなる

ポリープ形態分類 Ⅰ型(隆起型) Ⅱ型(表面型)

Ⅱa 様 (表面隆起型)

Ⅱb 様 (表面平坦型)

Ⅰp 様 (有茎型)

Ⅰsp 様 (亜有茎型)

Ⅰs 様 (無茎型)

切除の実際

① ②

③ 5mm大の線種

病変部を絞扼後、勢いよく

ハンドルを握り切除

切除後、遺残・出血がない

ことを確認する。

37歳 女性

病名:多発大腸ポリープ

現病歴

X年12月 X+1年1月

X+1年2月

X+1年2・3・7月

便潜血陽性2次精査目的にて来院 TCS施行 10個以上の大腸ポリープあり attenuated FAP(familial adenomatous poriposis)

軽症型家族性大腸線種疑いあり 注腸検査 両親・姉検査施行し、家族性否定的にて、 ポリープ切除対象 EMR+コールドポリペクトミー施行

症例

X+1年2月注腸検査

コールドポリペクトミーの実際

対象ポリープの確認

ポジショニング 絞扼

ポジショニングと絞扼切除

切除と止血確認

看 護

・治療手順の説明を行い、内視鏡治療に対する不安を和らげる

・全身状態(バイタルサイン等)の管理

・ポリペクトミーによる遅発性出血に注意

切除後1週間禁酒とし、刺激物・重労働を避ける

腹痛・出血時には、来院をするよう説明

便の性状に注意する

診療報酬

内視鏡的大腸ポリープ切除術

1 長径2㎝未満 5000点

2 長径2㎝以上 7000点

(1)切除した大腸ポリープの数にかかわらず所定の

点数のみにより算定する

(2)短期間又は同一入院期間中において、回数に

かかわらず、第1回目の実施日に1回限り算定する。

(3)本区分と同時に施行した内視鏡的止血術の手技料

は所定点数に含まれ、別に算定できない。

<コールドポリペクトミー>

Boston Scientific

プロファイルポリペクトミースネア:楕円型 ¥3,400-/本

・柔らかいワイヤにより、粘膜に押し付けやすい

・高周波対応

<EMR>

高周波スネア Φ15mm ¥2,200-/本

局注針 ¥3,480‐/本

クリップ ¥848-/本

メラパット

価格の比較

まとめ

コールドポリペクトミーは、遅発性出血のリスク

が低いため、安心かつ安全な切除術である。

また、処置時間が短縮することにより、患者侵

襲が軽減され安楽面での向上が期待できる治

療法である。

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