マーケティングにおけるサービス・モデ ル研究,社会ネットワーク...

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マーケティングにおけるサービス・モデマーケティングにおけるサービス・モデル研究,社会ネットワークとエージェントル研究,社会ネットワークとエージェントベース・モデリング ベース・モデリング 

サービスサイエンス研究会@防衛大学サービスサイエンス研究会@防衛大学

2008.3.312008.3.31水野 誠,筑波大学システム情報工学研究科水野 誠,筑波大学システム情報工学研究科

22

アウトラインアウトライン

自己紹介~マーケティング・サイエンスとは自己紹介~マーケティング・サイエンスとは

サービスのマーケティング・モデル(サービスのマーケティング・モデル(Rust & Rust & Chung 2006Chung 2006の紹介)の紹介)

サービス・イノベーションサービス・イノベーション人人材育成材育成のためののための顧客データベース構築(筑波大学でのプロ顧客データベース構築(筑波大学でのプロジェクト・・・での私の役割)ジェクト・・・での私の役割)

ネットワークとエージェントベース・モデリンネットワークとエージェントベース・モデリング(私自身のささやかな試み)グ(私自身のささやかな試み)

33

44

55

研究テーマ研究テーマ

消費者選好の形成・変化・進化の測定消費者選好の形成・変化・進化の測定ととモデル化モデル化

–– 限定合理限定合理性と性と消費者間相互作用消費者間相互作用

先導的・創造的役割を果たす消費者行動先導的・創造的役割を果たす消費者行動

技術ベースのブランド戦略技術ベースのブランド戦略

広告効果測定広告効果測定

サービス・イノベーションサービス・イノベーション

66

マーケティング研究マーケティング研究の布置の布置

マーケティング研究

マーケティング・サイエンス

戦略論

制度・歴史

心理学

人類学

経済学

消費者行動研究

統計学・計量経済学・計量心理学

OR/MS

(商業学会)

INFORMS/MS;JIMS

AMA; ESOMAR;JMA

調査

ACR; JACS

ポストモダン

77

マーケティング・サイエンスとはマーケティング・サイエンスとは

起源:起源:Management Science/ORManagement Science/OR

計量経済学計量経済学(+数理心理学)(+数理心理学):選択モデル:選択モデル

消費者行動(心理学)との相互作用消費者行動(心理学)との相互作用

–– 行動ファイナンス以前に行動経済学的行動ファイナンス以前に行動経済学的

最近,より経済学的に・・・最近,より経済学的に・・・

–– EndogeneityEndogeneity・・・・・・同時方程式,ゲーム論同時方程式,ゲーム論–– HeterogeneityHeterogeneity・・・・・・MCMCMCMC

88

サービスサービス・・マーケティングマーケティング研究研究

Journal of Service Research Journal of Service Research

Center for Excellence in Service, Univ. of Center for Excellence in Service, Univ. of MarylandMaryland

–– 所長:ローランド・ラスト教授所長:ローランド・ラスト教授

–– 『カスタマーエクイティ経営』(ダイヤモンド)『カスタマーエクイティ経営』(ダイヤモンド)

–– JournalJournal of Marketing of Marketing のエディタのエディタ

IBM, AMAIBM, AMAなどとなどと Frontiers in Service Frontiers in Service Conference Conference を開催を開催

Rust & Chung: Marketing Rust & Chung: Marketing Models of Service and Models of Service and RelationshipsRelationships

Roland T. Rust* and Tuck Roland T. Rust* and Tuck SiongSiong Chung*: Chung*: Marketing Models of Service and Marketing Models of Service and Relationships, Marketing Science, 25(6), Relationships, Marketing Science, 25(6), 2006, 5602006, 560--580580*University of Maryland*University of Maryland

1010

研究の流れ研究の流れ

80年代後半~90年代前半80年代後半~90年代前半

–– サービス品質の測定サービス品質の測定–– 顧客維持の財務的効果(初期モデル)顧客維持の財務的効果(初期モデル)–– 顧客顧客DBDB→→対話性と特定可能性対話性と特定可能性

90年代中盤90年代中盤

–– 顧客資産(顧客資産(Customer EquityCustomer Equity))の提案の提案

–– インターネット/eサービスインターネット/eサービスののモデルモデル化化–– 計量手法の進歩(ハザード計量手法の進歩(ハザード,ベイジアン,ベイジアン等)等)–– ダイレクトマーケティング→ダイレクトマーケティング→CRMCRMへ進化へ進化

1111

研究の流れ(2)研究の流れ(2)

20002000年代年代

–– 「個人」レベルの効果分析「個人」レベルの効果分析–– マーケティング投資のマーケティング投資のCLVCLV,,Customer EquityCustomer Equityへの効果への効果

–– さらに,そのさらに,その企業価値への効果企業価値への効果–– カスタマイゼーションカスタマイゼーション,,パーソナライゼーションパーソナライゼーション–– 情報財のマーケティング情報財のマーケティング

1212

研究領域の大区分研究領域の大区分

I. I. サービスのマネジメントサービスのマネジメント

II. II. サービスのカスタマイゼーションサービスのカスタマイゼーション

III.III. 顧客満足と顧客満足と関係性関係性

IV.IV. 財務的インパクト財務的インパクト

1313

I. I. サービスのマネジメントサービスのマネジメント

II--1 1 サービス需要サービス需要

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定

II--3 3 サービス保証サービス保証

II--4 4 苦情苦情マネジメントマネジメント

II--5 5 従業員インセンティブ従業員インセンティブ

1414

II--1 1 サービス需要サービス需要

ホテル・航空:イールドホテル・航空:イールド・・マネジメントマネジメント

–– 適切な在庫を,適切な顧客に,適切な時間適切な在庫を,適切な顧客に,適切な時間に,適切な価格で販売に,適切な価格で販売

–– 需要予測と最適化需要予測と最適化 vs. vs. ヒューリスティクスヒューリスティクス

映画映画

–– 公開日程の公開日程のスケジューリングスケジューリング

–– 顧客の期待形成のマネジメント顧客の期待形成のマネジメント::専門家専門家や観や観客の批評にいかに客の批評にいかに対応対応するかするか

1515

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定(1)(1)

顧客の到着時間に合わせた価格設定顧客の到着時間に合わせた価格設定

–– 到着時間到着時間によによってって留保価格がちがう留保価格がちがう

–– 航空会社,ホテル,レンタカー業界航空会社,ホテル,レンタカー業界・・・・・・早く予早く予約する顧客の留保価格は低い約する顧客の留保価格は低い

–– 方策1:早期予約客へ売り切るのでなく,後方策1:早期予約客へ売り切るのでなく,後期の客へもキャパを残す期の客へもキャパを残す

–– 方策2:価格と製品の入手確率とリンクさせ方策2:価格と製品の入手確率とリンクさせる(る(確実性を重視する顧客ほど確実性を重視する顧客ほど高く払う):高く払う):contingent pricingcontingent pricing

1616

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定(2)(2)

先払い(先払い(advance selling, prepaymentadvance selling, prepayment))

–– 顧客ベースを拡大する顧客ベースを拡大する

予約販売予約販売

–– 消費者の評価を推測できる消費者の評価を推測できる

需要の変動に合わせた価格設定需要の変動に合わせた価格設定

–– 需要が少ない時に価格を下げ平滑化需要が少ない時に価格を下げ平滑化–– 価格を変えず価格を変えず,,異異時点時点間でバンドリング間でバンドリング

1717

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定(3)(3)

バンドリングバンドリングの最適化の最適化

–– 混合バンドリング=混合バンドリング=バンドバンドリングリング+個別アイテ+個別アイテムム販売販売

–– 新規顧客の獲得には個別アイテム販売+既新規顧客の獲得には個別アイテム販売+既存顧客の維持にはバンドリング(存顧客の維持にはバンドリング(クロスセルクロスセル))

–– 混合バンドリング混合バンドリングはは運用費用運用費用がかかがかかりり,バン,バンドリングのみドリングのみ実施するほうが好まれる実施するほうが好まれる

1818

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定(4)(4)

値引きのダイナミクス値引きのダイナミクス

–– 需要の変化を考慮した最適な動的価格設定需要の変化を考慮した最適な動的価格設定

–– 導入時には値引き→ 正のクチコミ拡大と,導入時には値引き→ 正のクチコミ拡大と,供給者の学習によって供給者の学習によって初期初期シェアを拡大シェアを拡大

–– 値引き幅が大きいと,値引き幅が大きいと,見込み客の購買を増見込み客の購買を増やすやす半面,半面,既存顧客既存顧客からのからの購買を減らす購買を減らす

既存顧客既存顧客はは購買を前倒し購買を前倒ししし,値引きに,値引きに対してより対してより敏感に敏感にななるる

1919

II--2 2 サービス価格設定サービス価格設定(5)(5)

要素別価格設定要素別価格設定

–– 加入(加入(accessaccess))価格設定と使用(価格設定と使用(usageusage))価格価格

設定は,異なる効果を持つ設定は,異なる効果を持つ

–– 会員制では加入料を低く抑え,クチコミを通会員制では加入料を低く抑え,クチコミを通じて利用者じて利用者を増やすを増やすほうが最適ほうが最適

早期採用者ほどヘビーユーザーなので,導入時早期採用者ほどヘビーユーザーなので,導入時期期のの利用料利用料をを高く設定することによって高く設定することによって利益を利益を増増加させる加させる

2020

II--3 3 サービス保証サービス保証

どんなどんなサービス保証が顧客満足(サービス保証が顧客満足(CSCS))にに影響するかは,影響するかは,タイミングタイミングによって異なるによって異なる

–– 待っているときは待ち時間保証の有無待っているときは待ち時間保証の有無

–– 事後的には事後的には保証時間通り保証時間通りだったかどうかだったかどうか

サービス保証サービス保証は,は,価格の低下を防価格の低下を防ぐぐ

サービス保証はサービス保証は,,品質のシグナルになる品質のシグナルになる

–– 完全返金保証は非常に効果的完全返金保証は非常に効果的

2121

II--4 4 苦情マネジメント苦情マネジメント

不満不満のの顧客は苦情をいわず顧客は苦情をいわずにに去去るる

–– 苦情処理苦情処理は不満を持つは不満を持つ顧客顧客をを維持維持する好機する好機

返金返金に制約を設けると顧客の知覚リスクに制約を設けると顧客の知覚リスクがが増大増大

–– 多少悪用多少悪用されてもされても無無条件返金条件返金が最適が最適

サービスの失敗へのリカバリも同じ効果サービスの失敗へのリカバリも同じ効果

チャネルへの返金制度も有効チャネルへの返金制度も有効

2222

II--5 5 従業員インセンティブ従業員インセンティブ

マーケティングとマーケティングとHRHRの結合の結合

CSCS((ひいては利益)を向上させるよう従業ひいては利益)を向上させるよう従業

員にインセンティブを与える員にインセンティブを与える

–– CSCS((長期)と販売高(短期)のバランス長期)と販売高(短期)のバランス

正確に正確にCSCSが測れるか,従業員が長期的が測れるか,従業員が長期的

視野視野を持っているかどうかが重要を持っているかどうかが重要

ただし,ただし,CSCSの向上には,サービスデザイの向上には,サービスデザイ

ン自体が重要ン自体が重要

2323

IIII サービスのカスタマイゼーショサービスのカスタマイゼーショ

ンン

IIII--1 1 サービスデザインとカスタマイゼーサービスデザインとカスタマイゼー

ションション

IIII--2 2 満足満足//生産性トレードオフ生産性トレードオフ

IIII--3 E3 Eサービスサービス

2424

IIII--1 1 サービスデザインサービスデザイン

製品デザインの手法が適用されてきた製品デザインの手法が適用されてきた

–– コンジョイント分析,選択モデル,コンジョイント分析,選択モデル,QFDQFD,,……

Hybrid Conjoint Hybrid Conjoint ((e.ge.g.,., Green et al. 1981Green et al. 1981))–– 例:例: Courtyard by Marriott Courtyard by Marriott (Wind et al. 1989)(Wind et al. 1989)

100100を超える属性水準・・・外的要因(建物,景観を超える属性水準・・・外的要因(建物,景観

他),部屋(装備,サイズ他),フード(レストラン,他),部屋(装備,サイズ他),フード(レストラン,ルームサービス他),ラウンジ,サービス(予約,ルームサービス他),ラウンジ,サービス(予約,チェックイン/アウト他),レジャー(プール,テニチェックイン/アウト他),レジャー(プール,テニスコート他),セキュリティスコート他),セキュリティ

–– 属性選好(自己申告)属性選好(自己申告)との併用との併用

2525

IIII--1 1 サービスデザインサービスデザイン

サービスではデリバリーが重要サービスではデリバリーが重要

サービス・デリバリーの計画は難しいサービス・デリバリーの計画は難しい

–– 顧客の知覚に強く依存すること顧客の知覚に強く依存すること

–– リアルタイムのカスタマイゼーションリアルタイムのカスタマイゼーション

2626

IIII--2 2 満足満足--生産性トレードオフ生産性トレードオフ

モノよりサービスに多い問題モノよりサービスに多い問題

満足と生産性の両方を改善し,「準」最適満足と生産性の両方を改善し,「準」最適な財務成果を得るな財務成果を得る

生産技術の進歩が最適セグメントサイズ生産技術の進歩が最適セグメントサイズを縮小(→カスタマイゼーション)を縮小(→カスタマイゼーション)

–– 既存顧客の需要をより刺激する既存顧客の需要をより刺激する

–– 規模の経済性があるときは,大きなセグメン規模の経済性があるときは,大きなセグメントが有利トが有利

2727

IIII--3 E3 Eサービス(1)サービス(1)

ネットは消費者の探索コストを下げるネットは消費者の探索コストを下げる

–– ただし収穫逓減的なので,初期情報が少なただし収穫逓減的なので,初期情報が少ない消費者ほど恩恵を受けるい消費者ほど恩恵を受ける

情報の無料提供は情報の無料提供は,,消費者が消費者が他のサイト他のサイトから購買したとしてから購買したとしても,利益も,利益があるがある

–– 企業の評判を高め企業の評判を高め,新規顧客を吸収できる,新規顧客を吸収できる(サービスがインビジブルであるほど)(サービスがインビジブルであるほど)

–– 評判とロイヤルティはオンラインほど評判とロイヤルティはオンラインほど相関相関

2828

IIII--3 E3 Eサービス(2)サービス(2)

インターネットの利用能力の個人差インターネットの利用能力の個人差

–– そうした際を考慮した最適そうした際を考慮した最適価格設定価格設定

情報過負荷(情報過負荷(info. overloadinfo. overload))の回避の回避

–– 情報コンテンツのカスタマイゼーション情報コンテンツのカスタマイゼーション–– 情報への露出時間の管理情報への露出時間の管理

消費者の選択の支援には,消費者の選消費者の選択の支援には,消費者の選好情報の取得が重要好情報の取得が重要

–– 究極は「リアルタイム・マーケティング」究極は「リアルタイム・マーケティング」

2929

IIII--3 E3 Eサービス(3)サービス(3)

ネットにより,顧客はサービス生産に組みネットにより,顧客はサービス生産に組み込まれる(込まれる(共同共同プロデューサ化)プロデューサ化)

ただし,そこでも従業員との対話はただし,そこでも従業員との対話は顧客顧客満足の満足の critical incidents critical incidents になるになる

–– テクニカルサポート,トラブルシューティングテクニカルサポート,トラブルシューティングなどなど

3030

III III 顧客満足と関係性顧客満足と関係性

IIIIII--1 1 顧客満足と歓喜/感動(顧客満足と歓喜/感動(delightdelight))

IIIIII--2 2 顧客の期待顧客の期待

IIIIII--3 3 顧客満足の測定と分析顧客満足の測定と分析

IIIIII--4 4 顧客維持と関係性の持続顧客維持と関係性の持続

IIIIII--5 5 クチコミクチコミ

3131

IIIIII--1 1 顧客満足と歓喜/感動顧客満足と歓喜/感動

顧客満足の理論的基礎: 期待との不一顧客満足の理論的基礎: 期待との不一致に関する消費者心理学致に関する消費者心理学

行動と満足の相互依存関係行動と満足の相互依存関係

–– 同時方程式モデルの導入同時方程式モデルの導入

顧客満足の究極顧客満足の究極==歓喜,感動:歓喜,感動: delightdelight

満足の非線形性満足の非線形性

–– zone of tolerance zone of tolerance の導入の導入

3232

IIIIII--2 2 顧客の期待顧客の期待

顧客満足に対して「期待」の役割が大顧客満足に対して「期待」の役割が大

多次元の期待が,経験により更新される多次元の期待が,経験により更新されるモデルが開発されたモデルが開発された

直感に反する行動を予測できる:直感に反する行動を予測できる:

–– 消費者は低品質の選択肢を選ぶ消費者は低品質の選択肢を選ぶ

–– ロイヤル顧客を重視しないほうがいい場合ロイヤル顧客を重視しないほうがいい場合があるがある

3333

IIIIII--3 3 顧客満足の測定と分析顧客満足の測定と分析

スウェーデン,米国スウェーデン,米国等で等で企業横断的な満企業横断的な満足度調査足度調査が実施されているが実施されている

個別企業における満足度調査は,ツリー個別企業における満足度調査は,ツリー構造で分析されることが多い構造で分析されることが多い

–– 個別属性への満足が総合満足に影響個別属性への満足が総合満足に影響

–– ただし,属性間の相関の高さに要注意ただし,属性間の相関の高さに要注意

マーケティング支出の効果分析マーケティング支出の効果分析

3434

IIIIII--4 4 顧客維持と関係性持続顧客維持と関係性持続

顧客維持の重要性が認識されてきた顧客維持の重要性が認識されてきた

ロイヤルティ・プログラムの効果ロイヤルティ・プログラムの効果

–– 報奨額と入手確率のトレードオフ報奨額と入手確率のトレードオフ

関係性の長さの測定関係性の長さの測定

–– ハザードモデルハザードモデル–– 過去の満足度と関係継続期間は相関過去の満足度と関係継続期間は相関–– 個人特性が影響する個人特性が影響する

関係の開始・維持・終了+再開関係の開始・維持・終了+再開

3535

IIIIII--5 5 クチコミクチコミ

顧客満足はクチコミを促進する顧客満足はクチコミを促進する

不満足は満足以上にクチコミを起こす不満足は満足以上にクチコミを起こす

クチコミは顧客からの収益に影響するクチコミは顧客からの収益に影響する

–– 特に特にPLCPLCの初期の初期

クチコミの直接的な観測は難しいクチコミの直接的な観測は難しい

–– オンラインコミュニティを代理とするオンラインコミュニティを代理とする

紹介報酬(紹介報酬(referral rewardreferral reward))の最適化の最適化

3636

IV IV 財務的インパクト財務的インパクト

IVIV--1 1 財務的インパクトの連鎖財務的インパクトの連鎖

IVIV--22 CLVCLVと顧客資産と顧客資産

IVIV--3 3 財務的インパクト財務的インパクト

IVIV--4 4 CRMCRM

3737

IVIV--1 1 財務的インパクトの連鎖財務的インパクトの連鎖

Return On QualityReturn On Quality: : 満足のツリー構造満足のツリー構造

サービス・プロフィットチェーン: 従業員サービス・プロフィットチェーン: 従業員満足とのリンク満足とのリンク

–– 実証的基盤は弱い実証的基盤は弱い

–– 単純な関係ではない単純な関係ではない

財務的成果とのリンクのほうが明確財務的成果とのリンクのほうが明確

3838

IVIV--22 CLVCLVと顧客資産と顧客資産

CLVCLV((Customer Lifetime ValueCustomer Lifetime Value))–– CLV(i)=CLV(i)=ΣΣtt Profit(i, t)/(1+d)Profit(i, t)/(1+d)tt

i: i: 顧客;顧客; d: d: 割引率割引率

–– ダイレクトマーケティングが出自ダイレクトマーケティングが出自

Customer EquityCustomer Equity==ΣΣii CLVCLV(i)(i)–– 顧客顧客DBDBに基づく(競合情報の欠落)に基づく(競合情報の欠落)

マーケティング支出の効果分析マーケティング支出の効果分析

–– ROQROQととCLVCLVのリンクのリンク

3939

IVIV--3 3 財務的インパクト財務的インパクト

顧客資産は企業価値の代理指標となる顧客資産は企業価値の代理指標となる

マーケティング・アカウンタビリティマーケティング・アカウンタビリティ

–– マーケティングマーケティングROIROI

4040

IVIV--4 4 CRMCRM

ダイレクトマーケティングの最新手法ダイレクトマーケティングの最新手法

–– データマイニング,確率的フロンティアモデデータマイニング,確率的フロンティアモデル,適応的スプライン,動的マルチレベルモル,適応的スプライン,動的マルチレベルモデリングデリング,・・・,・・・

マーケティング活動のマーケティング活動の121121化化

–– 潜在クラスモデル,潜在クラスモデル,MCMCMCMCによる完全個人化による完全個人化

CRMCRMははDMDM以上に顧客接点がある以上に顧客接点がある

–– 目的も異なる(クロスセル目的も異なる(クロスセル vs. vs. 関係構築)関係構築)

4141

今後の研究の方向性(1)今後の研究の方向性(1)

1 1 プライバシープライバシーととカスタマイゼーションカスタマイゼーション

–– トレードオフのモデル化と最適化トレードオフのモデル化と最適化

2 2 コンピュータ向けマーケティングコンピュータ向けマーケティング

–– エージェントエージェントのの(高度な)アルゴリズムが不明(高度な)アルゴリズムが不明でも,単純な行動ルールを発見でも,単純な行動ルールを発見

3 3 リアルタイム・マーケティングリアルタイム・マーケティング

–– 顧客接点でのリアルタイム意思決定顧客接点でのリアルタイム意思決定–– 情報ストレージの分散化・モバイル化情報ストレージの分散化・モバイル化

4242

今後の研究の方向性(2)今後の研究の方向性(2)

4 4 サービス・ネットワークサービス・ネットワーク

–– 航空機の場合,機内食供給,管制,燃料補給,警航空機の場合,機内食供給,管制,燃料補給,警備等を含めたコーディネーション備等を含めたコーディネーション

5 5 EEサービスサービス

–– オンラインとオフラインの使い分けオンラインとオフラインの使い分け

6 6 動的相互作用とカスタマイゼーション動的相互作用とカスタマイゼーション

–– 顧客の選好は固定しておらず変化する顧客の選好は固定しておらず変化する–– 顧客との対話でいかに変化顧客との対話でいかに変化するするか探るか探る

4343

今後の研究の方向性(3)今後の研究の方向性(3)

7 7 無限の品揃え無限の品揃え

–– 情報財の場合,無限の品揃えが可能情報財の場合,無限の品揃えが可能–– リコメンデーション+最適化(組み合わせ)リコメンデーション+最適化(組み合わせ)

8 8 個人化された価格設定個人化された価格設定

–– 標準化製品の価格差別標準化製品の価格差別化化は物議を醸すは物議を醸す–– 情報財はそもそも個人化されている情報財はそもそも個人化されている

9 9 CRMCRMでのでの動的介入モデル動的介入モデル

–– 複数の手段を個人レベルで最適化複数の手段を個人レベルで最適化–– CLVCLVをを内生変数として扱内生変数として扱うう

4444

今後の研究の方向性(4)今後の研究の方向性(4)

10 10 動的顧客満足マネジメント動的顧客満足マネジメント

–– 顧客からのフィードバック顧客からのフィードバックでで,顧客との関係,顧客との関係を動的に最適制御するを動的に最適制御する

11 11 顧客ネットワークとの関係性顧客ネットワークとの関係性

–– 収益性の低い顧客でも,ネットワークを考慮収益性の低い顧客でも,ネットワークを考慮すると関係維持すべき場合があるすると関係維持すべき場合がある

12 12 顧客資産の戦略モデル顧客資産の戦略モデル

–– 顧客の異質性,行動データの利用顧客の異質性,行動データの利用

4545

6. 6. 今後の研究の方向性(5)今後の研究の方向性(5)

1313 顧客収益性の時間的変化顧客収益性の時間的変化

–– マーケティング手段の効果マーケティング手段の効果

14 14 クロスセリングとクロスセリングとCLVCLV–– クロスセリングの効果研究が不足クロスセリングの効果研究が不足

4646

招待コメンタリー(1)招待コメンタリー(1)

7つのコメンタリーから・・・7つのコメンタリーから・・・

財務的評価の重要性財務的評価の重要性

–– 組織能力の媒介組織能力の媒介

リスクとコストリスクとコスト

サービス・リカバリーサービス・リカバリー

–– 実証研究から数理モデル化・最適化へ実証研究から数理モデル化・最適化へ

–– 結果(払い戻し等)結果(払い戻し等) vs. vs. プロセス(謝罪等)プロセス(謝罪等)

–– 人間人間 vs. vs. 機械機械,・・・,・・・

4747

招待コメンタリー(2)招待コメンタリー(2)

顧客主導型インタラクション(顧客主導型インタラクション(Customer Customer Managed InteractionManaged Interaction))–– 顧客が自己情報を管理,複数の企業と対話顧客が自己情報を管理,複数の企業と対話

顧客の内生変数化顧客の内生変数化

–– 顧客が企業の今後の施策をどう予想するか顧客が企業の今後の施策をどう予想するか

なぜ,サービスは悪化する一方なのか?なぜ,サービスは悪化する一方なのか?

–– 文化? 戦略?文化? 戦略?

4848

LessonLesson

サービス研究の2つの流れサービス研究の2つの流れ

–– 「実験」「フィールドサーベイ」による実証研究「実験」「フィールドサーベイ」による実証研究

–– 数理モデル→コスト・ベネフィット→最適化数理モデル→コスト・ベネフィット→最適化

最近は「内生性」「同時決定性」を重視最近は「内生性」「同時決定性」を重視

–– 企業の介入の内生化,消費者や競争相手企業の介入の内生化,消費者や競争相手の反応のフィードバックの反応のフィードバック

–– 均衡理論の魅惑・・・しかし現実的なのか?均衡理論の魅惑・・・しかし現実的なのか?

サービス・イノベーションサービス・イノベーション人材育成人材育成のためののための顧客データベース構築顧客データベース構築

水野 誠 +筑波大学大学院経営・政策科学専攻SIP

5050

基本構想基本構想

経営大学院(あるいは他の大学院/学部)経営大学院(あるいは他の大学院/学部)で利用可能な,サービス満足度に関するで利用可能な,サービス満足度に関するデータの開発データの開発

個票で提供し,クロス集計の他,各種の個票で提供し,クロス集計の他,各種のデータ解析やモデリングを可能にするデータ解析やモデリングを可能にする

業界知識,企業の財務データなどと対応業界知識,企業の財務データなどと対応することで,戦略的な議論を可能にするすることで,戦略的な議論を可能にする

5151

データタイプ(1)データタイプ(1)

サービス品質・満足度サービス品質・満足度の評価の評価

–– クロス表,回帰分析,クロス表,回帰分析,SEM SEM などを通じて,満などを通じて,満

足(不満足)の原因を探り,望ましいサービス足(不満足)の原因を探り,望ましいサービスオペレーションを策定するオペレーションを策定する

サービス品質尺度(SERVQUAL)等

顧客満足度購買・推奨意向

満足不満足体験

各社のサービス

オペレーション

5252

データタイプ(2)データタイプ(2)

サービス供給者の選択サービス供給者の選択

–– 離散的選択モデルなどを用いて,サービス離散的選択モデルなどを用いて,サービス供給者の選択要因を探り,ブランディング,供給者の選択要因を探り,ブランディング,CRMCRMを含むマーケティング戦略を策定するを含むマーケティング戦略を策定する

考慮集合選択肢の属性知覚(商品,ブランド,関係性)

選択

反復購入

(顧客維持)

顧客生涯価値

Customer Equity

5353

データタイプ(3)データタイプ(3)

顧客地位の変化顧客地位の変化

–– 決定木,ロジスティック回帰,決定木,ロジスティック回帰,SVMSVMなどを用いなどを用いて,顧客行動を予測し,効果的なて,顧客行動を予測し,効果的なCRMCRMプログプログ

ラムを策定するラムを策定する

t 期の行動 t+1 期の行動

t+1 期の行動 t+2 期の行動

学習

検証*3時点のパネル調査

5454

予備調査予備調査

20072007年年1111月,ウェブ調査月,ウェブ調査

銀行サービス顧客(銀行サービス顧客(2020~~5959歳) 歳) N=700N=700–– 三菱東京三菱東京UFJUFJ,,みずほ,三井住友みずほ,三井住友

–– 住宅ローン,資産運用,決済のみ住宅ローン,資産運用,決済のみ

教育への活用教育への活用

–– 特定課題研究(鈴木先生) 特定課題研究(鈴木先生) 

–– アドバンスドデータ解析(水野) アドバンスドデータ解析(水野) 

–– マーケティング(水野)マーケティング(水野)

5555

本調査本調査

銀行サービス顧客(銀行サービス顧客(2020~~6464歳) 歳) N=N=3,5003,500–– 主要3都銀+りそな,新生,ゆうちょ主要3都銀+りそな,新生,ゆうちょ

–– 資産運用を元本保証の有無で分け,4タイプ資産運用を元本保証の有無で分け,4タイプ

サービスステーション顧客(サービスステーション顧客(2020~~5959歳) 歳) N=2,000N=2,000–– 出光興産,出光興産,ESSOESSO,,ENEOSENEOS((新日本石油),新日本石油),

COSMOCOSMO,,JOMOJOMO((ジャパンエナジー),ジャパンエナジー),shellshell,,ゼネラルゼネラル ,,MobilMobil

5656

来年度以降の予定来年度以降の予定

銀行顧客の追跡調査銀行顧客の追跡調査

SS顧客の追跡調査SS顧客の追跡調査

教材開発:教材開発:MBAMBA向「マーケティング」向「マーケティング」

–– チームによる課題発見/解決の実習チームによる課題発見/解決の実習

–– クロス集計の読み取りと統計分析クロス集計の読み取りと統計分析

–– 高度な分析結果の理解と戦略への活用高度な分析結果の理解と戦略への活用

消費者間ネットワーク上の  消費者間ネットワーク上の  情報伝播特性:エージェント・シ情報伝播特性:エージェント・シミュレーションによる分析ミュレーションによる分析

水野水野 誠,飯塚貴之誠,飯塚貴之

5858

背景背景

クチコミ・マーケティングへの注目クチコミ・マーケティングへの注目–– WOM / Buzz / Influencer MarketingWOM / Buzz / Influencer Marketing((Rosen 2000, Rosen 2000, 濱岡濱岡 2006, 2006, ……))

ネットワーク・モデルへの注目ネットワーク・モデルへの注目–– 社会ネットワーク分析(社会ネットワーク分析(HoustonHouston et al. 2004; et al. 2004; 芳賀芳賀2005, 2005, ……))

–– 複雑ネットワーク(複雑ネットワーク(JaJanssen & nssen & JagerJager 2003, 2003, DerleDerle, , JagerJager & & JannsenJannsen 2006, Watts & 2006, Watts & DoddsDodds 2007 2007 ))

5959

問題意識(1)問題意識(1)

「ネットワーク・モデル」はマーケティング「ネットワーク・モデル」はマーケティングにどう役に立つか?にどう役に立つか?

ネットワークは測定できるか?ネットワークは測定できるか?

–– 小集団,地域コミュニティ・・・最近ではネット・小集団,地域コミュニティ・・・最近ではネット・コミュニティ,コミュニティ,SNSSNS,・・・,・・・

–– より大きな社会はあつかえるのか?より大きな社会はあつかえるのか?

ネットワークの特性から,コミュニケーショネットワークの特性から,コミュニケーション戦略の適切さを評価できないか?ン戦略の適切さを評価できないか?

6060

問題意識(2)問題意識(2)

インフルエンサー・マーケティングはどこインフルエンサー・マーケティングはどこまで妥当か?まで妥当か?

「インフルエンサー」をどう識別するか?「インフルエンサー」をどう識別するか?

たとえば「中心性」概念・・・現実社会で観たとえば「中心性」概念・・・現実社会で観察可能なのは,次数中心性 →ハブ察可能なのは,次数中心性 →ハブ

ハブを狙った戦略はどれだけ有効か?ハブを狙った戦略はどれだけ有効か?

–– シミュレーション(シミュレーション(Watts & Watts & DoddsDodds 20072007))

6161

仮定(1)仮定(1)

情報への露出(情報への露出(exposureexposure))が知名が知名==認知認知((awarenessawareness))を生むを生む

–– 広告効果モデルの基礎広告効果モデルの基礎

–– 情報の価値や正負はとりあえず考えない情報の価値や正負はとりあえず考えない

時間

認知

学習忘却

非露出累積的露出

6262

仮定(2)仮定(2)

認知状態での情報への露出は,関心の認知状態での情報への露出は,関心の低下を生む低下を生む–– 広告の広告のwearwear--outout((Tellis 2004Tellis 2004))–– 推奨回数の効果低減(推奨回数の効果低減(LeskovecLeskovec, , AdamicAdamic & &

HubermanHuberman 20062006 ))

露出回数

関心→クチコミ発信

認知飽き

6363

仮定(3)仮定(3)

ネットワーク上でつながる「隣人」に一ネットワーク上でつながる「隣人」に一定の確率で情報を伝える定の確率で情報を伝える

–– 相手を選ばない相手を選ばない

–– 戦略的に情報を操作しない戦略的に情報を操作しない

情報が私利に強く影響しないケース情報が私利に強く影響しないケース

ただし,その情報を認知し,かつ関心ただし,その情報を認知し,かつ関心を有する場合のみ情報を流すを有する場合のみ情報を流す

–– 忘却したり,自分が関心を失った情報は忘却したり,自分が関心を失った情報は流さない流さない

6464

個人の状態遷移個人の状態遷移

認知非認知

情報非接触

情報接触

関心

クチコミ発信

忘却 関心喪失

λ

φ

α

ネットワーク

6565

感染モデルとの違い感染モデルとの違い

S(非認知)-I(認知/関心)-R(忘S(非認知)-I(認知/関心)-R(忘却/関心喪失)却/関心喪失)

忘却は情報への非接触で生じる(治忘却は情報への非接触で生じる(治癒は時間の関数)癒は時間の関数)

関心が接触によって低下する関心が接触によって低下する

–– 情報伝達確率が,譲歩の発信元から遠情報伝達確率が,譲歩の発信元から遠ざかるほど低下(ざかるほど低下(HubermanHuberman & & AdamicAdamic20042004))

6666

シミュレーションの設定(1)シミュレーションの設定(1)

エージェント(ノード)の数:エージェント(ノード)の数:1,0001,000

初期に認知している(情報を与えられて初期に認知している(情報を与えられている)エージェント数:いる)エージェント数:1010人(人(11%%))

–– RandomRandom: : ランダムに選ぶランダムに選ぶ–– DegreeDegree: : 次数が多い順に選ぶ次数が多い順に選ぶ

ネットワークの種類ネットワークの種類

–– SWSW(β=(β=0.1, 0.20.1, 0.2),),SFSF(γ(γ=2.0, 2.5, 3.0=2.0, 2.5, 3.0))ををそれぞれそれぞれ1010個生成個生成

6767

シミュレーションの設定(2)シミュレーションの設定(2)

パラメターパラメター

–– 認知確率:認知確率: λλ == .25, .50, .75.25, .50, .75–– 忘却確率:忘却確率: φφ == .25, .50, .75.25, .50, .75–– 関心確率(初期値): 関心確率(初期値):  αα00== .25, .50, .75.25, .50, .75–– 関心減耗率:  関心減耗率:   δδ == .25, .50, .75.25, .50, .75

各組み合わせごとに各組み合わせごとに55回実行回実行

終了条件終了条件

–– 300300 step or step or 全体の認知率が全体の認知率が00またはまたは1010stepstep変化せず(定常状態)変化せず(定常状態)

6868

コミュニケーション効果コミュニケーション効果

リーチリーチ

フリクエンシーフリクエンシー

各期の認知率(関心率)各期の認知率(関心率)

全期間の平均認知(関心)率全期間の平均認知(関心)率–– 累積認知(関心)率≒グッドウィル累積認知(関心)率≒グッドウィル((NerloveNerlove && ArrowArrow 19621962))

カスケードの長さ カスケードの長さ ((Watts & Watts & DoddsDodds20072007))

6969

ネットワークの性質ネットワークの性質

平均値 標準偏差 最小値 最大値

β =0.1 0.435 0.004 0.429 0.442

β =0.2 0.377 0.004 0.368 0.381

γ =2.0 0.281 0.061 0.195 0.369

γ =2.5 0.249 0.018 0.222 0.274

γ =3.0 0.224 0.028 0.184 0.268

SW

SF

総ノード数総ノード数 1,0001,000; 総リンク数; 総リンク数 2,0002,000クラスタ係数クラスタ係数

7070

CaseCase 1: 1: λ λ ==2.5, 2.5, αα00 =2.5=2.5

randomdegree

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.25 0.50 0.75

δ

ave.

awar

enes

s

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.25 0.50 0.75

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.25 0.50 0.75

ave.

awar

enes

s

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.25 0.50 0.750.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.25 0.50 0.75

SW: β =0.1 SW: β =0.2

SF: γ =2.0 SF: γ =2.5 SF: γ =3.0

δ δ

degree

7171

CaseCase 22::{{λ λ ==5.0,5.0,αα0 0 =2.5} or {=2.5} or {λ λ ==2.5, 2.5, αα0 0 =5.0}=5.0}

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.25 0.50 0.750.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.25 0.50 0.75

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.25 0.50 0.750.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.25 0.50 0.750.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.25 0.50 0.75

randomdegree

δ

ave.

awar

enes

sav

e.aw

aren

ess

SW: β =0.1 SW: β =0.2

SF: γ =2.0 SF: γ =2.5 SF: γ =3.0

δ δ

random

7272

CaseCase 33::{{λλ ==7.5, 7.5, αα0 0 =2.5} or {=2.5} or {λλ ==5.0, 5.0, αα0 0 =5.0} or {=5.0} or {λλ ==2.5, 2.5, αα0 0 =7.5}=7.5}

0.00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

0.25 0.50 0.75

0.00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.9

0.25 0.50 0.75

randomdegree

δ

ave.

awar

enes

sav

e.aw

aren

ess

SW: β =0.1 SW: β =0.2

SF: γ =2.0 SF: γ =2.5 SF: γ =3.0

δ δ

random

7373

CaseCase 44::{{λλ ==7.5, 7.5, αα0 0 =5.0} or {=5.0} or {λλ ==5.0, 5.0, αα0 0 =7.5} or {=7.5} or {λλ ==7.5, 7.5, αα0 0 =7.5}=7.5}

0.00.10.20.30.40.50.60.70.80.91.0

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.91.0

0.25 0.50 0.75

0.00.10.20.30.40.50.60.70.80.91.0

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.91.0

0.25 0.50 0.750.00.10.20.30.40.50.60.70.80.91.0

0.25 0.50 0.75

randomdegree

δ

ave.

awar

enes

sav

e.aw

aren

ess

SW: β =0.1 SW: β =0.2

SF: γ =2.0 SF: γ =2.5 SF: γ =3.0

δ δ

7474

マネジリアルな含意(1)マネジリアルな含意(1)

ハブへの情報提供の有効性は,ネットワーハブへの情報提供の有効性は,ネットワークの性質と関心の変化速度次第クの性質と関心の変化速度次第

–– コミュニケーションが不活発で,大きなハブコミュニケーションが不活発で,大きなハブが存在し,かつ関心が低下しにくい場合には,が存在し,かつ関心が低下しにくい場合には,ハブをターゲットにすべきハブをターゲットにすべき

–– 一般には,ランダムな情報提供でも差はな一般には,ランダムな情報提供でも差はない(い(Watts & Watts & DoddsDodds 20072007))

–– むしろランダムのほうが有効な場合もむしろランダムのほうが有効な場合も

7575

マネジリアルな含意(2)マネジリアルな含意(2)

消費者間の情報伝播が起きるネットワー消費者間の情報伝播が起きるネットワークの性質を把握すべきであるクの性質を把握すべきである

–– 友人・知人ネットワークと情報伝達ネットワー友人・知人ネットワークと情報伝達ネットワークが同じである保証はない(クが同じである保証はない(KillworthKillworth 20062006))

同じネットワークでも,クチコミ生成のメカ同じネットワークでも,クチコミ生成のメカニズムが異なると,振る舞いが異なるニズムが異なると,振る舞いが異なる

7676

考慮されていない側面考慮されていない側面

情報の質情報の質

–– 信頼性,自己や状況にとっての重要性信頼性,自己や状況にとっての重要性–– ポジティブ/ネガティブポジティブ/ネガティブ (経験)(経験)

相手の選択性相手の選択性

–– 送り手・・・相手の伝播力,戦略的配慮送り手・・・相手の伝播力,戦略的配慮–– 受け手・・・情報源の信頼性,飽き受け手・・・情報源の信頼性,飽き

関係の非対称性関係の非対称性

情報内容の変化情報内容の変化

7777

今後の課題今後の課題

より詳細な結果分析より詳細な結果分析

モデルの拡張モデルの拡張

–– ネットワークの規模と構造ネットワークの規模と構造

–– 情報の伝播(発信と受信)情報の伝播(発信と受信)

–– より深い効果(記憶,感情,選好,購買)より深い効果(記憶,感情,選好,購買)

–– 個人の異質性や動的変化個人の異質性や動的変化

実証分析とのリンケージ実証分析とのリンケージ

7878

何がアフィリエイト広告を何がアフィリエイト広告を拡大させるか?拡大させるか?::エージェント・シミュエージェント・シミュレーションによる探究レーションによる探究

水野水野 誠,中澤誠,中澤 想想

79797979

アフィイリエイト広告とはアフィイリエイト広告とは

消費者と広告主の間に,アフィリエイトが消費者と広告主の間に,アフィリエイトが介在する介在する

消費者 広告主(小売)

アフィリエイト(ブロガー)

コミッション if 購買

購買

広告

8080808080

成長著しいアフィリエイト広告成長著しいアフィリエイト広告

20082008年には年には1,0001,000億円という予想億円という予想

日本のアフィリエイトサービス市場

0

20

40

60

80

100

120

2002 03 04 05 06* 07* 08*

携帯

PC

(年度)

(10億円)

*予測  (矢野経済研究所調べ)

81818181

何が新しいか?何が新しいか?

成果報酬型成果報酬型

–– 広告の費用対効果が保証される広告の費用対効果が保証される

消費者が生成する広告枠消費者が生成する広告枠

–– 安いメディア費用安いメディア費用

–– 人気製品ほど広告が増える人気製品ほど広告が増える

–– 広告露出量をコントロールできない広告露出量をコントロールできない

従来のメディアプラニングが無効になる従来のメディアプラニングが無効になる

82828282

アフィリエイト報酬の現状アフィリエイト報酬の現状

高い認知率高い認知率

–– ネットユーザー中13%が利用,63%が認知ネットユーザー中13%が利用,63%が認知

圧倒的に少ない報酬圧倒的に少ない報酬

–– 利用者の68%が,月千円未満の報酬利用者の68%が,月千円未満の報酬

インターネット白書2007インターネット白書2007

アフィリエイト広告は今後も拡大するか?アフィリエイト広告は今後も拡大するか?

83838383

本研究の狙い本研究の狙い

アフィリエイト広告の生態を理解する第一アフィリエイト広告の生態を理解する第一歩として・・・歩として・・・

アフィリエイト広告市場が拡大する条件アフィリエイト広告市場が拡大する条件は何か?は何か?

アフィリエイトの2つの動機アフィリエイトの2つの動機

–– コミッション(利益追求)コミッション(利益追求)

–– 自己表現・推奨(非利益追求)自己表現・推奨(非利益追求)

84848484

アウトラインアウトライン

基本モデル(基本モデル(AmazonAmazon--type Modeltype Model))シミュレーションシミュレーション

拡張モデル(拡張モデル(AdSenseAdSense--type Modeltype Model))基本モデルとの比較基本モデルとの比較

マネジリアルな含意マネジリアルな含意

本研究の制約と課題本研究の制約と課題

8585

基本モデル基本モデル: : AmazonAmazon--typetype

86868686

空間空間

小売業者が1社(小売業者が1社(e.g., Amazon.come.g., Amazon.com))

11次元・円環状の属性空間次元・円環状の属性空間

e.g., 書籍・音楽の傾向

87878787

消費者の理想点消費者の理想点

理想点の近傍にある製品を選好理想点の近傍にある製品を選好

選好の異質性・・・理想点の分布選好の異質性・・・理想点の分布

消費者の理想点

88888888

ブログの理想点ブログの理想点

ブログは理想点が近い製品に言及ブログは理想点が近い製品に言及

消費者は理想点が近いブログを選好消費者は理想点が近いブログを選好

消費者の理想点ブログの理想点

89898989

ブログ間のリンクブログ間のリンク

ブログ間のリンク,トラックバック,ブログ間のリンク,トラックバック,etc.etc.訪問者はリンクをたどって移動できる訪問者はリンクをたどって移動できる

ブログの理想点

ブログ間のリンクブログ間のリンク

90909090

消費者のブログ閲覧消費者のブログ閲覧

消費者は毎期1つのブログを閲覧消費者は毎期1つのブログを閲覧

t=1t=1:: 理想点が最も近いブログ+そのリ理想点が最も近いブログ+そのリ

ンク先から選択ンク先から選択

t>1: tt>1: t--11期に見たブログ+そのリンク先期に見たブログ+そのリンク先

現在地 :選択の候補

91919191

消費者の製品選択消費者の製品選択

消費者は,訪れたブログでアフィリエイト消費者は,訪れたブログでアフィリエイト広告されている製品が,自らの理想点か広告されている製品が,自らの理想点から一定距離範囲内なら購入の候補とするら一定距離範囲内なら購入の候補とする

消費者の理想点

選択可能な範囲*

:製品

*今回のシミュレーションでは全空間の25%

92929292

購買によるブログ選好の変化購買によるブログ選好の変化

製品品質は購買前に探索可能と仮定製品品質は購買前に探索可能と仮定

購買は消費者に満足を与え,ブログへの購買は消費者に満足を与え,ブログへの選好が高くなる選好が高くなる

u(i, t+1)= u(i, t+1)= γγ + (1 + (1 -- γγ)*u(i, t))*u(i, t)

購買しなかった場合,低くなる購買しなかった場合,低くなる

u(i, t+1)=u(i, t+1)= (1 (1 -- γγ)*u(i, t))*u(i, t)–– 0<0<γ<1γ<1

93939393

ブロガーの戦略の類型化ブロガーの戦略の類型化

利益追求型ブロガー利益追求型ブロガー [[β∗100%β∗100%]]–– 一定以上の収入が見込めればアフィリエイト一定以上の収入が見込めればアフィリエイトに参加,さもなくければ撤退に参加,さもなくければ撤退

–– 広告も,収入を基準に選択広告も,収入を基準に選択

非非利益追求型ブロガー利益追求型ブロガー [(1[(1--β)∗100%β)∗100%]]–– 周囲の影響でアフィリエイトに参加/撤退周囲の影響でアフィリエイトに参加/撤退–– 広告は,自分の理想点に近いものを選ぶ広告は,自分の理想点に近いものを選ぶ

意思決定の間隔は消費者より長い(5期)意思決定の間隔は消費者より長い(5期)

94949494

シミュレーションの設定シミュレーションの設定

消費者 消費者 1,0001,000人人–– 理想点の分布:三角分布理想点の分布:三角分布

0 1

確率密度

消費者の理想点

Majority

Minority

95959595

シミュレーションの設定シミュレーションの設定

ブログ ブログ 100100サイトサイト

–– 理想点は空間上で等間隔理想点は空間上で等間隔

–– ブログ間のリンク:ブログ間のリンク: SmallSmall--World networkWorld network–– 1. 1. クラスタ係数:高 クラスタ係数:高 0.34 (0.34 (αα=0.2)=0.2)–– 2. 2. クラスタ係数:低クラスタ係数:低 0.26 (0.26 (αα=0.4)=0.4)

製品 製品 5050種種–– 属性は空間上で等間隔属性は空間上で等間隔

コミッション率:コミッション率: ρρ=0.1. 0.2, 0.3=0.1. 0.2, 0.3

96969696

市場規模の推移市場規模の推移

((β, ρ, αβ, ρ, α) ) ごとに計20回のランごとに計20回のラン

α=0.2

97979797

α=0.2

98989898

ββ((利益追求型比率)が増えるほど利益追求型比率)が増えるほど

––平均的な市場規模は減る平均的な市場規模は減る

––市場が立ち上がらないケースが増える市場が立ち上がらないケースが増える

α=0.2

99999999

利益追求型1人当たりの売上利益追求型1人当たりの売上

ββ((利益追求型比率)が増えすぎると利益追求型比率)が増えすぎると

––利益追求型1人当たりの売上の平均利益追求型1人当たりの売上の平均は低下,そして変動が増すは低下,そして変動が増す

α=0.2

100100100100

非非利益追求型1人当たりの売上利益追求型1人当たりの売上

ββ((利益追求型比率)が増えすぎると利益追求型比率)が増えすぎると

––非非利益追求型の売上の平均は利益追求型の売上の平均は増加増加,,そしてそして変動変動が増すが増す

α=0.2

101101101101

小括小括

利益追求型ブロガーが多すぎると,アフィ利益追求型ブロガーが多すぎると,アフィリエイト広告市場は拡大しないリエイト広告市場は拡大しない

–– αα = 0.4 = 0.4 の場合も基本的に同じの場合も基本的に同じ

理由:理由:

–– 非非利益追求型ブロガーが多いと,属性空間利益追求型ブロガーが多いと,属性空間上の需要を広範囲に検知できる上の需要を広範囲に検知できる

–– 少数の利益追求型ブロガーは,そこから売少数の利益追求型ブロガーは,そこから売れ筋をつかみ,収入をあげることができるれ筋をつかみ,収入をあげることができる

102102

拡張モデル拡張モデル: : AdSenseAdSense--typetype

103103103103

問題意識問題意識

利益追求型ブロガーは,売れ筋製品ば利益追求型ブロガーは,売れ筋製品ばかり広告して,市場を収縮させるかり広告して,市場を収縮させる

では,売れ筋ではなく,そのブログの属性では,売れ筋ではなく,そのブログの属性(理想点)に適合する製品を広告したらど(理想点)に適合する製品を広告したらどうなるか?うなるか?

–– AdSenseAdSense (Google)(Google)は,ブログのコンテンツをは,ブログのコンテンツを

分析して,それに相応しい広告を配信分析して,それに相応しい広告を配信

104104104104

基本モデルの修正基本モデルの修正

利益追求型ブロガーの行動利益追求型ブロガーの行動

–– アフィリエイト広告する/しない: 従来通りアフィリエイト広告する/しない: 従来通り

–– 広告する製品の選択広告する製品の選択: 理想点に近い製品: 理想点に近い製品ほど広告する=ほど広告する=非利益追求型と同じ非利益追求型と同じ

非非利益追求型ブロガー: 従来通り利益追求型ブロガー: 従来通り

消費者: 従来通り消費者: 従来通り

105105105105

小括小括

非利益追求型を一定数以上含む市場で,非利益追求型を一定数以上含む市場で,利益追求型ブロガーが自らの理想点に利益追求型ブロガーが自らの理想点に近い製品を広告する場合(近い製品を広告する場合(AdSenseAdSense型),型),

自分の売上が下がるだけでなく,市場規自分の売上が下がるだけでなく,市場規模も縮小する模も縮小する

利益追求型ブロガーばかりの状況では,利益追求型ブロガーばかりの状況では,AdSenseAdSense型広告配信は売上の安定化を型広告配信は売上の安定化を

もたらすもたらす

106106106106

アフィリエイト広告市場の成長は,金銭的アフィリエイト広告市場の成長は,金銭的利益を重視しないブロガーに依存する利益を重視しないブロガーに依存する

–– 自分の選好の表現手段としての「広告」自分の選好の表現手段としての「広告」

少数の利益追求型ブロガーが顕在化さ少数の利益追求型ブロガーが顕在化された情報を利用して成長,市場を活性化れた情報を利用して成長,市場を活性化させるさせる

利益追求型ブロガーが増えると,コンテン利益追求型ブロガーが増えると,コンテンツ連動型広告が市場を安定化させるツ連動型広告が市場を安定化させる

全体としての含意全体としての含意

107107107107

今後の課題今後の課題

消費者,ブロガーの属性に対する選好分消費者,ブロガーの属性に対する選好分布を変える布を変える

–– 一様分布・・・ベキ分布一様分布・・・ベキ分布

ブログ間ネットワークの性質を変えるブログ間ネットワークの性質を変える

–– レギュラー・・・スケールフリーレギュラー・・・スケールフリー

ブロガーの戦略分布を動的に変化させるブロガーの戦略分布を動的に変化させる

–– 儲かるほど,利益追求型が増えるはず儲かるほど,利益追求型が増えるはず

108108108108

今後の課題今後の課題

経験的裏づけ経験的裏づけ

–– 特にブロガーの動機と行動ルール特にブロガーの動機と行動ルール

割り込み型広告(バナー広告等)との費割り込み型広告(バナー広告等)との費用対効果の比較用対効果の比較

広告主にとっての最適戦略の探究広告主にとっての最適戦略の探究

最後に最後に

110110

今年の計画今年の計画

SIPSIPで収集したデータの分析→で収集したデータの分析→MBAMBA向け向け

教材の開発教材の開発

–– クロス表+簡単な解析,アイデア生成クロス表+簡単な解析,アイデア生成

エージェントベース・シミュレーションエージェントベース・シミュレーション

–– クチコミ・モデル ・・・より詳細な分析を加えクチコミ・モデル ・・・より詳細な分析を加えてて INFORMS INFORMS とと ESHIA/WEHIA ESHIA/WEHIA で発表で発表

–– アフィリエイト広告 ・・・待機アフィリエイト広告 ・・・待機

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