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Post on 12-Apr-2020
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Foxboro 100年の時を超えて
最も安全な制御用計測器を求めて
フォックスボローは 2016年現在まで 1908年の
誕生から変わらずマサチューセッツ州フォックス
ボロータウン、ネポンセット通りで生産を行ってい
ます。
その建物は 100 年を超え、現在も使用される空
気式制御機器気、計測器、記録計から最新の電気化
学計器まで生産しています。
過去から現代のデジタル技術まで、一貫して自ら設計開発、製造する数少ない会社です。
積み上げた経験を今に生かす
フォックスボローは産業の現場、特に化学、石油など現代の産業の
基礎となる分野で安全かつ正確に、そして制御するための機器を量産
しています。石油化学産業に求められる制御用機器の安全は、現代に
おけるフォックスボローのすべての計測器の設計基準に受け継がれ
ています。
今なお用いられる空気による伝送方式、そして電気を用いるアナロ
グ伝送方式、デジタル伝送方式と信号の有り様は変化し増えています
が、そこには常に高い安全性、耐久性を保つための素材に対する知見、
知識・技術の蓄積、これらを継承する組織によって成り立っています。
現代のデジタル技術を安全確実に取り入れ、現場の計測器に望まれる機能、それに適したセンサーの設
計開発、製造において、今までに積み上げたものが常にそれらに反映され生かされています。
商品開発部門
1920 年 フォックスボロー ネポンセット工場の風景
1915年 パナマパシフィック国際展示会のブース
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876PH-S スマートパッケージ 工業用高安全規格適合 pH伝送機、PH10-*Sセンサー付き
876PH-Sスマートパッケージは、工業用 2線式伝送機、最新のスマートセンサ
ーPH10、電源ユニットを組み合わせた pH測定パッケージです。
付属の pH 電極をプラグで接続、センサーから送信される pH 測定値、絶対値、
温度補償値、温度の表示、そしてこれらの測定値を任意の測定範囲に応じた
4-20mAアナログ信号を出力します。
すぐに測定を実現
伝送機の設定は正面のキーパッドで行う、もしくは付属のスマートセンサーにあらかじめプログラムされ
た設定データ、校正データを読み込み行われます。このため校正や機器の設定の必要がなく、そのまます
ぐに測定を開始できます。また使用しているスマートセンサーの校正は、正面パネルのキーパッドで行い
ます。
センサーの状態を診断、実際に生かす
スマートセンサーPH10-*Sはオプションの専用アダプターSmart Foxを使うことで、お手持ちの PCと直
接接続し使用します。
診断ソフト Fox Medic
pH電極診断ソフトウエアは電極の劣化診断を正確に行うために用意され、診断結果によりどのように対処
するかを伝えます。
PH10-S標準管理ソフト
校正、ロギング、センサー状態を見る専用ソフト
2
厳しい環境で測定するための形
工業計器として求められる高い安全性、耐久性は、厳しい環境であってもいつもそこで当たり前にプロセ
ス測定を実現するためのものです。結果、モニター、センサーの筐体設計、電気回路、素材は厳しいプラ
ント設備環境下でも動作するよう設計されています。そしてプロセスのよりリアルタイムな管理を実現す
るために、新たに開発された比較電極により従来にない高速応答を実現、また温度センサーの高速応答化
のための温度センサーレイアウトの変更を実施、pH変化のリアルタイム応答へとさらに近づきました。
PH10スマートセンサー応答グラフ
平均化処理:無し、液温 25℃
ハミルトン社デュラキャル NISTトレース付きバッファーを使用
3
フラット型は電極への付着物が多いプロセス用のため、ガラス表面積がドーム型よりも狭いため pH の応
答に遅れが出ますが、青い線のドーム型は、今までにない高速かつ安定した理想的な測定が行えます。
状態を知るために
通信機能は何のためにあるのか。そして取得すべき情報をどのように使う人に提供すべきか。876PHに搭
載される HART®デジタル通信機能、アナログ信号とデジタル通信を 2線上に重畳する HART®通信、また
デジタル通信専用のマルチドロップ HART®通信規格など、情報取得の技術を通じ、時事刻々と届く情報を
「行動」につなげる生きた情報として提供します。
5
876PH-S、センサー仕様 標準センサー モデル PH10-1S4S ドーム型スマート pHセンサー
本体 O-リング:バイトン BS710XD EP304Eユニバーサルブッシング
フロチャンバー付属
測定範囲 0~14pH 温度範囲 ドーム型ガラス電極 0~121℃ プロセス圧力 0~0.7MPa センサーケーブル(標準) 6m
スマートコネクター付きウルテム樹脂 センサー側にはフルオロシリコン製 O-リングが付属 オプション:Smart Fox通信アダプター、専用ソフトウエア付属
本質安全規格 IECEx Ex ia IIC Ga, Zone 0 IP規格 IP66/68 浸漬は 2mの深さで 48時間まで ガラス強度重視型 pHセンサー モデル PH10- 3S4S フラット型スマート pHセンサー
本体 O-リング:バイトン BS710XD EP304Eユニバーサルブッシング
フロチャンバー付属
測定範囲 2~12pH 温度範囲 フラット型ガラス電極 0~85℃ プロセス圧力 0~0.7Mpa センサーケーブル(標準) 6m
スマートコネクター付きウルテム樹脂 センサー側にはフルオロシリコン製 O-リングが付属 オプション:Smart Fox通信アダプター、専用ソフトウエア付属
本質安全規格 IECEx Ex ia IIC Ga, Zone 0 IP規格 IP66/68 浸漬は 2mの深さで 48時間まで
共通注意点
pHセンサーは高いインピーダンスを持つ精密機器です。このため IEC/EN 61000-4-2 for EMC に規定さ
れる条件で、相対湿度は 30%以上の環境で校正、使用するようにしてください。これにより静電気による
機器の損傷を防止します。
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モニター モデル 876PH-SWDA-7 温度補償入力規格 スマートセンサー内で処理 pH測定レンジ pH:-2~+16pH モニター温度補償 -30~200℃ 環境温度範囲 -30℃~+70℃:電気回路のみ -20℃~+70℃:液晶表示 相対湿度 0~90%RH 結露なきこと 耐候性及び耐腐食性 埃及び防水性規格 IEC IP66規格 耐候性を保つため NEMA Type 4Xを採用 電磁適合性 EMC 指令 EN 及ひ IEC 2004/108/EC, IEC Standards に準拠
試験内容:EN-61326-1:2006、IEC61000-4-2 ~61000-4-6 本質安全規格 IECEx II 1 G, Ex ia IIC, Zone 0 電源 12.8~42VDC 4-20mA負荷範囲 250~1300Ω 重量(スタンド含まず) パネルマウント仕様:約 3.1kg
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センサー寸法
モデル 寸法 B 寸法 D
PH10-1S4S(ドーム型) 180mm 63mm~89mm
モデル 寸法 A 寸法 C
PH10-3S4S(フラット型) 170mm 53mm~79mm
スマートセンサー 検知部と測定機能の一体化による作業の変化 測定器は大まかに二つの要素で成り立っています。
検知部により測定された電気信号を定められた計量方法へと変換する測定部の2つです。検知部は使用するにあたり、
その電気的特性にばらつきがあり、これを定められた基準を用いて校正することでそのばらつきを取り除く作業が必要で
す。これを一般的には校正作業と呼んでいます。
実際測定器は様々な形が用途によりありますが、プロセス用の計測器は一般的には検知部からの微弱な信号を増幅する
機能、検知部の校正機能、最低限の表示機能を持つ伝送機と、検知部にあたるセンサーで構成されています。伝送機は検
知部からの非常に微弱な信号を検知部のすぐ側で増幅、演算し、その結果を制御装置に送るための強固な信号(4-20mA)
へ変換する必要がありました。また当然のことながら検知部は使用とともに劣化してくるため、最低限交換しなくてはな
らない部品があり、このため検知部は独立したものとして設計する必要がありました。
この様式は古くアナログ計測器が主流の時代から現代のデジタル化された計測器まで踏襲されていますが、昨今のプロ
セス管理におけるダウンタイムの削減、保守時間の短縮、一層の自動化が進む中、計測器の取り扱い方法を変化させてい
く要因となっています。
フォックスボローは長年石油化学工業のプロセスにおいてこれらの課題に向き合い、高度な安全性の実現、設計の統一
体系化を進めてきました。今回フォックスボロー社が考えるスマートセンサーとして pHから PH10 スマートセンサーと
それに接続する伝送機として 876PH-S をリリースしました。
スマートセンサーは、多くの計測器メーカーが取り組んでいるテーマですが、その概念はおおよそ以下の通りとなりま
す。
・� 検知部の信号を測定信号へと変換する演算機能を検知部と同じ筐体に持ち、外部に出力する
・� 測定精度を保つための校正機能を持ち、校正データを同じ筐体に持つ
・� 測定状態診断機能を持つ
・� 表示機能は持たない
・� 専用表示装置以外に PCを使用して校正、設定を行える
・� オペレーター用のキーボード、表示装置を持つ専用の伝送機と組み合わせる
作業の分担=リスクの分離 プロセスをできる限り止めないために フォックスボロー社は長年の課題であるプロセス計器の保守校正時間=ダウンタイムの最小化に対し、最も多く使用さ
れる電気化学計器である pH からスマートセンサーの導入を始めました。これは pH が定期的な保守、交換作業が多く発
生する代表的な電気化学計測器であることが大きな理由となっています。また pH は最も普及しているプロセス測定項目
ですが、モニターに比較し電極の保守管理には圧倒的に多くの問題があり、プロセス管理において無視できない影響があ
ります。この改善のためには校正作業と交換作業の分離を行えるようにする必要があると考えました。
校正と保守の分離
pH は定期的な校正と保守(電極の洗浄など)が必要になりますが、センサーの劣化、汚れなどによる性能低下の検査
をプロセスから外した状態で行うことは作業者に取り負担となります。状況によりセンサーの劣化状況に関わらず一律に
交換されていることもあります。この場合でも校正作業の時間は最低限必要になります。
PH10 スマートセンサーはこの校正作業を別にすることにより、現場での作業を「交換」のみとし、センサーは PC あ
るいはタブレット PC を使用し校正します。これによりプロセスにおける作業は必要最低限となり、また校正済みのセン
サーを設置できることですぐにプロセスを再開することができます。
着脱時間の短縮
センサーは交換作業を容易かつ短時間にするため、3ピンタイプの防水樹脂コネクターを採用し、また取り付けのロッ
クナット方式とし、シールテープを巻く必要もなく確実にプロセスに接続できるようにしています。
センサーの長寿命化
pH 電極は消耗品とは言え、保守低減を要求される根本的な部分です。このため電極の耐久性の向上はメーカーにとっ
て常に必要な改善項目と言えます。フォックスボローはこの課題に対しセンサーボディーは堅牢かつ耐薬品性を考量した
PVDF 製、導電性樹脂を用いたソリューショングランド機能を持ちます。これによりガラス、比較電極以外は全て樹脂素
材としています。また比較電極は内部に割れやすいガラスを用いずイオン選択製樹脂ナフィオン膜を採用、これにより塩
化銀溶出の防止、高い耐熱性、そして脆弱性の排除を実現、より安定した保守の少ない長期測定を実現できるようにして
います。(導入実績紹介)
保守はまとめて
交換されたセンサーは清潔な場所でバッファー液を用いて校正をまとめて行います。この利点は以下の通りです。
1.同一の精度のバッファー液を効率よく使用できることでセンサーの精度を統一できます。
2.温度補償用の温度測定機能も正確に校正できます。
3.校正記録の管理をまとめて行えます。
4.劣化状況はセンサー内診断機能により判定でき、確実に劣化センサーを選別管理できます。
5.次回交換時すぐに精度の保障されたセンサーを使用できます。
新しいセンサーへの交換
新しいセンサーを購入した場合も同様にすぐに使用できます。センサーはあらかじめ水和化処理され、NIST トレースの
とれたバッファーで校正された状態でお手元に送付されます。受け取って接続したら測定が安定しない、感度が出ない問
題などは発生しません。
改善例 従来の手順 スマートセンサーの手順
校正作業 問題が無ければ測定復帰 作業時間は 不確定
交換作業に集中 測定を即実行 作業時間は一定
校正時間 劣化状態によりまちまち
通常の測定へ 決まった時間で
復帰
交換復旧まで 5分!
校正作業は まとめて実施 測定品質の安定 劣化の把握
通常の測定へ 復帰
<リスク> 電極に
問題発生! 交換と校正の 追加作業
解消される問題
1.� 交換作業と校正の完全な分離による作業時間の標準化が可能となる。問題を発生する電極に取られる時間が現場で発生しない。
2.� 電極交換とすること、交換電極はあらかじめ校正しておくことで測定品質を一定に保てる。
3.� 交換電極の劣化は校正を通じ正確に把握でき
る。また電極の適切な保守がまとめて行える。 4.� 必要なバッファー液の量が明確になる。
校正時間
通常の測定へ
復帰
従来の問題点
1.� 作業が混在する(校正と保守)
2.� センサー校正・保守作業完了時間が、問題が発生した時定まらなくなる。
3.� 交換電極の特性をモニターにメモリーする
ため、必ず現場で校正する必要がある。 4.� バッファー液の消費管理が多くなる。
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