inpit 令和元年度 検索エキスパート研修意匠登録1319205号 ダイヤモンド...
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みずの永芳特許事務所所 長弁理士
意 匠 法 概 論
2021 年 3月 23 日
永 芳 太 郎
E-mail : mizuno00@gaea.ocn.ne.jp
INPIT 令和2年度 検索エキスパート研修 「意匠」
同一又は類似の意匠出願= 1日でも早い出願が登録
直ちに権利行使可能な権利として登録
我が国意匠登録制度の特徴
1
出願時(日本時間)に世界各地で未公表であること
創作の要部の効果的な保護
2
・意匠を公開せずに権利を維持・他社牽制の効果
・類似範囲の明示・権利範囲の拡大
3
意匠登録の効果
差し止め請求
損害賠償請求
信用回復措置請求
税関での輸入差止
実施許諾(ライセンス付与)の基礎
意匠権を取得すると、登録されたデザインを専有的に利用する権利が法的に認められます。
(意匠法23条)
これにより、他者がその意匠を無断で使っている場合には法的対応ができるようになります。
たとえば、他者が意匠権を侵害して製造・販売している場合には、裁判所に訴えて、その製品の製造・販売を差し止めたり、その製造・販売によって被った損害の賠償を請求することができます。
さらに、侵害行為により業務上の信用を害された場合には信用回復措置の請求や、刑事責任の追及も可能です。
また、海外からの輸入品が意匠権を侵害している場合には、税関に対してその製品の輸入差止を申し立てることもできます。
「意匠権活用マニュアル」 2008年4月特許庁 P20
刑事責任の追及
模倣品の排除
排他的独占権
水 際 対 策
・意匠の実施に支障となる他人の権利がないことの確認
4
意匠審査の要処理期間
5
(1) 権利化に緊急性を要する 実施関連出願
出願の意匠を実施しており、その意匠についてⅰ) 第三者 が 許諾なく実施 している場合ⅱ) 〃 から警告を受けている 場合ⅲ) 〃 から実施許諾を求められている 場合
(2) 外国関連出願
日本+外国へも出願している場合
早期審査 平均 FA期間 : 1.7か月 (2019年実績)
■ 審査期間 平均 FA 期間 : 6.0か月 (2019年実績)
( FA = First Action ) 審査結果の最初の通知
<早期審査の対象出願>
中国
韓国
日本
フランス
ドイツ
オーストラリア
アメリカ
イギリス
カナダ
スペイン
ベネルクス
オーストリア
デンマーク
スイス
ハンガリー
イタリア
南アフリカ
ロシア インド
ベトナム
メキシコ
アルゼンチン
審査主義国無審査主義国
出願数登録数
スウェーデン
62001年3月 「工業所有権標準テキスト・意匠編」 P12・13
主要国の意匠出願・登録状況
7
(定義等)第二条 この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模
様若しくは色彩若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)であつて、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
(目的)
第一条
この法律は、
意匠の保護及び利用を図ることにより、
意匠の創作を奨励し、
もつて 産業の発達に寄与することを目的とする。
手 段
直接の目的
究極の目的
意 匠 法 の 目 的 ・ 保 護 対 象
意匠法第2条 (定義)
この法律で「意匠」とは、
物品の形状、模様若しくは色彩又は これらの結合、
建築物の形状等又は画像であつて、
視覚を通じて美感を起こさせるもの をいう。
意匠法上の 「意匠」
環境デザイン 情報デザイン システムデザイン ・・・
1.物品(+建築物、画像)と認められるもの
2.物品自体の形状等 であること
3.視覚に訴えるもの であること
4.視覚を通じて美感を起こさせるもの
であること花 火×
ハンカチを結んでできた花の形態
登録を受けられるデザイン
8
意匠法の対象となる物品
工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
意匠法第3条 (意匠登録の要件)
意匠審査基準 第Ⅲ部第1章2.1(1)
意匠法の対象とする物品とは、有体物のうち、市場で流通する動産をいう。
≒
市場に流通する工業製品
工業上利用できる有体物(の内、動産)の形状等
≒
(定義)
第八十五条 この法律において「物」とは、有体物をいいう。
(不動産及び動産)
第八十六条 土地およびその定着物は、不動産とする。2 不動産以外のものは、すべて動産とする。
民法 第四章 物
9
登録第1126631号「石膏ボード用ネジ」
登録第1356692号「 口 紅 」
登録第1368863号「縫合針」
登録第1510096号「旅客車」
登録第1244654号「輪ゴム」登録第1597505号
「包装用缶」
登録第1526475号「組立家屋」
土地及びその定着物であるいわゆる不動産は、物品とは認められない。ただし、使用時には不動産となるものであっても、工業的に量産され、
販売時に動産として扱われるもの(例:門、組立バンガロー)は、物品と認められる。
意匠審査基準 第Ⅲ部第1章2.1(2)①
意匠法の保護対象 ≒ 市場に流通するすべての工業製品の外観
「 意 匠 」 の 登 録 例
登録第1352447号
「即席麺」 10
令和2年4月1日施行の改正法で建築物の外観・内装が保護対象化
登録第1450546号「航空機」
登録第1498059号「ロボット」
登録第1373253号「容器入り即席食品用蓋押え」
登録第1474575号「携帯情報端末」
【正面図】
登録第1558886号「産業用ロボット」
登録1319205号「ダイヤモンド」
航空機として新しい形であれば、
飛ばなくても登録
11
願 書 図 面
意匠登録出願に必要な書面
正投象図法
12
・図面出願が基本 = アイデア段階で出願が可能。・代用写真・CG・見本・ひな形 の出願も可能。
12
見えるままに作図
意匠登録第1080642号「電気掃除機用ヘッド」
意匠登録第346332号「車輪用ナット」 13
登録第1131030号「たわし」
【意匠の説明】・・重量物につき、底面図は省略する。
登録第1569726号「自動二輪車」
登録第1662471号「自動二輪車」
「意匠公報の記載」
14
【前方斜視図】
【底面図】
<CG図面> <写真出願>
写真・CGによる出願例
【原本の説明】この意匠は見本によって現されたものであるから細部及び色彩については原本を参照して下さい。
見本による出願
登録第1169510号「細幅レース地」
登録第1059983号「織物地」
「意匠公報の記載」
(意匠登録出願)第六条2 経済産業省令で定める場合は、前項の図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を
現わした写真、ひな形又は見本を提出することができる。この場合は、写真、ひな形又は見本の別を願書に記載しなければならない。
15
「 材 質 」 又は 「 大 き さ 」
【意匠の説明】本物品の素材は、ガラスである。
登録第1344310号「 置 物 」
木彫りの熊
意匠法 第六条3 ・・その意匠の属する分野における通常の知識を有する者がその意匠に係る
物品又は建築物の材質又は大きさを理解することができないためその意匠を認識することができないときは、その意匠に係る物品又は建築物の材質又は大きさを願書に記載しなければならない。
16
【意匠の説明】図面中に表した部分の大きさは、縦18cm、横24cmである。
【意匠の説明】写真で表した本物品の大きさは、縦124cm、横111.6cmである。
登録第1237744号「 織 物 地 」
登録第1461474号「 生 地 」
大 き さ の 違 い - 出願における 大きさ の特定 -
17
《 動的意匠 》 動的意匠 意匠法 第6条
(意匠登録出願)
第六条 意匠登録を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した願書に意匠登録を受けようとする意匠を記載した図面を添付して特許庁長官に提出しなければならない。
一 意匠登録出願人の氏名又は名称及び住所又は居所二 意匠の創作をした者の氏名及び住所又は居所三 意匠に係る物品
2 (略)3 (略)
4 意匠に係る物品の形状、模様もしくは色彩、建築物の形状、模様若しくは色彩又は画像がその物品、建築物又は画像の有する機能に基づいて変化する場合において、その変化の前後にわたるその物品の形状等、建築物の形状等又は画像について意匠登録を受けようとするときは、その旨及びその物品、建築物又は画像の当該機能の説明を願書に記載しなければならない。
18
《 動的意匠 》 変化の前後にわたる形状の保護
登録第1125608号 「包装用箱」
【斜視図】
【蓋を開けた状態を示す斜視図】
19
《 動的意匠 》 動 的 意 匠 ( ロボットおもちゃ )
登録第1218033号 「形態変化玩具」
【意匠に係る物品の説明】
本物品は、ロボット形態から自動車形態へ可逆的に変化するものである。
20
「 意 匠 」 の 登 録 要 件
□ 工業上利用可能性 <意3条1項柱書>
(工業的技術によって、
同一物を反復して生産し得る可能性があること)
□ 新規性 <意3条1項>
(出願前に同一又は類似の意匠が存在しないこと)
□ 創作非容易性 <意3条2項>
(当業者が容易に創作することができた意匠でないこと)
□ 先願意匠の一部と同一又は類似の意匠でないこと
<意3条の2>
□ 意匠法上の意匠であること <意2条・3条1項柱書>
□ 不登録事由に該当しないこと <意5条>
(市場に流通する物品の外観であること)
(公序良俗 ・ 他人の物品との混同) 21
22
■ 意匠審査基準 第Ⅲ部第1章 3. 意匠が具体的なものであること
3.2 意匠が具体的ではないと判断するものの例
3.2.1 意匠に係る物品の使用の目的、使用の状態等が不明な場合
3.2.2 図が相互に整合せず、意匠の内容を特定できない場合
3.2.3 図面、写真などが不鮮明な場合
工業上利用可能性
開 示 不 足
図面不一致
工業的技術によって、同一物を反復生産できる 可能性があること
②純粋美術の分野に属する著作物
②土地建物などの不動産
①自然物を意匠の主たる要素として使用したもので量産できないもの
(2)工業上利用することができるものと認められないものの例
■ 意匠審査基準 第Ⅲ部第1章 4. 工業上利用することができるものであること
登録要件 1
3.2.4 意匠が抽象的に説明されている場合
3.2.5 材質又は大きさの説明が必要な場合にその記載がない場合
・・・
(意匠登録の要件)
第3条1項 工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
一 意匠登録出願前に日本国内又は外国において 公然知られた意匠
二 意匠登録出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された意匠 又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠
三 前二号に掲げる意匠に 類似する意匠
新 規 性登録要件 2
23
= 出願前に、日本又は外国 (*) で公表された意匠ではないこと。
世 界 公 知
*外国の公表は、日本時間に換算して出願との前後を判断
22.1.1.1 意匠登録出願前について
意匠登録出願前とは、日単位で判断する意匠登録出願の日(意匠法第9条、意匠法第10条等)とは異なり、意匠登録出願の時分(注) を考慮するものである。
(注)「外国において公然知られた意匠」の場合には、当該意匠が、その国又は地域において公然知られた時間を、日本時間に換算して判断する。
22.1.1.2 公然知られた意匠について
公然知られた意匠とは,不特定の者に秘密でないものとして現実にその内容が知られた意匠のことをいう。
意匠審査基準22.1.1 意匠法3条1項1号意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた意匠
- 公然知られた意匠 -《 新規性 》
24
- 刊行物に記載された意匠 -
22.1.2.2 頒布について頒布とは、刊行物が不特定の者が見得るような状態におかれることをいい、
現実に誰かがその刊行物を見たという事実を必要としない。
22.1.2.6 刊行物に記載された意匠について・・対比可能な程度に十分表されていれば、新規性の判断の基礎となる資料とすることができる。
例えば、① ・・斜視図等によって表されていることにより、・・意匠の一部が表れて
いない場合であっても、全体の形態が物品の特性等によってほぼ定形化されている等の理由により、不明な部分の具体的な形態を推定できるもの
・③ 部分意匠の「意匠登録を受けようとする部分」以外の「その他の部分」
において 意匠に係る物品の具体的な形態を識別できるもの
意匠審査基準22.1.2 意匠法3条1項2号頒布された刊行物に記載された意匠
《 新規性 》
25
-インターネット情報の取り扱い-
意匠審査基準22.1.2.9電子的意匠情報としてインターネットにのせられた意匠について
刊行物に記載された意匠と同様に、・・対比可能な程度に十分表されていれば新規性の判断の基礎となる資料とすることができる。
《 新規性 》
26
【公知資料番号】HJ2202732000【発行日】【製品番号】【製品掲載ページのHTML文書タイトル】タイトルなし【製品掲載ページの会社名】エレコム株式会社【製品掲載ページのURL】http://www.elecom.co.jp/news/201006/pdr-sp1050/image/PDR-SP1050BK_01L.jpg【号】【巻】【頁】【発行国】日本国【物品名】テレビ台【意匠分類】D6-510【Dターム】D6-510CD,D6-510DA【カタログファイル名】【受入日】平成22年7月30日(2010.7.30)【公知日】平成22年7月26日(2010.7.26)【インターネットからの抽出日】平成22年7月26日(2010.7.26)
原告製品意匠 被告登録意匠
意匠登録第1201825号「装飾用下げ飾り」
出願日:平成15年5月22日登録日:平成16年2月27日
意匠権侵害差止請求権不存在確認請求事件
【正面図】 【右側面図】 【背面図】
原告は、被告が出願前に製品写真を公表しており、被告登録意匠には、新規性を有していない無効事由がある、と主張。
《 新規性 》 公知日の認定
H17. 2. 23 東京地裁 平成16年(ワ)第10431号
差止請求
争 点出願前に公知か否か
無効を主張
27
(ア)被告は,遅くとも平成15年2月27日の時点で,被告の運営するホームページ(http:-/www.mametan2.com/)上に, 別紙被告物件目録1記載の「PK001 光る!白バイマスコット(青)」及び同 目録2記載の「PK006 光る!白バイマスコット(赤)」をそれぞれ複数の角度から撮影した写真を掲載して宣伝した。
(イ) また,被告は,遅くとも平成15年2月19日の時点で,被告ホームペー ジ上に,別紙被告物件目録3記載の「PK021 光る!白バイマスコット(黒)」を複数の角度から撮影した写真を掲載して宣伝した。
(ウ) 原告は,上記(ア)及び(イ)の被告ホームページについての情報 を「INTERNET ARCHIVE Wayback Machine」(以下「本件ARCHIVE」という。) を利用して得た。
<公知性について>
原告の主張
《 新規性 》公知日の認定
28
平成16年(ワ)第10431号「装飾用下げ飾り」
米国NPOインターネット・アーカイブのHP
INTERNET ARCHIVE Wayback Machine
ここに検索するウェブサイトのURLを挿入する
《 新規性 》公知日の認定
( https://archive.org/ )
29
平成16年(ワ)第10431号「装飾用下げ飾り」
被告は,日付等の点について,本件ARCHIVEは信用性を欠く旨主張するが,米国NPOインターネット・アーカイブ は,
1996年,全世界のウェブの収集を開始し,2001年,100テラバイ ト,1600万サイト以上の巨大なコレクションとなった本件ARCHIVEの公開を Wayback Machineにより開始したこと、
世界知的所有権機関の特許協力条約(PCT) 国際出願の国際調査及び国際予備審査の実務を規定するガイドラインは,ウェブサイトに掲載された公開情報の公開日を知るための手段の1つとして,本件ARCHIVEを挙げていることが認められる。
これらの事実からすると,本件ARCHIVEの示す収集内容及び日付は,十分信用することができるものと認められる。
30
<公知性について> 裁判所の判断
<被告の意匠権に基づく製造等の差止請求権について>
本件登録意匠は,意匠登録出願日(平成15年5月22日)より前に日本国内において公然知られた被告製品意匠と同一であり,本件意匠権に無効理由が存することは明らかである。
したがって,被告による本件意匠権に基づく原告製品の製造等の差止請求権の行使は権利濫用に当たり許されない。
《 新規性 》公知日の認定 平成16年(ワ)第10431号「装飾用下げ飾り」
展示会等で
意匠登録出願
・新規性喪失の例外適用申請+
・30日以内に公表事実の証明書
<効果>展示会等の状況、意匠の評判などを見た後に、選択して出願することができる。
公 表
◇ 創作者が、公表の日から12月以内に意匠登録出願した場合
= 自己の公表意匠で出願を拒絶されない
注)他人の公知意匠は拒絶理由
12ヶ月以内
6ヶ月以内
平成30(2018)年6月9日施行の改正法により、例外適用の期間を12ヶ月に延長
《 新規性 》 新規性の喪失 の 例外
31
類否判断の原則
1. 判断主体は需要者(取引者を含む)
2. 直接対比観察
3. 肉眼による全体観察
4. 先行意匠群との対比に基づく判断
意匠審査基準22.1.3.1 意匠の類否判断
32
《 新規性 》 - 先行意匠との類否判断 -
2.2.1 判断主体意匠の類否判断の主体は、需要者(取引者を含む)である。
・・登録意匠の範囲を規定する意匠法第24条第2項において、「・・」と規定されていることから、新規性の判断における類否判断の判断主体も、同様に需要者(取引者を含む)とする。
同規定でいう「需要者」は、取引者を含む概念であ ることから、ここでは「需要者(取引者を含む)」としており、
物品の取引、流通の実態に応じた適切な者とする。
・・判断を行う際は、創作者の主観的な視点を排し、需要者(取引者を含む)が観察した場合の客観的な印象をもって判断する。
意匠法24条2項登録意匠とそれ以外の意匠が類似であるか否かの判断は、需要者の視覚を通
じて起こさせる美感に基づいて行うものとする。
<意匠法>
<意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第1節 新規性>
《 類否判断 》 意匠の類否判断 - 判断主体 -
33
《 類否判断 》 共通点・差異点の認定
(2) 観 察 方 法
意匠の類否判断は、意匠に係る物品等を観察する際に通常用いられる観察方法により行う。
意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第1節 2.2.2.5対比する両意匠の形状等の認定 及び 形状等の共通点及び差異点の認定
登録1319205号「ダイヤモンド」
(1) 肉眼による観察
観察は、肉眼による視覚観察を基本とする。( ただし、肉眼によって認識できないものであっても、取引の際、拡大観察することが通常である場合には、肉眼によって認識できるものと同様に扱う。)
(3) 形状等の認定
意匠に係る物品等の全体の形状等(意匠を大づかみに捉えた際の骨格的形状等、基本的構成態様ともいう。)及び各部の形状等を認定する。 34
<判例> 物品の形状等の視覚性
「 意匠に係る物品の形状等が、当該物品が取引される通常の状態において、視覚によって認識され得ないときは、意匠を利用するものとはいい難いから、意匠法の上記目的に照らし、同法の保護は及ぼないと考えられる。
・・・しかし、意匠に係る物品の取引に際して、現物又はサンプル品を拡大鏡等により観察する、拡大写真や拡大図をカタログ、仕様書等に掲載するなどの方法によって、
当該物品の形状等を拡大して観察することが通常である場合には、
当該物品の形状等は、肉眼によって認識することができないとしても『視覚を通じて美感を起こさせるもの』に当たると解するのが相当である。」
平成17年(行ケ)第10679号 「コネクター用接続端子」
35
形状等が注意を引きやすいものか否か は、同じ形状等を持つ公知意匠の数や、他の一般的に見られる形状等とどの程度異なった形状等であるか、又その形状等の創作的価値の高さによって変わる。
①その部分が意匠全体の中で占める割合の大小、及び②その部分が意匠に係る物品等の特性からみて視覚的印象に大きな影
響を及ぼす部分かにより、認定及び評価を行う。
意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第1節 2.2.2.5対比する両意匠の形状等の共通点及び差異点の個別評価
各共通点及び差異点における形状等が(1)及び(2)の観点からみてどの程度注意を引くものなのかを検討することにより、各共通点及び差異点が意匠全体の美感に与える影響の大きさを判断する。
《 類否判断 》 新規性判断 = 先行意匠との類否判断
( 1 ) 対比観察した場合に注意を引く部分か否かの認定及び評価
36
( 2 ) 先行意匠群との対比に基づく評価
意匠登録 第1088188号
第1088188号 類似第 1号
第1088188号 類似第 2号
《 類否判断 》 第Ⅲ部第2章第1節 2.2.2.5 共通点及び差異点の個別評価
(2) 先行意匠群との対比に基づく評価
出願意匠と引用意匠の各共通点及び差異点における形状等が、 先行意匠群と対比した場合に、注意を引きやすい形態か否かを評価する。
形態が注意を引きやすいものか否かは、同じ形態を 持つ公知意匠の数や、他の一般的に見られる形態とどの程度異なった形態であるか、又その形態の創作的価値の高さによって変わる。
37
(A) 1475980
(D) 1220140 (E) 1292893 (F) 1318650 (G) 1331563<部分>
(B) 1335158
《 類否判断 》 「参考文献」の確認
公報掲載の【参考文献】= 調査で抽出されたが、非類似と判断された文献
(C) 1344916
38
意匠の類否判断の観点
《 類否判断 》 意匠の類否判断の観点
意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第1節 2.2.2.1
39
(ア) 物品等 の 用途及び機能 の認定及び類否判断
(イ)部分意匠の場合、当該部分の 用途及び機能 の共通点及び差異点の認定
(ウ)部分意匠の場合、当該部分の 位置、大きさ、範囲 の共通点及び差異点の認定
(エ) 形状等 の認定 < 要部の認定 >
(オ) 形状等 の共通点及び差異点 の認定 < 要部の認定 >
(カ) 形状等 の共通点及び差異点 の個別評価
(キ) 総合的な類否判断
意匠の類否判断 = 物品の類否 × 形態の類否
同一 の 意匠
類似する意匠
非類似の意匠
類似する意匠
類似する意匠
非類似の意匠 非類似の意匠
非類似の意匠
非類似の意匠
c 非類似
B 類 似
a 同 一
A 同 一
b 類 似
C 非類似
形 態
物 品
《 類否判断 》 物 品 と 形 態
40
2.2.2.2 物品等の用途及び機能の認定及び類否判断
意匠に係る物品等の使用の目的、使用の状態等に基づき、意匠に係る物品等の用途及び機能を認定する。
意匠の類似は、対比する意匠同士の意匠に係る物品等の用途及び機能が同一又は類似であることを前提とする。
意匠に係る物品等の用途(使用目的、使用状態等)及び機能に共通性がない場合には、意匠は類似しない。
登録第1221614
「自動車おもちゃ」
登録第1213328
「自 動 車」
《 類否判断 》 物 品 の 認 定
41
意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第1節 2.2.2 類否判断の手法
形態: 類似
<類似>
形態: 非類似
<非類似>
物品:同一
《 類否判断 》 具体的な類否判断 ( 物 品 同 一 )
42
物品類似 形態: 類似
<類似>
形態: 同一
<類似>
ボールペン
登録398615
万年筆
登録398615-1
織物地
登録541020
合成樹脂地
登録541020-3
《 類否判断 》 具体的な類否判断 ( 物 品 類 似 )
43
物品非類似
形態: 同一
<非類似>
登録564466
もなか
登録559880
貯金箱
《 類否判断 》 具体的な類否判断 ( 物 品 非 類 似 )
44
登録第1048627号「花瓶」
登録第1048627 類似1号「花瓶」
登録第1423452号「コップ」
L(使用目的・使用状態等)
= 物品の 「用途」及び「機能」 によって認定 物品の類否
*「物品」が異なると、意匠は類似しない
《 類否判断 》 意匠の類否判断と物品
45
意匠登録第1193615 号(本意匠)
意匠登録第1193716号 (関連意匠)
類似
「液晶テレビジョン受像機」
共通点及び差異点の一般的な評価ポイント見えやすい部分は、相対的に影響が大きい
見えやすい部分の評価<類否判断の事例>
46
共通点及び差異点の一般的な評価ポイントありふれた形態の部分は、相対的に影響が小さい
登録第 896055 登録第 896055 類似第1号
「タオル掛け」
類似
ありふれた形態の評価<類否判断の事例>
47
共通点及び差異点の一般的な評価ポイント大きさの違いは、当該意匠の属する分野において
常識的な範囲内のものであれば、ほとんど影響を与えない
登録第 1050871 登録第1050871 類似第2号
「自転車」
類似
大きさの違いの評価<類否判断の事例>
48
開扉状態正面図端面図
内部意匠を示す斜視図正面図
右側面図
内部形態よりも、扉を閉じた状態の外観が注意を引く。
内部に入って使用することが主体であり、内部形態が注意を引く部分
= 意匠の要部となる。
共通点及び差異点の一般的な評価ポイント内部形態は、意匠の特徴として考慮しない
内部形態の評価<類否判断の事例>
49
登録第1372590「冷蔵庫」 登録第1384924
「エレベーター用かご」
共通点及び差異点の一般的な評価ポイント色彩・材質のみの違いは、ほとんど影響を与えない
色彩・材質の違いの評価
1370744(本意匠)「包装用箱」
1371006(関連)「包装用箱」
1371007(関連)「包装用箱」
登録第 1068756 類似第1号「買い物かご」
登録第1068756
「買い物かご」類似
<類否判断の事例>
50
登録第1377408号 <本意匠>「食卓用皿」
登録第1377547号 <関連>「食卓用皿」
色彩の違い : 関連意匠の登録例
明暗逆転しても類似する意匠と判断
51
旧意匠審査基準 21.1.2 (1) ⑨
平成6(1994)年6月15日 審査基準改正
( i ) 物品に表された文字、標識は、( ii )に掲げるものを除き意匠を構成するものとして扱う。
( ii ) 物品に表された文字、標識のうち専ら情報伝達のためだけに使用されているものは、模様と認められず意匠を構成しない。 ただし、図形中に表されても削除を要しない。
例 イ 新聞、書籍の文章部分ロ 成分表示、使用説明などを
普通の態様で表した文字
<基準の改正について>「物品に表される文字のデザイン上の役割は従来に増して重要性を高めており、一方、文字を意匠の構成要素として扱うことにより、商標権との混同や、表された意味内容や作用効果について独占権が設定されたような誤解を生じるとの点についても、知的所有権に対する一般の理解も深まっている現状において、もはや懸念される状況ではないと考えられる。」 1994年 特許庁審査第一部 意匠課
登録第514714号「レッテル」
文字・標識の扱 い の 変遷
単なる文字、標識は模様と認めないから削除させる旧々審査基準
52
(現 第Ⅲ部第1章 3.2.9)
類似
(本願意匠)
(引用意匠)
平2. 3. 7 東京高裁 平元(行ケ)129 「包装用缶」
旧意匠審査基準21.1.2(1)⑨
文字・色彩の評価
(ii) 物品に表された文字、標識のうち専ら情報 伝達のためだけに使用されているものは、
模様と認められず意匠を構成しない。
登録第1277130(本意匠)
登録第1277438(関連)
「意匠中に文字が存在する場合、その文字が模様と認められる場合を除き、文字は意匠の構成要素と認めることができない」
「本願意匠には文字がないが、引用意匠には図案化された英文字が存するものの、
同文字はコカ・コーラ及びコークと読み取ることができ、いまだ模様に変化したものとは認められないから、類否判断の要素として取り上げるには足りない」
53
意匠を構成すると認める文字① 連続模様のモチーフに用いられた文字② 装飾されている文字
「模様化された文字」の登録例
旧々審査基準
登録1293735号「織物地」
登録第500725「広告紙」
54
意匠権侵害差止請求権不存在確認請求事件
意匠登録1276011号
原告製品:「増幅器」
共同通信PRワイヤー(http://prw.kyodonews.jp)2006年7月31日付「iPod用真空管ランプ『iBlueTube』新発売」から引用「増幅器付スピーカー」
「本件登録意匠の要部(面が平らな三角柱形状の筺体とドック部との組合せ)は、同様の組合せを有する意匠が他にはなく、新規な、創作性の高い意匠であると認められる」
類似
東京地裁 平成19.4.18 平成18年(ワ)第19650号
《 類否判断 》 <事例> 創作的価値の高い意匠の評価
55
第1184921号
第1184922号
第1196065号
以下は、別個独立に登録されている。(=相互に類似しない )
《 類否判断 》 意匠の類否判断 コンセプトは保護されない
第1038330号
第1233709号
第1245966号
「包装用缶」 「包装用容器」
56
第三条(意匠登録の要件)
工業上利用することができる意匠の創作をした者は、次に掲げる意匠を除き、その意匠について意匠登録を受けることができる。
一 ・・・・
2 意匠登録出願前に
その意匠の属する分野における通常の知識を有する者が
日本国内又は外国において公然知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等又は画像に基づいて
容易に意匠の創作をすることができたときは、
その意匠(前項各号に掲げるものを除く。)については、同項の規定にかかわらず、意匠登録を受けることができない。
創 作 非 容 易 性 (第3条第2項) 登録要件 3
57
■ 殆どそのまま 他の物品に表したもの = 創作容易
■ + ありふれた手法 = 創作容易
容易に創作することができた意匠と認められるものの例
(旧意匠審査基準)
①置き換え の意匠
②寄せ集め の意匠
③配置の変更 による意匠
④構成比率の変更又は連続する単位の数の増減 による意匠
⑤公然知られた形状、模様 を
ほとんどそのまま表したにすぎない意匠
⑥商慣行上の転用 による意匠
創 作 非 容 易 性
・ 国内で、誰でも知っている<周知>形状・模様
・ 世界中のどこかで、誰かに知られた<公知>形状、模様
エッフェル塔型
の置物
単なる星型の石けん
創作容易なものの例
当業者が、容易に創作することができた意匠でないこと
登録要件 3
58
旧意匠審査基準23.8 意匠法第3条第1項各号との適用関係
意匠法第3条第2項(創作非容易性)は、「(前項各号に掲げるものを除く。)」と規定していることから、
意匠法第3条第2項(創作非容易性)の規定は、
意匠登録出願に係る意匠が、ある公然知られた意匠に対して 意匠法第3条第1項各号(新規性)に規定する意匠に該当しない場合に限り適用する。
「新規性」 と 「創作非容易性」 との適用関係
意匠登録出願に係る意匠が、創作容易 かつ 公然知られた意匠に類似する場合は、3条1項(新規性)を適用する。
59
(現意匠審査基準 第Ⅲ部第2章第3節1.)
・同一出願人には適用しない
ヘッドライト(部品・部分意匠)
先願の
意匠公報
自動車(全体意匠)
後願 B 後願 A
<先願>
ヘッドライト(部品・部分意匠)
自動車(全体意匠)
3条の2を適用
<後願>
先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠の保護除外
(意匠法第3条の2) 登録要件 4
60
第五条 次に掲げる意匠については、第三条の規定(意匠登録の要件)にかかわらず、意匠登録を受けることができない。
一 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある意匠
二 他人の業務に係る物品、建築物又は画像と混同を生ずるおそれがある意匠
三 物品の機能を確保するために不可欠な形状若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状のみからなる意匠又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠
不 登 録 事 由 ( 意匠法 第5条 )
基本的な登録要件を満たしていても意匠登録を受けることができない意匠
登録要件 5
61
善良の風俗 を害するおそれがある意匠
登録第856027号「包装用瓶」
登録第846627号「包装用瓶」
一 公の秩序 を害するおそれがある意匠
昭和44(1969)年発行 高田忠「意匠」P248
国旗、王室の紋章、公共的なマーク等を表した意匠
道徳観を不当に刺激し、羞恥、嫌悪の念をおこさせる意匠
《 不登録事由 》 公 序 良 俗
62
昭和44(1969)年発行 高田忠「意匠」P254
二 他人の著名な標章やこれとまぎらわしい標章を表した意匠
正 面 図
平 面 図
左側面図
「包装用箱」 「ドライバー」
正 面 図 右側面図
意匠登録第1127620号
「氷削り器」
【意匠の説明】 外観のスヌーピー形状については、 版権者の実施許諾を得ている。
《 不登録事由 》 他人の業務と混同のおそれ
63
航空機
船舶
飛行船
飛行機
船舶用かじ
船舶用いかり
船舶用スクリ
ュー
船外機
漁船カヌー
オールボート
ヨ
ット用マスト
ヨ
ット
モーターボート
貨物船
客船物品の区分
三六 船舶及
び航空機
意匠登録出願は、経済産業省令で定める物品の区分により意匠ごとにしなければならない。
(意匠法第7条)
意匠法第7条の経済産業省令で定める物品の区分は、別表第一の物品の区分の欄に掲げるとおりとする。
(意匠法施行規則第7条)
【 別表第一 】(抜粋)
《 手続要件 》 意匠法 第7条一意匠一出願
平成元(2019)年5月17日公布の改正法で、複数意匠の一括出願を認める。64
公布から2年を超えない範囲内に施行
登録第1126631号「石膏ボード用ネジ」
登録第1108500号 「客船」
登録第1113370号「エアボート」
「物品の区分」により意匠ごと
65
= 市場に流通する物品の単位毎の意匠
「一意匠一出願」の例外
組物の意匠は、原則、それぞれの「構成物品」の欄内に掲げられる全物品を少なくとも一品ずつ含むものでなければならない。
旧組物の構成物品表(全56組)-抜粋-
組物の意匠
66
→ 構成物品は、出願人の任意とする。
「組物の意匠」の登録要件
(1)経済産業省令で定める組物意匠に該当すること(2)同時に使用される二以上の物品、建築物、画像
であること(3)組物全体として統一があること
□ 構成物品が、適当で あること
意匠審査基準 第Ⅳ部第3章2.
一組のコーヒーセット(1132419号) 一組のオーディオ機器セット(1146994号)
一組の応接家具セット(1132299号) 一組の薬味入れセット(1127913号)
《 組物の意匠 》 登録要件と効果
<登録要件> 組物全体として判断 : <権利行使> 組物全体としてのみ行使可能 67
第九条 (先願)
同一又は類似の意匠について
異なつた日に二以上の意匠登録出願があつたときは、最先の意匠登録出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
2 同日に二以上の意匠登録出願があつたときは、・・協議により定めた一の出願人のみがその意匠について意匠登録を受けることができる。
協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、いずれも、その意匠について意匠意匠登録を受けることができない。
《 手続要件 》 意匠法 第9条 先 願
68
旧意匠審査基準 61.1.1(先願の規定は、)全体意匠の出願同士又は部分意匠の出願同士、すなわち、意匠登録を受けようとする
方法及び対象が同じ意匠登録出願同士においてその適用について判断する。したがって、・・・全体意匠の意匠登録出願と部分意匠の意匠登録出願とは、いずれの場合も意匠法第9条第1項又は第2項
の規定の適用については判断しない。
登録第1442065「いす」<本意匠>
登録第1442222 「いす」<関連意匠>
登録第1442066「いす」
《 先 願 》 全体意匠と部分意匠 先後願の判断
【全体意匠】 【部分意匠】 69
意匠法第9条第1項又は第2項の規定は、全体意匠の意匠登録出願同士又は「物品等の部分について意匠登録を受けようとする意匠」の意匠登録出願同士に加え、全体意匠と「物品等の部分について意匠登録を受けようとする意匠」との間においても、その適用について判断する。
意匠審査基準第3部第5章 意匠法第9条第1項又は第2項の規定の適用の対象となる意匠登録出願
* 部分意匠
特徴ある制度の概要
* 関連意匠
* 秘密意匠 など
<権利範囲の拡大、明確化>
<意匠の要部の保護>
70
部 分 意 匠
<創作の要部の保護>
《 部分意匠 》 部分意匠による 効率的出願
出願A
出願B
部分意匠出願
正面図右側面図
【電気ポット】
平面図
創作のポイントを
保 護
72
《 部分意匠 》 部分意匠による主要部の保護
73
意匠登録第1327677号
「乗用自動車」
意匠登録第1330786号
「自動車用フロントバンパー」
意匠登録第1327678号
「乗用自動車」
部品の意匠
部分意匠
全体意匠
まとまりある「部分」の保護=全体意匠・部品の意匠で保護できないまとまり の保護
742007/10/31 2008/03/26
特 許
意 匠
2007/12/28
特許5118478号
【発明の名称】プラスチックボトル
【課題】 軽量化した場合にも、開栓中だけではなく、開栓後においても、強度及び持ち易さを確保できるプラスチックボトルを提供する
意匠登録1329280号「ボトル」
出願日:2007年10月31日登録日:2008年03月26日
出願日:2007年12月28日公開日:2009年07月16日登録日:2012年10月26日
特許 : 技術を実現する形状 意匠 : 美的に処理された形態
特許請求の範囲 ≒ 部分意匠
<早く・わかりやすい権利>
2012/10/26
出 願
登 録
登 録
《 部分意匠 》 特許権 と 意匠権 による 形態の保護
【正面図】
【平面図】
【右側面図】【左側面図】 【背面図】
【底面図】
【A-A線断面図】
《 部分意匠 》 部分意匠の出願図面
登録第1352990号 「乗用自動車」
「青色に着色した部分以外が、意匠登録を受けようとする部分である。」
・「意匠登録を受けようとする部分」を実線で描き、・「その他の部分」を破線で描く等により、
・「意匠登録を受けようとする部分」を特定し、・特定する方法を願書の【意匠の説明】の欄に記載する。
( 意匠法施行規則 様式第6 備考11 )
登録第1108890号 「携帯用無線電話機」
・実線で表した部分が、部分意匠として意匠登録 を受けようとする部分である。
75
《 部分意匠 》 破線部の開示の程度
登録第1223801号「乗用自動車」
登録第1268625号「乗用自動車」
意匠審査基準第Ⅲ部第1章 3.1 意匠が具体的なものであることの要件
「意匠登録を受けようとする部分」を含む図面に、願書の「意匠に係る物品」の欄に記載された意匠に係る物品・・を認識するのに必要な最低限の構成要素が具体的に表されていなければならない。
・開示に具体性があれば、破線部を含めて後願の登録を排除する資料となる。
・下記を満たせば、開示の程度は自由
76
《 部分意匠 》 破線部の認定 -類否判断への影響-
登録第1125759号 関 連
登録第1124919 号本意匠
登録第1148397号関 連
登録第1148395号 関 連
登録第1148396号関 連
旧意匠審査基準 71.4.2.2.1位置、大きさ、範囲は、ありふれた範囲内のものであれば、ほとんど影響を与えない。
「その他の部分」の形態のみについては対比の対象としない。
「建築用ブロック」「携帯電話機」
77
位置、大きさ、範囲は、当該意匠の属する分野においてありふれた範囲内のものであれば、ほとんど影響を与えない。
登録第1148243号本意匠
意匠審査基準第Ⅲ部第2章第1節 部分の位置、大きさ、範囲の共通点及び差異点の認定
登録1420482号部分意匠
登録1420483号全体意匠
登録1431091号全体意匠
登録1305835号
《 部分意匠 》 実線の内側に表された破線部
意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き
78
79
第二条(定義等)この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若
しくは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。・・)であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
旧 第二条 (定義等) この法律で「意匠」とは、物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて・・
2 前項において、物品の部分の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合には、物品の操作 (当該物品がその機能を発揮できる状態にするために行われるものに限る。)の用に供される画像であって、当該物品又はこれと一体として用いられる物品に表示されるものが含まれるものとする。
平成2(2020)年4月1日施行の改正法
《 画像デザイン 》 画像デザインの保護
(1)機器の操作の用に供される画像 → 「操作画像」画像意匠 又は
(2)機器がその機能を発揮した結果として表示される画像 → 「表示画像」
意匠登録第1149610号「腕時計本体」
意匠登録第1207282号「携帯用無線電話機」
平成10(1998)年 改正前= 物品の成立性に照らして不可欠な表示
「電子計算機」に表示される
インターネット画面デザイン
= 権利行使の対象が、ソフト自体となる表示
平成10(1998)年 改正後 = 物品の操作の用に供される画像(操作画像)
80
保護されない画面デザイン保護される画像デザイン
令和元(2019)年 改正後= (1)操作画像 + (2)表示画像
(1)及び(2)のいずれにも該当しない画像、例えば、映画やゲーム等のコンテンツについては、意匠法上の意匠と判断しない。
メール機能のための画像
電卓機能のための画像
5.2.4.3
一意匠と取り扱わないものの例
意匠審査基準第Ⅳ部第1章 5.2 図面等の記載における一意匠の考え方
《 画像デザイン 》 変化する複数の画像
81
<異なる機能のためのものであることから、複数の画像が一意匠として認められない例1>
5.2.4 変化する画像 ・・、以下のいずれの要件も満たすものである
と認められる場合には、審査官は、これら複数の画像を含んだ状態で一の意匠と取り扱う。(1)同一の機能のためのものであること(2)形状等の関連性があること(1)異なる機能のための複数の画像
【画像図】 【変化後を示す画像図】
関 連 意 匠
<権利範囲の拡大、明確化>
第1172457号(関連)
第1172458号(関連)
第1172459号(関連)
第1172460号(関連)
意匠登録第1172273号「電気掃除機本体」
① 出願人が同一 ② 類似する意匠 10年まで
③ 本意匠の出願日 ~ 公報発行日の前まで の出願
公報発行登録
本意匠
関連意匠の登録要件
「本意匠」出願
10年まで
(2020年4月施行の改正法で大幅に延長)
83
《 関連意匠 》 関連意匠の登録要件 (意匠法10条)
《 関連意匠 》 関 連 意 匠 の 効 果
84
第三者による実施意匠
本意匠の効力範囲
関連意匠の効力が及ぶ
関連意匠
関連意匠の効力範囲
関連意匠
本意匠
■ 権 利 範 囲(類似する意匠の範囲)の
・ 拡 大・ 明 確 化
(意匠権の効力)
意匠法第23条 意匠権者は、業として登録意匠 及びこれに
類似する意匠の実施をする権利を専有する。
:「類似する意匠」まで独占使用
(特許権の効力)特許法第68条 特許権者は、業として特許発明の実施をする
権利を専有する。
(商標権の効力) 商標法第25条 商標権者は、指定商品又は指定役務について
登録商標の使用をする権利を専有する。(専用権)
+ 第三者による類似する商標の使用を排除できる。(禁止権:37条)
意匠権の効力
85
意 匠 : 類似範囲による保護の強化
<単独の登録>
= それぞれ類似しない意匠として登録= 狭い権利範囲と解される
<本意匠+関連意匠として登録>
= 相互に類似することの確認= 公報による広い権利範囲の明示
特 許 権利の束 による保護の強化
意 匠
86
《 関連意匠 》 単独登録 ⇔ 関連登録 -効果の相違-
登録第977921号
登録第977921 類似1号
≒
<本意匠>
登録第977922号
<単独>
「コップ」
<単独>
登録第977923号
87
《 関連意匠 》 登 録 例 - 部分意匠・関連意匠の活用 -
登録第1286023号「包装用箱」 (全体)
登録第1285904号(部分) 本意匠
登録第1287261号(部分) 関連
88
登録第1286024号「包装用箱」 (全体)
登録第1285905号(部分)
秘 密 意 匠 制 度
(登録時に発行される意匠公報)
(秘密解除時に発行)
登録から最大3年まで、登録意匠を秘密にすることができる。
《 秘密意匠 》 秘密意匠制度 (意匠法14条)
90
掲載事項・登録番号・出願日・登録日・意匠権者
・意匠を公開せずに権利を維持 ・他社牽制の効果
秘密の請求
= 出願、または登録料の納付と同時
《 秘密意匠 》 秘密意匠制度 (意匠法14条)
出 願
登録査定 設定登録
秘密の請求
公報発行 秘密解除意匠公報
秘密にできる期間
最大3年
登録料納付
秘密の請求
91
「登録査定」受領 〜 公報発行まで の検討事項
30日 約1ヶ月
設定登録 公報発行
秘密解除意匠公報
登録料納付
秘密の追加請求登録料納付時
関連意匠の追加出願
部分意匠の追加出願 (最初の)公報発行まで
*
*
*
登録査定出 願
<検討事項>
約2ヶ月
・実施意匠の保護強化・アイデアスケッチ・製品化回避・断念案・将来 実施予定案
<追加案選択の観点>
92
手続きの補正・補正却下
第六十条の二十四(手続の補正)
意匠登録出願、請求その他意匠登録に関する手続をした者は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り、
その補正をすることができる。
■ 補正のできる時期 :「 審査・審判に継続 」
= 審査結果を通知する 査定の謄本審理の結論を通知する 審決の謄本
の送達まで
出願拒絶査定
登録査定
審判請求 審決
意匠法
意匠審査基準第Ⅳ部第1章 2.1 補正の内容的制限
願書の記載又は願書に添付した図面等についてした補正がこれらの要旨を変更するものであってはならない。補正がこれらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもってその補正を却下する。
■ 補正の範囲
94
補正できる時期・範囲 手続の補正
《 手続の補正 》 意匠の要旨 ・ 要旨の変更
<意匠の要旨> 意匠審査基準第Ⅳ部第2章 3.1 意匠の要旨
その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、願書の記載および願書に添付した図面等から直接的に導き出される具体的な意匠の内容 を、意匠の要旨という。
<要旨の変更> 意匠審査基準第Ⅳ部第2章 4.1.1 ・・同一の範囲を超えて変更するも
のと認められる場合
その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて当然に導き出すことができる意匠の同一の範囲を超えて変更する補正
なお、同一の範囲とは、・・・類似の概念を含まない。
95
《 手続の補正 》 補正却下の対象
意匠審査基準第Ⅳ部第2章 4.1 要旨を変更するものとなる補正の類型
4.1.1 同一の範囲を超えて変更するものと認められる場合
4.1.2 出願当初不明であった意匠の要旨を明確なものとするものと認められる場合
【意匠の説明】中央灰落とし部(a)は、凹んでいる。
「灰皿」
不明であった要旨を明確にする補正であり、要旨変更 → 補正却下
出願当初
凹み部は、イ~ニのいずれの形状も採り得る = 要旨が不明
意匠審査便覧 34.01
=
96
4.1.3 意匠登録を受けようとする範囲を変更する場合
《 手続の補正 》 要旨変更とはならない補正
97
意匠審査基準第Ⅳ部第2章
4.2 要旨を変更するものとはならない補正の類型
4.2.1 その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて当然に導き出すことができる同一の範囲のものに訂正する場合
誤記や不明瞭な記載などの記載不備が、願書やその添付図面作成上の誤記や不手際ないし作図上の制約から生ずるものであることが、総合的に判断して明らかであり、・・・当然に不備のない記載を直接的に導き出すことができるとき
4.2.2 意匠の要旨の認定に影響を及ぼさない程度の微細な部分の記載不備を不備のない記載に訂正する場合
総合的に判断してもいずれが正しいのか判断することが不可能なときであっても、その記載不備が、意匠の要旨の認定に影響を及ぼさない程度の微細な部分につい ての記載不備と認められるとき
令和元年改正意匠法の概要
・創作非容易性の水準の引上げ
・組物の部分意匠の導入
・間接侵害規定の拡充(多機能品型間接侵害規定)
・手続救済規定の拡充(指定期間の延長請求)
・物品に記録されたものではない画像を保護・その物品以外に表示される画像を保護・一方、物品の機能と関係のない画像は保護しない
・建築物の外観・内装のデザインを保護
・関連意匠出願の可能期間を本意匠の出願日から10年以内まで延長
・関連意匠にのみ類似する意匠の登録を認める
・「登録日から20年」を「出願日から25年」に変更
・複数意匠の一括出願を認める
① 保護対象の拡充
② 関連意匠制度の見直し
③ 意匠権の存続期間の変更
④ 出願手続きの簡素化
・物品の区分の扱いの見直し、「物品の区分」表の廃止
ⅰ)画像デザイン
ⅱ)空間デザイン
⑤ その他
改正意匠法(令和元年5月17日公布)の概要
99・赤地は2020年4月施行・青地は2019年5月から2年以内
(出典)https://www.sony.co.jp/SonyInfo/design/works/products/anysurface/
壁や机上に投影されるユーザーインターフェース
人体に投影される画像
第2条(定義等)この法律で「意匠」とは、物品(物品の部分を含む。以下同じ。)の形状、模様若し
くは色彩又はこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。・・)であって、視覚を通じて美感を起こさせるものをいう。
【改正法】
100
【 改正意匠法 】 - 画像デザインの保護の拡充 -
画像デザイン
令和元年の意匠法改正以降、意匠登録出願人が画像を含む意匠について意匠登録を受ける方法には、大きく以下の2通りがある。
(1)画像意匠(物品から離れた画像自体)として保護を受ける方法(以下、このような意匠を「画像意匠」という。)
(2)物品又は建築物の部分としての画像を含む意匠として保護を受ける方法(以下、このような意匠を「物品等の部分に画像を含む意匠」という。)
改訂意匠審査基準案 第Ⅳ部 第1章 画像を含む意匠 1 概要
登録第1474575号「携帯情報端末機」
【左側面図】 【正面図】 【アイコンのみの拡大図】「時刻表示画像」
【 改正意匠法 】 - 「画像」意匠の出願方法 -
意匠登録第1672383号「車両情報表示用画像」(株式会社小糸製作所)
【意匠に係る物品の説明】この画像は、画像投影装置付き車両より路面に照射される画像である。画像図で表した画像は、使用状態を示す参考図1乃至3のとおり、走行時もしくは停車時に車両の周辺に照射され、外部から車両の存在を視認しやすくさせる。また、本画像は、運転手に車両周辺の路面の状況を視認しやすくさせる。車両が進行方向を変更するとき、画像図、及び、変化した状態を示す画像図1及び2のとおり、変更向きに応じて変化して照射される。
(参考)エリアマーカー™(株式会社小糸製作所提供)
【 改正意匠法 】 - 新たな画像意匠の登録例 -
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コメダ珈琲店岩出店 武雄市図書館建築物の外観 建物の内装
内装デザインの登録例
登録番号4839216 (米国)
【 改正意匠法 】 - 空間デザインの保護の拡充 -
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改訂意匠審査基準案 第Ⅳ部 第2章 3 意匠法上の建築物
<人工構造物であることとの要件を満たさないものの例>(a) 人工的なものでないもの
例:自然の山、自然の岩、自然の樹木、自然の河川、自然の滝、自然の砂浜(b) 人の手が加えられているものの、自然物や地形等を意匠の主たる要素としているもの
例:スキーゲレンデ、ゴルフコース(c) 土地そのもの又は土地を造成したにすぎないもの
改訂意匠審査基準案 第Ⅳ部 第2章 6.1.1.2
意匠法上の建築物の意匠を構成するためには、以下の(1)及び(2)のいずれの要件も満たすものでなければならない。
(1) 土地の定着物であること(2) 人工構造物であること。土木構造物を含む。
【 改正意匠法 】 - 「建築物」の登録要件 -
改訂意匠審査基準案 第Ⅳ部 第4章 6. 内装の意匠の登録要件
内装の意匠に該当するためには、以下の(1)から(3)の要件を全て満たすものでなければならない。
(1)店舗、事務所その他の施設の内部であること(a) 店舗、事務所その他の施設に該当すること(b) 内部に該当すること
(2)複数の意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること(a) 意匠法上の物品、建築物又は画像により構成されるものであること(b) 複数の物品等から構成されるものであること
(3)内装全体として統一的な美感を起こさせるものであること
<複数の物品等から構成されるものとは認められないものの例>【斜視図】
※説明の都合上、願書の記載事項及びその他の図は省略した。
(説明)この事例では、施設の内部の意匠が一つ表されているのみで、複数の物品等から構成されるものとは認められない。なお、このような場合は、建築物の内部について意匠登録を受けようとする部分とする意匠として、意匠登録を受けることができる可能性がある。
改訂意匠審査基準案 第Ⅳ部 第4章 6.1.1.2(2)
内装デザインの登録例
登録番号4839216 (米国)
【 改正意匠法 】 - 「内装」の意匠の登録要件 -
【斜視図2】 【参考斜視図2】
【実施例参考イメージ図】
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【 改正意匠法 】 - 新たな空間デザインの登録例 -
【意匠に係る物品の説明】この内装は、衣料品等を販売する店舗において、「参考斜視図1」及び「参考斜視図2」に示す位置に、
電光掲示板及び大型ディスプレイの表示部をそれぞれ配置したものである。「実施例参考イメージ図」に示すように、什器が比較的低い位置に設定され、上部に広い空間が形成される場合には、 電光掲示板の表示部を上下2列に配置しても、表示内容を容易に視認することができ、当該電光掲示板の表示部は、正面視中央付近に配置された大型ディスプレイの表示部と共に、空間に表示し得る情報量の増大、視認性の向上を図るという統一的な秩序に基づいて配置されている。
【意匠の説明】・・「参考斜視図2」において、青色で着色を施した部分は電光掲示板の表示部である。・・「参考斜視図2」において、赤色で着色を施した部分は大型ディスプレイの表示部である。
意匠登録第1673815号「衣料品店の内装」(株式会社ファーストリテイリング)
本意匠
関 連
関 連
× 関連の関連
公報
本意匠
公報発行後の
× 関 連
関 連
* 本意匠に類似する意匠であることが公示されない
旧 関連意匠制度
公報
本意匠
関 連
関 連
関連の関連
基礎意匠
A
B
C
Bの本意匠
Cの本意匠
関連の関連の関連
★
★
A と同一または類似の自己の公知意匠はB の拒絶理由にならない(改正法10条8項)
本意匠 と同一または類似の自己の公知意匠はA の拒絶理由にならない(改正法10条2項)
【 改正意匠法 】 - 拡充された関連意匠制度 -
公報
本意匠
関 連
関連の関連
基礎意匠
A
★
A と同一または類似の自己の公知意匠はB の拒絶理由にならない(改正法10条8項)
★
BBの本意匠
A と類似しない自己の公知意匠はB の拒絶理由
新規性喪失の例外規定の適用申請が必要新規性喪失の例外規定の適用申請は不要
【 改正意匠法 】 - 改正関連意匠制度の運用 -
(参考) 設定登録後の現存率
特許庁行政年次報告書2005年版 (数値は、2004年末データ)
※ 平成19(2007)年4月1日以降の出願~ 存続期間延長 : 15年→20年
■ 存続期間 ■
意匠法第21条 意匠権(関連意匠の意匠権を除く。)の存続期間は、意匠登録出願の日
から二十五年をもつて終了する。
2 関連意匠の意匠権の存続期間は、その基礎意匠の意匠登録出願の日から
二十五年をもつて終了する。
登録料 1~ 3年目 毎年 8,500円 4~10年目 毎年 16,900円11~20年目 毎年 33,800円
意 匠 権 : 権利期間 ・ 維持費用
4~20年目同額 : 毎年16,900円
平成24(2012)年4月1日以降値下げ
終期でも存続率が高い意匠
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※ 令和2(2020)年4月1日施行の改正法で 出願日から25年に変更
4~25年目同額 : 毎年16,900円
令和2(2020)年4月1日以降も同様
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改正:本意匠の出願日から10年まで
出願
公報
登録
意匠権の存続期間
現行:登録日から20年
現行:本意匠の出願日から公報発行まで
関連意匠の出願期限
改正:出願日から25年
【 改正意匠法 】 - 期 間 の 延 長 -
意匠権は弱い?
意匠登録第1192409号
「乗用自動車」
類似する意匠まで他人の模倣を排除 実施品は模倣自由
権利がなければ
◎ 実施品そのものの保護 : 明確・強力な権利
△ 他人の改良意匠の排除: 権利の外側の意匠を開発される
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意 匠 法 概 論
INPIT 令和元年度 検索エキスパート研修 「意匠」
お わ り
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