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Post on 07-Mar-2020
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R E P O R T U研・発見!
モバイルデバイス (iOS)デモアプリ
MQTT
FLIROne カメラ
Bluemix
The WeatherCompany
WatsonMachine Learning
Cloudant
サーバー・サイド・アプリ
Node-RED
画像の蓄積
故障予知を送信
MQTT でサーモ情報を送信1 日 1 回
その日の天気予報を取得
サーモ情報を取得
(FLIROneSDK 利用)
故障予知
機械の温度を取得
Watson IoT Platform
7つのカテゴリで紹介するISE Showroomの体験型展示
第28回 iSUC別府大会でセッション、交流会と並び、大会の柱となるのがiSUCモール。その目玉は、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング(株)が企画する「ISE Showroom」である。 ここでは「体験型展示」を掲げ、来場者が実際に触れたり、自分の体を使って動かしたり、操作したりといったダイナミックなデモンストレーションを楽しめる。今年4月に千葉県に
ある日本IBMの幕張事業所で開催された「ISE Technical Conference 2017」でも展示され、来場者から高い評価が寄せられた人気企画である。 ISE Showroomでは、「IoT」「Watson」「ディープラーニング」「ドローン」「オートメーション」「コグニティブプロセス」「ブロックチェーン」という今話題の7カテゴリで、16以上のデモやソリューションが展示される予定である。 本稿ではそのなかから、とくに注目度の高い展示内容を紹介しよう。
iSUCモールの注目企画ISE Showroomの体験型展示IoTからWatson、ディープラーニングまで自分の体で体験してワクワクしよう
今年11月15日から始まる第28回 iSUC別府大会。多彩なソリューショが展示されるiSUCモールの注目企画が、「ISE Showroom」だ。「体験型展示」を掲げ、IoT、Watson、ディープラーニング、ドローンなど、7つの最新テーマに沿って多数のデモや展示が実現する予定。注目の展示内容を紹介しよう。
図表 1 サーモ情報を活用したデモアーキテクチャ
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REPORT
◉
ISE
Showroomの体験型展示
U研・発見!
ウェアラブルからロボットまで最先端IoTを体験型デモで紹介
IoT×Wearable
指輪型ウェアラブル端末を使ったMotion Recognition
指輪型ウェアラブル端末「Ring」を活用した行動認識のデモ。来場者は両手の指にRingをはめて何かのジェスチャーをする。ここでは、「右手をふる」「左手をふる」「動く」など、6パターンの動作をあらかじめ登録しておき、そのどれに相当するかを判定する。 実際の業務では、製造現場で「匠」と呼ばれるベテラン作業の動きをロボットに覚えさせ、経験の浅い作業者との動きの差異を抽出して作業の効率化に活用したり、ヘルスケア領域で患者や要介護者の日常行動を識別するなどの利用例が検討されている。
IoT×画像認識
サーモグラフィを活用し温度感知により故障を予測
サーモカメラで収集した熱に関する画像情報をデジタル値に変換し、 Watson IoT Platform へ 転送。Watson Machine Learning
で予測モデルを利用・分析し、対象の熱状態を認識するとともに故障を予測する。デモでは熱情報収集対象の温度を感知して、画面に認識結果を表示する様子が紹介される(図表1、図表2)。 実際の現場では、工場などで機器に直接センサーを取り付けられない、あるいは壁や箱で覆われているため直接視認できない対象物の温度状態を把握し、可視化する。Watson Machine Learningを利用して予測モデルを作成し、分析することで、機器の故障予測に活用できる。 また機器の温度に、Weather Company Data(気温・湿度・気圧など)を加えれば、さらに精度の高い予測モデルを作成し、故障予測に活用できる。
IoT×ロボット
ロボットとの対話コンテキストを状態に応じて制御する
コミュニケーションロボットであるSotaと対話する相手の表情を、顔認識デバイスにより推測。相手がどのような感情を
図表 3 デモの構成
図表 2 サーモグラフィックカメラによる温度認識画面
コミュニケーションロボット
顔画像認識用カメラ
スピーカーマイク
家族目線データ取得プログラム
ロボット基盤 (ソフトウェア)
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U研・発見!
抱いているかを分析し、対話内容を分岐させる。たとえばバイタルセンサや顔認識の結果を用いて、相手が話を聞く状態にないと判断したら少し会話を待つ、など。会場では、表情
(笑っている・怒っている)を認識して対話コンテキストを分岐させるデモが紹介される(図表3)。 使用されているのは、Watson APIであるSpeech to Text や Text to Speech、Natural Language Classifi er、表情の認識にはOMRON社の家族目線デバイス、音声に割り込むスピーカーマイクなど。 実際の業務では、たとえば介護の現場で遠隔地からコミュニケーションロボットを用いて会話する際、患者の様子に応じてロボットが話しかける(患者が寝ているときは話しかけない、など)。あるいは作業報告や指示をコミュニケーションロボットが行うような製造現場では、バイタルデバイスを着けている作業者の体調に合わせて会話をコントロールするといった使い方が検討されている。
IoT×行動認識
デバイスでモノと人を瞬間的に認識しBluemix上で管理する
「その人は誰か」「モノは何か」「人、モノは移動したのか」をデバイスとWatson APIを利用して瞬間的に認識し、保管。
Slackなどのコミュニケーションインターフェースを用いて、保管した認識結果にアクセスする(図表4)。 人やモノの認識にはRealSense、人の特定にはWatson Visual Recognitionを使用し、認識結果はBluemix上にJSON形式で保管する。 実際の利用方法としては、製造現場でモノの出入りと人物を紐づけて監視・認識する、小売り・警備分野では窃盗犯や万引き犯の早期発見につなげる。教育・介護分野では、生徒や要介護者による危険物の持ち出しなどを監視・認識することで、事故・事件の防止や早期解決に役立てる、などが検討されている。
IoT×バイタルデータ
バイタルデータを活用した遠隔監視眠気を感知し照明を明るく
デバイスでバイタルデータを計測し、画面上でリアルタイムに可視化する。 デモでは、ヘッドセットに似たデバイスで脳波データを計測して集中度を判断し、「集中度が落ちた」「眠気を感じる」などを検知したら、照明を明るくするなど環境を機械で操作する仕組みを紹介する。Inputとして脳波データの収集、Outputとしては機械による機器の操作を実行できる(図表
図表 4 行動認識のデモ画面
デバイスによる認識画面 認識結果の参照画面
その場所に何があって、何がないのかを表示
未登録の人の場合は、新しく登録
フレームで囲われたモノを認識している
ないモノについて、誰が持ち出したのかを
画像で表示人を認識し、顔をフレームで囲っている
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REPORT
◉
ISE
Showroomの体験型展示
Node.js
Web Socket
REST API
照明を遠隔操作
リアルタイムに脳波を送信
Bluetooth
Wi-Fi
画面入力や脳波の傾向に合わせて
照明を操作
リアルタイムに脳波を送信
クライアント サーバー IO デバイス
5)。 現場での作業者のミス防止、通信教育など遠隔地にいる生徒の集中度の確認、患者の安否の確認など、さまざまなユースケースが想定されている。
IoT×全天球カメラ
動画から動くものを捉え軌跡や数を推測する
複数のデバイス(画角の異なるカメラデバイス)を用いて、人を認識し、人数を数えたり、どのような軌跡をたどったかを推測する。また、画像認識時にWatson Visual Recognitionを用いて年齢、性別を判断し、結果をデータベースに保管。多様な角度(時間帯別の来場者の性別分布、人数、右方向・左方向に移動)で分析できる。 会場ではISE Showroomのブース入口に全天球カメラを設置し、来場者の分析(性別、年代、人数、さらに右方向・左方向のどちらへ進んだか)に利用予定。
Watsonからドローンなどディープラーニングまで多彩な展示
ディープラーニング
Human Motion×Deep Learningモーションセンサで動作を認識
人物モーションセンサ(Kinect)に、ディープラーニング技術、画像解析技術を組み合わせ、年齢、性別、および動作を判別する。デモでは、来場者がモーションセンサーの前に立って動くと、その属性(年齢、性別)を判定すると同時に、
「拍手している」「おじきをしている」などの動作を認識する。バックグラウンドでは、機械学習のオープンソースソフトウェア・ライブラリである「Tensor Flow」が稼働している。 実際の現場では初心者と熟練者の技能の比較をもとにトレーニングに役立てたり、商品やサービスに対する顧客の反応、不審者の振る舞い検知といった実用方法が検討されている。
ドローン
会場内で実際にドローンを飛ばす自動航行や画像・動画撮影
コンベンションホールで実際に小型ドローンを飛ばし、画像・動画を撮影。それをホールの大型スクリーンでリアルタイムに確認する。無人警備を題材に、サーバーサイドからフライトプランの設定や、他センサからの割り込みをもとにした自動アク
図表 5 脳波を活用したデモアーキテクチャ
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U研・発見!
ション、取得データのフィードバックなどがデモされる予定である(図表6)。
Watson
Cognitive Commerceの実例WatsonとSotaでタイヤアドバイザー
卓上型のコミュニケーションロボットであるSotaとWatsonを組み合わせ、来場者がSota(およびWatson)に対していくつかの質問に答えながら相談すると、交換に適したタイヤを推奨してくれる。 顧客情報分析とベテラン店員のノウハウを組み合わせ、実店舗あるいはECサイト上で顧客にヒアリング&アドバイスするバーチャル店員の実現が期待されている。
Watson
ハンズフリーで情報を得るフィールドワーカーサポート
工場や倉庫、整備・修理など現場の作業者がヘッドセットを使ってWatsonと会話することで、ハンズフリーで必要な情報を入手する。 音声認識や対話機能をサポートするWatsonのAPIである Speech to Text、Natural Language Classifier、Conversation、それにWatson Explorerのテキストマイニング機能を組み合わせ、作業者が報告する状況や質問に応じ
て、適切な操作や作業、対処法をアドバイスする。
Watson
コールセンター支援ソリューションシナリオに沿った実演
すでに金融機関をはじめとするコールセンターで導入が始まっているWatsonソリューション。デモでは、実際のコールセンターに寄せられる電話の受付内容をシナリオ化し、その問い合わせに対する回答候補を検索・表示する仕組みを紹介する。
Watson
Cognitive Work Analysis画像認識でPC組立作業の動画を解析
ディープラーニングによる画像解析とWatsonを組み合わせ、デモではPCの組み立て作業の動画を解析し、進捗や作業の状況を判定する。 ベテラン作業員と新人作業員との作業時間の比較や、海外など複数拠点での作業品質のばらつきを監視するといった目的で、実用化が検討されているソリューションである。
ISE Showroomではこのほかにも、最先端テクノロジーを実感させるさまざまな展示やデモが行われる予定だ。 AIや画像解析、IoTなど、ISE Showroomが今回、テー
マにしているテクノロジーやソリューションはいずれも、強い関心が向けられている。しかし自社の業務でどう実現するかを検討する段階になると、既存業務の延長上で考えたり、製品ベースで何ができるかを起点に発想したりで、なかなか構想が進まない傾向にある。 そこでISE Showroomでは、体験型展示により、「自分たちの仕事でどう使えるか」の発想を膨らませ、インスピレーションやヒントを得られるようにしたいと考えている。 今 回の大 会スローガンである
「WAKUWAKU 〜湧き上がる知恵と気づきの場〜」が表現するとおり、ISE Showroomでは大きなワクワク感が得られそうだ。
図表 6 会場で飛ばす予定の小型ドローン
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