nano薄膜を利用した 高真空内生物観察 platyhelminthes arthropoda 100 µm death 300 µm...

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1

Nano薄膜を利用した薄膜を利用した薄膜を利用した薄膜を利用した

高真空内生物観察高真空内生物観察高真空内生物観察高真空内生物観察

NanoSuit法による生きたまま濡れたままの法による生きたまま濡れたままの法による生きたまま濡れたままの法による生きたまま濡れたままの

電子顕微鏡観察電子顕微鏡観察電子顕微鏡観察電子顕微鏡観察

浜松医科大学浜松医科大学浜松医科大学浜松医科大学 医学部医学部医学部医学部 総合人間科学総合人間科学総合人間科学総合人間科学

教授教授教授教授 針山針山針山針山 孝彦孝彦孝彦孝彦

名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学名古屋工業大学 大学院工学研究科大学院工学研究科大学院工学研究科大学院工学研究科 物質工学専攻物質工学専攻物質工学専攻物質工学専攻

准教授准教授准教授准教授 石井石井石井石井 大佑大佑大佑大佑

2

•生命科学研究では電子顕微鏡は欠くことのできない研究ツールとなっている。しかし、高真空に試料を曝さなくてはならないので、生物試料は事前に固定・乾燥・金属蒸着処理をしなくてはならず、処理による変形された死んだ状態を観察している。つまり、生の烏賊の構造解析をしたいのに、干物にしてから観察しているような作業ともいえる。

•なるべく生きた状態に近いものを観察しようと、低真空SEMの開発がなされてきたが、高倍にして高分解能での観察は難しい。

•NanoSuit法では、生物試料表面に薄膜を形成させ、試料を生きたまま、濡れたままで、高真空を必要とする電子顕微鏡での観察を可能とした。

3

ヒトは視覚性動物です。見ることが理解に繋がる。

1600~ 光学顕微鏡 オランダやイギリス

生命科学におけるパラダイムシフト

細胞説の発見(全ての生き物は細胞からなる)

Paradigm shift

1930~ 電子顕微鏡 1950~ 生命科学でも電子顕微鏡が利用

1 nm 10 nm 100 nm 1 µm 10 µm 100 µm 1 mm 10 mm 100 mm

裸眼

光学顕微鏡

電子顕微鏡(in high vacuo)

Prokaryotic EukaryoticVirus Multicellular

不可欠不可欠不可欠不可欠

な機器な機器な機器な機器

1838Shleiden

1839Shwann

生命科学におけるパラダイムシフト

細胞の中に細胞内小器官がある。Virusが病原体。

4

ほとんどの生物は、脱気・脱水されて変形します。ほとんどの生物は、脱気・脱水されて変形します。ほとんどの生物は、脱気・脱水されて変形します。ほとんどの生物は、脱気・脱水されて変形します。

1 mm 1 mm 500 µm

Coelenterata Platyhelminthes Arthropoda

100 µm

death

300 µm

death

200 µm

death

hydra

planarianMosquito larva

500 µm

Arthropoda

200 µm

Live

Drosophila larva

従来法に従来法に従来法に従来法に

よる観察よる観察よる観察よる観察

5

0 s

2 s

4 s

BA

0.5mm

電子顕微鏡内の蚊の幼虫(ボウフラ)

未処理未処理未処理未処理

処理処理処理処理

FE-SEM 10-3-10-7 Pa

両親媒性物質(Tween20)をかけて電子顕微鏡で観察すると生きている

6

After observation, we can rear the larva of mosquito, and it metamorphosed into the adult mosquito.

NanoSuit法

7

A

0.2mm

E

0.2mm 10µm

10µm

20µm 5µm

20µm 5µm

B

F

C

G

D

H

従来法

NanoSuit 法

Sand hopperTalitrus saltator

Amphipod

8

Yeast

単細胞生物をはじめ、ほとんどすべての生物の観察可能になった。

9

By an old nano-suit methodDisected “peritonitis” By an old nano-suit methodDisected “peritonitis”

Within 1 minutes, the charge was oberved!!!!Within 1 minutes, the charge was oberved!!!!Living Peritonitis 腹膜腹膜腹膜腹膜

nano-suit methodnano-suit method

0min 1min 2min

20 µm

10

1次化学固定処理のみを行ったマウス腹膜表(上皮側)の“直入れ”像と、SSE / nanosuit 法による新規“含水状態”SEM像

Isolated mammal tissue

Direct observation

Fixed specimen

チャージアップしてしまう(観察不能!)

チャージアップしてしまう(観察不能!)

100µm

1次化学固定

100µm

NanoSuitNanoSuitNanoSuitNanoSuit® method

11

NanoSuit 法法法法

30µm

従来法従来法従来法従来法

(chemically fixed, dehydration etc …)

30µm

Rabbit Peritonitis (chemically fixed still “wet” sample)固定された病理標本の濡れたままの観察も可能固定された病理標本の濡れたままの観察も可能固定された病理標本の濡れたままの観察も可能固定された病理標本の濡れたままの観察も可能

12

ヒト胃癌組織 (Front line between cancer and normal tissue)

1次化学固定

100µm

NanoSuit 法法法法

13

Virus infection to living cultured cells ( fibroblast / mouse )

5 µm

14

まとめ 生のもの濡れたままのものの超微細構造を高分解能電子顕微鏡で観察可能生のもの濡れたままのものの超微細構造を高分解能電子顕微鏡で観察可能生のもの濡れたままのものの超微細構造を高分解能電子顕微鏡で観察可能生のもの濡れたままのものの超微細構造を高分解能電子顕微鏡で観察可能

実効的に実効的に実効的に実効的に

透明な服透明な服透明な服透明な服

習熟が必要習熟が必要習熟が必要習熟が必要

約一日かかる約一日かかる約一日かかる約一日かかる

かけて拭うだけかけて拭うだけかけて拭うだけかけて拭うだけ

数分間の処理数分間の処理数分間の処理数分間の処理

リアルに近いリアルに近いリアルに近いリアルに近い

変形したものの変形したものの変形したものの変形したものの

観察観察観察観察

NanoSuit®

Need at least a whole day.

The “NanoSuit®” enabled the direct observation of hydrous biological samples.

15

新技術の特徴・従来技術との比較新技術の特徴・従来技術との比較新技術の特徴・従来技術との比較新技術の特徴・従来技術との比較

• 従来技術の問題点であった、死んだ変形したサンプル観察を生きて濡れたまま変形なしで観察することに成功した。

• 従来は脱気・脱水の点で、固定サンプルの観察か低真空SEMの使用に限られていたが、含水状態の生命維持まで性能が向上できた

ため、濡れたままの試料の観察が可能となった。

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想定される用途想定される用途想定される用途想定される用途

• 生命科学分野の基礎研究に広く応用される。

• 医療応用に関して、超微細構造観察によって、診断レベルが上がる可能性が高く、個別医療への展開によって患者の負担が減る。

• 薬剤が細胞にどのように作用するかを、生きた細胞に反応させて、形態変化を指標に観察することで、製薬に利用できる。

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実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題実用化に向けた課題

• 現在、NanoSuit法について組織や細胞の観察が可能なところまで開発済みで、多様な応用が可能になっている。

• 超微細構造観察によって、診断レベルが上がる。既存の診断技術と、新規NanoSuit法との相関をとる必要がある。

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企業への期待企業への期待企業への期待企業への期待

• 未解決の大型組織観察については、NanoSuit溶液の改良技術により克服できると考えている。

• 薬品開発や、製薬の技術を持つ、企業との共同研究を希望。

• ベンチャー企業が必要であれば、企業がリードして設立して欲しい。

• また、製薬を開発中の企業、医療材料分野への展開を考えている企業には、本技術の導入が有効と思われる。

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本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権本技術に関する知的財産権発明の名称 :生物試料をそのままの姿で観察するための電子顕微鏡に

よる観察方法とそれに用いられる真空下での蒸発抑制用

組成物、走査電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡

出願番号 :PCT/JP2012/072982

出願人 :国立研究開発法人科学技術振興機構

発明者 :針山孝彦、高久康春、鈴木浩司、下村政嗣、石井大佑、

村中祥悟、太田勲

発明の名称 :含水状態の生物試料の電子顕微鏡観察用保護剤、電子顕

微鏡観察用キット、電子顕微鏡による観察、診断、評価、

定量の方法並びに試料台

出願番号 :PCT/JP2015/052404

出願人 :国立研究開発法人科学技術振興機構

発明者 :針山孝彦、高久康春、鈴木浩司、下村政嗣、石井大佑、

村中祥悟、太田勲、平川聡史、河崎秀陽

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お問い合わせ先お問い合わせ先お問い合わせ先お問い合わせ先

【ライセンスについて】

科学技術振興機構

知的財産戦略センター 田中 史祥

TEL 03 - 5214 - 8293

e-mail ftanaka@jst.go.jp

【技術内容について】

浜松医科大学 教授 針山 孝彦

e-mail hariyama@hama-med.ac.jp

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