pal news 2017/12 · ②後天性二次性巨大食道症...

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エキゾ

尿石症

エキゾ

●尿石症●巨大食道症

PAL NEWS 2017/12PAL NEWS 2017/12PAL NEWS 2017/12~人と動物の絆~

よりよい関係を目指して

私たちは最先端の診療技術を生かし、地域に

密着した動物病院を目標にしております。

●裾野センター病院月~土 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 21:00 (20:30)日・祝 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 19:00 (18:30)

● 今月の専門科診療 ●今月は下記の日程で専門科の診察を行います。ご希望の方は事前にご予約ください。

(カッコ内はカレンダー内の省略形です)

レントゲン検査で確認することができます。

血液検査:結石が尿管や尿道に詰まっている場合、尿が体外に出ないことによって血液成分が異常になったり中毒性物質が蓄積したりします。症状が長く続いている場合や、尿がでない・少ない、元気食欲がなくなっている、吐き気があるなどの場合は血液検査により全身状態の確認をします。

治療基本的な治療方法は手術による結石の

除去と療法食による再発の予防です。また、細菌感染が併発している場合は、抗生物質の投与を行います。

ストルバイト結石の場合は療法食により結石を徐々に溶かすことができますが、シュウ酸カルシウム結石の場合は療法食では溶けないため、手術を行う必要があります。

手術後も再発の予防のために療法食での治療は継続していく必要があります。

手術だけで完治する病気ではなく、手術後の再発予防が重要です。

参考文献 獣医内科学 小動物編(文英堂)伴侶動物の治療指針 vol.6(緑書房)SMALL ANIMAL INTERNAL MEDICINE

第 4 版 上巻(interzoo)

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◆歯科(歯)

博士(歯学):奥田 綾子 先生

◆エキゾチックペット(エキゾ)

エキゾチックペットクリニック

博士(獣医学):霍つ る の

野 晋吉 先生

◆皮膚科(皮)

アイデックスラボラトリーズ株式会社博士(獣医学):関口 麻衣子 先生毎月1 回の皮膚科診療

◆眼科博士(獣医学):当院 小野 啓毎週火曜~土曜日

(カレンダーには表記していません)学会等で不在のこともありますので、事前のご予約をお願いいたします。

29 30

年末年始:12/31 ~ 1/3 午後休診

年末年始: 12/30 午後休診12/31 ~ 1/4 全日休診

お問合せ

●沼津病院平日 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30) 午後 14:00 ~ 19:00 (18:30)日 午前 9:00 ~ 12:00 (11:30)木・祝日休診

診療時間

パル動物病院

パルニュース 2017 年 12 月

尿石症とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道といった尿が作られて、体の外に出て行くまでに通る臓器に結石ができる病気であり,犬と猫で多くみられます。結石にはストルバイト、シュウ酸カルシウム、尿酸アンモニウム、シスチン、シリカなどいくつかの種類があり、このうち全体の 80%以上はストルバイトとシュウ酸カルシウムの結石です。

症状血尿(尿が赤くなる)、排尿痛(排尿時

に鳴く、排尿姿勢になるが尿が出ない)といった症状がみられますが、膀胱に結石がある場合は症状があまりみられないこともあります。また、結石が尿管や尿道の途中で詰まってしまうことがあり、その場合は急性腎不全や膀胱破裂など、緊急処置が必要な状態に陥ります。

検査尿検査:尿試験紙により尿に血液が混入

していないか、尿が酸性やアルカリ性に変化していないかなどを確認します。また遠心分離した沈殿物を顕微鏡で観察し、結石の種類の推測や、細菌感染が併発していないかの確認などを行います。

超音波検査:腎臓、尿管、膀胱の結石の有無や大きさ、数を確認します。

レントゲン検査:大きな結石の場合は、

●裾野センター病院静岡県裾野市伊豆島田 843-5TEL: 055-993-3135

●沼津病院静岡県沼津市沼北町 1 丁目 5-27TEL: 055-922-6255

●ウェブサイト http://pal-ah.jp

2017 年 12 月

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皮皮

巨大食道症

治療先天性の場合、一部の犬は、成長とともに、食道の運動性が良く

なる場合があります。後天性二次性の場合は、基礎疾患をコントロールすることで食道

の運動性が回復する場合があります。後天性特発性の場合は、自然に回復することは少なく、特異的な

治療はありません。どの場合も、誤嚥性肺炎を併発した場合、抗生剤治療を行います。

ご自宅では、食事の管理と誤嚥の防止が中心になります。食事は立たせた状態(立位)で与え、食後 30 分前後、立位を

保ち、重力で食道から胃へ食事が流れるようにします。立位にするのが難しかったり、立位にしても吐出がコントロールできなかったり、誤嚥性肺炎を繰り返す場合、全身麻酔下で胃へ チューブを設置し(胃瘻チューブ)、チューブから直接胃へ食事を投与する方法もあります。ただし、胃瘻チューブを設置しても、唾液を吐き出したり、誤嚥する場合もあります。

以上のように、巨大食道症の管理は、生涯に及ぶ場合がしばしばあります。犬は特に、勢いよく食べて吐くことが多い動物ですが、頻繁に吐き出しが見られるようなら診察をお勧めします。

参考文献イヌ・ネコ家庭の医学大百科 PIE BOOKS犬と猫の治療ガイド 2015 interzoo

パルニュース 2017 年 12 月号

原因先天性のものと後天性のものに分けられ、後天性はさらに二次性

(原因となる基礎疾患があるもの)と特発性(原因不明なもの)に分けられます。

①先天性巨大食道症ミニチュア・シュナウザーやフォックス・テリア、ラブラドール・

レトリーバーなどで発生が見られます。

②後天性二次性巨大食道症基礎疾患として、副腎皮質機能低下症、重度の食道炎、食

道の狭窄、甲状腺機能低下症、重症筋無力症、などがあります。

③後天性特発性巨大食道症原因不明ですが、一般に7歳~ 15 歳で発生します。

症状食道の運動性が低下し、食べたものが胃まで流れず、拡張した食

道に停滞します。そのため、食べたものを未消化な形で吐き出すことを繰り返します。また、吐き出したものを誤って肺に吸い込むことで、誤嚥性肺炎になることもあります。

診断胸部の単純 X 線検査や造影 X 線検査で、食道の拡張を確認します。

誤嚥性肺炎の併発も多いため、X 線検査で同時に肺炎の有無も確認します。食道炎や食道狭窄の有無を確認するために、全身麻酔下で内視鏡検査を実施することもあります。その他、基礎疾患の有無を調べるため、血液検査なども行います。

巨大食道症とは、なんらかの原因により食道の運動性が低下し、食道が常に拡張した状態になる疾患をいいます。主に犬で見られる病気で、猫での発生はまれです。

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