personal democracy forum 2015 報告会 資料 シビックテック総まとめ
Post on 14-Aug-2015
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• 政治に金がかかりすぎる!• 2010 年 Citizens United 判決• 大企業に権力が集中、ロビイストの跋扈
• 極端な党派主義• 機能しない議会・政府( 2013 年政府閉鎖)• 恣意的な選挙区割り( Gerrymandering )
• オバマの“ Change” 失敗への落胆• 一方、民主主義を壊した「政治とカネ」(大統領選)が
シビックテックを支える皮肉(ヒラリー候補も)。。。
「民主主義は壊れている」
関連セッション (「民主主義は壊れている」) • Understanding America‘s Interested Bystanders ( Kate Krontiris )
→ コミュニティや社会改善に関心あるが政治から遠ざかっている 「関心ある傍観者たち」。
• Public Engagement Is Broken. Are You Part of the Problem? ( Catherine Bracy ) → 行政広聴をテクノロジーで改善する。
• Hacking the Civic Imagination ( Andrew Slack ) → 企業献金が支配する選挙への抵抗を呼びかけ。シビックテックで 市民の関心のある政策を 2016 年大統領選に向けプレイアップ。
• The Politics of Joy ( Zephyr Teachout ) → 大企業への権力集中を懸念。シビックテックは口だけの宣言が 多く、まだ実際に組織的インパクトを持てていないと注文。
「資本主義も壊れている」• 知識経済社会・ポスト工業化社会・新自由主義の負の面• 潤うのはエリートのみ • 2008 年リーマンショックからの「雇用なき回復」• (シビックテックはシリコンバレーのエリートが担う
皮肉)
• 貧富の差の拡大• Occupy Wall Street ( 2011 年)
• オンデマンド経済: テクノロジーによる経済大変革• 非正規雇用の増加( 2009 ~ 15 年で 40 %↑)• 労働者の組織率の低下
関連セッション (「資本主義も壊れている」) Creative Collision: How Business and Social Movements Will Reshape Our Future ( Palak Shah )
→ 家事労働者のためのクラウドソーシングの改善
Putting Labor in the Lab: How Workers Are Rebooting Their Future( Carmen Rojas )
→ 労働環境改善サービスへのファンディング
Labor Codes: The Power of Employee-Led Online Organizing ( Jess Kutch )
→ スターバックス従業員の労働環境改善のための SNS 組織化など
「この社会は分断されている」
• 政治がプロのものになってしまっている。• 一般市民には参加方法が分からない→ Interested
bystanders
• 無くならない人種差別・移民差別• Ferguson暴動( 2014 年)、ボルチモア暴動( 2015 年) • Black Lives Matter
• 崩壊する家庭• DV (家庭内暴力)や性的虐待など
関連セッション (「この社会は分断されている」) Segregation, Society, and the Future of Social Data ( Dave Troy )
→ Twitter API のビッグデータで社会の分断をマッピング。 差別を可視化し、社会不安を予測。
Powerful Platform, Powerful Movements ( Dante Barry ) → 時給15ドルを巡る闘争の組織化、アフリカ系アメリカ人のツイッ ターコミュニティ( Black Twitter )など。テクノロジーは当局による市 民監視でなくて、市民のために使わなくてはいけない。
Reverse-Engineering the Vampire Squid ( Astra Taylor )→ Debt Collective: 教育ローンや医療費による過重債務者の
解放 のための組織化プラットフォーム。
関連セッション (「この社会は分断されている」) Winner Texts All ( Nancy Lublin ) → 危機的状況にある子供のためのホットライン Crisis Text Line ビッグデータ解析でトリ―アジ。どのコミュニティで自殺者が多いか なども解析(モンタナ州のネイティブアメリカン居留地)
シビックテックの領域と手法
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
シビックテックが得意な分野
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
シビックテックが得意な分野• 社会の組織化• SNS による市民活動 や選挙の組織化、プロファイリングな
ど
• データの活用• ビッグデータ・オープンデータで可視化、最適化、効率化
• 民間的手法の政府導入• UI/UX の改善、リーン開発 など民間手法を非効率な政府に。
• 途上国での活躍• 先進国ではシビックテックは政府・行政の「補完・改善」だ
が、途上国では政府やメディアを「代替」することも。
関連セッション (シビックテックが得意な分野) <社会の組織化>What Kind of God Do We Want To Be? ( Jim Gilliam )
→ Nation Builder :リーダーのためのコミュニティ構築用ソフト
You Are Not a Target: What We Actually Do With Your Data ( Carol Davidsen ) → ビッグデータによる選挙キャンペーン
Building a New Operating System for Democracy ( Santiago Siri ) → ネットによる直接民主主義政党をアルゼンチンで作る
Imagining the Congress of the Future ( Rep. Cathy McMorris Rodgers ) → 政党のメディア部門を IT 化、国民とネットでコミュニケーション。 共和党は民主党にテクノロジーで遅れをとっている
関連セッション (シビックテックが得意な分野) <データの活用>Network Mapping the Ecosystem ( Marc Smith )
→ ソーシャル・グラフから社会の組織構造を分析。6つの類型: 1)polarized crowd, 2)tight crowd, 3)brand clusters, 4)
community clusters, 5) broadcast network, 6) support network
The Civic Graph: Put Yourself On The Map ( John Paul Farmer ) → ソーシャル・グラフで NPO や財団、市民リーダーなどの協力関係を 可視化。資金源や協力すべき相手を見つけることができる。
Open Data and Mass Joy ( Daniel X. O‘Neil ) → シカゴ市におけるビッグデータなどの活用。テクノロジーとデータは 市民の幸せのために。
関連セッション (シビックテックが得意な分野) The Long Struggle for Open Knowledge ( Rufus Pollock ) → 真のオープンデータとは何か。データは使える形に。活版印刷を 発明 したグーテンベルクよりも聖書を英訳したティンデールに注目。
The Public Library as Civic Hub in the Digital Age ( Dr. Anthony Marx ) → 市民社会の基盤となる知識・情報の源である「図書館」はまだ完全 に電子化されていない。図書館の電子化や情報の活用について シビックテックコミュニティに協力を呼びかけ。
関連セッション (シビックテックが得意な分野) <民間的手法の政府導入>The U.S. Digital Service: An Improbable Public Interest Startup ( Haley Van Dyck ) → healthcare.gov の失敗を受け、米国政府が外部テック専門家を起用。 民間では当たり前のリーン開発 や UI最適化導入により大幅改善。
From Alinsky to Zuckerberg: UX Rules for Radicals ( Taren Stinebrickner-Kauffman ) → 市民活動 のための UX 改善。市民活動 はテックでシリコンバレー企業 にまだまだ3~5年は遅れている。
関連セッション (シビックテックが得意な分野) <途上国における活躍>During and After Atrocity: How Kenyans Use The Web to Heal and Deal ( Nanjira Sambuli ) → ケニアで政府の弾圧に対して SNS で市民を組織化・情報提供
Collaborative News: From "Narcotweets" to Journalism-as-a-Service ( Andres Monroy-Hernandez ) → 麻薬シンジケートの前に政府もメディアも機能不全。市民が暗号を 使ったツイッターでメディアの役割を果たす。
シビックテックが苦手な分野
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
シビックテックが苦手な分野• 政治行政の実際の仕組み・力学の知見が足りない。
→ 「素人的」な議論も多い。政治の素人こそ政府に乗り込もう、直接民主主義、シビックテック特区で全て解決、など。
• 「人間的な調整」や「ソーシャルハック」を要する場面が苦手。
• 可視化や最適化などを目的とする「形式的中立」の行政系プロジェクトが多く(” Content neutral” )、政治・議会・民主主義を特定方向に動かす力となっていない。
• Tools Imperialism (ツール支配):アプリ開発 、マッピングなどに凝るばかりで、実際に政治を動かしていない。
関連セッション (シビックテックが苦手な分野) People v. City: A Love Story In Three Hacks ( Xavier Leonard )
→ サンディエゴ市当局に対する「人的ハック(ソーシャルエンジニ アリング)」の体験談
Reckoning With Power ( Eric Liu )→ シビックテックは可視化・効率化などばかりでなく、「正し
い方向 へ権力を動かす力」になれ、との訴えかけ
Can We Finally Have a Digital Democracy? ( Emma Mulqueeny ) → デジタル民主主義は可能か?ツールだけでは不十分。 人々の訴え:①政局より政策、②普通の言葉で、③一方通
行は やめろ、④理解 しないと参加できないが理解 する時間がない。
関連セッション (シビックテックが苦手な分野) Can the Internet Generation Come to Power? ( Birgitta Jonsdottir ) → アイスランドの海賊党: 財政危機下の憲法改正という一点突破 で民衆の支持を得て国会に乗り込む。「モンスター」となった政党 政治を市民の手に取り戻す試み。
Time For an “Internet Party”? ( Craig Aaron CEO of Free Press ) → ポピュリズム的なエネルギーをどうやって永続的な政治改革に 結びつけるか?「インターネット政党」はまだ早い。 少なくとも 2016 年で「インターネット政策」を主要なテーマに位置 付けるためのキャンペーンを貼ろう!
新しい技術の活用
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
新しい技術の活用
• ドローン• 商業利用もまだ開発途上 だが、シビックテックでも活用
を模索。• 市民に「対して」(当局が)監視に使うことも心配され
ている。
• ブロックチェーン• ビットコイン(貨幣的価値)だけでなく、アイデンティ
ティ、評判、その他あらゆる価値を記録して流通させることができる。• シビックテックでブロックチェーンの理解 はまだまだ浅
い。
新しい技術は商業利用もシビックテックもまだ活用方法を模索中。ただし、やはり商業利用の方がスピードは速い。
関連セッション (新しい技術の活用) Do-it-Yourself Drones for Good ( Emily Jacobi )
→ アマゾン原住民が森を守るための監視・管理に活用。
Blockchain As the Next Platform ( Brian Forde ) → ブロックチェーンの基本知識と、市民のための応用の可能性 の説明。シビックテック・コミュニティに、新たな利用方法の開発 を 呼びかける。
テクノロジーの負の側面への対応
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
テクノロジーの負の側面への対応「人間疎外」が一番大きな問題
• SNS に振り回される人間• 常によい顔。本当の自分になれない。• Attention Economy (”関心経済”)。人々の有限な時間と
関心を奪い合うネットサービス
• 監視社会: 政府や巨大ネット企業のプライバシー侵害。• 当局によるドローンや顔認識など新技術の活用
• アルゴリズム: 素人には分からない「コード」が支配する社会
• IoT : もはや自分の「モノ」すら自由に利用処分できない世界
関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応) Imagine All the Feelz ( Deanna Zandt )
→ 女子の 74 %は他の女子がネットで自分を実際より良く見せてい ると思っている。 SNS で社会は集団”うつ”に?
Constantly Distracted? Design for Time Well Spent ( Tristan Harris )→ 時間と関心を奪い続けるスマホはスロットマシーンと一緒
だ。 より有意義に時間を過ごせるためのプロダクトデザインとは?
Weapons of Math Destruction ( Cathy O‘Neil ) → 見えないアルゴリズムが人々をランク付けして社会を支配する。 勤務評定や法執行の場面で。
関連セッション (テクノロジーの負の側面への対応) Fear Fear ( Lila Tretikov )
→ 政府の監視に対抗するツールを作る。
An Internet of Things That Do As They‘re Told ( Cory Doctorow )→ IoT の世界は、家電も車も家も、すべてが「インクジェッ
トプリン ター」のようになる。 DRM (著作権管理技術 )に守られ、 純正品しか使えず、自分で修理もできない。
シビックテックを支える制度 的基盤
選挙
議会
行政
自由でオープンなネットイン
フラ
コミュニティ
市民
NPO
オープン / ビッグデータによる効率化・可視化
プレイヤー間のインターフェース改善 新しいテクノロジー
S
SN
による組織
化
民間的開発手法
活用 負の面の対応
法制度 物理インフラ
シビックテックを支える制度 的基盤
• 「自由でオープンなインターネット」を守る法制度• 市民的自由と参加の基盤として、守ってきた歴史• SOPA ・ PIPA 、 ACTA 、愛国者法、ネット中立性、 TPP との戦い
• アクセスを保証するインフラ整備• デジタルデバイドの解消• ネットへのアクセスはもはや市民の権利
関連セッション (シビックテックを支える法制度 的な
基盤) The Net as a Public Utility ( Harold Feld )
→ 通信インフラは「公共財」。通信事業へは政府の介入が必要。
The Perils and Prospects of Bringing the Next Billion Online ( Sunil Abraham )
→ Internet.org は囲い込み。途上国にも自由でオープンなネットを。
Same As The Old Boss? ( Danny O‘Brien )→ 政府監視との戦い。巨大ネット企業による監視も問題。
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