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3常に新たなカルチャーやエンタテイメントが生まれるまち

渋谷区はこれまでも文化や流行、情報の発信地として、ファッションやカワイイ文化、渋谷系音楽など独自のカルチャーを生んできました。セレクトショップ、ライブハウスやミニシアターなどが多く立地し、中心エリアの周辺には個性あるストリートが生まれ、歩行者天国なども行われ、文化・産業を盛り上げてきました。そして、それが人を惹きつけ、そしてまた多様な人が集まることでその文化やエンタテイメントは常に進化してきました。人を惹きつけ、人が集まり、交流し、刺激しあう場がある。これが渋谷区のカルチャー、エンタテイメントの原動力と言えます。 東京都の国別外国人旅行者行動特性調査では、「ナイトライフを楽しむ」という項目における満足度が低くなっています。渋谷区の人の動きや滞在状況を見ても、夕食時から人が減少、滞在時間が比較的短い、行動パターンの偏りなどが見られます。ナイトタイムエコノミーの経済効果はロンドンでは約3.7兆円、ニューヨークでは約2.1兆円となっており、ナイトタイムの活性化は経済効果や雇用拡大の可能性を秘めています。さらに、ナイト

タイムエコノミーの推進は、クリエイティブな人材やスタートアップ企業の集積にも効果があります。 2020年以降、これからも渋谷区がトレンドの聖地でありつづけるためには、各エリアの特色を踏まえながら、ファッションや音楽、そして昔から育まれてきている地域の文化を大切にして、光をあてていくとともに、渋谷区全体をカルチャー創出のフィールドととらえていくことが大切です。ナイトタイムエコノミーの推進や5Gなど新たな技術の活用、また、道路空間や公園、壁面などの活用したアートやスポーツなど、新しいカルチャーやエンタテイメントが生まれる素地となりうるハードやソフトについて積極的に検討し、そのための環境整備や人が集まり、表現できるような場を作っていくための取組みを進めていきます。 「若者のまち」というイメージが強い渋谷区ですが、各エリアにそれぞれの特性に合った文化が生まれ、根付いていく。そして、新たな人の流れが生まれ、地域が活性化し、シティプライドが育まれる。そんな街を目指していきます。

❶基本目標

これからもトレンドの聖地でありつづけるために

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1) ナイトタイムエコノミーの推進 商業系エリアや住居系エリアなど、各エリアの特性を踏まえながら、昼も夜も思い思いに自分らしく活動し楽しめるという視点で、主に下記について取り組んで行きます。□安全・安心:パープルフラッグ制度(安全性を仕組みで担保で

きているエリアの認証制度)など海外の事例なども踏まえながら地域と来街者双方に安全・安心が確保される仕組みを検討

□地域とのコミュニケーション:地域の方や商店街、事業者が対話できる仕組みづくり

□文化施設の誘導:ライブハウスや劇場、ホールなど文化施設を誘致する仕組みを検討

□PR:既存の資源を目的別に整理し発信していく取組みや、新たな資源の発掘を実施

 情報を多言語で、来街者が情報を得やすい手段で発信□交通:夜間の交通アクセスについて、ニーズを踏まえながら

国や都、事業者への働きかけを検討

2) エンタテイメント施設の増加と情報の発信・集約化 音楽・アート・ファッションなど、渋谷の文化を育んできた文化を表現する場が維持され、さらに増加し、これからも渋谷区のカルチャー・エンタテイメントを牽引していけるよう、劇場・美術館・展示場等のエンタテイメント施設の誘導を図ります。また、エンタテイメント施設を中心とした周辺エリア情報の発信や、施設間が連携し相乗効果が生まれるような情報の集約化やイベントの実施など、こうした施設を活用しながら渋谷区のエンタテイメント、そして地域を盛り上げるための検討をしていきます。

3) イベントの実施・支援 音楽・アート・ファッションなどの文化的イベントが区内各所で行われ、その産業の活性化のみならず、渋谷区らしい文化がこれからも世界に発信され、多様な人を惹きつけ、また新たな文化が生まれ、地域が活性化するよう、企業や学校、地域と連携しながら取り組んでいきます。

4) 道路空間・壁面・公園等を活用したカルチャーの創造と発信 道路は通行するためのものですが、車両の交通規制による歩行者中心の空間づくり(歩行者天国)を行うことによって、カルチャーの発信基地となる可能性も秘めています。道路空間を始め、壁面や公園などについて地域活性化や賑わい創出等の観点から、文化的活用やその他の活用を検討していきます。こうした新たなスポットが生まれることで、歩くことを楽しみながら、主要駅に集中している人を回遊させることにもつながります。-道路空間:パブリックアート・歩行者天国・歩行者空間化など-壁面:ウォールアートの研究-公園:公園の文化的活用に関する研究

5)地域に愛される拠点を来街者にも愛される拠点へと発展させていく取組み

 観光名所を創ることを目的とした観光振興だけでなく、例えば「農」や「食」など、地域の方が接しやすいテーマで公共空間を活用していくことで、地域に愛される・地元の憩いの場として機能するものが魅力を生み出し、結果として多様な人々を惹きつけ、地域が活性化していく仕組みを検討します。

6) 新たな技術の活用 5Gやプロジェクションマッピングなど、現在様々な技術が進化しています。こうした技術の進化は、エンタテイメントや新たな観光資源につながる可能性を秘めています。規制なども踏まえながら積極的に実証実験や、その技術を活用した渋谷区らしい観光資源の開発に取り組んでいきます。

❷具体的施策

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 渋谷区には国内外から多くの観光客が訪れますが、忠犬ハチ公像やスクランブル交差点などで写真撮影して区外へ移動してしまったり、訪れるエリアに偏りがあったりと、その賑わいが必ずしも区全体の経済効果に結び付いていないという課題があります。渋谷区が今後、世界有数の成熟した国際都市となっていくためには、観光都市としての成熟していくことが求められ、そのためには、拠点となる大きな資源、そしてそこに体験型の産業や観光の拠点を誘致していくことが必要です。 その新たな拠点を、渋谷区の中央に位置する代々木公園に誘致していくことを検討していきます。代々木公園は、周辺駅からのアクセスもよく、緑が溢れ、人々の憩いの場となっている渋谷区の最も魅力的な資源の1つです。代々木公園をさらに文化的そして多機能に活用していくことにより、渋谷区の中心に一層多様な人が集まり、周辺エリアへの新たな人の流れが生まれます。こうした渋谷区の中心部への新たな人の流れは、周辺のエリア

360度に新たなカルチャーや産業、そして経済効果の波及、オーバーツーリズムに対する人の分散も期待されます。 カルチャー・エンタテイメントの拠点機能としては、音楽やアートイベント、EXPO、そしてスポーツ等ができるスタジアムや、夜でも安心して運動ができる場としていくことを検討していきます。代々木公園を都心のシティパークとして、機能を拡充していくことは、渋谷区のみならず東京の魅力向上に繋がります。 検討にあたっては、現在の「緑あふれる人々の憩いの場」という既存の良さを踏まえながら、「周辺エリアとの調和」・「災害時の受入れ機能」・「来街者の分散」など現状の課題解決にもしっかりとつなげていくことが大切です。 「新たなシンボル」の誕生が、渋谷区全体のカルチャーや産業を盛り上げ、住んでいる人、働いている人、遊びにきた人、それぞれにシティプライドが育まれる。そしてまた多様な人や企業を惹きつける。そんな成熟した観光都市を目指していきます。

❶基本目標

観光都市として成熟していくために

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□カルチャー・エンタテイメント・スポーツの拠点 民間活力を活用してスマート・ベニュー(多機能複合型交流施

設)としてのスタジアム・アリーナを公園内に整備し、カルチャー・エンタテイメント・スポーツの拠点としていくことを検討していきます。また、整備にあたっては民間活力の活用を検討していきます。

□防災拠点 災害時の避難収容や防災倉庫機能、また平時の本格的な訓練

にも活用していくなど、防災拠点としての機能についても検討していきます。

□誰でも、体を動かせる場 周辺を含め、 誰でも昼夜を問わず安心して体を動かせる場の

整備を検討していきます。スポーツや関連産業など新たな産業創出にもつなげていきます。

□周辺商業エリアへの経済波及効果 エンタテイメントやスポーツを楽しんだ後、そのまま駅から帰

るのではなく、周辺のエリアへの回遊が生まれるよう、渋谷区の多彩な魅力や回遊ルートを発信していくとともに、回遊を楽しめるような個性的なお店やカルチャーやスポーツ等と関連した産業の誘致など行い、新たな人の流れを生みだす取組みを進めます。そして、その新たな人の流れを商店街の活性化やストリートの魅力向上、新たなカルチャーの創造につなげていきます。

❷具体的施策代々木公園の文化的・多機能的活用

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4だれもが快適かつ安全・安心に滞在を楽しめ、 賑わいが活力につながるまち

 渋谷区には、国内外から多くの来街者が訪れており、賑わいにあふれています。そして、オリンピック・パラリンピックの開催を契機として今後、さらに多くの来街者が見込まれますが、渋谷区がこれからも訪れたい・働きたい・住みたいまちであるためには、安全・安心の確保にしっかりと取り組んでいくことが重要です。来街者の増加は街の賑わいを創出しますが、区民生活や商店街の景観・治安にも影響を及ぼすマナー違反防止への取組み、オーバーツーリズム対策や災害発生時の対応、また受入れ環境として、言語対応やユニバーサルツーリズム(用語解説p.45)への対応など課題があります。 来街者の行動を見てみると比較的短時間の滞在であったり、夕食時から減少する人の動き、訪問エリアや行動パターンの偏りなどがあり、宿泊業・飲食サービス業の消費額も近隣区と比

べると低い状況です。観光客の来訪を地域の経済効果につなげるには、観光資源の発掘や、個性的で魅力的だが、あまり知られていないローカル情報など情報発信の強化、そして主要駅周辺のエリアとの近隣エリアとの接続の強化に取り組んでいく必要があります。 国籍、年代、ジェンダー、障がいの有無にかかわらず、多様な人々が多彩な渋谷区の魅力に触れ、街歩きやショッピング、食事を楽しみ、訪れたひとが渋谷のファンとなり情報を発信することで、さらに多くの来街者が訪れる。そして街や商店がさらに活性化する。そのために積極的に都市データを収集し、データドリブン(データを生かして判断および行動すること)な産業都市とすることで、こうした好循環を目指していきます。

❶基本目標

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1) 来街者へのマナー啓発 街の安全・安心を守るため、来街者にゴミや喫煙、飲酒、騒音などマナーを守って渋谷区に滞在してもらえるよう、滞在マナーについて多言語かつ様々な場所で情報を発信していきます。

2) オーバーツーリズム対策ハロウィーンやカウントダウンなど、短時間に局所的な来街者

の集中する場合に、人の安全そして地域の安全を守るため、警察など関係機関と連携しながら、必要な情報の発信や人の分散など対策について検討していきます。 また平常時においても、一部エリアに人が集中している状況もあることから、マナー啓発や、周辺エリアのPRやブランディングを行うなど、回遊性を高める取組みをしていきます。

3) 災害等緊急時の対策 帰宅困難者受入施設の拡充や災害時のリスクを最小限にする備えを強化・推進します。また、災害時に必要な情報の多言語化に取り組みます。

4) 観光情報発信の強化 一般的な観光情報だけでなく、ローカルな渋谷区の魅力の発信や地域のイベント情報などを発信していきます。また、その情報発信を強化し、知りたい情報を気軽に得られるように、多言語対応やデジタル技術を活用した取組みも進めていきます。また、ナイトタイムエコノミーを盛り上げるための夜間の観光案内についても検討していきます。

5) 周遊性の向上 主要駅周辺と近隣エリアの接続を強化するために、お店や文化スポットなどを巡りながら歩きたくなるようなストリートの整備、観光ルートの開発やガイドツアーを行うとともに、近隣の沿線など広域に情報を発信し、流入を促進していきます。 また、新たな技術を活用したモビリティの検討など、誰もが移動しやすく、周遊性が向上する取組みを検討していきます。

6) 観光案内所の連携促進 区内では様々な主体が特徴ある観光案内所を運営していますが、観光情報を必要とする方に、案内所の場所のPRや、より充実した情報を提供できるよう、観光案内所間のネットワークを構築し、相互に連携しながら情報発信を強化し、来街者の利便性の向上を図っていきます。また、デジタル技術を活用した無人観光案内所の検討も進めていきます。

7) インバウンド対応の支援 無料Wi-Fiについては、使用できる場所や使用方法などの情報発信に取り組むとともに、運用における民間事業者との連携や通信技術進歩への対応等、来街者の利便性向上のため検討していきます。

8) 宿泊施設増への対応 渋谷区での滞在時間を延ばし、区内消費の増加につなげていくため、宿泊施設数の増加に取り組みます。また、民泊については、利用者のマナー啓発に努めるとともに、宿泊者がホストや地域住民と交流し、地域の魅力に触れ、地域の活性化に繋がっている事例の紹介などに取り組んでいきます。

9) ユニバーサルツーリズムへの取組み すべての人が渋谷区での滞在を安心して楽しめるよう、ハード・ソフト両面の環境整備を推進します。特に、観光スポットや施設のバリアフリー対応状況の紹介と、そこへ行くまでの安心して移動できるルートを紹介するバリアフリーマップの策定に取り組みます。

10) ボランティアの仕組みづくり 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に伴い、来街者へのおもてなし活動を行う「渋谷区独自ボランティア制度」が、大会後もレガシーとして残るよう、観光だけではなく、スポーツ振興や福祉活動など様々な面でボランティアとして活動を継続していくための仕組を検討していきます。

❷具体的施策

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