実はできているwebアクセシビリティ 007

Post on 16-Jan-2017

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実はできている!?Webアクセシビリティ

注意事項

会場は禁煙です。喫煙所が地下一階にありますのでご利用ください。

ハッシュタグは#a11ybooks となります。

イベントの模様は自由に撮影いただき、ブログやSNS等で拡散いただいて構いません(むしろお願いします)。主催者も、公式Facebookページ用に写真撮影をいたします(ご了承ください)

スライドの公開は主催者よりSNSなどでご案内します。

2

本日の流れ

自己紹介

アクセシビリティとは?

アクセシビリティだと思っていたが……?

気づかないうちにアクセシビリティを確保していた!

3

自己紹介

4

BA

5

ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)

6

デザイニングWebアクセシビリティ

7

アクセシビリティとは?

アクセシビリティとは

さまざまな利用者がさまざまな環境でアクセス可能であること 情報を認識して理解できる

さまざまな選択肢が提供されている

自分に合った形で利用できる

9

さまざまな環境

10

ビジュアルブラウザ (Firefox)

11

テキストブラウザ (w3m)

12

ダウンローダー (SiteSucker)

13

クローラー (Googlebot)

14

ハイコントラストモード

15

ハイコントラストモード

16

拡大ツール (Windows拡大鏡)

17

スクリーンリーダー (NVDA)

18

スクリーンリーダー (VoiceOver)

19

代替マウス

20

点字ディスプレイ

21

視線入力装置

22

アクセシビリティだと思っていたが……?

アクセシビリティに配慮

と言われたとき、何を思い浮かべますか?

アクセシビリティに配慮したサイトとは?

24

福島県大野城市

25

福島県大野城市

26

文字サイズ変更ボタン・色反転ボタン

27

東京都西東京市

28

東京都西東京市

29

「本文へ」リンク

30

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

31

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会

32

カルーセル停止 / 再生ボタン

33

どう思われますか?

34

大変そう?

コストがかかりそう?

デザインに大きな影響が出そう?

でもやらなきゃ駄目?

35

JISの文字サイズ変更の要件

1.4.4 テキストのサイズ変更の達成基準

キャプション及び文字画像を除き,テキストは,コンテンツ又は機能を損なうことなく,支援技術なしで200 %までサイズ変更できる(レベル AA)。

36

実際にはどうか?

37

サイズ: 小

38

サイズ: 中

39

サイズ: 大

40

文字サイズ変更機能の現実

中を100%としたとき、大は約133%

「大」を複数回押しても大きくならない

拡大される要素はテキストのみ ナビゲーションや見出しの文字は大きくならない

41

熊本県の例

42

熊本県の例

43

ところで……

44

総務省 みんなの公共サイト運用ガイドライン

45

2.1.4. ウェブアクセシビリティ対応に関する誤解

46

2.1.4. ウェブアクセシビリティ対応に関する誤解

注意点!

ホームページ等において、音声読み上げ、文字拡大、文字色変更等の支援機能を提供する事例がありますが、これだけでは、ウェブアクセシビリティに対応しているとは言えません。

47

Webアクセシビリティの確保は特別なことではない。障害者差別解消法の施行で考えるべき企業サイトの品質

48

植木さんのコメント

49

文字サイズ変更ボタンや音声読み上げ機能は

必要なのか?

よくある質問

50

JISに準拠していれば、どちらもいらない

植木さんの回答

51

植木さんのコメント続き

実際に試すと、ほとんど文字の大きさが変わらない文字サイズ変更ボタンが少なくない

最近のWebブラウザであればズーム機能を標準で搭載している

意味のない文字サイズ変更ボタンはやっている感を出すための免罪符に近い

52

基準を満たす方法の例

53

ブラウザのズーム機能を利用する

ブラウザの機能で文字サイズを変えられるようにする

文字サイズ変更ボタンをつける

文字サイズを変えても重なったりはみ出したりしないようにする

54

JISの文字サイズ変更の要件

1.4.4 テキストのサイズ変更の達成基準

キャプション及び文字画像を除き,テキストは,コンテンツ又は機能を損なうことなく,支援技術なしで200 %までサイズ変更できる(レベル AA)。

55

これは何?

JIS X 8341-3:2016 解説

『JIS X 8341-3:2016』は、高齢者や障害のある人を含む全ての利用者が、使用している端末、ウェブブラウザ、支援技術などに関係なく、ウェブコンテンツを利用することができるようにすることを目的としている。そのためにウェブコンテンツが満たすべきアクセシビリティの品質基準として、レベルA、レベルAA、レベルAAAという3つのレベルの達成基準が定められている。

http://waic.jp/docs/jis2016/understanding/201604/

56

3つのレベル

レベル A : 支援技術を駆使すればアクセスできる

レベル AA : 支援技術がなくても多くの環境でアクセスできる

レベル AAA : 支援技術がなくても多くの環境でアクセスしやすい

発展的なもの、達成が難しいものを含む

57

文字サイズの変更はレベル「AA」

支援技術を使えば、以下のようなことが可能 サイト側の文字サイズの指定を無視して

ユーザーが好みのサイズに変更

テキストを音声で読み上げる

58

ここまでのまとめ

59

ここまでのまとめ

文字サイズ変更などの機能は目立つが、あまり役に立っていないこともある

文字サイズが変更できることは大切だが文字サイズ変更ボタンでなくてもよい

文字サイズ変更はレベルAAの達成基準

60

文字サイズ変更ボタンはなくてもいい!

もっと大切なことがある!

ひとことで言うと?

61

気づかないうちにアクセシビリティを確保していた!

アクセシビリティとは(おさらい)

さまざまな利用者がアクセス可能であること 情報を認識して理解できる

さまざまな選択肢が提供されている

自分に合った形で利用できる

63

2.1.4. ウェブアクセシビリティ対応に関する誤解

注意点!

ホームページ等において、音声読み上げ、文字拡大、文字色変更等の支援機能を提供する事例がありますが、これだけでは、ウェブアクセシビリティに対応しているとは言えません。

64

みんなの公共サイト運用ガイドライン (続き)

利用者は、多くの場合、音声読み上げソフトや文字拡大ソフトなど、自分がホームページ等を利用するために必要な支援機能を、自身のパソコン等にインストールし必要な設定を行った上で、その支援機能を活用して様々なホームページ等にアクセスしています。

65

ブラウザや支援技術でアクセスできることが

重要

つまり

66

重要なのは「マシンリーダビリティ」

アクセスできる! テキストが明確

ちゃんとマークアップされている

アクセスできない! テキストが存在しない、あいまい

ちゃんとマークアップされてない

67

実は大切なこと

1. ページタイトルをきちんとつける

2. 階層構造に沿った見出しをつける

3. 見た目に頼り切らない

4. 画像に頼り切らない

5. キーボードだけで操作できる

68

ページタイトルをきちんとつける

69

ページタイトルは重要な手がかり

ブラウザのタブ名

ブックマークのタイトル

表示履歴のタイトル

サーチエンジンやサイト内検索結果

外部からのリンク

70

OK: 内容が連想できるタイトルをつける

71

OK: ツールを使ってタイトルを確認する

72

OK: ツールを使ってタイトルを確認する

73

NG: ページタイトルがない

74

NG: 他のページと区別できないタイトル

75

NG: 長すぎて肝心な部分が切られてしまう

76

階層構造に沿った見出しをつける

77

ユーザーは見出しに注目している

78

OK: レベルに沿った具体的な見出しをつける

79

OK: 同レベルの見出しを異なる見た目にする

80

OK: 見出しを見出しとしてマークアップ

81

NG: 見出しがない

82

NG: 見出しから内容を推測できない

83

NG: 見出しの階層が不適切

84

NG: 見出しがマークアップされていない

85

見た目に頼り切らない

86

視覚デザインは、見えないと伝わらない

配置

形・大きさ

文字の装飾

87

OK: 色だけでなくラベルに変化をつける

88

OK: 色分けした要素にラベルを併記

89

OK: 見た目の特徴だけでなくラベルで指示

90

NG: 色に頼った表現

91

NG: 色に頼った表現

92

NG: 配置に頼った表現

93

画像に頼り切らない

94

画像は利用できないことがある

画像が利用できない状況 画像が読み込めない

画像を表示できないブラウザを使っている

スクリーンリーダーを使っている

95

OK: 本文やキャプションで説明する

96

NG: 画像だけで情報が提供されている

97

代替テキストとは?

画像の代替となるテキスト 画像が表示できないとき、代わりに使われる

HTMLでは img 要素の alt 属性で指定

例: <img src=”foo.png” alt=”代替テキスト” />

98

文脈に沿った代替テキストとは

画像の「補足や説明」ではなく「代わり」 画像だけに着目すると失敗しやすい

前後の文や、ページのテーマを含めて考える

「alt属性値」が必ず必要なわけではない 必須なのは「alt属性」

本文がきちんとしていれば「カラ(alt=“”) 」「写真」「図」などが最適なケースも多い

99

OK: 装飾画像の代替テキストは空にする

100

OK: キャプションつきの写真に適切な代替を

101

NG: 装飾画像に説明文が指定されている

102

NG: 代替テキストとキャプションがかぶっている

103

NG: 画像の代替テキストが不適切

104

背景画像は伝わらないことがある

HTMLのimg要素は「内容」 代替テキストが設定できる

スクリーンリーダーやクローラーにも伝わる

CSSの背景画像は「装飾」 ハイコントラストモードや印刷プレビューで消える

スクリーンリーダーやクローラーには伝わらない

105

OK: 意味のある画像は前景に置く

106

OK: 代替テキストが必要な画像は前景に置く

107

NG: 意味を持つ画像を背景画像として実装

108

NG: ロゴやナビゲーションを画像置換で実装

109

Web Developer によるチェック

110

キーボードだけで操作できる

111

さまざまな入力

マウス、トラックパッド、トラックボール、マウスキー、代替マウス、タッチデバイス、キーボード、ソフトウェアキーボード、走査スイッチ、視線入力、音声操作、点字キーボード… …

112

OK: キーボードでも操作可能にする

113

OK: キーボードでも操作可能にする

114

OK: 切り替えボタンを明示する

115

OK: フォーカス表示をブラウザ標準にまかせる

116

NG: マウスクリックでしか操作できない

117

NG: マウスオーバーでしか操作できない

118

NG: スワイプでしか操作できない

119

NG: フォーカス表示が見えない

120

まとめ

文字サイズ変更ボタンはなくてもいい!

さらにもっと大切なことがある!

もう一度

122

重要なのは「マシンリーダビリティ」

アクセスできる! テキストが明確

ちゃんとマークアップされている

アクセスできない! テキストが存在しない、あいまい

ちゃんとマークアップされてない

123

取り組むための重要なポイント

実は特別なことではない 何かを新たに付け足すのではなく、

当たり前のことを真っ当にやることが重要

実は「設計」が重要 テキストが存在しなければマークアップできない

テキストが適切でなければマークアップしてもわかりにくいまま

124

つまり…

実は「戦略」「要件」が重要 何のために、何を、どこまでやるのか?

最初から考えないと、あとで大変になる

どのプロセスにもアクセシビリティのポイントがある Webに関わる全ての人に関係がある

Webに関わるどんな人にもできることがある

125

さあ、はじめよう!

126

デザイニングWebアクセシビリティ

127

ありがとうございました次回をご期待ください!!

128

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