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Page 1: Annual Report 2014 - SQUAREplaza.umin.ac.jp/kyorinSU/images/2014.pdfKyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014 3 2014年9月1日付けで、杏林大学医学部脳卒中医学教室の教授職を拝命
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Annual Report 2014

Kyorin University Hospital

Stroke Center

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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杏林大学で2006年5月に医学部付属病院脳卒中センターが稼動してから8年半が経過しました。

2014 年(平成 26 年)の年報作成にあたり、皆様方の本センターに対する日頃のあたたかいご支援

に感謝申し上げますとともに、本年も従来と変わらぬご指導をお願い申し上げます。

一大エポックとして 2014 年 9 月、大分大学神経内科から平野照之先生が着任され脳卒中医学教

室が開講いたしました。まずは松田博青理事長はじめ学園、大学ご関係者の方々にはこの場をお借

りして厚く御礼申し上げますとともに、本邦で二番目の脳卒中に特化した講座開設を関連領域の

方々にお知らせし、さらなるご支援・ご指導をお願いするところでございます。病院の中央組織と

して開設 8年を経た脳卒中センターには年間 500 名を越える入院症例があり、時代・地域の医療ニ

ーズにある程度は応えた診療活動が行われてまいりました。しかしながら、これは責任者を担当し

ております私の不徳の致すところでございますが、構造的課題として十分な情報発信が行えておら

ず、また次世代の脳卒中医育成に結果として答えられていないことが明らかとなってまいりました。

そのため、かねてより学園内外の多くの方々にご相談申し上げ、漸く今般の開講の運びとなりまし

た。

杏林大学脳卒中センターの昨年一年間の活動内容がこの年報に凝集されております。従来より、

杏林大学付属病院ではすべての脳卒中に発症直後より迅速かつ非選択的に対応できる体制が関係

各位のご支援のもと実態として継続・稼動しています。施設基準を満たす SCU(9 床)を伴う脳卒

中センターは連日ほぼ満床状態が続いており、運営面では全職種が揃って行われる毎朝のカンファ

ランスや、看護・リハビリカンファランス、手術・血管内治療例に関する脳神経外科との合同カン

ファランスなど、杏林大学脳卒中センターの「型」はできあがった観がありました。ここに平野教

授のもと脳卒中医学教室が開講され本センターに参画されたことにより、未だ日は浅いもののより

精緻な診断と 新 善の内科的治療の導入が加わり、既に脳卒中の外科治療や脳血管内治療へも大

きなインパクトを与えております。私どもに求められている包括的脳卒中センターの確立に向けて、

当事者ながら大きな一歩を踏み出した高揚感を覚える昨今でもあります。

今後の杏林大学脳卒中センターは、脳卒中医学教室を中心に関係診療科の垣根を越えた診療、教

育、学術活動が行われていかねばならず、来年はさらなる飛躍の年と認識しております。引き続き

杏林大学脳卒中センターをよろしくお願い申し上げます。

2015 年 2 月記

巻頭挨拶

脳卒中センター センター長

脳神経外科教室 主任教授 塩川芳昭

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2014 年 9 月 1 日付けで、杏林大学医学部脳卒中医学教室の教授職を拝命

しました。身に余る重責ですが、専心努力する所存です。どうぞ宜しくお

願いいたします。脳卒中に特化した講座の設立は本邦で二番目であり、松

田博青理事長はじめ学園、大学ご関係の皆様には、この場をお借りして厚

く御礼申し上げます。

私は昭和 37 年に熊本県宇土市に生まれ、県立熊本高校から熊本大学医学部へ進学しました。卒

業(昭和 63 年)後は熊本大学第一内科に入局し、内科全般の研修の中で「脳卒中を専門とする神

経内科医(Stroke Neurologist)」の道に進むことを決意しました。その後、国立循環器病センタ

ー(山口武典部長)やメルボルン大学 National Stroke Research Institute(Donnan GA 教授)で

の研鑽を経て、熊本大学、大分大学では、脳梗塞急性期の CT/MRI 診断、rt-PA 静注療法、再発予防

のための抗血栓療法、遺伝性脳卒中などをテーマとして臨床研究に従事しておりました。

これまで杏林大学脳卒中センターには、年間 500 例を超える入院実績があり、診療科の垣根を超

えたチーム医療体制やその診療成績は、遠く離れた九州にも伝わってきていました。そのような中、

開設された脳卒中医学教室には、脳卒中センターの国際基準での運営、若手脳卒中専門医の育成、

国内外への情報発信、という壮大な使命が課せられています。日々の新患回診、全職種合同の朝カ

ンファランス、看護・リハビリカンファランス、事例検討(急性期血行再建における問題点抽出)

などを通じ、一例一例におけるプロセスを検証し、理想の脳卒中センターを目指して仲間とともに

頑張っています。

高齢化社会を迎え疾病構造は大きく変容しています。杏林大学の位置する北多摩南部医療圏では

2035 年頃まで 65 歳以上人口が増加すると予測されています。日本の国民病と言われる脳卒中は、

いまだに死亡・要介護状態の主因であり、高齢者に多いことは言うまでもありません。Stroke Unit

における急性期リハの実践、rt-PA 適応時間延長(発症後 4.5 時間まで)、ステント型血栓回収デバ

イスの導入と有効性実証(MR CLEAN)、Non-vitamin K antagonist Oral Anti-Coagulant(NOAC)

の普及など、脳卒中を取り巻く環境はこの数年で大きく様変わりし、確実に進歩しています。我々

も国際的な視野と長期的なビジョンを持って、脳卒中センターにおける医療の質を向上させていき

たいと考えています。ご支援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

2014 年 12 月記

着任挨拶

脳卒中センター 副センター長

脳卒中医学教室 教授 平野照之

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毎年のことでありますが、まずは、脳卒中センターに関わりこれを支えておられる全ての方々の

日々の御努力に敬意を表したいと思います。

本年度は神経内科としては人事的には、後期レジデント1年目のフレッシュパーソンの新入局は

迎えられませんでしたが、3年目として中島先生が新たに加わり、大いに力を得ました。脳卒中セ

ンターには年度の後半からローテーションとなっていますが、既に出来ている内科的管理の基礎の

上に、臨床神経学の重要分野である脳卒中診療の「伸びしろ」も大きいと思います。

さて、本年度の脳卒中センターの内科系の動きとして、大きな出来事は、年度の途中ではありま

すが平野先生においていただき、脳卒中医学講座が開設されたことがあります。これまでの御経

歴・診療能力ともに、脳卒中内科診療の中心となるにふさわしい正当性のある方と思います。また、

約 9年前に脳卒中センターという事業が立ち上がりましたが、事業を立ち上げる上で も重要な要

素である「人」について、継続可能な見通しが示されたものと思います。これにつきましては、学

園の御理解と、また招聘にあっては塩川センター長の一方ならぬ御尽力に、感謝申し上げるもので

す。

脳卒中医学講座の成立により、本学における神経内科の診療・教育・研究に関しては、脳血管障

害とそれ以外の神経内科疾患に分かれて進むこととなります。このことは診療・研究においてはよ

り効率的なものとなると期待されますが、教育面では調整・工夫が必要となると思います。特に本

学は医育機関として、神経内科医を育成して社会に送り出してゆく使命を持っています。神経内科

医にとって、脳血管障害は重要分野であり、その基本的な診療能力は必須であり、また脳機能、特

に脳の機能局在の理解のために重要なトレーニングとなるものです。他方、脳血管障害は、疾患カ

テゴリーの観点からは、広大な神経内科疾患の中の 1 つのであり、その診療も神経内科全般の基本

的診療能力を基に成り立つものです。神経内科専門医として将来独り立ちしたときに、脳卒中を見

られないようでは困りますし、また一方で、頭部画像診断で急性病変の所見がなかったときそこで

診断的思考が停止してしまうようでは困ります。今後、平野先生の教室と我々の教室が協力して、

本学における神経疾患の内科系診療・教育・研究を、より一層充実できればと考えております。

これからも、宜しくお願いいたします。

2015 年 1 月記

脳卒中センターに寄せて

脳卒中センター 副センター長

神経内科学教室 教授 千葉厚郎

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平成 26年は杏林大学病院脳卒中センターにとって記念すべき年になり

ました。日本で2番目の講座とのことですが、本学医学部に脳卒中医学

教室が創設され、平野照之先生が教授として来てくださったことです。

それはセンター長の塩川芳昭教授の悲願でもありますが、センターがで

きて9年目を迎え、脳卒中医学・医療の学術面での大きな前進です。新

しい風を感じるとともに、センターのますますの発展が期待されます。

さて、本年報では脳卒中リハビリの話題として BMI(brain-machine interface)と呼ばれる技術

を紹介したいと思います。サルでは昔から実証されていたことのようですが、脳波を使ってロボッ

トアームを動かしてエサを取って口に運ぶという話です。サルの大脳皮質に剣山のような針電極を

刺して、運動野の活動を導出して、その活動の組み合わせでロボットアームのモーターを制御でき

るように学習させます。サルは目の前のエサをアームで取って口に運ぼうとするわけですが、 初

のうちはアームの動きはでたらめでうまくいきません。しかし何度も繰り返しているうちにエサを

口に運べるようになります。運動学習によって脳波を操って正しくモーターを制御できるようにな

るわけです。手足がなくても脳が直接、ロボットの手足を動かすという意味では、サイボーグの世

界といえるかもしれません。大脳皮質に剣山のような針電極を刺すというのはヒトでは非現実的で

すが、頭皮上から脳波をとるなら問題ありません。7-8年前のことですが、リハビリ関係の研究

会で通常の頭皮上脳波を拾って、その脳波で PC 画面上の人形を動かすというゲームを見ました。

原理はともあれ、頭皮上脳波でも単純なことならできるのです。

その延長線上にあるのが、脳波で制御して麻痺した手足の筋を電気刺激して動かすという話につ

ながるのです。でもそれでは「麻痺の回復にはつながらないでしょう、筋を電気刺激して動かして

も麻痺を治しているわけではないから」と考えるのは当然です。ところが、そうやって電気で手足

を動かしているうちに麻痺は多少なりとも改善するというのが 近のリハビリの話題なのです。丁

度 10 年前ですが、慢性期の脳卒中片麻痺を対象としたアメリカの多施設共同研究で、麻痺手でも

動かす努力を続ければ麻痺は改善することが示されました。健側の上肢を三角巾で固定して麻痺手

の日常使用を促す方法で CI 療法(constraint-induced movement therapy)と呼ばれます。メカニ

ズムは、動かそうとするドライブと動いたという結果が高頻度に起こると Hebb のシナプス結合則

と言いますが、ドライブとその結果が容易に結びつくように中枢神経に機能的再構築が起こること

によると説明されています。そして CI 療法と同様なメカニズムが BMI による片麻痺リハビリにも

働くかもしれないということです。CI 療法ではある程度、動かせる麻痺が対象なのですが、BMI で

は全く動かない麻痺手が対象となる点で大きく違うわけです。

CI 療法も BMI も、その過程は地道で時間もかかり、何といっても患者さんには負担も大きく、急

性期に行うリハビリとは思えませんでした。しかし、急性期こそ中枢神経の可塑性は高く、検討の

余地のある療法ともいえます。従来、非麻痺側、つまり健側の手足で身の回りのことを少しでも多

くできるようにするのが急性期リハビリの務めと考えられてきました。一方、廃用症候群予防も急

性期リハビリの主眼です。 近、廃用症候群という言葉が拡大解釈して使われていますが、脳が廃

用症候群に陥ってしまわないように、急性期から麻痺肢を刺激すること、そして麻痺肢を使う努力

をしましょうということは啓蒙すべきかもしれません。

2015 年 1 月記

年報によせて

脳卒中センター 副センター長

リハビリテーション医学教室 教授 岡島康友

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2014 年は診療報酬の改定や病床機能報告制度、地域包括ケアシステム等医療を取り巻く環境が大

きく変化していく中、当院、当センターの役割を果たすために今後どのような戦略を持って取り組

んでいかなければならないかを考える 1年となりました。

その中でも、平野教授が着任され脳卒中医学教室が設立されたことは、当センターにとっての大

きな変革であったと思います。また、脳卒中診療、環境に対して塩川センター長からは『医師だけ

でなくコメディカルも巻き込んで世界標準にたどり着けるようにしたい。また脳卒中診療はいろい

ろな意味で open door policy が必要であり、開設当初のモットーでもあった「断らない、笑顔を

忘れない」を引き続き貫徹したい』とのお話を頂きました。

「世界」・・・正直現実味がありませんでしたが、素晴らしい先生方や看護スタッフ、専従リハ

ビリスタッフ、MSW、薬剤師、栄養士等の強力なチームを結成できる恵まれた環境であることを改

めて実感し、看護部門としても脳卒中診療の進歩に合わせて積極的に質の高い看護を発展させてい

くことが世界標準に近づける一歩だと考えます。しかし、現状ではまだまだ世界は遠く課題は山積

みですが、一歩ずつ成長していきたいと思います。

学術活動では今年度、初めての試みとして 7月にクリティカルケア看護公開講座脳卒中編「脳卒

中看護セミナー」を開催し、院内外から約 100 名の方にご参加頂きました。また、2015 年 1 月に開

催される第 20 回日本脳神経外科救急学会(会長:塩川センター長)でも開催する機会を頂き、院

外へ情報を発信する重大な役割を担うという責務を感じておりますが、と同時に光栄なことと感じ

ております。ご協力頂きました脳神経外科の先生方、秘書さんありがとうございました。

後になりましたが、2014 年も当センターが滞りなく運営できたのも関係者の方々のご尽力の賜

物と心から感謝申し上げます。この場をお借り致しましてお礼申し上げます。ありがとうございま

した。これからもよろしくお願いいたします。

2015 年 1 月記

脳卒中センター 師長挨拶

脳卒中センター

看護師長 阿部光世

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項目 執筆者 Page

■巻頭挨拶 センター長

脳神経外科教室 教授 塩川芳昭 2

■着任挨拶 副センター長

脳卒中医学教室 教授 平野照之 3

■2014 年度年報に寄せて 副センター長

神経内科学教室 教授 千葉厚郎 4

■2014 年度年報に寄せて 副センター長

リハビリテーション医学教室 教授 岡島康友 5

■看護師長挨拶 病棟師長 阿部光世 6

■■■CONTENTS1■■

■人事往来 外来医長 傳法倫久 9

■週間スケジュール 病棟医長 鳥居正剛 12

■病棟年間行事 勉強会 病棟看護副師長 鈴木亜希子 13

■外来診療実績 外来医長 傳法倫久 14

■入院診療実績 病棟医長 鳥居正剛 16

■急性期血行再建(t-PA) 病棟指導医 岡野晴子 18

■外科治療実績 病棟指導医 佐藤研隆 19

■血管内治療実績 病棟指導医 笹森寛生 20

■脳血管撮影実績 病棟指導医 笹森寛生 21

■頚動脈超音波検査実績 病棟医長 鳥居正剛 22

■リハビリテーション治療実績 副病棟医長 山田 深 23

■接触嚥下機能療法実績 言語療法士 林 良幸 24

■医療福祉相談室 活動報告 ソーシャルワーカー 小林夏紀 25

■認定看護師活動報告 主任看護師 蛯沢志織 26

■STROKE2014 に参加して 神経内科後期レジデント 綾野水樹 28

■STROKE2014 に参加して 病棟看護師 遠藤晋哉 29

■クリティカルケア看護公開講座 認定看護師 原田亜由美 30

■World Stroke Congress 2014 に参加して 診療科長 平野照之 31

■関東 Stroke Team カンファレンス 2014 外来医長 傳法倫久 34

■学術活動一覧 36

目 次

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医師

2014.1.1 - 2014.12.31 所属スタッフ

塩川芳昭(脳神経外科 教授):センター長

岡島康友(リハビリテーション科 教授):副センター長

千葉厚郎(神経内科 臨床教授 ⇒ 2014.10.1~ 教授):副センター長

傳法倫久(神経内科 講師):外来医長・チーム指導医

山田深(リハビリテーション科 講師):副病棟医長

岡野晴子(神経内科 任期助教):チーム指導医

鳥居正剛(脳神経外科 任期助教):チーム指導医 2014.1.1 – 3.31

⇒病棟医長・チーム指導医 2014.4.1~2014.11.30 ⇒病棟医長業務専任 2014.12.1~

佐藤研隆(脳神経外科 医員):チーム指導医

正木瑤子(リハビリテーション科 Senior Resident (以下 S.R.))

仁科彩子(リハビリテーション科 S.R.)

異動転入スタッフ(2014.12.31 現在所属スタッフ)

平野照之(脳卒中科 教授):副センター長 9.1~

笹森寛生(脳神経外科 医員):鳥居チーム 4.1~2014.11.30 ⇒ チーム指導医 12.1~

田中雅貴(神経内科 S.R.):傳法チーム 6.16~

中島昌典(神経内科 S.R.):岡野チーム 10.1~

岡田啓(脳神経外科 S.R.):笹森チーム 12.1~

栗田瑛里子(神経内科 S.R.):傳法チーム 4.1~5.11 , 9.1~

久米賢(脳神経外科 S.R.):佐藤チーム 10.1~

異動スタッフ (2014.12.31 現在 不在スタッフ)

2014.1.1~ 3.31

脊山英徳(脳神経外科任期助教):病棟医長 山田智美(神経内科 医員 ):傳法チーム

木戸直樹(神経内科 S.R.):岡野チーム 島田大輔(脳神経外科 S.R. ):鳥居チーム

綾野水樹(神経内科 S.R.) :傳法チーム 2014.1.1~10.31

阿部泰明(脳神経外科 S.R.):鳥居チーム 2014.4.1~4.30 , 6.1~7.31

末松慎也(脳神経外科 S.R.):佐藤チーム 2014.1.1~4.30

永井健太郎(神経内科 S.R.):岡野チーム 2014.4.1~9.30

今井大也(脳神経外科 S.R.):鳥居チーム 2014.5.1~5.31 ⇒ 佐藤チーム 2014.6.1~9.30

川井田善太郎(脳神経外科 S.R.):鳥居チーム 2014.8.1~11.30

人事往来

外来医長 傳法倫久

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防衛医科大学第三内科(抗加齢血管内科・神経内科)

粂田健一:傳法チーム 2014.2.3~3.30

初期研修医(レジデント 2年目)

羽田裕:傳法チーム 2014.1.6~2.2 山岸夢希:鳥居チーム、2014.12.1~2015.1.4

初期研修医(レジデント 1年目)

期間 岡野チーム 傳法チーム 鳥居チーム 佐藤チーム

2013.12.2 - 2014.1.5 福嶋直弥 久木元光

以降 2014 年 1.6 - 2.2 佐藤俊 毛利崇人

2.3 - 3.2 八谷隆仁 吉田知礼

2.17 - 3.30 澁谷裕彦

3.3 - 3.30 神尾幸見

4.14 - 5.11 新名良広 早坂美保 橋本悟 神林孔明

5.12 - 6.8 松田昌之 中西郁 荻原利弥

6.9 - 7.6 宮川昌悟 森久保拓

7.7 - 8.3 山田啓文

8.4 - 8.31 巾匡洋

9.8 - 10.5 小栗典明

10.6 - 11.2 飯島昌平

11.3 - 11.30 石井俊 野田真沙衣

12.1 - 2015.1.4 國友理恵 鳥羽麻友子

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リハビリテーション療法士

2014.12.31 所属スタッフ

理学療法士 佐藤敦子 田中耕史 永堀啓 2014.4.1~

作業療法士 石田幸平 崎山香織 2014.4.1~ 原佑理子 2014.11.1~

言語聴覚士 林良幸 2014.4.1~ 間藤翔悟 2014.11.1~

異動スタッフ

理学療法士 若林俊夫 相原さより 2014.1.1~3.31

作業療法士 本橋尚道 2014.1.1~3.31 杉本千晶 2014.1.1~10.31

病棟薬剤師

千野貴子 2014.1.1~12.31 保坂まり恵 2014.11.1~

病棟管理栄養士

大庭みずき 2014.4.1~

医療福祉相談員(MSW)2014.1.1~

加藤雅江(医療福祉相談室室長)

小林夏紀 根本圭子 猪瀬光穂 杉町香

永田真佑美 中野真由美 柳川歩未

病棟クラーク

小池寿美子 2014.1.1~ 新井優佳 2014.11.1~

私設秘書 ☆鈴木真紀:2014.1.1~

杏林大学M6クリニカルクラークシップ 該当者なし

人材育成プログラム医師(三年目レジデント ローテーター) 該当者なし

学外学生実習 該当者なし

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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平野教授就任以降、毎朝 8時からの新患ラウンドが加わりました。ここには、当直医、病棟医長、

看護師長、病棟薬剤師、各レジデント、初期研修医が加わり、NIHSS の所見のとり方の教育、初期治

療の検討をベッドサイドで行っています。

現場からの要望もあり、2014 年 11 月から、morning conference では検討しきれない症例、超急

性期血行再建治療の見直し、治療困難症例、頚動脈症例に対しての治療方針決定などを単なる報告

会でなく、純粋な discussion の場として毎月曜日 17:30 以降に設定しております。学会の evening

seminar の雰囲気に近いと思います。

ガイドラインの枠組みから外れた症例を、内科的治療(平野教授)、外科治療(塩川教授、鳥居助

教、佐藤研隆医員)、血管内治療(佐藤栄志 脳神経外科准教授、傳法講師、小松原助教)、リハビ

リテーション治療(山田講師)の各々の観点から、現場での状況報告はレジデントからと各々の立

場からの意見を上下関係なく本音で言い合い、会議室と現場の距離感を密接にすべく、また、 適

な治療選択を行っています。今後は学外関連施設からの参加も見込んでいます。

Weekly Schedule ( 2014 /12 月現在 )

Tue Fri Sat

7:30 7:30

8:00 8:00

8:30 8:30

9:00 外来 手術 外来  外来 手術 外来 血管内治療 外来  脳外科 short conf. 9:00傳法 鳥居 平野教授 岡野 佐藤研 佐藤研 傳法 平野教授

9:30 笹森 笹森 鳥居 小松原 鳥居 隔週 妙読会 9:30レジデント レジデント 鳥居

10:00 笹森 10:00レジデント

12:00外来 鳥居

13:00 血管撮影 平野教授回診 脳神経外科カンファレンス 13:00(外科からの出向組参加)

外来 13:30-15:00

岡野

16:00 16:00から 塩川センター長 回診 16:00神経内科カンファレンス

17:00 内科からの出向組参加 17:00

18:00

20:00

12:00 リハビリテーションカンファレンス( Ns. リハビリテーション療法士 MSW)

脳神経外科カンファレンス(外科からの出向組は参加)

平野教授+当直医+各チーム1人(可能なら)+看護師長

脳卒中センターラウンド 

morning conference

Mon Wed Thu

研修医症例発表(月1)

症例検討会(週1)

MR説明会(随時)

当直業務は 9時から翌日 9時までで交代

週間スケジュール

病棟医長 鳥居正剛

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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<年間スケジュール>

4 月 新入職者歓迎会

9 月 平野教授 歓迎会

12 月 脳卒中センター忘年会

<勉強会>

6 月 けいれん時の対応 講師:蛯沢認定看護師

6 月 クリティカル勉強会

~気管吸引・テープ固定について~ 講師:松本看護師

7 月 口腔ケアについて ドラミちゃんチーム

8 月 プライマリーナーシングについて いちごチーム

9 月 転倒・転落リスクプランの立案について みかんチーム

9 月

人工呼吸器管理中のトラブル

①吸引チューブが入りにくい

②突然 SPO2 が低下した

こんな時どう考える?

~気管チューブ閉塞に至った事例から~

講師:川原看護師

篠崎看護師

10 月 感染について レモンチーム

11 月 A ラインの管理・脳室ドレーンの管理について 講師:篠崎看護師

松原看護師

12 月 慢性期血行再建術の周術期管理

(脳卒中診療の中での位置づけ)について 講師:鳥居医師

12 月 十二誘導心電図について ドラえもんチーム

2014年 病棟年間行事・勉強会一覧 病棟看護副師長 鈴木亜希子

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

14

0

100

200

300

400

500

1 月 2 月 3 月 4 月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

脳卒中科の外来では、脳卒中センターからご自宅に退院された患者さんや回復期リハビリテーシ

ョン病院を経てご自宅に退院できた患者さんのフォロー、頸動脈病変など虚血性脳血管障害の外科

的血行再建治療適応の評価、脳卒中予備軍の best medical treatment を3つの柱として診療にあた

っております。脳卒中科専従の外来担当医は平野以下、傳法、岡野、岡村、鳥居、佐藤、笹森の 7

名です。

#1:脳神経外科または神経内科の外来担当医が代診 #2:頸動脈専門外来を兼務

#3:初診・振り分け外来を神経内科として診療

図1 2014 年1月から12月の外来患者数

2013 年の一年間の実績と比較し、2014 年はのべ患者数で 321 人増、月平均 26.8 人増となってお

ります。

外来診療実績 外来医長 傳法倫久

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日

笹森・ 岡野・ 平野・

平野#3 傳法#3 鳥居#2岡村・ 平野・

笹森 鳥居#2午後 再診 傳法 岡野 鳥居 鳥居#2

表1 脳卒中科外来担当医 (敬称略 2014年12月時点)

午前 新患 傳法 佐藤 休診#1

午前 再診 傳法 岡野 佐藤

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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外来診療における現在の問題点としては、土曜日に脳卒中科専従の医師による外来枠がないこと

であります。脳神経外科・神経内科の先生方の御協力のもとなんとか対応しております。

当科では、年間 630 名をこえる入院患者さんや常時 45~50 名を越える病棟の患者さんに対応し

ています。また一秒一刻を争う虚血性脳血管障害患者さんの急性期対応においては、その対応患者

数の増加や、あらたなデバイスが認可され益々その役割を増した脳神経血管内治療を含む急性期血

行再建治療の人的・時間的負担のさらなる増加から、日中の一般外来を受診される患者さんに十分

に対応しきれていない状況となっております。しかし、当科のような 24 時間 365 日、脳神経血管内

治療を含む急性期血行再建治療や各種脳外科手術に対応可能な comprehensive stroke center にお

いては、通常の外来業務に多くの時間と人員が割かれることは本質的なこととは言えないと考えて

います。

今後の課題としては、地域の病院や開業の先生方との役割分担を明確にし、さらに逆紹介を進め

ていく必要があげられます。当院では、昨年来『外来運営委員会』と『地域連携委員会』が中心と

なって特定機能病院における逆紹介率 40%以上の新基準をクリア―すべく、逆紹介推進キャンペー

ンを行ってきました。当科は、科としてはキャンペーン開始以来ずっと新基準をクリア―していま

すが、病院全体としては基準をクリアしていません。今後は新基準クリア―に貢献できるよう、益々

逆紹介を進めてまいりたいと思います。

今後も急性期血行再建治療を含む救急診療体制が維持・継続できますよう、ご理解・ご協力のほ

ど、よろしくお願い申し上げます。

杏林大学医学部付属病院

外来棟

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2014 年の入院症例は、633 症例となっております。ここ数年の期間では徐々

に増加傾向であります。(Fig.1) 傾向として虚血性疾患はほぼ変わらず、出血性

疾患の増加を認めます。入院症例の内訳は Fig.2 に示します。

心原性塞栓症の増加、アテローム血栓症による入院が多くを占めており、特に

頚動脈病変、大血管病変などの主幹動脈病変の精査加療での入院数の上昇を認め

ております。

また、ここ数年の特徴としては塞栓源不明塞栓症、腫瘍随伴症候群の症例の増

加を認めております。このため、全身病の一部としての虚血性脳疾患の治療概念が必要とされておりま

す。

今後も超急性期加療の充実と適確な再発予防治療、急性期リハビリテーションを組み合わせる事を基

幹とし、安全性を維持した上での積極的な診療を今後も心掛けていきます。

入院症例数経過 ( 2014 年 633 症例 ) Fig. 1

467 476 446 465429 436

473 477

102 105103

100113 100

103 120

19 1316

3231 25

52 36

0

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300

400

500

600

700

2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年

虚血 出血 その他

入院診療実績 病棟医長 鳥居正剛

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入院症例 詳細 Fig. 2 ( 症例数 )

アテローム血栓症(36)30%

心原性塞栓症(115)17%

穿通枝梗塞(73)11%

T.I.A.(32)5%

B.A.D.(20)3%

塞栓源不明塞栓症

(44)6%

脳梗塞(その他)(18)3%

血管奇形(14)2%

その他(36)5%

脳出血(120)18%

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2014 年(平成 26 年)1 月 1 日から 12 月 31 日における当科でのt-PA 症例の実績・成績をご報告

いたします。本年は昨年(31 症例)と同等の 33 症例でした。可能な症例は頭部MRI/Aも評価し、

主幹動脈閉塞時にはt-PA 投与後の血管内治療を検討。適応のある症例では速やかに脳血管撮影も施

行しております。

■症例の内訳

1)33 例(男性 21 名、女性 12 名)

2)年齢 :33 歳から 90 歳(平均 75.3 歳)

3)病型:心原性脳塞栓 19 例、アテローム血栓性脳梗塞 6 例、その他または不明 8例

4)投与時間:発症後平均 179.0 分(昨年 191 分)

5)t-PA 投与後血管内治療施行:13 症例

その他、6例は脳血管撮施行するも血管内治療適応なし(再開通など)と判断

6)原因血管:ICA 10 例、M1 10 例、M2 以遠 7 例、BA 4 例、その他 2例

■経過

退院時(または転院時)modified Rankin Scale(mRS)

12 月 31 日入院中の 4 症例を除く 29 例について

0:1 例、1:4 例、2:2例、3:2 例、4:11 例、5:4例、6:5例

(死亡原因:4例 肺炎・心不全など、1例 虚血性腸管壊死)

・mRS 4~6 については昨年と同等でありました。

急性期血行再建(t- PA 静注療法)治療実績・成績

病棟指導医 岡野晴子

退院時mRS

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脳卒中センターで行われた2014年度の手術症例数は90症例でした(脳内出血に対する手術も原則

として当科で扱うようになりましたが、人的資源等の都合により脳神経外科で行った症例もありま

す。これらは計算に入れておりません)。

内頚動脈閉塞性病変に対する外科治療としての CEA やバイパス術に関しては個々の症例毎、症例

検討会を行い厳密な適応判断のもと行っております。CEA は 40 件と増加しており、全症例で合併症

なく遂行することが出来ました。特に若手医師の外勤先からの紹介症例が増えており、紹介元の施

設に感謝するとともに、外科治療が必要な症例を見落とさずきちんと相談してくれた若手たちにも

頼もしさを感じています。当科では頚部内頚動脈狭窄症に対する外科治療は CEA first としており

ます。私個人の考えとしては、‘頚動脈プラークは神経学的に悪性所見を呈し得る良性腫瘍に準じた

病変’であると考えておりますので、プラークを直接剥離、摘出出来る CEA こそがより理にかなっ

た治療手技であるという信念のもと治療にあたらせて頂いております。バイパス症例は 8 例と減少

しました。なかなか適応症例は少ないようです。私自身の症例で

1 例過灌流症候群からの出血性合併症を来しました。この症例以

後、術後での集中治療室管理を延長するという方法をとっていま

す。ICH に関しては今年度の途中から内視鏡手術を first choice

としておりますので今後は内視鏡手術の数が増えることになり

そうです。その他、悪性中大脳動脈閉塞症に対する内減圧術5件、

シャント手術 3 件、腕頭動脈の可動性プラークに対する Hybrid

operation などがありました。

今後も1例 1例丁寧な治療を提供し続けることが出来るように

考えております。

件数

C.E.A. 39

頚動脈再建 2

Hybrid operation 1

S.T.A -M.C.A. bypass 11

moyamoya bypass + EMS 2

ICH ( craniotomy ) 18

ICH (endoscope ) 5

decompression (internal

method) 6

V.drainage 2

V -P shunt 3

cranioplasty 1

合計 90

2014 年外科治療実績

病棟指導医 佐藤研隆

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2014 年は、本邦でも Stent retriever が保険収載され、「MR CLEAN」によっ

て超急性期脳主幹動脈閉塞に対する血管内治療の有効性が示された年でした。

当施設ではこの新しいデバイスによって再開通率の向上が得られたものの、ま

だまだ転帰の向上に繋がっていないのが現状です。周知の通りこれを達成するためには「時短」が

必要となります。平野照之教授の着任後から、私たちは改めて超急性期血行再建治療の見直しを詳

細に行っており、今後より良い超急性期診療体制が構築できることを確信しています。血管内治療

医も「時短」に寄与できるように治療手技に磨きをかけたいと考えています。

当施設では頚動脈狭窄症に対して基本的には CEA を第一選択としており、CEA 困難例に CAS を行っ

ています。CEA の件数が増加した一方で、CAS の件数はやや減少しましたが、これまで通り確実で安

全な症例選択を行ってまいります。

2010 2011 2012 2013 2014

症例数 24 13 33 37 36

0

5

10

15

20

25

30

35

40

症例数

症例内訳 件数

CAS 8

Subclavian artery Stenting 2

Innominate artery Stenting 1

Mechanical Thrombectomy for Acute Cerebral Ischemia :

Stent retriever 7 , Penumbra ( ADAPT ) 16 , PTA 1 , UK 1 25

合計 36

血管内治療 実績

病棟指導医 笹森寛生

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当科での脳血管撮影の対象の多くは虚血性脳血管障害です。機器やソフトの

発達に伴い脳血管の診断モダリティーは多様化していますが、依然として脳血

管撮影に拠るところは大きく、当科の検査件数は昨年度を上回りました。とは

言え脳血管撮影は少なからず患者様の苦痛や合併症のリスクを伴います。検査の目的は一人一人の

患者様にとって適切な治療に繋げることです。これを踏まえて適応は厳密に検討しています。

検査のほとんどは非専門医が専門医の監督下で行っています。 近は脳血管内治療専門医を目指

す若手が増えていますが、安全で確実な検査手技の習得が脳血管内治療に参加する上での大前提で

あることを意識してもらっています。

症例の内訳としては頚動脈狭窄症が圧倒的に多かったのですが、頭蓋内主観動脈狭窄症やもやも

や病、動脈解離や脳出血など多岐に渡っていました。また傳法倫久先生の監督の元、神経内科医師

が施行した症例の増加(19 例)が目立ちました。

残念ながら合併症として 1 例の症候性脳梗塞がありました。痛恨の極みですが、より一層手技の

研鑽や図ってまいります。今後も厳密に適応を考慮し、安全な手技を徹底していくことで、患者様

にとって十分な利益が得られるような検査を目指します。

症例内訳 件数 検者(卒後年数) 件数

頚動脈狭窄症 63 川井田善太郎(3) 21

頭蓋内主幹動脈狭窄症 30 綾野水樹(5) 15

鎖骨下動脈狭窄症 4 阿部泰明(5) 13

動脈解離 5 今井大也(3) 12

もやもや病(疑いも含む) 8 末松慎也(5) 12

脳出血 6 佐藤研隆 12

硬膜動静脈瘻 1 島田大輔(6) 11

静脈洞血栓症 1 久米賢(3) 8

その他(術後確認など) 4 笹森寛生 8

合計 122 岡田啓(4) 3

鳥居正剛 3

田中雅貴(7) 2

傳法倫久 2

合計 122

脳血管撮影実績

病棟指導医 笹森寛生

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当院における頚動脈超音波検査は、中央検査室で検査技師が施行し、その

検査結果をもとに病棟指導医 岡野、病棟医長 鳥居の 2 名で評価診断を行っ

ております。2014 年は中央検査部での検査数は 2057 例であり、例年通りの

件数と言えます。

当科からの検査依頼のものは各担当医に判断を委ね、他科からの検査依頼の結果について、診断

を行っております。他科への治療介入のタイミングを逃さないように解りやすい内容にてレポート

作成を行っております。

近の傾向としては人間ドックの一環、脳卒中既往患者の術前麻酔リスク評価目的にて頭部 MRI/A

と合わせた頚動脈超音波検査が各外科系診療科にて行われております。

また、緊急入院時に MRI/A だけでは足りない情報を当科所有の頚動脈超音波機器(ALOKA pro sound

α10)を用い、ベッドサイドにて医師独自に検査を行うこともあります。11 月からは画面情報を

craio system を経由し、オーダリング端末でも閲覧可能となっております。そして、CEA の術中に

プラーク摘出前後で頚動脈血行動態の把握目的にて施行して、局所における血流の増減をリアルタ

イムで可視化し、術後過還流症候群管理の指標の一つとしています。また、ペースメーカー等の理

由で MRI をとれない症例の時などは特に、血行動態把握の為に必須の検査といえます。

各シニアレジデントにも指導しておりますが、機器の操作については一様で、『使い倒してなん

ぼ!!』の勢いで、それに伴い読影力も成長すると考えております。

非侵襲的な検査であり、リアルタイムな情報を得られるので今後とも積極的な施行を心がけてい

きたいと思います。

診療科 検査施行件数

(中央検査部)

脳 卒 中 科 1165

代謝.内分泌科 260

循 環 器 内 科 166

神 経 内 科 73

高 齢 医 学 科 92

心臓血管外科 59

消 化 器 内 科 54

脳 神 経 外 科 36

腎 臓 内 科 29

そ の 他 152

合計 2057

頚動脈超音波検査実績

病棟医長 鳥居正剛

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【脳卒中センターリハビリテーション】

●2014 年は PT3名、OT3名、ST2名が病棟リハスタッフとして対応しました。脳卒中ユニットの

メンバーとして、毎朝のモーニングカンファレンスへの参加に始まり、離床のサポート、早期

からの機能訓練、日常生活動作訓練、摂食機能療法等に取り組んでいます。

●4月から12月にかけて371人にリハを行いました(リハ処方箋は793件)。実施単位数はPT 6582、

OT 5753、ST 2207 単位でした。

リハ実施単位数 PT OT ST

2010(通年) 6728 6024 2506

2011(通年) 9218 7289 2707

2012(通年) 10712 7418 2962

2013(通年) 9622 6696 2031

2014(4 月~12 月) 6582 5753 2207

※2014 年通年換算予測 8776 7671 2943

●脳血管障害に対するリハビリテーションは、発症してから原則 150 日(高次脳機能障害を有す

る場合は 180 日)の間、保険診療での算定が認められています。急性期は 1日 9 単位(180 分)

まで実施が認められており、施設基準を満たせば発症から 30 日までは早期加算、14 日まではさ

らに初期加算が上乗せ算定されます。

●このところ、上記のように制度的には認められているにも関わらず、初期加算分の単位が判定 B

(療養担当規則等に寺師、医学的に過剰・重複と認められるもの)と査定され、実施した単位

が削減されるケースが少なからずあります(削減の理由、削減した単位数の根拠は明示されま

せん)。2014 年は数件についてこうした減額査定があり、実施したリハの必要性の根拠を詳細に

記載して、再審査請求を提出しました。正当なリハは正しく評価されるべきと信じております。

【トピック】

●今年は第 9 回日本リハビリテーション医学会専門医学術集会において、「急性期リハビリテーシ

ョンの現状と展望」というシンポジウムで脳卒中の急性期リハビリテーションについて講演を

しました。レジデント二人も脳卒中急性期リハについて総説を寄稿するなど、杏林大学付属病

院脳卒中センターのリハを積極的に発信しています。

リハビリテーション治療実績

脳卒中センター 副病棟医長

リハビリテーション医学教室 講師 山田 深

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脳卒中センターでの言語聴覚士の業務は失語症・運動性構音障害・嚥下障害・高次脳機能障害に

対するリハビリテーションを行うことにあります。救急入院では入院直後に嚥下評価を行い、経口

摂取の可否に携わる重要な役割を担っています。言語障害・高次脳機能障害についても、言語聴覚

士としての専門的業務を行うことができ、責任とやりがいを感じます。

今年度、言語聴覚士として取り組んだことは以下のことがあげられます。

1.脳卒中病棟の専従 ST の増員(2013 年度 1 人 → 2014 年度 1.5 人)

2.病棟看護師が担う嚥下機能評価の試運用開始

昨年度まで脳卒中センターでは言語聴覚士 1 名(専従)とういう体制で業務を行っていました。1

名体制は病棟との連携が取りやすいといった利点がある一方、多くの入院患者さんに対し摂食嚥下

機能の評価・治療が先になってしまい、急性期で自然回復的に変化しやすい失語症、高次脳機能障

害に関する評価・治療は後手になりやすい傾向がありました。本年度は 1.5 人体制にしことで、患

者さん一人ひとりの治療時間を増やせたことで失語症や高次脳機能障害に対する評価・訓練にも積

極的に取り組むことが出来たいと自負しています。また時間的余力ができた際は症例検討などを行

い、治療を再検討することができました。

昨年度は、病棟看護師による嚥下機能評価の構築について、蛯沢脳卒中リハビリテーション認定

看護師と中村摂食・嚥下障害看護認定看護師の協力のもと、超急性期の患者に対し、病棟看護師が

簡易的で安全かつ的確な嚥下機能評価を行えるよう取り組みました。本年度は作成した評価の試運

用を開始し、入院患者への早期経口摂取開始への取り組みを行っています。

摂食嚥下機能療法 実績

脳卒中センター 言語聴覚士 林 良幸

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2014 年 7 月より、当相談室は入院前支援・退院調整を

行っていた看護部門、紹介状の受付や医療機関との連携窓

口を担っている事務部門と統合され、患者支援センターに

組織再編されました。患者さんやご家族が入院前から退院

まで安心して治療を受けて頂けるよう、多職種で協働し、

効果的、総合的に支援することを目的としたものです。

医療、介護を取り巻く環境は、地域包括ケアシステムの構築に向けて大きく動きつつあります。

要介護状態となっても、その人がその人らしく住み慣れた地域で生活でき、医療や介護を一体的に

提供されることを目標にしたこのシステムにおいて、急性期医療を担う当院の役割は大きく、こと

に脳卒中センターにおいては、疾患の特性上、退院支援、生活支援をより充実させていく必要があ

ると考えます。

2014 年 12 月現在、当相談室には 9名のソーシャルワーカーが在籍しています。来年度は、より早

期の退院支援の介入、地域関係機関との連携、さらに個々の支援の質の向上を目指し、努めていき

たいと思います。

以下、2014 年 4 月から 12 月における退院支援の実績をご報告します。依頼総数は 181 件、うち支

援の終了した 171 件につき転帰をグラフに示しました。

回復期リハビリテー

ション病院

8852%

療養型病院

2615%

施設

53%

自宅

4124%

その他

116%

退院・転院支援実績

医療福祉相談室 活動報告

ソーシャルワーカー 小林夏紀

脳卒中地域連携パス使用率 79%

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2014 年の脳卒中リハビリテーション看護認定看護師の活動を報告させていただきます。今年は、

院内で開催したクリティカルケア公開講座の開催をはじめ、部署外での活動も多く経験させていた

だきました。不慣れなことばかりでしたが、多くのことを学び、収穫の多い一年となりました。ご

指導いただいた先生方はじめ、ご協力いただいた関係者の方々に深く感謝いたします。

部署内の活動の新たな試みとしては、脳卒中患者の口腔環境や口腔機能の改善、口腔環境悪化の

原因の明確化、スタッフへの口腔ケアの知識・技術の普及を目的に口腔ケアラウンドを実施したこ

とです。今後は、結果をもとに傾向を把握し、スタッフからの要望も取り入れながら活動を継続し

て、成果を上げることが目標です。

コンサルテーションについてはまだまだ少ないのが現状です。他科病棟への入院や併診となって

いる患者さんがいる場合は、依頼がなくても自ら病棟に赴き、スタッフとともに必要な観察やケア

について考え、より良い方法を提案することも必要と感じています。また、院内だけでなく院外に

向けても自分達の活動を広め、関連施設や近隣の施設との連携に繋がるような活動を展開すること

が今後の課題です。

2014 年は新たに集中ケア認定看護師の伊東さんが SCU に、救急看護認定看護師の高橋さんが 3-4

病棟に配属になり、大変心強く思っております。各領域の強みを活かし、患者さんの回復と当セン

ターの発展に貢献できるように努力していきたいと思います。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師活動報告

SCU 看護師 蛯沢志織

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主な活動内容 担当者

2014 年 4 月 口腔ケアラウンド (毎週火曜日 4 月以降継続) 原田 蛯沢

3-4 病棟 新入職者勉強会

6 月 3-4/ SCU スタッフ対象勉強会

「痙攣の基礎知識とシミュレーション」 蛯沢

7 月 クリティカルケア看護公開講座 原田 蛯沢

9 月 「脳卒中接触嚥下フローチャート」 仮運用開始 蛯沢

10 月 国立障害者リハビリテーション学院

脳卒中リハビリテーション看護 認定看護師教育課程 講師 原田

「脳卒中急性期 : 重症化回避の支援技術」

11 月 杏林大学集中ケア看護 認定看護師教育課程 講師

「脳卒中リハビリテーション看護」 蛯沢

12 月 杏林大学保健学部 看護学科 講義

「治療を受ける高齢者の看護 ~リハビリテーションを中心に~」 原田

「BRAIN」 特集 企画/寄稿 蛯沢

国立障害者リハビリテーション学院

認定看護師教育課程 研修生実習指導 蛯沢 原田

コンサルテーション実績

依頼日 依頼元 対象者 内容

6.17 3-4 病棟

staff

3-4 病棟

入院患者 / staff 離床時の血圧低下について

7.11 S-4 病棟 S-4 病棟

入院患者 / staff 高次脳機能生涯患者への対応について

7.16 脳卒中科

医師

S-8

入院患者 / staff 口腔環境の評価依頼、食事介助の方法

9.26 S-4 staff S-4

入院患者 / staff

筋緊張が強い患者のポジショニング

他動運動の実施方法

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2014 年 3 月 13~15 日に大阪で開催された STROKE2014 に

参加させて頂きました。

今回の私の役割は“研修医の先生方の案内係”。ローテートして

くれた当時 1 年目の研修医の先生方のうち特に脳卒中に関心を

持ってくれた(!?) 2 人に、更に脳卒中への興味を深めて貰う

べく、私を含め 3 人で出かけて参りました。

同行してくれたのは当院にて研修中の佐藤泰紀先生・福嶋直弥

先生。ともに昨年の年報で研修医の記事を担当してくれた先生で

す。実は当初二人とも神経内科・脳外科・脳卒中科志望ではなく、

佐藤先生は放射線科、福嶋先生はリハビリテーション科に興味が

あるとのことでした。しかしながらローテーション中も非常に積

極的に研修に取り組んでくれ、脳卒中領域に少なからず興味を持ってくれたということもあり、学

会出席を勧め、一緒に出掛けることとなりました。

研修医の先生方が他科ローテーション中のため 3 日間の出席は難しく、14 日早朝に東京を出発し

15 日夜に戻るという形でした。日頃忙しい研修医生活、私も病棟が繁多な時期でもあったため、3

人とも初日は移動だけで疲れてしまい眠い目をこすりながら会場へ向かう…という状態ではありま

したが、会場の熱気に触れると我々の意識レベルも改善傾向となりました。

プログラムを見ながら、彼らの元々関心のある領域と関連

する内容を中心にピックアップし見て回りましたが、2 人と

もメモを取りながら真剣に聞いている様子でした。また、

t-PA 適正使用講習会にも出席しました。私も研修医の頃に講

習会に参加させて頂いたのですが、修了証を手にすると何と

なく誇らしいような気持になったものでした。彼らが救急部

をローテーションする際にはぜひ初療室で成果を発揮して

初期対応のお手伝いをしてもらおうと企んでいます。

終日には、福嶋先生から「神経内科へ進むことを考え始めた」というような言葉もあり、なん

と彼は 2015 年 4 月から東京女子医科大学の神経内科へ入局することとなりました。女子医大へ行っ

ても杏林脳卒中センターのローテーションで学んだことを活かして頑張ってほしいと応援しており

ます。

こういった形で、学会参加を通して少しでも多くの研修医の先生方に脳卒中に興味を持ってもら

うことは少なからず有益なことだと思います。また、研修生活のこと進路のこと等、共にたこ焼き

や串カツを頬張りつつ色々と話を聞いてみると普段は聞けないような深い話まで聞くことができ、

日頃研修医の先生方と接し指導する機会の多い自分としても貴重な経験となりました。もちろん、

ローテーション中の科との兼ね合いや費用面など考えなければならないことは多いですが、今後も

多くの研修医と一緒に参加できればと思います。次回の STROKE2015 にも既に脳卒中科志望の研

修医 1 名の参加を予定しており、今から楽しみです。

STROKE2014 に参加して

神経内科レジデント 綾野水樹

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第 39 回日本脳卒中学会総会に参加して、ポスターセッションでの発表をさせていただきました。

今回のテーマは「脳卒中患者における離床の阻害要因」について研究を行いました。研究を進めて

いく中で看護師の視点から患者の離床について調べ、離床の阻害要因を明らかにしていくことで早

期から看護師も患者の状態を十分に把握しリハビリに関わっていくことが大切であると学ぶことが

できました。

実際の発表では多くの方に発表を聞いていただくことができました。発表中はとても緊張しまし

たが大勢の人の前で発表するという機会を頂き、良い経験をさせていただくことが出来ました。ま

た、脳卒中学会では他の多くの病院方々の発表を聞くことができ看護師としてさらに広い視点を持

つことが来ました。

発表後の打ち上げでは Dr. やリハビリスタッフ、研究メンバーと楽しい時間を過ごすことができ、

研究を行い学会に参加することができ本当に良かったと思いました。飲み会の場でも脳卒中センタ

ーはチーム医療がとても大事であると感じることができました。これからもの卒中センターのスタ

ッフの皆様よろしくお願いいたします。

STROKE2014 に参加して

脳卒中センター 病棟看護師 遠藤 晋哉

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平成 26 年 7 月 12 日『脳卒中医療、チーム医療の 前線!!』をテ

ーマにクリティカルケア看護公開講座を開催したので報告させて頂

きます。

<プログラム>

①『脳卒中基礎知識、全身病としての脳卒中』 平野照之教授

②『脳卒中診断、治療の実践的な捉え方』

脳卒中科医師:笹森寛生 永井健太郎 綾野水樹 阿部泰明

③『脳卒中リハビリテーション~理学療法、作業療法、言語療法の立場から~』

PT:佐藤敦子 OT:石田幸平 ST:間藤翔梧

④『脳卒中チーム医療と現状の課題』

管理栄養士:大庭みずき MSW:根本圭子 脳卒中センター師長:阿部光

⑤『脳卒中急性期の看護ケア』

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師:蛯沢志織 原田亜由美

<参加者>

・院内参加 47 名 ・院外参加 48 名

<アンケート結果>

参加者の 80%が『理解できた』と評価しており、65%が『看護に活かせる』と評価をしています。

他職種がそれぞれの視点で講義を行ったことで、『他職種間の連携の重要性を理解できた』という意

見が多く聞かれました。

また、『講義の難易度がアンバランスに感じた』などの意見もあり、指導目標を共通認識し、対象

の要望に沿った講義内容を構成することが今後の課題ではないかと考えます。

<まとめ>

アンケートでもご意見頂いておりますが、様々な職種が講義を行うことで脳卒中の治療において

チーム医療が重要であることをお伝えできたのではないかと思います。実際に私も全ての講義を聴

講しましたが、大変分かりやすい内容でしたので、次年度からもぜひ多くのスタッフに参加して頂

ければ幸いです。講義をして下さった方々、お忙しい中、本当にありがとうございました。

クリティカルケア看護公開講座(脳卒中編)を開催して

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 原田 亜由美

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はじめに

9 回目を迎える国際脳卒中会議(World Stroke Congress,

WSC)が 2014 年 10 月 22 日から 25 日にかけて開催された。

WSC は脳卒中に関する唯一の世界団体 WSO(現会長は豪州メ

ルボルン大学 Davis SM 教授)が主宰する国際会議である。

この学会は、日本で発足した International Stroke Society

を前身として誕生した経緯もあり、日本からも多くの医師

が参加していた。ウィーンで行われた 2008 年の本会議では、あの ECASS3 の結果が発表され、会場

で鳴り響いたスタンディング・オベーションは鮮明に記憶に残っている。あれから 6年、ソウル 2010、

ブラジリア 2012 と会を重ね、国際社会への情報発信や途上国の啓発など、時代の要請にあわせ本会

の立ち位置も変わってきた。

今回、個人的に事前チェックしていた発表は、純国産 NOAC であるエドキサバンの脳卒中症例につ

いての解析結果、アルテプラーゼに替わる新規血栓溶解薬デスモテプラーゼの第 3相試験 DIAS-3 の

終成績である。

イスタンブル

学会が開催されたイスタンブルは、トルコ 大の都市である。人口は 1,410 万人で、市域はボス

ポラス海峡を挟んで東のアジア(アナトリア半島)側と西のヨーロッパ(トラキア地方)側両方に

拡がり、西側の市域は金角湾で南北に分かれる。2大陸にまたがる大都市であり、商業や歴史の中心

はヨーロッパ側に位置する。なお、WSC 開催地はヨーロッパ、アジア・オセアニア、北南米を巡回し

ているが、会場の Haliç Congress Center はヨーロッパ側に位置して

いたことを追記しておきたい。

現地入りした日は、サッカー欧州 CL のリーグ戦が開催され、香川

真司を擁するボルシア・ドルトムントが、地元のガラタサライに圧勝

した日であった。趣味は「サッカー,国際学会行脚」を自称する筆者

だが、残念ながら事前チェックを怠り、チケットは手に入らなかった。

新市街には、黄色と黒のペナントをもったドイツからのサポーターが

あふれていたと聞く。

世界脳卒中権利章典

10 月 22 日の開会式で「世界脳卒中権利章点」が発表された。これは患者や介護者のアンケート調

査に基づいて作成され「すべての患者が適切な脳卒中ケアを受け、可能なかぎり脳卒中を生き延び

て 善の回復を得られるようにする礎」とするものである。世界で毎年、約 1,700 万人が脳卒中を

発症し、600 万人が脳卒中で死亡している。また 6人に 1 人は生涯で脳卒中になり、6秒毎に世界の

どこかで誰かが脳卒中で亡くなっている。脳卒中は、世界的に大きな問題であり続けており、日本

でも脳卒中対策基本法の早期成立が待たれるところである。

World Stroke Congress 2014(イスタンブル、トルコ)に参加して

杏林大学医学部 脳卒中医学 平野照之

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また、今回「女性」がテーマとして取り上げられた。妊娠や経口避妊薬使用、ホルモン補充療法

といった特有の危険因子が存在することに加え、社会進出に伴うライフスタイルの変化によって、

女性の脳卒中が大きく変容しているためである。2014 年に改訂

された米国心臓協会(AHA)および米国脳卒中学会(ASA)の脳

卒中一次予防ガイドラインも、女性特有の危険因子について言

及している。例えば、前兆のある片頭痛の既往女性では、喫煙

と経口避妊薬服用が脳卒中リスクを一般人口より上昇させる

ため、禁煙を強く推奨し、避妊には他の方法を検討すべきとし

ている。こういった背景を踏まえ、10 月 29 日の World Stroke

Day に会わせ今後 2 年間「I am woman」キャンペーンを展開す

ることが発表された。

話題となった大規模臨床研究のその後

発症 6 時間までの rt-PA 静注療法の効果を検討した International Stroke Trial 3(IST-3)につ

いて今回、18 ヵ月後の転帰が発表された。原著は、6 時間までの rt-PA 投与は、急性期の出血関連

死亡を増加させるが、6ヵ月目には非投与群と死亡率の差は消失するというものである。今回の発表

は、さらに 1年間の経過を追跡したものであるが、rt-PA による死亡増加はみられなかった。ただし、

統計学的有意差はないものの死亡例は 3 時間以内では減り、3-6 時間では増える傾向が認められた。

やはり time is brain である。

いわゆるホノルル・ショックの主役となった Interventional Management of Stroke 3(IMS-3)

については、重症例における血管内治療の効果が紹介された。全 656 症例中 NIHSS >20 の 204 例を

解析すると 35.2(95%信頼区間 2.1〜73.3)%、転帰良好例が増加することが示された。

真打ち登場

さて個人的に注目していたENGAGE-TIMI 48である。NOAC 終章として期待される薬剤だが、21,105

例を 2.8 年間追跡した本試験の成績のうち、脳卒中あるいは TIA 既往を有する 5,973 例(これを高

リスク例と定義)の安全性、有効性が発表された。その結果、エドキサバン high dose 群(60/30 mg)

はワルファリン群(TTR 68.4%)に比し、脳卒中または全身塞栓症のリスクを 0.86 倍(p=0.2)に減

らし、脳梗塞は 0.96 倍(p=0.76)で同等、脳出血は 0.52 倍(p=0.03)に減少させていた。一方、

low dose 群(30/15mg)は脳出血が 0.37 倍(p<0.001)と激減するものの、脳梗塞は 1.33 倍(p=0.02)

と有意に増加させる結果となった。心房細動による脳梗塞の二次予防では、すでに NOAC がファース

トチョイスとなりつつある。今年、テニス世界ランキングでトップ 5 入りした錦織 圭のスーパーゾ

ーン「勝てない相手はもういない」という域には、残念ながら達しなかったが、本剤の特徴を把握

し Made in Japan の世界戦略薬品として臨床に活かしていきたいものである。

もう一つの DIAS-3 は、6 月のルンドベック社プレスリリースで一次エンドポイントを達成できな

かった、と既に発表されていた。結果の詳細がはじめて開示されたが、CTA または MRA で主幹動脈閉

塞はあるが広範虚血所見のない脳梗塞症例(発症 3~9 時間)へのデスモテプラーゼ投与は有意な転

帰改善をもたらさなかった。しかし、虚血コアを DWI で判定した群に限ると、デスモテプラーゼは

有意な効果を示していた。CT でのコア判定は、ばらつきが大きく、これが結果として全体成績で有

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意性を示せなかった要因となっていた。MRI を用いた症例選択の意義を示した試験として歴史に残る

ことになろう。

感動のフィナーレ

終日の 終セッションとなると、会場は閑散とすることも多い

が、今回の late breaking session は、いつになくざわついた雰囲

気であった。そんな中、オランダの Dippel D 教授が登壇し、MR CLEAN

の結果が発表された。CTA で頭蓋内血管閉塞を確認した症例につい

て、rt-PA 静注を含む標準治療に血管内治療を追加した場合の再開

通率、臨床転帰が検討された試験である。約 500 例が登録され、血

管内治療を行うことで高い再開通率が達成され、3 ヵ月転帰も OR

1.67(95%信頼区間 1.21〜2.30)と血管内治療群が優れていた。2012

年のホノルル・ショック以降、悶々とした日々が続いていたが、今

回、これを払拭する結果が発表され、会場ではスタンディング・オ

ベーションが沸きおこっていた。血管閉塞が確認できていること、

新のstent retrieverを使用、血管内治療を6時間以内に開始、

など成功に必須と言われた課題を全てクリアしたことで、予想通

りの好成績が叩き出せていた。症例登録をオランダ政府が支援し、

予定より早く目標例数に達したことも見逃せない成功要因であ

ろう。日本でスタートする RESCUE-Japan RCT にも追い風となる

結果であった。

おわりに

久しぶりのスタンディング・オベーションを経験し、参加して良かったと思える WSC 2014 であっ

た。座長の Hacke W 教授も「This is what we want!」と MR CLEAN の成功を讃えており、世界中の

研究者は脳卒中制圧を目指す同志であり仲間であることを再確認することができた。次回、アジア・

オセアニア担当の WSC 2016 は、インドでの開催がアナウンスされたことを 後にお伝えしておきた

い。

医学書院「Brain and NERVE」67 巻 2 号より許諾を得て転載

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日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社と関東 Stroke Team カンファレンス共催のもと、2014

年 10 月 30 日木曜日、新宿の京王プラザホテル東京 42 階「高尾」の間で開催されました、関東 Stroke

Team カンファレンス 2014 の当番世話人を務めさせていただきました。本研究会は、脳卒中に関

わる医師、コメディカルを中心として、脳卒中の研究を促進し、知識の交流を深めることを目的と

して、2007 年より毎年秋に開催されてきました。当センターでは、代表世話人として塩川先生と今

回から平野先生が、世話人として昨年より私が、そして会計監事として当大学脳神経外科山口竜一

先生が参画しています。

昨年塩川先生の命で世話人会に出席し、新世話人として挨拶をしたとたんに、では来年の当番世

話人をお願いしますということになり、正直なところはめられたとの印象は否めませんでした。さ

らに研究会に関しては、コメディカルの先生方も

参加しやすい会にすることとの注文もつき、どの

ような企画にすべきか非常に悩みました。しかし

過去数回の講演内容をチェックしますと、いずれ

も内容的には素晴らしいものではありますが、こ

の会の根幹でもあるStroke Teamに係わる内容と

は言い難い印象を受けました。ならば基本に立ち

返って、有名な先生やコメディカルの方でなくて

もいい、チーム医療を新しい視点で展開している、

この会に参加してくれる方が本当に聞きたいと思

うような、参加してためになったと心から感じて

くれるような話をしてくれる人を演者に選ぼうと

決め、演者選定に入りました。リハビリテーショ

ンの分野に関しては同僚の山田深先生の助言もあ

り、また自分の知己のなかにもこの会の趣旨に賛

同し発表を快く引き受けてくださった方があり、

演者選定は比較的スムースに進みました。発表ス

ライドの作成にあたっては僭越ながら各演者の先

生に、どのような内容をどのような構成でお話し

いただきたいというような、失礼極まりない注文

関東 Stroke Team カンファレンス 2014

外来医長 傳法 倫久

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をつけさせていただきました。この場をお借りしてお詫び申し上げます。しかし各演者とも私の依

頼内容を十分に理解してくださり、いやそれどころか私の想像をはるかに超えた力の入った内容の

発表をしてくださいました。感謝・感激です。

当日の参加者は 100 名をはるかに超え、立ち見が出るほどの盛況ぶりで、共催企業の方が新たな

椅子を会場にどんどん入れていくありさまでした。おかげをもちまして、参加者はこの会始まって

以来の 高人数を記録いたしました。質疑応答も非常に盛り上がり、ホットな質疑応答が交わされ

ましたし、研究会後の懇親会にも多くの方が残っていただき交流を深めていただいた様で、会を企

画したものとしては、この上ない喜びであります。 後になりましたが、この場を借りまして、ご

協力いただいたすべての方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

各演者所属施設:

左上から 埼玉医大国際医療センター 川崎幸病院 虎の門病院 昭和大学江東豊洲病院

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国際雑誌論文

1. Kobayashi J, Koga M, Tanaka E, Okada Y, Kimura K, Yamagami H, Okuda S, Hasegawa Y,

Shiokawa Y, Furui E, Nakagawara J, Kario K, Okata T, Arihiro S, Sato S, Nagatsuka K,

Minematsu K and Toyoda K:Continuous Antihypertensive Therapy Throughout the Initial

24 Hours of Intracerebral Hemorrhage: The Stroke Acute Management With Urgent

Risk-Factor Assessment and Improvement・Intracerebral Hemorrhage Study. Stroke.

published online January 14, 2014.

2. Kobayashi J, Koga M, Tanaka E, Okada Y, Kimura K, Yamagami H, Okuda S, Hasegawa Y,

Shiokawa Y, Furui E, Nakagawara J, Kario K, Okata T, Arihiro S, Sato S, Nagatsuka K,

Minematsu K, Toyoda K; SAMURAI Study Investigators:Continuous antihypertensive therapy

throughout the initial 24 hours of intracerebral hemorrhage: the stroke acute management

with urgent risk-factor assessment and improvement-intracerebral hemorrhage

study.Stroke. 2014 Mar;45(3):868-70.

3. Nishimura K, Nakamura F, Takegami M, Fukuhara S, Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J,

Shiokawa Y, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Kataoka H, Miyamoto Y, Kitaoka

K, Kada A, Iihara K; J-ASPECT Study Group: Cross-sectional survey of workload and burnout

among Japanese physicians working in stroke care: the nationwide survey of acute stroke

care capacity for proper designation of comprehensive stroke center in Japan (J-ASPECT)

study. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2014 May;7(3):414-422.

4. Iihara K, Nishimura K , Kada, A , Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J, Shiokawa Y, Aruga

T, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Miyamoto Y, Suzuki A, Ishikawa K B., Kataoka

H, Nakamura F, Kamitani S : Effects of Comprehensive Stroke Care Capabilities on

In-Hospital Mortality of Patients with Ischemic and Hemorrhagic Stroke: J-ASPECT Study.

PLoS ONE, 9(5), e96819; 2014.

5. Nishimura K, Nakamura F, Takegami M, Fukuhara S, Nakagawara J, Ogasawara K, Ono J,

Shiokawa Y, Miyachi S, Nagata I, Toyoda K, Matsuda S, Kataoka H, Miyamoto Y, Kitaoka

K, Kada A, Iihara K; J-ASPECT Study Group: Cross-sectional survey of workload and burnout

among Japanese physicians working in stroke care: the nationwide survey of acute stroke

care capacity for proper designation of comprehensive stroke center in Japan (J-ASPECT)

study. Circ Cardiovasc Qual Outcomes. 2014 May;7(3):414-422.

6. Koga M, Arihiro S, Hasegawa Y , Shiokawa Y, Okada Y, Kimura K, Furui E, Nakagawara

J, Yamagami J, Kario K, Okuda S, Tokunaga K, Takizawa H, Takasugi J, Sato S, Nagatsuka

K, Minematsu K, Toyoda K,and for the Stroke Acute Management with Urgent Risk-factor

Assessment and Improvement (SAMURAI) Study Investigators: Intravenous Nicardipine

Dosing for Blood Pressure Lowering in Acute Intracerebral Hemorrhage: The Stroke Acute

Management with Urgent Risk-factor Assessment and Improvement-Intracerebral Hemorrhage

学術活動一覧

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Study. J J Stroke Cerebrovasc Dis. 2014 Oct 11. pii: S1052-3057(14)00325-5.

7. Deguchi I, Dembo T, Yoshimura S, Sakai N, Okada Y, Kitagawa K, Kimura K, Hyogo T, Yamagami

H, Egashira Y, Tanahashi N: Relationship between magnetic resonance

angiography-diffusion-weighted imaging mismatch and clinical outcome in endovascular

treatment for acute ischemic stroke: subgroup analysis of the Recovery by Endovascular

Salvage for Cerebral Ultra-acute Embolism--Japan Registry. J Stroke Cerebrovasc Dis.

23(6); 1471-1476, 2014.

8. Jin JS, Touyama M, Yamada S, Yamazaki T, Benno Y: Alteration of a Human Intestinal

Microbiota under Extreme Life Environment in the Antarctica. Biol Pharm Bull. 37(12):

1899-906, 2014

9. Okamura K, Tsubokawa T, Johshita H, Miyazaki H, Shiokawa Y.:Edaravone, a free radical

scavenger, attenuates cerebral infarction and hemorrhagic infarction in rats with

hyperglycemia. Neurological Resesrch Vol.36,No.1;65-69,2014.

10. Sakaguchi H, Yamashita S, Ueda A, Hirahara T, Honda S, Kimura E, Yamashita T, Maeda

Y, Hirano T, Uchino M. Chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy triggered by

interferon-α for chronic hepatitis B virus infection. Neurol Clin Neurosci (in press)

国内雑誌論文

1. 塩川芳昭:comments 高精細融合 3次元画像を用いた術中支援.CI 研究(35)2;103、2014

2. 脊山英徳,塩川芳昭:頸動脈狭窄症に対する外科的治療の役割・限界.Angiology Frontier

Vol.13, No.3 :58-64,メディカルレビュー,大阪,2014

3. 岡村耕一,塩川芳昭:くも膜下出血の原因(脳動脈瘤以外).日本臨牀 72 巻増刊号 7 最新臨

牀脳卒中学:最新の診断と治療;445-448,2014.

総説

1. 平野照之:脳梗塞~rt-PA の現状と展望~ Medicament News 2014 年 10 月 15 日号

2. 山田 深: 【総合病院におけるリハビリテーション-急性期を中心に】 ストロークケアユニ

ット. 総合リハ 42 (10): 937-942, 2014.

3. 仁科彩子, 山田 深:【急性期病院における脳卒中リハビリテーション】 脳卒中ユニットにお

ける集中治療とリハビリテーション. 臨床リハ 23 (5): 430-435, 2014.

4. 傳法倫久:脳梗塞急性期治療 update 脳梗塞の脳血管内治療の最前線 神経内科 81(5):

535-543, 2014.

5. 平野照之:女性の脳梗塞 成人病と生活習慣病 44(11):1287-1294, 2014

6. 平野照之:早期虚血性変化の ASPECTS 評価と rt-PA 静注療法 脳卒中, 2014 (in press)

7. 平野照之:学会印象記 World Stroke Congress 2014(イスタンブル,トルコ) BRAIN and

NERVE, 2014 (in press)

8. 平野照之:抗凝固療法中の rt-PA 静注療法 Cardio-Coagulation, 2014 (in press)

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著書

1. 塩川芳昭:くも膜下出血.今日の治療指針 私はこう治療している TODAY’S THERAPY

vol.56;836-839,医学書院,東京,2014.

2. 塩川芳昭:脳ドック 死を招く脳卒中の兆候を発見し未然に防ぐ!脳ドックの最新事情.血

管がぐんぐん若返る No.1 自力療法;42-46,マキノ出版,東京,2014 年 1 月 6 日.

3. 塩川芳昭:脳動脈,脳室およびくも膜下腔,脊柱,脊髄.標準脳神経外科学第 13 版;20-32,

医学書院,東京,2014.

4. 塩川芳昭:脳卒中(脳出血・脳梗塞・クモ膜下出血・もやもや病)year noteTOPICS 2014-2015

内科・外科疾患 4th edition 研修医・非専門医でも知っておくべき近年と今後の主な動向;

307-311.メディックメディア,東京,2014.

5. 永井良三,鈴木則宏,荒木信夫,神田 隆,吉良潤一,塩川芳昭,西野一三,水澤英洋編集:

神経内科 研修ノート,診断と治療社,東京,2014 年.

6. 有賀 徹,奥寺 敬,片山容一,加藤庸子,栗栖 薫,黒岩敏彦,塩川芳昭,平山昌康,松

前光紀 編集:すぐに役立つ脳神経外科救急ハンドブック改訂 2 版.日本脳神経外科救急学

会,メディカ出版,東京,2015 年.

7. 正木瑶子, 岡島康友: 脳卒中リハビリテーション―新たなる治療戦略《急性期からの治療管

理とリハビリテーション》脳卒中ユニットにおけるリハビリテーション. モダンフィジシャ

ン 34 (7): 749-753, 2014.

8. 塩川芳昭:comments 高精細融合 3次元画像を用いた術中支援.CI 研究(35)2;103,2014

9. 平野照之:総論—無症候性脳血管障害のイメージングの選定. 飯原弘二(編)脳神経外科診療

プラクティス. 無症候性脳血管障害を解く. 文光堂, 東京, 2014 (in press)

10. 脊山英徳:合併症.超基本から専門用語まで.100 ワードを楽ちん理解!脳神経疾患の病態生

理ビジュアル事典.BRAIN NURSING vol.30 No5;38-58,メディカ出版,大阪,2014.

11. 脊山英徳:3 章 脳卒中 Q37 SAH とはどういう病気ですか?,Q38 SAH の治療について教

えてください,Q39 SAH のときに,たこつぼ心筋症になるのは,どうしてですか? Q40 SAH

の後遺症は,どうして起こりますか? NURSING CARE Q&A52:92,94, 96,98,総合医学社,

2014.

12. 岡村耕一:脳神経外科.新人から使える!保存版 56 術式の看護のツボがわかる!超早わか

り手術看護のササッと先読みポイント,オペナーシング 2013 年秋季増刊;11,MC メディカ出

版,東京,2014.

13. 鳥居正剛,塩川芳昭:脳血管障害による脳死の臨床 . 鈴木則宏(編),脳血管障害の治療最

前線(アクチュアル脳.神経疾患の臨床). 中山書店,2014 ; 78 – 82.

国際学会口演

1. Takahashi H, Tanahashi N, Takahashi N, Nishikawa J, Dan S, Okajima Y : The effect of

new insole to decrease the spasticity for stroke patient by evaluating reciprocal

inhibition from ankle dorsiflexion to ankle plantar flexors. The 30th International

Congress of Clinical Neurophysiology (ICCN), Berlin, Germany. March 20-23, 2014.

Page 40: Annual Report 2014 - SQUAREplaza.umin.ac.jp/kyorinSU/images/2014.pdfKyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014 3 2014年9月1日付けで、杏林大学医学部脳卒中医学教室の教授職を拝命

Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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2. Okada K, Maruyama K, Torii M, Okamura K, Seyama H, Yamada S, Dembo T, Shiokawa Y :

Experience of IN Vivo Optical Spectroscopy during and after carotid endarterectomy.

12th Japanese-Korean Friendship Conference on Surgery for Cerebral Stroke, Osaka,

2014.9.26

3. Hirano T, Aso Y, Himeno T, Amano Y, Ishibashi M, Chikazawa R, Yabu-uchi K, Takemaru

M, Kimura N, Matsubara E. Surveillance of initial therapy for patients with mild stroke

admitted within 4.5 hors of onset. 9th World Stroke Congress 平成 26 年 10 月 22-25

日 イスタンブール トルコ

国内学会口演

1. 塩川芳昭:脳血管外科から入る脳神経外科手術修練.第 2 回手技にこだわる脳神経外科ビデ

オカンファランス,東京,2015 年 1 月 24 日

2. 遠藤晋哉,大和田絢子,岡佐和子,菊池道代,原田亜由美,阿部光世,鈴木亜希子,石田幸

平,脊山英徳,塩川芳昭:脳梗塞患者における離床阻害要因-stroke unit における離床への

介入ポイント-,第 2回杏林メディカルフォーラム,東京,平成 26 年 2 月 16 日.

3. 佐藤敦子,高橋秀寿,平さより,山田 深,岡島康友,塩川芳昭:急性期脳卒中片麻痺患者に

対するIVESの歩行センサーを用いた電気刺激治療の即時効果,第 39回日本脳卒中学会総会,

大阪,平成 26 年 3月 13‐15 日.

4. 脊山英徳:rt-PA 静注療法連続 255 例の治療成績.第 39 回日本脳卒中学会総会,大阪,2014

年 3 月 13 日.

5. 岡村耕一:急性期軽症脳梗塞の抗血小板療法.第 39 回日本脳卒中学会総会,大阪,2014 年 3

月 14 日.

6. 岡田 啓,脊山英徳,鳥居正剛,岡村耕一,山田 深,傳法倫久,塩川芳昭:CEA 周術期にお

ける INVOS の使用経験.第 39 回日本脳卒中学会総会,大阪,2014 年 3 月 13 日.

7. 末松慎也,田中雅樹,丸山啓介,野口明男,佐藤栄志,塩川芳昭:静脈洞血栓症 14 例 診断

を確定し得るまでの臨床,画像所見の検討.第 39 回日本脳卒中学会総会,大阪,2014 年 3 月

13 日.

8. 蛯沢志織,阿部光世,脊山英徳,塩川芳昭:脳卒中ケアユニット開設後の病床運営の現状.

第 39 回日本脳卒中学会,大阪,2014 年 3 月

9. 鳥居正剛:頚動脈内膜剥離術後発生した血管遮断鉗子による総頚動脈解離を認めた 2 症例―

遮断鉗子特性の検討を含め―.第 43 回日本脳卒中の外科学会学術集会,大阪,2014 年 3 月

14 日.

10. 島田大輔,鳥居正剛,脊山英徳,塩川芳昭:3 つのイベントを起こした出血,梗塞,解離の 3

つのイベントを引き起こした真性多血症の 1 例.第 39 回日本脳卒中学会総会,大阪,2014

年 3 月 14 日.

11. 遠藤晋哉,岡佐和子,大和田絢子,菊池道代,原田亜由美,脊山英徳,塩川芳昭,脳卒中患

者における離床センサーの使用実態調査,第 39 回日本脳卒中学会,大阪, 2014 年 3 月

12. 金澤隆三郎,落合育雄,河野和幸,吉原智之,大渕英徳,傳法倫久:Hybrid Neurosurgery

を目指しての 1年目 第 39 回日本脳卒中学会総会 大阪 平成 26 年 3 月

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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13. 金澤隆三郎,吉原智之,落合育雄,大渕英徳,傳法倫久,国吉 昇:急性期脳梗塞~脳血管

内手術による再開通治療:当院の方針 第 39 回日本脳卒中学会総会 大阪 平成 26 年 3 月

14. 小松原弘一郎,佐藤栄志,脊山英徳,傳法倫久,小西善史, 塩川芳昭:当院における急性期

主幹動脈閉塞に対する血行再建の現状 第 39 回日本脳卒中学会総会 大阪 平成 26 年 3 月

15. 岡田啓,脊山英徳,鳥居正剛,岡村耕一,山田 深,傳法倫久,塩川芳昭:CEA 周術期におけ

る INVOS の使用経験.第 23 回脳神経外科手術と機器学会,福岡,2014 年 4 月 18 日.

16. 岡村耕一,脊山英徳,岡野晴子,傳法倫久,山田 深,岡島康友,塩川芳昭,高齢者におけ

るアルテプラーゼ静脈注射療法について.第 27 回日本老年脳神経外科学会 ,新潟,2014

年 4 月 25 日.

17. 木戸直樹,岡野晴子,清水英樹,福岡利仁,千葉厚郎,塩川芳昭:亜急性に好酸球増多を呈

しコレステロール塞栓症と診断した 73 歳男性例.首都圏脳卒中フォーラム,東京,2014 年 5

月 9 日

18. 岡村耕一:日本人の脳梗塞治療を考える.第 9 回富士・玄海 Stroke Conference,福岡,2014

年 5 月 30 日.

19. 藤澤祐基, 岡島康友, 山田 深, 他:片麻痺の麻痺手書字のおける手の遠位・近位運動の分

離性とパフォーマンス.第 51 回日本リハビリテーション医学会学術集会, 名古屋, 平成 26

年 6 月 5 - 7 日.

20. 正木瑶子, 山田深, 仁科彩子, 塩川芳昭, 岡島康友: 90 歳以上の脳卒中患者における急性期

リハビリテーションの帰結. 第51回日本リハビリテーション医学会学術集会, 名古屋, 平成

26 年 6 月 5 - 7 日.

21. 岡村耕一,坪川民治,城下博夫,塩川芳昭,轉石 小百合,松原幸枝,宮東昭彦,川上速人:

フリーラジカルスカベンジャ−,エダラボンによる出血性脳梗塞の抑制,高血糖ラットモデル

を用いた実験.第 14 回日本抗加齢医学会総会,大阪,2014 年 6 月 6 日.

22. 吉田知礼,綾野水樹,傳法倫久,小川有紀,毛利崇人,羽田 裕,岡野晴子,千葉厚郎:左

被殻出血後にパーキンソニズムを呈した 78 歳女性例 第 209 回 日本神経学会 関東・甲信越

地方会 東京 平成 26 年 6 月

23. 原田亜由美,蛯沢志織,阿部光世,根本圭子,大庭みずき,佐藤敦子,石田幸平,間藤翔悟,

綾野水樹,永井健太郎,笹森寛生,阿部泰明,平野照之:クリティカルケア看護公開講座(脳

卒中編),杏林大学医学部大学院講堂,東京,2014年 7月 12日

24. 岡村耕一,佐藤研隆,笹森寛生,鳥居正剛,岡野晴子,傳法倫久,山田 深,岡島康友,塩川

芳昭:CT-MRI Reversed Discrepancy が認められた急性期アテローム血栓症における脳 CT

perfusion 画像 第 33 回 The Mt. Fuji Workshop on CVD 盛岡 平成 26 年 8 月

25. 傳法倫久:脳卒中のチーム医療 内科医である私の血管内治療専門医としての立ち位置 第 8

回東京脳卒中の血管内治療セミナー 東京 平成 26 年 9 月

26. 佐藤研隆,塩川芳昭,鳥居正剛,脊山英徳,岡村耕一:高齢者における STA-MCA bypass 術の

治療成績.第 73 回日本脳神経外科学会総会,東京,2014 年 10 月 9 日.

27. 鳥居正剛,脊山英徳,岡村耕一,小松原弘一郎,佐藤研隆,佐藤栄志,小西善史,塩川芳昭,

頚動脈狭窄症に対する当施設での血行再建術の適応と治療成績.第 73 回日本脳神経外科学会

総会,東京,2014 年 10 月 10 日.

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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28. 小松原弘一郎,佐藤栄志,笹森寛生,鳥居正剛,傳法倫久,塩川芳昭:急性期脳底動脈閉塞

に対する血行再建療法の治療成績.第 73 回日本脳神経外科学会総会,東京,2014 年 10 月 11

日.

29. 吉原智之,金澤隆三郎,大渕英徳,傳法倫久,嶋口英俊,大川原 舞,落合育雄:急性期脳

主幹脳脈閉塞に対する血管内治療の成績 第 42 回日本救急医学会総会・学術集会 福岡 平

成 26 年 10 月

30. 岡村耕一, 鳥居正剛,傳法倫久,山田 深,岡島康友,塩川芳昭:高齢者におけるアルテプ

ラーゼ静脈注射療法について. 第 73 回日本脳神経外科学会総会,東京,2014 年 10 月 11 日

31. 岡村耕一,鳥居正剛,傳法倫久,山田 深,岡島康友,塩川芳昭:高齢者におけるアルテプ

ラーゼ静脈注射療法について. 第 73 回日本脳神経外科学会総会,東京,2014 年 10 月 11 日.

32. 山田 深: 脳卒中の急性期リハビリテーション. 第 9 回リハビリテーション医学会専門医学

術集会, 鹿児島, 平成 26 年 11 月 15 日.

33. 今井大也,佐藤研隆,田中雅樹,永根基雄,塩川芳昭:膠芽腫の放射線化学療法後に発症し

た中大脳動脈閉塞を呈した 1 例.第 43 回杏林医学会総会,多摩,2014 年 11 月 15 日.

34. 川井田善太郎,小松原弘一郎,丸山啓介,佐藤栄志,塩川芳昭:横・S状静脈洞部硬膜動静脈

瘻に対し観血的導入動脈遮断術が有効であった1例.第 43 回杏林医学会総会,多摩,2014

年 11 月 15 日.

35. 笹森寛生,鳥居正剛,小松原弘一郎,傳法倫久,佐藤栄志,塩川芳昭:杏林大学における tPA

静注療法無効例に対する血管内治療の現状.第 30 回 NPO 法人日本脳神経血管内治療学会学術

総会,横浜,2014 年 12 月 4 日

36. 吉原智之,金澤隆三郎,大渕英徳,嶋口英俊,傳法倫久,落合育雄,大川原 舞,国吉 昇:

急性期脳主幹脳脈閉塞に対する血行再建療法の適応と工夫 第 30回 NPO法人日本日本脳神経

血管内治療学会学術総会 横浜 平成 26 年 12 月

講演会

1. 山田 深:ミッションXに挑戦しよう!立川市立新生小学校 JAXA 連携授業, 立川, 平成 26 年

1 月 20 日.

2. 山田 深:月面歩行と転倒予防. 平成 25年度宇宙基地医学研究会, 東京, 平成 26年 2月 7日.

3. 傳法倫久:脳梗塞急性期の血管内治療 塩野義製薬株式会社 循環器社内研修会 平成 26 年

2 月 20 日 国立

4. 傳法倫久:脳卒中診療の実際 ~脳神経血管内治療を中心に~ 第103回府中市薬剤師会定例

研修会 平成 26 年 2 月 26 日 府中

5. 山田 深: Stroke Unit Care と リハビリテーション. ATIS 学術講演会, 相模原, 平成 26 年 2

月 21 日.

6. 傳法倫久:脳梗塞急性期の血管内治療 興和創薬株式会社 社内講演会 平成 26年 3月 26日

立川

7. 山田 深: 宇宙と脳とリハビリテーション. 第 20回道北脳神経懇話会, 旭川, 平成 26年 4月

10 日.

8. 岡島康友: ボツリヌス毒素を用いた痙縮治療の実践.痙縮に対するボツリヌス療法・ハンズ

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オンセミナー, 東京, 平成 26 年 6 月 19 日.

9. 山田 深: 宇宙飛行とリハビリテーション~人類の挑戦~. 第 87 回七栗リハビリテーション

セミナー, 津, 平成 26 年 7 月 2 日.

10. 山田 深: 宇宙飛行士の健康管理から学ぶ運動とリハビリテーション. 平成 26 年度杏林大学

公開講演会, 三鷹, 平成 26 年 7 月 5日.

11. 山田 深: FIM ダイジェスト. 第 4 回看護師・コメディカルのための FIM 講習会【応用編】, 三

鷹, 平成 26 年 7 月 13 日.

12. 傳法倫久:脳梗塞急性期および慢性期治療における時間軸でみた場合の抗血小板療法 ~ア

スピリンを中心に~ 平成 26 年 7 月 31 日 三鷹

13. 石田幸平:第 13 回看護師・コメディカルのための FIM 講習会【基礎編】,三鷹,平成 26 年 7

月 13 日

14. 平野照之:頭痛の imaging. Headache Master School Japan (HMSJ) –Tokyo- 平成 26 年 9

月 7日 千代田区

15. 平野照之:NOAC 時代の脳梗塞連携医療. 第 7回福岡ストローク・ラボラトリー・フォーラム

平成 26 年 9 月 11 日 福岡市

16. 平野照之:脳梗塞再発予防における DTI の意義. 飯塚医師会学術講演会 平成 26 年 9 月 12

日 飯塚市

17. 平野照之:脳梗塞の血圧管理 The lower, “really” the better? 第 10 回高知高血圧と臓

器障害研究会 平成 26 年 9 月 19 日 高知市

18. 平野照之:再発予防のための抗血小板療法 update. Tama Expert Meeting 〜脳卒中治療最前

線〜 平成 26 年 9 月 24 日 WEB 多摩地区

19. 平野照之:心原性脳塞栓症のリスク回避. 大分県北部 Network Meeting 平成 26 年 9 月 30

日 中津市

20. 平野照之:シロスタゾールを活かした脳梗塞治療. 学術講演会(慈恵会医科大学) 平成 26

年 10 月 2 日 港区

21. 平野照之:心原性脳塞栓症:予防と治療の最新動向. 高知県 Care AF 講演会 平成 26 年 10

月 17 日 高知市

22. 山田 深: 宇宙医学とリハビリテーション. 第 4 回南那珂リハビリテーション懇話会, 日南,

平成 26 年 10 月 25 日.

23. 平野照之:心房細動に伴う脳卒中の予防〜抗凝固療法の均てん化を目指して〜. Kyoto

Stroke Summit 平成 26 年 11 月 1 日 京都市

24. 平野照之:NOAC 時代の医療連携,見逃してはいけない脳卒中の兆候. エリキュースインター

ネット座談会 平成 26 年 11 月 4 日 WEB 渋谷区

25. 平野照之:脳梗塞再発予防におけるDTIの意義. 脳卒中連携Forum 平成 26年 11月 6日 福

岡市

26. 平野照之:脳梗塞再発予防における DTI の意義. 第 6 回北海道「脳と循環」講演会 平成 26

年 11 月 8 日 札幌市

27. 平野照之:脳梗塞急性期の 3本の矢. 第4回 Neurology セミナー 平成 26年 11月 12日 大

分市

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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28. 平野照之:脳卒中専門医はどう NOAC を使い分ける? 府中市薬剤師会定例研修会 平成 26

年 11 月 19 日 府中市

29. 平野照之:心房細動に伴う脳卒中の予防〜抗凝固療法の均てん化を目指して〜 エリキュー

ス二次予防セミナー in Gifu 平成 26 年 11 月 20 日 岐阜市

30. 平野照之:心原性脳塞栓症の再発予防〜治療の均てん化を目指して〜 第 32 回日本神経治療

学会総会モーニングセミナー1 平成 26 年 11 月 21 日 東京ドームホテル

31. 平野照之:脳梗塞再発予防におけるDTIの意義. 北多摩南部地区抗凝固療法Network Meeting

平成 26 年 11 月 25 日 武蔵野市

32. 平野照之:心原性脳塞栓症のリスク回避. 大分県県南地区 Network Meeting 平成 26 年 11

月 26 日 佐伯市

33. 平野照之:脳梗塞再発予防における DTI の意義. 京都地区第 4回 Network Meeting 平成 26

年 11 月 29 日 京都市

34. 山田 深: 重力と人間の活動から廃用とリハビリテーションを考える. 第2回西多摩リハビリ

テーション研修会, 福生, 平成 26 年 11 月 30 日.

35. 平野照之:心房細動に伴う脳卒中の予防〜抗凝固療法の均てん化を目指して〜 第 16 回鹿児

島脳卒中地域連携ネットワーク研究会 平成 26 年 12 月 8 日 鹿児島市

36. 山田 深: FIM ダイジェスト. 第 5 回看護師・コメディカルのための FIM 講習会【応用編】, 三

鷹, 平成 26 年 12 月 14 日.

社会貢献

1. 平野照之:こんな時には救急車!脳卒中の治療と連携. 平成 26 年度北多摩南部保健医療圏医

療安全支援講演会 平成 26 年 10 月 31 日 調布市

メディア

1. 塩川芳昭:掲載記事 憂楽帳 家族の病気.毎日新聞 2014 年 4 月 19 日夕刊;7.

2. 塩川芳昭:テレビ出演 医 TV スペシャル 脳卒中治療の現場から 脳卒中の再発予防につい

て. BS 朝日,2014 年 12 月 27 日.

教育活動

1. 平野照之:虚血性脳卒中:病態と治療. 金沢大学大学院医学系研究科・医薬保健学類域医学

類医学部医学科 脳神経外科系統講義 平成 26 年 10 月 8 日 金沢市

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

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院内初期研修医研究発表

1. 福嶋直弥,中心静脈カテーテル抜去時に発症した脳空気塞栓が疑われた 1例

2. 佐藤俊,脳出血・脳梗塞で入院し閉塞性睡眠時無呼吸症候群が判明した 1例

3. 毛利崇人,両側水平性注視麻痺を呈した橋梗塞の 1例

4. 八谷隆仁,上腸間膜動脈解離と皮質下出血を合併した 1例

5. 澁谷裕彦,Wallenberg 症候群を呈した高齢発症の延髄出血の 1例

6. 吉田 知礼,左被殻出血後にパーキンソニズムを呈した 78 歳女性例

7. 新名良広,不随意運動を呈した脳梗塞患者の 1 例

8. 神林孔明,STA-MCA bypass 後に過還流症候群を呈した 1 例

9. 橋本悟,原因不明の脳塞栓症における診断と二次予防

10. 松田昌之,MELAS の 1 例

11. 宮川昌悟,鎖骨下動脈盗血症候群

12. 山田啓文,非細菌性心内膜炎から多発脳梗塞を発症したと考えられる 1症例

13. 小栗典明,発語失行と思われる高次機能障害を合併した脳塞栓症の 1 例

14. 森久保拓,ワーファリンコントロール中に起きた皮質下出血の 1 例

15. 飯島昌平,Trousseau 症候群を伴った卵巣癌の 1 例

16. 石井俊,傍正中橋動脈,レンズ核線条体動脈の BAD の 2 症例

17. 鳥羽麻友子,著しい脳浮腫を合併した脳出血の 1例

18. 國友理恵,塞栓源として上行大動脈に血栓を認めた症例

19. 野田真沙衣,パッチを用いた CEA 後に再狭窄を来した 1例.

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CONTENS 2

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Kyorin University Hospital Stroke Center Annual Report 2014

■■■CONTENTS2■■

項目 執筆者 Page

■病棟指導医の立場から 脳神経外科 佐藤研隆 47

■病棟指導医の立場から 神経内科 田中雅貴 48

■脳卒中センターでの後期研修 脳神経外科レジデント 今井大也 49

■脳卒中センターでの後期研修 神経内科レジデント 栗田瑛里子 50

■脳卒中センターでの初期研修 初期研修医 早坂美保 51

■脳卒中センターでの初期研修 初期研修医 國友理恵 52

■脳卒中センターでの初期研修 初期研修医 野田真沙衣 53

■Stroke Care Unit での看護リーダー業務

病棟看護師 佐久間奈美 54

■Stroke Unit での看護リーダー業務 病棟看護師 藤林亜弥 55

■理学療法士からみた脳卒中センター 理学療法士 田中耕史 56

■言語聴覚士からみた脳卒中センター 言語療法士 間藤翔悟 57

■脳卒中センターに入職して 医療事務 新井優佳 57

■脳卒中センターに入職して 病棟看護師 平松萌子 58

■脳卒中センターに入職して 病棟看護師 内田麻実子 59

■脳卒中センターに入職して 病棟看護師 渡邊友昭 60

■松田杯職場対抗バレーボール大会に参加して

病棟看護師 羽村美穂 61

■2014 年脳卒中センター忘年会 神経内科レジデント 中島昌典 62

■写真で振り返る 2014 年 脳神経外科レジデント 川井田善太郎 64

■編集後記 病棟医長 鳥居正剛 69

目 次

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病棟指導医の立場から

脳神経外科 佐藤研隆

2013 年 9 月より脳卒中センター病棟医として勤務させて頂きました。2013 年の 4 月に大学に戻っ

てきたばかりの私自身が未熟な点も多々あったためネーベンの皆には迷惑をかけたことも多々あっ

たことと思います。この場を借りて謝ります。ネーベンは数ヶ月おきに交代となりますが、皆、少

しずつでも脳卒中診療に対して成長していく姿をみて頼もしく感じています。一緒に仕事をするこ

とで自分自身の至らなさを痛感することが多々ありました。

私自身は親が子供に接するような立場でネーベンに接することにしています。親という字は「立

木の陰から見る」と書きます(本来、親は子供に対してそのような態度であるべきなのだと思います)。

病棟の入院患者さんに対する指示などは、原則としてネーベンがまずは判断から決定までしてもら

います。それを客観的に見てもっといい方法があると考えれば口を出すこともあります。緊急手術

の前立ちも同じスタンスで臨んでいます。

自分自身、さらに努力し頼れるオーベンを目指すつもりですので今後もよろしくお願い致します。

写真左:歴代の 3年目(脳神経外科 1年目)ネーベンと一緒に

写真右:夜間の緊急手術の様子(ネーベンにシルビウス裂開放のコツを指導)

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病棟指導医の立場から

神経内科 田中雅貴

脳卒中は common disease であり、遭遇する頻度の高い疾患です。さらにここ 近の検査・治療技

術の発展が目覚ましい分野です。治療やリハビリテーション介入までの時間が非常に重要であり、

予後を大きく左右します。そのため、診断スピードが要求されます。他科の場合には、専門科へコ

ンサルトするまでの時間も、予後を左右する重要なファクターとなります。

自分の下についた研修医には、まず将来的に何科に進んだとしても使える知識を中心に教えるよ

う、心がけておりました。具体的には、どのような場合に脳卒中を疑うべきか、脳卒中を疑った場

合に行うべき神経学的診察や検査、診断に必要な頭部画像検査の読み方などを研修ローテート期間

で学んでもらうようにしておりました。その上で、実際に脳卒中センターで行っている診察手技や

検査・治療、リハビリテーションを実際の目で見て学ぶことが重要と考えております。

脳卒中患者は複数の背景疾患を有していることが多く、また脳卒中発症後は神経機能障害に伴い、

誤嚥性肺炎など様々な合併症を併発する可能性があります。そのため、脳卒中発症後の全身管理は

非常に重要であり、内科的全身管理を学ぶよい機会だと考えます。

脳卒中センターでは、ローテートする研修医に演題発表の場を設けており、センター全体として

研修医の指導に力を入れております。1つの題目に関してまとめ、文献的に考察するという過程が、

研修医にとって貴重な経験になると考えます。

自分は今までも脳卒中センターへの配属期間がありましたが、H26 年度は初めて指導医として脳卒

中センター配属となりました。月日が流れるのは早いもので、ついこの間まで研修医だった気がし

ております。気づけば学年を重ねており、指導をする立場になっておりました。まだまだ自分は未

熟で学ぶべき事が多くありますが、今後も研修医の立場に立ち、より良い指導を行えるよう精進し

ていきたいと考えております。

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自分は杏林大学病院 脳神経外科入局1年目 今井大也と申します。2014 年 5 月から 9 月の 5 ヶ

月間、脳卒中センターにて研修させていただきました。脳神経外科に入局してからすぐに脳卒中セ

ンターに配属され、その間に主に急性期の脳梗塞、脳内出血を中心に内科的治療に携わりながら、

外科症例を経験して参りました。まだ初期研修が終了して間もない自分にとっては、多忙な毎日で

あり、その日々でも勉強しなければならないことばかりでしたが、大変貴重な経験や知識を得るこ

とができた期間でした。超急性期脳梗塞症例では特に、発症から診断を行い、適切に t - PA 適応症

例か判断し、治療を行うまでの時間をいかに短縮できるかを常に考えて行動しておりました。周知

の如く、1分1秒の遅れが患者の予後を左右する疾患であり、適応をしっかり見極めないと重大な

合併症を呈し、適切な対応をしたとしても合併症が出現してしまうこともあります。5ヶ月間とい

う期間の中でそういった経験した症例の中では、全てが素晴らしく良好な経過をたどったわけでは

ありませんでした。 大限治療を施行した結果、改善乏しく長期臥床の状態になってしまった症例

や残念ながら亡くなられた症例もありました。しかし、意識障害、失語、麻痺といった症状を認め、

救急搬送されてきた症例の中には自分で初療から対応し、治療を担当させていただき、 終的に軽

度な障害のみ残存し退院した症例もありました。

また、残念ながら入院当初では症状が残存し、ADL 低下の著しい症例でも、リハビリや治療を通

して徐々に改善傾向を認め、会話ができていたり、歩いていたりする姿を病棟で拝見できることも

ありました。医師として自分の力不足を痛感することも多かったですが、医療者として治療に参加

したことで、少しでも患者の力になれたことを嬉しく思い、医師としてのやりがいを感じることが

ありました。

初にも申し上げた通り、多忙であり多くの業務を行っていかなければなりません。時には緊急

手術にて深夜から手術室に入室することもありました。しかし、脳卒中の疾患は患者側にとっては、

それからの人生を大きく左右するものであると考えており、そこに少しでも良い方向に導ける助け

ができるのであれば、多忙な事は些細なことであると感じています。

またローテーションすることがありましたら、さらなる技術、知識を身につけ、患者側の力にな

りたいといった思い続けた期間でした。

脳卒中センターでの後期研修

脳神経外科 レジデント 今井大也

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後期レジデント 2年目として、2014 年度は合計 4か月間を脳卒中センターで勤務しています。昨

年と比較すれば多少は慣れたものの、まだまだ未熟な私に、辛抱強くご指導下さった先生方には本

当に感謝致します。

脳神経外科の医師と神経内科の医師が同じ科に属し、病棟では複数の職種が密に連携して医療を

行っているという環境は特殊であると同時に非常に恵まれた状況であると感じています。一つの科

として同じ病棟で仕事をする為、外科の先生に治療のご相談をした際にも情報の共有をスムーズに

行うことができるように思いました。リハビリ科の先生方、療法士の方々による神経所見の評価は

自分の診察の不十分な面を振り返るきっかけとなっています。病棟の看護師さんは、神経症状も含

め患者さんの状態を丁寧に見て下さっており、主治医だけでは見過ごしてしまったかもしれない変

化を教えて頂いたことが何度もありました。MSWの方々はご多忙な中、難しい社会背景の患者さ

んのケースでも限られた時間で転院先の確保に奔走してくださっており、有難く存じます。どの職

種の方々も自分にとって頼りになる先輩であり、大きな心の支えであります。

杏林大学病院に脳卒中センターが設立されて数年、 早、黎明期とは言えないかもしれませんが、

いずれにせよ今後も発展していくであろうこの機関で学ばせて頂けることを大変光栄に思います。

今後ともどうか宜しくお願い致します。

脳卒中センターでの後期研修

神経内科 栗田瑛里子

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私は 2014 年 4 月より 4 週間、脳卒中センター・内科チームにて研修をさせて頂きました。common

disease である脳卒中疾患を経験し、初期対応・その後の管理や二次予防・リハビリテーションなど

を学ぶことは、今後進む科がいかなるものであっても必要となると考えたからです。脳卒中センタ

ーでの業務を通して感じたことは、まず入院患者さんの大半は緊急な状態で入院することになり、

また t-PA や脳血管内治療など急性期の治療を行われた後であることから、状態が思わしくない方が

多いということです。入院後、急性期の状況を乗り越えた後も、連日病棟内では急変への対応が絶

えないといった印象を受けました。さらに心房細動などの不整脈、慢性腎不全による透析、コント

ロール不良な糖尿病・高血圧など様々な基礎疾患を有している方が多く、幅広い内科的知識が必要

であるとも感じました。私がお世話になりましたチームでは傳法先生を中心に、綾野先生、栗田先

生と時間の許す限りミーティングを重ね、患者さんの脳卒中領域のことだけでなく、全身管理に必

要な様々な事をご教授頂き、大変有意義な時間を頂きました。また、脳卒中センターの大きな役割

は、急性期の初期治療であることは間違いありませんが、私が研修をしていて印象に残ったことは、

リハビリテーションを繰り返し社会復帰を目指す患者さんのお手伝いをしたり、一人ずつの 善を

考慮し、回復期病院や療養型病院など転院先を検討・調整するなどといった「その後」の役割でし

た。神経内科・脳神経外科・リハビリテーション科の医師だけでなく、看護師、PT・OT・ST、MSW

などが連携し、患者さん一人一人に向き合っている姿を体感したことで、原疾患の治療のみではな

く社会的背景なども複雑に関わってくる昨今の医療において、医師だけでは乗り越えられない壁を

感じつつ、そういった中でチーム医療の重要性を再確認しました。

後になりましたが、研修医になって初めてのローテーションで、右も左も分からない状態の私

を、熱心に指導してくださいましたチームの先生方、病棟にて御迷惑をかけることしかできなかっ

た私を優しく見守って下さったスタッフの方々に大変感謝しております。脳卒中センターで学んだ

ことを忘れず、今後の医師生活に生かしていきたいと思っております。

脳卒中センターでの初期研修

臨床研修医 1 年目 早坂美保

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私は 2014 年 12 月に脳卒中センターで研修をさせていただきました。

脳卒中という common disease の緊急時に対応ができるようになりたいとの思いから脳卒中セン

ターを選択しました。

実際の診療では、患者さんの病型、問題点を念頭に置きながら治療を進め、それぞれの患者さん

の生活背景に合わせたゴールを考えていく大切さを学びました。

また看護師、リハビリテーションの PT・OT・ST の方々、MSW の方々と意見交換する機会も多

く、チーム医療を実感でき、他の科ではなかなかできない貴重な経験をさせていただきました。

その他、症例発表では簡潔にわかりやすく発表することの難しさを学び、将来の学会発表の練習

となり、毎朝の回診では身体所見の取り方を見

学する機会が多く勉強になりました。

後になりましたが、お忙しい中丁寧にご指

導いただいた岡野先生、中島先生に感謝してお

ります。先生方の患者さんに丁寧に向き合って

いらっしゃる姿はとても印象的で、今後私が診

察する際に思い出して心がけていきたいと思い

ます。

脳卒中センターでの初期研修

臨床研修医 1 年目 國友 理恵

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私が脳卒中科を研修したのは、2014 年 11 月 3 日~11 月 30 日の約1ヶ月間でした。内科と外科で

どちらを研修するか選ぶことができましたが、もともと外科志望であったこともあり外科選択とさ

せていただきました。私がチームに配属した時期には患者さんの数が多く、かなり忙しいものでし

た。週に2回ほど行われる血管造影検査と週1以上の手術・緊急対応、それに加え入院患者さんの

管理を行うことの大変さを身にしみて感じました。

しかし、脳卒中科での研修はとても楽しいものでした。なかでも心に残っているのは、視床出血

で三次に救急搬送され、緊急手術(内視鏡的血腫除去術)となった患者さんです。そのときは毎朝

のカンファレンスの途中に突然、緊急症例が三次救急にきているから来るように、との連絡があり

ました。救急外来に到着し見事な視床出血の画像を見たときには、ゾッとするとともに独特の焦燥

感を感じました。不謹慎かもしれませんが、これから緊急手術だ、という血が騒ぐ感じというのか、

わくわく感があったのを憶えています。そのとき私がやったことといえば搬送の手伝いと麻酔管理

でしたが、緊急事態に少しでも協力できたことを今も嬉しく思っています。

また、まだまだ分からないことが多くありますが、脳神経病変へのアプローチ法を垣間見ること

ができました。知れば知るほどその難しさが明らかになり、自分の中で課題を増やすことが出来た

と思います。

加えて優しく楽しく、ジョークの切れ味のよいオーベンの先生方には多くの励ましを頂きました。

そのために研修全体が楽しいものになったのだと思います。

目の回るような忙しい毎日でしたが、充実した、心に残る研修だったと思います。ありがとうご

ざいました。

脳卒中センターでの初期研修

研修医 1 年目 野田 真沙衣

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脳卒中センターで働くことになり 4 年目になりました。ここでは様々な患者さんと触れる機会が

あり、日々状態の回復を間近で感じることができ、とてもやりがいのある職場だと思います。2年前

の 10 月には私は新たに開設されたSCU病棟の看護師として働き始め、急性期特有の知識について

も学ぶことができました。

この 4 年間を振り返ってみると、一年目の頃はただただ業務に慣れることで精一杯で、脳卒中に

ついての知識も少なく、先輩方にたくさん助けていただいていたことを思い出します。働いてみる

とあっという間に時は過ぎ、今では後輩もでき看護師としては中堅と言われる年代に入っています。

今年度の私の目標はリーダー業務の独り立ちでした。先輩方にフォローしてもらいながらリーダー

業務について学び実践して今では独り立ちすることができ目標は達成できました。しかし、いざリ

ーダー業務を行うと一人では解決できないことや、自分のやるべきことで、いっぱいいっぱいにな

ってしまっていることに気がつきました。ただ業務をこなすことはできていても、それ以上に周り

の働いているメンバーの行動や状況をみて把握し考え動くことはすごく難しいことなのだと感じま

した。目標は達成できても、私はまだまだ足りないことばかりだなと思うので、日々努力し周りか

ら頼られるリーダーになっていきたいです。

これからも周りの方々のサポートに感謝し、成長していけるよう頑張ります。今後も宜しくお願

いします。

Stroke Care Unit でのリーダー業務について

病棟看護師 佐久間奈美

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私は 2012 年 10 月より脳卒中センターへ異動となりました。脳卒中センターで働き出して、今年

で 3 年目となります。異動して、実感することは脳卒中センターでは「チーム医療」を行っている

ということです。以前、働いていた診療科では行っていなかったという訳ではありませんが、脳卒

中センターでは、院内で特にそれを徹底しているのではないかと思います。医師(それも、脳外科・

神経内科、リハビリテーション科とあります!)、看護師(認定看護師もいます!)、リハビリスタ

ッフ(PT・OT・ST)、薬剤師、栄養士、医療ソーシャルワーカー等 一人の患者さんを、それぞれの

スタッフが、それぞれの専門分野の視点でみています。どうしたら患者さん、その家族にとって

も良いのか、毎日カンファレンスを実施し、検討・評価されています。リーダー看護師というと、

病棟看護師の取りまとめを行うイメージが大きいですが、脳卒中センターでは、チームの一員とし

て、チーム医療に携わる多くのスタッフの架け橋になり、情報共有を円滑に行っていくことが必要

だと思います。また、チームスタッフと検討を行う際、対等に意見交換がされるよう、幅広い知識

を持っていることも必要であると思います。

Stroke care unit の専門ベッドも設立され、急性期から慢性期そして社会復帰と、一つのフロア

で一貫して患者さんをみることができるようになりました。急性期のリスク管理から、社会復帰へ

の支援など、様々な知識・技術を深め、より良い医療・看護を提供できるよう、スタッフと共に励

みたいと思います。リーダー看護師として、まだまだ未熟ですが、みなさまの支援を頂きながら成

長したいと思いますので、今後もご指導のほどよろしくお願いします。

Stroke Unit でのリーダー業務について

病棟看護師 藤林亜弥

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私は 4 年前まで東海地方の回復期リハビリテーション病院に勤務していました。縁あって、2011

年に当院勤務となり、2014 年 4 月から脳卒中センター配属となりました。回復期にいた頃は、病態

が安定した方ばかりでしたので、いかに患者さんの ADL を上げるかを考えていました。疾患名に関

しても脳梗塞・脳出血・くも膜下出血程度の分類しかされていなかったように感じます。このよう

なことを思い出すと自分のやっていたこと、考えていたことの浅はかさを反省する次第です。

脳卒中センターでのリハビリ介入は発症日または発症翌日から開始されます。朝カンファレンス

で入院患者の病型診断や治療方針、リハビリ介入の必要性、安静度などリスク管理についてなど、

内容の濃い討議がされています。前職では想像もしなかった充実さです。また、昼にも病棟でカン

ファレンスを行い、患者さんのその日の状態を病棟看護師とリハビリスタッフ、医療相談員、栄養

士で情報交換・共有し、 適な生活が送れるよう日々協力しています。前職で行われていたカンフ

ァレンスは 1 人の患者に対し、月 1 回でした。量的な違いはもちろんですが、日々の病態を朝・昼

のカンファレンスを通じて知ることができ、急性期の日々の変化に対応し得る体制が整っていると

感じます。

急性期からの転帰先として回復期病院があるのは当然ですが、直接自宅退院される方や回復期病

院以外の病院に転院する方など前職では関わることがなかった方が増え、勉強の毎日です。以前に

比べ、患者層が広がったことや地域による違いもあるとは思いますが、単純な「脳卒中・片麻痺」

の患者さんは少ない印象です。軽症で直接自宅退院される患者さん、合併症を多く持つ方や再発で

両側に麻痺がある方など、複雑な障害像を持った患者さんが多いと思います。このような方たちに

自宅生活を見据えたリハビリテーションは重要です。

循環器疾患や糖尿病に対する運動療法は、二次予防としての重要性が示されています。 軽症の

方に限りませんが、再発される患者さんもみられるため、二次予防を踏まえた運動療法の実施が今

後より重要となるのではないかと感じています。

重症の方に対しては、病棟看護師の協力のもと急性期リハビリテーションとしての離床、病棟 ADL

拡大は可能となってきています。また回復期病院に重症の方も転院することが増えているため、急

性期から機能回復をしっかり行っておかなければなりません。今後は、運動療法を実施することに

よって、患者さんが日常的に身体活動・運動が行い易くなるよう努力していきたいと考えます。

理学療法士からみた脳卒中センター

理学療法士 田中耕史

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今年度から脳卒中センターの ST 配属が 1.5 人体制となり、リハビ

リテーションの量的改善がなされました。診療体制の拡充に伴う単

位数の増加だけではなく、カンファレンスや研修会の開催等を通し

て、嚥下障害や高次脳機能障害に関する他職種との連携や知識の共有化を図りました。今後は脳卒

中患者の臨床データの分析を進める等、研究活動を強化していくことが目標と考えています。

学校を卒業し、社会人としてはじめての職場が杏林大学医学部附属病

院 脳卒中センターでした。配属が決まった時は、医療に携わることを

はじめ、病棟の事、事務としての病棟クラークという職種、社会人とし

ての自覚や振る舞い、どれも右も左もわからない状態で不安がとても大きかったことは記憶に新し

いです。

自分の想像していた医療事務は、外来で患者さんを御案内したり、レセプト業務を中心とした職

種と思っていました。しかし病棟クラークの業務では患者さんと関わることがあまり多くありませ

ん。ですが、回復し退院していく患者さんとその御家族をみて「お大事にしてください」と声を掛

ける時、医療に携わっている事を改めて実感します。

現在、脳卒中センターに努めてから二ヶ月が経ちました。初めてナースステーションに入った時

の緊張は忘れません。今でも背筋が伸びます。いざ業務を始めてみると電話一つでも専門用語が飛

び交い、毎日が勉強の日々です。 初の頃と比べてあまり変化はないように思えますが、先輩から

業務や専門知識を教えていただき、皆さんの暖かいサポートもあり、なんとか一日を無事に終える

ことができるようになりました。

少しずつではありますが、丁寧に確実に業務を覚えて早く役に立てるよう努めていきたいと思い

ますので、これからどうぞ宜しくお願い致します。

言語聴覚士から見た脳卒中センター

言語聴覚士 間藤 翔悟

脳卒中センターに入職して

脳卒中センター 医療事務 新井優佳

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私は学生時代にこの病棟で実習させていただき、患者さんが回復する姿を身近に感じられること

に興味を持ち、この病棟を第一志望で出しました。そのため、3-4病棟への配属がわかったときに

は本当に嬉しかったのを今でも覚えています。

研修が終わって部署で働くようになってからは、新しい環境に慣れつつ課題を必死にこなし、想

像以上に忙しい毎日でした。夏頃には同期に遅れをとっていることに焦りを感じ、知らず知らずの

うちにストレスを溜め込んでしまいました。その変化に部署の先輩が一番に気付いて下さり、その

後じっくりと時間をかけて話を聞いていただきました。そして、受け持ち患者の人数を調節したり

業務内容を一緒に見直したりと個別に対応していただきました。また、毎月開かれるチーム会では、

看護技術の習得状況やいま困っていることはないか等を毎回確認していただき、時には私のために

勉強会を開いてくださいました。そのような配慮を受け、少しずつではありますが看護師としての

やりがいを感じながら仕事に取り組むことができています。

そんな中、10 月のはじめに鳥居先生からバレーボール大会のお誘いを受けました。社会人になっ

て部署の先輩や先生方とバレーボールをするとは夢にも思っていなかったので、不安と期待が交錯

していたように思います。ところが、仕事の合間をぬって練習をするというのはなかなか難しいよ

うで、あっという間に試合当日を迎えてしまいました。さらに追い打ちをかけるかのように、試合

開始 30 分前になっても人数が集まらないという状況に追い込まれ、初戦でまさかの棄権も危ぶまれ

ました。が、この状況を阿部師長さんが部署に知らせて下さり、仕事を中断させて駆けつけてくれ

た方々のおかげでなんとか人数も揃い、無事に試合開始となりました。試合は一進一退の攻防が続

き、フルセットまで持ち込まれました。ここで活躍したのが、外国人留学生のピエール氏。片言の

英語でコミュニケーションを取りながらパスを繋いでいきました。 後の 後まで接戦を繰り広げ、

結果は見事勝利!脳卒中センター開設以来、初の一回戦突破を果たしました。

翌日に行われた第二試合は、前日より人数も集まり、多くの方に

応援に来ていただきました。しかし試合は相手の攻撃に圧倒され、

何度も作戦を練り直すことに・・・。1セットこそ奪ったものの、2

回戦敗退という残念な結果になってしまいました。それでも、普段

あまり関わることのない SCU の先輩方や先生方とバレーボールがで

きて、個人的には存分に楽しむことができました。

入職してからまもなく 1 年を迎えます。これまで支えてきてくだ

さった部署の方々や同期への感謝の気持ちを忘れずに、今後は患者さんの回復にもっと貢献できる

ような関わりをしていきたいと思います。そして来年度のバレーボール大会では、3回戦進出を目指

して頑張りたいです。

脳卒中センターに入職して

病棟看護師 平松萌子

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脳卒中センターに入職してから一年が経とうとしています。私は、4月に配属先が発表されたと

きは脳卒中センターを第一希望にしていたのでとてもうれしかったのを覚えています。講義研修を

終え、病棟での勤務が始まり患者さんとの関わりが増えていくにつれ、自分の知識のなさと技術不

足に不安を抱き、 初のころは仕事に慣れず家と病棟の往復の日々、失敗だらけの毎日でこのまま

看護師として脳卒中センターでやっていけるのか、自分は看護師に向いていないのではないかと悩

む日がありました。

そんな中、同期の存在はとても心の支えになりました。悩みを相談すると、私だけが悩んでいる

のではない、という事が解り勇気づけられました。また、病棟の先輩方はわからないことなどを聞

くと丁寧に教えてくれました。初めて患者さんに実施する技術や不慣れなことなどは、相談すると

私が出来るまで一緒に見てくださりとても心強かったです。

脳卒中センターの患者さんは意識障害や失語などの症状がある患者さんがいるので、初めのころ

は上手くコミュニケーションが取れず患者さんが何を訴えているのか理解できないことがありまし

たが、先輩方の関わり方を参考にし、患者さんと長くかかわることで、何を訴えたいのか徐々に解

るようになり、患者さんとの関わりが楽しいと感じ、今では看護師になって良かったと思える日も

増えてきました。

まだまだ、一人ではできないこともあり知識不足を感じることもありますが、ひとつひとつ丁寧

に解決し、周りの方たちに支えられここまでやってこれた事を忘れずに、これからも頑張っていこ

うと思います。

脳卒中センターに入職して

病棟看護師 内田麻実子

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4月より杏林大学病院に入職し、脳卒中センターに配属になり、看護師として新たなスタートを

切りました。 以前は地方の病院で6年間、消化器外科に勤務していました。看護師としての経験

の中で、人と人との関わりや看護の奥深さを少しずつ感じ、理解出来てきていたと思います。 仕

事の中で、患者さん一人一人から学ばせていただく事が多々あり、『生涯学習』という言葉を耳に

する事があります。この仕事をしていく限り生涯かかっても学習し切れないという気持ちが強くな

っていきました。消化器外科では術後管理や急変対応をする中で重症集中ケア・救命救急に興味を

持ち始め、高度救命救急センターを有する大病院への転職を志願しました。

脳卒中センターへの配属は私自身の希望でした。私は脳疾患が苦手分野であり、苦手なところを

今後の強みに変えていきたいと考えたからです。配属前のイメージでは、脳血管内治療後の看護や

血栓溶解療法などのイメージを持っていました。しかし、脳血管障害において切っても切り離せな

いものがリハビリであり、退院後の生活や社会復帰を目指していく事、チームで患者に医療を提供

する重要性を学ぶ事ができたと感じています。脳卒中センターでは医師・看護師のみならずリハビ

リスタッフ・MSWなどの介入も必須であり、また患者自身の退院後のQOLの向上などに大きく

つながっていくことであると実感しています。

入職し 1 年が経とうとしています。知識や技術はもちろんのこと、チームがいかなるものかとい

うことを肌で感じて、日々勉強できていると思います。杏林大学病院の脳卒中センターでは退院が

ゴールであるという過去の私自身の考えは間違っていたと感じました。チームとして他職種それぞ

れが退院後の生活に焦点を合わせて介入している、このチーム杏林脳卒中センターの一員になれた

事をうれしいと感じると共に、看護師としての強みや専門性を持ちチームの中で必要とされる人材

になれるように『生涯学習』していくつもりです。

この場をお借りして、病棟を明るくしてくれる医師やリハビリスタッフ、退院後までの流れを丁

寧に教えてくださる MSW、また何より私を快く受け入れてくださった先輩看護師の皆さんに感謝して

います。今後とも日々たくさんの事を吸収しながら、看護師としてさらに成長していきたいと思い

ます。

脳卒中センターに入職して

脳卒中センター 看護師 渡邊友昭

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脳卒中センターに入職して、もうすぐ 1年が経と

うとしています。はじめは、看護師として無事に成

長していくことができるのかとても不安でした。し

かし、先輩方から知識や技術を丁寧に指導していただき、励みの声もかけていただきながら楽しく

働くことができ、先輩方からのサポートのおかげで、辛いことや苦しいことを乗り越えながら、現

在の段階まで成長することができました。さらに、先輩方と患者さんの関わり方から学ぶことも多

く、私自身、一人一人の患者さんと向き合って仕事をしていることができています。患者さんの現

在の機能でできることをやっていただき、できることが増えていくこと、日々回復していく姿をみ

て患者さんと回復している喜びを感じあえること、また、医師や看護師、リハビリ、クラーク、MSW

などが協力し合って、チームとして働けるこの職場に日々やりがいを感じて現在まで仕事をするこ

とができました。

さて、私はこれから初めて参加をした病棟対抗のバレーボール大会について話していきたいと思

います。まず、人数が集まるかという不安もありましたが、鳥居先生や阿部師長が懸命にメンバー

を収集したかいもあり、仕事終わりでも、仕事が残っていても、休みでも構わず大勢の方々がバレ

ーボール大会に参加しました。脳卒中センターはまだバレーボール大会で 1 勝したことがないと聞

いていました。今年も鳥居監督が中心となって、チームをまとめ、脳卒中センターの職員が一丸と

なって試合に臨みました。今年はバレーボール経験者も増え、また、イタリアからの留学生ピエー

ルも参加し、日本語がわからないながらも積極的なプレーをみせて大活躍しました。さらには、遠

藤さんの痛々しい飛び込みレシーブ、膝を擦りながらも懸命のプレーをみせて、会場を笑いや声援

で盛り上がりました。試合は 3 セットになりました。経験者の看護師 3人がカバーをし合いながら、

3 セット目、相手がマッチポイントをとってもデュースに何度ももちこみ、チーム力で脳卒中センタ

ー初の 1 勝という勝利をつかむことができました。勝利の瞬間は、勝利の実感がなく「勝ったの?」

という言葉があげられましたが、勝利を実感したときは会場が脳卒中センターの職員の歓喜の声で

広がりました。残念ながら、次の試合では負けてしまいましたが、初の 1勝の瞬間に立ちあえたこ

とを嬉しく思っています。

来年は、この脳卒中センターの日々のチーム力で、さらにチーム一丸となって初の 2勝をあげら

れたらと思っています。

松田杯職場対抗バレーボール大会に参加して

脳卒中センター 看護師 羽村 美穂

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2014 年 12 月 22 日に脳卒中科忘年会が吉祥寺第一ホテルで盛大に開催されました。医師、看護師、

薬剤師、リハビリテーション、医療福祉相談室、医事課などチーム医療を支える各職種が、垣根を

越えて参加しました。

開催に先立ち、鳥居病棟医長を中心に各職種から構成された実行委員会が開かれ、忘年会に向け

て準備を進めました。また、毎年恒例の出し物は病棟1年目看護師や研修医を中心とした若手医師、

リハビリテーションが事前から準備してくれました。

当日は冬至という1年で も日照時間が短くて寒い

と言われる日であったものの、1 年で も熱く盛り上

がったのは言うまでもありません。鳥居病棟医長の司

会進行のもと、塩川脳卒中センター長のご挨拶に始ま

り、阿部病棟看護師長の乾杯ですでに会場内は異様な

盛り上がりとなりました。歓談の後、まずはビンゴゲ

ームが行われ、ビンゴ獲得者には豪華景品が送られま

した。次に各種演目が行われました。前述の各チーム

が 2014 年の流行を巧みに取り入れた笑いを誘う内容

の出し物をみせてくれました。

2014 年 脳卒中センター忘年会神経内科 中島昌典

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平野教授が選んだ平野賞には、病棟 1年目看護師に特

別賞が贈られました。徐々園食事券を贈呈されました。

中締めとして平野診療科長からご挨拶を頂き、 後は集

合写真で一次会は幕を閉じました。その後、多数ご参加

頂く形で会場を移して二次会が開催され、さらには三次

会まで開催されたのでした。

脳卒中科の忘年会は、一年を振り返り慰労するだけで

はなく、普段職場で共に苦労を重ねる仲間が縦横の関係

を越えて楽しむというコンセプトが鮮明となっており、

毎年盛り上がりを見せています。それは忘年会を成功さ

せるために、事前から実行委員会が開かれていることか

ら裏付けされます。また、脳卒中診療のハードさからの

開放感がさらに忘年会を盛り上げる一因となっていると言えるでしょう。

2015 年も脳卒中科は様々な変化を遂げていく年となりそうです。各職種が垣根を越えて取り組ん

でいくことで、脳卒中科はどんな困難にも立ち向かっていくことができ、また忘年会で盛り上がる

ことができれば幸いです。

脳卒中忘年会が毎年盛大に開催されることを願い、忘年会の報告とさせて頂きます。 後に脳卒

中科忘年会が開催されるにあたり、当日の当直・夜勤業務に従事して頂いたスタッフの皆さんに、

この場を借りて御礼申し上げます。

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1位.平野教授脳卒中科就任 平野教授&塩川教授

待望の専属の教授が就任されました!!

脳卒中センターの歴史にまた新たな1ページ。

2 位.脳卒中センター バレーボール大会初勝利 !!!!

しかし、この写真が表紙に使われることはなかった…….死闘にすべてを出し尽くした脳卒中センター

は、続く2回戦にウソのようにボロ負けした。 ( スラムダンク 井上雄彦作 第 31巻(完) 参照 )

写真で振り返る 2014 年

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3 位.新人達!!

イタリアからの留学生 ピエールも 含めて !!!

わっかもんを宜しくお願いします。

4位.忘年会

忘年会が世の中の流行を知る唯一の機会です。2014 年は何が流行ったのでしょうか?

誰か教えてください。ダメよー、ダメダメ!!

ひーさん の フラッシュモブには びびったなーー(笑)

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5位.深大寺厄払い

さらなる脳卒中科の発展と健康のために厄払いに行ってきました。

何人かは、婚活成就を願ってましたみたいです。

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ランキング外 スナップ写真

今年も酒に飲まれる 山しん!!

ピエール

ハモニカ横丁デビュー

永井 !?? 田中 & 綾野 コンビ!

誰!? ○法先生???

やっぱり この二人、仲いいよなあーー!! 今井 写り良すぎる一枚

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2015 年

常に進歩し続ける脳卒中センター です。今年も宜しくお願いいたします。

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2014 年にあったこと、各部門の実績をまとめていると、多職種にわたっている当センターを改

めて実感する。実はどこの施設でも同じであろうが、当センターもこれまで 8.5 年間順風満帆なわ

けではなかったように思う。各部署でも数々の衝突を繰り返し、和解を繰り返し、ここまでの実績

を上げてきた。

「ドラゴンボール」という漫画を皆さんご存知であろうか? 主人公の「悟空」は様々な敵と戦い、

仲間にし、強くなるには修業が必要とし、 後には宇宙で一番強い戦士に成長していく。誰もが、

好きで憧れたヒーローである。あの「ベジータ」や「ピッコロ」でさえ 初は敵だったのに、スト

ーリーが進むにつれて、信頼し合う仲間に成長してく。しかも、ベジータに至っては悟空と合体ま

でしている。そんなこんなで読者は、敵同士で戦っていても目指す場所が同じであるなら、やがて

強い絆が出来上がることを実感しながら読み進めていく。

この過程は普段の職場にも共通している。育った環境、技術、年齢、立場すべてが違った人間と

我々は接している。自分の言っていることが上手く伝わらない、反論される、時には理解されるが、

裏切られることもある。志が異なれば、別々の道に進まなければならない。まさに、ドラゴンボー

ルの世界そのものである。

個人的に好きなシーンは、天下一武道会決勝戦の後に優勝賞金を全部使って悟空が、「思いっきり戦

った後は 飯が旨いな—!!」言いながら、とてつもない量のご飯をクリリンと食べているシーンがあ

る。実に幸福そうな笑顔で。

私も、現在の職場で楽しい事、つらい事、腹が立つ事がいっぱいある。2014 年の自分のルールと

して、すべての判断の基盤には、「どう判断したら、この後、心から旨いご飯が食べられるか?」を

決まりにしてから、各時点での判断の適格さが増した気がするし、気持ち的にも楽にこなせた。勿

論、おそらくどっちの判断も正解なのかもしれないし、間違いなのかもしれない。その位、大きく

構えて判断する方が何より楽しい自分がいたし、「悟空」に少し近づけた気がした。2015 年は肥り過

ぎない様に、食事の量は save していこうと思うし、2015 年の新たな自分のルールは次回の編集後記

で記せたら幸いと思う。

かつての修業先の病院から見える

霊峰富士を眺めながら

編集後記

病棟医長 鳥居正剛

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