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2015年 年次報告書 ノルウェー地方金融公社

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Page 1: Annual report 2015 jpn

2015年年次報告書ノルウェー地方金融公社

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ビョルンスレッタ学校ビョルンスレッタは多目的ホールを備えた小中学校である。環境要件を満たす省エネ住宅基準に従い建設された、オスロ市で最初の校舎である。多くの点で、同校は学校に関する将来の建築基準を掲げている。オスロ市にとってKBNは重要な資金調達源である。撮影:トーヴェ・ロールテン

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目次

主要財務数値................................................................................................................ 5

CEOからの御挨拶........................................................................................................ 6

福祉サービスへの融資............................................................................................10

世界各国からの資金調達........................................................................................12

投資の観点からみるノルウェー地方自治体......................................................16

ノルウェー経済の最新情報.....................................................................................18

企業の社会的責任に関する報告..........................................................................20

2015年度 取締役会からの年次報告................................................................26

取締役............................................................................................................................34

2015年度財務書類....................................................................................................37

監査委員会報告書および監督委員会報告書...................................................71

会計監査人報告書.....................................................................................................72

定款................................................................................................................................73

運営組織.......................................................................................................................75

組織................................................................................................................................76

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2015年.年次報告書

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2015年度主要情報

安定的

kr

魅力的な条件で、長期的かつ柔軟な資金調達手段を提供

長期的費用効率が高い

1927年から中央政府により所有されている

費用対効果の高い国有企業

KBNの活動における100クローネの運用にかかる費用は3オーレである

591

学校 介護施設幼稚園

道路

98% 件の新規貸付 のノルウェー

地方自治体がKBNの顧客である

2015年における

42歳

平均年齢女性の割合

8%46% ノルウェー以外の国籍

KBNの職員

AAA ノルウェーで3番目に大きい金融機関最高級の格付

世界各国からの資金調達 309件の.資金調達取引

2015年における

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2015年.年次報告書

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主要財務数値

主要財務数値

(単位:百万クローネ) 2015年 2014年

業績

純利息収益 1,642 1,515

コア利益 1) 1,043 1,026

税引前利益 2,583 673

当期利益 1,870 491

税引後株主資本利益率 2) 20.84% 6.13%

税引後株主資本利益率(コア利益) 2) 11.70% 12.82%

税引後総資産利益率 2) 0.42% 0.12%

税引後総資産利益率(コア利益) 2) 0.23% 0.26%

貸付金

新規貸付金 46,757 42,680

貸付残高 3) 254,421 247,116

流動性資産ポートフォリオ 3) 146,611 155,305

借入金

新規長期借入金 68,644 116,739

発行債券買戻し 2,979 1,753

償還 110,604 108,080

借入金合計 3) 400,894 391,285

資産合計 449,361 455,466

資本 12,202 8,336

自己資本比率(合計) 18.81% 14.53%

自己資本比率(Tier1資本) 16.53% 12.26%

普通株式等Tier1自己資本比率 15.09% 12.26%

1) 税引後の金融商品に係る未実現利益/(損失)の控除により調整した税引後の当期利益。 2) 平均株主資本・平均総資産に対する割合として示される株主資本利益率・総資産利益率の年率。

3) 元本金額。

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2015年.年次報告書

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CEOからの御挨拶

KBNは健全な利益および大幅に向上した資本基盤をもって2015年を終えた。これは、ノルウェーの地方自治体の長期的パートナーたるKBNの能力において重要な部分である。

オスロのある団地で、「未来はかつてのような未来ではない」と白色大文字でグラフィティ(落書き)が書かれた。市民的不服従の行為であるが、このグラフィティ・アーティストは正当な指摘を行っていた。明らかな例外は少しあるが、ノルウェーについての見通しは、今世紀になって現在まで安定していた。現在、より困難な局面に入っていく兆しがあり、我々はこの先の変化に備える必要がある。

ノルウェー経済の成長予想は下方修正された。石油価格の低さが石油関連産業にマイナスの影響を及ぼした。同時に、ノルウェー・クローネ安が伝統的な輸出産業には追い風となった。ノルウェー経済における分かれ目が次第に鮮明になっている。

ノルウェーの人口は、他の大半の欧州諸国よりも急速に増加し続けている。2015年、ノルウェー企業連合は、次世代のノルウェー人人口を表現した「#7. million」と呼ばれる年次会合を招集した。2015年はまた、ノルウェーへの難民の流入により将来的に多大な資源が必要となることが明確になった年でもあった。ノルウェー人が増加し、そして我々が長生きをするほど、福祉サービスへのニーズが増えていく。

地方自治体の改革がもうすぐ始まる。2016年、地方自治体の構造の主な特徴が明らかとなり、我々は、数が減少した市町村および県の当局を主として形成される新しい予想図を目にするだろう。

同時に、ノルウェーは低炭素社会になりつつある。これは環境面で大きな前進をもたらすことになるが、そこに到達するには大きな投資が必要となってくる。

これらのすべての要因を考え合わせれば、地方自治体による多大な投資ニーズが将来的に生じ続けることは明らかである。幸いにも、我々は、財政的な対策の余地がかなりあり、また、より厳しい時期の影響に対処するために経済・金融政策が積極的に採用されている国に住んでいる。同時に、石油価格の下落により、国の石油収入が国家予

算の一部として支出されたオイルマネーを下回る時期が早まってきている。対策の余地が狭まる中、我々は、よりスマートに業務を行う必要がある。KBNの任務は、地方自治体が資金調達を必要とする際に最大限低い費用で資金調達にアクセスできるようにすることである。このことにより、国は、国がKBNに投下する金額の代わりに、最大限の福祉サービスを届けることを可能とし、また地方自治体は、地方自治体が法律で提供を義務づけられる福祉サービスを届けることができるのである。

KBNは、企業の社会的責任の一環として、地方自治体のレベルで慎重な財務管理に取り組んでいる。長期貸付が我々の主要商品であるのはこれが理由である。貸付の年限は、KBNが資金を融資する投資の残存期間に当然近似するものである。ますます多くの市町村および県の当局が、その投資の資金の一部を調達するために資本市場を利用することを選択しつつある。資本市場はKBNのような国有公社には重要な補完であるが、資本市場の利用は、地方自治体をより大きな借換えリスクにさらすことになる。短い年限の貸付は頻繁に借換えを行わねばならず、流動性状況の変動は、資本市場における不安に対して融資先に損失を被りやすくさせる可能性がある。2015年下半期には、地方自治体が発行した証書貸付に係るスプレッドに顕著で急激な拡大がみられた。

ノルウェーおよび諸外国での金融不安にかかわらず、KBNは2015年には予想よりもかなり堅調な利益を記録した。これは我々のモデルがうまく機能していることを示している。

健全な利益は、地方自治体の将来の借入需要を満たすためにKBNがその能力を構築するために重要である。銀行部門が強化された自己資本比率要件に直面している時に、高水準の利益がKBNが必要とする資本をもたらした。(これら資本要件を満たす方法として)我々には貸付の範囲を大幅に縮小するという別の選択肢も可能性としてある。ただし、将来の地方自治体の投資ニーズを考慮すれば、これは実行すべき道ではない。

我々は、地方自治体が法律で提供を義務づけられる福祉サービスのための資金を調達しており、我々の顧客層は非常に安全な融資先で構成されている。しかしながら、我々は、商業銀行が全く異なるリスク・プロファイルを有しているにもかかわらず、商業銀行と同じ規制の対象となっている。これは難しい問題であり、またノルウェーがこの点で欧州の他の多くの国と異なっていることを意味する。

欧州および諸外国においてますます多くの国が、安定した合理的な条件での資金調達へのアクセスの必要性から、地方自治体のための特別な貸付機関を創設しているところである。当局により設定された銀行自身の収益率要件および資本要件により、従来型の銀行は、地方自治体における利鞘が低い顧客を魅力的な融資先とみなさなくなっている。これにより、結果として金融危機以来ずっと、市町村および県の当局向けの借入市場では、分野別政策上の委託を受けた公有の特別な金融機関が主役となっている。もっぱら地方自治体に貸付を提供するこの種類の貸付機関を、規制の観点から従来型の銀行と区別するために、フィンランドおよびオランダ等の国の当局は、地方自治体に貸付を行う自国の機関を「促進的な銀行」として定義することを選んでいる。KBNと同様に、促進的な銀行は、各国の当局により100%公有されており、当該銀行に対して、違法となる「国家補助の禁止」は適用されないとする欧州委員会の解釈に従って、それらの貸付活動は公共部門の自己金融活動とみなされている。促進的な銀行の状況は、当該機関が異なる規制の対象とされたことで、その顧客、つまりは地方自治体がより低い費用で資金を借り入れることができる結果となっていることを示している。..

クリスティーネ・ファルクゴール社長兼最高経営責任者(CEO)

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ベルゲンの路面電車2010年以降、KBNは路面電車の3つの施工段階の資金調達を支えてきた。ベルゲンの公共交通機関で気候配慮型の柱である路面電車が、多くのバス路線に取って代わり、より多くの住民が車を使わず家に置いておくようになった。

撮影:ポール・シグベ・アムンゼン

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KBNによる融資が、地方自治体にとって魅力的な資金調達源である理由は主に2つある。第一に、KBNは、それぞれの借主の個別の要求を満たすよう組み立てられた柔軟な融資を提供することが可能である。KBNは、元本の分割返済を最長で10年不要とすることを含め、3ヶ月から40年の期間にわたる融資を提供することができ、貸付期間変更が容易にできる。

第二に、すべての借主が同じ魅力的な金利による利益を享受している。ノルウェー最大の資金貸付機関の一つとして、またAAAの格付を有することで、公社は大小それぞれの事業に対し急な融資依頼にも合理的な条件で対応することができる。ノルウェーの地方自治体の規模はそれぞれ大きく異なり、居住人口が1,000人未満から数十万人規模の大きな地方自治体まで様々である。しかし、いずれの地方自治体も低リスクであるという点で共通しており、したがってKBNは大小それぞれの地方自治体に対し、同様の金利およびその他の条件を適用している。

福祉サービスへの融資

地方自治体による投資は、本来長期である。このような種類の投資は、長期的に融資されるべきであるとKBNは考えている。したがって、年限の長い分割返済付貸付金はKBNの主要な商品である。地方自治体によっては、代わりにはるかに短い年限の元本の分割返済のない資金調達を選択し、満期を迎えた際に全額を借換えているところもある。KBNは、顧客の要求に応えることを目標としており、そのためより頻繁な借換えが必

要となる年限の短い融資商品もまた提供している。

地方自治体による借入れの継続的な増加をもたらす要因は、人口構造の変化、未着手のメンテナンスが必要な案件、気候変動の影響および政策の変更による新たな要件に対応するための、福祉サービスの提供を拡大するために引続き必要となる大規模な投資による直接的な結果である。ノルウェーの人口構造は変化している。ノルウェーでは、平均寿命の延び、比較的高い出生率および移民流入により人口増加が起こっている。2050年までの期間において、人口に占める高齢者の割合は増加すると考えら

れる。しかし、人口の年齢分布の変化は、南ヨーロッパのいくつかの国々と比較すると穏やかであると予想される。そうであったとしても、かかる変化により大半の地方自治体は、老人福祉への投資支出を増加させざるを得なくなる。

地方自治体の新聞であるコミュナル・ラポート(KOMMUNAL. RAPPORT)では、ノルウェーの428市町村のうち200が、2015年度末に、将来の構造に関する交渉に参加したと報告されている。政府の目的は、より大規模でより堅調な地方自治体を形成する地方自治体部門の改革が、2017年に行われる選挙までにノルウェーの国会により承認されることである。規模が大きな地方自治体は責任がより広範囲となり、投資需要がより多くなる。規模が大きな地方自治体は借入額がより多くなり、より専門的な財政機能を運用することができる。したがって資金調達源に対するさらなる需要が発生すると考えられる。KBNは、常に地方自治体の責任および要求に合わせて公社の事業を適応させている。これは、今後も継続していく予定である。

絶え間ない社会変動、気候変動および変革を続ける世の中で、地方自治体は、将来の借入れにより調達される新たな投資支出の継続的な需要に直面することになる。KBNは、88年間にわたり長期資金の提供による地方自治体への支援を行っており、今後も継続することに尽力していく。

公社は大小それぞれの事業に対し急な融資依頼にも合理的な条件で対応することができる。.

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ソールランドの大型帆船

「SSソールランド」は世界で最も古い稼動中の大型帆船である。長さ65メートルのマストを3本持つ船は1927年に建造され、航海術の研修を提供している。建造以来、何万人もの若者たちが船上研修を受けてきた。

今日、大型帆船では高等教育を提供している。学生たちは2年間で22ヶ国を訪れ、その一方で同時に、世界中のトップクラスの大学やカレッジへの入試に向けて準備している。

新たな規制要件に従い、この大型帆船の修復の資金はKBNからの融資によって調達された。

撮影:フルリッゲレン・ソールランネ

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世界各国からの資金調達

KBNは、ノルウェーの地方自治体全体の借入需要を取りまとめており、そのため世界中の主要な投資家および重要な資本市場にアクセスすることができる。これにより、KBNは妥当な資金調達への良好なアクセスが可能となり、同様に自身の顧客に対し低い金利を提供することが可能となる。

KBNは、預金を受け入れないという点で銀行と異なる。KBNが地方自治体に貸し出す資金はすべて、資本市場における債券発行により調達される。KBNは現在、国際市場におけるノルウェー最大の発行体である。KBNに対するムーディーズおよびスタンダード&プアーズによる最高級の信用格付(Aaa/AAA)は、KBNの債券に対する強い需要を創出し、またKBNが低い資金調達コストを達成していることを保証するものである。

地方自治体に対する安定した資金調達源となるため、KBNはいかなる特定の市場においても市況に左右されないことを確実にしなければならない。KBNの資金調達プログラムは、全大陸において、多様な投資家との間で、各国の中央銀行から個人投資家に至るまで、その活動を展開している。

KBNは、過去に多くの調達資金を日本円、米ドルおよびその他様々な通貨で調達している。

グリーンボンドKBNは、2010年からグリーン資金を調達している。最初の数年間、KBNのグリーン資金調達は、ユーロ債売出市場を通じて日本の個人投資家を対象としていた。KBNは、2013年に500百万米ドル建3年債の起債を行った際に、グリーンボンドを初めて起債したノルウェーの発行体となった。KBNは、2015年に500百万米ドル建10年債の起債にて2件目となるグリーンボンドの起債を実行し、その野望は、今後数年の間にグリーンボンドを定期的に起債することで

ある。KBNは、2015年において、2件のグリーンボンドをオスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場した。そうすることにより、KBNは、ノルウェーおよび外国人の投資家の気候配慮型投資の選択に向けた資本市場の発展に寄与したいと望んでいる。.

南北アメリカ..4%

日本..49%

欧州..19%

米国..15%

アジア(日本を除く)..8%

2015年度 借入金合計投資家の地理的分布

オーストラリア..2%

ニュージーランド..2%

中東..1%

ブラジル・レアル..3%

米ドル..46%

豪ドル..7%

日本円.35%

ニュージーランドドル..4%

2015年度 借入金合計通貨別

その他..3%

インドルピー..2%

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グリーン証券取引所KBNは、2015年において、2件のグリーンボンドをオスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場した。そうすることにより、KBNは、ノルウェーおよび外国人投資家の気候配慮型投資の選択に向けた資本市場の発展に寄与しようと努めている。

撮影:オスロ証券取引所

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撮影:トールン・ブローノ

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オーデゴーエン幼稚園.昨年、オッペゴール市の最も新しい住民の一部が同市の最新の建物、すなわちオーデゴーエン幼稚園に移転した。レンガ造りの建物は街路からは飾り気なく見えるが、未来の建物の実現に何歩も近づかせるようなソリューションを含んでいる。暖房と冷房の源は地中のエネルギー井戸である。温水式床暖房およびバランスのとれた換気装置シテムによって、エネルギーが建物に循環される。

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そのため、石油価格の下落に起因する景気減速は、今までのところノルウェーの地方自治体の財政に対してはほとんど影響を与えていない。公社は融資機関として、ノルウェーの地方自治体が学校、保健および医療サービス、水道および廃水事業、道路、文化活動ならびに幼稚園等の重要な福祉事業に投資し、かかる事業を提供する能力に寄与している。

地方自治体は投資家にとって安全であるノルウェーの地方自治体は、世界で最も豊かな国の一つとして享受している調達資金により、投資の観点からみると非常に低リスクである。地方自治体は、地方自治体法によ

れであることを意味している。公社は、存続してきた90年間、地方自体に対する貸付において損失を被ったことはない。そのため、実際のリスクの水準を見積るのは困難である。しかしながら、支払の延滞のリスクは非常に低く、最も安全な国債に関連したリスクに匹敵する水準にあると言うことができる。

なぜならば、ノルウェーの地方自治体は、その歳入の約60%が中央政府からの直接交付金により構成されており、大部分が保護されているため、今までのところ景気減速による影響はほとんど受けていない。今までのところ地方自治体は、失業率の上昇に起因する所得税収の減少分は、国家予算に定めら

投資の観点からみるノルウェ.ー地方自治体

世界で最も豊かな国の一つとして享受している調達資金により、ノルウェーの地方自治体は、投資の観点では非常に低リスクであると見なされている。ノルウェーの地方自治体は、経済循環にかかわらず安定的な融資にアクセスすることができ、また、借入に係る厳格なガイドラインに服しているため、景気悪化に対処し得る底堅さを有している。..

り規制される厳格な予算、会計および借入の要件を遵守しなければならない。また、地方自治体が借入を通じて融資できる対象に関する要件も存在し、かかる対象は主として教育、幼稚園および介護施設等の中枢的な福祉サービスを提供することに限定されている。

地方自治体法は、地方自治体が自らの破綻を宣言することができないことを規定しており、地方自治体が財政難に陥った場合は、ノルウェー自治改革省を通じて行為する国の当局による厳重な監督の下、赤字予算により対処される。これは、地方自治体が負債を返済することが困難になることは極めてま

20.%

18.%

16.%

14.%

12.%

10.%

8.%

6.%

4.%

2.%

0.%

営業収益に対する営業費用の割合(左軸)

営業収益および利息収益に対する営業費用および利息費用の割合(左軸)

営業収益に対する債務(年金債務を除く。)の割合(左軸).

営業収益に対する投資の割合(右軸)

営業収益に対する利息費用の割合(右軸)

ノルウェーの地方自治体の主要な財務指標、2004年-2014年.出典:ノルウェー統計局

0

20

40

60

80

100

120

201120072004 201220082005 201320092006 201420100 %

20 %

40 %

60 %

80 %

100 %

120 %

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2015年.年次報告書

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2005年から2014年の間における地方政府当局の歳入の年間成長率は、実質ベースで毎年約2.6%であった。これは、地方自治体の税収の増加をもたらした大幅な人口増加に一部起因している。

ノルウェー本土のGDPに対する割合の観点から、近年の地方自治体の歳入は比較的安定しており、歳入の増加に従って活動の水準も高まっている。2016年度国家予算によると、2015年における地方自治体の歳入は、実質ベースで9十億クローネまたは2.2%増加した。2016年における歳入もまた、実質ベースで7.3十億クローネ増加すると予想されている。地方自治体の活動の水準は、その歳入が徐々に増加したのとほぼ同様の割合で増加した。今後もさらなる歳入増加が予想されており、地方自治体のサービス提供のさらなる発展に役立つと考えられている。

地方自治体による投資の水準は、その歳入の割合に対して高く、過去2年間において実質ベースでの投資は増加した。地方自治体による純投資は、2015年における地方自治体の歳入の約14%に達し、上半期における投資は2014年同期よりも1.7

%増加した。2015年における地方自治体の職員数は、2014年と比較して安定していた。

コンサルティング・エンジニア協会による「2015年のノルウェー王国」報告書により、地方自治体の建築に関連する未着手の投資がかなり多く存在することが判明した。これを踏まえ、またノルウェーの人口が力強い成長を続けることが予想されるため、地方自治体による投資は今後も増加していくとの見方がある。

地方自治体経済の発展

れた直接交付金を通じて補完される。

さらに、資産合計においてノルウェーで3番目に大きい金融機関として、公社はノルウェーにおいてシステム上重要であると判断されており、そのため厳格な追加的自己資本比率要件に服している。公社がこれらの自己資本比率要件を遵守することは、地方自治体の借入と資本市場における公社の債権者との間の追加バッファーとして機能している。これにより、投資の観点からみるノルウェーの地方自治体に関連するリスクがさらに低減し、ノルウェーの地方自治体に対する貸付により第三者が損失を被るリスクは、事実上存在しないとみなすことができる。つまり、より安全に投資ができる分野がわずかに存在するということである。

ノルウェーの地方自治体の組織構造地方自治体は、地方レベルで住民の要望に応じる責任を負う行政機関の一部である。地方自治体における活動の水準は、その大部分が、ノルウェーの国会により国家予算において毎年設定される歳入配分によって管理されており、中央政府は、地方自治体に委任された責任が、地方自治体が利用可能な資源と一致していることを保証しなければならない。既存の法律および規制の範囲は、地方自治体自身が、利用可能な歳入配分に従っ

て資源の利用およびサービスの生産の間の効果的なバランスを確保することに対し責任を負っていることを意味している。

地方自治体は、ノルウェーにおける福祉サービスのかなりの割合の提供に対し責任を負っており、責任を担う分野は着実に増加している。地方自治体は、幼稚園、小学校、初期医療サービスおよび老人福祉等の重要な公共福祉制度に対し融資を行っている。そのため地方自治体はかなり大きな雇用主であり、従業員数の観点では、現在ノルウェーで雇用されている労働者の20%弱に相当する。

ノルウェー政府は、より強い権限を委任し、より強固な地方自治体の創造を促進することを目的とした地方自治体の改革プロセスを開始した。ノルウェーは現在、他の多くのヨーロッパ諸国の場合と比べ、より包括的な地方政府当局の中央政府による管理を行っている。長年の間、かかる中央政府による管理がかつてないほどきめ細かくなる傾向が続いており、これと同時に、地方自治体は福祉サービスに関しかなり多くの責任を担っている。政府による地方自治体の改革は、地方自治体に対しより大きな権限および責任を委譲することを可能とする。この目的は、地方自治体が個別の課題によりよく対処できるようにし、地方自治体が提

供するサービスの幅をさらに広げられるよう、より効率的な資源利用を促進することである。

上記の記事は、KBNのためにメノン・ビジネス・エコノミクスにより執筆された。

•.ノルウェーは、19の県(fylker)に分かれており、県はさらに428の市町村(kommuner)に分かれている。

•.多くの地方自治体が比較的小規模である。過半数(287)の市町村が人口5,000人未満であり、12の市町村が人口50,000人超である。

•.2015年における地方自治体の総歳入は、2014年から実質ベースで2.2%増加し、400十億クローネをわずかに上回った。

•.地方自治体は、ノルウェーの労働人口の約5分の1を雇用している。

•.地方自治体は、保健および医療サービス、教育、輸送ならびにインフラストラクチャーなどの福祉サービスに対して責任を負っている。

•.県および市町村は、中央政府による厳重な管理、規制および監督を受けている。

•.県および市町村は、自らの破綻を宣言することができない。

ノルウェーの県および市町村

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ノルウェー経済の最新情報

しかしながら、石油産業が経済において最も重要な存在であることから、2015年のノルウェーの全体的な景気は、成長率の低下および失業率の増加により、不本意なものであった。しかし、2015年に業績が低迷したにもかかわらず、見通しは真っ暗ではない。ノルウェー経済は、ノルウェーの力強い公共財政により特徴付けられており、拡張的な財政政策および金融政策はそのマイナス影響を軽減させる。また、伝統的な産業における輸出の増加は、将来本土の経済への投資が増加することへの期待を生み出しており、多くのエコノミストは2016年度末から2017年にかけて上向きの予測をしている。

世界経済の緩やかな成長および石油価格の低さは、2015年のノルウェーの経済成長への妨げとなった。近年の傾向とは対照的に、現在石油関連産業が奮闘している。これにより、ノルウェーの南部および東部地域が特に奮闘している一方で、伝統的な産業が存在する他の地域においては、以前より好ましい市況にある。

地理的な大差を有しながら、失業率は上昇しているノルウェーにおける失業率は、2015年にわずかに上昇し、その平均は2014年の2.8%から2015年の3%へと推移した。失業率は上昇したものの、その水準はノルウェーの

多くの貿易相手国のものよりも引続き著しく低い水準にある。ノルウェー国内における地理的な差は今や顕著になってきている。失業率の上昇は主として、特にノルウェー南部のオストアグデル県からノルウェー北西部のモーレおよびロムスダル県にかけての海岸沿いにおける石油部門および関連産業における余剰人員の解雇および一時解雇に起因する。ノルウェーのその他の地域の失業率は、比較的依然として安定しており、オスロおよびノルウェー北部の内陸部においては、失業率は実質的に減少した。失業者の多くは、他の産業にとって魅力的な教養の高い労働者である。失業者数と余剰人員の解雇者数および一時解雇者数を比較すると、その数値から、大半の者が新しい就職先を短期間で見つけていることが示される。

ノルウェーにおいて住宅価格は上昇しているが、スタヴァンゲルでは減少している2015年、ノルウェーにおける住宅価格は、平均で5%上昇した。ノルウェー経済における溝は、住宅価格へも影響を与えている。オスロでは、住宅価格が2014年12月から2015年12月の間に10%の上昇に達した。これは、部分的には当該期間における活動水準の上昇によるものではあるが、国全体における構造的変化にも起因する。ノルウェーの人口集中は現在急速に加速してい

ノルウェーにおける本土の経済および石油関連産業との間の溝は、2015年により一層顕著となった。石油価格の低さは、石油関連産業へマイナスの影響を与えたが、それと同時に大幅なノルウェー・クローネ安を引き起こした。これは、水産食品および製造業等の伝統的な輸出産業へより多くの利益をもたらす。..

ノルウェーは教養の高い人口と豊富な天然資源を有する、小規模な開放経済国である。ノルウェー経済の特徴は長期的に安定していることであり、ノルウェーは、一人当たりのGDPが世界でも最上位の国の一つである。

一般に石油基金として知られる政府年金基金-グローバルは、長年にわたり安定的にプラスの利益を生み出しており、また、石油基金を含む政府の財政黒字はGDPの10%を超えている。

石油部門は、ノルウェーの基幹産業であるが、多様な産業構造によりノルウェー経済は複数の基軸を持つことができる。ノルウェーが国際的に重要なプレイヤーである産業には、商船、金属生産および漁業が含まれる。

ノルウェーの失業率は低く安定した水準にあり、ノルウェー統計局は過去10年間の労働人口における失業率が平均2.5%であったと報告している。ノルウェーの人口増加率は主に移民により高水準となっている。

これは、その他の産業が生産的で高度な技術を有する労働人口を利用できる機会が増えることから、その他の産業へ恩恵をもたらしている。また、失業者の大部分は、出身国に戻ることを選択する経済移民である。これは、失業率への雇用喪失の影響を軽減させる。.

ノルウェー経済

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るにもかかわらず、住宅需要の最も高い地域の多くにおいて建設のペースが遅れており、それにより、多くの大都市圏において価格上昇圧力が加わっている。対照的に、石油関連産業地域では、住宅価格が低迷またはマイナス成長となっている。スタヴァンゲルでは、2015年に価格が5%超下落した。ノルウェーおよび個人経済における予測値の低下は、潜在的に将来の住宅価格の成長の弱まりへとつながるが、実質金利の低下はその逆の方向へと作用し、潜在的に継続的な価格の上昇を生み出す。.

消費の増加2015年、消費は下半期においてその成長が弱まったものの、継続的に成長した。しかしながら、消費意欲の指標は低下し、現在その水準は経済危機の際と同水準にある。これは、実質賃金の上昇率の低下と関連して、将来消費の成長率が鈍化すると考えられる根拠があることを意味するが、差し当たり消費が鈍化したのはスタヴァンゲル周辺の地域のみである。低い借入コストは、2016年において実質可処分世帯所得の成長を助け、これはノルウェーにおける消費の伸びを促す。

クローネ安による伝統的な輸出の増加石油価格の低さは、ノルウェー・クローネ安を招き、これは伝統的な輸出産業へプラスの推進力を与えた。その一例として、特にヨーロッパ諸国への水産物輸出高は2015年において著しく増加した。石油輸入国も石油の安値から恩恵を受けている。この結果、ノルウェーの伝統的な輸出製品およびサー

ビスへの需要が高まっている。今後もノルウェー・クローネ安が続く可能性が高いことから、より多くの伝統的な輸出が引続き力強く成長することが期待できる。

見通しノルウェー経済は順応性があり、ノルウェーの堅固な公共財政により特徴付けられている。より拡張的となった財政政策および金融政策は、既に経済へ一定の刺激を与えており、かかる政策は将来引続き積極的に追求される。また、伝統的な輸出の増加は、ノルウェー本土の経済への投資水準を増加させる期待を生み出している。これらの理由により、ノルウェー統計局は、活動性のより強い成長および失業率のわずかな減少により、2016年度末に向かって経済状況の改善を期待している。

個人消費

公共消費

総固定資本形成

  ノルウェー本土

輸出

  原油および天然ガス

  伝統的な製品

GDP

GDP.-ノルウェー本土

失業率(%で示される値、ノルウェー労働福祉局)

消費者物価指数

経常収支の黒字(GDPに占める割合)

2.32.6-2.71.63.42.05.41.81.52.82.28.0

1.53.50.65.02.40.74.21.72.03.02.87.1

2015年............... ..2016.年

2015年の主要なマクロ経済指標および2016年の予想.前年度からの変化率

(出典:ノルウェー統計局およびノルウェー労働福祉局)

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企業の社会的責任に関する報告.

公社は、環境問題、倫理問題および社会的問題に適切な注意を払うことのできる責任ある方法で事業を行うことにより、持続可能な社会の発展および長期的な価値の創成に貢献する責任を認識している。

KBNは、関連する法的要件、株主の期待およびどの分野が重要であるかの分析を、自身の企業の社会的責任報告の基礎としている。

KBNの取締役会は、KBNの企業の社会的責任報告を承認し、すべての重要な話題が扱われていることを確実にしている。これには、毎年見直しが行われる、関連する目標および措置が含まれる。

利害関係者KBNは、2013年に利害関係者の徹底的な分析を実行し、その中で、KBNの利害関係者との継続的な対話について責任を負うすべての管理職および従業員により代弁された。かかる分析は、KBNの最も重要な利害関係者を特定するために利用され、KBNの顧客、KBNの株主、当局、投資家およびKBNの従業員が特定された。

企業の社会的責任は、取締役会の2015年における自身の業務の評価の一部として検討された、いくつかのテーマのうちの一つであった。かかる自己評価の結果により、取

締役会が企業の社会的責任をKBNの長期戦略における4つの優先される分野の一つに設定することにつながった。

KBNは、2015年に企業の社会的責任分野におけるさらなる取組みへの戦略および計画を自身の株主に対して発表した。KBNの2016年に向けた計画は、KBNの最も重要な利害関係者との企業の社会的責任に関する対話をさらに発展させ構築することである。

提携先•. 国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則

•. フルダル市、サステイナブル・バレー・フェスティバル

•. トランスペアレンシー・インターナショナル(TI)

•. ゼロエミッション資源機構(ZERO)

優先される分野ノルウェー会計法には、企業の社会的責任報告が取締役会の責任であり、年次報告書に関して取締役会が提供した署名による承認は、企業の社会的責任報告書にも適用さ

れることが規定されている。ノルウェー国家はまた、国有企業が「目標達成への重要な課題、目的および指標を含む、企業の社会的責任に関連する取組みを報告する」ことを期待している。

公的保有に関する政策についての白書(白書第27号、2013年-2014年)は、国有企業の企業の社会的責任に関する報告義務をより詳細に定めており、政府は国有企業に対し、4つの主要な題目分野である気候および環境、人権、従業員および労働者の権利ならびに腐敗防止に関する情報を提供することを期待している。

KBNの活動は、オスロ市中心部に位置するオフィス業務に限定されている。KBNの企業の社会的責任における優先される分野は、その活動の規模および性質に基づいている。取締役会は、KBNの企業の社会的責任への2015年の取組みにおける優先される分野は、以下のとおりであることを決定した。・気候および環境・倫理規定および腐敗防止・社会、多様性および平等性

KBNの企業の社会的責任のための承認されたガイドライン

書類 承認された年 承認先 扱われる分野:

マネーロンダリングに関する補完的ガイドライン

2015年 CEO マネーロンダリング

多様性および平等性に関する一般的ガイドライン

2015年 取締役会 性別のバランス、管理職の採用、差別禁止

行動規範 2011年/2014年 取締役会 倫理規定、差別、ハラスメント、いじめ、利益相反、副業、顧客およびサプライヤーとの関係、内部情報、マネーロンダリング、腐敗、報告、内部告発、贈答品およびその他の利益、個人的取引および薬物乱用に関する一般的なガイドライン

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気候および環境KBNの二酸化炭素排出量は限られている。それ故に、KBNの排出およびエネルギー消費を改善する潜在力は限られている。しかし、我々は、自身の資金調達活動および貸付活動により、気候変動および環境に関して変化をもたらすのに良好な状態である。グリーンボンドの起債およびグリーン事業のための資金提供は、重要性を増すKBNの中核活動の一部を象徴している。

公社は、地方自治体が気候配慮型投資事業を引き受けることを促進するために設計された、独立した貸付商品を提供している。この商品の「グリーン変動金利」は、公社の通常の変動金利よりも低い。公社のグリーン融資のポートフォリオは、2015年には10.7十億クローネから12.2十億クローネに増加した。KBNは、2015年にグリーン融資プログラムを強化するかの評価に向かって体系的に取り組んだ。この取組みの結果として、我々は、2016年に新たなグリーン変動金利商品を地方自治体に提供し、投資家に向けた我々の環境影響報告活動を向上させるために努力している。

我々の目的は、低金利が、既に計画された事業にとってのおまけとしてではなく、その設計段階において検討される手段となることである。これを実現するためには、地方自治体の財務部門および調達部門がグリーン融資を選択肢として認識する必要がある。我々は、2015年にグリーン変動金利商品を宣伝するためにいくつかの広報キャンペーンを行い、ウェブサイトにおいて当該商品の認知度を高めた。我々は、ノルウェー水道協会およびノルウェー廃棄物管理協会の年次会合に展示場を設けて参加し、グリーン融資商品に関する情報を配布した。地方自治体によるエネルギー・気候事業への投資もまた、KBNの顧客向けの雑誌であるKBNdialogの2015年の最終号のテーマであり、当該号においてグリーン変動金利の対象となった事業に特別な注意が向けられた。さらに、我々は、ゼロエミッション資源機構(ZERO)と協同で、当該組織の年次会合であるゼロ会議(Zero-konferansen)にて地方自治体政策に関する朝食セミナーを企画した。

2013年にKBNは、グリーンボンドを初めて起債したノルウェーの発行体となった。KBNは、2015年に500百万米ドル建10年債の起債にて2件目となるグリーンボンドの起債を実行した。いずれの起債も、2015年にオスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場された。KBNは、これによりノルウェーおよび外国人の投資家の間での気候配慮型投資の選択に向けて認知度を高める手助けをすることを望んでいる。

KBNのグリーンボンドのための枠組は、オスロ国際気候・環境研究センター(CICERO)によって評価されている。当該枠組は、2016年の初めに見直された。公社は将来、地方自治体の気候・エネルギー関連事業に融資するためのグリーンボンドの定期的な発行体となる予定であり、また、投資家に対し、その資金が我々の顧客に融資される際は気候配慮型投資事業のために使用されていることを確信させるための報告情報を提供する意向である。

公社の活動は、通常のオフィス業務およびビジネス出張の影響以外で外的環境に悪影響を及ぼさない。公社のオフィスは、効率的なエネルギーの使用を行うための良い機会を提供しており、エネルギー効率においてCの評価を獲得している。エネルギー消費は、電力、冷房および暖房に対するセンサー網により監視される。エネルギー消費の詳細な記録および監視は、公社のエネルギー消費を管理し、かつ削減するまたとない機会を与えてくれる。リサイクルおよび廃棄物の削減ならびにエネルギー消費の削減をもたらすシステムのための手段が導入されており、これらは今後も継続される予定である。健全な廃棄物管理は優先事項であり、2015年には生ごみの分別を確保するための措置が実施され、KBNは現在76.2%の分別率を達成している。

KBNは、調達に関する自身の責任を認識しており、気候および環境への影響が最小限となるように物品およびサービスを選択するよう努力している。環境認証を取得しているKBNのサプライヤーの割合は2015年において増え続け、我々は、2016年においてもさらにこれを増やしていく意向である。

公社は、確立された様々な基準に照らし合わせた自身の評価について詳述された年次環境報告書を作成する。評価測定は、気候変動への意識を高めるために政府が全国的にキャンペーンを行った環境改善策(Klimaløftet)によって示された企業向けの環境測定方法に基づいて行われる。公社は、エコライトハウスにより認証されており、また、グリーン・ドット・ノルウェーのリサイクル計画の管理会員である。

倫理規定および腐敗防止従業員および管理職に対し、認識の向上および高い倫理基準の確保のための倫理問題に関する研修が2015年に実施された。当年度を通して、従業員に対する倫理プログラムが実行された。外部からの講師は、地方自治体部門における腐敗のリスク、金融部門における金融犯罪およびノルウェーにおける賄賂の授受に着目した。KBN

の従業員はまた、KBNの活動のバリューチェーン全体の至るところにおいて、腐敗およびマネーロンダリングのリスクのある状況を特定するための半日の研修に参加した。当該倫理プログラムは、個人的利益に関するEラーニングコースによって締めくくられた。

上記に加えて、従業員に対し、倫理的ジレンマに関する研修が定期的に実施された。KBNはまた、マネーロンダリングに関する新たなガイドラインの作成および実施を行った。KBNの2016年の目標は、トランスペアレンシー・インターナショナルとの連携を強化し、倫理規定および腐敗防止の分野をさらに発展させることである。

社会、多様性および平等性KBNの取締役会は、2015年に多様性および平等性に関する一般的なガイドラインを承認した。取締役会は、明確な目標ならびに多様性および平等性を推進する体系的な取組みが、KBNにとってより大きな価値の創成につながる、魅力的な仕事場および職場環境作りに役立つと考えている。

KBNは、組織全体の多様性および平等性に的を絞って取り組んでおり、2016年の活動計画において具体的な措置のある目標に対して追跡調査を行っている。多様性および平等性を促進するための取組みは、KBNの新しい従業員の採用、管理職および従業員の能力開発ならびにそれらの後継者育成において欠かせない部分である。KBNの目標は、すべてのレベルおよびすべてのユニットにおいて好ましい性別バランスを取ることであり、全体の性別バランスの目標は40%である。

業績以下の表は、2015年に向けた措置および目標だけでなく、KBNがそれらの目標をどの程度達成したかに関する情報を表している。

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分野1:倫理規定および腐敗防止

目標 目標指標 措置 逹成状況

管理職・従業員に倫理問題に関する研修を行う。

研修への参加者数。

アンケートによる行動規範の熟知度。

すべての従業員を対象とした講演および研修を含む倫理月間の開催。

授受した贈答品/その他の利益に関する体系的な自己報告。

新入社員向けの導入プログラムにおいてKBNの行動規範に重点を置く。

以下の要素で構成される2015年倫理プログラムを実行した。・外部からの講師による講演(ノルウェー地方自治体における腐敗、銀行および金融部門における、ノルウェー国内外の金融犯罪)・KBNの従業員の88%が倫理問題に関する特別なEラーニングプログラムを完了した。・すべての事業分野において、KBNが潜在的に腐敗およびマネーロンダリングにさらされる可能性のある分野を特定した。

体系的な報告が導入された。

KBNの理念および価値観を組織に浸透させる作業を続ける。

KBNが「公平であり、信頼でき、身近である」という価値観に従っていると考える従業員の割合。

KBNの従業員として、これらの価値観を個人が遵守していること。

従業員評価のための別個の基準としての価値を導入する。

デジタル・コミュニケーション・プラットフォームにおいてKBNの価値を高める。

KBNの理念の認知度を高める。

KBNの企業価値を説明する個別の資料をすべての従業員に配布する。

2015年の従業員調査では、KBNがその価値観に従っていると考える従業員の割合は、2014年の64%から2015年は66%に増加したことが明らかになった。

価値に関する個人の業績目標が、すべての従業員に対して定められた。

腐敗に関する認識を高め、KBNが腐敗と関わるリスクを最小化する。

すべてのKBNの従業員に対する「腐敗防止の日」の実施。

KBNのトランスペアレンシー・インターナショナルとの協力をさらに発展させる。

中心的な事業プロセスにおける腐敗に関するリスクを特定する取組みを続ける。

取締役会に提出する活動報告において、腐敗防止およびマネーロンダリングの取組みについて報告する。

2015年倫理プログラムおよびいくつかの講演で腐敗防止およびマネーロンダリングを扱った。

KBNは、マネーロンダリングに対する措置に関するガイドラインおよび顧客チェックの実行に関する手順を変更した。

トランスペアレンシー・インターナショナルからの資料が、腐敗に関する内部研修で使用された。

分野2:気候および環境

目標 目標指標 措置 達成状況

市町村による気候配慮型投資に対する独立した金利商品。

グリーン融資に表される貸付ポートフォリオの割合。

KBNのグリーン融資商品を売り込む。 グリーン融資に表される貸付ポートフォリオの割合を、2015年に4.3%から4.8%に増加した。

KBNのグリーン変動金利商品に関する知識を高める。

KBNのグリーン変動金利商品の認知度を高めるためのマーケティング活動。

会合およびセミナーへの参加。

グリーン変動金利商品の広告を増やす。

少なくとも2つの重要なノルウェー気候会合へ出席する。

気候、環境および持続可能な開発が中心議題である会合を開催する組織とより密接に活動する。

グリーン変動金利商品への広告予算が2015年に増加した。

KBNは、2015年にZERO環境財団とより密接に活動し始めた。KBNは、地方自治体がグリーン化にどのように貢献できるかに関する朝食セミナーをZEROと協同企画した。

KBNはまた、フルダルにおける持続可能性会合のスポンサーのうちの1社であり、この会合においてKBNは展示場も持ち、情報資料を配布した。

グリーンボンドを発行する。

グリーンボンドに表される資金調達ポートフォリオの割合。

2015年に新規グリーンボンドを発行。

KBNは年限10年の500百万米ドル建グリーンボンドの起債を実行した。

KBNのグリーンボンドは、オスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場された。

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KBNにおける環境配慮型事業。

KBNはエコライトハウスにより認証されているため、毎年個別の環境報告書を作成し、その中で測定基準に対する業績を説明する。

KBNのエコライトハウスによる認証を更新する。

2015年環境報告書で定められた目標。

KBNは2015年に再びエコライトハウスの認証を受けた。

環境認証を持つKBNのサプライヤーの割合は2015年に増加した。

KBNのごみ分別率は、食品廃棄物分別計画の導入を受けて76.2%となった。

ビデオ会議用機材が設置され、定期的に使用されている。KBNの金融カウンターパーティーが同様の機材を入手すれば使用量の増加が見込める。

分野3:社会、多様性および平等性

目標 目標指標 措置 達成状況

KBN内外におけるKBNの企業の社会的責任に関する認識を高める。

従業員調査からの情報。

2015年に企業の社会的責任分野においてプロジェクトを立ち上げた。

企業の社会的責任分野おいてKBNが関与できるプロジェクトの種類についての基準を、KBNの経営陣が選定した。すべての従業員が特定の組織に申し込むよう招待された。

取組みは開始されたが2015年末までに完了しなかったため、企業の社会的責任分野のプロジェクトが2016年に選ばれる予定である。

2015年の従業員調査では、企業の社会的責任を含むKBNの戦略に関する認識が望ましい水準よりも低いことが明らかになった。KBNの戦略を伝え、認識レベルを向上させるための新たなイントラネットを含む措置が実施された。

従業員および管理職における多様性を増大させ、民族的背景、機能的障害または性別のような判断に基づく差別を回避するための戦略および措置を整備する。

北欧諸国にバックグラウンドを持たない従業員の割合。

経営陣レベルおよびKBNの運営組織における性別分布。

北欧諸国にバックグラウンドを持たない従業員の比率の維持または増加。

すべての経営陣レベルおよびすべての運営組織における性別のバランス目標を40%とする。

採用プロセスにおいて資質、多様性および平等な待遇を確保する。

具体的措置が特定され、KBNの2016年活動計画に含まれる。

取締役会の多様性および平等性に関する取組みは、一般的ガイドラインおよび2016年活動計画に含まれる措置を通じて伝えられる。

ガイドラインは、KBNに対し、全体として40%の性別バランス要件を定めており、これをすべてのユニットおよびレベルに対する目標としている。ガイドラインはまた、採用、自己啓発および報酬ならびに後継者育成に関するさらなる要件を規定している。

2015年におけるKBNの女性の割合は、取締役会において44%、CEOおよび経営陣において43%、レベル3経営陣において33%、すべての従業員においては46%であった。従業員の8%はノルウェーの市民権を保有しておらず、合計6つの異なる国の出身である。

有能な従業員を採用し、能力を向上させ、その従業員を繋ぎ止めるための戦略および措置を整備する。

すべての従業員が自己啓発プログラムを有すること。

KBNの人材プログラムは、1)採用、2)管理職および従業員開発および3)後継者育成の3つの雇用段階で従業員を支援する。

2016年から、すべての従業員がKBNの活動計画の延長である個人行動計画を持たなければならない。各行動計画には、従業員のための自己啓発プログラムが含まれなければならない。

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2015年度 取締役会からの年次報告.

2015年における公社の貸付残高は3.0%増加し、2014年と同程度であった。2015年における、気候および環境プロジェクトに対する貸付金は、12.0%増加した。2015年の当期利益は、2014年の491百万クローネに対し、1,870百万クローネであった。純利息収益は安定的かつ満足できるものであり、2014年と同程度であった。公社の当期利益は、2014年に負った734百万クローネの未実現損失が、2015年において合計1,116百万クローネの利益に逆転したことによる影響も受けている。公社の税引後株主資本利益率は、2014年の6.1%に対し、20.8%であった。公社の資本は、予想以上の当期利益、株式資本の増加およびその他Tier1資本商品の発行により、2015年において3.9十億クローネ増加した。公社は、2015年において、2件のグリーンボンドをオスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場した。そうすることにより、公社は、ノルウェーおよび外国人投資家の気候配慮型投資の選択に向けた資本市場の発展に寄与しようと努めている。公社は、資産合計においてノルウェーで3番目に大きい金融機関である。2014年に、公社、ディー・エヌ・ビー・バンク(DNB)およびノルデア銀行がシステム上重要な金融機関と分類され、1%の特別追加資本バッファー要件が2015年7月より導入され、2016年7月1日より2%に引き上げられる。公社の2015年12月31日現在の資産合計は449.4十億クローネであり、ノルウェーの市町村および県の当局への貸付は、合計254.4十億クローネとなった。公社の流動性資産ポートフォリオは主に外貨建てであり、2015年12月31日現在、2014年度末の155.3十億クローネから減少し、146.6十億クローネであった。ノルウェー自治改革省により代表されるノルウェー国家は、公社の単独株主である。公社の登記上の本社所在地はオスロである。

年次会計報告.取締役会は、ノルウェー会計法第3条3a項に基づき、継続企業として存続する公社の能力は引続き変わらないこと、および(2015年度の)財務書類は、継続企業の公準に基づき作成されていることを確認している。2015年12月31日に終了した年度の財務書類およびこれに対する注記は、年度末現在の公社の財務状態を適切に記載していると取締役会は考えている。年次会計報告は、国際財務報告基準(IFRS)に従って作成された。2015年の当期利益は、2014年の491百万クローネに対し、1,870百万クローネであった。2015年の純利息収益は、2014年の1,515百万クローネに対して、合計1,642百万クローネであった。公社の貸付ポートフォリオおよび流動性資産ポートフォリオへの投資による利鞘は、2015年を通して安定的であった。2015年において、税引前利益は、1,116百万クローネの金融商品に係る未実現純利益により増加した。2014年において、税引前利益は、734百万クローネの金融商品に係る未実現純損失により減少した。2015年の利益は、主に国際資本市場への不安増大およびかかる不安の信用スプレッドへの影響に起因している。この結果、公社は、低い信用スプレッドの債券発行残高から生じた未実現利益を有している。(公社の発行債券買戻しおよび流動性資産ポートフォリオにおける債券売却等の市場取引による)純トレーディング収益は、2014年の39百万クローネに対して、2015年は合計6百万クローネとなった。2015年の営業費用合計は、2014年の123百万クローネに対し、151百万クローネとなった。かかる増加の約半分は、新財務システムへの移行に関する経常外費用に起因する。残りの半分は、主に様々な規制要件、システム上重要な金融機関としての公社の現状、ならびに内部統制および報告活動に

関する要件の強化の結果として必要とされた従業員数の増加に伴う費用に関連している。2015年の営業費用合計は、資産合計の0.03%であった。公社の2015年12月31日現在の資産合計は、2014年12月31日現在では455.5十億クローネであったのに対して、449.4十億クローネであった。かかる減少は、2015年度末にかけての流動性資産ポートフォリオの規模の縮小に起因する。2015年12月31日現在、公社の総資本は12,950百万クローネであり、そのうち10,385百万クローネが普通株式等Tier1資本合計であった。公社のTier1資本は、株式資本、剰余金およびその他Tier1資本で構成されている。2015年12月31日現在、普通株式等Tier1自己資本比率は15.09%であり、自己資本比率(Tier1資本)は16.53%、自己資本比率(合計)は18.81%であった。

貸付業務公社は、2015年に591件の新規貸付を行い、その総額は46.8十億クローネであった。2015年度末現在の地方自治体への貸付合計は、254.4十億クローネであった。2015年において、公社の貸付ポートフォリオは、2014年に比べ3.0%増加し、7.3十億クローネ増加した。かかる地方自治体向けの公社の市場シェアは、2014年の47.5%に対し、約45%であった。公社は、2015年の貸付活動を、2016年7月1日より施行される、強化された自己資本比率要件に適応させた。流動性およびバランスシート管理の一部として、公社は、年限を制限された短期債券ポートフォリオを有している。このポートフォリオの規模は、2015年に縮小した。2015年度末現在、すべてのノルウェーの県の当局およびロングイヤービーエンの地方自治体を含む国内の428市町村のうち98%が公社の融資を受けていた。さらに、様々な地方自治体関連企業が、公社からの融資を受けている。有限責任企業への貸付

ノルウェー地方金融公社(以下「公社」という。)の構想は、地方自治体の長期的なパートナーになり、地域福祉への融資を行うことである。公社は、自身の低い借入費用および効率的な営業基盤により、地方自治体に対し魅力的な条件で、長期的かつ柔軟な資金調達手段を提供することができる。公社は、2015年において591件の新規貸付を行い、その総額は46.8十億クローネであった。

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-5Q1 2014 Q2 2014 Q3 2014 Q4 2014 Q1 2015 Q2 2015 Q3 2015 Q4 2015

は、基本的に無条件の支払保証の形式による県または市町村の保証が必要となる。公社は、すべての地方自治体に対し、その規模にかかわらず、同じ金利条件を適用することで、すべての地方自治体が競争力のある貸付条件への平等なアクセスを有することを保証している。人口構造の変化、政府による推進策および未着手のメンテナンス案件を要因として、地方自治体において、引続き多くの投資ニーズがある。これらの要因は、地方自治体による借入れに、2015年も昨年に引続きほぼ同率の増加をもたらした。2015年の地方自治体による借入れは7.7%増加し、前年よりわずかに低かった。2015年に行われた新規貸付の大部分は、最終的には学校、幼稚園、介護施設ならびに水道・廃水および公衆衛生(以下「WWS」という。)事業のために使用された。2015年度末までに、公社は、地方自治体の保証を受けた有料道路企業に対し27.8十億クローネの貸付を行った。新事業の始動および最終段階の事業の最終資金調達により、有料道路企業への貸付は、2015年において2.7十億クローネ増加した。公社は、顧客と良好な関係を築くため、地方自治体の資金調達に関連する時事問題を扱う顧客との会議や地域セミナーを幅広く開催している。公社は、地方自治体に対し、インターネット上におけるリアルタイムの金融情報、自身のウェブサイトを通じた各々の地方自治体の貸付ポートフォリオへの直接アクセスおよび地方自治体が債務管理のツールとして利用できる貸付管理ソリューションへのアクセスを提供する電子ツールを提供している。これらのツールの機能性および利便性向上への取組みは2015年に開始され、2016年に発表される予定である。新たなソリューションは、増加する顧客の報告要件を満たし、財務管理に対しより良い支援を提供する。

前年同様、2015年においても、公社の貸付金に損失は生じなかった。2016年において、支払不履行や支払問題に起因する損失が生じる見込みはない。公共調達法令では、地方自治体は主要な銀行契約につき入札を実施しなければならないと定められている。公社は中立的な立場で、地方自治体が支払サービス契約の入札を行う際に支援を行っており、2015年においてはかかる契約に関する交渉を7件行った。

貸付市場公社が活動する市場は、競争が激しい性質があり、証書貸付および債券市場からの直接資金調達は増加している。資本市場における資金調達の利用の増加は、地方自治体の債務合計の残存期間が徐々に短縮しつつあることを意味する。地方自治体における債務残高の約20%は、2016年に満期を迎える予定となっているが、この割合は増加している。地方自治体が短期の融資を利用すれば利用するほど、資本市場における需要と供給の間の不均衡に陥りやすくなる。公社は、市場指向型であり、自身の顧客の需要および要求に適合した、長期的かつ柔軟な資金調達手段を提供している。公社の目的は、地方自治体の借入パターンが財政的に持続可能であることを確実にするために、強固だが簡便な資金調達手段の提供および責任ある債務の管理に貢献することである。資本市場における信用スプレッドは2015年において拡大し、これによる地方債への影響がとりわけ当年度下半期に見られた。これは、国際的な金融市場における混乱がノルウェー国内外の資本市場における発行体に影響を与えたことが主な原因の一つとなっている。ノルウェーの市町村および県の当局によって発行された短期債券の信用

貸付金の増加 2014年-2015年(単位:十億クローネ)

スプレッドにおいて、度々顕著で急激な増加が見られた。これらの現象は、地方自治体によって発行された短期証書の貸付残高が短期間で大幅に増加した結果であると考えることができる。..

グリーン融資およびグリーン資金調達公社は、ノルウェーの地方自治体がそれぞれの気候目標を達成できるよう支援に取り組んでいる。そのため、公社は、気候プロジェクトへの投資に融資する目的で特別に個別のグリーン変動金利商品を提供している。かかる商品の金利は、通常の変動金利よりも0.1%低く、地方自治体の気候・エネルギー行動計画に関連する事業に利用することができる。気候配慮型事業のための融資の割合は、2015年において12.0%増加し、このカテゴリーにおける貸付残高は、2015年度末現在において12.2十億クローネであった。WWS分野、エネルギー削減措置および公共交通機関の利用を促すための活動への投資は、2015年においてグリーン変動金利商品を利用して融資された事業の例である。気候への恩恵があり、社会的責任のある投資および事業に対する世界的需要が高まっている。公社は、独自のグリーン資金調達プログラムを有しており、2015年に再びグリーンボンドを起債した。投資家に対し、公社のグリーンボンドが気候配慮型投資に融資されていることを明確に示すため、オスロ国際気候・環境研究センター(CICERO)は、公社のグリーン融資に関する方針の枠組を個別に評価している。公社は、ゆくゆくは各事業の二酸化炭素排出量の具体的な数値を含めるようにグリーン融資の枠組を開発する。公社はまた、自身のグリーンボンドについて報告をする際に排出量削減に関する情報を含める。2015年、オスロ証券取引所は、世界で初めてグリーンボンドのための独立したリス

2015年度 貸付残高融資先別

市町村..70%

県.10%

自治体所有企業..20%

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トを立ち上げた証券取引所となった。公社は、2015年において、2件のグリーンボンドをオスロ証券取引所のグリーンボンドリストに上場した。そうすることにより、公社は、ノルウェーおよび外国人投資家の気候配慮型投資の選択に向けた資本市場の発展に寄与しようと努めている。

資金調達公社は、AAA/Aaaの最高級の信用格付を付与されている。公社の高い信用力は、長期にわたり国有であること、国有公社として分野別政策上の役割、ノルウェーの堅調な財政状態、ノルウェーの地方自治体への貸付が低リスクであることおよび公社の低い金融リスクの結果である。公社は、自身が市場への良好なアクセス、有利な借入条件および幅広い投資家層を有していることを確かなものとする多様な資金調達戦略を追求している。2015年における新規長期借入金は68.6十億クローネとなり、2014年と比較して48.1十億クローネ減少した。公社の流動性は、2015年を通して満足のいくものであり、そのため、資金を調達する必要性が減った。公社の資金調達先へのアクセスは上手く分散されており、公社は、他のどの単一市場よりも多くの額を日本市場から借り入れている。公社は、2015年において合計2.0十億米ドルの2件のベンチマーク債を含む、11の通貨による債券を発行した。公社の2015年の借入金合計は、391.3十億クローネから増加して、400.9十億クローネとなった。

流動性管理現在の財政方針に基づき、公社は、現金および現金同等物と今後12ヶ月分の純資金需要額(貸付金の増加分を考慮する。)を常に同額に維持している。これは、いかなる状況においても、公社は、新たな資金を調達することなく、今後12ヶ月のすべての負債を返済できることを意味する。公社の流動性資産ポートフォリオは、主として外貨で保有されている。2015年におけるノルウェー・クローネ安の進行を受け、2015年12月31日現在における流動性資産ポートフォリオの価値は、2014年度末の155.3十億クローネから減少して146.6十億クローネであった。流動性資産ポートフォリオは、自身の義務を履行するのに十分な余剰流動性資産を常に確保するという公社の目標を反映して管理されている。余剰流動性資産は、信用リスクおよび市場リスク双方に関して、低リスクの投資戦略に従って管理されている。公社の余剰流動性資産は、高い信用格付の政府、地方自治体、多国間開発銀行および金融機関によって発行された固定利付証券ならびにカバードボンドへ投資されている。公社は、2015年度末現在において1,418

%の流動性カバレッジ比率(LCR)を有している。

コーポレートガバナンス公社は、自身の組織および公的保有の構造に関連する分野につき、ノルウェーのコーポレートガバナンス実務指針に適合している。公社は、ノルウェー国家により100%保有される有限責任会社として設立された。公的保有に関する政策についての白書(1)において、政府は、公社を「カテゴリー3」の事業体として分類した。これは、公社が、政府による公的保有の目的を明確なものとする商業的な目的およびその他の明確な目的を有する事業体であることを意味している。2014年の国有に関する報告書において、公社の公共部門政策は次のように説明されている。「公社は、地方自治体の福祉投資のために、借入れまたは地方自治体の規模にかかわらず、同じ金利条件で長期的かつ費用効率の高い融資を提供している。これは、公社の公共部門政策を示しており、公社の社会的責任の中核を成す。」公社の定款によると、公社の目的は、「市町村または県を含む地方自治体、これらの地方自治体もしくはノルウェー政府の保証あるいは同等の条件を満たす保証を受け地方自治体事業を遂行する自治体関連会社および民間会社等に貸付事業を行うことである。また本公社はこの他に、公社の業務として適切な事業を行うこともできるものとする。」とされている。公社の定款の変更は、定時株主総会により決定され、金融監督庁により承認されなければならない。株主として、中央政府は公社の資本構成、配当金の支払額および公社の株主資本利益率目標を決定する。政府による公社の公的保有の目的は、地方自治体への融資の有用性を高めることであり、それと同時に、公社は中央政府に対し、満足のいく払込資本金利益率を目指す必要がある(2)。目標利益率は、3年間分が国家予算に規定されており、2016年から2018年の期間の利益率は、8%に定められている。公社の目的には、地方自治体への融資のために利用される市場が高い効率性を有していることを確実にし、市場の欠落による影響を補填すること、および市場の混乱により資本市場において利用可能な資金量が減少した場合であっても、地方自治体が融資を受けられるようにすることを確実なものとすることが、公社の重要な機能に含まれている旨が述べられている。公社は、地方自治体の福祉投資のために、借入れまたは地方自治体の規模にかかわらず、同じ金利条件で長期的かつ費用効率の高い融資

(1). 多様かつ価値を創造する公的保有(白書第27号.2013年-2014年) (2)........国家予算修正案第1号(Prop..1.S)(2015年-2016年) .

を提供しており、これは公社の公共部門政策を示している。公社の運営組織は、ノルウェー公開有限責任会社法および金融企業法の規定ならびに公社定款に従って組織されている。取締役会、監督委員会および監査委員会は、定時株主総会によって任命される。監督委員会は、法令、公社定款および決議事項を遵守しつつ、公社の目的が追求されていることを監督し、また、国家公認会計士を会計監査人に任命し、さらに監査委員会への権限の付与を承認する。監査委員会の役割は、取締役会の活動を含む公社の活動を監督することである。取締役会は、最高経営責任者(CEO)の任命、CEOへの権限の付与の承認、借入れの決定および委任された借入権限の承認ならびに内部監査人の任命を含む、公社の活動の管理に対し責任を負うものとする。取締役会は、取締役会が検討する議題を準備する3つの委員会(会計監査委員会、リスク管理委員会および報酬委員会)を設立し、取締役の中からそれらの委員会の委員を選出する。CEOは、取締役会が付与し、監督委員会が承認した権限に従い、日々の公社の運営を行うことに対して責任がある。リスク管理部門は、公社におけるリスク管理全般に対し責任を負う。最高リスク管理責任者は、CEOに報告を行うが、ノルウェーの資本要求規則第47条3項に従い、取締役会に対し直接報告を行うことができる。スタッフ・サポート部門は、内部統制およびコンプライアンスに対し責任を負う。コンプライアンス部部長は、CEOに直接報告を行い、重大なコンプライアンス違反に関しては取締役会に直接報告を行う。

管理職の報酬に関する取締役会からの報告取締役会は、定時株主総会のために上級管理職の報酬についての報告書およびガイドライン案を作成する。それぞれの上級管理職に支払われる報酬に関する報告および情報については、本年次報告書48頁における公社の財務書類注記6に記載されている。

リスク管理および内部統制リスク管理の目的は、公社が責任を持って自身の資産および負債を管理し、その最高級の信用格付を維持することを確実にすることである。取締役会は、公社のリスク選好およびリスク許容度の枠組を確立し、かかる枠組の範囲内で毎年、公社の運営に関する方針および制限を含む財政方針およびリスク制限を設定する。取締役会はまた、年に1度、内部統制に係る方針を提出し、経営陣による内部統制の評価を検討する。取締役会は、定期的に公社の活動、財政状態および収益状況に関する報告を受けている。取締役会は、四半期毎に、リスクおよび有害事象に対する経営陣の評価を検

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討しており、これは、公社の活動報告プロセスにとって不可欠な部分を形成している。会計監査委員会の役割は、取締役会が財務報告を監視し、内部統制および監査のためのシステムを監督することを、これらの分野に関連する議題を準備し、かかる議題について取締役会に助言を行うことにより手助けすることである。リスク管理委員会の役割は、取締役会による公社の全般的なリスク水準の監督および管理を、当該分野に関連する議題を準備し、かかる議題に基づき取締役会に助言を行うことにより手助けすることである。取締役会は、公社のリスク選好を設定し、取締役会が設定する方針における様々なタイプのリスクの定量限界を規定する。取締役会の報酬委員会の役割は、報酬に関連する議題を準備し、取締役会に助言を行うことである。報酬委員会の全般的な役割は、公社の報酬制度を独立して評価し、報酬に関連するあらゆる事項に対する取締役会の管理を強化することである。取締役会は、年に1度、監査計画を作成しており、公社の活動の監視の一環として、内部監査を独立した監督および管理機能として使用する。リスク管理および内部統制は、3つの防衛線を備えている。公社の運営が第1の防衛線であり、公社の活動が、承認された制限内で遂行されているかの監視および統制

に対し責任を負っている。リスク管理およびコンプライアンス機能が第2の防衛線であり、助言による支援を行い、適切な方法を促すことで第1の防衛線を下支えしている。ただし、いずれもが、承認されたリスク制限でもってコンプライアンスを監視し、公社における内部統制が十分に機能しているかを監視する独立した統制機能である。内部監査人が第3の防衛線であり、取締役会に対し独立した承認を提供する。貸付ポートフォリオにおける信用リスクは、支払義務が解消されることがないため、遅延される支払いに限定される。地方自治体法第55条は、市町村および県の当局が自らの破綻を宣言することができないことを規定している。また、地方自治体法は、支払いを遅延せざるを得なくなった場合に遵守しなければならない手続に関する規定を含んでいる。これらの規定は、地方自治体が支払義務を履行することができない場合、中央政府がノルウェー自治改革省を通じてかかる地方自治体の管理を引き受ける旨を規定している。これにより、実際面で貸付機関は債務および経過利息に関連する一切の損失に対しても保護される。取締役会は、今後12ヶ月間において発生するすべての負債を、新規の借入れを行うことなく返済することを含み、公社の継続的な負債をいつでも補填できる十分な流動性資産を確保するために、流動性管理に

関し非常に限定的なリスク選好を有している。流動性資産ポートフォリオは、容認される最低格付、集中度、債券の種類および満期に関する要件に服している。さらに、流動性管理は、流動性カバレッジ比率要件を含む自己資本比率要件の遵守に重点を置いて設計されている。金利リスクおよび為替リスクは、常に公社の資産と負債から発生するリスクエクスポージャーの均衡が取れるよう確保することにより管理されている。ヘッジ取引は、金利リスクおよび為替リスクを回避するために行われ、公社は、デリバティブ取引におけるカウンターパーティーに関しては低い信用リスクのみを受け入れる意向である。公社のカウンターパーティーエクスポージャーは継続的に監視されており、リスク管理部門より日々報告書が提出される。取締役会は、自身が受け取る活動報告書および広範な市場の最新情報によって、公社のカウンターパーティーに関する報告を受けている。オペレーショナルリスクは、運営機能および管理機能の間で任務の適切な区別が行われていること、業務プロセスおよび管理が記録されていること、そして重要な機能においては、高いレベルの専門性を持つ十分な数の従業員がいることを確保することから成る、良好な内部統制によって管理されている。取締役会は、四半期毎の活動およびリスク報告書、月次の有害事象報告書

KBNの運営組織

定時株主総会

取締役会

社長兼CEO

各部門長

会計監査委員会 リスク委員会 報酬委員会

信用調査委員会 財政委員会

監督委員会監査委員会

内部監査人第3の防衛線

定款権限付与意思決定

報告提案

.定款意思決定

運営機能第1の防衛線

リスク管理およびコンプライアンス第2の防衛線

報告提案

報告提案

外部監査人

管理および検証

ガイドライン権限付与意思決定

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ならびに内部統制の年次評価によりオペレーショナルリスクおよび有害事象に関する報告を受けている。

コーポレートコミュニケーションおよび広報活動取締役会は、公社の株主、顧客、当局およびその他利害関係者との定期的な質の高い連絡が、公社が最善の方法でその事業を行うことを確実にするための重要な手段であると考えている。中央政府による公的保有に関する政策については、白書第27号(2013年-2014年)「多様かつ価値を創造する公的保有」に示されており、これは公社に対する政府の期待の一部を成している。公社は、自身の目的達成能力を妨げる潜在的な問題、または自身の顧客の利益にとって課題となる問題を特定する手助けをすることを目標としている。2015年において、公社は、外部とのコミュニケーションにおいて、地方自治体による借入れに対する慎重なアプローチの重要性を特に強調した。効率的に機能する能力および優れた従業員を採用する能力を高めるため、公社の活動が十分に理解されることが重要である。公社は、地方自治体部門における様々な組織と密接に連携しており、地方自治体の重要な財政問題に関する議論に積極的である。公社は、2015年に多くの専門家の会議およびセミナーを手配し、そのうちいくつかは単独で行ったものであり、いくつかは地方自治体部門で働くその他関係者と共同して行ったものである。公社は、2015年4月に年次会合を開催し、そのテーマは、福祉の将来についてであった。将来の福祉サービスがどのように融資されるかもまた、2015年8月に公社が主催したアレンダルスカ会議でのパネルディスカッションにおけるテーマであった。公社が手掛けたイベントの主な対象となる聴衆は、公社の貸付商品の顧客に加えて、国会、顧問および政府当局の主要メンバーであった。公社は、地方自治体部門における主要な金融機関としての地位を強調することを視野に入れた、様々なマーケティング戦略を実行している。公社のデジタルメディアにおける知名度の向上は、2015年において優先される分野であった。この目的は、公社が、対象となる聴衆との連絡の度合いを高め、公社が社会において果たす役割に対する理解を深め、また、公社のウェブサイトへのアクセスを増やすことである。公社のウェブサイトの利用者数は、2015年において50,000人未満から100,000人へと増加した。

倫理的責任および企業の社会的責任政府の公的保有に関する政策についての白書第27号(2013年-2014年)の原則10において、国有企業は「企業の社会的責任を果たすために体系的に取り組まなければならない」と述べられている。地方自治体向け

貸付において約45%の市場シェアを保有する公社は、社会において重要な役割を果たしている。公社の役割は、市町村、県の当局および地方自治体関連企業がそれぞれの福祉事業の目標を達成できるよう手助けをする、長期的な融資パートナーとなることである。長期的なパートナーになるために、公社は、責任を持って自身を振る舞い、社会全体の利益のための持続可能な発展の促進を手助けしなければならない。2015年において、公社は、自身の企業の社会的責任に関する取組みのためのガイドラインの作成に取り掛かった。これらは当該分野における公社の努力および報告の徹底的な見直しに関連して、2016年に承認される。企業の社会的責任が公社の経常的活動の不可欠な部分となることを確実にするため、企業の社会的責任に関する取組みは、公社の戦略的取組みおよび自身の活動計画を立てる際のプロセスに盛り込まれている。公社における企業の社会的責任に関する報告の開始地点は、どの分野が重要であるかの分析である。公社は、企業の社会的責任に関する自身の取組みのために、2015年において以下の分野を優先することを決定した。・倫理規定および腐敗防止・気候および環境・社会、多様性および平等性2015年を通して、マネージャーおよび従業員は、セミナーや専用のEラーニングプログラムを通じて倫理問題に関する研修を受けた。公社の活動の中にはマネーロンダリング対策に関する新たなガイドラインが組み入れられ、腐敗またはマネーロンダリングのリスクである可能性のある状況を特定することができるよう、すべての従業員を対象とした研修が行われた。公社は、グリーン資金調達の先駆的な提供者およびグリーンボンドの比較的大きな発行体であることで、気候変動および環境を議題に載せるように積極的に取り組んできた。気候変動および環境の分野における公社の取組みは、独立した行動計画に従って実行された。公社はまた、エコライトハウスによる認証を受けている。取締役会は、2015年に多様性および平等性に関する一般的なガイドラインを承認した。取締役会は、多様性および平等性を促進するための明確な目標および体系的な取組みが、公社にとってより大きな価値の創成につながる、魅力的な仕事場および職場環境作りに役立つと考える。公社の2015年の企業の社会的責任に関する報告ならびに2016年の措置および目標に関する情報については、本年次報告書22頁に記載されている。.組織および従業員.公社は、国際金融市場への参画から地域福祉事業への投資に及ぶ日々の活動を実行す

ることに関し、優れた従業員に頼っている。公社は、その事業を行うすべての専門的分野において、最も優れた参加者と比較してその業績を評価することに尽力する。公社ならびに公社のマネージャーおよび従業員の能力開発は、活動計画において取締役会によって設定された戦略および目標に従って実施されている。2015年において優先された分野は、(ⅰ)キーパーソンリスクを減らすための公社の専門家チームおよびその能力の強化、(ⅱ)業務プロセスの効率性の向上、(ⅲ)経営向上、(ⅳ)多様性および平等性に関する体系的かつ的を絞った取組みならびに(ⅴ)関連ある大学の学生の中で公社の関心を高めることであった。

能力、専門性および組織構造公社は、2015年度末現在において72名の従業員を抱えており、これはフルタイム人員に換算すると68.9名であった。63名の従業員が正社員であった。公社は、2015年度末現在において、2014年度末現在と比べてフルタイム人員への換算で7名の従業員を多く抱えており、これは12.5%の増加を表している。これは、公社がノルウェーにおける3つのシステム上重要な金融機関の一つに指定された結果として、新たな規制ならびに追加的な内部統制および報告要件の対象となったことに起因した、リスク管理、コンプライアンスおよび財務に関する部門の中での、とりわけスタッフおよびサポート機能における追加であった。公社の顧客志向をより一層強化するため、公社の貸付活動は、直接CEOに報告する専用の部門に切り離されている。金融規制の変更への公社の対応、かかる変更の監視および実行を強化し、当該分野における効率性を高めるため、2015年から効力を有する独立した組織ユニットがリスク管理部門に設立された。かかるユニットの新たな構成員は、公社の専門性水準を高め、キーパーソンリスクおよび後継者育成に関するリスクに対する脆弱性を低減する。公社は、ビジネススクールおよび大学での公社の認識のレベルを高めるために、ビジネスプレゼンテーションおよび「キャリアの日」への参加といった形での特定の教育機関にて行う活動を強化している。公社の正社員の約10%がさらなる教育課程に登録している。従業員の約25%に関わる新たな財務システムの採用および導入の結果として、公社全体における専門性水準は高まった。かかるシステムは、2015年第4四半期に稼動を開始し、満足のいく水準のリスクにて公社の活動の効率的かつ慎重な管理を確実にすることに役立つことを目的としている。公社にとって、自身のシステム上重要な金融機関としての役目に適し、将来の規制要件に対応した、効率的かつ柔軟な管理システムを備えていることが重要である。新たな

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会計・財務システムは、重要な業務プロセスが自動化される機会を生み出し、より高いレベルの効率性およびより低いオペレーショナルリスクにつながる。2014年に実行された経営向上プログラムの追跡調査として、「理想的なマネージャーのテンプレート」が開発され、これを基準に、報告スタッフを抱えるすべてのマネージャーが評価される。マネージャーは、公社の価値を遵守し、従業員のモチベーションを高め、再編の際に先導し、全責任を負い、目標および結果を効率的に達成し、良きお手本とならなければならない。すべてのマネージャーのために、毎月会議が開かれ、2016年にはさらなる経営向上の取組みが継続プログラムという形で実施される。

多様性および平等性公社は、組織全体の多様性および平等性に体系的および的を絞った方法で取り組むよう努力しており、活動計画において具体的な措置のある目標に対して追跡調査を行っている。多様性および平等性を促進するための取組みは、公社の新しい従業員の採用、マネージャーおよび従業員の能力開発ならびにそれらの後継者育成において欠かせない部分である。公社の目標は、すべてのレベルおよびすべてのユニットにおいて好ましい性別バランスを取ることであり、全体の性別バランスの目標は40%である。公社は、自身の経営陣および組織ユニットの構成への採用または変更を行う際に性別バランスを特に重要視し、いかなる決

定がなされる前に、最も適任である女性または男性が特定されることを要求する。候補者の専門的および個人的資格を評価する際には、性別、障害、年齢、文化的背景または地理的背景は考慮されない。すべての従業員は平等に扱われ、個人的および専門的な能力開発ならびに昇進に関して同等の機会が与えられる。ノルウェー語を話さない従業員にはノルウェー語の研修が行われ、多様性および平等性に関する取組みは、経営向上の一部となっている。自宅での介護や育児の責任を有する従業員に対しては、その配置を容易にするため、フレックスタイム制が提供されている。管理職や重要な役割の後継者育成のための目標は、内部候補が男女ともに考慮されることである。2015年度末現在において、取締役会における女性の割合は44.4%であった一方で、CEO率いる経営陣およびすべての従業員(正社員および臨時の社員)の同割合は、それぞれ42.8%および45.8%であった。公社の従業員の平均年齢は40歳強であり、30歳未満の従業員数と50歳を超える従業員数はほぼ同等であった。従業員の8%がノルウェーの市民権を有しない者である。

健康、安全性および職場環境公社は、すべての従業員に対し良好な職場環境を確保することを重要視している。職場環境委員会の目標は、良好な職場環境を構築し、福利と協調に特徴付けられる企業文化を築くことにより、良好な健康状態を促

進することに積極的に貢献することである。当該委員会は、定期的に会議を開催し、健康、安全性および環境問題に関連する安全検査およびリスク評価を実行している。運動施設や健康診断などを含む定期的な健康促進および社会活動が、公社の多様な活動グループと協力してすべての従業員に提供された。年に1度の従業員満足度調査は、新しいイントラネットの設立および経営向上プログラムの拡大を含む、具体的措置の実施につながった。概して、職場環境委員会は職場環境を良好だと考えている。勤務時間中の、または通勤もしくは出張に関連する事故または深刻な怪我が起きたという記録はない。ノルウェー労働監督局に対し、事故または怪我の報告はされていない。建物所有者の建築労働者を巻き込んだ公社のオフィスでのニアミス事故は、建物所有者によって対応されている。罹病率は、2014年が3.6%であったのに対し、2015年は4.4%であった。男性の罹病率は3.4%、女性の罹病率は5.4%であった。かかる増加は、合計で3.1%に相当する長期の病欠(3)によるものであった。公社は、健康、安全性および職場環境、病欠の防止および経過観察ならびに従業員の早期の職場復帰について積極的に取り組んでいる。

利益の分配公社の取締役会は、2015年度の当期利益の分配につき、配当金として417百万クロ

(3) 長期の病欠は、健康障害を理由として連続17日間を超えて欠勤することと定義される。

平均年齢(男性)

40歳 43歳 14名 19名

平均年齢(女性)

従業員(30歳以下)

従業員(50歳超)

取締役会 従業員 CEOおよび経営陣 副経営陣レベル

ノルウェー以外の国籍 国籍

44% 46% 43% 33%

8% 6ヶ国

年齢

女性の割合

2015年12月31日現在のKBN社内における多様性

1年超の海外就労経験者

15% 39%

1年超の留学経験者

国際性

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5

10

15

20

20152014201320122011

自己資本比率

2011 2012 2013 2014

5 %

10 %

15 %

20 %

普通株式等Tier1自己資本比率自己資本比率(合計)

ーネを公社の株主に対して支払い、その他Tier1資本商品の利息として11百万クローネを支払い、1,454百万クローネを剰余金に振り替えることを提案している。

将来の展望世界経済の見通しは、小規模な開放経済国であるノルウェーに影響を及ぼしている。石油価格の下落は、石油部門の活動水準が、何年もの高水準の活動を経て低下したことを意味する。これに対しノルウェー・クローネ安がある程度のバッファーとして機能し、ノルウェー本土の輸出の増加に寄与した。将来的に不透明感が強く、ノルウェーの期待成長率はこれらの推移に応じて下方修正されている。これにもかかわらず、ノルウェーは、景気悪化に対処するために予算措置を積極的に活用することができ、またそうすることに前向きな経済が堅調な国として認識されている。ノルウェーの人口の高成長、

人口構造の変化ならびにインフラストラクチャーおよび建築に関連する多数の未着手のメンテナンス案件を考慮すると、地方自治体による投資は今後も高い水準を維持することが見込まれている。過去数年にわたり、地方自治体による借入れは約8%増加した。地方自治体の借入金の一部は、自己資金投資または中央政府からの利息費用補助金の分野に関連しており、地方自治体の全体的な金利エクスポージャーを低減している。地方自治体による借入れにおいて、資本市場の重要性が高まっている。資本市場を利用して投資資金の一部を調達することを選択する地方自治体の割合が増加している。地方自治体は、短期の融資を資本市場から調達する選択を行うことで、自身を借換えリスクにさらしている。短期貸付は定期的に借換えが必要であり、資本市場における不安に対して地方自治体に損失をより被り

やすくさせる可能性がある。2015年下半期において、地方自治体証書貸付におけるスプレッドが急速かつ大幅に広がった。資金調達要件における資本市場の利用の割合が高い地方自治体は、かかる分野における高度な専門知識を有する必要がある。地方債にかかる望ましくない変動率および価格変動は、より年限の長い従来型の資金調達に対する需要を高める可能性がある。公社は、突然の市場変動や経済循環にかかわらず、魅力的な条件で安定的かつ長期の資金調達を利用可能とすることを確実なものとするために中心的な役割を果たしている。公社の市場シェアは、金融危機の後、当局により導入された景気連動抑制的政策の一環として増加した。ノルウェー財務省は、公社を3つのシステム上重要な金融機関のうちの一つとして分類した。この結果には、公社が強化された自己資本比率要件および当局からのより厳重な監視に服することが含まれている。公社は、常にその時点において効力を有するすべての規制要件に従って資本を有していることを確実にするために、自身の事業を計画する予定である。2015年に支払われる見通しの配当金の調整後、公社の資本は、高い当期利益、株式資本の増加およびその他Tier1資本商品の発行により、2015年において約3.4十億クローネ増加した(配当金控除前は3.9十億クローネ。)。これは、公社の貸付が2016年においても2015年と同様の割合で成長する根拠となる。公社の事業は、今後数年間において規制の枠組の見直しによる影響を受け、地方自治体からの貸付の需要増加を満たす能力は、利用可能な資本によって規定される。公社が事業を行う長期的な枠組に関する予測可能性は、公社が事業の水準を一定に保つことを確実にするために重要である。2016年度国家予算において、公社の目標利益率は軽減された。2016年から2018年の期間に提示された目標利益率は、税引後株式資本の8%であり、かかる期間における配当金は利益率要件の半分を占めると推定されている。目標利益率の削減は、公社の資本比率の増加および自身の事業に関連するリスクの低減に役立つ不変のリスク・プロファイル、ならびに近年における無リスク利子率の低下に関連している。

0

500

1000

1500

2000

20152014201320122011

税引後の当期利益.対.コア利益(単位:百万クローネ)

コア利益税引後の当期利益

2011 2012 2013 2014 20150

500

1000

1500

2000

2015

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2015年.年次報告書

/ 頁 33

2015年度の決算は、KBNが現在の市況およびその事業を行ううえでの規制の枠組を考慮すると、満足な結果を達成したことを示している。KBNの目標は、今後の地方自治体の福祉サービスへの長期的な融資に貢献することである。取締役会

は、その仕事ぶりに対し公社の従業員に感謝の意を表したい。

2015年12月31日、オスロ2016年3月29日

ノルウェー地方金融公社 取締役会

エルゼ・ブッゲ・フォグネル会長

クリスティーネ・ファルクゴール社長兼CEO

マーティン・スカンケ副会長

ルーネ・ソーリエ取締役

ルーネ・ミッドゴール取締役

ペッテル・スティーン・ジュニア取締役

マッタ・タークヴァム取締役

マーリット・ウールモ・ハシュタ従業員代表

ナンナ・エギディウス取締役

ヤーレ・ビーレ従業員代表

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2015年.年次報告書

/ 頁 34

取締役

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2015年.年次報告書

/ 頁 35

エルゼ・ブッゲ・フォグネル

1999年会長着任弁護士。

KBN報酬委員会委員長。KBNリスク委員。

ヒョット法律事務所パートナー。

エクスポートクレディット・ノルゲ・エーエスおよびモルゲンスチャーナ不動産・エーエスの会長。

アバディーン不動産基金・ノルゲII・エーエスエー、アーケル・クヴァナ・ホールディング・エーエスエーおよびプロテクター・保険・エーエスエーの取締役。

マーティン・スカンケ.

2015年副会長着任経営学修士、理学修士。

KBNリスク委員会委員長。

スカンケ・コンサルティングオーナー兼ゼネラルマネージャー。

責任投資原則、フロンティア・ソリューションズ・エーエス会長。ストーレブランおよびノールファンドの取締役。

ルーネ・ミッドゴール

2014年取締役着任経営学修士および公認金融アナリスト(AFA)。

KBN報酬委員。

アルクスグルッペン財務IT最高財務責任者(CFO)。

マッタ・タークヴァム

2005年取締役着任経営学修士およびファイナンス修士。

KBN会計監査委員会委員長。KBNリスク委員。

テレノール・エーエスエー内部監査取締役。

ナンナ・エギディウス

2004年取締役着任経営学修士。

KBN会計監査委員。

リッレハンメル市戦略および開発企画担当理事。

リッレハンメル・エッテルブルクスフォン財団ゼネラルマネージャー。

イコム・エーエスおよびノルウェー航空救急財団の副会長。

ルーネ・ソーリエ

2011年取締役着任国家公認会計士。

KBN会計監査委員。

ノシュケ・スコーグスインダストリエ・エーエスエーCFO。

ペッテル・スティーン・ジュニア

2015年取締役着任教師。

アドバイザー、元ハウゲスン市長。

ハウガランド・クラフト・エーエス取締役会副会長。

マーリット・ウールモ・ハシュタ

2014年従業員代表着任経営学学士。

KBNシニア・リレーションシップ・マネージャー。

ネードレ・ベッケラーゲ小学校鼓笛隊取締役。

代理はクリスティーネ・ヘンリクセン・リーエン。

ヤーレ・ビーレ

2015年従業員代表着任経営経済学修士。

KBNシニア・リレーションシップ・マネージャー。

KBN報酬委員。

代理はアンドレアス・アレストロム。

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2015年.年次報告書

/ 頁 36

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2015年.年次報告書

/ 頁 37

2015年度財務書類

損益計算書............................................................................ 38

包括利益計算書.................................................................. 38

貸借対照表............................................................................ 39

資本変動表............................................................................ 40

キャッシュ・フロー表.......................................................... 41

会計方針. ............................................................................. 42

財務諸表注記

損益計算書注記1. 純利息収益.......................................................... 45

注記2. サービス料および手数料................................ 45

注記3. 金融商品に係る未実現純利益/(損失)..... 46

注記4. 純トレーディング収益....................................... 46

注記5. 給与および一般管理費.................................... 47

注記6. 報酬........................................................................ 47

注記7. 年金........................................................................ 50

注記8. 税金........................................................................ 51

注記9. リース..................................................................... 52

貸借対照表注記10. 金融商品の分類............................................... 52

注記11. 公正価値で測定した金融商品.................... 53

注記12. 償却原価で測定した金融商品.................... 57

注記13. ヘッジ会計......................................................... 58

注記14. 金融機関向債権............................................... 58

注記15. 分割返済付貸付金.......................................... 59

注記16. ノート、債券およびその他利付証券.......... 59

注記17. その他の資産................................................... 60

注記18. 金融機関からの負債...................................... 60

注記19. 債券発行............................................................ 60

注記20. 金融デリバティブ............................................ 61

注記21. 担保および相殺............................................... 61

注記22. 劣後債務............................................................ 63

注記23. 株式資本............................................................ 63

注記24 その他Tier1資本............................................... 63

リスク管理.注記25. リスク管理......................................................... 63

注記26. 信用リスク......................................................... 65

注記27. 金利リスク......................................................... 66

注記28. 為替リスク......................................................... 67

注記29. 流動性リスク..................................................... 67

注記30. 自己資本比率および資本管理.................... 69

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2015年.年次報告書

/ 頁 38

損益計算書

(単位:百万クローネ) 注記 2015年12月31日

に終了した1年

2014年12月31日

に終了した1年

利息収益 5,496 6,011

利息費用 3,854 4,496

純利息収益 1 1,642 1,515

サービス料および手数料 2 30 24

金融商品に係る未実現純利益/(損失) 3 1,116 (734)

純トレーディング収益 4 6 39

その他営業収益合計 1,092 (719)

給与および一般管理費 5,6,7 115 93

固定資産の減価償却 5 3

その他の費用 9 30 27

営業費用合計 151 123

税引前利益 2,583 673

利益に係る税金 8 713 182

当期利益 1,870 491 株主割当額 1,859 491

その他Tier1資本所有者割当額 11 0

包括利益計算書

(単位:百万クローネ) 注記 2015年12月31日

に終了した1年

2014年12月31日

に終了した1年

当期利益 1,870 491

その他の包括利益

損益計算書において再分類されることのない項目

確定給付制度に係る保険数理による利益/(損失) 16 (18)

このうち税金 4 (5)

その他の包括利益合計 12 (13)

当期包括利益合計 1,882 478

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2015年.年次報告書

/ 頁 39

貸借対照表

(単位:百万クローネ) 注記 2015年12月31日現在 2014年12月31日現在

資産

金融機関向債権 10,11,12,14,21 19,428 16,219

分割返済付貸付金 10,11,12,15 256,815 249,928

ノート、債券およびその他利付証券 10,11,12,13,16 149,944 157,364

金融デリバティブ 10,12,13,20 22,831 31,776

繰延税金資産 8 201 86

その他の資産 17 142 93

資産合計 449,361 455,466

負債および資本

金融機関からの負債 10,12,18,21 7,167 25,135

債券発行 10,11,12,13,19 390,107 398,669

金融デリバティブ 10,12,13,20 37,207 20,919

その他の負債 36 47

当期税金負債 8 829 404

年金債務 7 49 61

劣後債務 10,12,22 1,764 1,895

負債合計 437,159 447,130

株式資本 23 3,145 2,145

その他Tier1資本 24 994 0

剰余金 8,063 6,191

資本合計 12,202 8,336

負債および資本合計 449,361 455,466

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2015年.年次報告書

/ 頁 40

資本変動表

2015年

(単位:百万クローネ) 注記 株式資本 その他Tier1

資本

剰余金 資本合計

資本(2015年1月1日現在) 2,145 0 6,191 8,336

当期利益 0 0 1,870 1,870

その他の包括利益合計 0 0 12 12

Tier1資本への支払利息 24 0 0 (10) (10)

その他Tier1資本の発行額 24 0 994 0 994

株式の発行額 1,000 0 0 1,000

配当金(2014年) 0 0 0 0

資本(2015年12月31日現在) 23 3,145 994 8,063 12,202

2014年

(単位:百万クローネ) 注記 株式資本 その他Tier1

資本

剰余金 資本合計

資本(2014年1月1日現在) 2,145 0 6,071 8,216

当期利益 0 0 491 491

その他の包括利益合計 0 0 (13) (13)

配当金(2013年) 0 0 (357) (357)

資本(2014年12月31日現在) 23 2,145 0 6,191 8,336

Page 41: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 41

キャッシュ・フロー表

(単位:百万クローネ) 注記 2015年12月31日

に終了した1年

2014年12月31日

に終了した1年

営業活動によるキャッシュ・フロー

受取利息 5,616 5,977

支払利息 (3,175) (4,390)

サービス料および手数料支払額 (30) (25)

発行債券買戻しによる収入 6 39

従業員およびサプライヤーに対する現金支払額 (146) (120)

利益に係る税金支払額 (404) (437)

顧客向貸付金の支払(純額) (7,298) (6,209)

金融機関向債権(増加)/減少額(純額) (20,789) 11,015

ノート、債券およびその他利付証券(増加)/減少額(純額) 19,049 (45,046)

その他資産(増加)/減少額(純額) (123) 0

その他の負債増加/(減少)額(純額) (7) 6

営業活動によるキャッシュ・フロー(純額) (7,302) (39,189)

投資活動によるキャッシュ・フロー

固定資産の(購入)/売却(純額) 69 (50)

投資活動によるキャッシュ・フロー(純額) 69 (50)

財務活動によるキャッシュ・フロー

コマーシャル・ペーパー発行による収入 3,758 0

コマーシャル・ペーパーの返済 (3,855) 0

債券発行による収入 68,644 116,690

債券の返済 (116,443) (109,570)

その他Tier1資本発行による収入 994 0

Tier1資本への支払利息 (14) 0

配当金支払額 0 (357)

株式発行による収入 1,000 0

財務活動によるキャッシュ・フロー(純額) (45,917) 6,763

キャッシュ・フロー(純額) (53,149) (32,476)

外国為替差額による影響 53,163 32,468

外国為替差額控除後のキャッシュ・フロー(純額) 13 (9)

1月1日現在の現金および現金同等物 21 29

現金および現金同等物の変動額(純額) 13 (9)

12月31日現在の現金および現金同等物 34 21

合意された満期のない金融機関向債権 14 34 21

合意された満期のない金融機関からの負債 18 0 0

Page 42: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 42

会計方針

報告会社

公社は、県、市町村、地方自治体関連企業、および地方自治

体向けに業務を遂行するその他の企業に対し貸付を行う有限責任

会社である。公社の登記上の事務所は、オスロ市ホーコン7世通

り5B(Haakon VIIs gate 5B, Oslo)にある。2015年12月31日に終

了した年度の財務書類は、2016年3月29日に取締役会により承認

された。

作成基準

財務書類は、EUが採用したIFRSに従って作成された。財務書

類は、下記を除いて取得原価主義に基づき表示されている。

・ 損益計算書を通じて公正価値で表示される金融商品

外貨換算

公社の機能通貨および表示通貨は、ノルウェー・クローネ

(NOK)である。外貨建ての資産および負債は、報告日の為替相場

でノルウェー・クローネに換算される。外貨建ての収益および費

用は、取引日の為替相場でノルウェー・クローネに換算される。

財務書類は、ノルウェー・クローネで表示され、千クローネ単位

で表示されている注記6および注記7を除き、百万クローネ単位で

四捨五入される。

重要な見積および会計判断

IFRSに従った財務書類の作成のために経営陣は、会計方針の

使用に影響を及ぼす判断および仮定を行い、見積を利用すること

が必要である。かかる見積および会計判断は、資産および負債の

帳簿価格ならびに収益および費用に影響を及ぼす可能性がある。

将来の発展に関して立てた仮定は、市場の変動により変化する可

能性があり、実際の結果は見積と異なる場合がある。財務報告の

作成に使用される最も重要な判断および見積は、以下のとおりで

ある。

公正価値の測定

活発な市場で取引されていないか、または報告日に有効な相

場価格のない金融商品の公正価値は、評価技法を用いて決定され

る。インプットが著しく観測不能である場合、経営陣は、金融商

品に関連する信用リスクおよび流動性リスクを考慮する際に、仮

定を置き、見積を利用する。仮定および見積が、報告日の実際の

市況に可能な限り基づいている場合であっても、かかる仮定およ

び見積には判断が含まれるため、評価において一定程度の不確実

性がある場合がある。仮定および判断はまた、IFRS第13号のヒエ

ラルキー(レベル1、2または3)に基づいて公正価値で測定された

金融商品の配分に適用される場合がある。

金融商品

認識および認識の中止

金融資産および金融負債は、公社が商品の契約条項に対する

当事者となった際に、貸借対照表において認識される。すべての

金融資産および金融負債は、当初認識時に公正価値で測定され

る。損益計算書を通じて公正価値として分類されない金融資産に

ついては、当初認識時の価値の中に、当該金融資産の取得に直接

的に起因する取引費用が含まれる。金融商品の認識および認識の

中止は、決済日に行われる。金融資産の通常の購入または売却の

方法において、資産の価格変動は、取引日から認識される。

金融資産は、キャッシュ・フローに対する契約上の権利が失

効するかまたは譲渡された際に、認識が中止される。金融負債

は、契約上の義務が免除、取消しまたは失効となった際に認識が

中止される。発行債券が買い戻される際、当該負債の認識が中止

される。決済金額と帳簿価格の差額は、取引日付で損益として損

益計算書において認識される。

分類および測定

金融商品のカテゴリーへの分類は、当初認識時に行われ、IAS

第39号に従いその後の測定方法が決定される。金融商品のカテゴ

リーは、商品の特徴および取得または発行時の経営陣の意図に

よって決定される。

損益計算書を通じて公正価値で測定される金融資産および金融負

債(公正価値オプション)

金利リスクおよび為替リスクをヘッジするために使用され

る、公正価値で測定される関連するデリバティブ契約と同様の取

扱いを実現するために、流動性資産ポートフォリオにおける特定

の債券およびノート、固定利付貸付金、NIBOR連動型顧客向貸付

金ならびに発行債券は、当初認識時に損益計算書を通じて公正価

値で測定される。これは、債券およびノート、貸付金ならびに発

行債券とその他の金融デリバティブとの間の測定の不一致の削減

につながる。

満期保有目的金融資産

このカテゴリーの金融資産は、主として満期保有目的で取得

された資産担保証券および2008年の金融危機により非流動化し、

2008年7月1日付で「売買目的保有」から「満期保有目的」のカテ

ゴリーへ再分類されている特定の有価証券である。満期保有目的

金融資産は、実効利率法を用いて償却原価で測定される。

貸付金および債権

このカテゴリーに含まれるのは、顧客向貸付金・前払金およ

び活発な市場で取引されていない債券およびノートである。貸付

金および債権に分類される金融資産は、実効利率法を用いて償却

原価で測定される。

ヘッジ会計は、貸付金および債権に分類される債券および

ノートに対し適用することができる。公正価値ヘッジ会計が用い

られる場合、ヘッジされたリスクに起因する価値変動は、「ノー

ト、債券およびその他利付証券」の下で帳簿価格の一部として認

識され、また、損益計算書において「金融商品に係る未実現純利

益/(損失)」として認識される。

償却原価で測定される金融負債

公募のベンチマーク債および小規模市場における機関投資家

からのいくつかの公募の借入金は、実効利率法を用いて償却原価

で測定される金融負債に分類される。このカテゴリーにおける負

債の大部分は、ヘッジ項目として指定され、ヘッジ会計が適用さ

れる。これは、ヘッジされたリスクに起因する価値変動が、「債

券発行」の下で帳簿価格の一部として認識され、また、損益計算

書において「金融商品に係る未実現純利益/(損失)」として認識

されることを意味する。

金融デリバティブ

金融デリバティブは、公正価値ヘッジにおけるヘッジ商品に

指定される契約を除き、売買目的保有に分類される。すべての金

融デリバティブは、損益計算書を通じて公正価値で測定され、価

値がプラスの場合は資産として表示され、価値がマイナスの場合

は負債として表示される。

金融商品の公正価値

金融商品は、公正価値の測定にとって重要なインプットのう

ち、最も低いレベルのインプットに基づき、公正価値ヒエラル

キーの異なるレベルに分類される。

レベル1

頻繁に市場観測がなされている活発な市場で取引されている

有価証券については、報告日における相場価格が公正価値の測定

に利用される。相場価格は、海外情報提供会社(ロイター通信

社/ブルームバーグ)により提供される。情報提供会社により提

Page 43: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 43

供される相場価格は、それが実際の市場取引を表している場合、

レベル1のインプットに分類される。

レベル2

活発な市場における相場価格を入手することができない金融商

品については、活発な市場における類似商品の相場価格または重

要なインプットが観測可能な市場データに基づいている場合の評

価技法が、可能であれば用いられる。

レベル2のインプットには、以下のものが含まれる可能性があ

る。

・ 観測可能な金利利回り曲線、ベーシス・スワップ・スプレッ

ド、外国為替相場、株価指数および商品指数。

・ 同じ発行体により発行される年限の異なる類似商品の報告日

現在の相場価格および信用スプレッド。満期の調整が必要

となる。

・ 同じ発行体により発行される異なる通貨建ての類似商品の報

告日現在の相場価格および信用スプレッド。通貨の調整が

必要となる。

・ 報告日前後の同一商品の実際の市場取引。取引日と報告日と

の間の事象の調整が必要となる。

・ 同じ発行体により同一の年限で発行されるより流動的な商

品。流動性リスクの調整が必要となる。

・ 同じ発行体による類似商品の潜在的な新規発行の価格。

レベル3

活発な市場で取引されていない金融商品については、公正価値

は、重要なインプットが観測不能なデータに基づいている場合の

評価技法を用いて決定される。レベル3に分類される金融商品に

は、流動性の低いノートおよび債券、固定利付顧客向貸付金、イ

ンプットが著しく観測不能であって活発な市場で取引されていな

い発行債券ならびにオプション要素が付いた店頭取引デリバティ

ブが含まれる。

レベル2およびレベル3として分類されるノートおよび債券の公

正価値の決定に同じ種類のインプットが使用される可能性がある

が、市場データの調整の重要性および観測可能なデータに基づい

てどの程度まで調整を行うかは、IFRS第13号に従って商品が分類

される際に重視される。かかる場合、観測可能な市場データに対

してなされる調整が重要とみなされる(レベル3)か否か(レベル2)

によって表示が決定される。公正価値の決定に使用されるその他

のインプットには、以下が含まれる可能性がある。

・ その他の市場参加者により提供される類似商品の指標価格お

よび見積

・ 類似商品の債券指数およびクレジット・デフォルト・スワッ

プ指数双方のマーケット指数

・ 異なる情報源からの拘束力のない価格見積

・ 歴史的変動率または予想変動率

公正価値の開示

複数の期末において公正価値ヒエラルキーに分類される金融商

品については、レベル間の変動調整が各報告期間の期末に行われ

る。レベル2またはレベル3に分類される金融商品の公正価値を決

定するために用いられる評価技法は、かかる商品の特性に基づい

て決定される。組込デリバティブがない金融商品の公正価値は、

関連する観測可能な短期金融市場金利を用いて割引率が算出され

る割引キャッシュ・フロー法およびかかる商品の公正価値に対し

重大な影響を及ぼす可能性のあるその他のリスク要因を用いて決

定される。当該要因が報告日において確実に観測できない場合、

経営陣は、公正価値を決定する際に仮定を置き、見積を利用する

ことができる。

組込デリバティブがある金融商品の公正価値は、観測可能な市

場データおよび見積をインプットとして、オプション・プライシ

ング・モデルを用いて決定される。レベル2およびレベル3におけ

る評価に用いられる観測不能なインプットのうち最も重要なもの

は、活発な市場で取引されていない金融商品の信用プレミアムを

構成している。

金融資産および金融負債の相殺

公社は、貸借対照表において金融資産および金融負債を相殺し

ていない。標準マスター・ネッティング契約は、相殺および純額

表示を条件としないため、関連する資産および負債は貸借対照表

上に総額表示される。デリバティブ・エクスポージャーの追加的

担保として受領または提示した担保金はISDA(国際スワップデリ

バティブ協会)契約に基づいており、かかる契約は債務不履行の

場合に資産および負債の相殺をすることができるが、IAS第32号

では相殺を条件としない。担保金は、貸借対照表において総額基

準で表示される。

金融資産の減損

貸付金および債権または満期保有目的に分類される金融商品

は、減損について評価される。減損の客観的証拠が認められた場

合は、資産の減損および評価損が生じる。

個別減損

損失の発生の客観的証拠が認められた際に、損失は資産の帳簿

価格と将来の見積キャッシュ・フローの現在価値との差額で評価

される。損失は損益計算書において認識される。個別の減損の実

行にあたり評価される際には、以下の損失事由が考慮される可能

性がある。

・ 発行体または債務者の深刻な財政難

・ 支払不履行または契約不履行

・ 債務者の財政難による利息もしくは元本の支払遅滞または貸

付条件の再交渉

グループ減損

金融資産の減損は、類似するリスク特性に応じて分類された資

産区分に基づき、グループレベルで検証される。グループの債務

不履行と相互に関連する債務者の弁済能力および/または経済環

境のネガティブな変化の結果、グループの将来キャッシュ・フ

ローの減少を観測可能なデータが示した場合に、資産は減損され

る。

顧客向貸付金は、貸し手に対するリスクに関してすべてのノル

ウェー地方自治体を同等に評価する地方自治体法の条項に基づ

き、同一のグループとして評価されている。償却原価で計上され

た有価証券は、発行体のリスク、内在するエクスポージャーおよ

び地理的分布に応じてグループに分けられる。減損は、発行体の

支払能力に影響を及ぼし得るマクロ経済情勢についての予想およ

び様々なリスクグループの歴史的損失に基づき、リスクグループ

毎に計算される。地方自治体が財政破綻する可能性を制限する現

行の法律に従い、公社は分割返済付貸付金における減損を想定し

ていない。

ヘッジ会計

金利スワップおよびクロス・カレンシー・スワップは、資産お

よび負債における金利リスクおよび為替リスクをヘッジするため

に利用される。債券とスワップの間のヘッジ関係がヘッジ会計の

基準を満たし、そのように指定される場合、公正価値ヘッジとし

て計上される。債券およびノートのポートフォリオにおけるヘッ

ジ項目は、貸付金および債権に分類され、ヘッジされた発行債券

は、その他の負債に分類される。ヘッジ戦略を含むヘッジ関係

は、指定の際に記録され、ヘッジ有効性はドル相殺方式を使って

継続的に測定される。ヘッジが有効でない部分は、損益計算書に

おいて認識される。ヘッジ商品は損益計算書を通じて公正価値で

測定され、それに伴い帳簿価格が調整される。ヘッジされたリス

クに起因するヘッジ項目の価値変動は、当該項目の帳簿価格の一

Page 44: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 44

部として、また損益計算書において「金融商品に係る未実現純

利益/(損失)」という項目で認識される。

キャッシュ・フロー表

キャッシュ・フロー表は直接法を利用して作成され、活動に

よって分類されるキャッシュ・フローを提示している。現金お

よび現金同等物とは、手元の現金を含み、預金および合意され

た満期のない短期の金融機関向債権が含まれる。

収益の認識

利息および手数料は発生時にその都度損益計算書において認

識され、利息は、原資産および原負債から独立して利息収益ま

たは利息費用として表示される。償却原価で測定された資産お

よび負債における利息収益は、損益計算書において実効利率法

を使って認識される。金利デリバティブを含む公正価値で測定

される項目については、利息は、収益または費用いずれかとし

て発生する度に認識される。公正価値で表示される金融商品に

係る未実現損益およびヘッジ会計の下でのヘッジ項目のヘッジ

されたリスクに起因する価値変動は「金融商品に係る未実現純

利益/(損失)」という項目で損益計算書において認識される。

その他の手数料および委託費用は、サービスが提供された時に

費用として認識される。

有形固定資産

有形固定資産は、累積減価償却および評価損を控除した帳簿

価額で計上される。取得原価を基準とした通常の減価償却は、

見積耐用年数期間において定額法を使って計算し、資産の処分

価値はゼロとみなす。

無形固定資産

ドメイン名は無期限耐用年数の無形固定資産に分類され、減

価償却されない。新たに取得されたポートフォリオシステムは

2015年11月に配備され、これもまた、無形固定資産として分類

される。取得費用は、耐用年数にわたって償却される。資産は

毎年減損の検査を受ける。資産減損の兆候がうかがえる場合

は、かかる資産の評価損が計上され、また帳簿価格と回収可能

価額の差異が損益計算書において認識される。

年金費用

公社は従業員年金制度を採用している。公社の年金制度は確

定給付型として扱われる。収入の線形増加予測額と将来の予想

最終給与額を基準として年金給付額が決定される。期間毎の年

金に係る純費用は、「給与および一般管理費」の項目に含ま

れ、期間内のサービス費用、算出された年金債務および一般管

理費に係る利息費用の合計で構成されている。年金債務純額の

価値は、経済上および保険数理上の仮定を基準に計算してい

る。

リース

資産の所有に関連するすべてのリスクおよびリターンを十分

に移転しないリースは、オペレーティングリースとして分類さ

れる。オペレーティングリース以外のリースは、ファイナンス

リースとして分類される。

オペレーティングリースにおけるリース料支払金は、リース

期間にわたって定額基準にて認識される。ファイナンスリース

の下では、資産および負債は貸借対照表においてリース物件の

公正価値と同額(かかる価値より低い場合は、最低リース支払額

の現在価値)として認識される。

税金

税金は発生する都度、損益計算書において認識される。すな

わち、利益に係る税金は、税引前利益に基づいている。一時的

および永久的な差異は、当期税額の課税標準が計算される前に

調整される。繰延税金負債および繰延税金資産は、会計上およ

び課税上の価格の差異から生じる一時的な差異を基準として、

決算年度末に計上される。かかる計算には表面税率が使われ

る。同年度内における税額の増減の差異は相殺される。利益に

係る税金は、当期税金(当年度の課税対象損益に係る税)、純繰

延税金の変動額および過年度に関して支払うべき税金の調整額

で構成されている。ノルウェーにおける法人の利益に係る税金

の税率は、2016年1月1日付で27%から25%へ減少し、新たな税

率は、2015年の繰延税金の計算に用いられる。

資本

公社の資本は、株式資本、資本要件を満たすその他Tier1資本

および剰余金によって構成される。配当は、定時株主総会の承

認を得るまでは資本として分類される。その他Tier1資本は、取

得費用で測定され、支払われた利息は配当金と同様に剰余金か

ら控除される。

セグメント情報

公社の事業セグメントは単一、すなわち、ノルウェー地方自

治体および地方自治体関連企業への貸付である。公社は、貸付

ポートフォリオおよび事業全体に関する情報開示でない限り、

セグメント別情報を提供しない。

新たな会計基準の導入

公社は、2015年において新しいIFRS基準を導入していない。

会計方針における変更

財務書類に適用される会計基準は、前年度に使用されたもの

と一致している。発効日が2015年1月1日となっている基準変更

は、公社の財務書類に対し重大な変更につながっていない。

公布された会計基準のうち効力を生じていないもの

IFRS第9号金融商品は、2014年7月に国際会計基準審議会

(IASB)によって完成および公表され、その発効日は2018年1月1

日となっている(早期導入の可能性あり)。2016年下半期にEUに

より推奨される予定である。当該基準は、IAS第39号金融商品:

認識および測定に取って代わるものである。公社は、2016年に

自身の財務書類に対する当該変更による影響を評価し、早期(す

なわち2017年1月1日から)の採用を検討する。被った損失に係る

方法を用いる現行の基準に対して、新しい基準は予想損失に係

る方法を用いるため、新たな規則は、償却原価で測定される貸

付金および債券の投資の公社の貸倒損失の引当て(減損)にいく

らか影響を与えることが予想される。ノルウェーの地方自治体

等、財政破綻に陥ることのない債務者が、IFRS第9号に盛り込ま

れている予想損失モデルにおける減損費用の増加につながるか

どうかの評価が開始されている。新たな基準はまた、ヘッジ会

計の新たなモデルを含んでおり、したがって、その採用に際

し、公社のヘッジ会計へのアプローチの調整が必要となる可能

性がある。新たなモデルにて、現時点でヘッジ会計がなされて

いない追加的な経済的ヘッジを同様に扱うべきであるかどうか

は、今後評価される。最後に、新たなIFRS第9号は、分類および

測定のためのモデルを変更している。公社は、これが自身に影

響があるかどうかもまた検討するが、これに基づいた財務書類

への重大な変更があることは想定していない。

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2015年.年次報告書

/ 頁 45

財務諸表注記

注記 1

純利息収益

(単位:百万クローネ)

2015年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

満期保有

目的

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

金融機関向債権 5 4 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 5,117 3,348 0 0 0 1,768 0 ノート、債券およびその他利付証券 1,884 1,670 0 0 0 214 0 金融デリバティブ (1,509) 0 (1,398) (111) 0 0 0 利息収益合計 5,496 5,022 (1,398) (111) 0 1,983 0 金融機関からの負債 7 7 0 0 0 0 0 債券発行 9,415 6,706 0 0 0 0 2,710 金融デリバティブ (5,595) 0 (3,775) (1,821) 0 0 0 劣後債務 27 27 0 0 0 0 0 利息費用合計 3,854 6,740 (3,775) (1,821) 0 0 2,710 純利息収益 1,642 (1,717) 2,377 1,709 0 1,983 (2,710)

2014年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

満期保有

目的

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

金融機関向債権 21 21 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 5,912 3,678 0 0 0 2,234 0 ノート、債券およびその他利付証券 2,214 1,872 0 0 2 340 0 金融デリバティブ (2,136) 0 (1,925) (211) 0 0 0 利息収益合計 6,011 5,571 (1,925) (211) 2 2,574 0 金融機関からの負債 5 5 0 0 0 0 0 債券発行 8,625 6,487 0 0 0 0 2,138 金融デリバティブ (4,157) 0 (2,648) (1,509) 0 0 0

劣後債務 23 23 0 0 0 0 0

利息費用合計 4,496 6,515 (2,648) (1,509) 0 0 2,138 純利息収益 1,515 (944) 723 1,298 2 2,574 (2,138)

注記 2

サービス料および手数料

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

銀行業務に関連する費用 19 14 その他の取引費用 11 10 サービス料および手数料合計 30 24

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2015年.年次報告書

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注記 3

金融商品に係る未実現純利益/(損失)

(単位:百万クローネ)

2015年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

分割返済付貸付金 (271) (271) 0 0 0 0 ノート、債券およびその他利付証券 (331) (222) 0 0 (109) 0 金融デリバティブ (17,172) 0 (16,959) (213) 0 0 金融機関からの負債 0 0 0 0 0 0 債券発行 18,775 18,439 0 0 0 336 劣後債務 115 115 0 0 0 0 金融商品に係る未実現純利益/(損失) 1,116 18,061 (16,959) (213) (109) 336

2014年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

分割返済付貸付金 607 607 0 0 0 0 ノート、債券およびその他利付証券 125 214 0 0 (89) 0 金融デリバティブ 2,804 0 2,653 151 0 0 金融機関からの負債 1 1 0 0 0 0 債券発行 (4,250) (4,214) 0 0 0 (36) 劣後債務 (21) (21) 0 0 0 0 金融商品に係る未実現純利益/(損失) (734) (3,413) 2,653 151 (89) (36)

注記 4

純トレーディング収益

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

発行債券買戻しによる利益/(損失) 25 13 債券投資売却およびデリバティブ終了による利益/(損失) (19) 26 純トレーディング収益 6 39

公正価値の変動は、主に債券の価格、市場金利、信用スプレッ

ド、ベーシス・スワップ・スプレッドおよび外国為替相場といっ

た市場パラメータならびにリスク要因の変動によるものであり、

貸借対照表における帳簿価格および損益計算書に反映される。公

社が取る為替リスクおよび金利リスクは非常に限定的であるた

め、該当するパラメータの変動は、貸借対照表における資産面お

よび負債面に対し概ね釣り合いが取れており、損益計算書におけ

る純額への影響をわずかに増加させる。一方、流動性資産ポート

フォリオへの投資および発行債券に対する信用スプレッドの変動

は、ベーシス・スワップ・スプレッドの変動と同様に、損益計算

書の重要な収益をもたらす。

1.1十億クローネとなった2015年の未実現純利益は、主に債券

発行およびこれらに関連する金融デリバティブに由来し、固定利

付債市場における信用スプレッドの増大およびスワップ・スプ

レッドの変動の結果である。合計すると、信用スプレッドの変動

は、2015年において600百万クローネの利益を生み、米ドル-ノ

ルウェー・クローネのスワップ・スプレッドの減少は、500百万

クローネの利益をもたらした。

公正価値の変動が満期前の売却、買戻しまたは償還にて実現さ

れる場合、その結果として生じる損益は、損益計算書において

「純トレーディング収益」として表示される。

公正価値ヘッジの金融デリバティブ(「注記13 ヘッジ会計」を

参照のこと。)は、損益計算書を通じて公正価値で測定され、上

記の表における公正価値ヘッジの列に表示される。関連するヘッ

ジ項目は、「ノート、債券およびその他利付証券」の3.2十億ク

ローネ、ならびに「債券発行」の158.8十億クローネから成り、

これらは貸付金および債権ならびにその他の負債として分類さ

れ、当初は償却原価で測定される。さらに、ヘッジされたリスク

(金利リスクおよび為替リスク)に起因する債券の価値の変動は、

損益計算書において「金融商品に係る未実現純利益/(損失)」と

して認識される。これらの価値変動は、上記の表における貸付金

および債権ならびにその他の負債の列に表示される。

Page 47: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 47

注記 6

報酬

(単位:千クローネ)

取締役会は、上級管理職の給与およびその他報酬に関する以下

の提言を定時株主総会に提出する。

上級管理職の報酬制度

公社の上級管理職に関する報酬方針は、公社の価値提案および

人事方針によって固定されており、公社に対する株主の期待およ

びその上級管理職の報酬に関するガイドラインと一致している。

上級管理職の給与を決定する際に守られる中心的な原則は、報酬

全体が、銀行および金融部門における同業他社と比較した際に水

準以上でありながら市場をリードするべきではないというもので

ある。

公社の上級管理職に関する報酬制度は、金融企業法の規定(1)、

金融機関における報酬制度に関する規則(2)、金融監督庁が当該規

則に関して発した通知(3)および国有企業の上級管理職に対する報

酬に関するノルウェー政府のガイドライン(4)に準拠している。

上級管理職を含むすべての従業員の報酬は、固定給、変動給の

支払い、年金ならびに職員保険、新聞、携帯電話および住宅ロー

ン補助制度を含むその他の利益で構成されている。公社は、株式

報酬プログラムまたはオプションを運用していない。固定給が受

け取られる報酬の主な要素である。取締役会は、毎年、翌年度の

変動給の支払いのための定量的な基準を設定し、すべての従業員

に対して1ヶ月分の給与の最大1.5倍の支払いを翌年度に与えるこ

とができる。

すべての従業員の固定給は、公社の業績、共通の目標の達成に

向けての従業員の貢献および従業員の公社の価値の順守の併用評

価に基づいて毎年1月1日付で調整され、指導力技術もまた、報告

スタッフを抱えるマネージャーに対する評価の一部を形成してい

る。

上級管理職は、社長兼CEOおよび7名で構成される、CEO率いる

管理職グループとして定義される。

ガバナンスシステムおよび意思決定プロセス

取締役会は、報酬、変動給に関するガイドラインならびに上級

管理職およびCEOに対する報酬のためのガイドラインに適用され

る原則に関する予備作業を遂行する諮問委員会である報酬委員会

を設置している。取締役会は、報酬委員会の作業に対して権限を

委任する。報酬委員会の議事録が取締役会に回覧される。報酬委

員会は、3名の委員から成り、年に1度、取締役によって取締役の

中から任命される。

取締役会は、毎年、上級管理職に対する報酬および変動給の支

払いに関するガイドラインを承認している。公社は、報酬の変動

要素の実用化についての年次レビューを、報酬規制に従って内部

監査人によって審査される報告書という形式で遂行している。

取締役会は、報酬委員会によって遂行された本件に関する予備

作業の後にCEOの報酬を決定する。

CEOは、取締役会のガイドラインによって定められた制限内

で、取締役会と協議した後、その他上級管理職の報酬を決定す

る。上級管理職の報酬に関するCEOの決定は、その後情報として

取締役会に提出される。

2015年における公社の上級管理職の報酬

年金給付金

上級管理職は、地方自治体年金基金(KLP)によって管理されて

いる、国家保険の基礎額の12倍以下の給与対象者を対象とした公

社の確定給付年金制度の加入者である。当該制度の加入者は、30

年間の勤務を終えた後、公社を退職する時点での基本給の66%に

相当する、平均寿命により調整された退職年金を得る資格があ

る。公社は、以前まで国家保険の基礎額の12倍(「12G」)を上回

る給与対象者に補助年金制度を提供していたが、これらの制度は

2015年11月1日付で廃止された。事業から資金が提供された確定

給付制度の加入者であった上級管理職は、当該制度において成立

していた権利を2015年10月31日まで保有していた。契約上、国家

保険の基礎額の12倍を上回る給与対象者を対象とした確定拠出制

度に加入する資格のある上級管理職は、給与の一時金として、

2015年10月31日までの積立金を2015年11月に受け取った。当該制

度の廃止による影響を受けた個人は、未来の積立金のために、

2015年11月1日付での昇給という形で補償金を受け取った。CEO

は、基礎額の12倍を上回る給与の20%までが補償された一方で、

その他上級管理職は15%までが補償された。

固定給

2015年に支払われた固定給には、通常の年次昇給、国家保険の

基礎額の12倍を上回る給与対象者に対する契約上の確定拠出補助

年金制度における累積年金価額に関する臨時の支払いおよび補助

年金制度の廃止に対する補償が含まれた。最高リスク管理責任者

であるホーヴァル・トールスタは、これらの補償の取決め対象に

は含まれていない。

変動給

公社のすべての従業員への変動給のための基準を含む、2015年

度に関する変動給のガイドラインは、2014年12月に取締役会に

よって承認され、すべての従業員が1ヶ月分の給与の1.5倍に相当

する変動給を受け取るという結果となった。

注記 5

給与および一般管理費

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

給与 66 57 雇用者拠出金 9 7 年金費用 12 4 その他の職員給付金 2 2 一般管理費 26 23 給与および一般管理費合計 115 93 年平均常勤換算人数 62 54

Page 48: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 48

2015年

上級管理職の報酬 一時金支払前

の固定給

2015年1月1日

以降の12Gを

超えた一時金

変動給

(当期未払分)*

その他の給付金 年金費用

クリスティーネ・ファルクゴール (社長兼CEO) 2,551 1,266 351 159 175 マーティン・スピルム (最高金融市場責任者) 2,319 28 294 116 161 ヤニッケ・トランピー・グランクイスト (CFO) 1,647 119 217 20 142 トーレ・オーレ・スタインスランド

(最高コミュニケーション責任者(CCO)) 1,197 62 150 31 148

ホーヴァル・トールスタ (最高リスク管理責任者

2015年11月1日着任) 275 0 34 4 0

フランク・オブレボ (最高リスク管理責任者

2015年10月30日退任) 1,355 113 169 19 155

イルセ・マルガレーテ・バッケ

(チーフ・オブ・スタッフ) 1,355 81 172 23 144

ラーシュ・ストロム・プレストヴィク

(最高融資責任者 2015年7月1日着任) 1,343 68 182 69 141

上級管理職の報酬合計 12,042 1,737 1,569 441 1,066 専門的活動が公社のリスクポジションに影響を及ぼ

す従業員の報酬合計 16,827 91 2,178 644 2,256

管理部門の従業員の報酬合計 16,907 0 2,231 416 2,236 * 翌年に支払われる。

2014年

上級管理職の報酬 固定給 12Gを超えた

一時金

変動給

(当期未払分)

その他の給付金 年金費用

クリスティーネ・ファルクゴール (社長兼CEO) 2,474 0 306 143 199 マーティン・スピルム (最高金融市場責任者) 2,816 0 269 111 441 カリーナ・フォーヴィク (CFO

2014年4月30日退任) 808 0 0 14 87

ヤニッケ・トランピー・グランクイスト

(CFO 2014年8月4日着任) 661 0 83 11 55

トーレ・オーレ・スタインスランド (CCO) 1,180 0 144 26 146 フランク・オブレボ (最高リスク管理責任者) 1,354 0 161 13 163 イルセ・マルガレーテ・バッケ

(チーフ・オブ・スタッフ 2014年1月1日着任) 1,210 0 163 18 136

上級管理職の報酬合計 10,503 0 1,126 336 1,225 専門的活動が公社のリスクポジションに影響を及ぼ

す従業員の報酬合計 15,039 0 1,796 548 2,399

管理部門の従業員の報酬合計 11,878 0 1,619 349 2,024

その他の利益

上級管理職は、その他の従業員に適用される同じ条件にて、保

険の手配、携帯電話、新聞の購読等のその他の利益を得る資格が

ある。保険の手配は、健康保険や旅行保険だけでなく、身体障害

保険や生命保険も含む、現在の固定給の水準までの様々な形式の

職員保険に関連している。

CEO、最高金融市場責任者および最高融資責任者は、それぞれ

130,000クローネ、80,000クローネおよび50,000クローネの固定

の年次自動車給付金を得る資格がある。

CEOは、一定の条件に従って、1年分の固定給に相当する退職金

を得る契約上の資格がある。

(1) 金融企業法(LOV-2015-12-04-96)

(2) 金融機関、投資会社および資金運用会社の報酬制度に関する

規制(FOR-2010-12-01-1507)

(3) 金融監督庁:通知15/2014

(4) ノルウェー貿易産業漁業省によって2015年2月13日付で採用

された、国有企業の上級管理職の報酬に関するガイドライン

Page 49: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 49

取締役会の報酬 2015年 2014年

会長:エルゼ・ブッゲ・フォグネル 1) 3) 386 282 副会長:ニルス・R・サンダル (2015年6月5日退任) 70 143 副会長:マーティン・スカンケ (2015年6月5日副会長着任) 3) 273 105 取締役:フローデ・ベルゲ (2014年6月17日退任) 0 68 取締役:ナンナ・エギディウス 2) 178 158 取締役:マッタ・タークヴァム 2) 3) 304 185 取締役:ルーネ・ソーリエ 2) 178 184 取締役:ルーネ・ミッドゴール (2014年6月17日着任) 1) 155 59 取締役:ペッテル・スティーン・ジュニア (2015年6月5日着任) 70 0 取締役(従業員代表):トリーネ・ターフョル (2014年6月17日退任) 0 52 取締役(従業員代表):ロアルド・フィッシャー (2015年6月5日退任) 54 105 取締役(従業員代表):ヤーレ・ビーレ (2015年6月5日着任) 1) 90 0 取締役(従業員代表):マーリット・ウールモ・ハシュタ (2014年6月17日着任) 123 59 取締役代理(従業員代表):トリーネ・ターフョル (2014年6月17日着任-2014年11月30日退任) 0 0 取締役代理(従業員代表):クリスティーネ・ヘンリクセン・リーエン (2014年12月1日着任) 0 0 取締役代理(従業員代表):ヤーレ・ビーレ (2015年6月5日退任) 32 5 取締役会の報酬合計 1,913 1,405 1) 報酬委員 2) 会計監査委員 3) リスク委員 監査委員会の報酬 2015年 2014年

委員長:ブリット・ルン (2014年6月17日退任) 0 27 委員長:シェル・インゲ・スカルデボ (2014年6月17日着任) 57 45 委員:アンネマ・トストループ・スミス 35 34 委員:オーレ・ローダール (2014年6月17日着任) 35 17 代理委員:ロイ・イェヴァール 35 34 監査委員会の報酬合計 162 157

監督委員会の報酬 2015年 2014年

委員長:エーリン・アイツヴィック (2014年6月17日退任) 0 11 委員長:スヴァイン・ルドヴィグセン (2014年6月17日着任) 23 14 委員 67 66 監督委員会の報酬合計 90 91

法定監査人に対する費用 2015年 2014年

法定監査費用 1,098 935 その他の財務監査および認証業務 822 1,119 税務サービス 77 0 その他の監査関連でない業務 7 15 合計(付加価値税を除く) 2,004 2,069

Page 50: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

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年金費用および確定給付債務の計算に適用された経済推定値 2015年12月31日現在 2014年12月31日現在

割引率 2.70 % 2.30 % 推定賃金上昇率 2.50 % 2.75 % 推定基礎額上昇率 2.25 % 2.50 % 推定給付水準上昇率 1.48 % 1.73 %

公社は、2015年および2014年の割引率を決定する際のインプットとしてノルウェーのカバードボンドを利用している。保険数理上の

仮定は、ノルウェー会計基準審議会によって推奨された人口構造的要素に関連する基準仮定に基づいている。2015年の見積の変更は、

その他の包括利益の実質的な利益をもたらし、積立制度において12.2百万クローネ、非積立制度において3.9百万クローネとなった。

注記 7

年金

(単位:千クローネ)

公社は、全従業員を対象とし、地方自治体年金基金(KLP)を通

じて管理されている確定給付制度を有している。年金給付金は、

退職年金、障害年金ならびに配偶者および扶養児童のための年金

を含んでおり、国家保険制度による給付金と連携している。確定

給付制度はノルウェー年金給付法の要件に従う。

完全年金給付金は30年の就労期間を必要とし、国家保険制度を

含む基本給の66%に相当する退職年金を受け取る権利を与える。

公社はまた、契約年金制度(AFP)を有している。この制度は年金

債務の計算の中に含まれている。2011年4月1日現在、12 x 基礎

額を上回る給与対象者のための確定給付制度は終了し、制度の一

環であった現従業員に対しては2015年に終了した。12 x 基礎額

を上回る年金の廃止についてのさらなる情報については、注記6

を参照のこと。

雇用者拠出金は、年金費用および年金債務に含まれている。

年金費用 積立制度 非積立制度

2015年 2014年 2015年 2014年

定期年金費用純額 8,191 6,530 635 695 純利息 1,099 1,250 450 525 サービス費用 224 192 0 0 雇用者拠出金 1,342 1,124 153 172

その他の包括利益で認識された保険数理による利益/(損失) (12,208) 12,002 (3,889) 6,302 年金費用純額 (1,352) 14,102 (2,651) 6,263

年金債務 積立制度 非積立制度

2015年 2014年 2015年 2014年

確定給付債務 94,813 92,546 16,512 19,068 年金資産 (68,608) (58,340) 0 0 雇用者拠出金 3,695 4,823 2,328 2,689 年金債務純額 29,900 39,029 18,840 21,757 年金債務の変動 積立制度 非積立制度

2015年 2014年 2015年 2014年

1月1日現在の年金債務純額 39,029 32,229 21,757 15,747 年金費用純額 (1,352) 14,102 (2,651) 6,263 年金制度拠出金 (7,778) (7,302) (266) (254) 12月31日現在の年金債務純額 29,900 39,029 18,840 21,757

損益計算書で認識された年金費用合計 10,856 2,101 1,238 (39)

損益計算書で認識された年金費用(雇用者拠出金およびサービス費用を

含む) 0 (6,996) 0 (1,431)

Page 51: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

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年金資産の公正価値の変動 積立制度

2015年 2014年 2015年 2014年

1月1日現在の年金資産の公正価値 58,340 47,658 0 0 純利息 1,207 1,784 0 0 保険数理による利益/(損失) 3,424 3,600 0 0 サービス費用 (224) (192) 0 0 年金制度拠出金 6,816 6,400 233 222 支払給付金 (955) (909) (233) (222) 12月31日現在の年金資産の公正価値 68,608 58,340 0 0

非積立制度

注記 8

税金

(単位:百万クローネ)

法人の利益に係る税金の税率は、2016年1月1日より27%から25%へ減少した。

2015年 2014年

税額 832 404 繰延税金の変動額 (119) (220) 過年度における過小/過大費用 0 (3) 税金費用合計 713 182

税額 2015年 2014年

当期利益の税額 832 404 その他の包括利益で認識された項目における当期利益の税額 (4) 0 税額合計 829 404

利益に係る税金の実効税率調整 2015年 2014年

税引前利益 2,583 673 利益に係る税金算出額(27%) 697 182 税金における税率の変動の影響 16 0 税金費用 713 182 利益に係る税金の実効税率 27.6 % 27.0 %

繰延税金負債/(資産) 2015年 2014年

1月1日現在の繰延税金負債/(資産) (86) 139 繰延税金の変動額 (119) (220) その他の包括利益で認識された項目における繰延税金の変動額 5 (5) 12月31日現在の繰延税金負債/(資産)(27%) (201) (86)

一時差異 2015年 2014年

有形固定資産 (1) 0 年金債務 (33) (42) 引当金 (11) (18) 金融デリバティブ 157 323 債券へのプレミアム/ディスカウント (1,465) 0 金融商品に係る未実現利益/損失 563 (554) 損益計算書における一時差異合計 (791) (291) その他の包括利益で認識された保険数理による利益/(損失) (13) (29) 一時差異合計 (803) (319) 繰延税金負債/(資産) (201) (86)

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2015年.年次報告書

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注記 9

リース

(単位:百万クローネ)

将来の最低リース支払額 2015年 2014年

1年以内 6 6 1年超5年以内 23 24 5年超 0 5 将来の最低リース支払額合計 29 35

当期に費用として認識されたリース支払額 7 7

公社が借主であるオスロ市ホーコン7世通りにある賃貸不動産が、オペレーティングリースの主要部分を構成している。

注記 10

金融商品の分類

(単位:百万クローネ)

2015年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

満期保有

目的

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

金融機関向債権 19,428 2,190 0 0 0 17,238 0 分割返済付貸付金 256,815 159,525 0 0 0 97,289 0 ノート、債券およびその他利付証券 149,944 146,687 0 0 69 3,188 0 金融デリバティブ 22,831 0 21,016 1,815 0 0 0 金融資産合計 449,018 308,402 21,016 1,815 69 117,716 0 金融機関からの負債 7,167 0 0 0 0 0 7,167 債券発行 390,107 231,332 0 0 0 0 158,775 金融デリバティブ 37,207 0 36,435 772 0 0 0 劣後債務 1,764 1,764 0 0 0 0 0 金融負債合計 436,245 233,096 36,435 772 0 0 165,942 2014年 合計 損益計算書を通じて公正価値で

表示されているもの

満期保有

目的

貸付金

および債権

その他の

負債

公正価値

オプション

売買目的

保有

公正価値

ヘッジ

金融機関向債権 16,219 9,619 0 0 0 6,600 0 分割返済付貸付金 249,928 150,328 0 0 0 99,600 0 ノート、債券およびその他利付証券 157,364 143,962 0 0 113 13,289 0 金融デリバティブ 31,776 0 29,598 2,178 0 0 0 金融資産合計 455,287 303,909 29,598 2,178 113 119,489 0 金融機関からの負債 25,135 0 0 0 0 0 25,135 債券発行 398,669 253,570 0 0 0 0 145,099 金融デリバティブ 20,919 0 19,826 1,093 0 0 0 劣後債務 1,895 1,895 0 0 0 0 0 金融負債合計 446,618 255,465 19,826 1,093 0 0 170,234

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2015年.年次報告書

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注記 11

公正価値で測定した金融商品

(単位:百万クローネ)

2015年 レベル1 レベル2 レベル3 合計

金融機関向債権 0 2,190 0 2,190 分割返済付貸付金 0 100,695 58,830 159,525 ノート、債券およびその他利付証券 84,660 56,060 5,967 146,687 金融デリバティブ 0 20,572 2,259 22,831 公正価値で測定した金融資産合計 84,660 179,517 67,056 331,233 金融機関からの負債 0 7,167 0 7,167 債券発行 0 158,630 72,702 231,332 金融デリバティブ 0 7,527 29,680 37,207 劣後債務 0 0 1,764 1,764 公正価値で測定した金融負債合計 0 173,324 104,146 277,470

報告期間中において、レベル1およびレベル2の間に重要な移行はなかった。

2014年 レベル1 レベル2 レベル3 合計

金融機関向債権 0 9,619 0 9,619 分割返済付貸付金 0 103,872 46,456 150,328 ノート、債券およびその他利付証券 82,882 56,887 4,193 143,962 金融デリバティブ 0 30,664 1,112 31,776 公正価値で測定した金融資産合計 82,882 201,043 51,761 335,686 金融機関からの負債 0 0 0 0債券発行 0 164,008 89,562 253,570 金融デリバティブ 0 9,402 11,517 20,919 劣後債務 0 0 1,895 1,895 公正価値で測定した金融負債合計 0 173,410 102,974 276,384

報告期間中において、レベル1およびレベル2の間に重要な移行はなかった。

公正価値に関する情報

公正価値を決定するために用いられる方法は、異なる程度の評

価の不確実性を反映する、以下の3つのカテゴリーに入る。

レベル1-同一の資産および負債に対する、活発な市場におけ

る相場価格

レベル2-観測可能なインプットを利用する評価技法

レベル3-インプットが著しく観測不能である場合の評価技法

レベル2およびレベル3の金融商品の公正価値決定に用いられる

評価技法には、割引キャッシュ・フローならびに観測可能な市場

データおよび見積の両方をインプットとして利用するオプショ

ン・プライシング・モデルが含まれる。金融商品の公正価値にお

けるすべての変動は、資産および負債の帳簿価格を調整し、損益

計算書において「金融商品に係る未実現純利益/(損失)」として

認識される。

金融機関向債権

公正価値で測定される金融機関向債権は、その他の金融機関へ

の短期定期預金を含む。短期という性質により、これらの金融商

品の公正価値は、名目元本とほぼ同額である。

分割返済付貸付金

レベル2は、地方自治体により発行された短期負債証書および

NIBOR連動型変動金利貸付金を含む。市況が変化した場合、これ

らの融資商品の中で顧客は、かかる貸付金をより柔軟に他の融資

機関に借り換えることができる。その結果、これらの種類の貸付

は、より厳しい競争および市場におけるより高い流動性にさらさ

れ、これらの融資商品の評価におけるインプットとして利用され

る新規貸付の観測可能な価格の利用を可能にしている。

レベル3は、活発な市場で取引されておらず、当初の認識後に

観測可能な市場価格が付いていない顧客に対する固定金利貸付を

含む。当該貸付に対する重要なインプットは、各報告日付で見積

られる信用スプレッドである。信用リスクは、すべての地方自治

体について同様であるとみなされる。観測可能な信用スプレッド

を入手することができないため、経営陣は、とりわけ新規貸付の

価格および追加担保に基づき、かかる信用リスクの調整について

仮定および見積を行う。報告日までのより短い期間からの貸付

は、報告日における市況を反映する公正価値を確保するための信

用スプレッドを決定するために利用される。

ノート、債券およびその他利付証券

多数の自発的な買い手および売り手が存在する活発な市場にお

ける相場価格に基づく公正価値の決定は、評価の不確実性(レベ

ル1)の程度が最も低い公正価値の見積を出す。ノート、債券およ

びその他利付証券のレベル1のインプットには、活発な市場にお

ける実際の取引を表す、海外情報提供会社(ロイター通信社/ブ

ルームバーグ)が提供する相場価格が含まれる。

報告日において相場価格が十分に入手することができない場合

のノートおよび債券の公正価値は、割引キャッシュ・フロー法を

用いて決定され、割引率は観測可能な短期金融市場金利の利回り

曲線から算出される。割引率は、観測可能な市場データに基づ

き、発行体の信用リスクおよび流動性リスクに応じて最大限に調

Page 54: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 54

整される。割引率に信用/流動性の調整を適用する場合、資産は

発行体の信用格付、通貨、満期までの残存期間、内在するエクス

ポージャーおよび地理的場所に基づき分類される。各報告日にお

いて、経営陣は、投資における評価の不確実性の程度を評価して

いる。ある程度、観測不能な信用スプレッドが使用される。これ

らは評価において重要であるため、証券はレベル3に割り当てら

れ、これは重大な評価の不確実性を反映している。公正価値の測

定に利用されるインプットのより詳細な情報については、「会計

方針」を参照のこと。

債券発行

資金調達ポートフォリオは、使用される資金調達商品および借

入書類に基づき主に4つの部門に分かれる。4つの主要分類とは、

米ドルおよびユーロ建てのベンチマーク債発行、小規模市場での

公募債発行、私募債発行および個人投資家向け債券発行のことで

ある。最初の2つの部門は、ともに様々な通貨でなされる、上場

された公募の協調融資という性質を持っているが、主に借入規模

によって両者間に差が生じる。活発な市場における、上場された

ベンチマーク債の相場価格は、限られた評価の不確実性しか有さ

ず、レベル1に属するという評価を受けることにより存在してい

る。小規模市場での公募の債券発行についても相場価格はある程

度利用可能であるが、公正価値の決定は主に評価技法および観測

可能な市場データを用いて行われることが評価されることによ

り、市場活動および流動性はやや低めに評価される。これらの債

券においては、割引キャッシュ・フロー法は、満期、規模および

通貨における差異によって調整された、市場金利、相場価格なら

びに類似商品の価格等の観測可能な市場データに基づく割引率を

利用して用いられる(レベル2)。新規発行債券の価格は、評価に

おいて重要な指標として利用されており、さらに、公社は、仲介

業者より拘束力のない価格見積も受け取っている。

3つめの私募債発行部門は、その借入条件が単一の投資家のた

めに特別に採用されるものである。最後の主要部門である個人投

資家向け債券発行とは、個人投資家向けに販売される債券のこと

である。これら2つのグループにおける債券は、上場されておら

ず、通常、流通市場では取引されず、ほとんどが株価指数または

外国為替相場に連動したオプション要素が付いた仕組商品であ

る。したがって、相場価格は入手することができないため、観測

不能なインプットが、評価においてかなりの程度利用される。そ

のため、これらの借入金は、公正価値ヒエラルキーにおいてレベ

ル3に分類され、著しい評価の不確実性によって特徴付けられ

る。評価技法およびインプットの選択は、各借入金の仕組みによ

る。組込オプションがない債券の公正価値は、インプットが現行

金利の利回り曲線および新規発行債券の価格から見積った信用ス

プレッドである、割引キャッシュ・フロー法を用いて決定され

る。オプション要素が付いた仕組債の公正価値は、インプットと

して金利、外国為替相場および歴史的変動率をすべて利用するオ

プション・プライシング・モデルを用いて決定される。

金融デリバティブ

すべての金融デリバティブは、金利リスクおよび為替リスクの

経済的ヘッジにおいてのみ使用される店頭取引契約である。ベー

シス・スワップ(米ドル-ノルウェー・クローネ、米ドル-ユー

ロおよびユーロ-ノルウェー・クローネ)およびオプション要素

が付いていないプレイン・バニラ金利スワップならびにクロス・

カレンシー・スワップの公正価値は、観測可能なベーシス・ス

ワップ・スプレッドおよびスワップ金利から算出される割引率を

使用し、割引キャッシュ・フロー法を用いて決定される。した

がって、これはレベル2と評価されるが、かなりの程度市場活動

は活発である。組込オプションが付いたエクイティ・リンク・デ

リバティブおよびコモディティ・リンク・デリバティブは、対応

する発行債券と同一の評価モデルを用いて評価され、レベル3に

分類される。

評価技法

金融商品の公正価値を決定するために用いられる方法は、かか

る商品の特性および仕組みに基づいて決定される。組込デリバ

ティブがない金融商品の公正価値は、関連する観測可能な短期金

融市場金利を用いて割引率が算出される割引キャッシュ・フロー

法およびかかる商品の公正価値に対し影響を及ぼす可能性のある

その他の重大なリスク要因を用いて決定される。当該要因が報告

日において確実に観測できない場合、経営陣は、公正価値を決定

する際に仮定を置き、見積を利用することができる。レベル3に

おける評価に用いられる観測不能なインプットのうち最も重要な

ものは、活発な市場で取引されていない金融商品の信用スプレッ

ドである。組込デリバティブがある金融商品の公正価値は、観測

可能な市場データおよび見積をインプットとして、オプション・

プライシング・モデルを用いて決定される。複数の期間にかけて

保有される一部である、公正価値で測定される金融商品のレベル

間の変動調整は、各報告期間の期末に行われる。

公社は、公正価値における進展の理由を含む、公正価値および

当期の価値変動を期末に分析している。

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2015年.年次報告書

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レベル3の変動調整 2014年 追加 処分 利益/(損失) 移行 2015年

分割返済付貸付金 46,456 25,442 (14,177) 2,383 (1,274) 58,830 ノート、債券およびその他利付証券 4,193 2,795 (1,510) 29 460 5,967 金融デリバティブ 1,112 38 (446) 1,555 0 2,259 公正価値で表示されるレベル3の金融資産合計 51,761 28,275 (16,133) 3,967 (814) 67,056 債券発行 89,562 17,809 (33,648) (1,021) 0 72,702 金融デリバティブ 11,517 4,092 (1,576) 15,647 0 29,680 劣後債務 1,895 0 0 (131) 0 1,764 公正価値で表示されるレベル3の金融負債合計 102,974 21,901 (35,224) 14,495 0 104,146 2013年 追加 処分 利益/(損失) 移行 2014年

分割返済付貸付金 46,524 25,663 (24,088) 367 (2,010) 46,456 ノート、債券およびその他利付証券 3,989 1,781 (3,782) 1 2,204 4,193 金融デリバティブ 1,200 121 (576) 367 0 1,112 公正価値で表示されるレベル3の金融資産合計 51,713 27,565 (28,446) 735 194 51,761 債券発行 102,774 36,368 (60,845) 11,265 0 89,562 金融デリバティブ 7,677 (3,263) 4,050 3,053 0 11,517 劣後債務 1,687 0 0 208 0 1,895 公正価値で表示されるレベル3の金融負債合計 112,138 33,105 (56,795) 14,526 0 102,974

レベル3における公正価値の測定における重要な観測不能なイン

プット

当該商品について市場活動がほとんどまたは全くない場合の評

価は、評価技法におけるインプットとしての見積にかなりの程度

基づいている。最も重要な見積は、スワップ金利に対する上乗せ

(スプレッド)である。債券発行のスプレッドは、流動性リスク、

自身の信用リスクおよび該当する外国為替市場における市場リス

クを反映している。2015年12月31日時点の評価に利用された、米

ドル3ヶ月LIBORに対する信用スプレッドは、債券発行につき-20

ベーシス・ポイントから+88ベーシス・ポイントの幅がある。

ノート、債券およびその他利付証券のスプレッドは、流動性リス

ク、発行体の信用リスクおよび該当する外国為替市場における市

場リスクを反映している。米ドル3ヶ月LIBORに対するスプレッド

は、ノートおよび債券につき-32ベーシス・ポイントから+61

ベーシス・ポイントの幅がある。その他の観測不能な重要なイン

プットには、組込オプションまたはオプション要素を持つ商品の

ために使用されるオプション・プライシング・モデル内の変動が

含まれる。

ごくわずかな市場活動およびこれらの証券のわずかな観測可能

なデータに基づき、合計460百万クローネに達するノート、債券

およびその他利付証券が2015年においてレベル2またはレベル1か

ら移行された。分割返済付貸付金については、レベル3からの移

行は、顧客が固定金利の期間を終了すること、すなわち商品変更

に起因する。

信用スプレッド合計および利回り曲線は、各内在要素の変動に

影響を受ける可能性がある。したがって、当該商品の公正価値は

信用スプレッド、流動性リスクまたは市場リスクの変動に影響を

受ける。観測不能なインプットの感応度に関するより詳細な情報

については、以下「重要な仮定における変動の影響」の表を参照

のこと。

Page 56: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 56

重要な仮定における変動の影響 2015年 2014年

帳簿価格 重要な仮定に

おける変動の

影響

帳簿価格 重要な仮定に

おける変動の

影響

分割返済付貸付金 58,830 (249) 46,456 (151)

ノート、債券およびその他利付証券 5,967 (81) 4,193 (7)

金融デリバティブ (27,421) (58) (10,405) (24)

債券発行 72,702 18 89,562 217

劣後債務 1,764 1 1,895 3

合計 111,842 (369) 131,701 38

重要な仮定における変動は、資産および負債に係る公正価値決定の重要な要素となる観測不能なインプットにおける10ベーシス・ポ

イントの変動と定義される。

レベル3における、あらゆる満期の分割返済付貸付金を測定す

るために用いる、割引率の10ベーシス・ポイントの上昇は、例

えばこれらの貸付金の249百万クローネの価値の減少をもたら

す。かかる割引率の上昇は、あらゆる満期での信用スプレッド

の拡大によって引き起こされる可能性がある。同様に、レベル3

に割り当てられるノート、債券およびその他利付証券に対する

割引率の10ベーシス・ポイントの上昇は、81百万クローネの価

値の減少をもたらし、これは、関連する債券の信用スプレッド

の拡大または金融市場における流動性リスクの増加のいずれか

によって引き起こされる可能性がある。レベル3に割り当てられ

る債券発行については、割引率の10ベーシス・ポイントの上昇

は、18百万クローネの価値の減少につながる。これもまた、公

社の場合は信用スプレッドの拡大に起因する可能性があり、ま

たは外国為替相場や変動率等のオプション・プライシング・モ

デルにおいて用いられるパラメータの変動に起因する可能性が

ある。上記の表は、利回り曲線上のあらゆる満期における同様

の変化を仮定しており、異なる満期では異なる変化も予想する

ことができる。

Page 57: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 57

注記 12

償却原価で測定した金融商品

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

帳簿価格 公正価値 帳簿価格 公正価値

分割返済付貸付金 97,289 97,264 99,600 99,549 貸付金および債権として分類されるノート、債券およびその他利付証券 3,188 3,209 13,289 13,238 満期保有目的として分類されるノート、債券およびその他利付証券 69 63 113 113 償却原価で測定した金融資産合計 117,784 117,773 119,602 119,500

債券発行 158,775 158,436 145,099 145,138 償却原価で測定した金融負債合計 165,942 165,603 170,234 170,273

金融機関向債権 17,238 17,238 6,600 6,600

金融機関からの負債 7,167 7,167 25,135 25,135

公正価値で表示され、償却原価で測定した金融商品に係る公正価値ヒエラルキー内のレベルに関する情報

2015年 レベル1 レベル2 レベル3 合計

分割返済付貸付金 0 81,505 15,759 97,264 貸付金および債権として分類されるノート、債券およびその他利付証券 0 2,465 745 3,209 満期保有目的として分類されるノート、債券およびその他利付証券 0 63 0 63公正価値で測定した金融資産合計 0 84,033 16,502 100,535 債券発行 150,400 8,036 0 158,436 公正価値で測定した金融負債合計 150,400 8,036 0 158,436 2014年 レベル1 レベル2 レベル3 合計

分割返済付貸付金 0 85,235 14,314 99,549 貸付金および債権として分類されるノート、債券およびその他利付証券 0 11,670 1,568 13,238 満期保有目的として分類されるノート、債券およびその他利付証券 0 113 0 113公正価値で測定した金融資産合計 0 97,018 15,882 112,900 債券発行 137,565 7,182 391 145,138 公正価値で測定した金融負債合計 137,565 7,182 391 145,138

公正価値に関する情報

公正価値測定に関する情報については、「注記11 公正価値で

測定した金融商品」を参照のこと。

ヘッジ項目としてヘッジ関係にある資産および負債(貸付金お

よび債権として分類されるノート、債券およびその他利付証券な

らびにその他の負債として分類される債券発行(「注記13 ヘッジ

会計」を参照のこと。))については、ヘッジされたリスクに起因

する価値変動が計算される。この価値変動は、資産または負債の

帳簿価格を調整し、損益計算書の「金融商品に係る未実現純利

益/(損失)」の項目において認識される。また、その際には割引

キャッシュ・フロー法が用いられるが、割引率はヘッジされたリ

スク(金利および為替の要素)のみを反映する。

分割返済付貸付金

レベル2:公社独自の金利設定による貸付金および固定金利付

NIBOR連動型貸付金(満期は1年以内)は、市場条件が変化した場合

に貸付機関を替えることができるさらなる柔軟性を顧客に与える

満期および/または金利条件を持つ。これにより、より厳しい競

争および市場におけるより高い流動性をもたらし、これらの融資

商品の評価におけるインプットとして利用される新規貸付の観測

可能な価格の利用を可能にしている。

レベル3:固定金利付NIBOR連動型貸付金(満期は1年超)は、公

社と貸付顧客との間で相互に提供されており、活発な市場で取引

されていない。

債券発行

償却原価で測定した債券発行は、主に米ドルおよびユーロ建て

のベンチマーク債ならびに小規模市場における公募債から構成さ

れている。

Page 58: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 58

公正価値ヘッジにおける金融商品の帳簿価格 2015年 2014年

ノート、債券およびその他利付証券 3,188 13,289 債券発行 158,775 145,099 金融デリバティブ 1,043 1,085 合計 163,006 159,473

公正価値ヘッジにおける金融商品の公正価値の変動 2015年 2014年

ノート、債券およびその他利付証券 (109) (89) 債券発行 336 (36) 金融デリバティブ (213) 151 合計 14 26

公正価値の変動は、金利および通貨ベーシス・スワップ・スプレッドといった潜在的なリスク要因の変動によるものである。

注記 14

金融機関向債権

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

合意された満期のない金融機関向債権 34 21 合意された満期のある金融機関向債権 2,190 9,619 提示した担保金 17,204 6,579 金融機関向債権合計 19,428 16,219

注記 13

ヘッジ会計

(単位:百万クローネ)

公社は、金利リスクおよびクロス・カレンシー・リスクに係

る特定の経済的ヘッジ取引に対して公正価値ヘッジ会計を用い

る。ヘッジ商品がヘッジ項目(「マイクロ・ヘッジ」)と明確に関

連し、かつヘッジ関係が適切に記録されている場合、公正価値

ヘッジは個々の取引レベルで適用される。ヘッジ効果は継続的に

測定され、ヘッジ効果がなかった場合はすべて「金融商品に係る

未実現純利益/(損失)」で認識される。

Page 59: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 59

注記 15

分割返済付貸付金

(単位:百万クローネ)

2015年 2014年

元本金額 254,376 247,067 経過利息 945 1,092 公正価値調整 1,448 1,720 顧客向貸付金合計 256,769 249,879 その他の貸付金 46 49 分割返済付貸付金合計 256,815 249,928

地域分布 2015年 2014年

オストフォル 10,913 10,998 アーケシュフス 22,401 21,593 オスロ 6,944 4,415 ヘドマルク 11,093 10,515 オップランド 8,034 8,042 ブスケル 29,877 28,648 ヴェストフォル 8,569 8,334 テレマルク 9,479 8,302 オストアグデル 5,850 5,924 ベストアグデル 11,618 12,420 ロガラン 19,740 20,080 ホルダラン 28,817 29,213 ソグンおよびフィヨルダーネ 8,054 7,640 モーレおよびロムスダル 16,417 15,553 南トロンデラグ 12,491 12,133 北トロンデラグ 9,234 9,669 ノールランド 16,819 16,111 トロムス 11,082 10,961 フィンマルク 6,843 6,462 スバールバル 100 54 顧客向貸付金(元本金額) 254,376 247,067

注記 16

ノート、債券およびその他利付証券

(単位:百万クローネ) 発行体別のノート、債券およびその他利付証券 2015年 2014年

国内

その他の発行体による発行 14,754 6,748 国外

公共団体による発行 1) 87,978 108,762 その他の発行体による発行 47,212 41,853

ノート、債券およびその他利付証券合計 149,944 157,364 1) 政府機関、中央銀行、地方自治体および多国間開発銀行によって発行または保証されている。

満期別のノート、債券およびその他利付証券 2015年 2014年

1年以内 81,576 107,399 1年超5年以内 68,368 49,965

149,944 157,364 ノート、債券およびその他利付証券合計

Page 60: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 60

注記 17

その他の資産

(単位:百万クローネ) 2015年 2014年

無形固定資産 125 80 有形固定資産 13 9 その他の資産 2 1 前払費用および未収収益 2 3 その他の資産合計 142 93

無形固定資産は、主に新たなポートフォリオシステムから成る。かかるシステムは、2015年に利用が開始され、期待耐用年数にわ

たって償却される。

その他の負債 (単位:百万クローネ)

2015年 2014年

支払勘定 4 3 公共手数料 9 5 その他の短期負債 11 20 未払費用ならびに受取および未発生の利息 12 21 その他の負債合計 36 47

注記 18

金融機関からの負債

(単位:百万クローネ) 2015年 2014年

受領した担保金 7,167 25,135 金融機関からの負債合計 7,167 25,135

注記 19

債券発行

(単位:百万クローネ) 2015年 2014年

1月1日現在の債券発行(元本) 391,285 326,470 新規発行 68,644 116,739 償還 * (113,583) (109,833) 償却 (2,860) 264 換算差額 57,408 57,646 12月31日現在の債券発行(元本) 400,894 391,285 経過利息 3,017 2,419 公正価値調整 (13,805) 4,966 債券発行合計 390,107 398,669

343 (305) このうち信用リスクの変動に起因する公正価値調整に係る利益/(損失)

2015年12月31日現在、借入契約条項違反はなかった。

公社の信用リスクの変動に起因する公正価値調整(価値変動)

は、金利リスクや為替リスク等の市場パラメータの変動に起因し

ない債券の価値変動合計の一部である。信用リスクの変動がもた

らす価値変動は、以下の2つの異なる割引率を使用して計算され

る価値の差額を意味する。

A) 発行日における信用リスクが上乗せされた報告日現在の当

該短期金融市場金利

B) 報告日における信用リスクが上乗せされた報告日現在の当

該短期金融市場金利(報告日における公正価値)

* 2015年における償還は、2,979百万クローネの買戻しを含む。

Page 61: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 61

2015年 2014年

想定元本 プラスの

市場価値

-資産

マイナスの

市場価値

-負債

想定元本 プラスの

市場価値

-資産

マイナスの

市場価値

-負債

売買目的保有: 金利デリバティブ 103,209 648 2,195 118,295 978 2,396 通貨デリバティブ 513,298 20,331 32,121 409,353 28,571 15,837 エクイティ関連デリバティブ 11,186 37 2,119 15,182 49 1,560 コモディティ関連デリバティブ 0 0 0 180 0 33 627,693 21,016 36,435 543,011 29,598 19,826 公正価値ヘッジ: 金利デリバティブ 155,101 776 609 114,706 1,058 737 通貨デリバティブ 6,471 1,039 162 12,841 1,120 356 161,572 1,815 772 127,547 2,178 1,093 金融デリバティブ合計 789,266 22,831 37,207 670,557 31,776 20,919

注記 20

金融デリバティブ

(単位:百万クローネ)

公社は、公社の事業活動において発生する金利リスクおよび為

替リスクへのエクスポージャーを経済的にヘッジするためにの

み、金融デリバティブを使用している。公社は、高い信用格付を

有するカウンターパーティーとスワップ契約を締結しており、す

べてのデリバティブ・エクスポージャーは取締役会により承認さ

れたリスク制限に服する。外貨建ての債券発行による負債は、金

利スワップおよび通貨スワップを使用してヘッジされているた

め、公社は、ノルウェー・クローネ、米ドルおよびユーロにおけ

る3ヶ月の短期金融市場金利に対してのみ残存エクスポージャー

を有している。商品指数または株価指数に連動するスワップ契約

は、利益がかかる指数に連動する借入れのリスクをヘッジするた

めに使用される。

公社は、ベーシス・スワップを通じて外貨建ての借入金をノル

ウェー・クローネに換算しており、借入金に対する支払利息を外

貨で受領し、それに対応する利息をノルウェー・クローネで支

払っている。固定金利による顧客向貸付金から生じる金利リスク

は、金利スワップおよび金利先渡契約によりヘッジされる。金利

スワップおよび通貨スワップは、流動性資産ポートフォリオにお

ける市場リスクをヘッジするためにも利用される。公社は、その

ポートフォリオにおいていかなる信用デリバティブも取り扱って

いない。

金融デリバティブ契約に関連するカウンターパーティーリスク

は、債務不履行の場合に資産および債務を相殺する権利を付与す

るISDA標準契約を利用することによって軽減される。さらに、公

社は、すべてのスワップカウンターパーティーと担保契約を締結

している。デリバティブ・エクスポージャーは継続的に監視され

ている。

すべての金融デリバティブは損益計算書を通じて公正価値で

測定される。大半の契約は「売買目的保有」として分類され

る。それ以外の契約は、公正価値ヘッジにおけるヘッジ商品と

して指定されている。標準マスター・ネッティング契約(ISDA)

は、IAS第32号に基づくネッティングの要件を満たさないため、

金融デリバティブは、公正価値がプラスの契約は資産として、

マイナスの契約は負債として、貸借対照表において総額ベース

で表示される。

2015年 2014年

受領した担保金 7,167 25,135 提示した担保金 (17,204) (6,579) 担保金合計 (10,037) 18,555

注記 21

担保および相殺

(単位:百万クローネ)

公社は、すべてのデリバティブカウンターパーティーとの間で

ISDA契約を締結している。これは、カウンターパーティーに対す

るすべてのエクスポージャーが、債務不履行時においてネッティ

ングされることを意味している。ISDA契約は、金融デリバティ

ブ・エクスポージャーに関連するクレジット・サポート・アネッ

クス(CSA)の形式による担保の授受に関する契約を含んでいる。

かかる担保は、米ドルまたはユーロにより現金で構成されてい

る。受領した担保金および提示した担保金は、貸借対照表におい

て、関連する金融機関への未払金または金融機関からの未収金と

ともに金融機関向債権または金融機関からの負債として表示され

る。受領した担保金は、公社の現金管理に含まれ、ノートおよび

債券または短期金融市場商品のいずれかに分類されている。金融

デリバティブに関する追加情報については、注記20を参照のこ

と。

Page 62: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 62

(単位:百万クローネ) ネッティング契約に服するが、

貸借対照表において純額表示されない可能性がある金額

2015年 公正価値総額 貸借対照表において

相殺される金額

帳簿価格 資産項目および

負債項目を有する

カウンターパー

ティーに対する

ネッティング効果

担保金 ネッティング

および担保後の金額

資産 金融デリバティブ 22,831 0 22,831 13,345 7,167 2,318 負債 金融デリバティブ 37,207 0 37,207 13,345 17,204 6,658 ネッティング契約に服するが、

貸借対照表において純額表示されない可能性がある金額

2014年 公正価値総額 貸借対照表において

相殺される金額

帳簿価格 資産項目および

負債項目を有する

カウンターパー

ティーに対する

ネッティング効果

担保金 ネッティング

および担保後の金額

資産

金融デリバティブ 31,776 0 31,776 10,958 20,818 0 負債 金融デリバティブ 20,919 0 20,919 10,958 6,579 3,381

相殺および担保の影響

以下の表は、法的拘束力のあるネッティング契約に服する貸

借対照表における項目およびカウンターパーティーリスクを低

減させるための関連する担保を示している。公社では、これが

金融デリバティブ(資産および負債)の項目を構成している。

「公正価値総額」の列は、プラスおよびマイナスの市場価値を

有する契約につき、市場価値の合計を表示している。相殺に関

する要件を満たさないISDA契約に基づき、これらの項目が貸借

対照表において総額で表示されていることを明確にするため、

同じ金額が「帳簿価格」の列に表示されている。「資産項目お

よび負債項目を有するカウンターパーティーに対するネッティ

ング効果」の列には、プラスおよびマイナスの市場価値を有す

る多くのカウンターパーティーに対するネッティング効果が示

されており、各カウンターパーティーのネッティングにより減

少する価値の総額が反映されている。「ネッティングおよび担

保後の金額」の列には、ネッティング効果、プラスの市場価値

を有するカウンターパーティーに関し受領した担保金およびマ

イナスの市場価値を有するカウンターパーティーに関し提示し

た担保金を考慮した後のエクスポージャー純額が示されてい

る。

Page 63: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 63

注記 22

劣後債務

(単位:百万クローネ) 通貨 通貨での

元本

償還権 利率 ノルウェー・クローネ

での元本

2015年 * 2014年 *

通常の劣後ローン資本 カナダドル 275百万 2016年 3.74% 1,743 1,760 劣後債務合計 1,743 1,760 * 報告日現在の外国為替相場を用いてノルウェー・クローネに換算した元本。

注記 23

株式資本

2015年 2014年

所有株式数 所有割合(%) 所有株式数 所有割合(%)

ノルウェー王国 3,144,625 100 2,144,625 100

公社は、2015年において想定元本1,000クローネの1百万株の発行の形により1十億クローネの株式資本を受領した。これは、2015年

および今後数年間における自己資本比率要件の引上げを履行することを可能にするためである。

注記 24

その他Tier1資本

(単位:百万クローネ) 通貨 通貨での元本 償還権 利率 帳簿価格

2015年 2014年

その他Tier1資本 ノルウェー・クローネ 1,000 2020年 3ヶ月NIBOR+1.5% 994 0 その他Tier1資本合計 994 0

2015年6月において、公社は劣後債の形によりその他Tier1資

本を発行した。かかる劣後債は、公社のTier1資本の一部を構成

している(注記30を参照のこと。)。公社が投資家に対して利息お

よび想定元本を支払わない一方的な権利を有していることに基づ

き、かかる劣後債はIAS第32号において負債とはみなされず、そ

のため貸借対照表においては資本として分類される。利息費用

は、損益計算書において「利息費用」としてではなく、むしろ剰

余金の減少として表示される。費用は、支払われた際に認識され

る(資本変動表を参照のこと。)。2015年において、10.3百万ク

ローネ(税引後)の利息が支払われた。さらに、年度末現在におい

て0.8百万クローネが発生しており、2015年においては合計11百

万クローネの税引後の当期利益がその他Tier1資本の保有者に帰

属している(損益計算書を参照のこと。)。

注記 25

リスク管理

国有、顧客グループおよび政治的役割は、公社が低リスク・プ

ロファイルを維持していることを暗示している。

リスク管理および内部統制は、公社の戦略および事業のプロセ

スにとって不可欠な要素であり、リスクエクスポージャーの本

質、領域および複雑性に適応している。

堅調な内部統制は、公社の事業のプロセスにとって不可欠な要

素として遂行されている。リスク管理は、公社の事業のすべての

分野におけるリスクの体系的な特定、評価および監視を確実なも

のとする3つの防衛線に基づく構造により確立されている。

リスク管理の組織化

取締役会 取締役会は、リスク管理全般に対し責任を担ってお

り、株主および当局からの要請に沿って公社のリスク選好を設定

している。かかるリスク選好は、公社のリスク許容度ならびに利

益および資本の変動に対する許容度を反映している。かかるリス

ク選好は、リスク制限の決定を通じて導入される。

取締役会のリスク委員会 リスク委員会は、取締役会の下部組

織であり諮問組織である。3名の委員は、取締役の中から、取締

役により毎年任命される。かかる委員会の主要な役割は、リスク

許容度の上限の構築を含むリスク許容度に係る決定を行うにあた

り取締役会を支援することである。さらに、かかる委員会は、公

社の総合的リスクのモニタリングおよび管理において取締役会を

支援しなければならない。

社長兼CEO 社長兼CEOは、リスク管理および内部統制に対する

総合的な責任を担っており、公社のリスクエクスポージャーにお

ける変化を継続的に追跡調査している。 3つの防衛線 リスク管理および内部統制における公社の第1の

防衛線は、融資部、資金調達および流動性管理を行う金融市場部

門ならびにバックオフィスおよび融資管理機能により構成され

る。第2の防衛線は、第1の防衛線の管理を監視し、指導を行い、

強化することに寄与し、また包括的なリスク測定を行う。リスク

管理部門が、公社のリスク管理全般に対し責任を担っている。最

Page 64: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 64

高リスク管理責任者は、社長兼CEOに対し報告を行うが、ノル

ウェーの資本要求規則第47条3項に従い、取締役会に対し直接報

告を行うことができる。第3の防衛線は、内部監査人であるKPMG

が、取締役会に対し直接報告を行うことにより遂行されてい

る。

リスクタイプ

公社のリスク管理およびリスクエクスポージャーは、公社の

信用格付および銀行間取引市場へのアクセスを確保するため、

厳しい内部ガイドラインに服している。信用リスクおよび流動

性リスクは、概して低い。公社は金利または外貨に関してオー

プンなリスクポジションを取ることはない。

以下のリスク要因は公社にとって最も重要とされている。

信用リスクおよびカウンターパーティーリスク

・ 顧客への貸付における損失

・ カウンターパーティーの債務不履行-デリバティブ取引

・ 発行者の債務不履行-流動性資産ポートフォリオ

・ 流動性資産ポートフォリオにおける価格リスク

市場リスク

・ 金利リスクおよび為替リスク

資本水準

流動性リスク

オペレーショナルリスク

信用リスク

公社の資産は、地方自治体および類似の機関への貸付ならび

に政府機関、地方自治体、多国間開発銀行、カバードボンドお

よび高い信用格付を有する金融機関によって発行または保証さ

れた債券およびノートの流動性資産ポートフォリオで構成され

ている。

信用評価の枠組 公社は、地方自治体およびその他の債務者

に対する経済的評価に基づいた貸付の信用評価システムを有し

ている。分析は、定量的および定性的な主要指標を考慮してお

り、これには営業状態、規制の枠組、財政的立場、債務プロ

ファイル、管理および地理的地域に対する総合的な経済的評価

が含まれる。

公社は、流動性資産ポートフォリオおよびヘッジ商品(金融デ

リバティブ)に関連した金融商品取引を行う際の厳しいガイドラ

インを設定している。債券およびノートへの投資において許容

できる最低の格付は、ムーディーズおよびスタンダード&プ

アーズにおけるA2/Aである。

デリバティブ取引におけるカウンターパーティーリスクは、

ISDA標準契約を通じて管理および低減されている。さらに、公

社は、担保金の供与を要求する担保契約をすべての新規のス

ワップカウンターパーティーと締結する。

信用リスクを監視および統制する手続および処理が確立され

た。経営陣は、公社内部の信用リスクモデル、利用可能なリス

ク資本、カウンターパーティーの外部格付、金融商品の種類お

よび年限に基づき、すべての新規の制限およびカウンターパー

ティーを評価および承認している。すべてのカウンターパー

ティーもまた、継続的に見直されている。取締役会は毎年、地

方自治体への貸付に関する信用方針を承認し、すべての特別な

エクスポージャーは、貸付の提供を行う前に経営陣によって評

価される。

信用リスク評価 公社の顧客基盤は地方自治体部門であり、

この部門は、高い信用性を有している。支払義務が免除される

ことがないため、提供された貸付における信用リスクは、支払

延期に限定される。地方自治体法では、地方自治体の財政破綻

が禁じられている。ある地方自治体が財政難に陥った場合は、

中央政府がその債務返済が可能になるまでかかる地方自治体を

管理下に置くこととなっている。

公社は、金利および外国為替相場へのエクスポージャーを

ヘッジするため、金融機関とデリバティブ取引を行う。すべて

の新規取引は厳格な格付要件に従っており、また、カウンター

パーティーとのISDA契約および担保契約が必要となる。

流動性資産ポートフォリオに関連する信用リスクは低い。

ポートフォリオの格付の平均は(スタンダード&プアーズおよび

ムーディーズの最低格付に基づいて)AA+であり、ポートフォリ

オの65%はBISウェイト0%の証券に投資されている。2015年12

月31日現在、ポートフォリオの平均満期は1年未満であった。

ポートフォリオにおける価格リスクは、発行者レベルで管理さ

れており、ポートフォリオの残存期間が短いことにより限定さ

れている。

市場リスク

市場リスクは、金利リスクおよび為替リスクにより構成され

ている。公社のリスク管理方針は、金利および外国為替相場に

おける変化に対して最小限のエクスポージャーを許容してい

る。金利リスクおよび為替リスクは、資産と負債のマッチン

グ、およびデリバティブ商品による経済的ヘッジを通じて管理

されている。

資本管理

公社は、自己資本比率要件および自己資本比率最低要件に従

う。さらに、公社は、公社がさらされているすべての重大なリ

スクを考慮した上で、資本水準を評価している。取締役会は、

実際および推定のリスクエクスポージャーに基づいて公社の資

本水準が十分であることを確保するため、少なくとも毎年、資

本水準を協議し、すべてのリスクを評価している。

資本評価の過程の中で、経営陣は、公社がさらされる可能性

のあるすべてのリスクを識別および評価し、リスクエクスポー

ジャーの合計を網羅するために必要な資本水準の見積を行って

いる。信用リスク、市場リスク、流動性リスク、オペレーショ

ナルリスクおよびその他の非金融リスクは独立に評価されてい

る。

取締役会は、特に規制の枠組の変動リスクに注意を払ってい

る。近い将来のCRD(資本要求指令)IVおよび国内の自己資本比率

要件の変更は、公社の自己資本比率要件を増加させる。

公社の普通株式等Tier1自己資本比率は、15.09%である。公

社は、規制上の最低要件およびバッファー要件ならびにすべて

の資本措置(普通株式等Tier1資本、Tier1資本合計および総資

本)に関連するすべての規制上の自己資本比率要件に準拠してい

る。

流動性リスク

流動性リスクは、資産および負債の満期期間および金利調整

期間を対応させることにより管理されている。流動性資産ポー

トフォリオは、常に最低12ヶ月分の純負債償還額および許容最

低限度10ヶ月分の純負債償還額に相当する水準に維持されてい

る。平均満期期間が短いことにより、資産を売却しなくとも公

社の流動性要件を確実に満たすことができる。余剰流動性資産

は、高い信用格付を有し、短い満期の流動性のある債券および

ノートに投資されている。余剰流動性資産は、総資産の25%か

ら35%を構成しなければならない。公社はまた、調達資金の存

続期間を貸付ポートフォリオの存続期間と同じか、より長くす

ることを目標としている。

オペレーショナルリスク

公社は、オペレーショナルリスクに対する許容度が非常に低

い。オペレーショナルリスクは、すべての機能から発生し、効

果的な内部統制、高い専門性水準および能力水準、内部および

対取引相手の倫理行動に集中することおよび重要な機能の堅調

さによって最小化する。経営陣は、オペレーショナルリスクお

よび事故を取締役会に報告する。

Page 65: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 65

以下の表の金額は、実際の信用エクスポージャーを示している。

2015年

満期 1年以内 1年超

リスク格付 A-3 A-1/A-1+ 格付なし BBB A- A AA AAA 格付なし 合計

政府機関および中央銀行 0 20,872 0 0 0 0 4,617 7,869 0 33,358 地方自治体 1) 0 22,697 21,104 0 0 796 13,453 8,743 240,438 307,231 多国間開発銀行 0 9,307 0 0 0 0 26 11,062 0 20,395 金融機関 14,506 7,544 0 0 0 0 174 71 0 22,295 証券化商品 0 0 0 14 9 5 2 40 0 69カバードボンド 0 23,825 1,875 0 0 0 2,364 14,775 0 42,839 合計 14,506 84,245 22,979 14 9 801 20,637 42,559 240,438 426,187 1) ノルウェー地方自治体への貸付(256.8十億クローネ)を含む。

2015年12月31日現在、未払貸付金は、3.9十億クローネに達した。

国別信用エクスポージャー 2015年

満期 1年以内 1年超

リスク格付 A-3 A-1/A-1+ 格付なし BBB A- A AA AAA 格付なし 合計

オーストラリア 0 460 0 0 9 5 74 15 0 562オーストリア 0 240 0 0 0 0 0 0 0 240ベルギー 0 1,757 0 0 0 0 0 0 0 1,757 カナダ 0 2,743 0 0 0 796 82 1,242 0 4,864 デンマーク 0 13,189 0 0 0 0 0 3,416 0 16,605 フィンランド 0 890 0 0 0 0 1,978 69 1,164 4,100 フランス 0 10,938 0 0 0 0 1,806 204 0 12,947 日本 0 2,553 0 0 0 0 0 0 0 2,553 オランダ 8,285 3,981 0 0 0 0 0 295 1,093 13,654 ニュージーランド 0 23 0 0 0 0 0 0 0 23ノルウェー 0 5,420 21,932 0 0 0 424 7,496 236,330 271,603 スペイン 0 48 0 14 0 0 0 0 0 62国際機関 0 9,373 0 0 0 0 26 11,062 0 20,461 スウェーデン 0 15,998 156 0 0 0 1,689 3,895 365 22,103 スイス 0 1,333 0 0 0 0 0 538 0 1,871 ドイツ 5,859 10,180 463 0 0 0 14,558 11,708 1,486 44,253 英国 0 5,120 428 0 0 0 0 2,621 0 8,169 米国 362 0 0 0 0 0 0 0 0 362合計 14,506 84,245 22,979 14 9 801 20,637 42,559 240,438 426,187

注記 26

信用リスク

(単位:百万クローネ)

公社は、OECD域内の政府機関、地方当局、多国間開発銀行、

金融機関およびカバードボンドに加え、ノルウェーの地方自治

体に対しても信用エクスポージャーがある。地方自治体への貸

付期間は最長で50年であり、信用制限については、大口エクス

ポージャーに対する規制によって規制されている。金融機関へ

の信用エクスポージャーについては、A格付を最低条件としてい

る。

公社は、地方当局および地方自治体のために業務を行う公共

部門の事業体に対しても貸付を行っている。かかる貸付は、県

知事またはノルウェー自治改革省を通じて政府当局が政治的に

承認し、権限を付与した保証を地方当局および地方自治体が提

供していることを条件としている。2015年において、公社の貸

倒損失はなく、2015年12月31日現在、債務不履行を示すものも

ない。公社は、財務保証を発行していない。

以下の表には、貸借対照表における「金融機関向債権」、

「分割返済付貸付金」および「ノート、債券およびその他利付

証券」に係るエクスポージャーが含まれている。

Page 66: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 66

注記 27

金利リスク

(単位:百万クローネ)

金利リスクは、公社の貸付活動および資金調達活動により発生

する。資産および負債の金利期間の差異により、また現金の受取

りおよび支払いの時期のずれにより金利リスクが発生する。公社

は、金利リスク管理の一環として、政府機関、地方自治体、多国

間開発銀行および金融機関が発行する高格付の証券を積極的に売

買し、デリバティブ契約(主に金利先渡契約および金利スワップ)

を締結している。

公社は、異なる通貨での債券発行による負債を有し、また債券

投資を行っているが、ノルウェー・クローネ、米ドルおよびユー

ロを除くすべての通貨の金利リスクは完全にヘッジされている。

公社が被る残存エクスポージャーを3ヶ月の短期金融市場金利の

変動に限定するため、かかる3つの通貨における金利リスクは、

金利スワップを通じてヘッジされる。金利感応度は、金利100

ベーシス・ポイントの変動に基づく資産および負債の公正価値の

変動として測定される(「パラレルシフト」)。ノルウェー・ク

ローネの金利リスクは、分割返済付貸付金に係る変動金利を規制

する能力に依拠している。

取締役会は、金利リスクの上限を12百万クローネに設定してい

る。金利感応度は、貸付ポートフォリオにおける変動金利の調整

に対して、50日間を前提とする期間で測定される。以下の表にお

いて、主要な通貨における金利感応度を示している。

国別信用エクスポージャー

2014年

満期 1年以内 1年超

リスク格付 A-3 A-1/A-1+ 格付なし BBB A- A AA AAA 格付なし 合計

オーストラリア 0 277 0 0 11 0 1,503 34 0 1,824 ベルギー 0 136 0 0 0 0 1,716 0 0 1,852 カナダ 0 2,081 0 0 0 3,125 706 0 0 5,912 デンマーク 0 6,810 0 0 0 0 0 10,886 0 17,697 フィンランド 0 2,129 1,093 0 0 0 2,410 0 272 5,904 フランス 0 1,965 0 0 0 8,179 6,805 394 0 17,343 日本 0 0 0 0 0 5,775 0 0 0 5,775 ルクセンブルグ 0 0 0 0 0 0 903 0 0 903オランダ 0 972 1,023 0 0 3,980 267 281 183 6,706 ノルウェー 0 6,985 30,235 0 0 2,485 139 1,122 219,693 260,658 オーストリア 0 0 0 0 0 0 424 0 0 424スペイン 0 0 0 16 0 0 0 0 0 16国際機関 0 13,099 0 0 0 0 1,021 12,994 0 27,114 スイス 0 0 0 0 0 383 0 0 0 383スウェーデン 0 8,709 483 0 0 0 740 746 0 10,678 ドイツ 0 9,211 37 0 0 2,499 21,511 17,101 1,805 52,164 英国 0 919 0 0 0 701 278 6,260 0 8,158 合計 0 53,292 32,871 16 11 27,128 38,423 49,818 221,953 423,511

2014年

満期 1年以内 1年超

リスク格付 A-3 A-1/A-1+ 格付なし A- A AA AAA 格付なし 合計

政府機関および中央銀行 0 4,840 0 0 2,131 8,339 9,950 0 25,261 地方自治体 1) 0 17,961 32,871 0 211 21,932 13,540 221,953 308,467 多国間開発銀行 0 13,099 0 0 0 1,021 12,994 0 27,114 金融機関 0 7,588 0 0 24,761 5,769 0 0 38,118 証券化商品 0 0 0 11 24 2 60 0 113カバードボンド 0 9,805 0 0 0 1,360 13,274 0 24,438 合計 0 53,292 32,871 11 27,128 38,423 49,818 221,953 423,511 1) ノルウェー地方自治体への貸付(249.9十億クローネ)を含む。

2014年12月31日現在、未払貸付金は、5.7十億クローネに達した。

BBB

0000

160

16

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2015年.年次報告書

/ 頁 67

注記 29

流動性リスク

(単位:百万クローネ)

流動性リスクとは、公社が約定を履行できず、および/また

は売却すべき資産価値の減少または資金調達費用の増加により

多大な割増費用の負担を伴わずに貸付需要に対応することがで

きないリスクとして定義される。流動性リスクは、取締役会に

より設定された公社の流動性資産ポートフォリオを通じて監視

され、管理されている。

かかる方針は、流動性資産ポートフォリオを常に最低12ヶ月

分の純償還額相当および10ヶ月分の純償還額以上を維持するこ

とを必要としている。これは、いかなる状況においても、公社

は新たな借入れを受けることなく、貸付活動に関連するものを

含めた今後12ヶ月の間の負債/未払金を返済できることを意味

する。

大半のポートフォリオは12ヶ月以内に満期を迎える。資産お

よび負債における満期を、3ヶ月を上限として対応させることに

より、かかる流動性リスクはさらに減少する。また公社は、短

期の流動性を管理するために、短期資金調達プログラムおよび

ディー・エヌ・ビー・バンク(DNB)との間のクレジットラインも

保有している。

2015年において取締役会は、非常に流動性の高い証券のポー

トフォリオを2016年に構築すべきであると決定した。これらの

保有は、非常にストレスが高まった市場環境下においても、公

社に大幅な損失を与えることなく、直接売買または広く認めら

れたレポ市場における買戻契約の利用を通じて、現金へと振り

替えられる必要がある。

流動性資産ポートフォリオは、信用リスクおよび市場リスク

を低く保つため、保守的な投資方針により管理される。余剰流

動性資産は、政府機関、地方自治体、多国間開発銀行および高

格付の金融機関によって発行されたノートおよび債券に投資さ

れる。

2015年 2014年

通貨 ポジション(純額) 外国為替相場の10%変動額 ポジション(純額) 外国為替相場の10%変動額

米ドル 83.1 8.3 4.5 0.5

ユーロ 3.1 0.3 0.9 0.1

その他の通貨 10.7 1.1 4.4 0.4

合計 96.9 9.7 9.9 1.0

注記 28

為替リスク

(単位:百万クローネ)

為替リスクとは、外国為替相場の変動に基づく市場価額の変動

に起因する損失が生じるリスクとして定義される。公社の借入れ

の大半が外貨建てで行われる一方、貸付はノルウェー・クローネ

建てである結果、為替リスクが発生する。公社のリスク管理方針

は、資産および負債に関連するすべての為替リスクをヘッジする

ことを求めている。しかしながら、損益計算書項目に関連する短

期の米ドルおよびユーロ建ポジション(純額)が発生する可能性が

ある。為替リスクは、取引レベルおよびポートフォリオ・レベル

の両方においてヘッジされる。為替リスクの上限は、すべての外

国為替相場に関し、10%の絶対的な変動に対して12百万クローネ

に設定されている。

上記の表は、ノルウェー・クローネに対し、外国為替相場における10%の変動が損益計算書に与える絶対的な影響を示している。金

額は、2015年12月31日現在および2014年12月31日現在における外貨建てのすべてのポジション(純額)に基づき算出されている。感応度

分析において、外国為替相場とその他の市場リスク要因の相互関係はゼロと考えられている。

100ベーシス・ポイントの金利変動の影響 金利リスク(純額) 金利リスク(総額)

ノルウェー・クローネ (4.5) 4.5 米ドル 0.5 0.5 ユーロ 2.2 2.2 合計 (1.8) 7.2

表は、金利の予想変動に関連した損益計算書における総合的な影響を示している。これは、公正価値測定に基づく価値変動および純

利息収益への影響と組み合わさって発生する。後者につき、金利変動は、かかる金利変動後3ヶ月間の間に純利息収益に影響を与える

。「金利リスク(純額)」は、各通貨につき、損益計算書における影響の方向性を考慮しており、「金利リスク(総額)」は、各通貨につ

き算出された影響の絶対値の合計を示している。

Page 68: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

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2015年 満期別のエクスポージャー 合計 1ヶ月以内 1ヶ月超

3ヶ月以内

3ヶ月超

12ヶ月以内

1年超

5年以内

5年超 満期なし

金融機関向債権 19,428 19,428 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 254,361 2,642 9,213 8,188 28,163 206,155 0 ノート、債券およびその他利付証券 146,841 17,474 23,390 39,862 65,828 286 0 資産合計 420,630 39,544 32,603 48,050 93,991 206,441 0 金融機関からの負債 7,167 7,167 0 0 0 0 0 債券発行 403,410 19,386 22,786 44,360 264,426 52,452 0 その他の負債 779 15 708 7 0 0 49 劣後債務 1,743 0 0 1,743 0 0 0

負債合計 414,099 26,568 23,494 46,110 265,426 52,452 49 金融デリバティブ 4,314 5,006 1,890 (2,044) (1,167) 629 0 流動性エクスポージャー(純額) 10,845 17,982 10,999 (104) (172,602) 154,618 (49) 2015年 金利調整後のエクスポージャー 合計 1ヶ月以内 1ヶ月超

3ヶ月以内

3ヶ月超

12ヶ月以内

1年超

5年以内

5年超 満期なし

金融機関向債権 19,428 19,428 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 254,361 98,686 91,887 16,563 32,064 15,161 0 ノート、債券およびその他利付証券 146,841 25,203 44,018 29,255 48,148 217 0 資産合計 420,630 143,317 135,905 45,818 80,212 15,378 0 金融機関からの負債 7,167 7,167 0 0 0 0 0 債券発行 403,410 48,286 80,887 44,808 182,960 46,470 0 その他の負債 779 15 708 7 0 0 49 劣後債務 1,743 1,743 0 0 0 0 0

負債合計 414,099 58,211 81,595 44,815 182,960 46,470 49 金融デリバティブ 4,314 (32,555) (96,578) 3,308 100,229 29,910 0 流動性エクスポージャー(純額) 10,845 52,552 (42,268) 4,311 (2,519) (1,182) (49)

その他Tier1資本 1,000 0 0 0 1,000 0 0

その他Tier1資本 1,000 1,000 0 0 0 0 0

Page 69: Annual report 2015 jpn

2015年.年次報告書

/ 頁 69

注記 30

自己資本比率および資本管理

(単位:百万クローネ)

公社の資本は、株式資本、剰余金、ハイブリッドTier1資本商

品および追加資本/劣後債務から構成されている。十分な資本

水準は、公社のAAAの格付を維持するため、および効率的な市場

競争を確保するために必要だと考えられる。取締役会は、資本

水準を継続的に審査し、公社の資本管理方針を承認する。公社

は、自己資本比率規制に従い、そのリスク・プロファイルおよ

び市場環境に基づき十分な資本水準を維持しなければならな

い。資本管理目標は、自己資本比率(Tier1資本)および自己資本

比率(合計)、すなわちリスク・ウェイト後資産に対するTier1資

本および総資本を通じて運用される。公社の資本状況は、平時

の市場環境におけるリスクに対して、ストレステストの利用を

通じて審査される。2015年12月31日現在、普通株式等Tier1自己

資本比率に対する規制要件は、12%(バッファー要件を含む。)

に設定されている。2015年12月31日現在、公社は、すべての規

制上の自己資本比率要件に準拠している。

公社は、十分な資本水準を維持するために、市場の状況に応

じて、その資産合計を減少または増加させることができ、ま

た、配当方針の変更もしくは株式資本の発行による公社の資本

構成改革に関して株主と対話することも可能である。普通株式

等Tier1自己資本要件(バッファーを含む。)は、2015年7月1日よ

り10%から12%へ引き上げられ、2016年7月1日より13.5%へと

さらに引き上げられる。これに対応して、自己資本(合計)要件

(バッファーを含む。)は、2015年7月1日より13.5%から15.5%

へ引き上げられ、2016年7月1日より17%へとさらに引き上げら

れる。さらに、景気連動抑制的な資本バッファー要件が引き上

げられる可能性があり、その場合公社の自己資本比率要件に影

響を及ぼすこととなる。普通株式等Tier1資本および自己資本

(合計)に関する最低要件は、それぞれ4.5%および8.0%であ

る。報告日現在、公社は十分な資本を有し、新たな資本要件に

公社の資本構成を適応させている。

2014年 満期別のエクスポージャー 合計 1ヶ月以内 1ヶ月超

3ヶ月以内

3ヶ月超

12ヶ月以内

1年超

5年以内

5年超 満期なし

金融機関向債権 16,219 16,219 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 247,023 4,001 8,284 16,217 19,807 198,715 0 ノート、債券およびその他利付証券 155,305 22,926 25,577 58,101 48,701 0 0 資産合計 418,547 43,145 33,861 74,318 68,509 198,715 0 金融機関からの負債 25,135 25,135 0 0 0 0 0 債券発行 392,097 14,271 15,278 47,391 274,892 40,265 0 その他の負債 515 20 225 209 0 0 61 劣後債務 1,760 0 0 0 1,760 0 0 負債合計 419,507 39,426 15,503 47,600 276,652 40,265 61 金融デリバティブ 9,599 5,949 6,952 4,892 (6,982) (1,212) 0 流動性エクスポージャー(純額) 8,639 9,668 25,310 31,609 (215,125) 157,238 (61) 2014年 金利調整後のエクスポージャー 合計 1ヶ月以内 1ヶ月超

3ヶ月以内

3ヶ月超

12ヶ月以内

1年超

5年以内

5年超 満期なし

金融機関向債権 16,219 16,219 0 0 0 0 0 分割返済付貸付金 247,023 101,054 89,770 21,438 26,574 8,188 0 ノート、債券およびその他利付証券 155,305 37,656 44,352 35,377 37,920 0 0 資産合計 418,547 154,929 134,121 56,815 64,493 8,188 0 金融機関からの負債 25,135 25,135 0 0 0 0 0 債券発行 392,097 46,558 82,444 68,811 168,052 26,233 0 その他の負債 515 20 225 209 0 0 61 劣後債務 1,760 0 0 0 1,760 0 0 負債合計 419,507 71,713 82,669 69,020 169,812 26,233 61 金融デリバティブ 9,599 (64,020) (62,117) 12,330 106,180 17,226 0 流動性エクスポージャー(純額) 8,639 19,196 (10,664) 125 862 (819) (61)

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2015年.年次報告書

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2015年 2014年

帳簿価格 リスク・

ウェイト後

資産

最低自己

資本要件

帳簿価格 リスク・

ウェイト後

資産

最低自己

資本要件

信用リスク 政府機関および中央銀行 20,413 0 0 14,797 426 34

地方政府および地方自治体 311,119 52,443 4,195 307,713 51,105 4,088

このうちノルウェーの地方自治体 256,769 52,298 4,184 249,880 51,000 4,088

公共部門の事業体 12,944 0 0 16,236 95 8 多国間開発銀行 20,395 0 0 27,114 0 0 金融機関 36,922 7,015 561 65,987 9,869 790

このうちデリバティブにおける カウンターパーティー

14,627 2,542 203 27,598 1,857 149

住宅抵当債権 46 46 4 48 48 4 カバードボンド 42,839 4,284 343 24,438 2,444 196 その他の資産 17 17 1 14 14 1 証券化商品 69 29 2 113 42 3 信用評価調整 175 2,193 175 160 2,005 160 信用リスク合計 444,940 66,026 5,282 456,618 66,047 5,284 市場リスク 0 0 0 0 0 0 オペレーショナルリスク-基本表示アプローチ 2,814 225 3,184 255 最低自己資本要件 68,840 5,507 69,231 5,538 自己資本比率(合計) 18.81 % 14.53 % 自己資本比率(Tier1資本) 16.53 % 12.26 % 普通株式等Tier1自己資本比率 15.09 % 12.26 %

追加資本は、Tier1資本の100%を超えることはできない。公社の総資本は、自己資本比率要件を満たしている。公社の総資本の構成

は、下記のとおりである。

2015年 2014年

普通株式等Tier1資本

株式資本 3,145 2,145 過年度の剰余金 6,193 5,700 Tier1資本に含まれる当期利益 1,870 491 年金約定を上回る年金基金 0 0 繰延税金資産 * 0 0 無形固定資産 (124) (78) 未払配当金 (417) 0 規制フィルターに基づく普通株式等Tier1資本調整 (281) 232 無効化された未償却見積差額の割合 0 0 普通株式等Tier1資本合計 10,385 8,490 その他の承認されたTier1資本 994 0 Tier1資本合計 11,379 8,490 追加資本

通常の劣後債務 1,571 1,571 追加資本合計 1,571 1,571

総資本 12,950 10,061 * 相殺されない繰延税金資産のみが控除される。

資本は、金融機関の資本の計算に関する規則に基づき計算された。信用リスクの変動に起因する負債の未実現利益/(損失)は、非デ

リバティブ負債およびデリバティブ負債の両方を含む。

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2015年.年次報告書

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監査委員会報告書および監督委員会報告書

監査委員会報告書当監査委員会は、ノルウェー地方金融公社の2015年度の年次報告書および会計監査人報告書の監査を執行した。

当監査委員会は、提出された年次報告書が、取締役会の要望に従い、定時株主総会により、ノルウェー地方金融公社の2015年度決算として承認され、利益処分の決議がなされることを提言する。

2016年3月30日、オスロノルウェー地方金融公社監査委員会

シェル・インゲ・スカルデボ. アンネマ・トストループ・スミス委員長. . . . 副委員長

オーレ・ローダール. . ロイ・イェヴァール

監督委員会報告書

ノルウェー地方金融公社 定時株主総会 御中ノルウェー地方金融公社定款第15条に則り、2015年度年次会計報告が監督委員会により、審査された。

監督委員会は1,881,281,272クローネの利益処分と共に、損益計算書と貸借対照表に対する取締役会の提案が、定時株主総会で採用されることをここに提言する。

2016年4月14日、オスロノルウェー地方金融公社監督委員会

スヴァイン・ルドヴィグセン委員長 

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2015年.年次報告書

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会計監査人報告書

財務書類に関する報告我々は、2015年12月31日現在の貸借対照表、同日に終了する当年度の損益計算書、包括利益計算書、キャッシュ・フロー表および資本変動表、ならびに重要な会計方針およびその他の説明情報の要約から成る、添付のノルウェー地方金融公社の財務書類を監査した。

財務書類に対する取締役会および社長兼CEOの責任取締役会および社長兼CEOは、EUが採用したIFRSに従ってこれら財務書類の作成および公正な表示を行う責任があり、また、不正または過失による重大な虚偽記載のない財務書類を作成するために必要な内部統制を決定することに対して責任がある。

会計監査人の責任我々の責任は、監査に基づいて公社の財務書類に対し意見を述べることにある。我々は、法令ならびにノルウェーで一般に採用されている監査基準および監査実務(監査における国際基準を含む。)に従い監査を行った。これらの監査基準は、倫理的要件に従い、財務書類に重大な虚偽記載がないことについての合理的な保証を得るための監査を計画して実行することを要求している。

監査には財務書類の金額および開示事項に関する監査証拠を得るための手続を実施することが含まれている。かかる手続は会計監査人の判断に基づき選別され、不正または過失による財務書類の重大な虚偽記載に関するリスク評価が含まれる。これらのリスク評価を実施する際、会計監査人は、状況に応じて適切な監査手続を策定するために、公社の財務書類の作成および公正な表示に関連する内部統制を検討するが、これは公社の内部統制の有効性に対し意見を述べることが目的ではない。また監査には、採用された会計方針の適正性および経営陣が行った会計見積の妥当性を評価し、ならびに財務書類全般の表示を精査することが含まれている。

我々は、自身の入手した監査証拠が本監査意見の基盤を創るのに十分かつ適切であると考えている。

意見我々は、ノルウェー地方金融公社の財務書類は法令に基づき作成されており、EUで採用されているIFRSに基づき2015年12月31日現在の公社の財政状態ならびに同日に終了する当年度の財務成績およびキャッシュ・フローをすべての重要な点において適正に表示していると考える。

その他の法的要件に関する報告取締役会からの報告および企業の社会的責任に関する報告に対する意見上記の財務書類の監査に基づき、我々は、財務書類、継続事業の公準および利益配分案に関して取締役からの報告ならびに企業の社会的責任に関する報告において示されている情報は、財務書類と矛盾がなく、法令に準拠していると考える。

文書記載に対する意見上記の財務書類の監査および国際保証業務基準(ISAE)3000(過去財務情報の監査または審査以外の保証業務)に従う必要があると我々が判断した統制手続に基づき、我々は、取締役会および最高経営責任者は、法律およびノルウェーで一般に認められている会計原則により要求されているとおり、ノルウェー地方金融公社の会計情報が的確に記録、作成されることを確保する義務を履行したと考える。

2016年3月29日、オスロアーンスト・アンド・ヤング・エーエス

アイナー・ハーシュビック国家公認会計士(ノルウェー)

(日本語訳は、情報提供のみを目的として作成されている。)

ノルウェー地方金融公社 定時株主総会 御中

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定款本定款は、2015年6月5日の定時株主総会によって最後の変更が行われ、2015年7月10日に金融監督庁より承認された。

第 1 章 総則 (称号、目的、本店の所在地)§.1.本公社はノルウェー地方金融公社と称する。§.2.本公社は政府行政機関ノルウェー地方自治体銀行を引き継ぐものである。政府保有の株式は、県、市町村、地方自治体関連企業および地方自治体年金基金に譲渡することができる。かかる譲渡は本公社の信用を最大限に維持するという目的に基づいて行われる。§.3.本公社は、市町村または県を含む地方自治体、これらの地方自治体もしくはノルウェー政府の保証あるいは同等の条件を満たす保証を受け地方自治体事業を遂行する自治体関連会社および民間会社等に貸付事業を行うことを事業目的とする。また本公社はこの他に、公社の業務として適切な事業を行うこともできるものとする。§.4.本公社は本社をオスロに置く。

第 2 章 自己資本および劣後借入金総額 - 株式§.5.本公社の株式資本総額は3,144,625,000(三十一億四千四百六十二万五千)クローネであり、1株あたり1,000(千)クローネの3,144,625株から構成される。§. 6. 株式の取得は取締役会による承認を条件とし、承認は事実のみに基づき行われるものとする。§.7.ノルウェー会社法第4条19項に定められる、株主に付与される新株引受権は、所有者が変更された株式に対しても有効とする。

第 3 章 取締役会§. 8. 本公社取締役会の定員は5名以上9名以内とする。また、取締役のうち2名は公社従業員により選出された公社従業員でなくてはならない。この従業員を代表する取締役2名については、取締役代理2名とともに選出されるものとする。その他の取締役は、定時株主総会により選出され2年の任期を持つものとする。新規選出者数は少なくとも毎年2名以上3名以内とする。取締役会会長および副会長は定時株主総会により選出される。§. 9. 取締役会会長は、公社が必要とする回数または、取締役が招集した場合に取締役会を開催する。取締役会の定足数は取締役の過半数とする。決議は、出席した取締役の多数決によるものとし、修正または変更提案は全取締役の3分の1超の合意を必要とする。承認および否決投票がそれぞれ同数であった場合は、取締役会会長が決定票を持つものとする。§. 10. 取締役会は本公社の経営に責任を持つものとし、特に以下の項目を遂行する義務を負う。1. 本公社の事業経営のためのガイドラインを策定し、これが順守されているかを検査する。2. 融資の許可および権限の委任を行う。3. 新規貸付執行を判断し権限を付与する。4. 本公社を代表して署名を行う特別権限を付与する。5. 年次会計監査報告書および取締役会報告書を定時株主総会に提出する。

6..定時株主総会に本公社定款変更に関する提案を行う。7..経営責任者を任命する。8..経営責任者の給与を決定する。9..報酬方針に関する報告を作成する。§. 11. 本公社を代表する署名は、取締役会会長または取締役会副会長が、取締役のうち1名もしくは経営責任者とともに連名で行うものとする。§. 12. 経営責任者は、取締役会が決定し監督委員会が承認した指示に従い、本公社の恒常的な経営業務を行うものとする。

第 4 章 監督委員会§.13.監督委員会は、12名の委員および5名の監督委員代理で構成されるものとする。本公社の事業により影響を受ける地域および団体が公平に監督を行えるよう、監督委員の選任は可能な限り広い範囲で行う。取締役は監督委員を兼任することはできない。また、監督委員のうち1名は公社従業員により選出された公社従業員でなくてはならない。この従業員から選出される監督委員については、監督委員代理1名の選出も併せて行う。その他の委員および委員代理は定時株主総会においてこれを選出する。監督委員の任期は2年とし、毎年、委員の3分の1が退任するものとする。株主に選出された委員の任期は2年とし、少なくとも委員の3分の1は毎年新たに選出されるものとする。監督委員会は任期を1年とする委員長および副委員長を委員の中から選出する。§.14.監督委員会は委員長が開催し、少なくとも年1回以上、または委員長が必要と判断する場合、もしくは取締役会・監査委員会・監督委員2名以上による求めに応じて、随時、招集される。議題は開催通知により提示されるものとする。取締役会、監査委員会、会計監査人は監督委員会に出席を要請される。監督委員会が個別に決定する場合を除き、取締役会、監査委員会委員は、監督委員会に出席し意見を述べる権利および発案する権利を持つものとする。ノルウェー自治改革省からは、最大2名の監視員が監督委員会に参加することができる。監督委員会の定足数は監督委員または監督委員代理の3分の2とする。定足数に満たない場合、監督委員会は別途あらためて招集されるものとし、その際の定足数は委員の過半数とする。決議は出席した委員の多数決によるものとし、全委員の3分の1超が投票を行った場合にのみ有効とする。承認および否決投票がそれぞれ同数であった場合は、委員長が決定票を持つものとする。§. 15. 監督委員会は、法令、規制、備忘録、本公社定款、定時株主総会及び監督委員会の採択決議を遵守しつつ、公社事業が行われていることを確認する監督を行う。監督委員会は以下の業務を遂行しなければならない。1. 取締役会が定める経営責任者への指示を承認する。2. 国家公認会計士を会計監査人に任命する。3. 取締役会が行う、連結損益計算書、連結貸借対照表を含

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むあらゆる損益計算書および貸借対照表に関する提案、当期利益処分提案、当期損の補填案に対する提言を定時株主総会に提出する。4..取締役会報告書、会計監査人報告書および監査委員会報告書を精査する。5..監査委員会への指示を採択する。6..取締役会または監査委員会により監督委員会へ提起される公社関連事項について意見を述べる。

第 5 章 株主総会§.16.定時株主総会は通常6月末までにこれを開催するものとする。臨時株主総会は株式資本の10分の1以上に相当する数の株主または、2名以上の監督委員、取締役会、監査委員会、会計監査人による要請があった場合にこれを開催する。定時株主総会はノルウェー自治改革省がこれを招集する。定時株主総会では以下の各事項を行う。1..当期利益処分または当期損補填の提案、配当提案を含む本公社年次報告書および決算書を検討し承認する。2..監督委員、取締役、監査委員、会計監査人の報酬を決定する。3..本公社定款第8条に基づき、取締役を選出する。4..本公社定款第17条に基づき、監査委員および監査委員代理を選出する。5..取締役会による報酬方針に関する報告を行う。6.. 開催通知に記載されるその他の事項、法令及び本公社定款に関連する事項については、定時株主総会の所掌と位置付けられる。

第 6 章 監査委員会§.17.監査委員会は3名の監査委員および1名の監査委員代理で構成されるものとし、定時株主総会でこれを選出する。そのうち1名は、1915年8月13日制定ノルウェー裁判所法第54条2項に基づき司法官が定める要件を満たしていなければならない。委員の選定は、金融監督庁による承認を必要とする。いかなる取締役または取締役代理、会計監査人、本公社従業員も、監査委員または監査委員代理を兼任することはできない。取締役、会計監査人、もしくは公社管理職と利害関係、従属関係、婚姻関係、姻戚関係、直系血族関係、2親等以内の傍系血族関係にある者、または法的無能力者が監査委員に就任することはできない。また、破産宣告を受けている者、資産が債務整理または破産管財人の管理下に置かれている者も監査委員に就任することはできない。監査委員の就任資格を逸脱した場合は、監査委員会を退任しなくてはならない。監査委員の任期は2年とする。監査委員会は委員長および副委員長を監査委員の中から選出する。監査委員会は取締役会による取引を含む本公社の事業を監督し、特に事業執行における法令および本公社定款遵守を監視する。監査委員会は事業監督の遂行上必要な場合に招集され、その議事録は金融監督庁による承認を受けられるように保管し、監査委員会業務に関する年次報告書を監督委員会、定時株主総会、および金融監督庁に毎年提出しなくてはならない。

第 7 章 会計監査人§. 18. 会計監査人は国家公認会計士とし、監督委員会が選任する。会計監査人は決算を検査する監督委員会開催の少なくとも

2週間前までに報告書を提出しなくてはならない。

第 8 章§.19.本公社は融資のための資金を有価証券の発行または借入契約の締結により調達する。§. 20. 貸付対象は、市町村、県を含む地方自治体、地方自治体やノルウェー政府の保証、または要件を満たす同等の保証を受け地方自治体事業を遂行する関連会社および民間会社に限るものとする。本公社はこの他に、本公社の業務として適切な事業を行うこともできる。§.21.融資条件は常に取締役会が決定する。§. 22. 本公社の資本化および財務管理は、本公社事業において適正であり、かつ本公社の信用を最大限に維持するという目的に適合したものでなくてはならない。

第 9 章 年次報告書および決算§. 23. 本公社の会計年度は暦年(1月1日から12月31日)とする。取締役会は、毎年度、年次決算および年次報告書を作成する。年次決算書は少なくとも定時株主総会の1ヶ月前までに会計監査人に提出しなくてはならない。会計監査人が監査を行った報告書および決算書は、監査委員会および監督委員会が定時株主総会提出前に検査を行う。定時株主総会は、年次報告書および決算書を6月末までに承認しなくてはならない。取締役会は、年次報告書および決算書を定時株主総会が承認してから1週間以内に公開しなくてはならない。

第 10 章 定年§.24.経営責任者の定年は67歳とする。

第 11 章 発効日§. 25. 本定款はノルウェー国王が承認した日に効力を生じる。

第 12 章 会社定款の変更§.26.本定款の変更は、ノルウェー国王による承認を必要とする。

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2015年.年次報告書

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取締役会エルゼ・ブッゲ・フォグネル、会長マーティン・スカンケ、副会長ナンナ・エギディウスルーネ・ミッドゴールルーネ・ソーリエマッタ・タークヴァムペッテル・スティーン・ジュニアマーリット・ウールモ・ハシュタ、従業員代表ヤーレ・ビーレ、従業員代表

従業員代表代理クリスティーネ・ヘンリクセン・リーエンアンドレアス・アレストロム

取締役会の下部委員会会計監査委員会. . . . リスク委員会. . . 報酬委員会マッタ・タークヴァム、委員長. . マーティン・スカンケ、委員長. エルゼ・ブッゲ・フォグネル、委員長ナンナ・エギディウス. . . マッタ・タークヴァム. . ルーネ・ミッドゴールルーネ・ソーリエ. . . . エルゼ・ブッゲ・フォグネル. . ヤーレ・ビーレ

監督委員会スヴァイン・ルドヴィグセン、委員長ベーリット・フロモ、副委員長アルフレッド・ビョルロリグモル・ブロステカーン・マリエ・イェルメセーテルアーネ・ヨハンセンアニータ・オールンビョルン・ロプスタトーレ・シルネスビョルン・シェルスタレーネ・コンラディビョルン・オーヴェ・ニーヴィーク、従業員代表

監督委員代理ベーリット・コートハンス・サイエシュタッドセシリエ・ハンセンヨニー・スティアンセントルゲル・マグヌス・ヨナセン、従業員代表

監督委員会監視員ソルヴェ・モニカ・ステッフェンセン、ノルウェー自治改革省長官トール・バーンストロム、ノルウェー自治改革省長官補佐

監査委員会シェル・インゲ・スカルデボ、委員長アンネマ・トストループ・スミス、副委員長オーレ・ローダール

監査委員代理ロイ・イェヴァール

運営組織.(2015年12月31日現在)

会計監査人アーンスト・アンド・ヤング・エーエスアイナー・ハーシュビック、国家公認会計士

内部監査人KPMGエーエスアーレ・ヤンスル、国家公認会計士

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2015年.年次報告書

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組織(2016年3月15日現在)

社長兼CEO

クリスティーネ・ファルクゴール

リスク管理部門財務・会計部門スタッフ部門

ミドルオフィス部ビジネスマネジメントおよび内部統制部

融資部門

法務およびコンプライアンス部 財務部

IT部

広報部門 金融市場部門

トーレ・オーレ・スタインスランド最高コミュニケーション責任者

イルセ・バッケチーフ・オブ・スタッフ

フランク・オブレボミドルオフィス部部長

トマス・モラー資金兼IR部部長

アレクサンダー・ラーセンシニアビジネス・コントローラー

ロアルド・フィッシャー融資管理部およびバックオフ

ィス部部長

ラーシュ・ストロム・プレストヴィク最高融資責任者

クリスティーナ・ヤコブセン法務およびコンプライアンス部

部長代理

エレン・エスケダル・スカヴェニウス財務部部長

クヌート・アンドレセンIT部部長

ヤニッケ・T・グランクイスト最高会計責任者

ホーヴァル・トールスタ最高リスク管理責任者

マーティン・スピルム最高金融市場責任者

ナンシー・ソーリエ・パウルセン社長秘書

規制関連業務部

トマス・ユール・ハンセン規制関連業務部部長

人事および総務部

オッドニー・スベルギア人事部部長代理

資金兼IR部

融資管理および決済部

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2015年度年次報告書はノルウェー地方金融公社により作成 印刷:エリック・タンシェ・ニルッセン株式会社

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Kommunalbanken ASPO Box 1210 VikaN-0110 Oslo

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