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EHP7 for SAP ERP 6.0 2013 年 9 年 年年年 SAP Best Practices B aseline パパパパパ SAP AG Dietmar-Hopp-Allee 16 年年年年年年年年年

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EHP7 for SAP ERP 6.0

2013 年 9 月日本語

SAP Best Practices Baseline パッケージ

SAP AGDietmar-Hopp-Allee 1669190 WalldorfGermany

ソリューション範囲

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

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© SAP AG ページ 2/71

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

アイコンアイコン 内容説明

注意例注記またはヒント推奨構文外部プロセスビジネスプロセスの分岐/意思決定

表記規則書体 内容説明Example text 画面上に表示される単語または文字列。項目名、画面の表題、押ボタ

ン、メニュー名、パスおよびオプションが含まれます。

他の文書へのクロスリファレンス。

Example text 本文、図または表の表題における強調された単語または語句。

EXAMPLE TEXT システムのエレメント名。レポート名、プログラム名、トランザクションコード、テーブル名、本文中にある場合のプログラミング言語キーワード (SELECT や INCLUDE など) が含まれます。

Example text 画面出力。ファイル名やディレクトリ名とそのパス、メッセージ、ソースコード、変数およびパラメータ名、インストール名、アップグレード名、データベースツールなどが含まれます。

EXAMPLE TEXT 機能キー (例、F2) や ENTER キーなどのキーボード上のキー。

Example text ユーザが実際に入力する項目。これらの単語や文字列は、ユーザが文書の記載どおりに入力します。

<Example text> 可変的なユーザ入力項目。括弧内の単語または文字列を適切なエントリに置き換えます。

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

目次1 目的........................................................................................................................................ 4

2 機能範囲 - サポートされるビジネス プロセスまたはシナリオ.............................................4

2.1 外部財務会計................................................................................................................4

2.2 固定資産管理..............................................................................................................10

2.3 計画............................................................................................................................ 13

2.4 期末処理と実績転記...................................................................................................21

2.5 販売管理.....................................................................................................................27

2.6 在庫/購買管理.............................................................................................................31

2.7 生産計画/管理.............................................................................................................36

2.8 ロジスティクス一般/QM/PLM....................................................................................40

2.9 サービス.....................................................................................................................42

2.10 マスタデータ生成の説明とレポート.........................................................................46

3 機能範囲 - 機能..................................................................................................................... 52

3.1 財務会計.....................................................................................................................52

3.2 分析............................................................................................................................ 55

3.3 ヒューマンキャピタルマネジメント.........................................................................56

3.4 調達および物流管理...................................................................................................57

3.5 製品生産.....................................................................................................................60

3.6 販売およびサービス...................................................................................................62

3.7 コーポレートサービス...............................................................................................66

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

SAP Best Practices Baseline Package - ソリューション範囲1 目的このソリューション範囲では、SAP Best Practices Baseline Package for Japan で扱われるプロセスおよび機能の概要を紹介します。また、機能とその業務上の目的についても説明します。

機能範囲 - サポートされるビジネスプロセスまたはシナリオセクションでは、シナリオにもとづいて機能を紹介します。機能範囲 - 機能セクションでは、機能グループおよび関連する SAP ソリューションマップにもとづいて機能を紹介します。

ソリューション範囲には、機能の使用方法に関する技術的な説明は含まれていません。このトピックの詳細については、ビジネスプロセス文書を参照してください。

2 機能範囲 - サポートされるビジネス プロセスまたはシナリオ

2.1 外部財務会計2.1.1 総勘定元帳目的総勘定元帳の主な目的は、外部会計および勘定の状況を包括的に把握することです。あらゆる取引 (一次転記および内部会計からの決済) を、会社の他のすべての業務領域と完全に統合されたソフトウェアシステムに記録することにより、会計データの完全性と正確性を常に確保することができます。

SAP FI の総勘定元帳には次のような特徴があります。

レベルの自由選択: 企業グループまたは会社

適切な総勘定元帳勘定 (統制勘定) へのすべての補助元帳明細の自動同時転記

総勘定元帳領域と管理会計領域の同時更新

勘定照会、さまざまな財務諸表バージョンの財務諸表、その他の分析による、最新の会計データのリアルタイム評価およびレポート

総勘定元帳はすべての取引の完全な記録として使用され、各勘定の最新状況を一元的に参照することができます。また、以下のようなさまざまなレベルのオリジナル伝票、明細、取引金額を照会することにより、個々の実取引をいつでもリアルタイム処理でチェックできます。

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

会計情報 仕訳帳 合計/取引金額 貸借対照表/損益評価

プロセスフロー G/L 勘定伝票の転記

伝票仕訳帳の照会 G/L 残高 (一覧) の照会

繰返入力の実行 勘定更新: 自動/マニュアル消込

キーポイント 外部会計および勘定の状況を包括的に把握

完全に統合されたソフトウェアシステムにあらゆる取引を記録

会計データの完全性と正確性を常に確保

適切な総勘定元帳勘定 (統制勘定) へのすべての補助元帳明細の自動同時転記

総勘定元帳領域と管理会計領域の同時更新

最新の会計データのリアルタイム評価およびレポート

さまざまなバージョンの財務諸表およびその他の分析

個々の実取引をいつでもリアルタイム処理でチェック可能

2.1.2 債権管理目的このコンポーネントでは、債権管理への得意先の会計データの転記を扱います。債権管理からデータが得意先別に分類され、販売管理システムなどの他の領域で使用できるようになります。債権管理にデータを転記すると、伝票が登録され、入力されたデータが総勘定元帳に渡されます。その後、取引に関連する得意先支払活動 (債権、前受金、クレジットメモなど) にもとづいて、G/L (損益) 勘定と得意先コードが更新されます。すべての取引が勘定に転記され、勘定によって管理されるため、得意先マスタが登録されます。ワンタイム得意先を使用することで、マスタデータの巨大化を回避できます。

ビジネスプロセス: 債権管理は以下の活動を対象としています。

前受金請求の転記 前受金のマニュアル転記

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

得意先請求書の転記

クレジットメモの転記 (請求書参照あり)

支払プログラムによる支払の転記

マニュアル支払の転記

得意先コードの未消込明細の自動消込

得意先コードの未消込明細のマニュアル消込

マニュアル銀行報告書の処理

銀行報告書の再処理

督促処理 勘定残高金利計算

ワンタイム勘定の転記

与信限度の設定 与信管理レポート

一般ビジネスプロセス: この文書には、以下の一般的なビジネスプロセスのためのトランザクションがいくつか記載されています。

会計伝票の照会

明細の照会/変更 残高の照会 伝票の反対仕訳 伝票の反対仕訳 - 個別反対仕訳

伝票の反対仕訳 - 一括反対仕訳

プロセスフロー 前受金請求のマニュアル転記

得意先請求書の転記

クレジットメモの転記 (請求書参照あり)

支払プログラムによる支払の転記

マニュアル支払の転記

得意先コードの未消込明細の自動消込

得意先コードの未消込明細のマニュアル消込

マニュアル銀行報告書の処理

銀行報告書の再処理

督促処理

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勘定残高金利計算 ワンタイム勘定の転記

与信限度の設定および与信管理レポート

キーポイント 債権管理にデータを転記すると、伝票が登録され、データが総勘定元帳に渡されます。

取引に関連する得意先支払活動にもとづいて、損益勘定および得意先コードが更新されます。

すべての取引が勘定に転記されます。

すべての取引が勘定によって管理され、そのために得意先マスタが登録されます。

ワンタイム得意先を使用することで、マスタデータの巨大化を回避できます。

2.1.3 債務管理目的このシナリオには、債務管理への仕入先の会計データの転記が記述されています。債務管理でデータが仕入先別に分類され、購買管理システムなどの他の領域で使用できるようになります。債務管理にデータを転記すると、伝票が登録され、入力されたデータが総勘定元帳に渡されます。その後、取引に関連する仕入先支払活動 (債務、前払金、クレジットメモなど) にもとづいて、G/L 勘定と仕入先コードが更新されます。すべての取引が勘定に転記され、勘定によって管理されるため、仕入先マスタレコードが登録されます。

ビジネスプロセス: 債務管理は以下の活動を対象としています。

前払金請求/消込 支払プログラムによる前払金の転記

仕入先請求書の転記

仕入先クレジットメモの入力

支払保留請求書の確認とリリース

支払対象請求書の選択

請求書の確認と支払の保留 (必要な場合)

支払プログラムによる支払の転記支払媒体ワークベンチによる支払媒体の登録 (方法 1)従来の支払媒体プログラムによる支払媒体の登録 (方法 2)

マニュアル支払 マニュアル銀行報告書の処理

転記済伝票の照会

プロセスフロー© SAP AG ページ 8/71

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

購買伝票の転記 未消込明細のマニュアル/自動消込

支払プログラムによる前払金の転記

マニュアル/自動銀行支払の転記

キーポイント 債権管理にデータを転記すると、伝票が登録され、データが総勘定元帳に渡されます。

取引に関連する得意先支払活動にもとづいて、損益勘定および得意先コードが更新されます。

すべての取引が勘定に転記されます。

すべての取引が勘定によって管理され、そのために得意先マスタが登録されます。

ワンタイム得意先を使用することで、マスタデータの巨大化を回避できます。

2.1.4 資金管理

目的SAP ERP Financials の資金管理には、以下の 3 つの基本機能があります。

内外のソースから資金管理システムに、資金に関するすべての情報を迅速かつ確実に転送します (受信データ)。

現在および将来のキャッシュフローを分析してレポートを作成します。このため、資金管理決定が容易になります (分析および決定)。

決定プロセスの結果にもとづいて、銀行およびその他のビジネスパートナと通信します (送信データ)。

資金管理ポジションの概要は、銀行勘定の現在の財務状態に関する情報を示します。これは資金集中の開始ポイントです。資金集中では、さまざまな銀行勘定の残高が 1 つの目標勘定にまとめられ、残高最小値と支払最適化が考慮されます。

プロセスフロー 資金管理ステータス分析

資金集中

キーポイント 国内通貨および外貨で仕入先請求書を転記します。

(受注にもとづいた) 国内通貨で得意先請求書を転記します。

計画明細およびメモレコードを転記します。

資金管理ポジションおよび流動性予測を示すレポートを実行します。

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

マニュアル銀行報告書の転記後に、計画レベル間のフローが示されます。

メモレコードが自動的にアーカイブされます。

資金集中機能によって関連する金額が特定され、勘定間で転送されます。

期末処理o 資金管理ポジションおよび流動性予測

2.1.5 売上原価会計目的売上原価会計では、会計期間における売上が活動の製造原価と比較されます。費用は商業機能領域 (製造、販売管理、管理など) に配分されます。機能領域に割り当てることができない費用と収益は詳細な損益明細でレポートされ、費用と収益のタイプに従ってソートされます。

売上原価会計では、このようなグルーピングによって、会社内での原価の発生源が特定されます。つまり、費用の商業上の目的が表されます。

プロセスフロー 機能領域 (勘定コード表)

機能領域 (転記キー)

原価センタカテゴリ

明細レポート (原価対象の再割当)

貸借対照表と損益計算書

売上原価会計 – 損益計算書キーポイント

会計期間における売上が活動の製造原価と比較されます。

売上原価会計では、会社内での原価の発生源が特定されます。

売上原価会計では、費用の商業上の目的が表されます。

費用は商業機能領域 (製造、販売管理、管理など) に配分されます。

機能領域に割り当てることができない費用/収益は、詳細な損益明細でレポートされます。

期末処理o 未割当機能領域の再転記

2.1.6 セグメントレポート

目的

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

セグメントレポートの目的は、個々の業務領域 (セグメント) の収益およびリスク状況の透明性を確保することです。

プロセスフロー さまざまなセグメントによる G/L 勘定伝票の転記

期末における配分不可セグメントの配分

貸借対照表と損益計算書

売上原価会計 – 損益計算書 セグメント別の債権と債務

キーポイント IAS/IFRS に従って、製品関連の業務領域にはセグメントレポートが必要です。

個々の業務領域の収益およびリスク状況の透明性を確保することができます。

2.1.7 伝票分割の有効化目的伝票分割によって、伝票の複合照会が可能になります。これによって、選択した次元に関連する完全な財務諸表をいつでも作成することができます。

伝票分割処理を使用すると、法的要件 (IAS など) や責任範囲に従って、セグメント化された (部分) 貸借対照表を照会することもできます。

Segment 項目は、新総勘定元帳の集計テーブル (FAGLFLEXT) の標準項目です。新しい FI ドリルダウンレポート機能を使用して、セグメント財務諸表を作成することができます。伝票分割は総勘定元帳のみに関連するもので、補助元帳から参照できる必要はありません。

プロセスフロー

この Building Block は以下の機能によってサポートされます。

パッシブ分割: 消込時 (支払時など) に、消し込む明細の勘定割当が消込明細 (債務明細など) に継承されます。

アクティブ (ルール基準) 分割: 伝票分割ルール (提供されたルールまたはカスタムルール) にもとづいて伝票が分割されます。伝票分割ルールは設定可能です。

消込明細または貸借一致: 分割を行うために、消込明細が自動的に登録されます。貸借一致区分を使用して、このプロセスを制御することができます。

キーポイント 拡張性と柔軟性 – 新しい項目を追加するために、業種別および業務別の管理レポート、補足貸借対照表、損益計算書を作成することができます。

データの質の向上 – 伝票分割の結果を伝票自体で照会することができます。そのため、別の一覧でさらにチェックを実行する必要がなくなるとともに、データの質が向上します。

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決算処理にかかる時間の短縮 – 特別な定期分割プログラムが不要なため、決算処理プロセスにかかる時間が大幅に短縮されます。

2.2 固定資産管理2.2.1 固定資産管理目的有形資産処理機能を使用すると、会計管理を目的として固定資産の状態を明示し、文書化することができます。

固定資産管理は総勘定元帳の補助元帳で、固定資産取引を詳細に管理して文書化するために使用します。総勘定元帳では、固定資産管理における減価償却や資産価額 (貸借対照表) の変更を更新することができます。また、これらの取引に対して管理会計へのさまざまな勘定割当を行うこともできます。

SAP ERP への統合によって、固定資産管理 (FI-AA) とその他の SAP ECC コンポーネント間でデータが直接転送されます。たとえば、在庫/購買管理 (MM) コンポーネントから FI-AA にデータが直接転記されます。固定資産管理コンポーネントでは、資産の購入または内部生産時に、請求書受領または入庫、あるいは倉庫からの払出を資産に直接転記することができます。同時に、減価償却と金利を財務会計 (FI) および管理会計 (CO) コンポーネントに直接渡すことができます。プラント保全 (PM) コンポーネントからは、資産への資本化が必要な保全活動を使用することができます。

有形資産を処理する場合、以下のシステムコンポーネントのビジネス機能にアクセスすることができます。

コンポーネント 機能財務会計 (FI) 総勘定元帳およびその他の補助元帳との統合

固定資産管理 (FI-AA) 固定資産評価および建設仮勘定決済

管理会計 (CO) 管理目的償却の転記

プロセスフロー 仕入先からの購買による取得

自動相手勘定入力による取得

資産売却

資産売却 (得意先なし)

廃棄処理による除却

振替 過年度修正

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

評価増

臨時償却 引当金振替 建設仮勘定の処理 値の再計算 償却記帳実行

取得価額値の転記

減価償却シミュレーション/一次原価計画

FI 期間資産のオープンとクローズ

統制勘定 会計年度変更 年度末処理 情報システム

キーポイント 購買発注または初回取得 (建設仮勘定として管理される場合あり) から除却まで、存続期間全体における資産の管理

減価償却および金利の価額計算

償却予測

2.2.2 直接資本化による資産取得

目的"直接資本化による資産取得" シナリオを使用すると、建設仮勘定フェーズを含まない資産取得の予算を追跡することができます。また、取得は在庫/購買管理と統合されて処理されます。資産は、予算を追跡するために勘定割当オブジェクトとして使用され、さらに設備投資指図が統計的に転記されます。

プロセスフロー 設備投資指図の登録 設備投資指図に対する予算の登録

設備投資指図のリリース

購買依頼の登録

資産の登録

購買発注への購買依頼の変換

購買発注の変更

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

購買発注の承認 指図処理の監視 トラックからの品目の荷渡

購買発注に対する仕入先からの品目の入庫

明細別請求書受領

指図処理の監視 設備投資指図の完了

キーポイント 在庫/購買管理および設備管理との資産取得の統合

2.2.3 建設資産の資産取得

目的建設仮勘定 (AuC) は、有形資産の特殊形式です。別個の貸借対照表項目として表示されるため、別個の勘定設定と独自の資産クラスを必要とします。資産の建設フェーズでは、すべての実績転記が建設仮勘定に割り当てられます。資産が完成すると、最終固定資産への振替が行われます。

設備投資指図を使用して、建設フェーズで建設仮勘定資産の原価を把握します。この処理は、建設仮勘定に対する予算情報入力および予算対実績の追跡を可能にするために行われます。建設仮勘定が完了すると、最終資産が該当する資産クラスに登録され、設備投資指図が ‘完了’ に設定され、次回の決済で建設仮勘定資産価額が完了資産に振り替えられます。

プロセスフロー 設備投資指図の登録 資産の予算の登録

設備投資指図のリリース

設備投資指図への請求書の転記

指図進捗の監視 建設仮勘定の決済

完了 AUC 決済に対する資産登録

最終決済の決済規則の更新

設備投資指図の最終決済 (一括処理)

設備投資指図の完了

キーポイント 資産の取得の明確な把握

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自動化された効率的な処理

2.3 計画2.3.1 収益計画目的多くの製品グループを持つ製造業者が、1 つの販売組織で SAP システムを稼働しています。組織には集中管理会計部門が 1 つあり、そこで販売数量と収益の計算および計画が行われます。

プロセスフロー 履歴データにもとづいた収益計画

原価計算 SOP への転送

キーポイント 販売管理、財務会計、管理会計、および生産計画/管理への統合

自動計画機能の使用 スプレッドシートでのデータの計画が可能

© SAP AG ページ 15/71

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2.3.2 LIS/PIS/能力への長期計画転送による SOP

目的一般に、企業は年次事業計画 (AOP) と呼ばれる年間計画を実施します。この計画では、事業のあらゆる側面が計画の対象になります。たとえば、収益、生産、直接調達、間接調達、能力、製品原価/間接費などです。

AOP 計画は、年次予算と呼ばれる場合もあります。この計画は次会計年度用に作成され、計画/予算のデータ収集は通常、現会計年度の最終四半期に開始されます。

AOP の実施は、次会計年度の販売数量と収益の予測から始まります。

販売マネージャは、各自の情報と判断にもとづいて販売数量をレビューし、調整します。修正が加えられた販売数量計画は CO-PA にロードされます。販売数量が再度レビューされ、必要に応じてマニュアルで調整された後に評価されます。この結果、計画販売数量に対応する売上と売上原価が評価されます。

最新のビジネスプロセスの説明には、これ以降の AOP プロセスのプロセスステップが記述されています。

承認された販売数量はその後、販売事業計画 (SOP) に転送されます。SOP では、販売する商品を生産するために必要な会社のボトルネックリソースをその商品で使い切ってもかまわないかどうかを確認するために、予算販売数量の概略能力計画が実施されます。

生産計画が実行可能であることが SOP によって概略で証明されると、SOP によって生成された生産計画を反映した計画独立所要量 (PIR) を登録することによって、長期計画 (LTP) モジュールの計画シナリオに転送されます。

これらの PIR にもとづいて、資材所要量計画 (MRP) がシミュレーションモードで実行され、SOP で登録された生産計画を実行するために必要なすべての品目 (構成品目、原材料) とすべてのリソースの計画所要量が登録されて、レビューされます。MRP のシミュレーションでは、プラントの能力をレビューすることもできます。その後で、能力のボトルネックを除去するために負荷平準化を実行することができます。

上記の説明に従って MRP を実行した後、AOP のロジスティクス部分の主要目的の 1 つである、生産計画により配分された製造作業区に割り当てられている活動タイプの合計利用度を計算するための前提条件が示されます。この利用度は、生産計画から誘導される半製品および最終製品の作業手順で定義されている活動タイプの消費にもとづきます。

作業区の活動タイプの集計利用度は、製造原価センタの予算策定プロセスの基準となります。

プロセスフロー 販売計画の登録と SOP (販売事業計画) への転送

SOP での予算販売数量および生産リソースの概略照合

長期計画での計画シナリオの登録による、予算販売数量に対する生産計画のシミュレーション

生産および運用生産データ (部品表/配合表、作業手順) のシミュレーションにもとづく、作業区能力および品目所要量の計算

AOP での品目所要量の使用 – 購買品目価格計画

AOP での作業区能力の使用 – 一般原価センタ計画

© SAP AG ページ 16/71

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SAP Best Practices SAP Best Practices Baseline Package: ソリューション範囲

キーポイント 販売数量および収益の予測

販売マネージャによる販売数量のレビューと調整

販売数量計画を CO-PA にロード後、販売事業計画に転送

SOP での予算販売数量および生産リソースの概略照合

計画独立所要量の登録

PIR にもとづいて、資材所要量計画をシミュレートし、品目とリソースの計画所要量を登録およびレビュー

予算販売数量を生産するために必要な製造作業区に割り当てられている活動タイプの合計利用度の計算

2.3.3 購買品目価格計画目的購買品目の標準原価は、現在の市況や交渉価格を反映させるために、必要に応じて定期的に見直し、更新する必要があります。

このプロセスではまず、必要な品目の数量を長期計画から転送し、最新の購買価格をダウンロードします。最新の購買価格を使用して評価された品目所要量が購買担当者によってレビューされて、現在の標準と比較されます。

購買担当者は、新しい標準として決定した価格によってスプレッドシートを更新します。更新された価格はその後、新しい計画原価としてアップロードされます。原価積上実行でこの計画原価を使用して半製品および製品が評価され、最終製品の標準売上原価が算出されます。

プロセスフロー 長期計画シナリオの購買情報システムへの転送

予算購買価格更新のための購買品目のダウンロード

データのレビューと仕入先との交渉

品目の計画原価 1 の変更 (品目マスタ)

キーポイント 長期計画からの必要な品目数量の転送

最新の購買価格のダウンロード

最新の購買価格による品目所要量の評価

原価積上実行で計画原価を使用して商品を評価し、標準原価を算出

新しい計画原価としての標準原価の使用

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2.3.4 一般原価センタ計画

目的年次予算策定プロセスでは、販売、マーケティング、管理、研究開発などの営業外原価センタの責任者がそれぞれの原価センタのさまざまな原価タイプ/原価要素の原価を計画します。このような計画を開発する際には通常、当年度/前年度の実績データが開始点として使用されます。

このプロセスでは、これらの原価センタの前年度の実績費用が原価センタ会計で AOP (年次事業計画) 予算バージョンにコピーされます。あるいは、前年度の予算データを今回の実行の開始点として使用することもできます。このバージョンのデータは、原価要素別および原価センタ別にスプレッドシートにダウンロードされます。それぞれの原価センタ責任者が予算額をレビューし、各自の要件と計画に従って更新します。その後、これらの計画は SAP に再度アップロードされます。SAP にアップロードされた計画がレビューされて、最終的に承認されます。

固定資産の計画償却は、原価センタ計画バージョンに別途転送されます。資産の計画償却は、原価センタで転記された資産価額にもとづいて、原価センタ別に計算されます。原価センタに機械装置が存在する場合、償却は原価センタと活動タイプにもとづいて計画されます。

プロセスフロー 前年度の実績または予算を計画の基準としてコピー

資産からの計画償却の転送

収益/費用予算に関する原価要素のスプレッドシートへのダウンロード

営業外収益/費用の予算額の更新

営業外収益/費用の原価要素のアップロード

付加原価、統計キー数値、配賦の計画

営業外原価センタ予算の確認

実績バージョン 0 への AOP バージョンのコピーと両バージョンの計画ロック

キーポイント AOP 予算バージョンへの原価センタの前年度の実績費用のコピー

コピーしたデータの変更

AOP への減価償却の別途転送

原価要素および原価センタ別のスプレッドシートへのデータのダウンロード

調整したデータの SAP へのアップロード

SAP での原価センタ計画のレビューと最終承認 (付加原価、統計キー数値、配賦)

AOP バージョンの計画データの有効化

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2.3.5 製造原価センタ計画

目的年次予算策定プロセスでは、製造原価センタの責任者がそれぞれの原価センタに対して各種原価タイプ/原価要素の原価を計画します。このような計画を開発する際には通常、当年度/前年度の実績データが開始点として使用されます。

このプロセスでは、これらの原価センタの前年度の実績費用が原価センタ会計で AOP (年次事業計画) 予算バージョンにコピーされます。あるいは、前年度の予算データを今回の実行の開始点として使用することもできます。このバージョンのデータは、原価要素別および原価センタ別にスプレッドシートにダウンロードされます。それぞれの原価センタ責任者が予算額をレビューし、各自の要件と計画に従って更新します。その後で、計画はシステムに再度アップロードされます。システムにアップロードされた計画がレビューされて、最終的に承認されます。

固定資産の計画償却は、原価センタ計画バージョンに別途転送されます。資産の計画償却は、原価センタで転記された資産価額にもとづいて、原価センタ別に計算されます。原価センタに機械装置が存在する場合、償却は原価センタと活動タイプにもとづいて計画されます。

計画活動数量としてのリソース所要量は、計画活動消費として販売事業計画から原価センタに転送されます。製造原価センタの SOP 活動所要量とマニュアル計画所要量間の計画照合が実行されます。活動数量と予算金額が最終的に承認されると、計画活動価格が計算されます。

プロセスフロー スプレッドシートへの原価センタ予算のダウンロード、原価センタ責任者による修正、修正したデータのアップロード

生産 (SOP) からの計画活動所要量の転送

計画データのマニュアル完了

計画活動価格の計算 (AOP の標準原価計算にデータを提供)

キーポイント AOP 予算バージョンへの原価センタの前年度の実績費用のコピー

コピーしたデータの変更

AOP への減価償却の別途転送

原価要素および原価センタ別のスプレッドシートへのデータのダウンロード

調整したデータの SAP へのアップロード

SAP での原価センタ計画のレビューと最終承認 (付加原価、統計キー数値、配賦)

AOP バージョンの計画データの有効化

2.3.6 R&D 内部指図 - 計画目的© SAP AG ページ 19/71

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各種内部プロジェクトでは、資源が消費され、原価または費用が発生します。一般に、これらのプロジェクトの目的は将来の製品開発です。通常は、このようなプロジェクトに対して製品ラインを決定することができます。これらのプロジェクトの原価は、原価管理、投資利益率の計算、税レポートなどのさまざまな目的のために追跡する必要があります。

このプロセスでは、SAP の内部指図機能を使用して原価とステータスを追跡します。実施されるプロジェクトごとに、R&D 指図タイプ (Y100) を使用して内部指図を登録します。この指図に対して原価計画を実行します。プロジェクトが承認されると、指図がリリースされます。これにより、プロジェクトで発生した原価を指図で転記することができます。定期的に、指図で収集された原価を、割り当てられた R&D 原価センタまたは CO-PA (CO-PA が有効化されている場合) に対して決済します。プロジェクトが完了し、決済を完了したら、該当するステータスを設定して指図を終了します。

プロセスフロー R&D 内部指図 計画プロファイルの設定

R&D 内部指図の原価の計画

R&D 内部指図の計画原価の決済

決済が正しいことの確認

レポート

キーポイント プロジェクトごとに内部指図を登録します。

その指図に対して原価計画を実行します。

割り当てられた R&D 原価センタまたは CO-PA に対して計画原価を決済することもできます。

2.3.7 マーケティングおよびその他の間接費の内部指図 - 計画

目的各種内部プロジェクトでは、資源が消費され、原価または費用が発生します。一般に、これらのプロジェクトの目的は将来の製品開発です。通常は、このようなプロジェクトに対して製品ラインを決定することができます。これらのプロジェクトの原価は、原価管理、投資利益率の計算、税レポートなどのさまざまな目的のために追跡する必要があります。

このプロセスでは、SAP の内部指図機能を使用して原価とステータスを追跡します。

マーケティングプロジェクトの場合、マーケティング指図タイプを使用して内部指図を登録します。マーケティング指図は統計指図として登録されます。そのため、原価は、割り当てられた原価センタに転記されるとともに、統計原価として内部指図に転記されます。実際原価が原価センタに割り当てられるので、指図を決済する必要はありません。

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その他の間接費プロジェクトの場合、間接費指図タイプを使用して内部指図を登録することができます。この場合、責任原価センタが割り当てられます。この原価センタに対して内部指図を決済する必要があります。

プロセスフロー 内部指図の登録 内部指図での原価要素計画

内部指図 (計画原価) の決済

キーポイント 内部指図の登録後、計画プロファイルを設定し、原価要素レベルで原価を計画します。収益指図の場合は、収益を計画することもできます。

内部指図に予算を割り当てることもできます。予算は合計金額であり、原価要素には分割されません。

決済規則のチェック後、レシーバへの計画原価の決済を実行します。

標準レポートを使用して、決済が正しく行われたこと、および指図に割り当てられている予算を確認することができます。

これらのプロジェクトの計画原価および実際原価は、原価管理、投資利益率の計算、税レポートなどのさまざまな目的のために追跡することができます。

2.3.8 標準原価計算目的製品の標準原価は、年次事業計画 (AOP) の一環として毎年更新されます。これは、購買部品の価格の変更、労務費および間接費の変更、半製品と製品の製造に必要な部品表/配合表および作業の変更を反映させるために必要です。

購買部品の計画原価が更新され、計画活動価格が計算されると、品目の新しい標準計画原価を計算するために原価積上実行が行われます。計算された標準原価がチェックされ、責任者は、マスタデータなどで必要な修正を加えるように依頼されます。計算が正しいと見なされると、その原価が、それぞれの品目マスタレコードで次期計画原価として更新されます。

現会計年度が終了すると、マークされた原価見積がリリースされます。その結果、新しい標準原価に従って、既存の在庫が再評価されます。

プロセスフロー 原価積上実行の登録と実施

提案された標準原価の分析

AOP シナリオの繰り返し

原価積上実行の編集と実施

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AOP - 収益/売上原価の転送

確定原価積上実行の登録/原価積上実行の実施

次期計画原価としてマーク

新会計年度開始時の標準原価見積のリリースと在庫再評価

キーポイント 製品の標準原価は、年次事業計画の一環として更新されます。

品目の新しい標準計画原価を計算するために、原価積上実行が行われます。

責任者は、必要な修正を加えるように依頼されます。

原価がマスタレコードで次期計画原価として更新されます。

現会計年度が終了すると、マークされた原価見積がリリースされます。

新しい標準原価に従って既存の在庫が再評価されます。

期末処理o 原価積上実行

2.3.9 四半期計画 - CO-PA による販売数量予測目的多くの製品グループを持つ製造業者が、1 つの販売組織で SAP システムを稼働しています。組織には集中管理会計部門が 1 つあり、そこで販売数量と収益の計算および計画が行われます。

プロセスフロー 実績データにもとづいた販売数量計画

SOP への転送

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2.3.10 個別計画目的個別計画は、原価を計画し価格を設定するためのツールで、このツールを使用して、個別計画においてスプレッドシート形式で原価計算明細をマニュアルで入力します。

このコンポーネントでは、基本計画対象を登録することができます。基本計画対象は、新しい製品やサービスの原価を計画し、既存の原価見積への変更をシミュレートするために、個別計画で登録する製品原価計画の参照対象です。SAP ERP にマスタデータがない新しい製品を計画する場合、個別計画を使用して基本計画対象を登録することによって、初期計画と原価計画立案を実行することができます。この方法を使用して、明細の原価をマニュアルで計画します。

最初の品目マスタデータが SAP ERP に登録されると、品目原価見積 (数量構成なし) を使用して、製品の製造原価と売上原価をマニュアルで計画することができます。基本対象原価見積をこれの参照として使用することができます。品目原価見積計画 (数量構成なし) には、マルチレベル個別計画とシングルレベル個別計画の 2 つの方法を使用できます。マルチレベル個別計画では、生産 BOM を使用せずに組立レベルで原価を計画することができます。

プロセスフロー 基本計画対象の登録と原価計算

結果の分析 基本計画対象の変更

情報システムからのレポート

キーポイント 個別計画 基本計画対象

o 登録および原価計算後、基本計画対象の監視と分析を行うことができます。

情報システムからのレポート

o 基本計画対象の監視

2.4 期末処理と実績転記

2.4.1 期末処理一般プラント

目的プラント/集中決算処理は、該当する期間のプラント活動を表すすべての財務転記が行われていることを確認するために行います。プラントにおける日次活動は、各種の財務転記を総勘定元帳と原価管理モジュールに転記することです。このプロセスでは、プラントのすべての活動が正しく示されていること、および欠けている財務転記がないことが確認されます。データに

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よっては、期間ごとに管理されるものがあります (合計在庫金額、合計在庫、評価クラス、原価管理区分、および価格単位)。これらの値および在庫移動が正しい期間に転記されるように、新しい期間が始まるたびに期間を設定する必要があります。これらの数値が正しくレポートされるように、管理レポートでは、差異、仕掛品、および不良を参照したプラント情報が受信される必要があります。有効ではなくなった製造/プロセス指図は、後で転記が行われないように、closed としてフラグを設定しておく必要があります。このプロセスは、集中決算処理に入ると終了します。これによって、企業の財務会計レポートが終了します。

期末処理 "一般" プラントでは、期間別製品原価管理および指図別製品原価管理の決算処理を扱います。指図別製品原価の手順は、製造業者がプロセス指図と製造指図のどちらを使用していても同じです。

プロセスフロー 品質原価の配賦周期の実行

在庫移動および生産処理の完了確認

新しい MM 期間のオープン

製造指図の期末処理 (間接費、仕掛品計算、差異計算、製造指図の決済)

完了した製造指図の終了

集計階層 (レポート) 用のデータ収集

収益性分析 (CO-PA) へのすべての原価センタ原価の実績配賦の実行

収益性レポートの実行

キーポイント 品質原価の配賦周期の実行

在庫移動および生産処理の完了確認

新しい MM 期間のオープン

製造指図の期末処理 (間接費、仕掛品計算、差異計算、製造指図の決済)

完了した製造指図の終了

集計階層 (レポート) 用のデータ収集

収益性分析 (CO-PA) へのすべての原価センタ原価の実績配賦の実行

収益性レポートの実行

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2.4.2 間接費管理 - 実績目的ここでは、間接費管理で使用される取引ベースの実績転記について説明します。

期末に実行される活動については、期末処理の章を参照してください。

プロセスフロー 原価センタの実績転記

o 関連する原価センタへの転記 (一次原価の場合)

o 正しい金額による原価センタの更新

o 統計キー数値の転記

定期処理および年次処理

o 原価センタの実際原価と計画原価の比較

o 配賦原価要素を使用した一次原価と二次原価の配分

o 月次ベースでの給与関連費用の見越額の転記

o 管理会計バージョンの更新

o 期間のロック

キーポイント さまざまな目的に応じた G/L 伝票の処理

定期処理および年次処理の準備に必要なステップ

2.4.3 R&D 内部指図 - 実績目的各種内部プロジェクトでは、資源が消費され、原価または費用が発生します。一般に、これらのプロジェクトの目的は将来の製品開発です。通常は、このようなプロジェクトに対して製品ラインを決定することができます。これらのプロジェクトの原価は、原価管理、投資利益率の計算、税レポートなどのさまざまな目的のために追跡する必要があります。

このプロセスでは、SAP の内部指図機能を使用して原価とステータスを追跡します。実施されるプロジェクトごとに、R&D 指図タイプ (Y100) を使用して内部指図を登録します。この指図に対して原価計画を実行します。プロジェクトが承認されると、指図がリリースされます。これにより、プロジェクトで発生した原価を指図で転記することができます。定期的に、指図で収集された原価を、割り当てられた R&D 原価センタまたは CO-PA (CO-PA が有効化されている場合) に対して決済します。プロジェクトが完了し、決済を完了したら、該当するステータスを設定して指図を終了します。

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プロセスフロー R&D 内部指図の登録

消耗品の購入 R&D 内部指図への出庫転記

内部指図の決済

キーポイント 未処理指図、出荷、および在庫の明確な把握

自動化された効率的な処理

2.4.4 マーケティングおよびその他の間接費の内部指図 - 実績

目的各種内部プロジェクトでは、資源が消費され、原価または費用が発生します。一般に、これらのプロジェクトの目的は将来の製品開発です。通常は、このようなプロジェクトに対して製品ラインを決定することができます。これらのプロジェクトの原価は、原価管理、投資利益率の計算、税レポートなどのさまざまな目的のために追跡する必要があります。

このプロセスでは、SAP の内部指図機能を使用して原価とステータスを追跡します。

マーケティングプロジェクトの場合、マーケティング指図タイプを使用して内部指図を登録します。マーケティング指図は統計指図として登録されます。そのため、原価は、割り当てられた原価センタに転記されるとともに、統計原価として内部指図に転記されます。実際原価が原価センタに割り当てられるので、指図を決済する必要はありません。

その他の間接費プロジェクトの場合、間接費指図タイプを使用して内部指図を登録することができます。この場合、責任原価センタが割り当てられます。この原価センタに対して内部指図を決済する必要があります。

プロセスフロー 内部指図の登録 G/L 勘定の転記 決済規則のチェック

決済のチェック 実際予算のチェック

キーポイント このプロセスでは、SAP の内部指図機能を使用して原価とステータスを追跡します。

内部指図を明確に把握することができます。

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自動化された効率的な処理が可能になります。

2.4.5 財務会計の期末処理

目的決算処理は定期的なタスクであり、FI では以下のように細分されます。

日次決算処理 月次処理 年次処理

決算処理コンポーネントを使用すると、日次決算処理、月次処理、および年次処理に必要な活動の準備と実行を容易に行うことができます。そのためにシステムに用意されている一連の標準レポートを使用することで、すべての転記済勘定残高から直接、評価や分析を生成することができます。以下の作業を実行することができます。

貸借対照表と損益計算書の作成

転記データの記録

日次決算処理には、追加の転記は必要ありません。

日次決算処理と転記データの記録には、以下の評価を使用することができます。

要約伝票仕訳帳 転記されていない伝票の評価

総勘定元帳の決算処理を実行するには、使用している補助元帳会計領域の決算処理を実行する必要があります。以下のような領域があります。

債権管理と債務管理

棚卸資産会計 固定資産管理

年次処理は、以下の 2 つのフェーズに分割されます。

新しい会計年度の開始時に、新しい会計期間をオープンし、前年度から残高を繰り越します。

次に、財務諸表を準備および作成し、残高監査証跡を使用して取引を記録します。

SAP システムに用意されている一連のレポートを使用して、新しい会計年度に残高を繰り越すことができます。このプロセスでは、損益勘定が 1 つ以上の繰越残高勘定に繰り越されます。貸借対照表勘定の残高は新しい会計年度にそのまま繰り越されます。特別な期首財務諸表を作成する必要はありません。

前の会計年度で転記を行うと、関連する繰越残高が自動的に調整されます。前の会計年度をクローズし、決算転記を実行してから、新しい会計年度をオープンする必要はありません。

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月次処理と同様に、必要なあらゆる外部レポートの登録、転記データの記録、および内部評価の実行が可能です。

プロセスフロー 日次決算処理 月次処理 年次処理

キーポイント 換算レートの更新 伝票番号割当でのギャップ

請求書二重採番可能 要約伝票仕訳帳の照会

2.5 販売管理2.5.1 仕入先による販売処理(出荷通知あり)仕入先直送受注処理の場合、得意先から依頼された明細を会社が出荷するわけではありません。代わりに、会社が仕入先直送仕入先に受注を転送し、その仕入先が商品を得意先に直接出荷して、会社に請求します。仕入先直送仕入先から出荷される品目の購買依頼が、標準受注で自動的に登録されます。

このシナリオでは、仕入先が出荷通知を送信します。その後、統計入庫が転記されます。仕入先からの請求書受領によって請求数量が更新されるため、得意先請求伝票は、仕入先からの請求書の入力後にのみ登録することができます。

.

2.5.2 与信管理与信限度確認は、販売伝票の登録時または変更時に実行できます。確認は、1 つの与信管理領域内で実行されます。伝票の数量または金額を変更すると、確認が繰り返されます。与信管理領域は、1 つ以上の会社コードで構成されます。販売伝票は、販売組織の会社コードへの割当に従って 1 つの与信管理領域に属します。SAP システムでは、この与信管理領域で得意先に許可された与信限度が確認されます。与信管理領域および得意先の与信限度は財務会計で定義し、得意先マスタレコードに入力します。与信限度確認では、SAP システムによって販売伝票の明細ごとに債権、未消込明細、受注の正味額の合計が算出されます。未消込明細では契約上の義務が考慮されます。これらは、会計目的で記録されることはありませんが、さまざまな取引による費用が含まれます。その後、合計と与信限度が比較されます。限度を超過している場合、設定メニューで定義した方法でシステムが応答します。

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このソリューションでは、自動与信管理を使用しています。自動与信管理では、与信限度を超過した場合のシステム応答を設定できます ('A' 警告、'B' エラー、''C' A + 与信限度超過額、'D' B + 与信限度超過額)。ここではオプション 'C' (警告 + 与信限度超過額) が選択されています。

出荷がブロックされている全販売伝票およびそのブロック理由を一覧表示するトランザクションが用意されています。得意先の現在の与信状況を与信部門がマニュアルで確認します。受注が承認されると、受注から出荷ブロックが削除されます。一覧から個々の伝票に直接ジャンプできます。

2.5.3 受注処理: 在庫からの販売このシナリオには、得意先に対する標準販売プロセス (在庫からの販売) のプロセス順序全体が記述されています。このビジネスプロセスには、受注の登録から入金後の得意先コードの消込までのすべてのステップが含まれます。

このプロセスは、得意先の標準受注の登録から開始されます。受注入力時には、得意先や品目に応じて、得意先/品目の価格設定、適用可能な値引の挿入、品目の利用可能在庫の確認、得意先の与信履歴の確認など、さまざまな特殊なイベントが実行されます。

目的の保管場所に十分な品目があるかどうかが確認されます。十分な品目がない場合は、在庫移動が実行されます。その後、得意先に出荷する製品を供給するために、倉庫担当者に対してピッキング伝票が生成されます。

ピッキング後、実際に出荷する数量をシステムに登録して、受注と出荷伝票の数量に差異がないことを確認する必要があります。実際の数量と異なる場合は、伝票に記載して正しく転記されるようにします。

ピッキングの完了後、倉庫担当者はシステム的に在庫を削減する必要があります。在庫の削減とは、得意先に出荷される棚卸数量の実績記録を行うことです。この結果、財務会計で売上原価が記録されます。

在庫の削減後、出荷伝票の請求処理が可能になり、管理会計で収益と売上原価が記録されます。このステップは、販売管理における取引の終了を意味します。

2.5.4 無償出荷このシナリオには、得意先に無償で商品を提供するプロセスが記述されています。請求に関連しない一意の受注が登録されます。受注の確認は商品の利用可能在庫にもとづいて実行されます。その後、出荷伝票が登録され、商品のピッキング、確認、得意先への出荷が行われます。

2.5.5 返品とクレームこのシナリオには、受注返品処理が記述されています。このプロセスではまず、商品のオリジナル請求書を参照して返品受注を登録します。RMA 伝票を印刷し、返品される商品に添付してもらうために得意先に転送します。商品が返品されたら、RMA を参照して仕入返品を登録し、品目を返品在庫に入庫します。返品在庫場所は非 MRP 関連に設定しておきます。商品を検査し、在庫に戻すか、廃棄します。請求実行によってクレジットメモが登録され、得意先コードに転記されます。

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2.5.6 販売見積このシナリオには、標準販売見積のプロセスが記述されています。このプロセスは、得意先から見積依頼 (RFQ) を受領した時点で開始されます。得意先の見積依頼に応答して、SAP システムに見積が登録されます。その後で、得意先は見積を受け入れるか、拒否することができます。

2.5.7 見込受注プロセスこのシナリオでは、最初に得意先の情報を検索することなく受注伝票を処理します。

ダミー得意先は、受注処理担当者が最初に得意先の勘定コードを検索せずに受注を調べる必要がある場合に使用します。受注は保存できますが、有効な得意先勘定コードが受注に入力されないうちは不完全のままです。この機能は、電話で注文を受ける会社に特に便利です。たとえば、得意先から電話があり、カタログ明細の価格設定と情報を依頼されたとします。受注処理担当者は、最後まで得意先の勘定コードを使用せずに受注全体を構築することができます。得意先の勘定コードが入力されると、得意先マスタや得意先固有の他のレコードから得意先固有のすべての情報が転送されます。

2.5.8 仕入先直送を利用した販売プロセス (出荷通知なし)仕入先直送受注処理の場合、得意先から依頼された品目を会社が出荷するわけではありません。代わりに、会社が仕入先直送仕入先に受注を転送し、その仕入先が商品を得意先に直接出荷して、会社に請求します。仕入先直送仕入先から出荷される品目の購買依頼が、標準受注で自動的に登録されます。

仕入先からの請求書受領によって請求数量が更新されるため、得意先請求伝票は、仕入先からの請求書の入力後にのみ登録することができます。

2.5.9 非在庫品の販売 - 個別購買発注による仕入このシナリオでは、得意先は現在在庫切れの品目を発注します。したがって、その品目を仕入先から調達します。次に例を示します。

得意先 100003 が販売組織 1000 に品目 H14 を 100 個注文します。この品目は在庫がないため、仕入先から調達する必要があります。受注を登録すると、購買依頼が生成されます。次のステップで、購買依頼が仕入先 300000 に対する購買発注に変換されます。得意先 100003 の得意先特殊在庫への入庫が登録されます。この後、納入と請求が行われます。最後に、入庫に対する請求書照合が登録されます。得意先 100003 の与信管理が有効化されます。

2.5.10 デビットメモ処理デビットメモプロセスは、価格設定や売上税率のエラーによって得意先に過少請求していたことが判明した場合に、得意先勘定に借方を適用するために使用します。借方の金額が記載された請求書増額依頼を登録し、レビュー対象として請求ブロックを設定します。その後、この依

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頼をリリースして、請求関連として一括請求に表示されるようにする必要があります。定期請求プロセスで、得意先に送信されるデビットメモが登録され、会計伝票が転記されます。

2.5.11 貿易処理 - 輸出マーケットのグローバル化が進み、ビジネスの構造が複雑になるに従い、ビジネスの貿易要件を処理する際の正確性に対するニーズが急速に重要になっています。SAP の貿易/通関アプリケーション (FT) では、ペースの速い今日のマーケットで効果的に競争するために必要なツールが提供されます。このアプリケーションは、ビジネスにおいて急速に変化する貿易要件を満たすのに役立ちます。

このシナリオには、通関書類を受領するステップ、およびすべての必須情報がシステムに登録されていることを確認するための不完全性チェックがどのように実行されるかが記述されています。

文書には、必要な設定とマスタデータを更新することで、EU 域内貿易統計と EU 域外貿易統計を使用したレポートが簡単に作成できることが記述されています。

2.5.12 得意先受託品/預託品管理このシナリオには、最終製品および商品を受託品/預託品管理で処理する方法が記述されています。得意先に出荷された最終製品は、その得意先から第三者に販売されるまでは自社の資産であるものとします。通常、得意先の店舗または倉庫に保管される品目は、当該得意先に割り当てられた在庫 (預託在庫) に転記されます。これにより、得意先の現在在庫をいつでも照会することができます。

2.5.13 要返却梱包材処理標準パレットは製造業者に属し、要返却商品または梱包材として処理されます。このシナリオには、標準パレットの出荷と返却が記述されています。

このシナリオでは、要返却品目として処理される品目タイプ LEIH のパレット L001 を使用します。

2.5.14 会社間受注処理*このシナリオでは、複数の会社コード間の販売処理方法について説明します。

得意先は、仕入先の販売組織に商品を注文します。仕入先には、別の会社コードに属する生産/倉庫プラントがあります。商品はここで生産または保管され、生産/倉庫プラントから得意先に直接出荷されます。

フォーカス:

異なる会社コードに属する出荷プラント

出荷プラントから得意先への直送

得意先請求書および会社間請求伝票

内部振替価格

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得意先 100009 が仕入先の販売組織に購買発注を送信します。異なる会社コードの生産/倉庫プラントを出荷プラントとして、標準受注が登録されます。

商品が生産/倉庫プラントから得意先に直接出荷されます。

出荷に対する請求が 2 回行われます。1 回目は得意先請求書を登録するため、2 回目は会社間請求を実行するために行われます。

得意先が、銀行口座に金額を振り込むことによって請求書に対する支払を行います。マニュアル銀行報告書が転記され、得意先勘定の未処理明細が消し込まれます。

2.5.15 得意先前払金を伴う受注処理ビジネス、特に受注生産環境では、商品の納入前に得意先に前払金の支払を請求することがよくあります。このプロセスでは、前払金請求の登録、前払金受領の記録、受領した前払金控除後の最終請求書の登録、および請求書に示された最終請求金額の受領を処理することができます。

このプロセスでは、請求計画機能を使用します。この統合プロセスによって、販売取引と財務取引間の適切な伝票フローを確保することができます。

2.5.16 販売: 期末決算処理このシナリオには、日次決算アクティビティなどの販売管理の定期アクティビティや EU 域内/域外貿易統計レポートのような法的要件が記述されています。

2.5.17 クレジットメモの処理クレジットメモプロセスは、価格設定や売上税率のエラーによって得意先に過剰請求していたことが判明した場合に、得意先勘定に貸方を適用するために使用します。貸方の金額が記載された請求修正依頼を登録し、レビュー対象として請求ブロックを設定します。その後、この依頼をリリースして、請求関連として一括請求に表示されるようにする必要があります。定期請求プロセスで、得意先に送信されるクレジットメモが登録され、会計伝票が転記されます。

2.5.18 リベート処理: 無償品このシナリオには、得意先に対する無償品を含む標準販売プロセス (在庫からの販売) のプロセス順序全体が記述されています。無償品が含まれています。つまり、得意先は発注数量を受領しますが、支払をするのは発注数量の一部についてのみです。このビジネスプロセスには、受注の登録から入金後の得意先コードの消込までのすべてのステップが含まれます。

このプロセスは、得意先の標準受注の登録から開始されます。無償品条件レコードが使用済品目に対して登録されています。そのため、得意先は発注数量に応じて特定の量の無償品を受け取ります。

目的の保管場所に十分な品目があるかどうかが確認されます。十分な品目がない場合は、在庫移動が実行されます。その後、得意先に出荷する製品を供給するために、倉庫担当者に対してピッキング伝票が生成されます。

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ピッキング後、実際に出荷する数量をシステムに登録して、受注と出荷伝票の数量に差異がないことを確認する必要があります。実際の数量と異なる場合は、伝票に記載して正しく転記されるようにします。

ピッキングの完了後、倉庫担当者はシステム的に在庫を削減する必要があります。在庫の削減とは、得意先に出荷される棚卸数量の実績記録を行うことです。この結果、財務会計で売上原価が記録されます。

在庫の削減後、出荷伝票の請求処理が可能になり、管理会計で収益と売上原価が記録されます。このステップは、販売管理における取引の終了を意味します。

2.5.19 一括請求を伴う受注処理このシナリオには、一括処理のために標準受注処理 (在庫からの販売) を使用する方法が記述されています。

このプロセスは、標準受注の登録から始まります。

出荷待ちであり、品目利用可能在庫のある全受注が定期的に選択され、出荷伝票が登録されます。出荷コストの最適化のために、同一得意先に出荷される全受注が 1 つの出荷伝票で梱包されます。簡易倉庫管理の保管場所に対して、ピッキング用に倉庫管理転送指図とピッキング伝票が自動的に登録されます。

品目がピッキングされ、ピッキングの実績数量が出荷伝票に記載されます。入庫が予約され、納品書が登録されます。バックグラウンドで、在庫消費量が会計管理に予約されます。これで、会社から品目を出荷できるようになります。

すべての出荷伝票は、請求のために定期的に選択されます。同一得意先に請求される全出荷伝票は、コスト最適化のために 1 つの請求書で梱包されます。バックグラウンドで、収益が会計管理に転記されます。

2.6 在庫/購買管理2.6.1 簡易倉庫管理簡易倉庫管理は、出荷プロセスにおいてピッキング伝票を生成するために使用されます。

ピッキング伝票は、倉庫に割り当てられた保管場所に対して出荷伝票が登録されたときに印刷されます。これは自動的に実行されます。ユーザが倉庫管理からの在庫転送オーダーを処理する必要はありません。

2.6.2 調達の見積見積依頼 (RFQ) プロセスは、得意先からの品目の依頼によって開始されます。見積依頼プロセスでは、最適な供給元を選択するために価格比較が行われます。購買担当者が仕入先の応答を評価して、最適な供給元を決定します。受け入れられた見積は、購買発注に変換されます。見積が拒否された仕入先には不採用通知が送信されます。

見積に記載されている仕入先の価格設定やリードタイムなどの品目固有の情報は、ERP マスタデータレコードに読み込まれます。

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2.6.3 消耗品購買このシナリオには、調達プロセスにおける購買発注登録活動が記述されています。また、購買発注承認、消耗品目入庫、サービス入力シート承認、および明細別請求書受領に関する追加のプロセスステップも記述されています。さらに、このプロセスでは、支払、期末プラント処理、および期末処理の関連処理も扱います。

消耗品目 (商品またはサービス) は、品目コードの代わりに主要識別特性としてテキスト (短) を指定して入力されます。購買発注は、仕入先に発行される前に、事前定義されたパラメータにもとづく承認を必要とします。

消耗品目の場合、システムには在庫が登録されません。入庫転記によって、商品の金額が原価センタまたは別の原価要素に請求されます。

仕入先から受領した請求書は、購買発注および明細を参照して購買発注金額、入庫金額、および請求額の 3 つが一致していることを確認した後、入力されます。請求書金額と購買発注金額に差異がある場合は、その請求書は保留になり、承認のために購買担当者に転送されます。仕入先への小切手は、仕入先マスタから誘導された、請求書に反映されている支払期日条件にもとづいて生成されます。標準原価との差異は、購買原価センタに収集され、事前定義された比率で製品ラインレベルに配分されます。

消耗サービスの調達も、これと同じ一般プロセスに従って処理されます。違いは、消耗サービスは入庫によって転記されるのではなく、サービス入力シートを使用して転記されるという点です。いずれの場合も、請求書では同じルールが適用されます。

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2.6.4 品質管理なしの調達購買プロセスは見積依頼によって開始することができます。購買組織の従業員は、見積依頼によって、品目の供給に関する見積を仕入先に依頼します。見積依頼プロセスでは、最適な供給元を選択するためにオファーの比較が行われます。購買担当者が仕入先からの応答を評価して、最適な供給元を決定します。合意した品目原価が品目マスタに読み込まれ、リリースされた標準原価にもとづく在庫評価の一部となります。見積を処理するには、ビジネスプロセス文書: 調達の見積 (128) を実行します。

見積に記載されている仕入先の価格設定やリードタイムなどの品目固有の情報は、SAP マスタデータレコード、つまり購買情報に読み込まれ、供給元一覧と呼ばれる SAP 検索によって、取引依頼および購買発注とリンクすることができます。購買情報および供給元一覧には、品目に関連付けられている仕入先が 1 社以上含まれている場合がありますが、品目の主要供給元として指定されているのは 1 社の仕入先のみです。

購買依頼は、資材所要量計画プロセスによって生成されるか、購買依頼者によってマニュアルで生成されます。購買担当者は、購買依頼の精度をチェックして、購買依頼を購買発注に変換します。購買発注は、仕入先に発行される前に、事前定義された金額にもとづく承認を必要とします。

仕入先から商品が出荷され、仕入先の伝票で参照されている購買発注に対して納入されます。在庫は、品目マスタから提案された固定パラメータにもとづく場所に入庫されます。この場所は、トランザクションデータの読込時 (購買発注登録時または入庫時) に変更することができます。

仕入先から請求書を受領します。請求書は、購買発注および明細を参照して購買発注金額、入庫金額、および請求額の 3 つが一致していることを確認した後、入力されます。請求書金額と購買発注金額に差異がある場合は、その請求書は保留になり、承認のために購買担当者に転送されます。仕入先への小切手は、仕入先マスタから初期値として設定された、請求書に反映されている支払期日条件にもとづいて生成されます。標準原価からの偏差による差異は、購買原価センタに収集され、取引で設定されている事前定義の比率にもとづいて製品ラインレベルに配分されます。

2.6.5 在庫処理: 廃棄と保留在庫、評価減このシナリオは、以下の各プロセスによってトリガされます。

得意先からの返品 生産からのリワーク

その他のロジスティクスプロセスと理由

別の品目コードへの品目の評価減と、その後の評価減品目のリワーク

2.6.6 調達契約契約登録プロセスは、大量の供給を確保しながら、調達費用を削減する必要性から始まります。以下の点が明確になっている場合に、契約登録を開始することができます。

- 品目またはサービスの数/金額

- 有効開始日付/有効終了日付

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- 支払条件

- 各契約品目/サービスの数量

- 契約内の各ポジションの価格

- 商品/サービスの納入場所

契約には、購買担当マネージャまたは購買担当者が署名します。

契約登録後、その契約に関連して、購買依頼および購買発注を実行することができます。

2.6.7 出荷伝票を使用した在庫転送在庫転送プロセスは、同じ会社コード内のプラント間における品目転送の依頼から始まります。この依頼は、在庫転送依頼として、調達元プラントに MRP によって自動的に登録することも、購買担当者がマニュアルで登録することもできます。

ただし、このプロセスは MRP なしでも動作します。その場合は、購買担当者が在庫転送オーダーを直接登録します。

必要なマスタデータは、在庫転送プロセスをサポートする品目マスタのみです。品目マスタは、調達元 (入庫) プラントと供給元 (出庫) プラントの両方に存在している必要があります。在庫転送購買発注は、他の購買発注と同じような承認を行う必要がありません。

購買担当者は、在庫転送購買依頼の精度をチェックし、在庫転送購買発注に変換します。また、MRP なしの場合は、購買担当者が在庫転送購買発注を直接登録します。

出庫プラントの倉庫担当者は、出荷対象の品目を監視し、必要に応じて出荷伝票を登録します。出荷伝票が登録されると、品目のピッキングリストが生成されます。倉庫担当者が品目を収集し、ピッキング数量を確認します。出荷伝票が完了すると、出荷数量の出庫、該当する伝票の生成、および商品出荷が行われて、出荷プラントのプロセスが終了します。

商品は、出荷伝票の出荷番号を参照する出庫プラントで受領されます。商品は、品目マスタから提案された固定パラメータにもとづく場所に入庫されます。この場所は、トランザクションデータの読込時 (購買発注登録時または入庫時) に変更することができます。

在庫転送プロセスはプラント A からプラント B への転送を目的としていますが、反対方向でも動作します。

2.6.8 出荷伝票を使用しない在庫転送この設定ガイドでは、この Building Block をマニュアルで設定するために必要な情報を提供します。

マニュアル設定ではなく、BC セットなどのツールを使用した自動インストールプロセスを利用する場合は、この Building Block のインストールガイドを参照してください。

2.6.9 仕入先への返品仕入先への返品プロセスは、仕入先への品目の返品依頼から開始されます。最初の活動は、返品権限 (RMA) を仕入先に依頼することです。これはマニュアルステップで、返品購買発注のテキスト項目に RMA 番号を入力します。その後、購買担当者が返品購買発注をシステムに登

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録します。返品購買発注は標準購買発注に似ていますが、返品フラグによって、仕入先に品目を返品できるように仕入返品が設定される点が異なります。

返品購買発注確認が仕入先に送信されると、品目がピッキングされる出荷部門に返品出荷伝票が送信されます。その後、品目がピッキングされ、納品書と共に返品されます。出荷部門が出荷伝票を登録すると、在庫から品目が払い出されます。仕入先に対して負債を減らすクレジットメモが生成されます。

2.6.10 実地棚卸/棚卸検数 & 在庫調整このシナリオでは、実地検数後に倉庫在庫に対して必要な調整を行う定期プロセスを扱います。

このプロセスは、棚卸検数シートの生成から開始されます。ここでは、実地棚卸中に品目の転記をブロックすることもできます。棚卸検数シートを印刷すると、特定の品目の実際の実地棚卸検数を把握することができます。次に、検数をシステムに入力し、システム数量との差異を確認します。最終検数を受け入れ、棚卸差異を転記するまで、棚卸の再検数を行うことができます。

2.6.11 外注MM 外注プロセスでは、特定の製造プロセスのために原材料構成品目を仕入先に送り、付加価値最終品目を再度入庫します。

外注購買依頼は、資材所要量計画プロセスによって生成されるか、購買依頼者によってマニュアルで生成されます。購買担当者は、購買依頼が正確であるかどうかをチェックし、購買発注に変換します。購買発注は、仕入先に発行される前に、事前定義されたパラメータにもとづく承認を必要とします。

送付された構成品目の消費は、付加価値最終品目の受領時に記録されます。提供されたサービスの請求書が仕入先から送付され、通常の支払周期でそれに対する支払を行います。

得意先が、見込生産プロセスの特定の生産計画または資材所要量計画シナリオ (MRP シナリオ) にもとづいて、外注先として指定した仕入先 (3000XX) に商品を注文します。

商品の出荷時には、

このシナリオでは、以下の活動を取り上げます。

最終 MRP 実行によって登録された計画済購買依頼にもとづく購買発注登録

任意:購買発注のマニュアル登録

購買発注の承認 (必要な場合)

出荷伝票の登録 外注先への納入と出荷のための出庫転記

入庫時、シナリオは以下のアクティビティを中心に実行します。

購買発注にもとづいて外注先から納入された入庫

構成品目の入出庫予定と、品目供給としての構成品目数量の消費の転記

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明細別請求書受領 請求書照合と税費用のチェック

支払のプロセス

2.6.12 受託品在庫の調達および消費受託品/預託品管理では、仕入先から提供された品目を自社の施設に保管します。受託品保管から品目を払い出すまでは、仕入先が引き続き品目の法定所有者となり、品目を払い出したときに初めて、仕入先から支払を求められます。請求書に対する支払は、設定した期間 (月次など) で行います。また、一定の期間が経過すると、残りの受託品/預託品品目の所有権を継承するように仕入先と取り決めることもできます。

受託品ベースで調達される部品の場合、日次 MRP 実行では明細カテゴリ 'K' で購買依頼が登録されます。

2.6.13 内部調達: 会社間在庫転送このセクションでは、会社コードが異なる 2 つのプラント間の在庫転送について説明します。このプロセスでは、供給プラントを仕入先とする購買発注を使用します。この購買発注では、仕入先 (供給プラント) の価格および条件を固定することができます。

必要な品目は、供給プラントの利用可能在庫に置かれています。供給プラント (生産 PLANT1(1000)) および保管場所 (1030) の品目 RAW20(R20) の在庫数量は、在庫/購買管理の簡易転記 (トランザクション mb1c、移動タイプ 501 または 561) によって登録されます。

2.6.14 貿易処理 - 輸入このシナリオには、貿易業務に関連するステップ、およびすべての必須情報がシステムに登録されていることを確認するための完全性チェックがどのように実行されるかが記述されています。

2.7 生産計画/管理2.7.1 ロジスティクス計画ロジスティクス計画の目的は、将来の需要を自社の利用可能リソースで充足できるようにすること、および需要が間に合わない場合や必要な数量に満たない状況を指摘することです。

このプロセスは販売事業計画とも呼ばれます。このプロセスは、シミュレーションモードを使用して集約 (通常は製品グループ) レベルで実行されます。実行可能生産計画で需要の充足が確認されると、それが有効生産計画 (MRP および詳細能力計画) の基準として使用可能になります。

このセクションの Best Practices シナリオには、以下の計画ワークフローが含まれます。

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将来の需要の計画/予測

需要が充足可能である場合に製品グループレベルでのチェックを行うための能力チェックを含む集約生産計画 (SOP 機能を使用)

所要量のシミュレーションを可能にするための生産計画にもとづいた長期計画への結果転送 (LTP モジュールを使用)

LTP で別々の (シミュレーション) 計画バージョンで実行される計画

必要に応じた計画所要量のレビューと調整

シミュレーションした所要量を受け入れると、有効バージョンで詳細 MRP と生産計画/詳細計画を行うために、需要 (個別所要量) が有効な需要管理に転送されます。

2.7.2 見込生産 - ディスクリート産業シナリオ見込生産 (MTS) では、以下の内容を取り上げます。

MTS (見込) 生産/製造指図処理を使用した受注非依存生産

計画独立所要量 生産計画によって開始される生産

見込生産 - 半製品組立および最終部品の 2 段階生産

製造バージョンの使用

オプション拡張: 最終製品のシリアル番号

オプション拡張: 外注工程

オプション拡張: ロット管理処理

原材料の各種調達シナリオの参照

無名で生産されて倉庫に出荷される製品は、最終製品 MTS と呼ばれます。

2.7.3 見込生産 - プロセス産業シナリオ見込生産 - プロセス産業では、以下の内容を取り上げます。

MTS (見込) 生産/プロセス指図処理を使用した受注非依存生産

計画独立所要量を使用する MRP 計画によって、生産の計画手配と原材料の購買依頼が登録されます。

計画手配がプロセス指図に変換されます。

構成品目が製造現場に供給されます。

生産が開始されるとすぐにロット管理構成品目が出庫され、ロット管理と連動して半製品および最終製品が生産されます。

最終製品の確認時に、梱包材 (ロット管理なし) にバックフラッシュが使用されます。

プロセス指図確認によって、指図管理および決済が開始されます。

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計画独立所要量の登録

このプロセスは、以下の 2 つの異なる開始ポイントから開始することができます。

o SOP (販売事業計画) から開始して、シナリオ XXX (AOP - SOP LTP) および XXX (ロジスティクス計画) に進み、2 番目のステップ資材所要量計画 (MRP) で XXX (見込生産 - プロセス産業) を開始します。

o 個別所要量のマニュアル登録から開始して、最初のステップで XXX (見込生産 – プロセス産業) に進みます。

選択した開始ポイントに関係なく、結果として BOM ヘッダ品目の個別所要量が登録されます。これは、後で MRP 計画の際に入力として使用されます。

資材所要量計画 (MRP)

日次 MRP 実行によって、各ローレベルコードの補充要素が生成されます。計画手配の 3 カ月間の開放期間内に購買部品の購買依頼が自動的に生成されます。また、計画手配を使用して、同様に必要な入庫要素が導入されます。

内製の部品に対しても計画手配が登録されます。計画開始日に達すると、これらの計画手配が生産計画者によって製造指図に変換されます。その結果、必要な構成品目すべてが確保されます。

計画手配およびプロセス指図の能力所要量が登録されているため、必要なリソースの能力評価を各レベルで行うことができます。能力過負荷の場合、指図日程計画が変更され、品目の従属所要量の計画を再作成するために再度 MRP 実行が必要になることがあります。

品目の中には、消費主導型で計画されるものがあります (原材料ロット 3 (R30) など)。このような品目には有効期間管理による保管の制限がないので、多数の品目が倉庫に保管されることがあります。指定した発注点に達すると、補充指図が即座にトリガされます。

半製品および最終製品の見込生産

生産計画者が、開始日を選択して計画手配を変換します。事前の MRP 計画によって、プラントの品目利用可能数量が確保されていることを前提とします。構成品目は一般の保管場所に保管され、日々の生産における要求に応じて製造現場レベルに供給されます。

データ整合性を確保するために (成分などのロット管理構成品目は、実際に使用されるロット番号で出庫されます)、生産開始時に指図参照による出庫が転記されます。梱包材などの非ロット管理構成品目には、バックフラッシュを使用することができます。

半製品は、生産の実行中でも、最終製品の投入品目としてすでに次のラインに引き渡されます。そのため、分割数量について入庫転記がすでに実行され、次の生産ステップで即座に消費することができます。これによって、ロットトレースも可能になります。

半製品の日次生産実行が完了すると、生産数量 (および不良数量) の合計が最終指図確認に転送されます。通常は、最後の作業フェーズのみを確認し、それに関して、前の作業フェーズをマイルストーン確認によって確認します。計画外不良などの例外の場合に限って、前の作業フェーズを順を追って確認します。

最終確認によってプロセス指図のステータスが自動的に更新され、製造管理が開始されます。レポート要件に応じて、指図が終了するたびに、または期末処理の一部として、差異分析および指図決済を実行することができます。

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2.7.4 バリアント選定を使用した受注生産MTO - バリアント選定を使用した受注処理シナリオには、特性値が事前選択されている品目 (品目バリアント)、およびそれらのバリアントについて計画された販売数量にもとづいて生産される構成品目の受注処理が記述されています。受注の選定を品目バリアントとして使用できない場合、得意先サービスは、該当する特性値を選択することによって、受注の品目を選定することができます。受注の原価見積は受注の保存時に登録され、後に売上原価の評価に使用されます。

このプロセスは、得意先から選定可能品目の受注を受け取ったときに開始されます。受注は MRP 実行で認識され、品目を生産するための計画手配が生成されます。倉庫在庫が不足している場合は、必要な原材料の購買依頼が登録されます。

製造指図の登録時に、その指図のロットサイズに対する目標原価が計算されます (予定原価見積)。製造プロセス時には、発生した原価が指図で更新されるため、目標原価と実際原価の追跡とその比較を随時行うことができます。

この指図に期末処理が適用されます。これには、仕掛品計算と差異計算が含まれます。この後、仕掛品は財務会計で決済され、製造差異は管理会計と財務会計で決済されます。製造差異は、受注の収益性分析で特性の 1 つとして決済されます。

2.7.5 バリアント選定を使用しない受注生産このシナリオには、得意先に対する標準販売プロセス (受注生産) のプロセス順序全体が記述されています。このビジネスプロセスには、得意先見積から支払受領後の得意先勘定の消込に至るすべてのステップが含まれます。

見積処理は製造プロセスの第一段階です。このシナリオは、見積依頼の受領から開始されます。まず、得意先の見積依頼に応じて、SAP システムに見積が登録されます。得意先が見積に対する変更を依頼し、後続見積が登録されます。最終的に、得意先は 2 番目の見積を受け入れ、参照による受注が登録されます。指図確認が得意先に送信され、製造プロセスが開始されます。次に、得意先は技術的な変更を依頼します。したがって、受注と部品表/配合表の再計算が行われます。このプロセスは、生産した商品の納入と請求で終了します。

オプションステップ (シリアル番号の登録、外注、生産の品質管理、与信管理、プラント/会社の決算処理など) を実行すると、プロセスを独自に拡張することができます。

2.7.6 繰返生産繰返生産は通常、製造プロセスが次の基準を満たす場合に使用されます。同じ製品または類似する製品が長期にわたって生産される。生産される製品が個別に定義されたロットで製造されない。代わりに、合計数量が特定の期間にわたって部分期間ごとに特定の率で生産される。生産される製品が、生産において機械および作業区を通して常に同じ順序で生産される。作業手順が比較的単純で、ほとんど変更されない。

2.7.7 PP 外注 (外注工程)製造プロセスで生産のための計画手配を製造指図に変換する際、外注工程を必要とする作業手順/作業区作業がないかどうかがチェックされます。外注工程とは、仕入先によって社外で実行

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される個々の生産ステップ (作業または副作業) のことです。このタイプの処理は特に外注で重要です。能力不足が発生した際の、社内工程に代わる代替手段にもなります。

製造指図の日程計画を行うときには、外注作業を考慮に入れる必要があります。外注作業の期間は、予定納入日数または標準値から計算されます。外注工程を必要とする作業または副作業に対して、自動的に購買依頼が登録されます。製造計画担当者は購買担当者に対し、外注工程が必要な購買依頼のワークロードを確認するよう伝えます。

外注活動のデータを更新するとき、原価要素を指定します。この原価要素によって外注活動の評価方法が決まります。作業/副作業を外注処理するかどうかを、管理キーを使用して決定する必要があります。管理キーで、外注する作業の日程計画を、標準値と予定納入日数のどちらにもとづいて実行するのか指定します。この情報は、管理キーで原価計算関連として設定された外注作業/副作業を決済するために必要です。

購買管理では、外注工程が必要になるまでは購買依頼を変換できません。製造指図で数量が変更されると、自動的に購買依頼が更新されるからです。

購買発注を登録したら、印刷して仕入先に送付します。この購買発注によって必要なサービスが仕入先に通知されます。

SAP 標準では、プリンタ/EDI を介した外注発注の出力は購買部門が実行します。最終製品の製造プロセスは進行中なので (在庫関連でない)、倉庫管理責任者による納品書や在庫移動を介した品目支給を標準システムで行うことはできません。

外注発注に加えて納品書が必要な場合は、購買担当者、計画担当者、または日程計画担当者がマニュアル出荷伝票を登録して、外注工程のために収集する必要がある構成品目を出荷部門に通知し、それらの構成品目を仕入先に出荷します。

このシナリオには含まれていませんが、別の方法として、製造指図の外注工程作業管理キーで、作業専用の出力書式をもつ追加の出力タイプをカスタマイズすることもできます。外注工程作業の納品書として設計されたこの出力書式に、購買発注と製造指図の番号を記載すると便利です。

仕入先が外注工程を完了すると、その品目が返送されます。倉庫担当者がその外注処理された商品を再入庫します。作業確認により仕入先サービスが製造指図に反映されます。購買発注と製造指図に受領数量が表示されます。

2.7.8 リワーク処理 (在庫-製造品)このプロセスでは、元品目の生産実行後に追加のリワーク製造指図を使用して実行されるリワーク活動と品目転記 (製品の入庫を含む) に焦点を当てています。

現実のビジネスケースでは、生産品目が在庫に転記されてからその品目の出庫が処理されます。この処理を実現するには、複数の方法があります。

元の製品から専用のリワーク品目への品目在庫転送の実行後に、新しい製造指図が生成されます。その後、リワーク品目が構成品目として使用され、製品が再び元品目になります。リワーク品目の品目評価には、最終製品の金額からリワーク原価を差し引いた金額が反映されなければなりません。原価は新しい製造指図に収集され、製造差異として管理会計に決済されます。また、品目在庫転送から開始される財務転記には平均リワーク原価が含まれます。

品目在庫転送は常に許容されるわけではないので、このシナリオには含まれていません。

このシナリオでは、新しい製造指図を登録し、リワークが必要な品目をインプットとして使用し、その品目をアウトプットして再取得することにより、在庫製造品目のリワークプロセスを

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実現しています。原価は新しい製造指図に収集され、製造差異として管理会計に決済されます。インプット構成品目および製品の品目コードは同じです。

2.7.9 リワーク処理 (仕掛品)このシナリオでは、生産におけるリワークプロセスに重点を置いています。必要なリワーク活動はすべて上位製造指図に関連付けられます。そのため、同じ製造指図内で、エラーが認識され、リワークオペレーションの挿入などの修正措置が開始されます。追加のリワークオペレーションが元の製造指図内で確認され、決済されるため、管理会計内での製造差異と専用製品の価格差異が発生します。

2.8 ロジスティクス一般/QM/PLM

2.8.1 ロット管理品目がロットで管理される場合、ロットリコールの実行や法定レポートの作成などを行うためには、ロットマスタデータを変更したり、ロット使用先を調査したりする必要があります。

2.8.2 ロットリコールこのシナリオでは、不良ロットを識別し、そのロットを受け取った得意先および見込得意先から不良ロットをリコールする必要があります。

不良ロットを入庫した得意先全員を識別するためにプログラムが実行されます。その後、ユーザが該当する取引先担当者の住所を選択すると、各得意先にリコールを知らせる標準レターが印刷されます。各得意先の後続アクティビティがシステムに保存されます。必要に応じて、返品入荷の入力と文書化も行われます。

不良ロットの影響を受けるすべての得意先に確実に連絡するには、後続ロットが不良ロットの影響を受けるかどうかを確認する必要があります。そのためには、標準システム機能ロット使用先一覧を使用することができます。この機能の詳細については、標準 SAP ERP 文書を参照してください。このシナリオでは、製品または卸売製品からロットをリコールします。そのため、これらの製品を受け取ったすべての得意先を容易に特定することができます。ただし、仕入先は、生産で使用した原材料、半製品、商品などの品目が品質基準を満たしていないと報告する場合があります。この場合は、これらの不良ロットを使用して生産された製品または商品を特定する必要があります。

2.8.3 仕入先評価を伴う調達の品質管理このシナリオには、調達プロセスにおける品質検査活動が記述されています。

得意先が、指定した仕入先 300001 に商品を注文します。入庫時に、定義した品目規格に応じて品質検査ロットが生成されます。品質検査結果にもとづいて、品目の受領または拒否を判断する使用決定が行われます (このシナリオでは、拒否されます)。その後、品質通知や仕入先評価などの後続処理が行われます。

このシナリオでは、以下の活動を取り上げます。

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購買発注にもとづく入庫

品質検査不良の記録

品質検査後の使用決定

品質通知の登録と完了

仕入先への商品の返品と仕入返品の登録

仕入先評価プロセス

2.8.4 内部製品開発 (PS 使用)このシナリオでは、会社は内部マーケティング部門から製品仕様書として依頼された新製品を設計します。内部設計部門が新製品の設計提案を設定します。また、このシナリオでは、SAP ERP での文書管理の統合と SAP Easy Document Management についても説明します。会社はプロジェクト管理機能を使用して、製品開発のあらゆる原価と文書を収集します。プロジェクトが原価収集および文書管理の中心的な構造となります。新しい品目マスタと品目 BOM をバックエンドシステムに登録します。その後、生産計画部門が製品の生産および計算の基準となる作業手順を登録します。

マーケティング部門が新製品に指定した価格レベルをチェックするために、生産計画部門は BOM と作業手順を使用して品目原価を計算します。見積価格が指定された価格制限を超過したため、変更管理を使用して、新製品の BOM の構成品目をより安価なものに交換します。設計部門は、仕様書に従ってすべての変更内容を収集して文書化するために、設計変更マスタを発行します。

2 度目の原価積上実行 (原価見積) の後、価格が予算に適合します。これで、改訂レベルを割り当てることによって、新製品の開発ステータスを修正できます。

シナリオの最後に、内部設計部門はプロジェクト中に実行した活動を記録し、最後にプロジェクトを終了します。

製造業者は、設計 BOM (用途タイプ 2) を製造 BOM (用途タイプ 1) にコピーして、製造 BOM を登録します。

文書管理 (Easy Document Management)

o 最終製品の品目マスタへの文書 (KPR) の割当

プロジェクト管理o テンプレートにもとづくプロジェクトの登録

ECM を使用した PDM

o 設計プロジェクトの変更番号の登録

o 新製品の BOM の照会

o BOM の再照会 (変更番号の反映)

o BOM ステータス管理

o 新製品の品目マスタへの改訂レベルの割当

製品原価管理o BOM 変更前後の新製品に対する品目原価見積 (価格変更の反映)

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o 品目計算 プロジェクト終了

o 開発 (設計) 活動の記録

2.9 サービス2.9.1 サービス指図の期末処理 このシナリオにはサービス指図の決算処理が記述されており、必要な活動の準備と実行に役立ちます。

2.9.2 従業員経費管理このプロセスの目的は、計画/承認ステージから、経費が財務会計に転記されて管理会計で発生源にもとづいて配分される時点までに発生したあらゆる経費の完全に統合された管理を実現することです。

2.9.3 内部保全 このビジネスシナリオでは、従業員によって開始された設備の内部保全を取り上げます。

2.9.4 固定価格請求によるスポットコンサルティングこのビジネスシナリオは、固定価格請求によるスポットコンサルティングエンゲージメントに対応します。受注がプロセスの中心になります。これは、受注によって得意先の要件の明確化、労務費および旅費の収集が行われ、さらに受注が固定価格請求の基準としての役割を果たすためです。一般にこのシナリオは、短期のコンサルティング契約に適用され、詳細な作業計画と実行は必要ありません。

このシナリオは、受注の登録から開始されます。

コンサルティング契約に関係する従業員が、各自の作業を実行した後、作業時間および旅費を記録します。受注がレシーバ原価対象です。最後に、固定価格にもとづいて得意先への請求が行われます。受注に対して結果分析が定期的に実行され、その後、発生データが CO-PA および FI に対して決済されます。

2.9.5 固定価格および時間/品目請求を使用した受注このビジネスシナリオでは、請求の一部が固定価格にもとづいて行われるプロジェクトの、見積から完了までのプロジェクトサイクルを扱います。残りの請求は、実績作業をベースとして請求されます。受注としての販売伝票がプロセスの中心になります。これは、販売伝票によって得意先の要件の明確化、労務費の収集、時間および品目の請求の生成が行われるためです。このシナリオは一般に、詳細な作業計画と実行を必要としないコンサルティング契約に適用されます。

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2.9.6 固定価格および時間/品目請求を使用したプロジェクトこのビジネスシナリオでは、エンジニアリングおよび産業用設計会社の一般的なビジネスプロセスを扱います。得意先との設計プロジェクトの契約では、前受/前払金と定義したマイルストーンの実行を基準にした請求が要求されます。設計会社はプロジェクト構造を設定し、スキルセットと利用可能能力を基準にして従業員を特定の活動に割り当てます。プロジェクトは、事前定義したプロジェクト構造テンプレートを使用して、受注から自動的に登録されます。

2.9.7 内部プロジェクトプロフェッショナルサービス会社ではどこでも、提案作業や、新しいサービスパッケージのトレーニングや開発などの内部作業に多くの時間を費やしています。外部作業で使用するのと同じツールを使用して、このような作業に費やした時間と費用をキャプチャすることをお奨めします。

受注が不要なので、内部プロジェクトのコードは設定が異なることがあります。データキャプチャは、外部作業と同じロジックに従う必要があります。会計管理とレポートの後続処理は異なりますが、完全な全体像が生成されなければなりません。

ここでは、次のプロセスについて説明します。

原価を収集するコードの登録

原価 (時間、費用、購買) のキャプチャ

定期処理 追加転記のためのコードのクローズ

間接費を取り戻すための内部プロジェクトからのさまざまな請求も可能ですが、これについてはここでは扱いません。

2.9.8 時間/品目請求を使用するサービス得意先からのサービス見積依頼 (RFQ) を記録すると、システムに通知が登録されて、必要な作業が記録および分類されます。任意の活動を使用すると、担当のサービスが得意先に再度電話をかけて、見積を作成するために必要な情報を入力するように依頼することができます。

見積は、サービスプロバイダが提供するサービスポートフォリオに関連して登録されます。サービスポートフォリオは一連のサービス製品で表現されます。見積対象のサービスについて得意先に提示される価格は、時間と品目にもとづきます。交渉プロセスにより、最終価格が変更されます。得意先の承認を得るために、最終的な見積通知が得意先に送付されます。

見積が拒否されると、販売伝票に拒否理由が設定されて取消処理が実行され、プロセスが終了します。得意先が見積を受け入れると、受注が登録され、それにより、サービス指図が自動登録されます。サービス指図には、見積を行ったサービスに関連するリソース、時間、および品目が記載されます。

受注に対する請求は、サービスの実施中に 1 回以上行われます。請求金額は時間と品目にもとづいて算出され、請求方法として実績ベース請求が使用されます。この場合、実際に実施した作業によって実際収益が得られるので、見積とは異なることがあります。

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このシナリオでは、サービス指図 (実際原価) および受注 (実際収益) とは別に、収益性分析への決済が実行されます。CO-PA レポートでサービス収益性の分析が行われます。

この状況は、損益の分析を個別に行う必要がない、小規模のサービスや見積を行ったサービス (一般に、サービスカタログに準拠するもの) の場合を表します。実際原価と実際収益は CO-PA のみで照合され、期間、得意先、販売エリア、サプライヤ原価センタ、提供するサービスまたはサービスタイプなどの特性に従って、一括して分析が行われます。

2.9.9 定期請求を使用するサービス契約

サービスプロバイダは、得意先とサービス契約を締結しています。

このビジネスプロセスは、通知とサービス指図から開始されます。

サービス指図から発生した原価 (費用、予備部品、旅費) はサービス指図に割り当てられた勘定で、契約定期請求によって得意先に請求されます。提供するサービスはサービス単位ごとに受注に示されているので、サービスを別々の単位に分割して請求することができます。

この例では、サービス単位の価格はシステムによって計算されるのではなく、得意先との交渉後に、サービスプロバイダによって受注でマニュアル更新されます。

必要に応じて、予備部品の注文と購入が行われます。

2.9.10 固定価格請求によるサービス

得意先からのサービス見積依頼を記録すると、システムに通知が登録されて、必要な作業が記録および分類されます。

見積は、サービスプロバイダが提供するサービスポートフォリオに関連して登録されます。サービスポートフォリオは一連のサービス製品で表現されます。得意先に提示する価格では、見積対象のサービスの固定価格が考慮されます。交渉プロセスにより、最終価格が変更されます。得意先の承認を得るために、最終的な見積通知が得意先に送付されます。

得意先が見積を受け入れると、受注が登録され、それによりサービス指図が自動的に登録されます。サービス指図には、見積を行ったサービスに関連するリソース、時間、および品目が記載されます。

受注に対する請求は、有効な見積で受け入れられている合計金額にもとづいて、サービスの最終実施時に 1 回行われます。

このシナリオでは、サービス指図 (実際原価) および受注 (実際収益) とは別に、収益性分析への決済が実行されます。CO-PA レポートでサービス収益性の分析が行われます。

この状況は、損益の分析を個別に行う必要がない、小規模のサービスや見積を行ったサービス (一般に、サービスカタログに準拠するもの) の場合を表します。実際原価と実際収益は CO-PA のみで照合され、期間、得意先、販売エリア、サプライヤ原価センタ、提供するサービスまたはサービスタイプなどの特性に従って、一括して分析が行われます。

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2.9.11 プロジェクトの期末処理このシナリオにはプロジェクトの決算処理が記述されており、必要な活動の準備と実行に役立ちます。

2.9.12 仕入先直送品目の調達サービスプロバイダは、サードパーティからのサービスを必要としています。

このビジネスプロセスは購買発注から開始されます。購買発注は、購買依頼を参照して登録することも、購買依頼を参照せずに登録することもできます。

納入とともに入庫が記録されます。購買発注を参照して請求書が登録されます。

2.9.13 サービスの外部調達サービスプロバイダは、サードパーティからのサービスを必要としています。

このビジネスプロセスは購買発注から開始されます。購買発注は、購買依頼を参照して登録することも、購買依頼を参照せずに登録することもできます。

実施されたサービスを確認するために、サービス入力が記録されます。購買発注を参照して請求書が登録されます。

2.9.14 HCM/タイムレコーディングタイムシート (CATS) は、特定の割当に関して従業員の作業時間を記録するためのツールです。作業時間は、受注、内部指図、サービス指図、またはプロジェクトに記録することができます。従業員経費管理に切り替えて、旅費の払戻および転記を行うこともできます。

2.9.15 計画サービスの販売

得意先とサービスプロバイダとの間で長期契約が締結されています。サービスプロバイダは、頻繁にサービスを実行します。一般に、このような契約はサービスプロバイダと得意先との間のサービスレベル契約です。

このビジネスプロセスは、サービスプロバイダによる頻繁なサービス、または永続的なサービスを要求する得意先によって開始されます。そこで、保全計画の登録とサービス指図の自動生成が順に行われ、必要な品目部品が注文されます。

サービス指図から発生した原価 (費用、予備部品、旅費) はサービス指図に入力され、対応する作業と費用に従って、実績ベースで得意先に請求されます。

2.9.16 拠点修理このシナリオには、プラントでサービス活動を実施する場合に、得意先による問題の初回レポートから得意先への請求までの、サービスケースの処理が記述されています。

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このビジネスプロセスは、得意先がノート PC に関する問題を報告することから開始されます。サービス業者がシステムにサービス通知を登録します。サービス通知番号は、後続の修理プロセスで返品権限 (RMA) 番号として使用されます。サービス業者、サービス通知に関して保証チェックを実行してからサービス契約を登録します。サービスセンタは、得意先に対してノート PC をセントラルサービスセンタに送付するように伝えます。出荷伝票にはサービス通知番号 (RMA) を指定する必要があります。指定しない場合、ノート PC はサービスセンタで拒否されます。必要な予備部品が在庫にない場合は発注する必要があります。サービス通知から修理指図が登録され、これによって修理プロセス全体の制御と決済が可能になります。修理指図では、登録された返品明細によって、損傷したノート PC が自動的に割り当てられます。サービス指図が明細提案によって自動生成され、修理の実行が可能になります。修理が実施されると、サービス指図に対する (時間費用と予備部品の) 原価が確定されます。修理済のノート PC が得意先に納入され、最終修理ステータスを照会できます。サービスセンタが請求依頼を登録します。請求依頼は、独立した伝票としてではなく、修理指図の追加明細として表示されます (オンサイトサービスプロセスの請求依頼とは異なります)。その後、修理指図に対する請求が行われます。サービス指図で発生した原価と収益は、修理指図において評価され、定期的に決済されます。

2.10 マスタデータ生成の説明とレポート

2.10.1 マスタデータ生成の説明SAP Best Practices Baseline Package には、マスタデータの登録方法に関するさまざまな説明が記述されています。

これらの説明は以下のとおりです。

勘定および勘定グループの登録

資産の登録 セグメントおよび利益センタの更新

機能エリアの更新 原価センタおよび原価センタグループの登録

原価センタ階層の更新

原価要素および原価要素グループの登録

原価コレクタの登録

配賦周期の更新 個別品目の標準原価の登録

活動タイプ/グループの登録

内部指図の登録 仕入先評価の更新 仕入先マスタの登録

購買情報の登録 供給元一覧の登録

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購買契約の登録 得意先マスタの登録

販売価格条件の登録

能力の更新 作業区の登録 作業区階層の更新 プロセス産業のリソースの登録

製品グループの登録

原材料 (ROH) の登録 半製品 (HALB) 品目の登録 商品 (HAWA) 品目の登録 最終製品 (FERT) 品目の登録 (選定不可)

最終製品 (FERT) 品目の登録 (選定可能)

選定可能品目バリアントの登録

設計変更番号の登録

製造バージョンの登録

品目プラント拡張の更新

品目保管場所拡張の更新

シリアル/設備番号の登録

品目販売組織拡張の更新

部品表/配合表の新規登録

部品表/配合表の更新 - 選定可能品目リンク

作業手順の登録 参照作業セットの登録

作業手順による品目日程計画の更新

マスタレシピの登録

上位品目作業手順への品目バリアント作業手順の添付

選定プロファイルの登録

バリアント分類の登録

BOM 対象依存のロード

標準 WBS の登録 標準ネットワークの登録

受注のネットワークパラメータの更新

出力条件の登録 (SD)

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税条件の登録 (SD)

品目変換情報レコードの登録

無償品決定情報レコードの登録

カタログの更新 - コードグループおよびコードの登録

カタログの更新 - 選択セットおよび選択セットコードの登録

マスタ品質検査特性の登録

品目規格の更新 ロット分類の登録 品目マスタ拡張の更新

従業員の登録 営業員の登録 タスクリストの登録

サービスマスタの登録

サービス製品の登録

保証の登録 サービス (DIEN) 品目の登録

2.10.2 SAP ERP レポート SAP ERP では、さまざまなレポートを使用して社内のプロセスを監視および管理することができます。SAP Best Practices では特に以下のレポートを取り上げます。

総勘定元帳

繰返伝票 G/L 勘定報告書 財務諸表 財務諸表: 実績/実績比較

要約伝票仕訳帳 明細仕訳帳 繰返伝票 EC 売上一覧 消費税レポート 勘定コード表

固定資産

原価センタ別固定資産レポート

資産クラス別固定資産レポート

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資産残高 資産取引 資産取得 資産除却

原価要素会計 管理会計伝票: 実際原価

内部指図: マスタデータレポート

原価センタ会計 原価センタ: 実績/計画/差異

範囲: 原価センタ

範囲: 原価要素 原価センタ: 計画概要

範囲: 実績/予算/未確定債務

原価センタ: 活動価格

内部指図 指図: 実績明細 指図: 未確定債務明細

一覧: 指図 指図: 実績/計画差異 指図: 計画概要 一覧: 予算/実績/未確定債務

原価積上 多段階 BOM: 評価/金額/ステータス

原価構成 明細化 原価要素 品目原価見積の分析/比較

製品原価コレクタ分析

製造指図分析収益性分析

レポートの実行情報システム

原価/収益/支出/収入

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実際原価/収益ロジスティクス一般

MRP 一覧 購買依頼一覧照会 在庫状況照会 出荷伝票モニタ

販売管理 受注一覧 受注選択 受注分析 販売伝票の実際原価明細

請求伝票一覧 会計管理向け請求伝票のリリース

不完全 SD 伝票 出荷ブロック中販売管理伝票

SD 不完全伝票 勘定設定別購買依頼 勘定設定別購買発注 見積一覧 期限終了見積伝票 見積期限満了 完了済見積伝票 与信概要 与信データのない得意先

クレジットメモ ライセンス: 割当済文書

法令管理に関する得意先マスタのチェック

バックオーダー 販売サポートモニタ 返品

在庫/購買管理および調達

一般分析: 購買発注、基本契約、分納契約、見積

通知一覧

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購買金額分析 品目別購買発注 仕入先別購買発注 伝票番号別購買発注 購買グループ分析 購買伝票のリリース

購買依頼の割当と処理

在庫/所要量一覧 仕入先の支給在庫のモニタ

仕入先分析 仕入先変更予定の一括有効化

入出庫伝票一覧 品目別倉庫在庫照会 品目の会計伝票 移動理由のある入出庫伝票

ロット分析 利用可能在庫概要 プラント分析 品目分析 受託品/預託品およびパイプライン決済

一括変換サービス

サービス通知 サービス指図/保全指図

設備一覧 原価分析 日程計画概要

生産

製造指図情報システム 不足部品情報システム 能力計画 長期能力計画 長期計画: MRP 一覧

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計画変更 製品グループ計画の評価

選択: 計画/実績/差異

原価/収益/支出/収入 実績/計画/差異絶対値/差異 %

指図進捗レポート 製造指図確認照会

3 機能範囲 - 機能SAP Best Practices を使用すれば、無限のスケーラビリティ、最適な組合せの機能、完全な統合、および容易なコラボレーションを実現するビジネスソリューションを、どの企業でも簡単に設定することができます。SAP Best Practices を使用することで、業務上の利益を迅速に得られるとともに、リスクを最小限に抑えることができます。SAP Best Practices には、SAP と SAP パートナの共同作業によって実現した強力なソリューションと実績ある業務知識の両方の利点が備わっています。

SAP Best Practices Baseline Package (Japan) を使用すると、ご使用の SAP ソフトウェアを、お客様固有の業務要件すべてに対応する本稼動システムへとすばやく変えることができます。あらかじめ設定されているビジネスシナリオを使用することで、拡張設定を行わなくても、業務上の利益をすぐに実現することができます。SAP Best Practices を使用して、お客様固有のビジネスソリューションを評価することができます。さらに、SAP Best Practices を使用してそのソリューションを導入することで、これまでより少ない労力と費用でそのソリューションのあらゆる利点を迅速に実現することができます。

SAP Best Practices は、迅速な導入を必要とする中規模企業や、子会社で使用する企業テンプレートを作成する必要がある大企業で使用することができます。また、お客様の既存のソリューションに容易に適用することができます。

SAP Best Practices は、お客様が簡単に使用できるように作成されており、次の 3 つの要素で構成されています。

o 自動化されたアクティビティを含む、順を追った詳細な導入手順。

o 自習や評価のほか、プロジェクトチームやエンドユーザのトレーニングにも使用できる、包括的で再利用可能な文書。

o インストール作業を軽減し、統合された主要プロセスをすぐに実行するために必要なすべての設定が備わった完全な事前設定。あらかじめ設定されているビジネスプロセス、トレーニングマテリアル、ユーザロールなどの設定が完全に文書化されています。設定は最新のテクノロジーを使用して構築されているので、状況に応じて迅速かつ容易に調整することができます。

3.1 財務会計

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3.1.1 財務会計財務会計コンポーネントは、さまざまな規制に応じた棚卸資産の評価とレポートをサポートします。

品目元帳コンポーネントでは、2 つの追加通貨/評価による棚卸評価額を保持することができます。そのため、品目元帳内の在庫移動はすべて、最大 3 つの通貨または評価で実行されます。通貨の金額は、転記時に取得時レートで外貨に換算されます。

実際原価計算では、外部調達品目および内製品目の実際原価を (標準原価と比較して) 算出することができます。さらに、算出された実際原価に従って、原材料、半製品、最終製品などの品目在庫を評価することができます。

これらのプロセスを導入することによって、次のような業務上の目標や目的を達成することができます。

営業費用の削減と効率の向上

管理作業の軽減とビジネスプロセスの向上

3.1.1.1 総勘定元帳 この機能を使用すると、外部会計および勘定の状況を包括的に把握することができます。あらゆる取引 (一次転記および内部会計からの決済) が、会社の他の業務領域すべてと完全に統合されたソフトウェアシステムに記録されます。これにより、会計データの完全性と正確性を常に確保することができます。

3.1.1.2 債権管理 債権管理 (AR) コンポーネントでは、得意先の会計データを記録および管理します。この機能によって、特殊な統制勘定を使用して、AR が G/L に直接接続されます。

3.1.1.3 債務管理 債務管理 (AP) コンポーネントでは、仕入先の会計データを記録および管理します。この機能によって、特殊な統制勘定を使用して、AP が G/L に直接接続されます。

3.1.1.4 固定資産管理 会社の所在国で一般に認められている規則に従って、固定資産を管理および分析します。国別テンプレートがシステムに同梱されています。

3.1.1.5 棚卸資産会計 さまざまな規制に応じた棚卸資産の評価とレポートをサポートします。元帳コンポーネントでは、2 つの追加通貨/評価による棚卸評価額を保持することができます。そのため、品目元帳内の在庫移動はすべて、最大 3 つの通貨または評価で実行されます。通貨の金額は、転記時に取得時レートで外貨に換算されます。実際原価計算では、外部調達品目および内製品目の実際原

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価を (標準原価と比較して) 算出することができます。さらに、算出された実際原価に従って、原材料、半製品、最終製品などの品目在庫を評価することができます。

3.1.1.6 税会計 消費税および源泉徴収税の計算とレポートをサポートします。

3.1.1.7 財務諸表期末処理または年次処理の一環として、各企業は国固有の規制に従って財務諸表を作成します。

3.1.2 管理会計管理会計コンポーネントを使用すると、原価および収益関連のレポートの基になる財務データの評価と記録を行うことができます。

これらのプロセスを導入することによって、次のような業務上の目標や目的を達成することができます。

収益の増加

o 得意先の収益性の最大化

営業費用の削減と効率の向上

o 売上原価 (COGS) の削減

o 在庫の可視性の向上

3.1.2.1 原価センタおよび内部指図会計会社の業務で発生した原価を、(責任者または組織ユニットに割り当てられた) 原価センタに割り当てることによって記録します。原価の計画と記録を行い、計画と照合して分析します。内部指図を使用して、内部ジョブおよびタスクの原価の計画、収集、および決済を行います。SAP システムでは、最初の登録から、すべての実際原価の計画と転記、最終決済とアーカイブまで、ライフサイクル全体を通して内部指図を監視することができます。

3.1.2.2 プロジェクト会計工場の建築などの大規模なプロジェクトと、展示会の開催などの小規模なプロジェクトの両方に関連する詳細な活動の正確な計画を監視します。プロジェクトマネージャは、必要なリソースと資金を必要なときに必要なだけ確保することによって、予算内で、時間どおりに効率的にプロジェクトを実行することができます。

3.1.2.3 製品原価管理 企業は、製品ポートフォリオを適切に管理するために、製品によって発生した原価を把握することができます。製造プロセスのステップごとに細分された製造原価 (COGM) または売上原

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価 (COGS) を計算することができます。他の SAP アプリケーションで製品について自動的に収集された原価情報が使用されます。

3.1.2.4 収益性会計 市場セグメント別に原価と収益を記録して、各市場セグメントの貢献利益を計算します。市場セグメントには、製品および製品グループ、得意先および得意先グループ、受注、これらの組合せ、戦略事業単位 (販売組織や事業領域など) があります。

3.1.2.5 内部振替価格振替価格を管理することによって、さまざまな組織ユニット間で作業を分割する組織をサポートします。そのために、これらのユニット間で取引される商品やサービスを評価します。特に、個別に運営され、相互に多数の商品やサービスを取引するさまざまな部門や会社に分かれている大規模企業を強化します。国際的に事業を行っている企業ユニット間における作業の分割が増加し、付加価値チェーンがより複雑になるとともに、責任の分散化が進んでいるので、振替価格を使用して、個々のユニットを管理します。振替価格を使用して商品やサービスの取引を評価することで、企業部門や利益センタの実績に大きな影響を及ぼします。さまざまな視点にもとづき、さまざまな通貨を使用して業務の成果を表す意思決定支援が今日の会計システムにもたらされます。

3.2 分析SAP™ ERP は、戦略的企業経営、財務分析、オペレーショナル分析、ワークフォース分析など、分析およびビジネスインテリジェンスに対応する完全な統合ソリューションです。SAP ERP を使用することで、企業は事業の収益推進要素を明確に理解し、戦略的計画を確実に業績に結び付けることができます。SAP ERP は、企業に共通の分析プラットフォームをもたらします。

 

主な機能は以下のとおりです。

 

財務分析では、財務目標を定義し、現実的な事業計画を策定して、実施時に原価および収益を監視することができます。

オペレーショナル分析では、詳細な業務レポートを編集し、情報にもとづいた業務上の意思決定を行うことができます。

ワークフォース分析では、ヒューマンキャピタルマネジメントポリシーの策定と意思決定を行うことができます。

3.2.1 業務分析SAP ERP には業務分析機能が備わっており、詳細な業務レポートを簡単に編集し、情報にもとづいた業務上の意思決定を行うことができます。ビジネスプロセスを明確に把握するために必要な情報が管理部門および従業員に提供されます。さらに、販売計画を使用すると、組織は、業務に対する売上の影響など、サプライチェーンの全体像を生成することができます。

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3.2.1.1 販売計画 販売計画は、企業の目標を、マーケティング、販売、およびサービスに関する具体的な共同戦略に変換するための計画アプリケーションです。このアプリケーションは、トップダウンおよびボトムアップによる調整された販売計画プロセスにもとづいており、可視性が高まることによって、意思決定および収益性が向上します。

3.2.1.2 調達分析 この機能を使用すると、以下を行うことができます。

さまざまな標準分析およびレポートを使用して、購買業務 (先月、購買発注に対して受領した商品の数など) を監視する。

企業内で実行された購買活動や調達プロセスの詳細な分析 (購買金額に応じた仕入先のランキングなど) を行う。

3.2.1.3 在庫および倉庫管理分析 在庫分析では、さまざまな標準分析およびレポートを使用して、数量基準および金額基準で実際の在庫状況を照会することができます。その他のレポートを使用して、定期的に特性を監視することができます。

3.2.1.4 製造分析 さまざまな標準分析およびレポートを使用して、生産関連の情報を照会することができます。

3.2.1.5 販売分析 営業員は、販売組織の実績ステータスや全体的な効果を迅速かつ容易に理解することができます。傾向に事前に対応し、成果や収益の不足を測定するために必要なデータを取得することができます。

3.2.1.6 得意先サービス分析 組織は、サービス関連のあらゆるシナリオのキー数値を包括的に把握することができます。

3.2.2 End-User Service Delivery: SAP ロールSAP ERP End-User Service Delivery を使用すると、ERP サービスおよびビジネスコンテンツを低価格で組織全体および組織外に配布することができます。エンドユーザは、個々の状況、優先事項、およびビジネスコンテキストに応じて、さまざまな方法で ERP サービスにアクセスできます。ビジネスプロセスの標準化および自動化によって、企業は効率的な共有サービス戦略を導入して、卓越したサービスを確立し、改革と成長を促進することができます。

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SAP Best Practices には、エンドユーザの効率的なシステムアクセスを確保するために SAP NetWeaver Business Client (NMBC) で使用される、あらかじめ定義されたロールがいくつか用意されています。これらのロールはそのまま使用できますが、企業固有の要件に合わせて簡単に調整することもできます。

3.3 ヒューマンキャピタルマネジメント今日の知識集約型経済の需要に対応するために、企業は従業員の潜在能力と生産性を最大限に活用する必要があります。組織の人材に対する投資を最大化することは、企業の成功にとって非常に重要です。SAP Best Practices では、ワークフォースプロセス管理の中で選択される領域として、従業員管理と勤怠および出勤管理が事前に設定されています。

3.3.1 従業員管理 SAP では、更新や従業員ステータスの変更など、従業員管理に関する高度な機能を提供しています。

3.3.2 勤怠および出勤 SAP では、勤怠管理機能を使用して、内部従業員の勤務時間や活動を計画、管理、および評価するプロセスを最適化します。

3.4 調達および物流管理SAP ERP Operations では、ビジネスサイクル全体のエンドツーエンドのロジスティクスを管理することができます。このソリューションを使用すると、品目フローの管理を含め、セルフサービス依頼からフレキシブルな支払処理までのさまざまな活動を行うことができます。

3.4.1 調達 調達 – SAP ERP では、依頼、購買発注管理、請求書照合などの従来のプロセスだけでなく、カタログにもとづいた MRO 品目およびサービスのセルフサービス依頼もサポートされます。カタログ統合は、保守作業およびプロジェクト管理へと拡張されています。

3.4.1.1 依頼 購買依頼は、特定の数量の品目またはサービスを特定の時点で使用できるように調達するための購買部門に対する依頼または指示です。

ショッピングカートのマニュアル登録

従業員が製品やサービスの依頼を各自で登録し、管理することができます。そのため、購買部門でこの管理作業を行わなくて済むほか、調達プロセスの時間が短縮されると同時に、迅速に対応できるようになります。最もよく注文される品目のカタログを提供すると、従業員は組織の規則に従って、各自の購買発注を簡単に管理することができます。

 

従業員は、ショッピングカートを登録した後、すぐに注文することも、保存して後で注文することもできます。ユーザは、購買のステータスをいつでもグラフィックビューでチェックすることができます。

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承認

ショッピングカートが発注のためにリリースされると、承認が必要かどうかがチェックされます。1 人または複数のマネージャがショッピングカートを承認する必要がある場合、たとえば、ショッピングカートが特定の金額を超えると、それぞれの受信ボックスに自動的に送信されます。

3.4.1.2 購買依頼処理 購買部門は購買依頼を処理し、最適化の問題を考慮して、製品の所要量を在庫で充足できるか、外部から調達する必要があるかを判断します。

供給元の割当

購買発注への要求の変換

登録後、調達のためにリリースされた購買要求 (プラント保全から生成された予備部品の要求、計画実行で特定された原材料の要求、従業員によって入力された事務用品の依頼など) は、購買依頼として購買部門に転送されます。これらの購買依頼は購買担当者のワークリストに表示され、購買担当者が購買発注に変換することができます。承認手続を使用して、重要な調達プロセスを管理することができます。

3.4.1.3 購買発注処理 購買発注が登録されると、さまざまなチェックによって、適切な基本契約、割引、価格などが正しく参照されているかどうかが確認されます。購買発注処理では、供給元に対する購買発注の通信も処理します。

購買発注が登録されると、さまざまなチェックによって、適切な基本契約、割引、価格などが正しく参照されているかどうかが確認されます。

3.4.1.4 入庫 入庫では、仕入先による商品の実際の出荷またはサービスの実施、システムへの入庫またはサービス入力の記録、およびこれらに対応する後続活動 (返品処理など) を処理します。

入庫

受領数量の確認が集中的に登録され、計画部門および購買部門への情報フローの基になります。これらの部門は、新しい在庫/所要量状況を検討し、受注履歴で入庫を照会することができます。入庫が倉庫管理に関連する場合、入庫確認は実地入荷処理にリンクされています。入庫確認によって、品目評価と会計伝票の登録が自動的に開始されます。必要に応じて、管理会計伝票も登録されます。

 

返品処理

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納入された商品に欠陥があることや、商品が損傷していることがわかった場合、全部または一部の数量を仕入先に返品することができます。既存の確認では、1 つの明細の一部またはすべての明細を仕入先に返品することができます。

3.4.2 在庫および倉庫管理 在庫管理の領域におけるプロセスでは、数量および金額にもとづいた品目の記録と追跡を処理します。これには、入庫、出庫、棚卸在庫転送、在庫転送などの在庫移動の計画、入力、文書化に加えて、実地棚卸 (棚卸) の実行が含まれます。倉庫管理プロセスでは、倉庫内における品目の移動と保管を処理します。

3.4.2.1 倉庫管理および保管 倉庫内における品目の移動と保管を処理します。

 

在庫管理

数量および金額にもとづいて会社の在庫を管理します。サプライチェーン会計管理と統合されており、以下の処理を行います。

入庫および出庫 さまざまな在庫カテゴリ (利用可能在庫、保留在庫、品質検査中在庫など) の管理

特殊在庫 (預託在庫、プロジェクト在庫など)

サプライチェーンの在庫概要を照会することができます。

 

生産供給

SAP 倉庫管理では、生産部門の棚番の品目供給を処理することができます。作業指図に対するピッキングは高度な方針によってサポートされており、荷役単位管理と連結されています。作業指図ごとに梱包することができます。

保管および在庫管理

シリアル番号 ロット管理: これには、ロットの処理、および出荷ピッキング、生産供給、または内部倉庫プロセスのロット決定が含まれます。

3.4.2.2 実地棚卸組織独自の在庫または倉庫内の特殊在庫の実地棚卸を管理します。  実地棚卸の計画フェーズ 実地棚卸処理では、どの保管場所のどの品目の検数をいつ行う必要があるかを計画することができます。検数、測定、および計量を開始する前に、在庫移動をブロックすることができます。  

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実地棚卸の検数フェーズ 検数結果を入力したら、差異を監視し、必要に応じて再検数を開始することができます。検数を行った場所の数量差異を転記すると、品目評価と財務会計の更新が自動的に開始されます。  実地棚卸活動の監視 実地棚卸の完全性を監視するための詳細な機能、未処理および完了済の実地棚卸活動のステータス、およびそれまでの実地棚卸活動の結果を使用することができます。品目または場所レベルで活動を監視できます。

3.4.3 インバウンドおよびアウトバウンドロジスティクスインバウンド処理には、商品の受領時に発生する外部調達プロセスのすべてのステップが含まれます。アウトバウンド処理には、商品の準備と仕向地への出荷に必要な活動が含まれます。

3.4.3.1 インバウンド処理 入庫

購買発注の後続活動です。入庫は、財務会計レコードおよび棚卸レコードを更新するための基になり、これによって、倉庫管理プロセスおよび品質管理プロセスが開始されます。

 

倉庫管理システムでは、入出庫プロセスを棚卸レベルで管理することができます。入庫は、購買発注、入荷伝票 (事前出荷通知)、在庫転送オーダー、または製造指図から行うことができます。入庫は在庫受入プロセスによって開始されます。在庫受入プロセスは、さまざまな高度な方針によってサポートされています。

 

外部需要の決定

外部調達品目の需要を表すデータを決定します。このデータは、必要な数量、需要の仕入先へのリリース日付、入荷伝票の入庫日付、および品目の出荷先ロケーションなどです。

 

出荷通知

仕入先から送付され、購買発注を参照して正確な品目、数量、および納入日付が記載されます。この伝票は、入庫プロセスの入荷伝票になります。

 

3.4.3.2 アウトバウンド処理 出庫 出荷伝票が出庫転記の基になります。出庫転記に必要なデータは、出荷伝票から出庫伝票にコピーされます。出荷伝票に対する出庫を転記すると、出庫伝票にもとづいて以下の機能が実行されます。

倉庫在庫から出荷数量が差し引かれます。

金額変更が棚卸資産会計の貸借対照表勘定に転記されます。

所要量から出荷数量が差し引かれます。

シリアル番号ステータスが更新されます。

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出庫転記が伝票フローに自動的に記録されます。

仕入先の預託在庫に対して在庫決定が実行されます。

出荷証明のワークリストが生成されます。

出荷伝票に対する出庫が転記されると、出荷伝票の変更範囲が非常に限定されます。これによって、出庫伝票と出荷伝票の不一致を避けることができます。  出荷処理と配送 受注、購買発注、および在庫転送オーダーの実際の履行を管理します。ここでは、ロジスティクスタスクの実行を処理します。出荷処理によって、商品が出荷され、関連する伝票が印刷されます。受注所要量を別のロケーションに配送することができます。出荷伝票に対する出荷を、それぞれの履行ロケーションから得意先に直接出荷することも (複数の出荷伝票)、1 つの出荷全体を 1 つのロケーションにまとめてから、最終得意先に輸送することもできます。   

3.5 製品生産SAP ERP Operations では、設計およびデザインの管理、関連する製品データの登録、および製造作業の計画と実行を行うことができます。このソリューションを使用すると、製造現場システムへの接続、品質要件への準拠、および関連する規制や基準の遵守が実現します。

3.5.1 生産計画 SAP ERP では、MRP テクニックを使用して、制約のない生産計画を製造指図または計画手配として登録します。

3.5.2 製造実行 製造現場から実際の生産情報を取得するプロセスをサポートして、製造管理および原価計算プロセスをサポートします。

 

受注生産

受注固有の計画および生産をサポートします。受注生産は業種固有です。繰返生産環境における (非) 選定可能製品の組立プロセスおよび製造指図による (非) 選定製品の生産をサポートします。どちらのプロセスについても、受注の可視性が重要です。そのために、計画および実行時に動的アラートと指図紐付構造が使用されます。

 

繰返生産

レート基準の簡易生産管理システムです。生産および組立ラインにもとづいて、タクトタイムが日程計画に使用されます。モデルミックス計画およびライン平準化には、オプティマイザとヒューリスティックを使用することができます。日程計画では、継続的な投入と生成が考慮されます。実行計画数量および製造バージョンに対して指図なしで生産が実行されます。レポートポイントにおける作業および品目のバックフラッシュによって、簡易実行プロセスがサポートされます。

 

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プロセス生産

マルチプロセス施設としてのプラントをサポートします。リソースおよびレシピ管理が、ロットまたは見込製番の計画および順序計画の基になります。ソルバによってプロセス指図順序が計画され、洗浄や変更などのコストが回避されます。これは、キャンペーン生産、ブロック計画、または重要なリソースに焦点を置いた詳細日程計画によって実現することができます。プロセス指図を使用して、日程計画、実行、および原価計算が行われます。プロセス管理によって、SAP 実行システムとそれに接続されているプロセス制御システム間のデータ交換が調整されます。これらのプロセスを文書化し、評価することができます。品質管理とのシームレスな統合によって、プロセス制御および安定性が実現します。

 

ロット管理

ロット管理は、製造プロセス全体におけるロットまたは見込製番の管理と追跡に関する要件に対応します。さまざまな業種、特にプロセス産業では、数量およびバリューチェーン全体を通して品目または製品の均一な分割数量を使用する必要があります。SAP システムでは、ロットとは、同じレシピに従って製造される特定の品目または製品の数量または分割数量です。これには、次のようなさまざまな理由があります。

GMP ガイドライン、危険物に関する規制などの法的要件

不良追跡、リコール活動、およびリソース要件

生産における不均一な歩留/結果数量や一様でない成分などによる、さまざまな数量基準および金額基準在庫管理に関する要件

利用可能差異と、品目計画、販売管理、および生産におけるその監視

さまざまなロット規格にもとづいた品目数量計算など、生産または技術に関する要件

3.5.2.1 文書管理  

SAP Easy Document Management

Microsoft® Explorer の仮想ドライブとして文書管理を使用することができます (たとえば、ドラッグ & ドロップを使用して、文書のチェックイン/チェックアウトを行うことができます)。すべてのオフィスアプリケーションからの文書の直接チェックイン/チェックアウト、文書の検索、ワークリストへの文書の追加、分類データの更新、およびオブジェクトリンクの登録を行うこともできます。

3.6 販売およびサービス販売およびサービス領域は、製品とサービスの販売やアフターマーケットサービスの提供など、得意先に焦点を置いたプロセスに対応します。販売組織は、販売サイクル、受注とサービスオーダ、および後続活動を管理することができます。

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3.6.1 受注管理受注管理に備わっている機能を使用することで、企業は、引合および見積の登録、受注の獲得と入力、製品の選定、価格設定、製品利用可能在庫確認、受注の追跡/管理/請求を行うことができます。

3.6.1.1 顧客処理 企業は、顧客および見込顧客を詳細に把握することができます。マスタデータなどの情報や重要な関係の概要を取得、監視、および追跡します。

3.6.1.2 見積処理受注を登録し、調達に関する受注の価格設定や日程計画などの処理を行うことができます。SAP ERP では、次のようなさまざまなプロセスバリアントがサポートされます。

受注出荷

受注生産

要返却梱包材 (パレット)

ロット処理

シリアル番号処理

仕入先直送処理

クレーム処理

返品

3.6.1.3 受注処理 受注管理機能を使用すると、営業員は、得意先の受注の選定、価格設定、および登録を簡単に行うことができます。さらに、受注管理では、製品決定および製品代替を実行したり、取引に含まれる構造化製品を展開して、価格設定、利用可能在庫確認、生産部門への所要量の転送、ヘッダ製品または製品の構成品目の購入を行ったりすることができます。また、不完全チェックを実行することもできます。

3.6.1.4 契約処理

数量契約

指定した期間に得意先が特定の数量のリリース可能製品を注文する契約を監視します。以下の機能があります。

基本契約 (数量契約) の登録

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購買依頼の登録 依頼の割当と購買発注の登録

購買発注の承認 基本契約の監視 入庫 明細別請求書受領 支払

3.6.1.5 請求 販売管理における取引の最終処理段階です。受注処理および出荷処理の各段階で請求に関する情報を使用することができます。

請求書、クレジットメモ、デビットメモなどの請求伝票は、受注情報のみにもとづいて登録することも、受注情報と出荷情報にもとづいて登録することもできます。後者の場合は、納品書から請求数量を取得します。

請求処理時には、請求書、クレジットメモ、デビットメモなどの請求伝票の登録、変更、および削除を行います。フレキシブルなリベート計算が統合されています。  財務会計との統合によって、請求書、クレジットメモ、およびデビットメモ内の請求データが財務会計に転送されます。勘定設定を使用して該当する勘定への相手勘定転記が行われ、1 つの取引に属するすべての請求伝票 (請求書に対するクレジットメモなど) が FI で認識されます。管理会計との統合によって、原価および収益が該当する補助元帳に割り当てられます。

3.6.1.6 要返却梱包材管理 要返却梱包材は、得意先のロケーションに保管されているものの、引き続き販売者の所有物である品目で構成されます。得意先は、指定された時刻までに要返却梱包材を返却しなかった場合にのみ、梱包材の料金を支払わなければなりません。

3.6.1.7 預託預託品は、得意先のロケーションに保管されているものの、自社が所有する商品です。得意先は預託品を得意先自体の倉庫に保管します。これらの商品については、預託在庫から移動されるまで、得意先に支払義務は生じません。その他の場合においては、得意先は通常、不必要な預託品を返品することができます。

3.6.1.8 サービス契約管理 サービス契約を登録し、関連する請求計画、価格契約、および条件とともに管理します。サービス契約は、後続のサービスプロセスで参照することができます。サービス計画によって、時間やパフォーマンスにもとづいた契約の定期保全方針を確立することができます。

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3.6.1.9 顧客サービス/サポート 顧客からのサービスおよびサポート依頼を管理し、顧客とその設置ベースを特定します。この情報にもとづいて、関連する保証およびサービス契約が特定されます。サービスの問題を解決するタスクは、必要な作業およびサービスパーツリソースで計画することができます。

返却処理では、機能の保証確認、返却理由の認識、数量確認など、サービスに含まれる製品の返却の決定、追跡、および評価を行います。

請求書、クレジットメモ、デビットメモなどの請求伝票は、提供したサービスや消費したリソースにもとづいて登録することができます。

3.6.1.10 保証請求管理 保証請求処理は、複雑な製品の製造業者、輸入業者、または仕入先とその供給元両方の要件に対応します。保証請求処理によって、多数の保証請求をできるだけ自動的に処理できるソリューションが実現します。自動チェックで否定的な結果を生成した請求のみが、マニュアル処理の対象となります。

製品および保証登録: 保証を登録し、技術対象を保証に割り当てることができます。

3.6.2 プロフェッショナルサービスデリバリプロジェクトベースのサービスの販売、計画、提供、および請求に対応するように設計された包括的な機能が用意されています。プロジェクトの登録と構築を行い、適切なリソースを配置する必要があります。複雑なサービスを提供するので、特定の期間内に十分な品質を確保しながら、契約に従って、関連するプロジェクトを実行しなければなりません。プロジェクトのスケジュール、範囲、および要員配置の変更を処理する必要があります。統合されたプロジェクト管理に、他のさまざまなシナリオが含まれます。エンゲージメント管理では、関連するサービスデリバリを処理します。得意先の合意に従って、契約を設定する必要があります。時間と費用を記録し、さまざまな方法で価格計算と得意先に対する請求を行います。

3.6.2.1 見積処理 このビジネスプロセスによって、特定の製品選定と数量の製品を特定の時間に特定の価格で納入することを、ビジネスパートナに保証することができます。受注処理時には、営業員はさまざまな販売機能や特殊な見積機能を使用することができます。

3.6.2.2 受注処理 このビジネスプロセスを使用すると、特定の製品選定および数量を納入したり、特定の時間にサービスを提供したりすることができます。受注処理時には、販売組織が受注を受諾し、受注の履行を担当します。

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3.6.2.3 プロジェクト実行 伝票の登録、代替プロジェクト構造のシミュレーション、分析など、プロジェクト計画にもとづいてプロジェクトを実行します。

3.6.2.4 勤怠および出勤 SAP ERP HCM の勤怠管理機能を使用して、内部および外部従業員の勤務時間や活動を計画、管理、評価するプロセスを最適化します。勤怠管理の一元化または分散化をサポートする、ユーザ指向のわかりやすいインタフェースが用意されています。

3.6.2.5 従業員の勤怠/出勤管理 SAP ERP の勤怠管理を使用して、内部および外部従業員の勤務時間や活動を計画、管理、評価するプロセスを最適化します。

3.6.2.6 プロジェクト会計 工場の建築などの大規模なプロジェクトと、展示会の開催などの小規模なプロジェクトの両方に関連する詳細な活動の正確な計画を監視します。プロジェクトマネージャは、必要なリソースと資金を必要なときに必要なだけ確保することによって、予算内で、時間どおりに効率的にプロジェクトを実行することができます。

3.6.2.7 実績ベース請求 さまざまな規則を使用して、時間およびあらゆる種類の費用 (旅費、仕入先直送費用など) を得意先に請求することができます。時間と費用をフィルタリングしたり、請求明細の拒否や延期を行ったりすることができます。

3.6.2.8 請求販売管理における取引の最終処理段階です。受注処理および出荷処理の各段階で請求に関する情報を使用することができます。

請求書、クレジットメモ、デビットメモなどの請求伝票は、受注情報のみにもとづいて登録することも、受注情報と出荷情報にもとづいて登録することもできます。後者の場合は、納品書から請求数量を取得します。

請求処理時には、請求書、クレジットメモ、デビットメモなどの請求伝票の登録、変更、および削除を行います。

財務会計との統合によって、請求書、クレジットメモ、およびデビットメモ内の請求データが財務会計に転送されます。勘定設定を使用して該当する勘定への相手勘定入力の転記が行われ、1 つの取引に属するすべての請求伝票 (請求書に対するクレジットメモなど) が FI で認識されます。管理会計との統合によって、原価および収益が該当する補助元帳に割り当てられます。

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3.7 コーポレートサービスSAP ERP Corporate Services では、ほとんどの企業にとって標準的な管理プロセスがサポートおよび合理化されます。ビジネスに不可欠なこれらのサポートプロセスを、最大限の効率と管理を維持しながら実行する必要があります。

透明性と管理、および財務上のリスクと環境上のリスクの軽減に関する要件に合わせて、以下の領域で SAP ERP Corporate Services を調整することができます。

 

従業員経費管理 -- SAP ERP Corporate Services を使用すると、コストの削減、経費管理プロセスの合理化、旅費規程の遵守の監視、報酬やサプライヤ、グローバル流通チャネル、旅行代理店のプライシングモデルの変更の管理を行うことができます。

品質管理 -- SAP ERP Corporate Services を使用すると、総合品質管理への一元化されたアプローチ、および製品返品の減少と資産活用の改善による効率化が実現します。

3.7.1 プロジェクト会計 プロジェクトに関連する詳細な活動の正確な計画を監視します。プロジェクトマネージャは、予算内で、時間どおりに効率的にプロジェクトを実行することができます。

計画と追跡の統合

詳細な統合によって、予算作成、原価計画と実際原価の確認、さまざまなソースによる執行など、SAP ERP Financials の機能がプロジェクト領域に提供されます。

財務データの決済

ERP の財務会計 (FI)、固定資産管理 (AA)、収益性分析 (CO-PA)、管理会計 (CO) に原価および収益を転送します。

3.7.2 従業員経費管理 従業員経費管理によって、計画/承認ステージから経費が財務会計に転記され、管理会計で発生源にもとづいて配分される時点まで、発生したあらゆる経費の完全に統合された管理が実現します。

3.7.3 品質管理 品質管理は、製品のライフサイクルおよびサプライチェーン全体にわたって企業をサポートする包括的なソリューションです。品質管理には、製品の品質の保証および管理を目的として、SAP ERP に完全に統合された幅広い機能とコラボレーションサービスが用意されています。また、コラボレーションと持続的な品質管理を通じた予防と継続的なプロセスの改善に焦点が置かれています。

3.7.3.1 品質設計

品質検査計画

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品質検査特性 (テスト) と品質検査方法 (手順) を特定し、品質検査計画または品目規格のさまざまな品質検査作業に割り当てます。SAP ERP には、品質検査計画および標準作業手順の管理を目的とした高度なツールが用意されています。これには、定義された基準 (国、得意先、法律上の許容範囲など) に応じた、1 つの品質検査特性に対する複群規格の計画などがあります。

 

サプライヤ管理

最小限の修正アクションと品質検査で使用に適した製品をサプライヤから受け取ることができます。SAP ERP では、以下の機能がサポートされます。

製品およびプログラム品質要件の定義

サプライヤの評価、選択、認定、評点付け

共同品質計画

契約実行時におけるサプライヤとのコミュニケーション

要件への準拠についての証明

品質改善プログラム

3.7.3.2 品質保証/管理

品質検査製品またはサービスの 1 つ以上の特性を測定、検査、テスト、および評価し、指定した要件と結果を比較して、各特性が要件に準拠しているかどうかを判断します。さまざまな発生源の品質検査ロットが対象となります。結果記録と不良記録が提供されます (どちらも Web 対応です)。使用決定、および品質検査中在庫からのリリースも行います。フォローアップ活動には、ロット分類や品質評点などがあります。

ロット管理とトレーサビリティ

製品の品質が変化する可能性がある場合や、別々の生産実行によって製品が生産される場合に必要となります。SAP ERP では、品目のさまざまなロットの特定、分類、および在庫管理を行うことができます。原材料のロットがどの最終製品に使用されたか、または原材料のどのロットが最終製品に使用されたかを把握するために、ボトムアップ分析とトップダウン分析が用意されています。また、個々の明細のライフサイクルを把握しなければならないこともあります。この場合は、シリアル番号を使用して追跡することができます。さらに、製造指図記録およびイメージストア (電子バッチ製造記録) にプロセスデータを保存することができます。

 

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