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vol.037 Bee Style: MAY 2012:Bee Technologies セミナー情報 リチウムイオン電池のアプリケーション トランジスタ技術 2012年5月号 IGBTのデバイスモデリング コラム:ハーベストIC DCモータのシミュレーション Hブリッジ回路 新製品:シンプルモデル 鉛蓄電池のスパイスモデル 道具箱 デジタル回路学習キット 株式会社ビー・テクノロジー

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vol.037

Bee Style:MAY 2012:Bee Technologies

セミナー情報 リチウムイオン電池のアプリケーション

トランジスタ技術2012年5月号 IGBTのデバイスモデリング

コラム:ハーベストIC DCモータのシミュレーション Hブリッジ回路

新製品:シンプルモデル鉛蓄電池のスパイスモデル

道具箱デジタル回路学習キット

株式会社ビー・テクノロジー

スパイスモデルの整備のお手伝いをしております。是非、お問い合わせ下さい。回路解析のプロセスの90%がスパイスモデルの整備と言われています。お客様に重要なシミュレーション解析にお時間を充てれるよう、スパイスモデルの整備(材料表ベースで必要なスパイスモデル及びデバイスモデリング、スパイスモデルの解析精度の調査)はお任せ下さい。

Page 2

2. リチウムイオン電池モデル及びバッテリーチャージャーを使用したシミュレーション事例

3. 収束エラーの回避方法

LTspice IVはリニアテクノロジー社のホームページよりダウンロードいただくことができます。ダウンロード先はこちらです。 http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/  セミナーのお申し込み先は次のURLからお願い致します。 https://reg26.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=obl-laoio-94ec7486c8b-22de5e83f382c6b5d110a

[追記説明] LTspiceは非常に優れたSPICEシミュレータであり、無償のシミュレータと言う事もあり、世界中で活用されています。LTspiceの最大の活用の利点は、リニア・テクノロジー製品のSPICEモデル及びアプリケーション回路のサンプル回路がテンプレートとして、提供されており、実務的です。ビー・テクノロジーでは、さらに、実務であったら便利なLTspice用のSPICEモデルをご提供し、さらに、快適に活用できる環境をご提供しています。また、ディスクリート部品については、デバイスモデリングサービスを通じて、ご提供を行い、さらにコストダウンを推進すべく、スパイス・パークでもご提供しております。[お問い合わせ先]株式会社ビー・テクノロジー電話番号: 03-5401-3851 メールアドレス:[email protected]

セミナー情報2012年5月25日開催

東京都:新宿 LTspice事例セミナー

東京エレクトロンデバイス株式会社主催にて、下記のセミナーを2012年5月25日(金)に開催致します。

「LTspiceを使用した太陽電池/バッテリーモデルのシュミレーション事例」

 近年、開発期間短縮等の要求によりシミュレーションによる事前確認の需要が高まっています。今回は特にシミュレーションの要求が高いバッテ リーや太陽電池について、ビー・テクノロジー社製デバイスモデルとリニアテクノロジー社製デバイスを組み合わせたシミュレーション事例、及び リニアテクノロジー社より無償提供されるLTspiceⅣでの収束エラーの回避方法等について解説します。

[日程・時間]2012年5月25日(金)14:00~17:00 

(受付開始13:45より)※定員になり次第、締め切らせていただきますので、お早めにお申し込み下さい。  [会場]東京エレクトロンデバイス 新宿オフィス[参加費用] 10,000円(税抜き)

[内容]1. 太陽電池及び最大電力点コントローラ

(MPPC)搭載デバイスを使用したシミュレーション事例

  ビー・テクノロジーは、 12回の連載にて、トランジス技術、2012年5月号でIGBTのSPICEモデルの作成方法の記事を掲載しております。LTspiceでの活用 方法ですが、同様の事はPSpiceでも可能です。但し、今回の検証は、LTspiceですので、 ご了承下さい。 LTspiceは無償の回路解析シミュレータで、次のURLからダウンロードできます。 http://www.linear-tech.co.jp/designtools/soft-ware/ 掲載ページは、209ページから219ページです。内容は下記のとおりです。(1)IGBTのへフナモデルの弱点について (2)IGBTのへフナモデルの弱点の改善の方法について(等価回路を付加) (3)IGBTのMOSFET+BJT型等価回路モデルについて  (3.1)等価回路図を公開しました  (3.2)デバイスモデリングのプロセスを公開しました  (3.3)IGBTのスパイスモデルの評価方法を公開しました  このIGBTモデルを採用したアプリケーション回路(DCモーター制御回路)の事例は、具体的には2012年6月号で 公開します。トランジスタ技術では見本を公開しています。上記記事に関する見本は次のURLにて、ご参照下さい。http://toragi.cqpub.co.jp/Portals/0/back-number/2012/05/p209.pdf また、DCモーターのスパイスモデルの作成方法も公開します。また、全体シミュレーションの解析精度も掲載します。是非、トランジスタ技術2012年5月号をご参照下さい。

スパイスモデルの整備のお手伝いをしております。是非、お問い合わせ下さい。回路解析のプロセスの90%がスパイスモデルの整備と言われています。お客様に重要なシミュレーション解析にお時間を充てれるよう、スパイスモデルの整備(材料表ベースで必要なスパイスモデル及びデバイスモデリング、スパイスモデルの解析精度の調査)はお任せ下さい。

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トランジスタ技術 2012年5月号

IGBT(MOSFET+BJT型等価回路) サマリー

コラム ハーベストIC周辺のシミュレーションの強化

センサー+ハーベストIC+二次電池

 リニアテクノロジーをはじめ、欧米の半導体メーカーは、環境発電、エナジー・ハーベストに注力しています。すくないエネルギーから電源供給をおこなうものです。太陽電池(光)をはじめ、熱、振動からごく僅かなエネルギーを得て、ICを通じて、二次電池に蓄積したり、ごく僅かな電圧を昇圧し、安定的に電源供給を行います。光、熱、振動についてのデバイスは、ビー・テクノロジーでは、センサー・デバイスとして、SPICEモデルのご提供を行っております。また、二次電池についてもリチウムイオン電池をはじめとして、ニッケル水素電池、鉛蓄電池等のSPICEモデルをご提供し、シミュレーション上で 環境発電、エナジー・ハーベストに関するシミュレーションをご提供しております。 回路実験では難しい分野ですので、是非、SPICEモデルを活用し、回路解析シミュレーションで回路解析することをご提案致します。是非、お問い合わせ下さい。

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電源ICは、スイッチング電源IC、PWM IC、DCDCXコンバータ、シャントレギュレータ、ボルテージレギュレータ、そして今回のLDO、あらゆる電源ICのスパイスモデル(等価回路モデル)をご提供しています。是非、お問い合わせ下さい。メールアドレス:[email protected]

Fig.1 ブロック図

DCモータのアプリケーション回路シミュレーションHブリッジ回路

  ビー・テクノロジーでは、モータのスパイスモデルもご提供しています。DCモータ、ACモータ、ステッピングモータです。今回の事例は、DCモータのスパイスモデルを活用したアプリケーション回路シミュレーション(Hブリッジ回路)の事例です。 Hブリッジ回路によって、ストップ、正転、逆転及びブレーキの動作をさせる事ができます。今回の事例では、東芝セミコンダクター&ストレージ社のTA7291Pを採用し、デバイスモデリングを行い、DCモーターは、マブチモーターのFA-130を採用しました。DCモーターのデバイスモデリングにつきましては、Bee Style:vol.036をご参照下さい。解説の順序は以下の通りです。(1)TA7291Pのデバイスモデリング(2)FA-130のデバイスモデリング(3)Hブリッジ回路のシミュレーションです。今回の回路解析シミュレータは、PSpiceです。

(1)TA7291Pのデバイスモデリング TA7291Pは、正・逆転切り替え用としてブリッジドライバで正転・逆転・ストップ・ブレーキの4 モードがコントロールできます。出力電流は、1.0A (AVE.) および2.0A (PEAK) (TA7291P) を取り出せます。特にVTR のフロントローディング・テープローデイング・キャプスタン・リール用として最適な回路構成であり、出力側と制御側の二系統電源端子かつ出力側にはモータ電圧を制御できるVref 端子を持っており、モータへの印加電圧調整ができます。また入力電流が少なくCMOS との直結が可能です。ICのデバイスモデリングは、先ず、ブ

ロック図(Fig.1)から等価回路を開発しながら、再現性のある評価項目を見極めながら、最適化を行っていきます。ブロック図の端子の説明は、Table.1を参照してください。対象となるデバイスモデリングの型名は、「TA7291P」です。

Table.1 端子説明

シンプルモデルは、電源回路用のコンバータ、3相インバータ、電源装置、ヒューズ、2次電池等のスパイスモデルをご提供しています。これらは、パラメータベースのスパイスもでるであり、ユーザーが簡単にモデル化できるスパイスモデルです。こういうスパイスもでるがあったらいいなあ。のお客様の声を是非、お聞かせ下さい。

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  Fig.2がブロック図(Fig.1)から等価回路を開発したものです。これらの等価回路図はさらに階層になっております。再現性のある評価項目は下記のとおりです。

TA7291Pの再現性のある項目(a)Function(b)Supply Current Characteristics(c)Input Characteristics(d)Upper Side Saturation Voltage Characteristics (e)Lower Side Saturation Voltage Characteristics(f)Output Voltage (Upper Side) Characteristics(g)Vref - VOUT(H) Characteristics(h)Upper Side Diode Forward Voltage Characteristics(i)Lower Side Diode Forward Voltage Characteristics (j)Upper Side Diode Junction Capacitance Characteristics

(k)Lower Side Diode Junction Capacitance Characteristics(l)Upper Side Diode Reverse Recovery Time Characteristics(m)Lower Side Diode Reverse Recovery Time Characteristics

 デバイスモデリングレポートは次のURLにて、公開しています。 http://www.slideshare.net/TsuyoshiHorigome/spice-model-of-ta7291p参考までに、「Function」について掲載します。Table.2が機能表、Fig.4が評価回路図、Fig.3がシミュレーション結果です。

Fig.2 ブロック図から等価回路を開発

HDT1Deadtime

STB

U

L

I

UL2LSW7291IO_PK = 2A

L1

OUT1

OUT2

OPR

VREF

VS

VCC

L2

IN1

U1

0

UIN1HYSIN7291

VIH = 2.5,VHYS = 0.7

IN2O

0

UIN2HYSIN7291

VIH = 2.5,VHYS = 0.7

I1

U3AND2X17291

U4AND2X17291

IN1O

STB

U5OR27291

IN2

U2

HICC ICC

IN1

IN2

VCC

GND

U11REG7291

VREF REG1

REG2

CTRL1CTRL2GND

REG2

ONUII1

INSNK7291ISNK = 3U

ONUII2

INSNK7291ISNK = 3U

I2

HDT2Deadtime

STB

U

L

I

0UVLO

HYSIN7291

VIH = 4.5VHYS = 0.7

REG1

OPR

GND

UU1USW7291IO_PK = 2A

UU2USW7291IO_PK = 2A

U10

AND27291

UL1LSW7291IO_PK = 2A

Table.2機能表

Fig.3 Functionのシミュレーション結果

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              Fig.4 Functionの評価回路図

IN1及びIN2の入力信号をパルス電源にて、表現しています。

VREF10V

IN2

OUT1

0

VIN1

TD = 4.99u

TF = 10nPW = 4.99uPER = 10u

V1 = 0

TR = 10n

V2 = 5 R140

IN1

0

VIN2

TD = 9.99u

TF = 10nPW = 9.99uPER = 20u

V1 = 0

TR = 10n

V2 = 5

OUT2

VCC12V

U1TA7291P

GND

OUT1VREF

IN1

IN2

VCC VS

OUT2

0

00

0

VS18V

Page 7

(2)FA-130のデバイスモデリング DCモーターのSPICEモデルは、ユーザーが任意の負荷情報をモデルパラメータILに入力する事で、負荷に応じた動作をします。負荷がある場合についての事例を掲載します。評価回路図をFig.5に示します。また、シミュレーション結果をFig.6、実機波形をFig.7に示します。

Fig.5 DCモーターの評価回路図

Fig.6 DCモーターの評価回路図

DCモーターの負荷情報は、IL=0.85[A]です。Fig.6はPSpiceでのシミュレーション結果です。LTspiceでも同様なことは出来ます。緑線が電流波形、赤線が電圧波形になります。このモデルを採用します。

(3)Hブリッジ回路のシミュレーション TA7291PのICのSPICEモデルと必要とする

DCモーターのSPICEモデルを準備する事で、シミュレーション出来ます。まず、アプリケーション回路図を描きます(Fig.8)。シミュレーション結果をFig.9に示します。また、シミュレーションの様子を動画にて配信しております。次のURLをご参照下さい。  http://youtu.be/Mfj9_4pxYUM

Fig.7 実機波形写真

シンプルモデルは、電源回路用のコンバータ、3相インバータ、電源装置、ヒューズ、2次電池等のスパイスモデルをご提供しています。これらは、パラメータベースのスパイスもでるであり、ユーザーが簡単にモデル化できるスパイスモデルです。こういうスパイスもでるがあったらいいなあ。のお客様の声を是非、お聞かせ下さい。

MT

U1TA7291P

GND

OUT1VREF

IN1

IN2

VCC VS

OUT2

+- U2

FA-130IL = 0.15

VR1-2

VR2-2

00VREF VS

R10.5

IN2

OUT1

0

VIN1

TD = 0.4

TF = 10nPW = 4PER = 6

V1 = 0

TR = 10n

V2 = 3.5

IN1

0

VIN2

TD = 2.4

TF = 10nPW = 8PER = 16

V1 = 0

TR = 10n

V2 = 3.5

OUT2

VCC5V

0

0

VS4.5V

Fig.8 回路図

Fig.9 シミュレーション結果

実機で体験学習

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 シンプルモデルに「鉛蓄電池」が新しく登場しました。充放電特性に再現性があり、ユーザーが鉛蓄電池のスペックを入力するだけで、簡単にスパイスモデルを作成出来ます。詳細サイトは下記のURLで配信しております。また、コンテンツも随時、充実していきます。 http://ow.ly/aAXRA

Bee Style: Volume 037 2012年4月30日 発行編 者:株式会社ビー・テクノロジー発行人:堀米 毅郵便番号105-0012 東京都港区芝大門二丁目2番7号 7セントラルビル4階Tel (03)5401-3851 (代表)Fax (03)5401-3852電子メール [email protected]

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 東北地方太平洋沖地震により被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。発生から1年間が経過し、復興半ばですが一刻も早い原発問題の収束、エネルギー問題の収束を望みます。被災された皆様の安全と一日も早い復興をお祈りいたします。                  ビー・テクノロジー・グループ 一同

新製品情報シンプルモデル 鉛蓄電池充放電特性モデル

 マルツエレックから発売している「ロジック回路学習ボード」です。小冊子が付属しており、体験学習が出来ます。ビー・テクノロジーは、デバイスモデリング及び回路解析シミュレーションを行う会社ですが、そのために、膨大な回路実験、デバイス評価を行っています。特に、ICのデバイスモデリングの際には、ロジック回路も扱うため、この教材は新入社員の教育用として、導入し、活用しています。手を動かす事で理解力を促進出来ます。現在、実機+シミュレーションの教材を模索中です。目処がつきましたら、ご紹介致します。

道具箱ロジック回路学習ボード(マルツエレック)

Fig.10 学習教材

また、実機波形については、 http://www.slideshare.net/TsuyoshiHorigome/spice-model-of-ta7291p の最終ページをご確認下さい。DCモータードライバICとDCモーターのSPICEモデルの組み合わせで、負荷による回路動作、DCモーターの電圧波形と電流波形のノイズの様子、ブレーキモードを使用した場合の時間等、回路実験では中々、観察出来ない現象を検証する事が出来ます。是非、ご活用下さい。