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ホワイト・ペーパー アプリケーション配信ネットワーク - ビデオ対応ネットワークの実現

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ホワイト・ペーパー

アプリケーション配信ネットワーク - ビデオ対応ネットワークの実現

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ビデオ対応ネットワーク

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アプリケーション配信ネットワーク - ビデオ対応ネットワークの実現

経済状況が不安定な中、出張経費を抑えることは企業の収益性にとって不可欠になっていま

す。同時に、従業員は今まで以上の結果を出すことも期待されています。IT マネージャは今、

世界中どこでも、予算を削減しながら、ネットワークおよびアプリケーションに関して今ま

で以上のユーザーの操作性を提供するよう求められています。キーワードは、「少ないコス

トで大きい成果をあげる」ことです。

ビデオ会議は費用対効果が高いか

出張を少なくすることは、大幅なコスト削減につながります。ミーティングをビデオ会議に

移行するだけでも、航空料金や宿泊費、その他の出張経費を削減して何千ドルものコストを

抑えることが可能です。出張をなくして遠隔地からの通信での参加方法を利用するだけで、1回のグループ会議に要する費用を 120,000 米ドルも削減できたと報告している企業もありま

す。また、別の企業では、出張経費と、出張にかかる時間の損失まで考えれば、削減できる

コストがさらに大きくなった例もあります。

生産性は、ビデオ会議の鍵となる要件です。マネージャたちは終始オフィスを不在にするわ

けにいきませんが、ビデオ会議であれば、出張の時間を減らして、その時間をより生産的に

利用することができます。ネットワークで高性能なビデオ会議を運用すれば、オフィス間の

コラボレーションと生産性を向上させるとともに、顧客、サプライヤー、パートナーとの連

携においても低コストの代替方法として利用できるようになります。

ビデオ会議の実装に関する課題

利点は明らかであっても、特に複数のオフィスや複数の地域にまたがる場合には、ビデオ会

議専用の回線を運用し維持するコストは無視できない問題です。他のアプリケーションと回

線を共有する方法への移行は確実なコスト削減につながりますが、この場合、IP 上でビデオ

会議の性能と信頼性を実現することは、より複雑になります。ネットワーク上で動作する他

のアプリケーションが狭い帯域幅を奪い合っている環境では、ビデオ会議や VoIP のように遅

延に敏感なリアルタイム・アプリケーションは十分な帯域を確保することが難しくなります。

今日では、多くの従業員がオフィスの外で働くようになり、常時接続のリモート環境で共同

作業できることを必要としています。コストを考慮するうえでは生産性が鍵となりますが、

ビデオ会議の導入はすべてのオフィスをカバーしていない場合がほとんどであり、主な支店

や本社の所在地に限られるのが普通です。新しい、あるいは小規模なリモート・オフィスや

SOHO、リモートの在宅勤務者などはどうなるのでしょうか。

ビデオ会議のオプション 多くの企業は、定期的な大グループの会議用に大規模なテレプレゼンスを導入しています。

こうした導入例の多くでは、設備全体がオーディオ、スクリーン、照明などを含む会議シス

テムとして構成されているため、コストが非常に高くなります。高解像度のテレプレゼンス

会話を行うには、通常 5~8Mbps の帯域幅が必要になります。

また、それより小さいグループの会議には、スクリーン用セットトップ・ボックスを利用す

る小規模会議用の端末を導入することも一般的です。これらはサイズも設定もさまざまです

が、通常は 1~5Mbps の帯域幅があれば動作します。

今では多くの企業が、ユーザーのワークステーションに直接導入して一対一あるいは一対多

のビデオ会議を個別に実行できる、個人デスクトップ用ビデオ会議の活用に注目しています。

これらは通常、経営陣や上級管理職用であり、端末ベースとソフトウェア・ベース(Web カメ

ラを使用)の 2 種類があります。ソフトウェア・ベースの方が費用対効果は高く、すべての従

業員とリモート・ユーザーに低コストのビデオ会議を導入できる可能性も高くなります。

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ビデオ対応ネットワーク

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IT 部門が承認しているビデオ会議とは別に、Skype や Yahoo Messenger、MSN といったア

プリケーションを利用した非承認で管理されていないビデオ会議も利用されるようになって

きました。Web カメラがあれば誰でもこの種のビデオ会議を使うことができますが、こうし

たアプリケーションのほとんどは、IT 部門によってサポートされていません。このような管

理外のビデオ・トラフィックを無制限のままにしておくと、他のビデオ会議やリアルタイム・

アプリケーションに影響が生じる恐れがあります。

ビデオ会議のパフォーマンス上の問題点

ビデオ会議は、出張経費を削減する手段としても、また職場のコラボレーションとコミュニ

ケーションを改善する方法としても、企業全体で広く導入され始めています。

ただし、残念ながらビデオ会議の品質は必ずしも期待どおりの水準であるとは限らず、予測

可能でもないため、本来は効率的である仮想会議が中断されることも少なくありません。

アプリケーションが共存し、帯域が管理されていないネットワークでは、すべてのアプリケー

ション・トラフィックが、WAN 回線およびインターネットの狭い帯域幅を確保しようとして

相互に競合します。支店のビデオ会議端末と、本社の MCU との間の通信は、エンタープラ

イズ・アプリケーション・トラフィックやバックホール・インターネット・トラフィック(WAN回線を経由するインターネット・トラフィック)と競合することで帯域の確保が難しくなるの

が一般的です。Web サーフィン、ファイル転送、E メール、バックアップ、そして特に(IM等の)管理外のビデオ・トラフィックが頻繁にビデオ会議のパフォーマンスに影響を与えます。

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ビデオ対応ネットワーク

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図 1: ビデオ会議品質の課題 - 他のアプリケーション

アプリケーションを制御しない状態では、ビデオ会議の品質とユーザーの操作性は保証され

ません。画像の乱れや、オーディオ品質の低下は会議の生産性に悪影響をもたらし、ときに

は通信を不可能にすることもあります。

図 2: レクリエーション・トラフィックがビデオ・フレームの品質を阻害

IT 部門は、重要なアプリケーションのパフォーマンスと信頼性を損ねることなく、データや、

リアルタイムの音声およびビデオ・トラフィックのための低コストのアプリケーション共存

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ネットワークへ移行するにはどうすればよいかを模索しようとしています。このホワイト・

ペーパーでは、この課題に対する答えを検討し、企業がアプリケーション共存ネットワーク

に移行しつつアプリケーションのパフォーマンスを改善し、品質と信頼性の高いビデオ会議

を実現する方法について説明します。既存ベンダのビデオ会議システムが導入されている場

合でも、企業の全体にわたってビデオ対応ネットワークを実現するには、一定の共通テクノ

ロジーが必要です。

ネットワークをビデオ会議に対応させる準備 スイッチとルータで構成される従来のネットワーク・インフラストラクチャには、ビデオ会

議の十分な性能向上に必要なインテリジェンスとコントロールが欠落しています。すべての

アプリケーション・トラフィックを検出し、それらを可視化することの他に、ビデオ会議に

対応するためにネットワークにまず求められるのは、以下のような機能です。

-> ビデオとオーディオの品質をリアルタイムで測定する

-> すべてのトラフィックに対して優先順位の割り当てとシェーピングを行い、WAN リンク上

で送信されるデータを削減して WAN 回線の輻輳を 小限に抑制する

-> 問題が発生した際にそれを分離し、迅速にパフォーマンスを回復する

これらの機能が一体となって、ネットワークのインテリジェント化が進みます。これは、IPネットワーク上で高品質のビデオ会議をサポートするうえで鍵となる要件です。加速化によ

り、Web、バルク・データ、およびビデオ・ストリーミング・アプリケーションに用いられ

る WAN 回線上のデータは、軽減し、ユーザーの操作性が向上します。リアルタイム監視、

レポートの一元管理、およびプロアクティブ型管理により、IT マネージャは分散された企業

ネットワーク全体にわたってビデオ会議のパフォーマンスを追跡し、コントロールできるよ

うになります。

しかも、リアルタイム監視、集中型レポーティング、およびプロアクティブ型管理によって、

IT マネージャは効果的にビデオ会議のパフォーマンスを追跡しコントロールできます。

図 3: ビデオ対応ネットワークを支える技術要素 従来のパケット配信型ネットワークと、アプリケーションのインテリジェンスおよびパ

フォーマンス・コントロールを結びつけるテクノロジーがアプリケーション配信ネットワー

クを支えるテクノロジーです。

企業ネットワークにおけるインテリジェンスとパフォーマンス・コントロールは、高品質で

低コストのビデオ会議システムの導入を成功させる不可欠の要因です。しかし、現在のほと

んどのビデオ会議設備は、こうした属性を備えていません。ブルーコートのアプリケーショ

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ン配信ネットワーク・インフラストラクチャは、シンプルで強力、総合的な機能セットを提

供し、ビデオ会議に対する投資の 大限の活用を約束します。帯域幅の追加に高いコストを

必要とすることなく、高い品質とパフォーマンスが保証されます。

導入サイクルのすべてを通じて高品質のビデオ会議を保証 ビデオ会議の管理にエンド・ツー・エンドのアプローチをとることは、高い品質を保証する

うえで欠かすことができません。トラフィックを監視できるというだけでは不十分です。厳

しいSLAと良質なユーザーの操作性を可能にするためには、ITマネージャが、アプリケーショ

ンのパフォーマンスを事前に監視して、WAN 回線を効率的に 適化し、迅速に問題を解決で

きなければなりません。UDP アプリケーションの場合、パケット・ロスやジッタ、遅延はユー

ザーの操作性に支障をきたします。

ビデオ会議アプリケーションをエンド・ツー・エンドで管理すれば、ネットワーク上で動作

するアプリケーション、特にビデオ会議のパフォーマンスを総合的にコントロールすること

ができます。エンド・ツー・エンドの管理を行い、企業規模で厳格な SLA を維持するには、

以下の点の確実な実行が必要です。

-> 計画

-> 導入

-> SLA監視

-> 加速化と WAN 適化

-> オペレーション

-> トラブルシューティング

図 4: 導入の全段階を準備

WAN 帯域幅の要件 - ビデオ会議とデータ ビデオ会議の品質もデータ・アプリケーションのパフォーマンスも、企業 LAN 内であれば帯

域幅に余裕があるため通常は問題になりません。輻輳やビデオ品質の低下が も問題になる

のは、LAN と WAN の境界線上です。ビデオ会議とデータのトラフィックは、この境界線上

で LAN から WAN リンクに進みますが、WAN では帯域幅がはるかに狭くなるので、ここで

慎重なコントロールが必要になります。

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必要な WAN 帯域幅を求めるには、サポートすべきビデオ会議の同時実行数をまず明らかに

しなければなりません。コーデックの選択によっても、帯域幅の要件は異なってきます。

アプリケーションの可視化によって、ビデオ会議とデータ・アプリケーションで使用される

帯域幅を目に見えるようにすることで、重要なリアルタイム・トラフィックと、E メールや

特定のファイル転送のように重要でないアプリケーションのトラフィックとを分離すること

が可能になります。現在の帯域幅の使用状況と、ビデオ・トラフィックを実行するために必

要な帯域幅に関する詳細な情報を利用すれば、正確な WAN 容量の計画に対しても備えは万

全です。

解決策は帯域幅の拡張とは限らない ビデオ会議のトラフィックをサポートするには、WAN リンクのサイズ拡張が必要になる場合

もあります。しかし、ビデオ会議アプリケーション配信の対策をとらないうちに帯域幅を拡

張することは賢明ではありません。なぜなら、IP ではリンク速度にかかわらず、利用可能な

帯域幅をすべて使い切ってしまう可能性があるからです。ちょうど、高速道路で新しい車線

がすぐに一杯になってしまうようなものです。帯域幅の正しい管理とコントロールを行わな

いまま帯域幅を追加しても、ビデオ会議の品質が向上するどころか、トラフィックと輻輳が

増加するだけという結果になりかねません。帯域幅、専用回線、あるいは MPLS リンクの増

設にコストをかける前に、まずはネットワーク・アセスメントを実施して、WAN 上で実行さ

れているアプリケーションを特定し、帯域幅の拡張が有効か、それともビデオ会議の性能を

損ねるかを判定することをお勧めします。

ビデオ対応ネットワークの導入 既存の WAN リンクから 大のパフォーマンスと価値を引き出すには、ビデオ会議の導入よ

り前に適切な可視化とコントロールが必要です。WAN 帯域幅の利用状況を正確に理解するこ

とから始めることをお勧めします。ほとんどのネットワーク・マネージャは、WAN トラフィッ

クを十分に可視化できていないため、帯域幅の 50%以上が P2P や Web サーフィン、ソーシャ

ル・ネットワーキング、IM、ビデオのダウンロードといったレクリエーションのアプリケー

ションに使われているという事実に驚きます。実際、アプリケーション・レベルでの可視性

を欠いていることが、ネットワークのビデオ対応を困難にする 大の障害となっていること

も珍しくありません。

深い可視化と WAN アプリケーション・トラフィック すべてのルータとスイッチは、レイヤ 3 レベルの可視化を備えています。たとえば、WAN リ

ンクは 10Mbps などです。一部のルータとレイヤ 4 デバイスは、ポートベースでアプリケー

ションを識別する NetFlow あるいはレイヤ 4 の可視化を備えています。たとえば、TCP80 は

HTTP、TCP25/110 は E メールなどです。

P2P やビデオ会議など多くのアプリケーションは動的ポートを使用するので、レイヤ 4 ある

いは NetFlow の可視化では識別できません。また、多くのアプリケーションが TCP ポート

80 番を使用しています。TCP ポート 80 番上で動作している SAP、TCP ポート 80 番上の

Web サーフィン、TCP ポート 80 番上のレクリエーション用途のオンライン・ビデオなどを

区別できないため、既存のネットワーク・ソリューションでは、ミッション・クリティカル

なトラフィックと、重要性の低いトラフィックとを分類できません。

実際、現在市販されている可視化ソリューションの 80%はレイヤ 4 までにとどまっています。

企業の IT マネージャは、動的ポートを使用するサブ・アプリケーションやアプリケーション

をすべて検出するために、より深い可視化を必要としています。

Blue Coat PacketShaper は、ビデオ対応ネットワークの中心となるプラットフォームであり、

レイヤ7プラスの可視化を可能にします。ネットワーク上を流れる650種類以上のアプリケー

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ション・トラフィックを自動認識し、ユーザー固有のアプリケーションも認識可能です。

user-defined application 機能を使えば、各企業で独自に自社開発されたアプリケーションま

で認識できるように可視化機能を拡張することができます。

レイヤ 7 プラスの可視化では、WAN 回線を流れるトラフィックをアプリケーション・レベル

で検出するため、重要なビジネス・アプリケーション、E メール、FTP ファイル転送、Webサーフィン、レクリエーション・アプリケーション、悪意のあるトラフィックなどが明確に

区別されます。PacketShaper はレイヤ 7 プラスの可視化機能があるため、同じ TCP/UDP ポー

トを使用するアプリケーションや動的に変化する TCP/UDP ポートを使用するアプリケー

ションでさえ識別することができます。また、きめ細かいアプリケーション分類機能と、ユー

ザーの操作性に関する詳細な統計情報もサポートしています。

ネットワーク上で動作しているアプリケーションの可視化と同様に重要なのが、アプリケー

ション・コントロールです。ブルーコートのレイヤ 7 プラスの可視化は、ビデオ会議をはじ

めとしてネットワーク上のあらゆるトラフィックをコントロールする も強力な機能を提供

します。企業における特定のネットワーク使用ポリシーに応じて、個別に、あるいはクラス

単位で即座にトラフィックをコントロールまたはブロックすることができます。これは、ビ

デオ会議の効果的なコントロールに欠かせない一歩です。

図 5: レイヤ 7 プラスの深いアプリケーションの可視化

パフォーマンス上の課題の達成 ビデオ会議の導入に先立って検討すべき重要なパフォーマンス上の問題点は、以下の 3 点で

す。

1 遅延 - 送り手から受け手にビデオ/音声ストリームを配信する際のエンド・ツー・エンドの

遅延

2 ジッタ - ビデオ会議の各パケットを配信する際の、予測不可能な可変遅延

3 パケット・ロス - ネットワーク回線の輻輳によって発生する個々のパケットの欠落

どの問題も、会議の品質と、システム全体の信頼性を大きく低下させる原因となります。

遅延

ビデオ会議には通常、一方向のプレゼンテーションと、双方向のコミュニケーションの 2 つ

のモードがあります。双方向のコミュニケーションは、ネットワークの遅延による影響を受

けやすくなっています。遅延が 300ms に達しても会議の品質はまだ許容範囲ですが、ユー

ザーは明らかなラグを感じ、問題なく会話を行うには、ビデオ会議をトランシーバのように

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使わなければなりません。音声ストリームのトラフィックだけでなく、SIP や H.323 のよう

な呼の管理に使用される他のビデオ会議のためのプロトコルにも遅延への対策が必要です。

実際には、こうしたシグナリング・プロトコルの方が、ビデオや音声のパケットよりネット

ワークの遅延による影響を受けやすい特性があります。

ジッタ

ジッタは、フローやデータ転送を不規則にします。ビデオ会議のようなリアルタイム・アプ

リケーションにとって、これは致命的になりかねません。一部のビデオ会議ベンダは、独自

のジッタ・バッファやキューを導入し、音声パケットの配信を一時的に保存して均一に送出

するという方法でこの問題を解決しようとしています。また、ルータでも同様の目的でキュー

イング・メカニズムが用意されています。しかし実際には、どちらの方法もそれ自体が遅延

の原因となるだけで、問題を悪化させてしまう可能性があります。ジッタ・バッファの技術

を使っても、ビデオ会議の許容範囲は 100ms です。ジッタのために遅延がこの範囲を超える

場合、特にそれが常態となるような場合、会議の品質は低下することになります。

パケット・ロス

IP は「ベスト・エフォート」型のプロトコルであるため、何も対策をとらなければ、パケッ

ト・ロスなどの予測不可能なパフォーマンス低下が必ず発生します。ジッタおよび遅延と同

様、パケット・ロスもビデオ会議のパフォーマンスにとっては極めて致命的です。パケット・

ロスは、LAN と WAN の境界線上で大きな問題となる場合があります。回線が狭くなること

により、帯域幅の奪い合いが大きくなるからです。パケット・ロスが 1%以下であれば通話品

質のビデオの範囲内ですが、パケット・ロスが 3%以上になると、聞き手は会話の中断に気づ

きます。この問題を抑制しない限り、パケット・ロスは 終的に通話の中断につながり、ビ

デオ会議システムの障害となる可能性もあります。

インテリジェント・ポリシー・コントロール - 明確な改善 インテリジェント・ポリシー・コントロールは、ブルーコートによるアプリケーション配信

ネットワーク・インフラストラクチャの中心です。レガシーの QoS ソリューションと比較し

て、インテリジェント・ポリシー・コントロールには以下の利点があります。

-> 高性能 - 各アプリケーションを自動的に検出および識別

-> きめ細かい - アプリケーションごと、コールごと、フローごとのコントロール

-> 強力 - インバウンド・トラフィックをコントロールして輻輳を回避

-> シンプル - オンボックスのポリシー・マネージャとポリシーの一元管理によって使いやすさ

を実現

フローごとの動的コントロール

一般的なルータは多少なりとも基本的な QoS 機能を備えていますが、これは静的な QoS 機

能であり、ビデオ会議の動的なトラフィックに求められる要件を満たすには不十分です。ルー

タで重要なアプリケーションを保護する方法としては、帯域幅予約を用いるのが も一般的

です。特定のアプリケーションに専用の帯域幅を割り当て、パフォーマンスを確保します。

この方法は一部の静的なアプリケーションには有効ですが、ビデオ会議は特に動的であり、

メディア・フローの同時実行数も不確定です。それでは、どうしたら十分な帯域幅を予約で

きるでしょうか?

アプリケーション配信ネットワークでは、WAN リンク上でのビデオ会議アプリケーションの

パフォーマンスが保証されます。そのために採用されているのが、IP の輻輳を 小限に抑え、

パケット・ロスを回避することのできるフローごとのコントロール・テクノロジーです。イ

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ンテリジェント・ポリシー・コントロールが、フローごとの動的コントロールを可能にして

います。帯域幅は、メディア・フローの数に応じてビデオ会議に割り当てられます。各フロー

が保証帯域幅を取得するので、帯域幅を無駄に使うことなくビデオの品質を確保できます。

インテリジェント・ポリシー・コントロールは、IP ネットワークを「ベスト・エフォート」

型から、予測可能なシステムへと脱却させます。

TCP レート・コントロール TCP レート・コントロールは、ブルーコートが特許を受けた、アプリケーション帯域幅の

シェーピング・テクノロジーです。大部分のルータは、帯域幅シェーピングにキューイング

とバケットのテクノロジーを使用します。ルータは、帯域幅ポリシーを実行する際にアウト

バウンド方向の速度しかコントロールできません。バケット(バッファ)がいっぱいになると、

それ以上のデータは破棄されます。パケットの欠落があると、送信側では帯域幅ポリシーに

適応するために転送速度を落とすか再送信することになります。このような状態は、ネット

ワークでさらに輻輳、パケット欠落、再送信をもたらす結果となり、ネットワークの効率と

品質が実際に低下します。ルータはトラフィック・シェーピングをサポートしますが、実際

にはビデオ会議の品質を損ねることがあります。

ブルーコートが特許を受けたテクノロジーである TCP レート・コントロールは、アプリケー

ション帯域幅のシェーピングによってビデオ会議の品質を改善し、アプリケーションの使用

感を全体的に向上させます。TCP ウィンドウのテクノロジーを使って送信側の転送速度を直

接コントロールするので、受信されるすべてのトラフィックがコントロールされ、WAN 回線

の輻輳が抑えられます。輻輳やパケット・ロスがなくなり、再送信も不要になります。すべ

てのアプリケーションがスムーズに動作し、遅延、ジッタ、パケット・ロスは 大 60%削減

されます。

インバウンド・レート・コントロール モバイル・ビデオ会議の品質を維持することは、多くの QoS ソリューションにとっての課題

です。Web サーフィン、リモート・アクセス、およびモバイル・ビデオ会議のトラフィック

はすべて、インバウンド接続の地点でインターネット・リンクに集中します。従来のQoS (ルー

タによる QoS など)では、インターネット・リンクの背後の地点しかコントロールの対象と

ならず、ルータがトラフィックをシェーピングする前に輻輳が発生する原因となっていまし

た。これに対して、TCP レート・コントロールを利用するインテリジェント・ポリシー・コ

ントロールは、輻輳の根本原因である受信トラフィックの速度を緩和します。ブルーコート

のアプリケーション配信ネットワークは、高品質のビデオ会議をネットワーク・エッジ(在宅

勤務者)まで拡大し、既存の QoS ソリューションを超えるものと言えます。

アダプティブ・ポリシー インテリジェント・ポリシー・コントロールでは、流れるトラフィック状態に応じて動的に

ポリシーを調整することができます。

例: ビデオ会議、SAP、および重要でないトラフィックが 16Mbps の WAN リンク上で動作し

ているとします。管理者は、それぞれの状態に対して複数のポリシーを事前定義します。

-> ビデオ会議のトラフィックが検出されていないときは、10Mbps の帯域幅を SAP に割り当て

る。

-> ビデオ会議が実行されており、その帯域幅が 5Mbps 未満のときは、SAP の帯域幅が自動的

に 10Mbps から 5Mbps に下げられる。

-> ビデオ会議のトラフィックが 10Mbps を超えたときは、SAP の帯域幅を確保するために、重

要でないアプリケーションがすべて自動的にブロックされる。

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図 6: ポリシー・コントロールを使用しないビデオ会議

図 7: ポリシー・コントロールを使用したビデオ会議

ルータの QoS とビデオ会議のパフォーマンス すでに述べたように、ルータの QoS はレイヤ 7 の可視化、インテリジェント・コントロール、

インバウンド・レート・コントロール、およびビデオ会議のトラフィックの統計情報に対応

していません。

ルータの QoS では、重要なアプリケーション、レクリエーション・トラフィック、およびビ

デオ・トラフィックを識別できません。ルータは、各種のトラフィックをコントロールし、

それらを企業のビジネスに完全に一致させるには、限界があります。ルータでは帯域幅を動

的に割り当てることはできないため、ときには帯域幅が無駄に消費されます。また、ルータ

ではインバウンド・トラフィックの輻輳によるリモート・ビデオ会議への影響が避けられな

いので、ビデオ会議サービスを小規模な支店や遠隔地の在宅勤務者にまで拡大することがで

きません。ユーザーの操作性を追跡する機能や、パフォーマンス上の問題に対して、事前に

対策を行うような機能もありません。しかも、ルータには加速化の機能がないので、アプリ

ケーションを追加で導入する際には帯域幅も追加拡張する必要があり、接続コストがかさみ

ます。

加速化と圧縮 高レベルのアプリケーション配信を保証するうえで重要な 2 つのステップが、WAN アプリ

ケーション・トラフィックに対する可視化の達成と、インテリジェント・ポリシー・コント

ロールの適用です。3 番目に必要なのが、特定のトラフィックに圧縮を適用するステップで

す。ビデオ会議は、H.261、H.263、H.264、G.722、G.728、G.729 などのコーデックで圧縮

され、ビデオ/音声パケットとして、WAN 回線上を流れます。ビデオ/音声トラフィックをさ

らに圧縮することは、会議品質の低下につながるため推奨されませんが、E メールや ERP な

どのデータ・アプリケーション、および狭い帯域幅を奪い合う各種の Web トラフィックには、

圧縮を適用することは可能です。この圧縮によって、帯域幅を節約し、WAN 回線の輻輳を軽

減することができます。

圧縮による加速化によって、Web、バルク・データ(ファイル転送、E メールなど)のデータは

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削減され、結果としてビデオ・ストリーミング・アプリケーションのユーザーの操作性は向

上します。PacketShaper では、リアルタイムで圧縮を行う機能があり、データを 2~4 倍に

圧縮し、データ転送を 適化します。アプリケーション配信ネットワークは Direct-to-Net アー

キテクチャも使用可能であるため、Web サーフィンやレクリエーション・トラフィックを回

線コストの高い WAN 回線を経由せずに、拠点から直接インターネットにアクセスさせるこ

とで、WAN 帯域幅の拡張を避けることができます。

図 8: 加速化と 適化により WAN トラフィックの効率を改善

ビデオ会議のシグナリングおよびコントロール・プロトコル ビデオ会議のテクノロジーは、メディア・シグナリングとコントロールの主なプロトコルと

して H.323 を利用しますが、ビデオ会議には SIP も使われ始めています。これらのプロトコ

ルは、ネットワーク上での動作こそ異なりますが、きめ細かいアプリケーション・コントロー

ルが可能なため、いずれもブルーコートのアプリケーション配信ネットワーク・インフラス

トラクチャを利用して有効にコントロールすることができます。

MCU と WAN のパフォーマンス ほとんどのビデオ会議システムには、MCU が使われます。企業 WAN におけるビデオ・トラ

フィックの経路は、MCU の位置によって決まります。PacketShaper は、MCU とビデオ会議

端末との間のあらゆるトラフィックを識別するので、本社と支店を接続する WAN リンクを、

それぞれのビデオ会議に必要な実際の帯域幅に応じて設計する際に便利です。

双方向のアプリケーション ビデオ会議は、従業員や顧客の間でコラボレーションを深める目的でも多用されます。ホワ

イトボード、コラボレーション・ソフトウェア、さらにはファイル共有といった双方向アプ

リケーションは、いずれもビデオ会議に欠かせないアプリケーションとなりつつあります。

双方向アプリケーションの帯域幅は、ビデオ/音声トラフィックよりさらにランダムであり、

多様です。PacketShaper は、650 種類以上のアプリケーションを自動検出するのと同じよう

に T.120 とファイル共有を自動的に検出したうえで、動的に帯域幅を割り当て、アプリケー

ションのパフォーマンスを保証します。

ビデオ会議の SLA の監視 パフォーマンス上の問題は、とかく 悪のタイミング(顧客との会議中)で発生し、多くの場合

その予測は非常に困難です。ネットワーク全体の状態を 24 時間年中無休で監視している場合

でさえ、問題が深刻化する頃にはすでにユーザーが被害を受けていることになります。ブルー

コートのリアルタイム監視では、パフォーマンス上の問題が発生すると、すぐにそれを把握

することができます。パフォーマンス上の問題が発生するとただちに管理者に E メールが送

信され、NMS にはシステム・ログと SNMP トラップが送信されます。

リアルタイム監視は、ネットワークとビデオ会議アプリケーションの品質を測定するメータ

として機能します。IT 部門がパフォーマンス上の問題を事前に認識するためにも有効であり、

ヘルプデスクへの問い合わせを減らす効果があります。

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ビデオ対応ネットワーク

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パフォーマンスのトラブルシューティング PacketShaper では、クラスごとに 120 以上の統計情報を取得することが可能であり、またパ

フォーマンス上の問題を迅速に検出し、解決できる強力な診断ツールも多数用意されていま

す。これは、常時稼動のビデオ対応ネットワークを維持するうえで不可欠な条件です。

ビデオ会議の経済性 アプリケーション配信ネットワークは費用対効果の向上に直結し、企業におけるビデオ会議

への投資の 大活用を約束します。PacketShaper は、VoIP やビデオなどのリアルタイム UDPアプリケーションをはじめとして、あらゆる種類のアプリケーションをコントロールできる

ので、ビデオ会議が直接対面する会議に代わる現実的な方法となるために必要な、高いパ

フォーマンスと信頼性が保証されます。

ブルーコートは、アプリケーション配信ネットワークのグローバル・リーダーです。ビデオ、

音声、およびデータ・アプリケーションなどのネットワーク・リソースをビジネス上の優先

目標に一致させ、その一方で目に見えるコスト削減を実現できるよう、世界中の企業をお手

伝いしています。特許を受けたソフトウェア・テクノロジーが組み込まれたインテリジェン

ト・アプライアンスの製品シリーズを通じ、他に類を見ない可視性と加速化、セキュリティ

機能を提供することで、ブルーコートはその価値をお届けしています。特にビデオ会議に関

しては、LAN と WAN の境界線上で常にビデオ品質低下の原因となっている輻輳、ジッタ、

パケット・ロスにブルーコートは取り組んでいます。ブルーコートは、ビデオ会議に不可欠

なすべてのプロトコルを効果的に管理し、エンド・ツー・エンドのコミュニケーションを

高品質で実現します。

御社のネットワークで、ビデオ対応は進んでいますか。

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