海外留学 05...特集:海外留学 交換留学、私費留学、ワーホリ、etc...

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2015~17 県大生の歩き方 GUIDEBOOK OF STUDY ABROAD by SEIKEI-JIDAI 海外留学 05 2017 Midsummer 交換留学、私費留学、 ワーホリ、etc 国関生 21 人14 ヵ国の留学体験記 石川義道先生と 小窪千早先生の 留学記 A free magazine made by students of school of international relations

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2015~17 県大生の歩き方 GUIDEBOOK OF STUDY ABROAD by SEIKEI-JIDAI

の海外留学 05 2017 Midsummer

交換留学、私費留学、

ワーホリ、etc

国関生 21 人、

14 ヵ国の留学体験記

石川義道先生と

小窪千早先生の

留学記

A free magazine made by students of school of international relations

¥〇

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配布場所一覧

国際関係学部棟

・カレッジホール

上食堂 2F

・ラック

(今後増やしたい!)

政経コース、オンリー1 学生編集部「政経時代」

スタッフ大募集中

日本全国の学生フリーペーパーの祭典「SFF2017」未出展、日本タウン

誌・フリーペーパー大賞 2018「ある視点」部門が開設されたら獲得の予定。

実際のところまだ何も組織になっていません。ゆくゆくは政経コースの学

生を中心に企画・運営をし、定期刊行することを目指しています。

やっと5冊目の「政経時代」。政経コース、そして国際関係学部全体にとっ

て価値のある冊子になっていけたらいいなと思っています。どなたか一緒

に冊子づくりを手掛けたい方、募集しています。

★興味のある方は下記 Facebook までメッセージくださいな。

鈴木宏直 https://www.facebook.com/profile.php?id=100009998083178

HP はまだありません。いつか作りたいです。

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特集:海外留学 交換留学、私費留学、ワーホリ、etc

時は平成、グローバル社会。十六菊の御紋を片手に、LCC にて浮世を渡る。

恥は掻き捨て、知らぬが仏、最期に掴むは霞か霧か。これぞ、海外留学。

<目次>

Ⅰ:交換留学・短期語学研修

フィリピン・フィリピン大学(p.6)

ロシア・モスクワ国際関係大学(p.8)

トルコ・ボアジチ大学(p.9)

ドイツ・ブレーメン経済工科大学(p.11)

フランス・リール政治学院(p.12)

アメリカ・カルフォルニア州立大学(p.14)

Ⅱ:私費留学

デンマーク(p.18)

イギリス(p.19)

カナダ(p.20)

Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

中国・インターン(p.22)

ニュージーランド(p.23)

オーストラリア・ワーホリ(p.25)

カンボジア・インターン、ボランティア(p.25)

イングランド・ワーホリ(p.27)

アメリカ・ウォルトディズニーワールド(p.29)

Ⅳ:バックパッカー(p.31)

Ⅴ先生の留学

小窪先生(p.36)

石川先生(p.38)

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留学 インターン・ワーホリ・etc

21人、14ヵ国+αの、

今年も早くも夏休みを迎え、来学期から海外留学へ旅発つ方も多いかと思います。文部科学省の発表する最新の調査によると201

5年には協定校だけで合計34456人(前年比+3237)人の日本人学生が留学をしたそうです。静岡県立大学にも、様々な交換留

学プログラムがあります。また休学をし、私費留学で渡航する学生も大勢います。他にもワーキングホリデイ、インターン、ボランティ

アや、バックパッカー等様々な手段を選ぶ人もいます。そこで今号では2015年から2017年にかけて海外に渡っていた国際関係

学部生21人に、その留学体験や経験について、酸いも甘いも伺いました。これから海外留学を検討している方、興味を持っている方の

背中を押すことを願っています。

アメリカ:カルフォルニア

アメリカ:オハイオ

アメリカ:フロリダ

カナダ

渡航先一覧

平成 28年度休学者数

留学事由:75人

その他:16人

計:91人

学科別

国関:24人

言文:51人

計:75人

留学時期

通年:73人

前期:1人

後期:1人

1 学年につき 3 人に 1 人が長期留学

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特集

海外 交換留学・私費留学・

国際関係学部生

中国:上海

デンマーク

ニュージーランド

フィリピン

カンボジア

アイルランド

イギリス トルコ

ロシア

フランス

ドイツ

アフリカ縦断

国関生の留学状況(H28 年度)

学生室に取材したところ、平成 28年度に留学目的で休学した国際関係学部生は 75人でした。内、

国際関係学科生が 24人、言語文化生が 51人でした。このように、交換留学を含まなくても毎年多く

の国関生が海外に渡っていることが分かります。また、昨年度国際関係学部は全体で 860人、1学年

平均 200人強です。留学は 3年生の後期から始める人が多数のため、このことから 1学年につき 3人

に 1人が長期留学をしていると考えられます

3

オーストラリア

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留学先一覧 ※協定校の詳細は国際関係学部 HPを参照 http://ir.u-shizuoka-ken.ac.jp/exchange/index.html

協定校交換留学(5ヵ国)

フィリピン・フィリピン大学(University of the Philippines)

:村田さん(政経コース・六鹿ゼミ)、田畑 航平さん(アジアコース・高畑ゼミ)

ロシア・モスクワ国際関係大学(The Moscow State Institute of International Relations)

:勝山一平さん(政経コース・坂巻ゼミ)

トルコ・ボアジチ大学(Boğaziçi University)

:藤崎美佳さん(行動コース・石井ゼミ)、鈴木宏直さん(政経コース・坂巻ゼミ)

ドイツ・ブレーメン経済工科大学(Hochschule Bremen)

:関瑠美夏さん(政経コース・六鹿ゼミ)

フランス・リール政治学院(Institut d’Etudes Politiques de Lille)

:グスタフ(Fuiza Ribeiro Gustavo)さん(政経コース・坂巻ゼミ)

短期語学研修(2ヵ国)

アメリカ・カルフォルニア州立大学サクラメント校(California State University, Sacramento)

:飯島佑介さん(言文・ディハーンゼミ)

浙江大学:(※今回記載なし)

私費留学(3ヵ国)

デンマーク・フォルケホイスコーレ(folke hojskole):武田清香さん(政経コース・飯野ゼミ)

イギリス・イースト・アングリア大学:遠藤美里さん(言文・英米コース・栗田ゼミ)

カナダ:橋本 結芽さん(アジアコース・奥薗ゼミ)

インターン、ワーホリ(6ヵ国)

中国(上海・ホテルインターン):松井亮樹さん(政経コース・石川ゼミ)

ニュージーランド:一杉葉奈(ヨーロッパコース・飯野ゼミ)、三谷香南子(英米コース・栗田ゼミ)

オーストラリア(ワーホリ):二唐哲也さん(政経コース・前山ゼミ)

カンボジア(NGOインターン、ボランティア):山川侑哉さん(行動コース・石井ゼミ)、石田

萌さん(政経コース・宮崎ゼミ)、山田有美香さん(言文・小幡ゼミ)

イングランド(ワーホリ):丸山果鈴さん(行動コース・湖中ゼミ)

アメリカ(フロリダ、ウォルトディズニーワールドエプコット 日本館):長島かすみさん(政経

コース・宮崎ゼミ)

バックパッカー(22ヵ国)

アジア、アフリカ縦横断(22ヵ国):勝山一平さん(政経コース・坂巻ゼミ)

2017年3月の文部

省の発表によると、独立

行政法人日本学生支援機

構の実施した最新の調査

では、日本人留学生は平

成27年度で、8445

6人(前年比+3237

人)となり、過去最高を更

新しました。一方でここ

数年、従来主要国であっ

たアメリカへの留学者数

が減少し中国等のアジア

への留学が増加傾向にあ

ります。また短期留学の

割合が増える等、留学の

多様化が見られます。そ

OE

CD

の調査では、過去

最高を記録した2004

年以降連続して留学者数

は減少しています。背景

としては、対外的には国

際社会の変化やアメリカ

の学費の高騰、対内的に

は人口減少や所得の減少

が考えられています。

日本の大学生の留学事情 参照:文部科学省(2017年 3月 31日)

http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ryugaku/1345878.htm

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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フィリピン

フィリピン大学

村田智洋さん(政経コース・六鹿ゼミ)

田畑航平さん(アジアコース・高畑ゼミ)

言語:英語、タガログ語

村田智洋さん

期間:2016年8月~2016年12月

留学の動機

モスクワ国際関係大学等も検討している中

で、このフィリピン大学の募集を見つけました。

そこで、留学自体を希望していたのと、英語の

スキルアップも兼ねて留学を申し込むことに

しました。もともと第二外国語はロシア語でフ

ィリピンのタガログ語に触れたことが無かっ

たのですが、フィリピン(以下U

P

)では学生

や先生のみならず職員も英語が通じたので困

ることはありませんでした。

留学生活

U

P

では英語、国際政治と国内政治を受講し

ました。英語のクラスでは想像以上にアクティ

ビティが多かったのに驚かされました。2人組

を組み、授業外の時間に指定されたテーマにつ

いて外に出てエッセイを書いてくるのですが、

テーマが結婚式とか演劇の時もありました。国

際政治では上級コースを受講するよう指示さ

れたのですが、直後に国際法が専門の先生に担

当が代わり、課題文献等で大変苦労しました。

レポート、プレゼン、期末試験と全部あったの

ですが、クラスメイトに助けられながら乗り越

えることが出来ました。留学生は約100人程

でした。全体の8割以上がアジア人で、中でも

多かったのが韓国人と日本人でした。近場で物

価の安い英語圏の国だからかと思いました。厳

しい選抜を経て公費で来たと思われるカンボ

ジア人学生もいて、留学への意識に違いに刺激

を受けたりしました。ヨーロッパ系は1割程度

で、中東出身者がほぼ居なかったのも印象的で

した。

学生寮は去年から新しくなったそうです。3

~4人で1部屋でした。ベランダに街頭が設置

されたこともあり、羽虫やらゴキブリやらアリ

やらの虫に悩まされました。部屋内にウォータ

ーサーバーが設置されており、水に困ることは

ありませんでした。しかしキッチンは無く、食

事はキャンパス内の屋台等で済ませました。

UP

はキャンパスが本当に広く、一部に屋台街

が広がっていたり、勝手にバラック小屋に住ん

でいる人がいたりしました。病院やクリーニン

交換留学とは、日本の現在の大学に在籍しながら、

交換協定を結んでいる他大学に1年あるいは1学期

留学することです。学生の交換だけでなく、お互いの

国の文化や考え方の交換・交流も意味しています。

交換留学と私費留学の違い <交換留学のメリット>

授業料、入学金の免除(県大に収

める)

休学の必要なし、4 年で卒業可

単位取得可

寮費免除(一部の大学)

現地でのサポートの充実、私費

留学生より優遇されることが多

い。人気講義を取りやすい。

大学

大学

学生

学生 協

学費 学費

留学

留学

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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グもキャンパス内にあり、よく利用しました。

UP

はリベラルな大学としても有名で、キャン

パス内ではビラが撒かれ、反ドゥテルテデモや、

あるいは学費引き下げを要求する生活に密着

したデモが行われていました。

大学周辺の治安や衛生は心配したほどでは

ありませんでした。一方で携帯を3回も盗まれ

た友人もいました。持ち歩く現金は必要最低限

にする等注意しました。周辺にショッピングモ

ールも多く、普段の移動は徒歩か乗り合いバス

(ジープニー)でした。マニラは渋滞がひどく

空気が汚いので、気になる人はマスクが必要だ

と思います。全般的に物価は日本の半分ほどで

した。宿代やタクシー代も安くコレヒドールや

ダガイタイに旅行にも行きました。セブ島も行

きましたが、浜は全てホテルのプライベートビ

ーチになっていて、楽しめませんでした。

留学中大きなトラブルには遭いませんでし

たが、パソコンの不調に苦しみました。マイク

ロソフトのS

urfa

ce

を持っていたのですが、フ

ィリピンはマイクロソフトのサポート対象地

域ではありませんでした。A

ma

zon

でアメリカ

から部品を取り寄せたりしたのですが、結局使

えなくなってしまい、期末レポートはネットカ

フェで仕上げました。A

pp

le

やSA

MS

UN

G

対応していたそうです。パソコン選びも大切だ

と感じました。

最期に

フィリピンに到着した当初は、ここで1人暮

らしていけるかと心配でしたが、最終的に1人

旅もするようになりました。何か起こっても、

気持ちを軽く持っていれば何とかなると思う

ようになったのは大きな変化だったと思いま

す。また大学の外に出たことで学ぶことも多か

ったです。あるときタクシーの熱烈なドゥテル

テ支持者の運転手の話を聞いたことがありま

した。ドゥテルテの政策には批判もある一方、

彼は現在の警察の汚職の多さや再犯率の高さ

を問題視していました。リベラルで比較的恵ま

れている学生や先生の視点ではない、一般庶民

の生の考え方に触れることが出来たのは価値

ある体験でした。他にも敬虔なキリスト教徒に

出会えたり、様々なフィリピンの顔に出会うた

めに、タクシーに乗ることをお勧めします。

田畑航平さん

期間:

2015年8月~2016年7月

留学目的

英語及びフィリピンの文化を学ぶため

留学生活について

ゼミで日本に暮らすフィリピン人について研

究しており、その研究のためにもフィリピンの

文化についてより詳しく知りたいと思い、フィ

リピンへの留学を決めました。大学ではフィリ

ピン語と社会学を専攻しました。大学の寮に住

み、基本的には寮周辺の食堂で食事をしました。

日本で食事する半分ほどの値段でお腹いっぱ

いになれます。

毎日、本当に刺激的で思い返すと強烈なエピ

ソードでいっぱいです。

また、英語だけではフ

ィリピンを100パーセント楽しむことはで

きないと感じました。タガログ語、必須です。

これから、留学へ行く人にはとにかく頑張って

欲しいです!きっと、自然と楽しくなってくる

と思います!

留学で得たもの

語学力などはもちろんですが…なんといっ

ても異国の地で楽しく生活する力だと思いま

す。フィリピンは南国特有のゆっくりとした雰

囲気が流れており、わるくいうと本当に適当で

した…。笑

そんな生活に慣れて楽しむことが

できたのは非常に良かったなと思います。

詳細情報

講義:

フィリピン語、英語、社会学、国

際政治、国内政治

住居:大学の留学生寮

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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食事:

寮周辺の食堂,

、屋台

他の留学生

入学資格:特になし

VIS

A

:ビザの更新が2ヶ月に1度あり、

面倒くさい。手続きも非常に遅くて大変。

費用:月¥4~5万ほど

ロシア

モスクワ

国際関係大学

(通称:M

GIM

O

、ムギモ)

勝山一平さん(政経コース・坂巻ゼミ)

期間:2015年9月~11月(3カ月)

言語:ロシア語

学目的

中学、高校時代から将来は海外で働きたいと

いう思いがありました。また、知らない世界で

暮らす中で自分自身の知らない一面を見つけ

ることが出来るのではないかという期待もあ

りました。海外への留学や渡航を考える中で、

大学に入学して第2言語としてロシア語を選

んだ理由は、ロシアは海を挟んだ隣国であるに

も関わらず話せる日本人が少ないので、今後ロ

シア語話者の需要が増すのではないかと考え

たからです。また、交換留学では寮費等の支援

があり、休学の必要が無いことにも魅力を感じ、

MG

IMO

への交換留学を選択しました。

留学生活について

授業はほぼロシア語で、県立大学からの留学

生は「留学生向けロシア語コース」を受講する

ことになります。初日にテストがあり、その成

績に合わせてクラスが振り分けられます。同時

期に留学した留学生は60人ほどで、フランス

とドイツ出身者が多かったです。日本人は自分

も含めて4人でした。授業は1日2、3コマ、

×週4日ありました。会話の実践が中心で、他

にもテーマを決めてプレゼンテーションをし

たり、ロシアのアニメの鑑賞をしたりしました。

自分達日本人と比較して、欧州出身者はロシア

語の吸収が非常に速く、とても焦ることがあり

ました。すぐに学んだことを会話に取り入れて

いく彼らの姿勢を見ながら、やはり語学は口に

出して学んでいくべきと感じました。休日は地

下鉄を利用してモスクワ市内観光をしたり、夜

行列車を乗り継いでサンクトペテルブルクを

訪れたりしました。

生活全般の思い出としては、週に1回、無料

の洗濯サービスがあるのですが、その担当のお

ばあさんは常に文句を呟いていたのに、最後に

寮を立つときは熱く抱擁してくれました。この

ように知り合ったロシア人は、基本的に暗く無

表情で無愛想な一方、急に笑い出すこともあり

ツボが全く分かりませんでした。機嫌にムラの

ある人が多かったと感じました。また学生や先

生以外では英語が全く通じず、学校の事務や

VIS

A

手続きで苦労しました。他にも役所関係

では書類に不備があっても「違う」としか言わ

れず何もアドバイスされず、自分のこと以外の

何もやらずたらい回しにされる経験が多くあ

りました。このようなとき、旧社会主義国家の

雰囲気を感じました。

気候に関しては、やはり日本より体感的にも

寒かったです。9月末には雪が降り始め、雪の

日はずっと屋内にいました。防寒グッズは日本

よりずっと充実しているので困ることはあり

ませんでした。手袋、帽子、マフラー、ヒート

テックといった日本基準でマックスの装備を

持っていけば問題ないと思います。

留学で得たもの

M

GIM

O

が、外務省等の外国や国際関係の人

材育成機関ということもあり、学生の勉強意識

が非常に高いと感じました。海外の学生の勉強

方法や態度を間近に見られたのは自分にとっ

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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て大きな収穫だったと思います。欧州出身者に

囲まれて生き残る術を見つかられました。ちな

みに

MG

IMO

がエリート育成学校であるため

か、裕福な家庭の子弟が多いと感じました。周

囲の学生がヴィトンの鞄を持っていて疎外感

を感じることもあったので、あるならば良い服

を持っていくといいかもしれません。ロシアで

は演劇やコンサートが多く開催されますが、そ

の多くにドレスコードがあったので、スーツの

一着でも持ってくれば良かったと思うことが

ありました。

詳細情報

講義:ロシア語(希望すれば、ロシア語

で他の授業を受講することも可能だそ

うです。)

住居:学生寮(2人部屋、無償)

食事:学食あり(大学内は若干高いので、

近所のスーパーのフードコートやお惣

菜で済ませました。)

他の留学生:フランス、ドイツを中心に

同級生が60人ほど(日本人は4名)

入学資格:

特になし

VIS

A

:留学

VIS

A

を日本国内で取得、

ロシアで延長手続きもした。

費用:月5万円ほど

トルコ

ボアジチ大学

藤崎美佳さん(行動コース、石井ゼミ)

鈴木宏直さん(政経コース・坂巻ゼミ)

言語:トルコ語、英語

藤崎美佳さん

期間:2016年9月~2017年6月

留学の動機

大学生で留学をしたいと、もともと思ってい

て、中でも一番お金のかからない交換留学をし

たいと考えていました。英語も勉強したかった

というのと、初めて訪れた外国が6年前の家族

旅行で行ったトルコで、また県大に来ていたト

ルコ人留学生との触れ合いの中でさらに興味

を持ったこともあり、何かしらの縁を感じてト

ルコを選びました。

留学生活

初めの頃は言葉の問題もあって、授業が少し

つらかったです。ある「移民」に関する授業で

は、クラスのほとんどが何かしらのバックグラ

ウンドを持っていて、そういう面でも1人ぼっ

ちに感じたことがありましたが、先生がとても

やさしく、苦労している自分に気遣ってくれま

した。学生は発言意欲が大変旺盛で、質問で授

業が脱線することもしばしばでしたが、良い刺

激も多く受けました。また、グループワークに

慣れている学生が多く、自分のほうが準部して

きたはずなのに主導権を取られてしまうとい

うこともありました。キャンパスにはトルコ人

学生だけでなく、特にE

RA

SM

US

の留学生も

大勢いたのですが、E

RA

SM

SU

の学生は

ER

AS

MU

S

同士で常に集まっていて、少し排

他的に感じました。一方トルコ人学生は留学生

の自分を気にかけてくれて、フレンドリーに話

しかけてくれる人が多い印象を受けました。

秋学期は寮に、春学期は大学近辺のシェアハ

ウスに住みました。寮は3人のトルコ人学生が

ルームメイトだったのですが、真夜中にクラブ

から帰ってきて大声を喋ったり、自分と生活リ

ズムが合わず苦労しました。そこで教科書や日

用品等の不用品情報や近辺の不動産情報を掲

載している「ボアジチ・ハウジング」という

face

book

のページで情報を集め、750T

L

月のシュアハウスに引っ越しました。4人のル

ームメイトには社会人のいて、静かで過ごしや

すかったです。

観光地ではアジア人だからとからかわれる

こともありましたが、基本的にトルコは親切な

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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人に溢れていると感じました。少しでもトルコ

語を喋ると大変喜ばれました。一度、旅行中に

途中でバスが無くなってしまいバスターミナ

ルで途方に暮れていたところ、それを見かねた

バス会社のおじさんが他の全部のバス会社の

オフィスにもう一度掛け合ってくれて、残り1

席を見つけてくれました。他にもいろいろと熱

い人が多いのもトルコ人の魅力だと思います。

休暇中トルコ東部を旅行したのですが、旅行中

3回も求婚されました。食事に誘われたり、ツ

アーをしてくれたり、熱い人が多かったです。

他にもオッドアイの猫で有名なワン湖のホス

テルでは、私はピアノ担当で、即興演奏会で盛

り上がったり、人との交流が思い出として残っ

ています。

トルコには美味しい食べ物がたくさんあり

ました。中でも私は甘いものが好きで、バクラ

ヴァをたくさん食べました。カラキョイの「ギ

ュッルオール」(K

ara

koy G

ullu

oglu

)という老

舗のバクラヴァ店がお勧めです。他にも寮近く

のPID

E-B

AN

というトルコピザのお店も、機

会があれば一度足を運んでみてください。

最期に

留学はつらいことも多いですが、慣れてくる

と面白いですし、トルコは開放的な雰囲気で人

も優しいので、これからトルコに留学する人は

どうにかなるの精神で乗り切ってほしいです。

それと、トルコ旅行の醍醐味はバス旅にあると

思うので、休暇の際はぜひ楽しんでください。

鈴木宏直さん

期間:2015年9月~2015年7月

留学目的

費用や待遇の点で優遇されている交換留学

に早くから関心がありました。協定校の中で具

体的にトルコを考え始めたのは、大学2年生の

夏ごろからでした。ちょうどその頃、シリア内

戦も激化の一途を辿っており、国際法の授業で

も取り上げられた武力行使や自衛権、IS

IS

に対

して興味を持ち始めていました。そこで、国際

政治に関する最もホットな地域の1つである

中東地域に留学し、社会の様子や時代の変化を

肌で感じたいと思い、トルコ留学を決めました。

留学生活について

留学中、4人1部屋の学生寮に住んでいまし

た。秋学期は留学生のインド人と、春学期はト

ルコ人がルームメイトで、他学部の様子や実

家・母国の話題で盛り上がりました。敷地内に

24時間開館されている図書館もあり、学習環

境で困ることはありませんでした。大変だった

のはオンラインでの授業登録でした。アクセス

が集中して接続が遅くなることや、人気講義は

瞬時に埋まることもありました。物価は日本の

半分ほどで、学内の食堂で朝は¥30、昼と夜

は¥70ほどで食事がとれました。季節の野菜

や果物もおいしく、春はイチゴが¥200/1

キロで測り売りしていたので、普段常に何かを

食べていました。

ボアジチ大学はイスタンブール大学等の周

辺の有名大学と比較して、元々アメリカ人が建

てた大学が起源ということもあってか、学内の

宗教色は非常に薄いと感じました。キャンパス

内に様々な政治的主張のポスターが掲示され

ていたり、集会やデモ行進が行われていたりし

たのが印象的でした。敷地内で音楽会が開かれ

たり、トルコの映画を放映する映画館があった

りして、現在のトルコの芸術や文化を楽しむこ

とも出来ました。

治安自体に関しては、イスタンブール旧市街

地等の有名な観光地ではスリやぼったくりに

注意しましたが、基本的にトラブルはありませ

んでした。ガイドブックでは睡眠薬強盗への注

意喚起が強調されていますが、周囲では“靴磨

きおじさん”(歩いている観光客の前でわざと

道具を落とし拾わせ、感謝のしるしに靴を勝手

に磨き料金を要求する)等、言葉巧みにお金を

要求されトラブルに発展するケースが多かっ

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

11

たです。ある意味、注意力や交渉力を磨くこと

が出来ると思います。テロに関しては、IS

IS

集団の観光客を、P

KK

、TA

K

(クルドの鷹)は

政府機関を標的にした攻撃が多かったので、そ

れらの多い観光地や建物には必要な時以外は

近づかないように注意していました。

トルコはバス社会で、全国の様々な地域への

バス網が発達していました。オスマン帝国から

ローマ、ギリシャ時代まで、様々な時代や文化

の遺跡がトルコには溢れています。バスと格安

航空を組み合わせれば、休暇を利用して地域に

よって異なるトルコの面白さを体感できると

思います。

最後に

普段、日本ではあまり身近でないイスラム教

を身近に体感できる留学先だと思います。自分

は、休暇中にちょうどラマザン(断食)週と重

なり、友人宅で一緒に断食に挑戦しました。留

学に何を求めるかは人それぞれだと思います

が、留学を検討している人はぜひ一度、欧州以

外にも目を向けてみて欲しいと思います。アジ

アとヨーロッパの入り交ざった唯一無二の留

学をトルコでは体験できると思います。最後に

シリア情勢は大きく変動しているので外務省

の声明等、情報収集は欠かさず行っておいてく

ださい。

詳細情報

講義:週に4~5コマ

住居:4人1部屋の学生寮(無償)

食事:学食で1食¥70ほど

他の留学生:300人ほど。日本人は自

分も含めて10人程度

入学資格:T

OE

FL

受験、規程点の獲得

V

ISA

:渡航に必要なし、トルコで居住

許可証を取得

費用:生活費は月¥2~3万+

旅行費

(2016年度より返還不要の奨学金

が330T

L

/月支給される)

ドイツ

ブレーメン

経済工科大学

関瑠美夏さん(政経コース、六鹿ゼミ)

期間:2015年3月~8月(6ヵ月)

言語:ドイツ語、英語

留学目的

留学の目的は、自分が専門として学んでいく

国のことを実際に生活することで見てみると

いうものです。国際政治を専門に勉強し始めた

際、ドイツの政治を学ぼうと考えたため、一度

行ってみたくなったことがきっかけです。ブレ

ーメン経済工科大学への交換留学を選んだの

は、実際に現地の大学がどのようなものか興味

があったことと、単位が取得できる点、そして

4年で卒業できる点が魅力的だったからです。

私が専攻していた第二外国語はスペイン語で

したが、ドイツ語の基礎を少し学んでから留学

しました。

留学生活について

基本的には英語で行われる留学生用の講義

と語学の講義です。語学はドイツ語と英語の授

業を両方受けました。留学前に

Web

上でドイ

ツ語のテストを受け、それに応じてレベル別に

クラス分けがされました。ドイツ語で行われる

授業は、一定以上のドイツ語力がないと履修で

きませんでした。留学生用の講義の他にも英語

で行われる講義はあり、そちらも履修すること

ができました。講義内容は、私はドイツの歴史、

異文化コミュニケーション、プレゼンテーショ

ン、欧州の政治などを受講しましたが、他にも

経済や経営の講義が受講できるようでした。留

学生には、他国からの留学生に加え他大学から

留学してきた日本人も多くいました。

ドイツにおける滞在先はホームステイ、ルー

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

12

ムシェア、一人暮らしから選ぶことができ、事

前に大学からアナウンスがありました。私はホ

ームステイでしたが、部屋の一つを間借りする

ような形でした。ドイツは野菜や果物、乳製品

が日本より安く買え、一方で魚介類は高価でし

た。他はあまり日本と変わらないと思います。

また、ブレーメンは路面電車が多く走っていて

移動に便利でした。ドイツの人は天気のいい日

は外に出るのが好きで、よく大学の日本語コー

スを履修しているドイツ人学生からバーベキ

ューに誘われました。公園でやることが多かっ

たのですが、日本だと公園ではあまりできない

ので印象的でした。また、天気がいいと日光浴

をする人が多く、結構大胆な恰好で寝そべって

いるのが驚きでした。

困ったこととして、ドイツは他の国と比べれ

ば治安は悪くないと思いますが、日本と比べれ

ば悪いので注意した方がいいと思います。私は

一度、油断して路面電車内で財布を盗られてし

まいました。

ドイツの特色

ドイツという国の特徴は、地方ごと、都市ご

とにはっきりとした特色があることだと思い

ます。東と西、北と南で雰囲気も大きく変わり、

それが面白く魅力的です。もともと多くの国が

集まってできた連邦制の国なので、各都市の文

化の独自性も強いと感じました。傾向として南

はおおらかで陽気、建物もメルヘンなものが多

く、北は質素で静かな印象を受けます。東部は

旧東ドイツ時代の名残もあり、どこかノスタル

ジックな雰囲気が印象的でした。全体を回ると

雰囲気の違いがよくわかります。人は個人差が

ありますが、頑固でこだわりが強い人が多いよ

うに感じます。

詳細情報

住居:ホームステイ、ルームシェア、一

人暮らし

他の留学生:。日本人は10人以上いま

した。

入学資格:2年間以上のドイツ語学習経

験(私はスペイン語でしたが行けました)

VIS

A

:現地で申請。申請する場所は混

むが、必要な書類があれば手続きはスム

ーズ。決められた金額以上の残高証明書

を日本で準備する必要があるので注意

が必要。

保険:大学指定の健康保険に加入する必

要があり、大学から説明がある。2社ほ

ど提携会社があるが、どちらでも大差な

い。実際には使用しなかった。金額は忘

れてしまったが月々€

20程引き落とさ

れていた覚えがある。ちなみに現地で銀

行口座の開設も必要。

費用:旅行なども含め、半年間で100

万弱(学費は県大に払うので別)。

フランス

リール政治学院

グスタフさん(政経コース・坂巻ゼミ)

期間:2015年9月~2016年6月

言語:フランス語

学目的

ブラジルと日本で暮らしてきて、日本は先進

国だから好きなのか、日本だから好きなのか、

という疑問があり、他の先進国と比べられるよ

うな世界を見るための基準が欲しいと思って

いました。地域言語がフランスだったこともあ

り、私費留学よりお金の面でも制度の面でも充

実していると思い、交換留学をすることにしま

した。ちなみに、1年間フランスで暮らしてみ

て、制度面でも人の面でも居心地が良く馴染み

やすい日本がいいと私は思いました。

留学生活について

留学中、留学生向けの授業とフランス人の学

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

13

生向けの授業を半々で受講していました。1日

2~3コマ、週に10から15コマ程を受けて

いました。大人数の講義形式の授業よりも少人

数のゼミ形式のほうが多かったです。グループ

ワークでのプレゼンテーションが日本に比べ

て多いと感じました。授業中寝る人が全くいな

かったのも印象的でした。留学生は多く、10

0人ほどいました。日本人の学生は自分も含め

て8人でした。

日常生活では多くのトラブルに遭遇しまし

た。例えば、バスに乗る際、事前にチケットを

買い、乗車後すぐに切符を切らなくてならない

のですが、誰も教えてくれず下車時に罰金を€

30取られました。道を尋ねても大雑把にしか

教えてくれないことが多く、V

ISA

の申請でも

何にしても自分で聞きにいかねばならず、この

点については不親切に感じました。

食事についてはキャンパスの外にある学食

をよく利用していました。場所が分かりづらか

ったです。3~4ユーロほどで、メニューは毎

日変わりました。じゃがいも料理がとても多か

ったです。物価は日本と同じくらいでしたが、

野菜や果物は安かったです。フランスパンも安

く、60セントで長くて美味しいバゲットを買

えました。そればかり食べていたら15㎏も太

っていました。

移動手段に中古の自転車を買ったのですが、

買ってすぐにタイヤが爆発してしまい、その後

に盗まれてしまいました。そこで、リール市か

ら9ヵ月30ユーロで自転車を借りて、それに

乗っていました。その自転車で片道2時間かけ

てベルギーに行ったこともあります。乗り合い

サービスを利用し、ドイツのボードゲームのお

祭りに行ったこともありました。

リールはレンガ造りの街並みが綺麗でした

が、迷いやすかったです。リール市は留学生の

受け入れに積極的で、とても大規模な歓迎会も

開かれました。抽選の景品に世界のどこへでも

行ける航空券があったのが印象的でした。雪は

降りませんでしたが、リールの冬は暗く、曇っ

ている日が多かったです。太陽が低いため、ど

こにいても建物の陰で憂鬱になりました。

アドバイス

今後リールで政治学院へ留学する人へのア

ドバイスとして、セ・ウペ(C

EP

:政治学証明

書)を取得することを目指すべきだと思います。

必修の授業を取っていれば取得は難しくない

と思うので、授業に出席する目標になると思い

ます。また前述の歓迎会のようにいろいろなイ

ベントが大学や市内で開催されますが、大学は

あまり教えてくれません。歓迎会も、開催を知

らなかった日本人学生が大勢いました。インタ

ーネットや特に先生の話に情報が隠れている

ので、そのためにも授業に出席するのが良いと

思います。オーケストラの演奏を無料で聞ける

日や、普段は入れない全ての歴史的な建物や博

物館に無料で入れる日がありました。また私は、

ユニティ・テクノロジーズの会議や、近くのア

ニメーションの大学の講義の見学もしました。

詳細情報

講義:1日2~3コマ、週に10から1

5コマ程

住居:学校指定の学生向けアパート(個

室:280ユーロ/月)

食事:学食で1食3~4ユーロほど

他の留学生:100人ほどいました。日

本人は自分も含めて8人

入学資格:2年間以上の仏語学習経験

VIS

A

:日本国内で取得

費用:生活費は日本と変わらなかった。

リールに出張で来た宮崎先生とグスタフさん

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

14

アメリカ

オハイオ州立大学(私費)

カルフォルア州立大学サク

ラメント校

飯島佑介さん(言文・ディハーンゼミ)

期間:2016年5月~10月(オハイオ:

6月~8月、カルフォルニア8月~10月)

言語:英語

留学目的

高校生の頃から、日本の教育じゃない環境に

一度身を置いてみたいと考えていました。大学

進学の時点で知らない世界に行きたいと計画

していましたが、授業や部活に忙しく、部活を

引退した3年生の後期から休学してお金を貯

め始めました。しかし時期的に多くの秋始業の

大学は5月から夏休みに入るため、留学生を受

け入れている大学の学部を見つけることが出

来ませんでした。そこで、語学学校よりも大学

の施設内で勉強をしていたいと考えていたた

めアメリカの大学が実施している語学プログ

ラムに参加することにしました。多くの語学プ

ログラムは夏休み期間中、2シーズン開催され

ています。国際関係学部の先生のアドバイスも

あり、前半は県立大学の提携校であるオハイオ

州立大学のE

LI

(En

glish

Lan

gu

age In

stitute

に、後半は県立大学の主催する語学研修プログ

ラム「A

LP

」(Assista

nt L

an

gu

age P

rogra

m

に参加しカルフォルニア州立大学に留学する

ことにしました。アメリカの東西に各校が位置

していることも、この両大学に決めた理由の1

つでした。東西のアメリカの文化等の違いを見

ることが出来たと思います。大統領選挙期間中

だったこともあり、東のオハイオではほとんど

の学生がヒラリー支持だったのに対して、西の

カルフォルニアではトランプとヒラリーの

半々に支持が割れていたことが特に印象的で

した。

留学生活について

基本的に留学生だけのクラスで語学の授業

を受けました。アジア系とサウジアラビアから

の留学生が全体の8割以上を占めていました。

ただそれだけでなく、一般の学生の授業に潜り

込むこともありました。日本での授業と比較し

て学生の発言が段違いに多く、議論が非常に活

発でした。パソコンを使う頻度も高く、オハイ

オではレジュメも課題も全てパソコン経由で、

黒板を使うことはまれでした。サクラメントで

は潜り込んだ授業の学生が全員

Ma

c

だったこ

とが印象的でした。

内部生の学生との交流は自分次第だと思い

ます。有料で使い放題のジムがあり、自分はそ

こで知り合いを作りました。サクラメントには

JA

PA

N

クラブもあり、そこでの交流もありま

した。アメリカは車社会のため、人に頼らなけ

ればどこにも移動できません。そんな時、知り

合いに助けてもらうことが多くありました。

ON

E O

K R

OC

K

のライブを見に行った時は、

道中ヒッチハイクもしました。普段の通学では

$100で買った自転車を利用していました。

他の人はバスだったと思います。友人はペニー

でした。

オハイオではルームシェア(1ヵ月¥4万)

を、カルフォルニアではホームステイ(1ヵ月

¥12万)をしました。オハイオでは大学の勧

めるサイトで予約していたのですが、到着直前

に急遽キャンセルされ、学生の管理するアパー

トでルームシェアすることになりました。同居

人は電子科学専攻のナイジェリア人で、何度注

意してもバスルームの床がずぶ濡れだったの

が思いで深いです。カルフォルニア州立大学の

プログラムはアパートかホームステイか選べ

ますが、2人1組でどちらかに揃える必要があ

ります。自分のホストファミリーはインド出身

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

15

で、食事に関しては、朝はシリアル、夜は毎晩

種類の違うカレーでした。米の日もナンの日も、

やたらと辛かったです。ですが自分のホームス

テイ先は当たりだったと思います。ビジネスラ

イクな家庭も多いらしく、同じプログラムで参

加していた知り合いは、ホストファミリーは別

のものを食べているにも関わらず、2ヶ月間ず

っとミートスパゲッティだったそうです。ちな

みにオハイオに行く前、3週間ほどニューヨー

クに滞在しました。その時も、事前の予約がキ

ャンセルされてしまいましたが、電車で出会っ

た6

人グループに助けてもらい、彼らが住むシ

ェアハウスに泊めてもらうことができました。

日常生活で苦労したこととしては、アジア系

は若く見られるためか、年齢確認でトラブルに

遭うことがありました。特に21歳以上に見ら

れず、お酒が飲めない、入店できないというこ

とがありました。

留学で得たもの

語学を学ぶためだけに留学に行くのはもっ

たいないと思います。このことに自分は留学の

途中で気付きました。語学的なスキルは自然に

付いてくるおまけみたいなもので、これから留

学を考えている人は、それ以上に自分の興味あ

る分野にお金をかけてほしいと思います。なぜ

外国に行きたいのか、どんな自分になりたいの

かを問いかけることで、全く違った留学なると

思います。

詳細情報

講義:語学の授業

住居:オハイオ:ルームシェア(1ヵ月

¥4万)、カルフォルニア:ホームステ

イ(1ヵ月¥12万)

食事:自炊、学食、ホームステイ時はカ

レー

他の留学生:アジア系とサウジアラビア

からの留学生が全体の8割以上

費用:合計¥250万弱

ニューヨーク旅行中での1枚

募集対象・応募条件

本学の正規課程に在籍したまま、派遣されること。

本学における学業成績が優秀であること。

留学の目的が明確であること。

派遣期間終了後、本学に戻り学業を継続すること

(※ブレーメン経済工科大学)2 年以上のドイツ語学習歴ないしは同等のドイツ語力があること。

(※リール政治学院)2 年以上のフランス語学習歴ないしは同等のフランス語力があること

(※ボアジチ大学)英語による授業についていけるだけの英語力があること(TOEFL スコアの提

出必須:基準スコアは iBT で 79 点-80 点。ただし、基準点未満の場合も応募可)

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅰ:交換留学、短期語学研修

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交換留学

フィリピン大学(フィリピン)

・派遣期間:6 ヶ月 ・募集人員:1~2 名程度

・募集時期:12 月頃に翌年度の派遣希望者の募集を行う。

・授業料:派遣期間中、本学へ授業料を納入すること。(フィリピン大学の授業料は免除)

・宿舎:フィリピン大学の寮を用意(寮費は自己負担)。

モスクワ国立国際関係大学(ロシア)

・派遣期間:6 ヶ月以内 ・募集人員:1~2 名程度

・募集時期:12 月頃に翌年度の派遣希望者の募集を行う。

・授業料:派遣期間中、本学へ授業料を納入すること。(モスクワ国立国際関係大学の授業料は免除)

・宿舎:モスクワ国立国際関係大学の寮を用意(寮費免除)。

ボアジチ大学(トルコ)

・派遣期間:6 ヶ月~1 年 ・募集人員:1~4 名程度

・募集時期:12 月頃に翌年度の派遣希望者の募集を行う。

・授業料:派遣期間中、本学へ授業料を納入すること。(ボアジチ学の授業料は免除)

・宿舎:ボアジチ大学の学生寮を用意(3 名程度まで寮費免除)

・奨学金:資格要件を満たした者に月 3 万円程度の給付有り。

ブレーメン経済工科大学(ドイツ)

・派遣期間:6 ヶ月~1 年 ・募集人員:年間 4 名まで

・募集時期:一年に二回(冬学期申し込み締切:6 月 1 日、夏学期締切申し込み:1 月 15 日)。

・授業料:派遣期間中、本学へ授業料を納入すること。(ブレーメン経済工科大学の授業料は免除)

・宿舎:ブレーメン経済工科大学の学生寮を用意(寮費は自己負担)。

リール政治学院(フランス)

・派遣期間:6 ヶ月~1 年 ・募集人員:1~2 名程度

・募集時期:12 月頃に翌年度の派遣希望者の募集を行う。

・授業料:派遣期間中、本学へ授業料を納入すること。(リール政治学院の授業料は免除)

・宿舎:リール政治学院の学生寮を用意(寮費は自己負担)。

短期語学研修

ロジャーウィリアムズ大学(アメリカ)

・実施期間:8 月・3 週間 ・募集人員:10 人以上

・募集時期:前年度 12 月~4 月

・授業料:約 3,000 ドル(授業料・滞在費・ミールパス・ショートトリップ費用含む)

・宿舎:大学寮及び近隣宿泊施設(寮費は自己負担)。

カリフォルニア州立大学サクラメント校(アメリカ)

・実施期間:3 月・4 週間 ・募集人員:10 人程度

・募集時期:11 月

・授業料:約 2,000 ドル(授業料・フィールドトリップ費用含む)

・宿舎:ホームステイ(寮費は自己負担)。

浙江大学(中国]

・実施期間:2 月~3 月・3 週間 ・募集人員:10 人程度

・募集時期:11 月

・授業料:約 3,600 元(授業料のみ)

・宿舎:大学寮(寮費免除)。

静岡県立大学国際関係学部 HP 参照 http://ir.u-shizuoka-ken.ac.jp/exchange/guideline/index.html#exchange03

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅱ:私費留学

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅱ:私費留学

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デンマーク

武田清香さん(政経コース・飯野ゼミ)

学校:フォルケホイスコーレ

(folk

e h

oisk

ole

期間:9ヵ月(2016年1月~9月)

※1校目は1月~6月、2校目は8月

~9月(復学のため2校目は中退。)

言語:英語、デンマーク語(公用語はデン

マーク語)

留学目的

もともと海外への留学を考えていました。留

学先を検討する中で、ヨーロッパで民主主義に

ついて学びたいと考え、デンマークのフォルケ

ホイスコーレ(以下フォルケ)に行くことを決

めました。フォルケは1800年代に民主主義

の思想を一般に広く広めることを目的に作ら

れた学校です。大学のように単位や学位は取得

できないものの、広く開かれていて、デザイン

系、体育系、人文学系等、様々な分野に特化し

たフォルケがあります。

留学生活について

デンマークでは大学まで無料なので、大学進

学前に視野を広げるためや大学で何を勉強し

たいか見つけるため等様々な目的で入学する

デンマーク人に会いました。また、留学生も世

界各国から集まっていました。そのため、語学

学校より多様な人々に出会えたと思います。福

祉国家のため日本より物価は高かったですが、

大学の設備が充実しており殆ど生活は学内で

完結していました。授業は基本的にデンマーク

語でしたが、英語の授業もありました。また、

ほとんどのデンマーク人が英語を流暢に喋れ

たので、デンマーク語が話せなくても日常生活

で苦労することはありませんでした。

留学で得たもの

英語を使わざるを得ない環境だったので、語

学の成長がありました。また、周囲がほとんど

デンマーク人なので、英語を向上させつつデン

マークに浸れることが出来ました。

詳細情報

講義:国際関係、国際文化、カメラ、ア

ウトドア、ヨガ、ダンス

住居:寮(個室又は二人一部屋)

食事:3食学食+おやつ(24時間営業)

学生:デンマーク人約100人+日本人

3~5人+日本人以外の留学生約10

入学資格:特になしだが17.5歳以上

VIS

A

:学生ビザを日本国内で申請

(VIS

A

無しで90日間滞在可)

費用:1校目70万円、2校目20万円

(授業料、食費、教材費、旅行費込み)

歴史 フォルケホイスコーレの考えは 1830 年代に、神学者、作家、哲学者、歴史家、教育者そして政治

家であるグルンドヴィによって提唱された。1800年代初め、デンマークで啓発の思想が高まっており、

ナショナルロマンティシズムの伝統が発展していっていた。これらの思想にグルンドヴィは深く影響

され、また、イングランドのカレッジでの彼の個人的な経験をもとに彼はフォルケホイスコーレのコ

ンセプトをふくらめた。

グルンドヴィは社会で増加する民主主義の必要性-無学かつ貧しい農民を啓発する必要性-に気づい

た。この農民たちは大学に入学する時間もお金もなく、大学に代わるものを必要としていた。フォル

ケホイスコーレの目的は①人々が活動的な社会の一員となることを助け、②草の根から政治の状況を

変えるムーブメントと意味を与え、③社会の境界を超えて交流する場所となることだった。

要するに、もともとは民主主義の思想を一般の人々に広めるために作れらた学校が始まりというこ

とではないでしょうか。 (参考:http://danishfolkhighschools.com/about/history)

フォルケホイスコーレ(folke hojskole)について デンマーク全土に約 70校 全体的なホームページの URL http://danishfolkhighschools.com/

1.デンマーク語が第一言語である 2.デンマーク人の学生が 50%以上

3.決められた最低限の授業(民主主義について、自己啓発、EUの文化)を行う

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅱ:私費留学

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イギリス

遠藤美里さん(言文・英米コース・栗田ゼミ)

学校:イースト・アングリア大学

期間:2016年9月~2017年7月

言語:英語

目的

大学入学前から、留学が1つの目標でした。

イギリス英語が好きでネイティブに囲まれた

かったので、語学学校では留学生ばかりだと思

い大学に留学することを決めました。自分で探

す中で、無料で仲介してくれるエージェント会

社を見つけ、そこを利用しました。留学先の大

学を決めるにあたって、立地も大切な要素でし

た。ロンドンでは物価も高く、国際都市過ぎて

イギリス感が無いのでロンドンより郊外の大

学を選びました。最終的にイギリスの一流大学

INT

O

Un

iversity

Pa

rtnersh

ips

を利用し留学しました。

留学にあたりIE

LT

S

(Inte

rna

tion

al E

nglish

Lan

gu

age T

estin

g S

yste

m

)のアカデミック・

モジュールを受験し規程点以上を獲得する必

要がありました。IE

LT

S

は、英語の聞く、読む、

書く、話す、の4つの能力が測られる試験で、

イギリスでは留学や移民の資格として唯一、

IEL

TS

のスコアが認められています。私はわず

かに規程点に届かなかったので、最初の秋学期

は留学先大学のキャンパス内にある

INT

O

語学学校に通い、春学期は大学の映画・テレ

ビ・メディア学部に在籍しました。もともとイ

ギリスのロックバンド「T

he W

an

ted

」を知っ

たことがイギリス英語に興味を持ったきっか

けだったので、メディアを専攻しました。

生活について

授業に関しては、留学生は週3コマが上限で

したが、各講義に1コマのゼミがありレクチャ

ーとセミナーで1つのセットだったので、実質

週6コマありました。全員ラップトップを持ち

込んでおり授業の資料は事前にファイルで送

られてくるのが、日本と大きく異なると感じま

した。キャンパスが大変広く、ランドリーも病

院もスーパーもナイトクラブを全て学内にあ

りました。印象深い点として、L

GB

T

に関する

授業が多く、また学内のカフェもパブをトイレ

は性別で分けるのではなく「ニュートラル」で

した。L

GB

T

であることを隠さない学生が多く、

他学生も自然に受け入れており、日本より社会

に浸透していると感じました。

住居はホームステイを利用しました。ホスト

ファミリー自身が語学学校を運営していると

いうこともあり、大変親切にしてくださいまし

た。ビジネスライクなホストファミリーが多い

と聞きますが、私は大当たりだったと思います。

日本に造詣が深く、日本食も作ってくださいま

した。外食もしましたが、イギリスは紅茶やパ

ブ等、飲み物には力を入れている一方、食事は

全般的に味に深みが無いと感じました。

学生のオンオフの切り替えが明確で、特にオ

フの際は夜遊びに貪欲だったことも日本の学

生と違うと思いました。キャンパス内にもクラ

ブやパブがあり、毎週火・木・金・土曜日はパ

ーティーがありました。イギリスは18歳から

成人ですが、あまり遊ぶところがないこともこ

の傾向に拍車をかける要因だと感じました。日

本は居酒屋ですが、物価が高く学生なのでイギ

リスではホームパーティーが主流なのも、違い

が見えて面白かったです。ちなみにヨーロッパ

フォルケスコーレでの一枚

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅱ:私費留学

20

の学生の夜のしめはケバブでした。

周囲の留学生に関して、有名な大学なためか

裕福な家庭出身の中国人の留学生が印象に残

っています。全身ブランド物に固めた服装をし

ていました。両親の稼業を継ぐためか全員経済

学部に所属していました。

実質授業は秋学期3ヵ月、春学期3ヵ月で休

暇が非常に長いので、旅行によく行きました。

大学内でバス停があり、夜行バスの早割が大変

安いのでよく利用しました。ロンドンまで1ポ

ンドの時もありました。

最後に

日本人とつるむのも時に必要かもしれませ

んが、ほどほどが良いと思います。旅行とかは

信頼のおける人と一緒のほうがいいと思うの

で。これから留学を目指す人は、準備や勉強を

それなりに頑張ってください。

細情報

講義:週6コマ(講義3、ゼミ3)

住居:ホームステイ(食事つき、月¥8

万)

入学資格:IE

LT

S

の規定スコア獲得

VIS

A

:学生ビザを国内で申請

費用:学費、居住費、保険代の総額¥2

50万

カナダ

橋本

結芽さん(アジアコース・奥薗ゼミ)

行き先:

トロント

学校:

St.G

eorg

e In

tern

atio

na

l C

olla

ge

Toro

nto

※ワーキングホリデーも。)

期間:

2016年3月~2017年1月

言語:英語

留学目的

英語習得、異文化の体験

留学生活について

ほかの英語圏と比べて物価が安く、英語の訛

りも少ないことからトロントでの留学を決め

ました。また、様々な人種が暮らしているため、

差別を受けることも少なかったです。学校では、

スピーキングとビジネス英語の授業をとりま

した

後半はワーキングホリデーを利用して、同じ

学校でカウンセラーアシスタントをしました。

英語でのやりとりはとても苦労しましたが、い

い経験だったと思います。それと、カナダの

人々は定時になったら、ほとんどの人がすぐに

帰るんです。プライベートの時間を本当に大切

にしていると何度も感じました。また、語学学

校の先生からは、カナダの人々は礼儀正しく、

相手を思いやることができるということを誇

りにしていると聞きました。確かに、日常生活

の中でもそのように感じることが多く(ドアを

開けて待ってくれていたり、ぶつかったらお互

いに丁寧に謝りあったり…笑)、すごく良い国

だと感じました。

学で得たもの

ずばり、英語力とコミュニケーション能力。

そして何よりも国境や人種を超えて大切な友

達ができたことです。留学へ行く人へ何か言う

としたら…、とにかく頑張って欲しいというこ

とです。想像以上の経験が待っています!

詳細情報

講義:

スピーキング、ビジエス英語

住居:ホームステイ(1ヶ月、インドネ

シア人、3食込みで800カナダドル)

シェアハウス(2ヶ月目以降、日本人、

韓国人、550カナダドル)

食事:

自炊、たまに友達と外食(韓国

料理が安かった!)

VIS

A

:インターネットから自分でできるく

らい簡単!ただし、2016年度からワーホ

リビザの招待状の発行が抽選で行われるよ

うになったため、発行までに2ヶ月ほどかか

った。入国に間に合わなかったために、ナイ

アガラ国境でワーホリビザに切り替えた。

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

21

アイルランド・ゴールウェイの景観

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

22

中国 松

井亮樹さん(政経コース・石川ゼミ)

行き先:

北京、上海

ジャンル:インターン

学校:北京語言大学速成班

インターン先:上海银星皇冠假日酒店

(CROWN PLAZA

期間:

(語学学校)2016年9月~20

17年1月、(インターン)2017年2月

~7月

言語:中国語

目的

大学2年生の時に大学と静岡県が主催する

浙江省への1ヵ月の短期留学プログラムに参

加しました。そこでまだまだ語学力も知識を足

りないと痛感したことが、次回は1年間の長期

で留学しようと考えたきっかけでした。しかし

自分の性格的に1年間ずっと同じ場所では中

だるみしてしまうと思い、前半が語学学校、後

半はインターンシップに挑戦することにしま

した。中でもホテルインターンを選んだ理由は、

半年の語学留学のみで中国人だらけの環境中

で自分を試したい、そして国際関係学部だから

こそ中国人のみならずホテルに来る世界各国

の様々な方とつながりたい、という思いがあっ

たからです。学校やインターン先は、「C

IP

」と

いう日本のエージェントを通して決めました。

生活について

語学学校では「速成」コースに所属していま

した。普通コースの授業が午前中だけなのに対

して速成コースは1日中授業のある短期集中

コースでした。事前のテストの後、成績に応じ

てクラス分けがあり、授業は週5日、8時~1

7時までありました。北京語言大学は中国では

有数の外国語大学の1つで、自分はそこに所属

する語学学校に通っていました。規模の大きい

大学で、国籍に偏りなく様々な地域から留学生

が来ていました。当初、なかなか住む寮が見つ

からず、ホテル暮らしをしながら、授業後は毎

日、寮を回り空き部屋が無いか捜し歩いていま

した。

インターン先は留学中に決まりました。日本

のエージェントとの面接後、履歴書を送付しネ

ットで面接を受けました。留学中に

HS

K

4級

を、インターン中にH

SK

5級を取得しました。

現在6級の取得に向けて頑張っています。イン

ターン先のホテルは5つ星ホテルで、主な仕事

はフロントでした。週5日、昼の12時~21

時が勤務時間でした。ホテルの部屋に住み込み、

食事や洗濯のサービスもありました。仕事中に

同僚が携帯をいじったり休憩時間が各々勝手

ワーキングホリデーとは、2 国間の協定に基づいて

青年(18 歳〜25 歳、日本は 30 歳)が休暇を楽しみ

つつ一定の就労が認められる VISA 及び出入国管理

上の制度です。日本のワーリングホリデーの歴史は、

1980 年にオーストラリアと協定を結んだことに始ま

ります。2017 年現在、日本は計 18 ヵ国の国とワー

キングホリデービザに関する協定または取り決めを

結んでいます。なお基本的に国ごとに一生に一度し

か取得できません。

参考:外務省 HP、一般社団法人日本ワーキングホリデー協会

オーストラリア

ニュージーランド

カナダ

韓国

フランス

ドイツ

イギリス

アイルランド

デンマーク

※詳細は各国の大使館 HP を確認してください。

台湾

香港

ノルウェー

ポルトガル

ポーランド

スロバキア

オーストリア

ハンガリー

スペイン

ワーキングホリデーとは? ワーキングホリデー協定国一覧

(発効年順、18ヵ国)

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

23

だったりととても自由で、文化の違いに戸惑う

こともありました。

中国ではインターネットが規制されており、

Google

やFa

ceb

ook

、LIN

E

にアクセスできな

いため、VP

Nを利用し接続していました。VP

N

の存在を知らない中国人が多く、またネット規

制や共産党あるいは歴史問題についてあまり

話題に上らず、話が続かなかったのが印象的で

した。一方で中国ではオンライン決済が日本よ

り浸透していて、W

ech

at

ウォレット(微信支

付)を利用したネット決済が主流で、ほとんど

電子マネーを使いお財布や現金を出さなかっ

たのが衝撃でした。

インターンで働いているとき、日本人は英語

を話せない、とステレオタイプ的に言われたの

が悔しかったです。また、一度上海ディズニー

ランドに行ったのですが、列に並ぶのがまるで

戦争でした。何度も列を抜かされることがあり、

良く言えば自由な、ある意味ルール無用で無秩

序な側面も、中国にはあると感じました。

最後に

北京語言大学は「小さな国連」と呼ばれるほ

ど多様性に富んでいたのが印象的でした。なま

りの無い普通語を学べるというのは、この学校

の利点の1つだと思います。また、日本の企業

から留学している人も多く、就職等様々なこと

を話す中で自分の考えが広がったのもいい経

験だったと思います。

詳細情報

講義:週5日、8時~17時

住居:学生寮(¥4万/月)

食事:

学食(10~15元)、まかない

他の留学生:世界各国から

入学資格:

VIS

A

:X

2VIS

A

を国内で申請

費用:半年の学費¥18万+寮費¥24

万+保険代¥8万=合計約¥50万

ニュージーランド(

ウェリントン)

一杉葉奈(ヨーロッパコース・飯野ゼミ)

三谷香南子(英米コース・栗田ゼミ)

一杉葉奈さん

ジャンル:ワーキングホリデー

就労先:すし屋

期間:2016年9月~2017年3月

言語:英語

目的 留

学目的は特に決めていませんでした。表向

きは語学習得でしたが、本音では現実逃避(就

職活動やアルバイトなど)のようなものでした。

あとは、文化の違いに興味が有り、海外で暮ら

してみたいと考えていました。同じ南半球の中

でもオーストラリアと比べると、日本人があま

り行かないためニュージーランドを選びまし

た。その中でも比較的日本人が少なく、自然も

たくさんあるウェリントンを選びました。

生活について

ワーキングホリデーで働いていました。仕事

はクリスマスから年始まで休みでした。その期

間は仕事が無く暇でした。給料は週払いだった

万里の長城での一枚

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

24

のですが、クリスマスから年始の期間は働けな

かったため給料が無くなり家賃を滞納してし

まいました。物価はとても高かったです。フル

ーツや野菜は安いですが、肉は若干日本より高

かったです。ベーコンは安くて便利でした。気

候は、夏は湿気が無く日陰に入ると寒いぐらい

でした。なので夏はおすすめなのですが、冬は

常に天気が悪いです。

留学で得たもの

新しい価値観!というと、(笑)と思われる

かもしれないですが、海外経験で価値観が変わ

るのはあながち間違いではないのかな~と、感

じてます。6ヶ月という短い期間でしたが、そ

のなかで初めて一人暮らしをして、日本では会

えないような人に会い、良いことも悪いことも

あり…。初めての一人暮らしということもあり、

自分のことを見つめ直す時間が多かったので、

その中でネガティヴな自分を捨てることがで

きたり、とにかく日本では見えなかった自分が

出てきて、それはつまり新しい価値観というこ

とにも繋がっていたのかなと思います。振り返

ってみると、決して語学力は上達したと言えな

いですが(笑)、それだけではないいろいろな

ことを学べた素敵な6ヶ月間です。

詳細情報

住居:ホームステイ、ルームシェア、マ

ンション(自分の部屋以外全て共同)

食事:自炊

VIS

A

:指定病院で胸部のX線をとって、

名古屋か東京で申請。実際はいらなかっ

たが残高証明も必要。

費用:40万円台後半

三谷香南子さん

ジャンル:ワーキングホリデー

就労先:カフェ、レストラン

期間:2015年9月~2016年6月

言語:英語

留学目的

語学習得と海外に住んでみたいと考えてい

ました。また、これまで実家暮らしだったため、

自分で何かできるようにならなければいけな

いと思いました。様々な制約がある留学ではな

く、自分で全て決められるためワーキングホリ

デーを選びました。

留学生活について

仕事を探すのが大変でした。履歴書を20~

30件配り、それでやっと4件声がかかり、実

際に働いたのは2件でした。給料は振り込みで

した。現地で口座は絶対必要です。家賃はネッ

トバンキングで振り込みでした。ニュージーラ

ンドはカード社会で屋台でもカードが使えま

した。また、マオリ族のタトゥー文化に驚きま

した。マオリの文化で顔全体にいれている人も

見かけました。自分も少し小さいものをいれよ

うかと思うぐらいでした。

留学で得たもの

今まで実家暮らしでしたが一人で生活でき

るようになったと思います。また、発言する力

がつきました。私は授業で自分の意見を言う場

合は求められた時だけだったので、自然と発言

することが最初できず、授業中クラスの話に入

っていけませんでした。他には、世界中に友達

ができました!ヨーロッパや南米が多いです

が、特にアジアの国の中では韓国人と中国人に

とても良くしてもらったので、偏見もないし、

とても良い印象があります。韓国人や中国人が

日本に対して悪いイメージを持っていると思

っていたので、そんなことはないと分かったこ

とは、得られた実感としてとても大きいですし、

勝手に勘違いしてはいけないことだと思いま

した。また、働いていたため、実用的な英語を

身に付けることができました。帰国後もアルバ

イト先でその英語を活かして使っています。

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

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詳細情報

住居:ホームステイ、マンション(自分

の部屋以外は全て共同)

食事:自炊(お昼はまかない)

費用:70万円

オーストラリア

二唐

哲也さん(政経コース・前山ゼミ)

インターン先:現地のケバブ屋さん

期間:

2016年2月~2016年9月

言語:英語

目的

英語のネイティブの国での生活

生活について

オーストラリアに行く前はフィリピン大学

へ県立大学の提携校留学で留学をしていまし

た。もちろんフィリピン大学での経験も自分に

とって重要なものとなりましたが、一度ネイテ

ィブの国で生活してみたい、また渡航準備から

現地で働くということまで全て自分自身の力

でやってみたいという思いからオーストラリ

アでワーキングホリデーをすることにしまし

た。現地では、ケバブ屋さんで働いていました。

さまざまな人種が住んでいるので、驚くことも

ありましたが、毎日働いていて楽しかったです。

そんな中でも、強烈なエピソードとしては、流

血乱闘事件です。

あまり詳しくは思い出した

くないですが…お客さん同士が乱闘して、流血

してしまうというとんでもない事件もありま

した。

しかし、そんな中で生活できたことは自信に

つながりました。だからこそ、今から留学へ行

く人や悩んでいる人にはとにかくいってらっ

しゃいと伝えたいです。

留学で得たもの

自分の権利を主張することです。実はワー

キングホリデー先から、給料が払われないとい

う事態もあったりして…そんな中で、やはり自

分の意見を主張することの大切さを実感しま

した。留学前よりも自分の意見を主張したり、

権利を主張したりする力が確実についたと思

います。

詳細情報

住居:ルームシェア

食事:

ケバブ屋さんのまかない

VIS

A

:比較的、簡単だと思います。

カンボジア

山川侑哉さん(行動コース・石井ゼミ)

石田萌さん(政経コース・宮崎ゼミ)

山田有美香さん(言文・小幡ゼミ)

山川侑哉さん

ジャンル:N

GO

インターン

受け入れ先:C

CP

CR

(Com

bod

ian

cen

ter

for th

e P

rote

ction

of C

hild

ren

’s Rig

hts

期間:

2016年4月~2017年1月

(インターンは8月~12月の5ヵ月間)

言語:クメール語、英語

動機な主な活動

N

GO

サークルあおいに所属していて、今ま

で3回ほど2週間づつカンボジアを訪れたこ

とがありました。現地を訪れ交流を重ねる中で、

カンボジア社会の有する様々な問題に気付く

ようになりました。そこで中途半端になるので

はなく、どうせならもう一度行こうと決意を固

めました。現地到着後3か月間、語学学校に住

み込みインターン先を探しました。卒論テーマ

に関係する複数の人身取引

NG

O

を見る中で、

元々あおいの活動で関係のあった

CC

PC

R

インターンを受けることになりました。広報ス

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

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タッフとして採用され、写真撮影や記事の執筆

に取り組みました。また、現地で撮影した写真

で、国連広報センターと上智大学主催の「わた

しが見た、持続可能な開発目標」学生フォトコ

ンテストで優秀賞を頂きました。

病気・トラブル

滞在中、3度体調を崩しました。バクテリア

の感染で、5日ほど寝込みました。予防接種を

受けるべきでした。夜間外出しない、生野菜を

食べない、歯磨きで水道水を飲み込まない、等

注意することだらけでした。

詳細情報

住居:語学学校の部屋($240~$1

00/月、1人部屋、W

i-Fi

有り)

VIS

A

:マルチプルV

ISA

($300/年、

何回も出入国可)

石田萌さん

ジャンル:N

GO

インターン

受け入れ先:H

op

e o

f Ch

ildre

n

(拠点はイ

タリア)

活動場所:ノリア孤児院(バッタンバン)

期間:

2016年12月~3月

言語:クメール語、英語、日本語

動機や主な活動

山川さんと同じくN

GO

あおいに所属してお

り、今までに複数回カンボジアを訪れた経験が

あったのですが、一度長期間の滞在をしたいと

考えていました。現地の人と一緒に働きたいと

考えていた中で、ゼミの先生に相談をし、先生

の知り合いを通してインターン先を見つけま

した。イタリアのN

GO

のカンボジア支部の運

営する孤児院で、主な仕事は英語と日本語を教

えることでした。

病気・トラブル

滞在中に体調を崩し、現地の病院の診療を受

けました。日本人の経営する、加入した保険の

提携病院を出来るだけ探しましたが、地方の場

合はやむを得ずそれ以外の病院を利用しまし

た。高熱と頭痛の酷い中で、英語で自分の症状

を説明するのは大変難しかったです。インフル

エンザの検査が$650かかるのですが、保険

に加入していたため何度も診療を受けること

が出来ました。

詳細情報

住居:語学学校の部屋(上と同じ)とゲ

ストハウス($240/月)

VIS

A

:マルチプルV

ISA

山田有美香さん

ジャンル:ボランティア

(教師)

受け入れ先:愛・センター

期間:

2016年4月~7月

言語:クメール語、英語

動機や主な活動

上記二人と同じく、N

GO

あおいに参加して

おり、一度長期間カンボジアに滞在してみたい

と考えていました。また日本語教師に興味があ

ったのですが、自分が参加費を払わなければ教

優秀賞賞作品、タイトル「再開」

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

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えられないところが多かったので、無料で日本

語教師になれるところを探しました。インター

ネットで調べる中で、日本人が代表を務めるフ

リースクールを見つけ、そこに申し込みました。

その学校では、低学年から高学年まで3クラス

が存在し、私は高学年に体育と音楽の授業を、

夜間の高校生に日本語を教えました

病気・トラブル

昼間、街を歩いているときに、2人乗りのバ

イクにひったくりに遭いました。それからは普

段余分なものは持ち歩かないように注意しま

した。また、部屋で保管していたパソコンとカ

メラが何者かに盗難されました。どうも大家さ

んが盗んだと疑っています。

詳細情報

住居:現地スタッフの家に居候

VIS

A

:観光V

ISA

($30/3ヵ月)

3人のまとめ

滞在中に、“カンボジアの父”“カンボジアの

母”、“カンボジアの名前”をもらいました。カ

ンボジアのバッタンバン等の地方では日本人

観光客が少なく、様々な国籍の方と交流するこ

とが出来ます。イオン等、そこそこ日系企業も

進出しているので、望めば日本に近い生活もで

きます。

カンボジアの方々の、人懐っこいまるで土足

で踏み込んでくる感じが、気をつかわずとても

気楽でした。確かに病気や盗難を含めトラブル

は尽きませんでしたが、それでなお惹きつける

何かがあるのがカンボジアです。あれもこれも

愛があるから許せると思います。その魅力を十

分に伝えられたか分かりませんが、「行ったら

分かる国」、それがカンボジアです。

アイルランドダブリン、ゴールウェイ

丸山果鈴さん(行動コース・湖中ゼミ)

ジャンル:ワーキングホリデー

職種:ベビーシッター

期間:2015年4月~2016年2月

言語:英語

目的

中学高校のころから、海外に行くのが1つの

夢でした。そして大学入学後お金があまりなか

ったので、ワーキングホリデイの制度を利用す

ることにしました。英語圏の国の中で、カナダ

やオーストラリアは日本人が多い一方、アイル

ランドは本屋でもインターネット上でも情報

がとても少なったので興味が湧き、事前情報が

ほぼない状態でアイルランドに渡りました。渡

航後3ヶ月間は首都ダブリンの語学学校に通

い、その後5ヶ月間ベビーシッターとして住み

込みで働きました。そして最後の2ヶ月間は働

いて貯めたお金でヨーロッパ放浪の旅をしま

した。語学学校は渡航前、「アース・タイムズ」

という手数料を取らない仲介業者を通して見

つけました。

生活について

語学学校では事前にテストがあり、その成績

に応じてクラス分けされました。文法の問題が

簡単で、自分は上級クラスに割り振られたので

すが、リスニングに苦戦しました。早口で乱暴

なアイリッシュ訛りも聞き取るのが大変でし

た。学生の出身国は大体、ブラジル人が5割、

イタリア、スペイン人が3割、韓国人が2割で、

日本人は自分だけでした。

語学学校在校中、最初の1ヶ月間はホームス

テイ(¥11万/月)をしていましたが、値段

が高いうえビジネスライクで会話も少なく、食

事も冷凍食品でした。その後学校の寮に移る予

定でしたが、友人に勧められ、1フロア12人

(個室に3人)のシェアハウス(¥6万/月)

に引っ越しました。住人の半分がイタリア人で、

分からないイタリア語の映画が流れていたり

して疎外感も少しありましたが、楽しかったで

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

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す。学生だけでなく、出稼ぎで住んでいる若者

もいました。イタリア出身の出稼ぎシェフが2

人いて、イタリア料理を振舞ってくれました。

仕事は、語学学校在学中に探しました。カフ

ェやレストランの仕事は日本でも出来ますし、

なかなか働き口が見つからないと聞いていま

した。それに対してベビーシッターは条件不問

なら簡単に見つかり、また日本ではあまり普及

しておらず体験したことが無かったので、ベビ

ーシッターをすることを選びました。ベビーシ

ッターの職探しは、「オペア」(A

u-P

air

)とい

うサイトを利用しました。サイトを通して履歴

書を送り、スカイプで面接しました。そしてア

イルランド西部の小さな都市、ゴールウェイに

職を見つけました。

ベビーシッターの仕事内容は、1歳と3歳の

子供の世話で、3時間おきの昼寝とミルク、そ

れと適宜おむつの取り換えがありました。食事

は作り置きがあったので、調理はしませんでし

た。週休2日で、勤務時間は8時~18時でし

た。英語でのあやし方が分からず、試行錯誤に

苦労しました。子供たちと触れ合うのは楽しい

一方、なかなか友人と都合がつかず社会と切り

離された感を感じたこともありました。英語で

あやすコツを掴んでも、この仕事を続けていい

のかという不安を消えず、自問自答を繰り返し

たこともありました。それでも契約が終わった

後、ご両親から感謝の言葉を頂いた時は、大変

うれしく感じました。子供でも親でもない立場

から身近に家族を見られたのも、ベビーシッタ

ーならではの面白さだと感じました。

数少ない休日は、友人と一緒にカフェに行っ

たりして過ごしました。著名な観光地は少ない

ですが、ゴールウェイは中世の街並みがよく残

っており、小さくとても可愛らしかったです。

気候は常に風が強く、寒かったです。ほとんど

曇りで雨もよく降りました。憂鬱な気分になり、

まさか自分が天候に影響を受けるとは、と驚き

ました。アジア系が少ないということもあって

か、人種的な嫌がらせに遭遇することもありま

した。旅行中、電車内で10代の若者に嫌がら

せを受けた時は、マイノリティーの肩身の狭さ

を感じました。

最後に

この1年、失敗しても何をしても後に関係し

ないから、何でも思いつくことをしようと心が

けてきました。新しいことに挑戦しても意外に

誰かが助けてくれて絶対にどうにかなる、と考

えるようになったと思います。アイルランド自

体は、天候によくないですし、安定した生活を

求める人には私はおすすめしません。ですが、

挑戦を求め、変化を楽しめる人には向いている

と思います。それと最後に、私は渡航直後、日

本をよく思ってもらおうと、日本人代表として

行動しようと意識しすぎて疲れてしまったこ

とがありました。留学等に行く人は自分のリズ

ムを大切に過ごしてください。

詳細情報

勤務時間:週5日、9時~18時。

住居:ホームステイ、シェアハウス、住

み込み。

食事:マッシュかボイルかフライか、と

にかく根菜とジャガイモ文化だった。

他の留学生:ブラジル人が5割、イタリ

ア、スペイン人が3割、韓国人が2割。

VIS

A

:事前に国内で取得。面接なし、書

類のみ。(長くかかるが比較的簡単。)

費用:総額¥60万

アイルランド・ゴールウェイの街並み

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

29

アメリカ

長島かすみさん(政経コース・宮崎ゼミ)

行き先:

フロリダ

勤務先:米国三越

CR

プログラム

ウォル

トディズニーワールドエプコット

日本館

期間:

2016年3月~2017年4月

言語:英語

目的

もともと留学したいという思いがあり、カナ

ダでワーキングホリデーをしようと契約し、カ

ナダに飛び立ちました。留学したいという気持

ちと同じように幼い頃からあったのは大好き

なディズニーで働きたいという気持ちでした。

そこで、カナダ留学契約後に見つけたのがこの

プログラムでした。もちろんみんなに内緒

で・・・笑

その後、順調に3次まで進みまし

たが、時を同じくしてカナダに行く日となり、

渡航。一ヶ月のカナダ滞在中に次の面接のため

に日本に帰らなくてはならなくなり、ホストフ

ァミリーとの話し合いを経て、帰国しました。

この際、受からないかもしれないという不安や

リスクを背負うことより、幼い頃からの夢を叶

えたいという気持ちでいっぱいでした。迷いは

なかったです。

生活について

会社の用意してくれる寮で生活していまし

た。アメリカ人はもちろんのこと、世界各国か

ら来た人々と2人から8人部屋で過ごします。

わたしは3人部屋でしたが、色々気になる人だ

と大変かも。あとはルームメイトによりますね。

異なる国の人と一緒に住むことで、みんなで寿

司パーティーしたり、夜中にムービーナイトし

たり、普段の生活から異文化を感じられるのも

ルームシェアの醍醐味だと思います。食事は、

基本的には自炊でした。働いている場所はもち

ろん夢価格ですが、徒歩10分でスーパーへ通

うことができバスで30分のところに大型ス

ーパーマーケットもありましたので、困りませ

んでした。週休2日で働いていましたが、何か

のイベントの際には会社から料理やお菓子が

配られることもありました。

プログラムで得たもの

今でも忘れられない思い出が本当にたくさん

できました。辛かった思い出も、嬉しかった思

い出も含めて…嬉しかったこととしては、だれ

かの初めての日本人になる経験ができたこと。

そして、日本に興味をもっともってくれたり、

小さい男の子に「僕、日本の大学に行きたいん

だ」と言われた時には、もう本当にかわいくて

嬉しくて…そのほかにも、毎日、本当に素敵な

人たちと出会いました。折り紙をくれる子ども

もいました。その反面、悔しい思いや辛い思い

もしましたが、その経験が自分を成長させてく

れたと思います。だからこそ、留学に迷ってい

る後輩たちにはぜひ、リスクを考える前に行っ

ちゃいな!と伝えたいです。

詳細情報

住居:会社の寮

食事:

自炊

他の留学生:アメリカ各地、世界各国

VIS

A

:会社用意

ウォルトディズニーワールドエプコットにて

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政経時代 5 号「海外留学」・Ⅲ:インターン・ワーキングホリデー

30

ワーキングホリデーの詳細細は http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/working_h.html

我が国及び当該相手国・地域は,それぞれ,ワーキング・ホリデー制度の利用者に対し,滞在期間中におけ

る旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認めています。

日本人の方は,当該相手国・地域によって就業職種,同一雇用主の下での雇用期間等につき制限される場

合がありますので,詳細は駐日外国公館等へお問合せください。

ワーキング・ホリデー制度を利用して海外に渡航された方の中から,不当に安い賃金で働かされた,ある

いは雇用主等からセクハラやパワハラを受けるなどしたとの情報が寄せられています。海外で働く場合に

は,現地の労働法規等を含め,前もって十分に情報収集されることをお勧めします。

外務省情報

オーストラリア NZ カナダ 韓国 フランス ドイツ

年間発給枠 無 無 6500人 10000人 1500人 無

イギリス アイルランド デンマーク 台湾 香港 ノルウェー

年間発給枠 1000人 400人 無 5000人 1500人 無

ポルトガル ポーランド スロバキア オーストリア ハンガリー スペイン

年間発給枠 無 500人 400人 200人 100人 250人

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅳ:1人旅・バックパッカー

31

旅立ちの動機

昔から、貧乏旅やバックパッカーに憧れを抱

いていました。そんな中、ロシアのモスクワ国

際関係大学への留学経験を通して、ヨーロッパ

出身の人たちの言語能力やガツガツ感に影響

を受けて、もう少し世界への見聞を深めたいと

帰国後考えるようになりました。そして自己成

長を目指して、旅立ちを決意しました。出発当

初は沢木耕太郎の「深夜特急」に影響を受けて、

小説のルートに沿ってアジア各国を回りイン

ド到達後、中東そしてヨーロッパを経由し、ユ

ーラシア大陸最西端のポルトガルのロカ岬を

目指す予定でした。しかし、インドで犬に噛ま

れるというハプニングに見舞われ、治療やその

他様々な事情のためインド後はアフリカ大陸

を南下するルートに急遽変更することになり

ました。

海を渡る場合を除いて、基本的に移動はバス

を利用し、交通の起点となる各国の首都と道中

の気になった村を訪問しました。宿泊は安いバ

ックパーカー向けホステルを利用しました。国

ごとに現地の料理を食べ、ローカルな交通機関

を利用し、現地のコミュニティーに紛れ、その

土地の社会問題や歴史について聞きこみなが

ら旅を続けました。

訪問国一覧(訪問順)

フィリピン

飛行機

タイ

ミャンマー

ラオス

カンボジア

ベトナム

チベット

飛行機

マレーシア

飛行機

インド

飛行機

UAE(ドバイ)

カタール

飛行機

エジプト

エチオピア

ケニア

ウガンダ

ルアンダ

タンザニア

ザンビア

ジンバブエ

ボツワナ

ナミビア

南アフリカ

帰国

勝山一平さん(政経コース・坂巻ゼミ)

期間:2016年5月~12月(8カ月)

訪問国(22カ国)

旅行ルート

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅳ:1人旅・バックパッカー

32

アジア編

まず始めに、フィリピンのセブ島で語学学校

に1カ月間通い、それから本格的な旅に出発し

ました。アジア各国の中でも最も印象深かった

のは中国四川省色達にあるラルンガルゴンパ

(五明佛学院)でした。ラルンガルゴンパは、

東チベットのチベット仏教の聖地の1つです。

しかし現在は中国当局によって外国人の立ち

入りが禁止されて、中心部へ続く道は全て検問

で封鎖されていました。建物の取り壊しや再開

発が理由と言われています。そこで、深夜から

早朝にかけての検問の時間外に現地の車を雇

って潜入することにしました。監視カメラの目

を逃れ辿り着いた先にあったのは、朱色の建物

が所狭しと並ぶルンガルゴンパの壮大な景観

でした。中国では警察官に身分証明書の提示を

求められることが多かったのですが、幸いラル

ンガルゴンパでは警察に呼び止められずに済

みました。

アジアでは基本的に屋台料理を食べていま

した。元々タイ料理が好きで、中でもカオンマ

ガイ(海南鶏飯)を食べていました。ミャンマ

ー料理は少し脂っぽく、苦手でした。メニュー

に困ったときはフライド・ライスか、フライド・

ヌードルを頼んでおけば、困ることはないと思

います。

インド編

インドではお金関係のトラブルが多くあり

ました。インドで出会った人の多くはとても人

懐っこい一方、しつこいと感じました。特に相

手が意図的に釣銭を準備しておらず、支払いを

巡ってトラブルになることがありました。もち

ろんインド人が全てそうというわけではなく、

特にヴィジャヤナガル王国の古都「ハンピ」は

人も少なく穏やかな、インドの良さを実感でき

ました。犬に嚙まれたのは、ガンジス川沿いの

街「バラナシ」を訪れたときでした。インドは

至るところ犬だらけで、何度も追いかけられた

経験があったので相応に注意をしていました。

しかし、狭い入り組んだ路地で迷っていた時に、

突然足を噛みつかれました。当日泊まっていた

ドミトリーに日本人の看護師の女性が同じく

宿泊しており、その人に対応策を教えてもらい、

保険会社に連絡し、日曜でしたが医者の家で狂

犬病のワクチンの注射を受けることが出来ま

した。

事前に狂犬病の予防接種を受けていなかっ

たため、今後定期的に病院で注射を受ける必要

がありました。しかし、保険会社に相談したと

ころ今後行き先に予定している中央アジアに

はこの保険会社が対応できる病院が存在して

いないということ聞かされました。また、当時

インドで出会った旅行者からアフリカ行きを

進められたため、予定を変更し、まずは物価も

安く保険会社が対応している病院もあるエジ

プトに向かうことに決めました。そして航空機

のトランジットで途中カタールを経由し、アフ

リカ大陸に進みました。

アフリカ篇 ~

アフリカの旅行事情~

アフリカは観光客がアジアと比べて少ない

せいか、宿が少なく、価格が高く、かつ状態が

悪いところが多かったです。エチオピアで泊ま

った宿では、マットレスの状態が悪く、南京虫

バラナシでの一枚(インドにて)

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅳ:1人旅・バックパッカー

33

やダニ、ノミ対策で寝袋に包まる必要がありま

した。交通の便も悪く、検問が多くまた夜行バ

スが禁止されている国も多かったためアジア

と比べて移動に苦労しました。席が満席になら

ないと発車しなかったり、当日券しか売ってい

なかったりしたため、一日を移動に費やすこと

も多くありました。状態も悪く、車内は汚く冷

房の無いバスが多かったです。人が溢れ、通路

まで人が座っていることもありました。また多

くの場合、目的地にたどり着くためには現地で

車をチャーターする必要があったため、予想以

上にお金がかかりました。複数人で移動すると

一人当たりの値段を安くすることが出来るた

め、インドで出会った友人もアフリカ行きを誘

ってくれたのだと思います。

大きな犯罪には逢いませんでしたが、道中の

宿で犯罪に巻き込まれた話を多く聞きました。

アジアでは、やはり睡眠薬強盗の被害が多いと

感じました。クラブやバーといった場所だけで

なく、マクドナルドのコーヒーに混ぜられたと

いう話もありました。アフリカでは犯罪が多い

ため、軽犯罪では警察官がまともに取り合って

くれないということが多いそうです。売春婦に

関するトラブルも多く、自分自身バーで隣だっ

た女性が勝手に宿の部屋まで付いてきて、勝手

に脱ぎだしお金を要求されるトラブルに遭い

ました。

食事に関しては、アジアとは異なりほとんど

屋台が無いため、1食¥

200程の大衆食堂を

利用していました。よく食べたのは「ウガリ」

というキャッサバ等の穀物をすり潰し練り上

げたものと、チキンです。チキン&フライドポ

テトは場所を選ばずどこにでもありました。野

菜はバナナやマンゴーといった果物で補って

いました。アフリカで最も印象深かった料理は

エチオピアで食べた「インジェラ」です。世界

一まずい食べ物として有名で、味も見た目も雑

巾のようでした。

~アフリカの人々~

アフリカで出会った人は、「大家族感」にあふ

れていたと思います。バスでは膝の上に子供を

乗せるのが一般的でした。移動中、知らない子

供が自分の膝の上に載っていることもありま

した。タンザニアでは国境でお金が尽き

AT

M

を見つけられず困っていた時に助けてくれた

人の家にホームステイしたことがありました。

5人の子供を持つ大家族で、大変もてなしてく

れました。水道が通っていないにも関わらず運

んだ水をシャワーとして使わしてくれました

こともありました。人と人の距離も近く、エチ

オピアでは道端で呼び止められ、コーヒーをご

馳走になったり、子供たちとサッカーに興じた

りしました。当時の髪型をモヒカンにしていた

ため、アフリカのサッカーのスーパースターで

あるマリオ・バロッテリー(M

ario

Ba

lote

lli

に似ていると言われ、有名人になりました。率

直で遠慮がないのもアフリカで出会った人た

ちの特色だと思います。バスで隣の人にお菓子

を取られたり、髪の毛を興味津々に触られたり

しました。中国人以外にアジア人にあったこと

のある人が少なく、ストレートの髪の毛が珍し

がられました。

~エチオピアと伝統民族~

ケニアでは、民族巡りのツアーに参加しまし

た。アフリカの伝統的な民族に会うためには基

本的にツアーに参加しなければならず、主要な

村でその勧誘が行われていました。平均して参

加費は日本円で¥2万ほどでしたが、ぼったく

りもありました。ある民族では成人になるため

の通過儀礼を見学しました。男性は「ブルージ

ャンプ」と呼ばれる約10頭の牛の上を全裸で

走る儀式を、女性は鞭打ちを受けていました。

一方で民族の伝統が商業化している側面もあ

り、他の民族を訪れた際は写真撮影代等様々な

名目で追加の請求がなされたり、お土産の売り

付けが激しかったりしました。

~ケニアのスラム~

ケニアでは、首都ナイロビにある世界最大級

のスラム街と呼ばれる「キベラ・スラム」も訪

れました。東京ドーム50個分の面積に人口が

100万人以上とも言われています。現地のス

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政経時代 5号「海外留学」・Ⅳ:1人旅・バックパッカー

34

ラムの問題改善に取り組むN

GO

の主催するツ

アーに参加しました。トタンの家が立ち並び、

道は泥だらけで、道路とトイレの区別がつかな

くなっていました。

~ウガンダ、タンザニアと野生動物~

ウガンダではゴリラを見るツアーに参加し

ました。ゴリラの生息する国立公園に入るため

には野生動物保護局の発行する許可証が必要

で、移動費も含めると日本円で¥7万かかりま

した。許可証に公園に入る時間が指定されてい

るのですが、国立公園の入り口までは自分で車

を手配して向かわねばならず、途中車がぬかる

みに嵌まり、抜け出すのに苦労しました。レン

ジャーの監視のもと、他の参加者と一緒にジャ

ングルのゴリラ頻出スポットを巡ること4時

間、3~4頭のゴリラの家族に遂に出会うこと

が出来ました。ジャングル用のブーツ等を持っ

ていなかったため、ジャングル行軍がとても大

変でした。

また、タンザニアではサファリツアーに参加

しました。3泊4日の日程で、国立公園内のキ

ャンプ場のテントに泊まりました。費用は日本

円で¥4万ほどでしたが、高級ホテルに泊まろ

うとすればもっとお金がかかるそうです。ツア

ー会社が何十社も存在しているので、オンライ

ン上で予約するよりも現地で決めたほうが、価

格交渉や値引きができるので安くなると思い

ます。宿泊したキャンプエリア内でキリンを目

撃したこともありました。友人の話では、彼の

知り合いが星空を見るためにキャンプ外で寝

たところ、ハイエナに腕を噛まれる事故が起き

たそうです。ツアー参加中でも身の安全には格

別の注意を払う必要があると感じました。

~ナミビアの砂漠~

ナミビアでは、世界最古の砂漠であるナミブ

砂漠を訪れました。そのころには予算が逼迫し

ており、ツアーは高かったのでタクシーを自分

でチャーターして移動しました。エジプトのギ

ザの砂漠は反対側の市街が見えましたが、ナミ

ブ砂漠では先が全く見えず地平線の先まで砂

漠が続いていたのが感動的でした。他にもナミ

ブ砂漠では絵のようなコントラストの景観で

有名な「デッド・フレイ」にも行きました。最

も美しく見える朝の時間帯に辿り着くように

事前に車をチャーターしたのですが、当日の夜

明け前に呼びに行くと眠いから、と約束を破ら

れてしまいました。別の車をチャーターし遅れ

て現地にたどり着きましたが、それでもそのコ

ントラストは美しかったです。

旅の終わりに

旅の最後のゴールは、アフリカ大陸最南端、

南アフリカの喜望峰でした。当日は嵐が迫って

おり大変な天候でしたが、無事タクシーをチャ

ーターし辿り着けました。ペンギンがいっぱい

居たのが印象的でした。

1つのコミュニティーにずっと留まらず旅

を続け、留学とはまた違う旅先での出会いの中

で様々なものを見て、自分自身が成長したと感

じています。様々なトラブルに見舞われました

が、これらも全部一生モノの思い出です。ぜひ

一人旅に興味のある人は行ってみてください。

最後に、短期でお金を貯めるなら、住み込みの

リゾートバイトが一番だとおすすめします。

詳細情報

費用:計100~110万円

チャイニーズ・バロッテリー(エチオピアの路上にて)

勝山さんの旅をより詳しく知りたい人は、https://www.facebook.com/profile.php?id=100006143527619&fref=ts へ。

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政経時代 5号「海外留学」:Ⅴ・先生の海外留学

35

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政経時代 5号「海外留学」:Ⅴ・先生の海外留学

36

国際関係学部には海外留学の経験のある先生

が大勢いらっしゃいます。そこで今回の特集に合

わせて、編集部は政治経済コースの小窪千早先生

と石川義道先生に、現在と異なる国際情勢や環境

の中で、留学当時の思い出や出来事を伺いました。

2人の先生は大学院生としての留学でしたが、学

部生の私たちにも参考になることだらけでした。

小窪千早先生

行き先:フランス

学校:パリ第8大学(U

niv

ersité

Paris 8

Vin

cen

nes-S

ain

t-Den

is

期間:1999年~2000年

留学のきっかけ

はじめに自分の留学経緯はいささか特殊で

あまり他の人の参考にならないかもしれない

と断っておきます。全ての始まりは、大学の向

かいにあったフランス政府の運営する「関西日

仏学院」(現・アンスティチュ・フランセ関西)

でした。学部の卒業式の日に、そこのレストラ

ンにゼミの食事会の予約を取りに行ったつい

でに、フランスの大学の資料があるかなと、ふ

らっと事務局に寄りました。すると、いきなり

副館長の部屋に通されてフランス留学の意思

を確認されました。その副館長のマダム・シェ

フェールは、関西日仏学館を拠点にフランスの

大学への留学プログラムを構想していたそう

で、丁度その矢先に私が現れた、ということに

なります。そしてフランス語を習いなさいと言

われ、大学院に通いながら道の向かいの関西日

仏学館でフランス語の勉強を続けることにな

りました。その後、関西日仏学院での出会いか

ら2年半に渡り、マダム・シェフェールはフラ

ンス留学のために目をかけてくれました。

そして修士課程2

年の時に、関西日仏学館のフ

ランス語のクラスの中に留学生向けプログラ

ムが新たに作られ、そのパンフレットに「この

プログラムはパリ政治学院に行きたい人の手

助けにもなります」と書かれていました。これ

はどうやら私のことっぽいな、と感じ、有無を

言わさずそのプログラムに入ることになりま

した。もともと学部生の時にフランス語を習っ

ており素地はあったものの、ほそぼそと中級く

らいをやっていたものが、いきなり翻訳とか通

訳を目指す人と机を並べるようになりました。

同時に、関西日仏学館に資料が充実していたこ

ともあり、修士論文ではフランスのドゴールに

ついて書きました。

そして大学院博士課程に進んだ翌年の夏、1年

間のプログラムが終了し、なぜかパリ第8大学

から先生が日本に来て面談を受けることにな

りました。それで喋ったところ実はそれが面接

試験で、パリ第8大学への留学が突然決まりま

した。大学院では通常博士課程1年目は論文の

執筆に費やし2年目くらいから海外に留学す

るのが通り相場でしたので、それを経ずに留学

に行くというのには迷いもありましたが、指導

教員の先生に背中を押され、フランス行きを決

断しました。

フランスに関心を持った理由の一つは、冷戦

終結という時代の雰囲気があったと思います。

国際政治学への関心は、大学進学前から早く持

っていました。やはり冷戦の終結という世界が

動くのを見たという体験は大きく影響してい

たと思います。早い段階で大学院進学を決め、

そして修士の頃には研究者としてやっていく

ということを考えていました。最初の頃はデタ

ント等を漠然と対象に扱っていたのですが、絞

っていく中で修士2年目のころにはフランス

研究をやろうと決めていました。そのころから

フランスへの留学を考え始めました。当時、国

際政治学を専攻する学生は、アメリカかイギリ

スに行くのが通り相場でした。しかし、私はア

ングロサクソンとは違う観点から見てみたい

と考えていたことも、フランスを選んだ理由の

1つでした。

留学生活

留学が決まったのが7月初頭だったので、渡

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政経時代 5号「海外留学」:Ⅴ・先生の海外留学

37

航の準備はとても慌ただしかったです。学生寮

も全部埋まっており住むところにも困ったの

ですが、副館長の知り合いがパリで不動産をし

ているということでその紹介を受けました。新

しいところだからと言っていたのですが、築

19

30

年代でした。革命前の建物も立派に存在

するパリの中では確かに新しいほうでしたが、

ただむしろリフォームも十分になされていな

いため、その年代の建物が一番古く感じました。

結果的に東駅の近くのアパルトマンに落ち着

きました。途中から、パリ国際大学都市という

留学生村があり、空きが出たので途中からそち

らに引っ越しました。ちなみに初めて携帯を所

持したのがパリでした。当時ちょうど携帯電話

が一般に出回り始めていていたところでした。

どれくらい滞在するのか分からなかったので、

部屋に電話を引く程でもないと思い、プリペイ

ド式の携帯電話を契約しました。大きさは筆箱

ぐらいでした。

パリ第8大学内のヨーロッパ研究所に私は通

っていました。学際的なヨーロッパの統合に関

する授業が多かったです。必ずしも自分の専門

と一致するものばかりではありませんでした

が、授業に出たり、フランス外務省のアーカイ

ブを見たりして過ごしていました。

アルジェリアやチェニジアといったマグレ

バンの学生や、E

RA

SM

US

の学生等、様々な地

域からの留学生が来ていてその雰囲気は面白

かったです。むしろフランス人は半分以下でし

た。時々クラスのメンバーで飲みに行くことが

あり、行き先はいつもバスティーユの裏のラッ

プ通り(ru

e d

e L

ap

pe

)の飲み屋でした。よく

行った店は「ハバナ・バー」でした。

あまり滞在中に旅行をしなかったのですが、

印象的な思い出として、一度ベルリンに行った

ことがありました。1999年11月9日、つ

まりベルリンの壁崩壊のちょうど10年後で

した。冷戦終結等のあの時代の国際情勢に関心

を持って国際政治学を学び始めたということ

もあって、ベルリンの壁を急に見に行きたくな

りました。今のようにシェンゲン圏もちゃんと

出来ておらず不便な時代でしたが、北駅まで行

ったらちょうどおあつらえ向きなベルリン行

きの夜行列車があったので鞄1つで飛び乗り

ました。寝台も取らず、がらがらの車内で12

時間揺られベルリンに向かいました。着いても

ドイツ語が分からなかったので、適当にバスに

乗ったところブランデンブルク門が見えてき

たので、そこで降りました。ちょうど門のすぐ

隣に連邦議会の建物があり人だかりが出来て

いたので、暇なので見ていたら、会議が終わり

中からゴルバチョフとブッシュ・シニアとヘル

ムート・コールが出てくるところを目と鼻の先

で目撃することができました。午後になるとお

店も立ち始めて10周年の式典が始まりまし

た。ただ、統一を祝う華やかな雰囲気というよ

りは、この激動の10年間を振り返るしみじみ

としたものだったのが印象深かったです。訪れ

たのは東ベルリンの中心部だけでしたので、東

西の経済格差を直接感じさせるものはありま

せんでした。ですが、社会主義独特の無機質な

建築物が多かったです。特に、ブランデンブル

ク門の近くに威容を誇る物々しい建物があり、

それが旧ソ連大使館だったことを覚えていま

す。

パリは日曜日にはどこも開いていないので

最初の頃、戸惑いました。働くことに関する感

覚が日本とフランスでは大きく異なると感じ

ました。日本では勤労倫理が高く、一方でフラ

ンスではより人間らしい働き方をしていると

言えると感じました。例えばフランスでは8時

閉店のスーパーに7時45分に行くと入れて

くれないとか、5時までの窓口が4時50分に

閉まるということがありました。デモやストも

多かったです。業種ごとに交渉の初めにまずは

ストを行うことが多く、しょっちゅう地下鉄が

止まっていたりしました。一番困ったのは現金

輸送車のストで、2週間ほど続き現金の無くな

ったA

TM

から次々と利用停止になったため、

手持ちの現金が尽きそうになりました。結構、

デモも多く見ました。学内でも多く、当時は「サ

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政経時代 5号「海外留学」:Ⅴ・先生の海外留学

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ン・パピエ」という滞在許可証を持たない学生

に滞在許可を求めるデモを見ました。デモやス

トに対し、権利の行使ということで一般の人々

が大変寛容だったのが印象的でした。

最後に

これから留学に行く人は、好奇心旺盛に積極

的に、いろいろ挑戦して見分を広めて欲しいと

思います。自分も、当時パリ内に留まらずもっ

とフランスの田舎を旅行すればよかったと思

うこともあります。空気や自然、食どれをとっ

ても楽しめます。リヨンも食の都ですし、ブル

ゴーニュなら牛肉の赤ワイン煮込み、地中海沿

いなら海鮮、特にマルセイユのブイヤベースが

有名ですね。それに、フランスは25歳まで何

かと優遇されます。鉄道にしても、美術館、博

物館にしても様々な割引があるので、優待が効

く内にもっと旅行すればよかったと思います。

それと、自分の留学経緯はあまり参考にならな

いかもしれませんが、関心を持ってアンテナを

張っておくと、このようなことが世の中にもあ

るということを知って欲しいと思います。世の

中には意外なところから道が拓けることがあ

るので、留学に関心のある人は積極的に関心を

持ってアンテナを張ってみると良い情報が入

ってくるかもしれません。

石川義道先生

行き先:

スイス

学校:

ベルン大学法学部

期間: 2005年9月~2006年8月

(短期交換留学)、2007年9月~20

10年3月(博士課程)

留学のきっかけ

修士課程に所属していた時に偶然にも交換

校協定が結ばれたため、先生の勧めもあって,

まずは興味本位でベルン大学に交換留学をし

ました。1年間をベルンで過ごしてみて「自分

は何とか外国でやっていける」という自信に近

い感触を掴み、その後、当時あったスイス政府

奨学金制度を利用し、今度はベルン大学法学部

の博士課程に進学しました。1年間を過ごした

土地勘に加え,国際経済法の研究を行う「世界

貿易研究所(W

TI

:World

Tra

de In

stitu

te

)」

がベルン大学法学部に所属していており、また

世界貿易機関(W

TO

)の本部がスイスのジュネ

ーブにあることから(電車でベルンから2時間

の距離)、ベルン大学は自分にとってとても良

い環境を備えていました(冬は寒いのですが)。

研究者を目指したきっかけ

そもそもの契機は学部生時代にまで遡りま

す。今でも記憶にあるのですが、当時労働法の

授業(和田先生)をとっており、授業の記憶は

全くないのですが、学期末に他の科目よりも文

字数の多いレポートが課されました(横浜地裁

の事件だったと記憶しています)。指定された

判例を読みながらレポートを書いていく中で、

「自分はこういうことに向いているかもしれ

ない」という感触に気が付きました(その後い

くつか論文を書いていますが、その時以上に

「スムーズに書き進められる」感覚を得たこと

はありません)。結果としてレポートは高い評

価を得ました。言いたいことは、自分が予想す

る評価と,客観的な評価が合致したという体験

が、自分が研究者をめざすほんの小さなきっか

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政経時代 5号「海外留学」:Ⅴ・先生の海外留学

39

けだったと思います(もっとも「自分は向いて

いるかもしれない」というのは、もしかしたら

誤解だったのかもしれないと思う事も最近で

はしばしばです)。

留学生活について

さてベルンでの留学生活ですが、共同スペー

スと各個室のある10人1室のドミトリータ

イプの学生寮に住んでいました。そのため同じ

寮に住む留学生・スイス人と一緒に外で遊ぶ機

会がとても多かったです。毎週末、必ず何かし

らのパーティー(以下P)がありました。「なぜ

こんなにもPが好きなんだろう」と思うくらい

にとにかくPPの連続でした(特にスペイン人

とアメリカ人)。金曜日の22時頃になると「さ

あ、そろそろPに行こうか」という感じになり

(普通そろそろ寝る時間ですよ?)、終電近い

電車でベルン市街に行き、散々消耗した挙句に

始発で学生寮に戻ってくるという意味不明の

苦行を繰り返していました。しかもスイスは寒

いし、日本ほどトイレへのアクセスが良くない

です。更に苦痛なのがPの最中のダンスでした。

なぜ踊らないといけないのか分からなかった

のですが、Y

ou

tube

を観て踊りを勉強したりし

ました。少しは踊れるようになったのですが、

帰国後それが役立ったことはまだ一度もあり

ません。

留学のアドバイス

よく指摘されることだとは思いますが、とに

かく日本人(又は日本語が流暢な留学生)とは

つるまないことです。1人でも日本人の知り合

いがいると、精神的にも言語的にも依存してし

まいます、特に私のように意志が弱い人間は。

海外旅行に行かれる方は分かると思いますが、

海外で飛行機を乗り換えると(私の場合だと

「エア吉牛」を食べながらパリまで

JA

L

で行

き、そこからエアフラでジュネーブまで行く場

合)、突然日本人のフライトアテンダントが消

え、アナウンスから完全に日本語が無くなった

ときの「いよいよ誰にも頼れないぞ(本当はコ

ーラーなんか飲みたくないのに他に上手く言

える自信がないから「コーク、プリーズ」とい

う感じ)」という感じに近いです。そういう環境

に身を置き続けることが肝要でしょう。なぜそ

れが肝要かというと、今後の人生でそういう経

験をする機会は、そんなには多くないと思うか

らです。私が最初の交換留学で得た自信は、そ

れに由来していたのだと思います。

最後に

今でもベルンの学生寮の周辺の雰囲気、スー

パー(M

IGR

OS

)に通った思い出など、ベルン

での生活をふとした瞬間に思い出します。では

10年前の事で、ベルン以外のことを同じくら

い新鮮に思い出せるかと言われると、あまり自

信がありません。人生にはいくつか「スペシャ

ルな機会」というものがあると思いますが、そ

の一つは確実に留学だと自分の体験から思い

ます。それがスペシャルであるということは、

ある程度時間が経たないと分からないのです

が、それがスペシャルという事の本質だと思い

ます。

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政経時代 5号「海外留学」

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留学参考情報 ◆留学中使わなかったもの

・タブレット端末(kindleをダウンロードしても全然使わ

なかった。)

・ウェットティッシュ(現地で売っていた。)

・TOEIC勉強本(そんな余裕なかった。)

・冬服(物価が安かったので、現地で買えた:トルコ等)

・かわいい服(もっと必要な服を持っていけばよかった。)

・ハードのスーツケース(無駄に大きく重かった。ソフト

タイプで十分だった。)

・デジタルカメラ(スマホで十分。)

・電子辞書(スマホで十分。)

・ドライヤー(ルームメイトやステイ先で借りれた:カナ

ダ。電圧が違ったので壊れた:トルコ。)

・ヘアケア用品(現地のほうが安いし質もよかった:トル

コ)

・カイロ(カナダ)

・虫除け(現地調達がおすすめ。日本産は効かなかった:

カンボジア、←結構使えた:フィリピン)

・薬(向こうで購入した常備薬でないと聞かなかった:中

国)

◆持っていってよかったもの

・隣接地域の「地球の歩き方」(ちょっとした旅行に重宝。

Lonely Planetより便利)

・本、小説(電波が無くても楽しめる、暇つぶしアイテム)

・じんべえ(「Japanese Day」的なので着る機会があった。)

・日本食(ルームメイトにあげた。現地でもあったがとて

も高かった。)

・だしの素(ひとまずこれで日本食の雰囲気が作れた。)

・卵スープ、わかめスープ、インスタント味噌汁(一度、

無性に食べたくなった。、体調崩したときに助かった。)

・コアラのマーチ(柄が全部違う、と贈り物に好評だった。)

・ラップトップ(レポート書いたり、課題を受け取ったり、

必要不可欠だった。)

・タブレット(ダウンロードした課題や参考資料を印刷せ

ずに済んだ。旅行先でも重宝した。:トルコ)

・コンセント変換プラグ

・予備のイヤホン(自分に合ったものが現地で見つからな

かった。)

・日本の文房具(意外と高性能だった。)

・綿棒(使い慣れたものが必要だった。)

・常備薬(特に花粉症や頭痛薬。)

・化粧水(現地で買ったものが自分に合わなかった。)

・旅行ノート、日記帳(記録をつけると後で振り返れる)

・予備のクレジットカード(持っていけばよかった。紛失

や盗難を気にしすぎてしまった。)

・特になし(物価が安かったので、基本現地調達で何とか

なった。:カンボジア等)

◆携帯

最近 SIM フリーの格安携帯が増えてきていますが、ま

だまだ日本では SIM ロック携帯が主流だと思います。一

方で、海外では SIMフリー携帯が一般的な国が多いです。

そこで日本から携帯端末だけ持っていき、キャンパス内や

カフェの Wi-Fi を利用するという多い人が多かったです。

また、緊急連絡用に通話のみ契約している人もいました。

・現地で 50ドルで本体ごと買った。(アメリカ)

・月 40ドルで端末ごとレンタルした。(カナダ)

・SIM フリー端末を日本から持っていき、SIM カードを

現地で買った。

・大学構内の Wi-Fiを利用した。(協定校)

・基本的に SNS 等は Wi-Fi を利用し、緊急用に通話のみ

の携帯を契約した。

◆保険

大手各社から留学保険パックが出ており、それを利用す

る人がほとんどでした。一方で、留学パックの中には、大

学敷地内での物品破損には適用されない限定的な規定や、

死亡時の遺体輸送の航空機代等の不要な項目が含まれて

いたため、自分で不必要な項目を削除した人もいました。

利用状況については、ほとんどの人は一度も利用しなかっ

た一方、カンボジア等のアジア地域では病院の治療費や薬

代としての利用頻度が高かったです。

・AIUの期間パック 17万円(ほとんど使わなかった。:ア

メリカ)

・AIU の期間パック 3 万円(たくさん利用した。発熱で

650 ドル、足の裏の炎症で 450 ドルが治療にかかった。:

カンボジア)

・AIUの 8カ月 3万円(病気等で 3回利用した。:カンボ

ジア)

・損保ジャパンの 10 カ月(病気や虫刺されで 5 回利用し

た。:カンボジア)

・損保ジャパン(一度も使わなかった:イギリス)

・東京海上日動(居住許可証の申請に現地会社の保険への

加入が必要と言われたが、日本の保険の英語で書かれた証

明書を、翻訳家を雇ってトルコ語に訳し、それを提出した

ところ有効だった。:トルコ)

・東京海上日動(空気にやられて体調を崩したりして、病

院を利用した。:中国)

・あいおいニッセイ同和損保の12万円留学生パック(一

度も使わなかった:トルコ)

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政経時代 5号「海外留学」

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編集後記

ここ最近リサイクルショップ巡りに励んでいて、この前は地球儀を

掘り出しました。直径30センチ以上、山脈の凸凹も表現されている

高級品でしたが、如何せんまだユーゴスラビア連邦が存在していたの

で、¥1000でした。つぶさに観察したところ、ソ連邦・東独はも

ちろんのこと、南ヴェトナム、アラブ連合や南西アフリカ等も残って

おり、まるでタイムスリップしたが如くここ半世紀の国境や国名の変

化を実感しました。

国際社会のパワーバランスの変化や、グローバル化の反映なのか、

文部科学省の発表によると、最近の日本人学生の留学先がアメリカ・

カナダ一辺倒だったものから周辺アジア諸国等へ多様化する傾向にあ

るそうです。それだけでなく、短期留学やワーホリ等、学生の渡航の

形態も多様化しているそうです。今号でもアメリカ・カナダだけでな

く様々な国への留学体験を取材しました。県立大学の交換留学先もあ

る意味ニッチな留学先が揃えられていると思います。また海外の大学

だけでなく、インターンやワーホリ、バックパッカー等、海外を体験

するためには様々な方法があることを示せたと思います。最新の地球

儀も10年後にはもう時代遅れになっているかもしれません。これか

ら留学、海外渡航を考えている方は、是非今号に掲載したような様々

な選択肢を検討してみて欲しいと思います。

最期に、お忙しい中取材に応じてくださった、石川先生、小窪先生、

国際関係学部の皆さん、そして取材と執筆に協力してくれた石田さん、

武田さん、本当にありがとうございます。今号より学生活性化プロジ

ェクトの支援も得られるようになり、発行数を増やせるようになりま

した。今後とも「政経時代」を応援よろしくお願いいたします。

鈴木宏直

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Boğazici Üniversitesi Güney Kampus, Rüstem Paşa Camii, Mısır Çarşı, Karaköy, Ortaköy, Doğatepe Parkı, Van Gölü Photos by Mika Fujisaki, Hironao Suzuki