特定共 住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防 ... ·...

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙) 第23.別添-1 別添 1 特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す る設備等に関する省令 総務省令第 40 平成 17 3 25 (趣旨) 第1条 この省令は、消防法施行令(昭和 36 年政令第 37 号。以下「令」という。)第 29 条の 4第 1 項の規定に基づき、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防 の用に供する設備等(令第 29 条の4第 1 項に規定するものをいう。以下同じ。)に関し必要 な事項を定めるものとする。 (用語の意義) 第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一 特定共同住宅等 令別表第1⑸項ロに掲げる防火対象物及び同表⒃項イに掲げる防火対 象物(同表⑹項ロ及びハに掲げる防火対象物にあっては、有料老人ホーム、福祉ホーム、 老人福祉法(昭和 38 年法律第 133 号)第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同 生活援助事業を行う施設又は障害者自立支援法(平成 17 年法律第 123 号)第5条第 10 項 若しくは第 16 項に規定する共同生活介護若しくは共同生活援助事業を行う施設に限る。以 下同じ。)の用途以外の用途に供される部分が存せず、かつ、同表⑹項ロ及びハに掲げる防 火対象物の用途に供する各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分で独立して住 居その他の用途に供されることができるものをいう。以下同じ。)の床面積がいずれも100 平方メートル以下であるものに限る。)であって、火災の発生又は延焼のおそれが少ないも のとして、その位置、構造及び設備について消防庁長官が定める基準に適合するものをい う。 一の二 福祉施設等 特定共同住宅等の部分であって、令別表第1⑹項ロ及びハに掲げる防 火対象物の用途に供されるものをいう。 二 住戸等 特定共同住宅等の住戸(下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室及び各独立部分で令別表 第1⑹項ロ及びハに掲げる防火対象物の用途に供されるものを含む。以下同じ。)、共用室、 管理人室、倉庫、機械室その他これらに類する室をいう。 三 共用室 特定共同住宅等において、居住者が集会、談話等の用に供する室をいう。 四 共用部分 特定共同住宅等の廊下、階段、エレベーターホール、エントランスホール、 駐車場その他これらに類する特定共同住宅の部分であって、住戸等以外の部分をいう。 五 階段室等 避難階又は地上に通ずる直通階段の階段室(当該階段が壁、床又は防火設備 (建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第2条第9号の2ロに規定するものをいう。)等 で区画されていない場合にあっては当該階段)をいう。 六 開放型廊下 直接外気に開放され、かつ、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を 有効に排出することができる廊下をいう。 七 開放型階段 直接外気に開放され、かつ、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を 有効に排出することができる階段をいう。 八 二方向避難型特定共同住宅等 特定共同住宅等における火災時に、すべての住戸、共用 室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を利用して安全に避難できるようにす るため、避難階又は地上に通ずる二以上の異なった避難経路を確保している特定共同住宅 等として消防庁長官が定める構造を有するものをいう。 九 開放型特定共同住宅等 すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入

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Page 1: 特定共 住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防 ... · 2020-08-08 · 総務省令第40 号 平成17 年3 月25 日 (趣) 第1条 この省令は、消防法施行令(昭和36

第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-1

別添 1

特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令

総務省令第 40 号

平成 17 年 3 月 25 日

(趣旨)

第1条 この省令は、消防法施行令(昭和 36 年政令第 37 号。以下「令」という。)第 29 条の

4第 1 項の規定に基づき、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防

の用に供する設備等(令第 29 条の4第 1 項に規定するものをいう。以下同じ。)に関し必要

な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

一 特定共同住宅等 令別表第1⑸項ロに掲げる防火対象物及び同表⒃項イに掲げる防火対

象物(同表⑹項ロ及びハに掲げる防火対象物にあっては、有料老人ホーム、福祉ホーム、

老人福祉法(昭和 38 年法律第 133 号)第5条の2第6項に規定する認知症対応型老人共同

生活援助事業を行う施設又は障害者自立支援法(平成 17 年法律第 123 号)第5条第 10 項

若しくは第 16 項に規定する共同生活介護若しくは共同生活援助事業を行う施設に限る。以

下同じ。)の用途以外の用途に供される部分が存せず、かつ、同表⑹項ロ及びハに掲げる防

火対象物の用途に供する各独立部分(構造上区分された数個の部分の各部分で独立して住

居その他の用途に供されることができるものをいう。以下同じ。)の床面積がいずれも 100

平方メートル以下であるものに限る。)であって、火災の発生又は延焼のおそれが少ないも

のとして、その位置、構造及び設備について消防庁長官が定める基準に適合するものをい

う。

一の二 福祉施設等 特定共同住宅等の部分であって、令別表第1⑹項ロ及びハに掲げる防

火対象物の用途に供されるものをいう。

二 住戸等 特定共同住宅等の住戸(下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室及び各独立部分で令別表

第1⑹項ロ及びハに掲げる防火対象物の用途に供されるものを含む。以下同じ。)、共用室、

管理人室、倉庫、機械室その他これらに類する室をいう。

三 共用室 特定共同住宅等において、居住者が集会、談話等の用に供する室をいう。

四 共用部分 特定共同住宅等の廊下、階段、エレベーターホール、エントランスホール、

駐車場その他これらに類する特定共同住宅の部分であって、住戸等以外の部分をいう。

五 階段室等 避難階又は地上に通ずる直通階段の階段室(当該階段が壁、床又は防火設備

(建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第2条第9号の2ロに規定するものをいう。)等

で区画されていない場合にあっては当該階段)をいう。

六 開放型廊下 直接外気に開放され、かつ、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を

有効に排出することができる廊下をいう。

七 開放型階段 直接外気に開放され、かつ、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を

有効に排出することができる階段をいう。

八 二方向避難型特定共同住宅等 特定共同住宅等における火災時に、すべての住戸、共用

室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を利用して安全に避難できるようにす

るため、避難階又は地上に通ずる二以上の異なった避難経路を確保している特定共同住宅

等として消防庁長官が定める構造を有するものをいう。

九 開放型特定共同住宅等 すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入

Page 2: 特定共 住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防 ... · 2020-08-08 · 総務省令第40 号 平成17 年3 月25 日 (趣) 第1条 この省令は、消防法施行令(昭和36

第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-2

口が開放型廊下又は開放型階段に面していることにより、特定共同住宅等における火災時

に生ずる煙を有効に排出することができる特定共同住宅等として消防庁長官が定める構造

を有するものをいう。

十 二方向避難・開放型特定共同住宅等 特定共同住宅等における火災時に、すべての住戸、

共用室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を利用して安全に避難できるよう

にするため、避難階又は地上に通ずる二以上の異なった避難経路を確保し、かつ、その主

たる出入口が開放型廊下又は開放型階段に面していることにより、特定共同住宅等におけ

る火災時に生ずる煙を有効に排出することができる特定共同住宅等として消防庁長官が定

める構造を有するものをいう。

十一 その他の特定共同住宅等 前3号に掲げるもの以外の特定共同住宅をいう。

十二 住宅用消火器 消火器の技術上の規格を定める省令(昭和 39 年自治省令第 27 号)第

1条の2第2号に規定するものをいう。

十三 共同住宅用スプリンクラー設備 特定共同住宅等における火災時に火災の拡大を初期

に抑制するための設備であって、スプリンクラーヘッド(閉鎖型スプリンクラーヘッドの

技術上の規格を定める省令(昭和 40 年自治省令第2号)第2条第1号の2に規定する小

区画型ヘッドをいう。以下同じ。)、制御弁、自動警報装置、加圧送水装置、送水口等で構

成され、かつ、住戸、共用室又は管理人室ごとに自動警報装置の発信部が設けられている

ものをいう。

十四 共同住宅用自動火災報知設備 特定共同住宅等における火災時に火災の拡大を初期に

抑制し、かつ、安全に避難することを支援するために、特定共同住宅等における火災の発

生を感知し、及び当該特定共同住宅等に火災の発生を報知する設備であって、受信機(受

信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和 56 年自治省令第 19 号第2条第7号に規定す

るものをいう。以下同じ。)、感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規

格を定める省令(昭和 56 年自治省令第 17 号。以下「感知器等規格省令」という。)第2

条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)、戸外表示器(住戸等の外部において、受信

機から火災が発生した旨の信号を受信し、火災の発生を報知するものをいう。以下同じ。)

等で構成され、かつ、自動試験機能(中継器に係る技術上の規格を定める省令(昭和56

年自治省令第18号。以下「中継器規格省令」という。)第2条第 12 号に規定するものを

いう。)又は遠隔試験機能(中継器規格省令第2条第 13 号に規定するものをいう。以下同

じ。)を有することにより、住戸の自動試験機能等対応型感知器(感知器等規格省令第2条

第 19 号の3に規定するものをいう。以下同じ。)の機能の異常が当該住戸の外部から容易

に確認できるものをいう。

十五 住戸用自動火災報知設備 特定共同住宅等における火災時に火災の拡大を初期に抑制

し、かつ、安全に避難することを支援するために、住戸等における火災の発生を感知し、

及び当該住戸等に火災の発生を報知する設備であって、受信機、感知器、戸外表示器等で

構成され、かつ、遠隔試験機能を有することにより、住戸の自動試験機能等対応型感知器

の機能の異常が当該住戸の外部から容易に確認できるものをいう。

十六 共同住宅用非常警報設備 特定共同住宅等における火災時に安全に避難することを支

援するための設備であって、起動装置、音響装置、操作部等で構成されるものをいう。

十七 共同住宅用連結送水管 特定共同住宅等における消防隊による活動を支援するための

設備であって、放水口、配管、送水口等で構成されるものをいう。

十八 共同住宅用非常コンセント設備 特定共同住宅等における消防隊による活動を支援す

るための設備であって、非常コンセント、配線等で構成されるものをいう。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-3

(必要とされる初期拡大抑制性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第3条 特定共同住宅等(福祉施設等を除く。)において、火災の拡大を初期に抑制する性能(以

下「初期拡大抑制性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備等に代えて用

いることができる必要とされる初期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供する設備等

は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いられる消防

用設備等の区分に応じ、同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供

する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等

必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 構造類型 階 数

二方向避難型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

消火器具 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が10以下のもの

消火器具 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以上のもの

消火器具 屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

消火器具 屋内消火栓設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が10以下のもの

消火器具 屋内消火栓設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以上のもの

消火器具 屋内消火栓設備 スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

二方向避難・開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

消火器具 屋内消火栓設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が11以上のもの

消火器具 屋内消火栓設備 スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

その他の特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

消火器具 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以下のもの

消火器具 屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

住宅用消火器及び消火器具 共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-4

2 福祉施設等において、初期拡大抑制性能を主として有する通常常用いられる消防用設備等

に代えて用いることができる必要とされる初期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供す

る設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いられ

る消防用設備等の区分に応じ、同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防の用

に供する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等

必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 構造類型 階 数

二方向避難型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以上のもの

屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以上のもの

屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

二方向避難・開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が11以上のもの

屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

その他の特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用自動火災報知設備

地階を除く階数が11以下のもの

屋内消火栓設備(11 階以上の階に設置するものに限る。) スプリンクラー設備 自動火災報知設備 屋外消火栓設備 動力消防ポンプ設備

共同住宅用スプリンクラー設備 共同住宅用自動火災報知設備

3 前2項に規定するもののほか、特定共同住宅等における必要とされる初期拡大抑制性能を

主として有する消防の用に供する設備等の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとお

りとする。

一 住宅用消火器及び消火器具(令第 10 条第1項に定める消火器具のうち、住宅用消火器

を除く。)は、次のイ及びロに定めるところによること。

イ 住宅用消火器は、住戸、共用室又は管理人室ごとに設置すること。

ロ 消火器具は、共用部分及び倉庫、機械室等(以下この号において「共用部分等」とい

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-5

う。)に、各階ごとに当該共用部分等の各部分から、それぞれ一の消火器具に至る歩行距

離が 20 メートル以下となるように、令第 10 条第2項並びに消防法施行規則(昭和 36

年自治省令第6号。以下「規則」という。)第6条から第9条まで(第6条第6項を除く。)

及び第 11 条に定める技術上の基準の例により設置すること。ただし、特定共同住宅等

の廊下、階段室等のうち、住宅用消火器が設置された住戸、共用室又は管理人室に面す

る部分にあっては、消火器具を設置しないことができる。

二 共同住宅用スプリンクラー設備は、次のイからチまでに定めるところによること。

イ 特定共同住宅等の 11 階以上の階に設置すること。

ロ スプリンクラーヘッドは、住戸、共用室及び管理人室の居室(建築基準法第2条第4

号に規定するものをいう。以下同じ。)及び収納室(室の面積が4平方メートル以上のも

のをいう。以下同じ。)の天井の室内に面する部分に設けること。

ハ スプリンクラーヘッドは、規則第 13 条の2第4項第1号(イただし書、ホ及びトを

除く。)及び第 14 条第1項第7号の規定の例により設けること。

ニ 水源の水量は、4立方メートル以上となるように設けること。

ホ 共同住宅用スプリンクラー設備は、4個のスプリンクラーヘッドを同時に使用した場

合に、それぞれの先端において、放水圧力が 0.1 メガパスカル以上で、かつ、放水量が

50 リットル毎分以上で放水することができる性能のものとすること。

ヘ 非常電源は、規則第 14 条第1項第6号の2の規定の例により設けること。

ト 送水口は、規則第 14 条第1項第6号の規定の例によるほか、消防ポンプ自動車が容

易に接近することができる位置に単口形又は双口形の送水口を設けること。

チ イからトまでに規定するもののほか、共同住宅用スプリンクラー設備は、消防庁長官

が定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものであること。

三 共同住宅用自動火災報知設備は、次のイからトまでに定めるところによること。

イ 共同住宅用自動火災報知設備の警戒区域(火災が発生した区域を他の区域と区別して

識別することができる最小単位の区域をいう。以下この号において同じ。)は、防火対象

物の二以上の階にわたらないものとすること。ただし、当該警戒区域がニ以上の階にわ

たったとしても防火安全上支障がないものとして消防庁長官が定める設置及び維持に関

する技術上の基準に適合する場合は、この限りでない。

ロ 一の警戒区域の面積は、1,500 平方メートル以下とし、その一辺の長さは、50 メート

ル以下とすること。ただし、住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入口が

階段室等以外の廊下等の通路に面する特定共同住宅等に共同住宅用自動火災報知設備を

設置する場合に限り、一の警戒区域の一辺の長さを 100 メートル以下とすることができ

る。

ハ 共同住宅用自動火災報知設備の感知器は、規則第 23 条第4項各号(第1号ハ、第7

号ヘ及び第7号の5を除く。)及び同条第7項並びに第 24 条の2第2号及び第4号の規

定の例により設けること。

ニ 共同住宅用自動火災報知設備の感知器は、次の(イ)から(ハ)までに掲げる部分の

天井又は壁((イ)の部分の壁に限る。)の屋内に面する部分(天井のない場合にあって

は、屋根又は壁の屋内に面する部分)に、有効に火災の発生を感知することができるよ

うに設けること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室の居室及び収納室

(ロ) 倉庫(室の面積が4平方メートル以上のものをいう。以下同じ。)、機械室その他

これらに類する室

(ハ) 直接外気に開放されていない共用部分

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-6

ホ 非常電源は、規則第 24 条第4号の規定の例により設けること。

ヘ 福祉施設等に設ける共同住宅用自動火災報知設備にあっては、福祉施設等で発生した

火災を、当該福祉施設等の関係者(所有者又は管理者をいう。)又は当該関係者に雇用さ

れている者(当該福祉施設等で勤務している者に限る。)(以下「関係者等」という。)に、

自動的に、かつ、有効に報知できる装置を設けること。

ト イからヘまでに規定するもののほか、共同住宅用自動火災報知設備は、消防庁長官が

定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものであること。

四 住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備は、次のイからヘまでに定めると

ころよること。

イ 住戸用自動火災報知設備は、住戸等及び共用部分に設置すること。

ロ 住戸用自動火災報知設備の警戒区域は、前号イ及びロの規定の例によること。

ハ 住戸用自動火災報知設備の感知器は、前号ハ及びニの規定の例によること。

ニ 福祉施設等に設ける住戸用自動火災報知設備にあっては、福祉施設等で発生した火災

を、当該福祉施設等の関係者等に、自動的に、かつ、有効に報知できる装置を設けるこ

と。

ホ 共同住宅用非常警報設備は、直接外気に開放されていない共用部分以外の共用部分に

設置することができること。

ヘ イからホまでに規定するもののほか、住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警

報設備は、消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものであ

ること。

4 次の各号に掲げるときに限り、当該各号に掲げる特定共同住宅等における必要とされる初

期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供する設備等を設置しないことができる。

一 二方向避難・開放型特定共同住宅等(11 階以上の部分に限り、福祉施設等を除く。)又

は開放型特定共同住宅等(11 階以上 14 階以下の部分に限り、福祉施設等を除く。)におい

て、住戸、共用室及び管理人室の壁及び天井(天井がない場合にあっては、上階の床又は

屋根)の室内に面する部分(回り縁、窓台等を除く。)の仕上げを準不燃材料とし、かつ、

共用室と共用室以外の特定共同住宅等の部分(開放型廊下又は開放型階段に面する部分を

除く。)を区画する壁に設けられる開口部(規則第 13 条第2項第1号ロの基準に適合する

ものに限る。)に特定防火設備である防火戸(規則第 13 条第2項第1号ハの基準に適合す

るものに限る。)が設けられているとき。 共同住宅用スプリンクラー設備

二 住戸、共用室及び管理人室に共同住宅用スプリンクラー設備を前項第2号に定める技術

上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したとき(当該設備の有効範囲内

の部分に限る。) 共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備

(必要とされる避難安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第4条 特定共同住宅等(福祉施設等を除く。)において、火災時に安全に避難することを支援

する性能(以下「避難安全支援性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備

等に代えて用いることができる必要とされる避難安全支援性能を主として有する消防の用に

供する設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用

いられる消防用設備等の区分に応じ、同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する

消防の用に供する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等

必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 構造類型 階 数

二方向避難型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-7

地階を除く階数が6以上のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具

共同住宅用自動火災報知設備

開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具 誘導灯及び誘導標識

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が6以上のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具 誘導灯及び誘導標識

共同住宅用自動火災報知設備

二方向避難・開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具 誘導灯及び誘導標識

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が11以上のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具 誘導灯及び誘導標識

共同住宅用自動火災報知設備

その他の 特定共同住宅等

すべてのもの 自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備 避難器具

共同住宅用自動火災報知設備

2 福祉施設等において、避難安全支援性能を主として有する通常用いられる消防用設備等に

代えて用いることができる必要とされる避難安全支援性能を主として有する消防の用に供す

る設備等は、次の表の上欄に掲げる特定共同住宅等の種類及び同表中欄に掲げる通常用いら

れる消防用設備等の区分に応じ、同表下欄に掲げる必要とされる防火安全性能を有する消防

の用に供する設備等とする。

特定共同住宅等の種類 通常用いられる消防用設備等

必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 構造類型 階 数

二方向避難型特定共同住宅等及び開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が5以下のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が6以上のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備

二方向避難・開放型特定共同住宅等

地階を除く階数が10以下のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備

地階を除く階数が11以上のもの

自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備

その他の 特定共同住宅等

すべてのもの 自動火災報知設備 非常警報器具又は非常警報設備

共同住宅用自動火災報知設備

3 前2項に規定するもののほか、特定共同住宅等における必要とされる避難安全支援性能を

主として有する消防の用に供する設備等の設置及び維持に関する技術上の基準については、

前条第3項第3号及び第4号の規定を準用する。

4 前条第3項第3号又は第4号の規定により、通常用いられる消防用設備等に代えて必要と

される初期拡大抑制性能を主として有する消防の用に供する設備等として共同住宅用自動火

災報知設備又は住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備を設置したときは、第

1項及び第2項の規定の適用については共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報

知設備及び共同住宅用非常警報設備を設置したものとみなす。

5 住戸、共用室及び管理人室(福祉施設等にあるものを除く。)に共同住宅用スプリンクラー

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-8

設備を前条第3項第2号に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設

置したときに限り、当該設備の有効範囲内の部分について、共同住宅用自動火災報知設備又

は住戸用自動火災報知設備を設置しないことができる。

(必要とされる消防活動支援性能を有する消防の用に供する設備等に関する基準)

第5条 特定共同住宅等(住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入口が階段室等

に面する特定共同住宅等に限る。)において、消防隊による活動を支援する性能(以下「消防

活動支援性能」という。)を主として有する通常用いられる消防用設備等(連結送水管及び非

常コンセント設備に限る。)に代えて用いることができる必要とされる消防活動支援性能を主

として有する消防の用に供する設備等は、共同住宅用連結送水管及び共同住宅用非常コンセ

ント設備とする。

2 前項に規定するもののほか、特定共同住宅等における必要とされる消防活動支援性能を主

として有する消防の用に供する設備等の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとおり

とする。

一 共同住宅用連結送水管は、次のイからハまでに定めるところによること。

イ 放水口は、階段室等又は非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類する場所

ごとに、消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。

ロ 放水口は、3階及び当該階から上方に数えた階数3以内ごとに、かつ、特定共同住宅

等の各部分から一の放水口に至る歩行距離が 50 メートル以下となるように、設けるこ

と。

ハ イ及びロに規定するもののほか、共同住宅用連結送水管は、令第 29 条第2項第2号

から第4号まで並びに規則第 30 条の4及び第 31 条の規定の例により設置すること。

二 共同住宅用非常コンセント設備は、次のイからハまでに定めるところによること。

イ 非常コンセントは、階段室等又は非常用エレベーターの乗降ロビーその他これらに類

する場所ごとに、消防隊が有効に消火活動を行うことができる位置に設けること。

ロ 非常コンセントは、11 階及び当該階から上方に数えた階数3以内ごとに、かつ、特定

共同住宅等の各部分から一の非常コンセントに至る歩行距離が 50 メートル以下となる

ように、設けること。

ハ イ及びロに規定するもののほか、共同住宅用非常コンセント設備は、令第 29 条の2

第2項第2号及び第3号並びに規則第 31 条の2の規定の例により設置すること。

附 則

この省令は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-9

別添2

特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定める件

平成 17 年3月 25 日

消防庁告示 第2号

第1 趣旨

この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令(平成 17 年総務省令第 40 号。以下「省令」という。)第2条第1号

に規定する特定共同住宅等の位置、構造及び設備を定めるものとする。

第2 用語の意義

この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに

よる。

一 特定共同住宅等 省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。

二 通常用いられる消防用設備等 令第 29 条の4第1項に規定する通常用いられる消防用

設備等をいう。

三 必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等 令第 29 条の4第1項に

規定する必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等をいう。

四 共用部分 省令第2条第4号に規定する共用部分をいう。

五 階段室等 省令第2条第5号に規定する階段室等をいう。

六 光庭 主として採光又は通風のために設けられる空間であって、その周囲を特定共同住

宅等の壁その他これに類するものによって囲まれ、かつ、その上部が吹抜きとなっている

ものをいう。

七 避難光庭 光庭のうち、火災時に避難経路として使用することができる廊下又は階段室

等が、当該光庭に面して設けられているものをいう。

八 特定光庭 光庭のうち、第4第1号に定めるところにより、当該光庭を介して他の住戸

等へ延焼する危険性が高いものであることについて確かめられたものをいう。

第3 通常用いられる消防用設備等に代えて、必要とされる防火安全性能を有する消防の用に

供する設備等を用いることができる特定共同住宅の位置、構造及び設備

省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等は、その位置、構造及び設備が次の各号に適

合するものとする。

一 主要構造部が、耐火構造(建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第2条第7号に規定

する耐火構造をいう。以下同じ。)であること。

二 共用部分の壁及び天井(天井のない場合にあっては、屋根。以下同じ。)の室内に面する

部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。以下同じ。)の仕上げを準不燃材料

(建築基準法施行令(昭和 25 年政令第 338 号)第1条第5号に規定する準不燃材料をい

う。以下同じ。)でしたものであること。

三 特定共同住宅等の住戸等は、開口部のない耐火構造の床又は壁で区画すること。ただし、

特定共同住宅等の住戸等の床又は壁(以下単に「床又は壁」という。)並びに当該床又は壁

を貫通する配管又は電気配線その他これらに類するもの(以下単に[配管等]という。)及

びそれらの貫通部が次に定める基準に適合する場合は、この限りでない。

(1) 床又は壁は、耐火構造であること。

(2) 住戸等の外壁に面する開口部は、当該住戸等に接する他の住戸等の開口部との間

に設けられる外壁面から 0.5m以上突出した耐火構造のひさし、床、そで壁その他こ

れらに類するもの(以下「ひさし等」という。)で防火上有効に遮られていること。た

だし、当該住戸等に接する他の住戸等の外壁に面する開口部(直径が 0.15 メートル以

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-10

下の換気口等(防火設備が設けられたものに限る。)及び面積が 0,01 平方メートル以

下の換気口等を除く。)相互間の距離が、0.9 メートル以上であり、かつ、次に定める

基準のいずれかに適合する場合は、この限りでない。

イ 上下に設けられた開口部(直径 0.15 メートル以下の換気口等及び相互間の距離が

3.6 メートル以上である開口部を除く。)に防火設備である防火戸が設けられている

こと。

ロ 住戸等で発生した火災により、当該住戸等から当該住戸等及びそれに接する他の

住戸等の外壁に面する開口部を介して他の住戸等へ延焼しないよう措置されたもの

であること。

(3) 住戸等と共用部分を区画する壁は、次に定めるところによること。

イ 開口部((イ)から(ハ)までに掲げる換気口等を除く。)には、防火設備(主た

る出入口に設けられるものにあっては、随時開くことができる自動閉鎖装置付のも

のに限る。)である防火戸が設けられていること。

(イ) 直径 0.15 メートル未満の換気口等(開放性のある共用部分に面するものに限

る。)

(ロ) 直径 0.15 メートル以上の換気口等であって、かつ、防火設備が設けられてい

るもの

(ハ) (イ)及び(ロ)に掲げるもののほか、開放性のある共用部分以外の共用部分

に面し、かつ、防火設備が設けられている換気口等

ロ 開放型特定共同住宅等(省令第2条第9号に規定する開放型特定共同住宅等をい

う。)及びニ方向避難・開放型特定共同住宅等(省令第2条第 10 号に規定するニ方

向避難・開放型特定共同住宅等をいう。)以外の特定共同住宅等の住戸等(共同住宅

用スプリンクラー設備が設置されているものを除く。)にあっては、開口部の面積の

合計が一の住戸等につき4平方メートル(共用室にあっては、8平方メートル)以

下であること。

ハ ロの規定による一の開口部の面積は、2平方メートル以下であること。

(4) 床又は壁を貫通する配管等及びそれらの貫通部は、次に定めるところによること。

イ 配管の用途は、給排水管、空調用冷温水管、ガス管、冷媒管、配電管その他これ

らに類するものであること。

ロ 配管等の呼び径は、200 ミリメートル以下であること。

ハ 配管等を貫通させるために設ける開口部は、内部の断面積が直径 300 ミリメート

ルの円の面積以下であること。

ニ 配管等を貫通させるために設ける開口部を床又は壁(住戸等と共用部分を区画す

る床又は壁を除く。)に二以上設ける場合にあっては、配管等を貫通させるために設

ける開口部相互間の距離は、当該開口部の最大直径(当該直径が 200 ミリメートル

以下の場合にあっては、200 ミリメートル)以上であること。

ホ 床又は壁を貫通する配管等及びそれらの貫通部は、次の(イ)又は(ロ)に定め

るところによるものであること。

(イ) 配管は、建築基準法施行令第 129 条の2の5第1項第7号イ又はロに適合す

るものとし、かつ、当該配管と当該配管を貫通させるために設ける開口部との

すき間を不燃材料(建築基準法第2条第9号に規定する不燃材料をいう。以下

同じ。)で埋めること。

(ロ) 別に告示定めるところにより、床又は壁を貫通する配管等及びそれらの貫通

部が一体として耐火性能を有しているものとして認められたものであること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-11

ヘ 配管等には、その表面に可燃物が接触しないような措置を講じること。ただし、

当該配管等に可燃物が接触しても発火するおそれがないと認められる場合は、この

限りでない。

第4 特定光庭の基準等

一 特定光庭は、次の各号に掲げる基準に適合しない光庭をいうものとする。

(1) 光庭に面する一の住戸等で火災が発生した場合において、当該火災が発生した住

戸等(以下「火災住戸等」という。)のすべての開口部から噴出する火炎等の輻射熱に

より、当該火災住戸等以外の住戸等の光庭に面する開口部が受ける熱量が 10 キロワ

ット毎平方メートル未満であること。

(2) 光庭が避難光庭に該当する場合においては、当該避難光庭は、次に定めるところ

によるものであること。

イ 火災住戸等(避難光庭に面するものに限る。以下同じ。)のすべての開口部から噴

出する火炎等の輻射熱により当該避難光庭に面する廊下及び階段室等を経由して避

難する者が受ける熱量が3キロワット毎平方メートル未満であること。

ロ 避難光庭にあっては次に定めるところによること。

(イ) 避難光庭の高さを当該避難光庭の幅で除した値が 2.5 未満であること。

(ロ) (イ)により求めた値が 2.5 以上の場合にあっては、火災住戸等のすべての開

口部から噴出する煙層の温度が4ケルビン以上上昇しないこと。

二 特定共同住宅等に特定光庭が存する場合にあっては、当該光庭に面する開口部及び当該

光庭に面する特定共同住宅等の住戸等に設ける給湯湯沸設備等(対象火気設備等の位置、

構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省

令(平成 14 年総務省令第 24 号)第3条第 10 号に規定する給湯湯沸設備及び同条第2号

に規定するふろがまをいう。以下同じ。)は、次に定める基準に適合するものであること。

(1) 廊下又は階段室等が特定光庭に面して設けられている場合において、当該特定光

庭に面して設ける開口部は、次に定めるところによること。

イ 特定光庭に面する一の開口部の面積が2平方メートル以下であり、かつ、一の住

戸等の開口部の面積の合計が4平方メートル以下であること。ただし、当該開口部

が設けられている住戸等に共同住宅用スプリンクラー設備が設けられている場合に

あっては、この限りでない。

ロ 特定光庭の下端に設けられた開口部が、常時外気に開放され、かつ、当該開口部

の有効断面積の合計が、特定光庭の水平投影面積の 50 分の1以上であること。

(2) 特定光庭((1)に定めるものを除く。)に面する開口部にあっては、次に定める

ところによること。

イ 開口部には、防火設備であるはめごろし戸が設けられていること。ただし、次に

定める特定光庭に面する住戸等の開口部((ロ)の特定光庭に面するものにあっては、

4階以下の階に存するものに限る。)に防火設備である防火戸を設ける場合にあって

は、この限りでない。

(イ) 特定光庭に面して階段(平成 14 年消防庁告示第7号に適合する屋内避難階

段等の部分に限る。)が設けられている当該特定光庭

(ロ) その下端に常時外気に開放された開口部(当該開口部の有効断面積が1平方

メートル以上のものに限る。)が存する特定光庭

ロ 異なる住戸等の開口部の相互間の水平距離は、次に定めるところによること。た

だし、住戸等の開口部の上端から上方に垂直距離 1.5 メートル(当該開口部に防火

設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、0.9 メートル)以上の

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-12

範囲にある他の住戸等の開口部については、この限りでない。

(イ) 同一の壁面に設けられるもの(当該開口部相互間の壁面に 0.5 メートル以上

突出したひさし等で防火上有効に遮られている場合を除く。)にあっては、0.9

メートル以上

(ロ) 異なる壁面に設けられるものにあっては、2.4 メートル(当該開口部に防火

設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、2メートル)以上

ハ 異なる住戸等の開口部の相互間の垂直距離は、1.5 メートル(当該開口部に防火

設備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、0.9 メートル)以上(同

一壁面上の当該開口部相互間の壁面に 0.5 メートル以上突出したひさし等で防火上

有効に遮られている場合を除く。)であること。ただし、同一の壁面に設けられる場

合にあっては、当該開口部の側端から水平方向に 0.9 メートル、異なる壁面に設け

られる場合にあっては、当該開口部の側端から 2.4 メートル(当該開口部に防火設

備であるはめごろし戸が設けられている場合にあっては、2メートル)以上の範囲

にある他の住戸等の開口部については、この限りでない。

ニ 一の開口部の面積が1平方メートル以下であり、かつ、一の住戸等の一の階の開

口部の面積の合計が2平方メートル以下であること。

(3) 特定光庭に定して給湯湯沸設備等を設ける場合は、次に定めるところによること。

イ 平成 14 年消防庁告示第7号に適合する屋内避難階段等の部分が存する特定光庭

に限り設置することができること。

ロ 防火上有効な措置が講じられたものであること。

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-13

別添3

特定共同住宅等の構造類型を定める件

平成 17 年 3 月 25 日

消防庁告示 第3号

第1 趣旨

この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令(平成 17 年総務省令第 40 号。以下「省令」という。)第2条第8号

から第 10 号までに規定する特定共同住宅等の構造類型を定めるものとする。

第2 用語の意義

この告示において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに

よる。

一 特定共同住宅等 省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。

二 共用部分 省令第2条第4号に規定する共用部分をいう。

三 階段室等 省令第2条第5号に規定する階段室等をいう。

四 階段室型特定共同住宅等 すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出

入口が階段室等に面する特定共同住宅等をいう。

五 廊下型特定共同住宅等 すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入

口が階段室等以外の廊下等の通路に面する特定共同住宅等をいう。

六 特定光庭 平成 17 年消防庁告示第2号第8号に規定する特定光庭をいう。

第3 二方向避難型特定共同住宅等

一 省令第2条第8号に規定するニ方向避難型特定共同住宅等は、特定共同住宅等の住戸等

(住戸、共用室及び管理人室に限る。以下第3及び第4において同じ。)において火災が発

生した場合に、当該住戸等が存する階の住戸等に存する者が、当該階の住戸等から、少な

くとも一以上の避難経路を利用して階段室等(当該住戸等が避難階に存する場合にあって

は地上。以下第3において同じ。)を確保していると認められるものとする。

二 ニ方向避難型特定共同住宅等は、次に定めるところによるものであること。

(1) 廊下型特定共同住宅等の階段室等は、廊下の端部又は廊下の端部に接する住戸等

の主たる出入口に面していること。

(2) 住戸等の外気に面する部分に、バルコニーその他これに類するもの(以下「バル

コニー等」という。)が、避難上有効に設けられていること。

(3) バルコニー等に面する住戸等の外壁に、消防法施行規則(昭和 36 年自治省令第

6号)第4条の2の2に規定する避難上有効な開口部が設けられていること。

(4) 隣接するバルコニー等が隔板等によって隔てられている場合にあっては、当該隔

板等が容易に開放し、除去し、又は破壊することができ、かつ、当該隔板等に次に掲

げる事項が表示されていること。

イ 当該バルコニー等が避難経路として使用される旨

ロ 当該隔板等を開放し、除去し、又は破壊する方法

ハ 当該隔板等の近傍に避難上支障となる物品を置くことを禁ずる旨

(5) 住戸等において火災が発生した場合に、当該住戸等が存する階の住戸等に存する

者が、当該階の住戸等から、少なくとも一以上の避難経路を利用して階段室等まで安

全に避難することができること。ただし、バルコニー等に設けられた避難器具(避難

器具用ハッチに格納された金属製避難はしご、救助袋等の避難器具に限る。)により当

該階の住戸等から避難階まで避難することができる場合は、この限りでない。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-14

第4 開放型特定共同住宅等

一 省令第2条第9号に規定する開放型特定共同住宅等は、特定共同住宅等の住戸等におい

て火災が発生した場合に、当該住戸等が存する階及びその上階の廊下及び階段室等(階段

室型特定共同住宅等における階段室等に限る。以下第4において同じ。)における消火、避

難その他の消防の活動に支障を生じないものとして、次号に定めるところにより、廊下及

び階段室等が開放性を有すると認められるものとする。

二 開放型特定共同住宅等は、次に定めるところによるものであること。

(1) すべての階の廊下及び階段室等が隣地境界線又は他の建築物等の外壁との中心線

から1メートル以上離れていること。

(2) すべての階の廊下及び階段室等が特定光庭に面していないこと。

(3) 直接外気に開放されていないエントランスホール等(以下単に「エントランスホ

ール等」という。)が避難階に存する場合にあっては、当該エントランスホール等が次

に定める基準に適合すること。

イ 避難階以外の階及びエントランスホール等に面する住戸等から当該エントランス

ホール等を経由しないで避難することができる経路があること。

ロ エントランスホール等は、避難階以外の階にわたらないものとすること。ただし、

当該エントランスホール等が耐火構造の床又は壁で当該避難階以外の階と区画され

ている場合(当該エントランスホール等と特定共同住宅等の部分を区画する床又は

壁に開口部を設ける場合にあっては、防火設備であるはめごろし戸が設けられてい

るものに限る。)にあっては、この限りでない。

(4) 廊下は、次に定めるところによるものであること。

イ すべての階の廊下は、次の(イ)又は(ロ)に定めるところによること。

(イ) すべての階の廊下は、次のaからdまで定めるところによること。

a 各階の外気に面する部分の面積(廊下の端部に接する垂直面の面積を除く。)

は、当該階の見付面積の3分の1を超えていること。

b 外気に面する部分の上部に垂れ壁等を設ける場合は、当該垂れ壁等の下端か

ら天井までの高さは、30 センチメートル以下であること。

c 手すり等の上端から垂れ壁等の下端までの高さは、1メートル以上であるこ

と。

d 外気に面する部分に風雨等を遮るために壁等を設ける場合にあっては、当該

壁等の幅を2メートル以下とし、かつ、当該壁等相互間の距離を1メートル以

上とすること。

(ロ) 特定共同住宅等の住戸等で火災が発生した場合に、当該住戸等の開口部から

噴出する煙により、すべての階の廊下において、消火、避難その他の消防の活

動に支障になる高さ(床面からの高さ 1.8 メートルをいう。)まで煙が降下しな

いこと。

ロ 外気に面しない部分が存する場合にあっては、当該外気に面しない部分の長さは、

6メートル以下であり、かつ、当該外気に面しない部分の幅員の4倍以下であるこ

と。

(5) 階段室等は、次のイ又はロに定めるところによるものであること。

イ 平成 14 年消防庁告示第7号に適合する開口部を有すること。

ロ 特定共同住宅等の住戸等で火災が発生した場合に、当該住戸等の開口部から噴出

する煙により、階段室等において、消火、避難その他の消防の活動に支障になる高

さ(床面からの高さ 1.8 メートルをいう。)まで煙が降下しないこと。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-15

第5 二方向避難・開放型特定共同住宅等

省令第2条第 10 号に規定する二方向避難・開放型特定共同住宅等は、特定共同住宅等に

おける火災時に、すべての住戸、共用室及び管理人室から、少なくとも一以上の避難経路を

利用して安全に避難できるようにするため、避難階又は地上に通ずるニ以上の異なった避難

経路を確保し、かつ、その主たる出入口が開放型廊下又は開放型階段に面していることによ

り、特定共同住宅等における火災時に生ずる煙を有効に排出することができる特定共同住宅

等であって、第3及び第4に掲げる要件を満たすものとする。

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-16

別添4

共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準

平成 18 年5月 30 日

消防庁告示 第 17 号

第1 趣旨

この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令(平成 17 年総務省令第 40 号。以下「省令」という。)第3条第2項

第2号チに規定する共同住宅用スプリンクラー設備の設置及び維持に関する技術上の基準を

定めるものとする。

第2 設置及び維持に関する技術上の基準

共同住宅用スプリンクラー設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持する

ものとする。

一 スプリンクラーヘッドは、次に定めるところによること。

(1) スプリンクラーヘッドは、閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める

省令(昭和 40 年自治省令第2号)第2条第1号の2に規定する小区画型ヘッドのう

ち、感度種別が一種であるものに限ること。

(2) スプリンクラーヘッドのデフレクターから下方 0.45 メートル以内で、かつ、水平

方向の壁面までの範囲には、著しく散水を妨げるものが設けられ、又は置かれていな

いこと。

(3) スプリンクラーヘッドは、天井の各部分から一のスプリンクラーヘッドまでの水

平距離が 2.6 メートル以下で、かつ、一のスプリンクラーヘッドにより防護される部

分の面積が 13 平方メートル以下となるように設けること。

二 制御弁は、次に定めるところによること。

(1) 制御弁は、住戸、共用室(省令第2条第3号に規定する共用室をいう。以下同じ。)

又は管理人室ごとに、床面からの高さが 0.8 メートル以上 1.5 メートル以下の箇所に

設けること。

(2) 制御弁は、パイプシャフト、パイプダクトその他これらに類するものの中に設け

るとともに、その外部から容易に操作でき、かつ、みだりに閉止できない措置が講じ

られていること。

(3) 制御弁には、その直近の見やすい箇所に共同住宅用スプリンクラー設備の制御弁

である旨を表示し、及びいずれの住戸、共用室又は管理人室のものであるかを識別で

きる標識を設けること。

三 自動警報装置は、次に定めるところによること。ただし、省令第2条第 14 号に規定す

る共同住宅用自動火災報知設備により音声警報が発せられる場合は、(6)に規定する音声

警報装置(流水検知装置又は圧力検知装置から発せられたスプリンクラーヘッドが開放し

た旨の信号を受信し、音声により火災の発生を報知するものをいう。以下同じ。)を設けな

いことができる。

(1) スプリンクラーヘッドの開放により音声警報を発するものとすること。

(2) 発信部は、住戸、共用室又は管理人室ごとに設けるものとし、当該発信部には、

流水検知装置又は圧力検知装置を用いること。

(3) (2)の流水検知装置又は圧力検知装置にかかる圧力は、当該流水検知装置又は

圧力検知装置の最高使用圧力以下とすること。

(4) 受信部には、次に定めるところにより、表示装置を設けること。ただし、第 14

号において準用する消防法施行規則(昭和 36 年自治省令第6号。以下[規則]とい

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-17

う。)第 14 条第1項第 12 号において準用することとされる規則第 12 条第1項第8号

に規定する総合操作盤が設けられている場合又は共同住宅用自動火災報知設備の設置

及び維持に関する技術上の基準(平成 18 年消防庁告示第 18 号。第 13 号において単

に「告示」という。)第2第2号に規定する住棟受信機(スプリンクラーヘッドが開放

した旨を火災が発生した旨と区別して表示することができる措置が講じられているも

のに限る。)が設けられている場合にあっては、この限りでない。

イ 表示装置は、スプリンクラーヘッドが開放した階又は放水区域を覚知できるもの

であること。

ロ 表示装置の設置場所は、次に定めるところによること。

(イ) 規則第 12 条第1項第8号に規定する防災センター等を有する場合は、当該

防災センター等に設けること。

(ロ) (イ)以外の場合は、管理人室に設けること。ただし、当該管理人室に常時

人がいない場合は、スプリンクラーヘッドが開放した旨の表示を容易に確認で

きる場所に設けることができる。

(5) 一の特定共同住宅等(省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。)に二

以上の受信部が設けられているときは、これらの受信部のある場所相互間で同時に通

話することができる設備を設けること。

(6) 音声警報装置は、次に定めるところによること。

イ 音声警報装置(補助音響装置(住戸、共用室又は管理人室にいる者に対し、有効

に音声警報を伝達するために、流水検知装置又は圧力検知装置からスプリンクラー

ヘッドが開放した旨の信号を受信し、補助的に音声警報を発する装置をいう。以下

同じ。)の音声警報装置を含む。以下このイ及びハにおいて同じ。)の音圧は、次に

定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室に設ける音声警報装置の音圧は、取り付けられた

音声警報装置から1メートル離れた位置で 70 デシベル以上であること。

(ロ) (イ)に掲げる部分以外の部分に設ける音声警報装置の音圧は、規則第 25

条の2第2項第3号イの規定の例によること。

ロ 音声警報装置の設置は、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従い、当該(イ)

及び(ロ)に定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室に設ける場合 当該住戸、共用室又は管理人室ご

とに、音声警報装置を1個以上設けること。ただし、有効に音声警報が伝わら

ないおそれがある部分については、当該部分に音声警報を有効に伝達すること

ができるように補助音響装置を設けることとする。

(ロ) 住戸、共用室及び管理人室以外の部分(直接外気に開放された共用部分(省

令第2条第4号に規定する共用部分をいう。)を除く。)に設ける場合 規則第

25 条の2第2項第3号ロの規定の例によること。

ハ 音声警報装置の音声警報音は、次に定めるところによること。

(イ) 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。

(ロ) シグナルは、非常警報設備の基準(昭和 48 年消防庁告示第6号)第4第3

号(2)に定めるところによること。

(ハ) メッセージは、男声によるものとし、火災が発生した場所、避難誘導及び火

災である旨の情報又はこれに関連する内容であること。

(ニ) 音声警報音は、サンプリング周波数8キロヘルツ以上及び再生周波数帯域3

キロヘルツ以上のAD-PCM符号化方式による音声合成音又はこれと同等以

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-18

上の音質を有するものであること。

ニ 音声警報を発する区域は、スプリンクラーヘッドが開放した住戸、共用室及び管

理人室のほか、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従い、当該(イ)及び(ロ)

に定めるところによること。

(イ) 特定共同住宅等の構造類型を定める件(平成 17 年消防庁告示第3号。(ロ)

において「構造類型告示」という。)第2第4号に規定する階段室型特定共同住

宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口が面する階段室等(省令

第2条第5号に規定する階段室等(省令第2条第7号に規定する開放型階段を

除く。)をいう。)のうち、6以上の階にわたらない部分を一の区域として当該

区域及びその直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面する住戸、共用室

及び管理人室並びにエレベーターの昇降路

(ロ) 構造類型告示第2第5号に規定する廊下型特定共同住宅等 当該住戸、共用

室及び管理人室の存する階が2階以上の階に存する場合にあっては当該階及び

その直上階、1階に存する場合にあっては当該階、その直上階及び地階、地階

に存する場合にあっては当該階、その直上階及びその他の地階

ホ 音声警報の構成は、第一シグナル、メッセージ、1秒間の無音状態、第一シグナ

ル、メッセージ、1秒間の無音状態、第ニシグナルの順に連続する警報を一単位と

して、これを 10 分間以上連続して繰り返すものであること。

ヘ 住戸、共用室又は管理人室ごとに、当該住戸、共用室又は管理人室の音声警報を

停止できる機能を設けることができること。

四 流水検知装置は、湿式のものとすること。

五 流水検知装置の一次側には、圧力計を設けること。

六 呼水装置は、規則第 14 条第1項第5号の規定の例により設けること。

七 流水検知装置又は圧力検知装置の二次側の配管には、流水検知装置又は圧力検知装置の

作動を試験するための弁(以下「試験弁」という。)を次に定めるところにより設けること。

(1) 試験弁の一次側には圧力計が、二次側にはスプリンクラーヘッドと同等の放水性

能を有するオリフィス等の試験用放水口が取り付けられるものであること。

(2) 試験弁にはその直近の見やすい箇所に試験弁である旨を表示した標識を設けるこ

と。

(3) 試験弁を開放した場合に、住戸、共用室及び管理人室の音声警報装置が音声警報

(戸外表示器の警報を除く。)を発しない措置を講じることができるものであること。

八 非常電源の容量は、規則第 14 条第1項第6号の2においてその例によることとされる

規則第 12 条第1項第4号ロ(イ)の規定の例によるほか、警報及び表示に要する容量に

あっては、次の(1)から(3)までに定める容量以上であること。

(1) 五の住戸、共用室又は管理人室に設置されている音声警報装置が 10 分間以上連

続して鳴動することができる容量

(2) 五の作動表示灯(表示器に設けられ、当該表示器が設置された住戸、共用室及び

管理人室の感知器が作動した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)が 10 分間以上

連続して点滅することができる容量

(3) 五の制御弁表示灯(表示器に設けられ、当該表示器が設置された住戸、共用室及

び管理人室の制御弁を閉止した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)が 10 分間以

上連続して点滅することができる容量

九 起動装置は、規則第 14 条第1項第8号イ(ロ)の規定の例によること。

十 操作回路の配線、表示装置から流水検知装置又は圧力検知装置までの配線並びに流水検

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-19

知装置又は圧力検知装置から表示器、音声警報装置及び補助音響装置までの配線は、規則

第 14 条第1項第9号の規定の例によること。

十一 配管は、規則第 14 条第1項第 10 号(各号列記以外の部分に限る。)の規定の例によ

ること。

十二 加圧送水装置は、規則第 14 条第1項第 11 号(ハ(イ)を除く。)の規定の例による

ほか、次に定めるところによること。

(1) 点検に便利で、かつ、火災等の災害による被害を受けるおそれが少ない箇所に設

けること。

(2) ポンプを用いる加圧送水装置のポンプの吐出量は、240 リットル毎分以上の量と

すること。

十三 表示器は、告示第3第 10 号に規定する戸外表示器の規定の例によるほか、次に定め

るところによること。ただし、告示第3第 10 号に規定する戸外表示器のうち、次の(1)

及び(2)に掲げる機能を有するものが設けられている場合には、当該戸外表示器による

ことができる。

(1) スプリンクラーヘッドが開放した場合に当該スプリンクラーヘッドが開放した住

戸、共用室及び管理人室の作動表示灯が点滅すること。

(2) 制御弁を閉止した場合に当該制御弁に係る住戸、共用室及び管理人室の制御弁表

示灯が点滅すること。

(3) 作動表示灯及び制御弁表示灯は、相互に兼用することができること。

十四 規則第 14 条第1項第 12 号の規定は、共同住宅用スプリンクラー設備について準用す

る。

十五 貯水槽、加圧送水装置、非常電源、配管等には、規則第 14 条第1項第 13 号において

適用される規則第 12 条第1項第9号に規定する措置を講ずること。

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-20

別添5

共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準

平成 18 年5月 30 日

消防庁告示 第 18 号

第1 趣旨

この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令(平成 17 年総務省令第 40 号。以下「省令」という。)第3条第2項

第3号イただし書き及びヘに規定する共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する

技術上の基準を定めるものとする。

第2 用語の意義

この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに

よる。

一 共同住宅用受信機 共同住宅用自動火災報知設備の受信機(受信機に係る技術上の規格

を定める省令(昭和 56 年自治省令第 19 号。以下「受信機規格省令」という。)第2条第

7号に規定する受信機のうち、P型三級受信機又はGP型三級受信機に限る。)であって、

住戸、共用室(省令第2条第3号に規定する共用室をいう。以下同じ。)及び管理人室に設

ける感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和 56

年自治省令第 17 号。以下「感知器等規格省令」という。)第2条第1号に規定する感知器

をいう。以下同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号(以下「火災信号」という。)

を受信した場合に、火災の発生を当該住戸、共用室及び管理人室の関係者に報知するもの

をいう。

二 住棟受信機 共同住宅用自動火災報知設備の受信機(受信機規格省令第2条第7号に規

定する受信機をいう。)であって、住戸、共用室及び管理人室以外の部分に設ける感知器又

は共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信した場合に、火災の発生を特定共同住

宅等(省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。以下同じ。)の関係者に報知す

るものをいう。

三 音声警報装置 共同住宅用受信機又は住棟受信機から発せられた火災信号を受信し、音

声により火災の発生を報知するものをいう。

四 補助音響装置 住戸、共用室又は管理人室にいる者に対し、有効に音声警報を伝達する

ために、共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信し、補助的に音声警報を発する

装置をいう。

五 戸外表示器 住戸等(省令第2条第2号に規定する住戸等をいう。以下同じ。)の外部に

おいて、共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信し、火災の発生を報知するもの

をいう。

第3 設置及び維持に関する技術上の基準

共同住宅用自動火災報知設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持するも

のとする。

一 省令第3条第2項第3号イただし書きの警戒区域が二以上の階にわたったとしても防火

安全上支障がないものとして消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準は、

次に定めるところによること。

(1) 共同住宅用自動火災報知設備の一の警戒区域の面積が住戸、共用室及び管理人室

にあっては 150 平方メートル以下、その他の部分にあっては 500 平方メートル以下で

あり、かつ、当該警戒区域が特定共同住宅等の二の階にわたる場合又は第2号(1)

イ及びハの規定により煙感知器を設ける場合であること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-21

(2) (1)の規定にかかわらず、階段室型特定共同住宅等(特定共同住宅等の構造類

型を定める件(平成 17 年消防庁告示第3号。(3)において「構造類型告示」という。)

第2第4号に規定する階段室型特定共同住宅等をいう。以下同じ。)に主たる出入口が

面している住戸等及び当該階段室等を単位として、六以上の階にわたらない部分を一

の警戒区域とすること。

(3) 廊下型特定共同住宅等(構造類型告示第2第5号に規定する廊下型特定共同住宅

等をいう。以下同じ。)の階段室等にあっては、当該階段室等ごとに一の警戒区域とす

ること。

二 感知器は、次に定めるところによること。

(1) 次のイからチまでに掲げる場所に、当該イからチまでに定めるところにより感知

器を設けること。

イ 階段及び傾斜路 煙感知器

ロ 廊下及び通路 作動式及び補償式スポット型感知器のうち一種若しくは二種、定

温式スポット型感知器のうち特殊(公称作動温度 60 度又は 65 度のものに限る。以

下ヘ及びトにおいて同じ。)又は煙感知器

ハ エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトその他これらに類するも

の 煙感知器

ニ 感知器を設置する区域の天井等(天井の室内に面する部分又は上階の床若しくは

屋根の下面をいう。以下同じ。)の高さが 15 メートル以上 20 メートル未満の場所

煙感知器又は炎感知器

ホ 感知器を設置する区域の天井等の高さが 20 メートル以上の場所 炎感知器

ヘ 住戸 自動試験機機能等対応型感知器(感知器等規格省令第2条第 19 号の3に

規定する自動試験機能等対応型感知器をいう。以下同じ。)であって、作動式及び補

償式スポット型感知器のうち一種若しくは二種、定温式スポット型感知器のうち特

殊又は煙感知器のうち一種、二種若しくは三種

ト 共用室及び管理人室 作動式及び補償式スポット型感知器のうち一種若しくは二

種、定温式スポット型感知器のうち特殊又は煙感知器のうち一種、二種若しくは三

チ イからトまでに掲げる場所以外の場所 その使用場所に適応する感知器

(2) 感知器の設置は、次に定めるところによること。

イ 熱感知器は、共用部分(省令第2条第4号に規定する共用部分をいう。以下同じ。)

の廊下及び通路にあっては、歩行距離 15 メートルにつき1個以上の個数を、火災

を有効に感知するように設けること。

ロ 煙感知器は、共用部分の廊下及び通路にあっては歩行距離 30 メートル(三種の

感知器にあっては 20 メートル)につき1個以上の個数を、階段及び傾斜路にあっ

ては六以上の階にわたらない部分ごとに1個以上の個数を、火災を有効に感知する

ように設けること。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設ける感知器にあっては共同住宅用受信機に、その

他の部分に設ける感知器にあっては住棟受信機に接続すること。ただし、管理人室に

設ける感知器にあっては、当該管理人室内に住棟受信機を設ける場合に限り、共同住

宅用受信機を介さずに当該住棟受信機に接続することができる。

三 中継器は、消防法施行規則(昭和 36 年自治省令第6号。以下「規則」という。)第 23

条第9項の規定の例によるほか、その付近に当該中継器の操作上支障となる障害物がない

ように維持すること。この場合において、遠隔試験機能(中継器に係る技術上の規格を定

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-22

める省令(昭和 56 年自治省令第 18 号。以下「中継器規格省令」という。)第2条第 13 号

に規定する遠隔試験機能をいう。)を有する中継器のうち、中継器規格省令第3条の3第3

項第1号に規定する外部試験機能を接続するものにあっては、住戸の外部であって容易に

接続することができる場所に設けること。

四 配線は、規則第 24 条第1号(チを除く。)及び第5号の2ハの規定の例によるほか、次

に定めるところによること。

(1) 共同住宅用受信機から住棟受信機、戸外表示器、音声警報装置(共同住宅用受信

機の音声警報装置を除く。)及び補助音響装置までの配線は、規則第 12 条第1項第5

号の規定の例によること。

(2) 非常電源から共同住宅用受信機までの配線は、規則第 12 条第1項第4号ホ((ハ)

を除く。)の規定の例によること。ただし、火災により直接影響を受けるおそれのない

部分の配線にあっては、規則第 12 条第1項第5号の規定の例によることができる。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設ける感知器及び音声警報装置の信号回路の配線(戸

外表示器と共用する配線を除く。)は、当該住戸、共用室及び管理人室の外部から容易

に導通を確認することができるように措置が講じられていること。

五 共同住宅用受信機は、規則第 24 条第2号(イ及びロに限る。)及び第6号並びに第 24

条の2第1号(ホ及びヘを除く。)の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 住戸、共用室及び管理人室(住棟受信機を設ける管理人室を除く。)に設けること。

(2) 住戸、共用室又は管理人室で床面積が 150 平方メートルを超えるものに設けないこ

と。

(3) 住戸、共用室及び管理人室に設けられた共同住宅用受信機にあっては、感知器から

発せられた火災信号を受信した場合に、当該信号を住棟受信機及び戸外表示器に発信す

る機能を有すること。

(4) 感知器が作動した旨の警報(以下「感知器作動警報」という。)を停止できる機能

を設けること。

(5) 火災が発生した旨の警報(以下「火災警報」という。)を停止できる機能を設ける

ことができること。

六 住棟受信機は、規則第 24 条第2号(ハ及びリを除く。)及び第6号から第8号まで並び

に第 24 条の2第1号の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 共同住宅用受信機から発せられた火災信号を受信した場合に、当該共同住宅用受

信機の警戒区域の火災表示を行うこと。

(2) 規則第 12 条第1項第8号に規定する防災センター等がない場合は、管理人室に

設けること。ただし、当該管理人室に常時人がいない場合は、火災表示を容易に確認

できる場所に設けることができる。

(3) 特定共同住宅等の棟ごとに設けること。ただし、同一敷地内に特定共同住宅等が

二以上ある場合で、当該特定共同住宅等の火災発生時に、円滑な対応ができる場合は

この限りでない。

七 電源は、規則第 24 条第3号の規定の例によるほか、共同住宅用受信機の電源にあって

は、住戸、共用室又は管理人室の交流低圧屋内幹線の開閉器が遮断された場合において、

当該住戸、共用室又は管理人室の感知器、戸外表示器、音声警報装置及び補助音響装置の

機能に支障を生じないように措置を講じること。

八 非常電源は、次に定めるところによること。

(1) 非常電源の容量は、次のイ及びロに定める容量を合算した容量であること。

イ 監視状態を 60 分間継続することができる容量

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-23

ロ 次の(イ)及び(ロ)に定める容量を合算した容量に系統数(30 台以下の共同住

宅用受信機を一の系統とし、当該系統数が5を越えるときは、5とする。)を乗じた

容量

(イ) 一の住戸、共用室又は管理人室に設けられている音声警報装置(補助音響装

置の音声警報装置を含む。第9号(1)及び(3)において同じ。)が 10 分間

以上連続して鳴動することができる容量

(ロ) 一の作動表示灯(戸外表示器に設けられ、当該戸外表示器が設置された住戸、共

用室及び管理人室の感知器が作動した旨を表示する表示灯をいう。以下同じ。)

が 10 分間以上連続して点滅することができる容量

(2) 共同住宅用受信機の主電源が停止した場合において、当該共同住宅用受信機が設

置された住戸、共用室又は管理人室の感知器、音声警報装置、補助音響装置及び戸外

表示器の機能に支障を生じないように措置を講じている場合は、当該共同住宅用受信

機に非常電源を設けないことができること。

九 音声警報装置は、次に定めるところによること。

(1) 音声警報装置の音圧は、次に定めるところによること。

イ 住戸、共用室及び管理人室に設ける音声警報装置の音圧は、取り付けられた音声

警報装置から1メートル離れた位置で 70 デシベル以上であること。

ロ イに掲げる部分以外の部分に設ける音声警報装置の音圧は、規則第 25 条の2第

2項第3号イの規定の例によること。

(2) 音声警報装置の設置は、次のイ及びロに掲げる区分に従い、当該イ及びロに定め

るところによること。

イ 住戸、共用室及び管理人室に設ける場合 当該住戸、共用室又は管理人室ごとに、

音声警報装置を1個以上設けること。ただし、有効に音声警報が伝わらないおそれ

のある部分については、当該部分に音声警報を有効に伝達することができるように

補助音響装置を設けることとする。

ロ 住戸、共用室及び管理人室以外の部分(直接外気に開放された共用部分を除く。)

に設ける場合 規則第 25 条の2第2項第3号ロの規定の例によること。

(3) 音声警報装置の音声警報音は、次に定めるところによること。

イ 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。

ロ シグナルは、非常警報設備の基準(昭和 48 年消防庁告示第6号)第4第3号(2)

に定めるところによること。

ハ メッセージは、感知器作動警報にあっては女声によるものとし、火災警報にあっ

ては男声によること。

ニ 感知器作動警報のメッセージの内容は、次の(イ)及び(ロ)に掲げる区分に従

い、当該(イ)及び(ロ)に定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室又は管理人室の感知器が作動した場合 感知器が作動した旨及

び火災の発生を確認する必要がある旨の情報又はこれに関する内容

(ロ) 住戸、共用室又は管理人室以外の部分の感知器が作動した場合 感知器が作

動した場所及び火災の発生を確認する必要がある旨の情報又はこれに関する内

ホ 火災警報のメッセージの内容は、火災が発生した場所、避難誘導及び火災である

旨の情報又はこれに関連する内容であること。

ヘ 住戸、共用室又は管理人室以外の部分においては、感知器が作動した後、60 秒以

内に火災警報を発することができる場合に限り、感知器作動警報を省略することが

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-24

できる。

ト 音声警報音は、サイプリング周波数8キロヘルツ以上及び再生周波数帯域3キロ

ヘルツ以上のAD-PCM符号化方式による音声合成音又はこれと同等以上の音質

を有するものであること。

(4) 音声警報音を発する区域(以下「警報区域」という。)は、次に定めるところによ

ること。

イ 感知器作動警報の警報区域は、作動した感知器が設けられた住戸等及び共用部分

とすること。

ロ 火災警報の警報区域は、次の(イ)から(ニ)までに掲げる区分に従い、当該(イ)

から(ニ)までに定めるところによること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室において火災の発生が確認された場合 当該住戸、

共用室及び管理人室のほか、次のa及びbに掲げる区分に従い、当該a及びb

に定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口

が面する階段室等(開放型階段(省令第2条第7号に規定する開放型階段をい

う、以下同じ。)を除く。)のうち、六以上の階にわたらない部分を一の区域と

して当該区域及びその直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面する住

戸等及びエレベーターの昇降路

b 廊下型特定共同住宅等 当該住戸、共用室及び管理人室の存する階が2階以

上の階に存する場合にあっては出火階及びその直上階、1階に存する場合にあ

っては出火階、その直上階及び地階、地階に存する場合にあっては出火階、そ

の直上階及びその他の地階

(ロ) 倉庫等(倉庫(室の面積が4平方メートル以上のものをいう。)、機械室その

他これらに類する室をいう。以下同じ。)又は共用部分(階段室等及びエレベー

ターの昇降路を除く。以下この(ロ)において同じ。)において火災の発生が確

認された場合 当該倉庫等又は共用部分のほか、次のa及びbに掲げる区分に

従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該倉庫等又は共用部分の主たる出入口が面す

る階段室等(開放型階段を除く。)のうち、六以上の階にわたらない部分を一

の区域として当該区域、その直上の区域並びに当該区域に主たる出入口が面す

る住戸等及びエレベーターの昇降路

b 廊下型特定共同住宅等 当該倉庫等又は共用部分の存する階が2階以上の

階に存する場合にあっては出火階及びその直上階、1階に存する場合にあって

は出火階、その直上階及び地階、地階に存する場合にあっては出火階、その直

上階及びその他の地階

(ハ) 階段室等において火災の発生が確認された場合 次のa及びbに掲げる区分に

従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 当該階段室等(開放型階段を除く。)、当該階段

室等に主たる出入口が面する住戸等及び共用部分(エレベーターの昇降路を除

く。以下この(ハ)において同じ。)

b 廊下型特定共同住宅等 共用部分

(ニ) エレベーターの昇降路において火災の発生が確認された場合 次のa及びbに

掲げる区分に従い、当該a及びbに定める範囲

a 階段室型特定共同住宅等 一の階段室に主たる出入口が面する住戸等又は

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-25

共用部分及び当該階段室等(開放型階段を除く。)のうち、六以上の階にわた

らない部分を一の警報区域としてエレベーターが停止する最上階の警報区域

に存する階段室並びに当該警報区域内の住戸等及び共用部分

b 廊下型特定共同住宅等 エレベーターが停止する最上階に存する住戸等及

び共用部分

(5) 音声警報は、次に定めるところによること。

イ 音声警報の構成は、次に定めるところによること。

(イ) 感知器作動警報は、感知器が作動した旨の信号を受信してから火災警報が発せ

られるまで又は当該感知器作動警報の停止操作がされるまでの間、第一シグナル、

感知器作動警報のメッセージ、一秒間の無音状態の順に連続する警報を一単位と

して、これを連続して繰り返すものであること。

(ロ) 火災警報は、第一シグナル、火災警報のメッセージ、一秒間の無音状態、第一

シグナル、火災警報のメッセージ、一秒間の無音状態、第二シグナルの順に連続

する警報を一単位として、これを 10 分間以上連続して繰り返すものであること。

ロ 音声警報の機能は、次に定めるところによること。

(イ) 感知器が作動した旨の信号を受信した場合に、自動的に感知器作動警報を行う

こと。

(ロ) 感知器が作動した旨の信号を受信した後感知器作動警報を停止させずに2分

以上5分以下の範囲で任意に設定した時間が経過した場合又は火災信号を受信

した場合は、自動的に火災警報を行うこと。

(6) 住戸の外部から、自動試験機能(中継器規格省令第2条第 12 号に規定する自動

試験機能をいう。)又は遠隔試験機能を用いて住戸に設置されている共同住宅用受信機

及び自動試験機能等対応型感知器並びに住戸の外部に設置されている戸外表示器の機

能の異常を確認する場合には、当該住戸の音声警報装置が音声警報(戸外表示器の警

報を除く。)を発しない措置を講じることができるものであること。

十 戸外表示器は、次に定めるところによること。

(1) 戸外表示器は、次のイからハまでに適合する場所に設けること。

イ 住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口の外部であって、作動表示灯が当該

住戸、共用室及び管理人室が面する共用部分から容易に確認できる場所。

ロ 点検に便利な場所

ハ 雨水のかかるおそれの少ない場所

(2) (1)に定めるもののほか、戸外表示器は、消防庁長官が定める基準に適合する

ものであること。

十一 規則第 24 条第9号の規定は、共同住宅用自動火災報知設備について準用する。

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-26

別添6

住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備の設置及び維持に関する技術

上の基準

平成 18 年5月 30 日

消防庁告示 第 19 号

第1 趣旨

この告示は、特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令(平成 17 年総務省令第 40 号。以下「省令」という。)第3条第2項

第4号ホに規定する住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備の設置及び維持に

関する技術上の基準を定めるものとする。

第2 用語の意義

この基準において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところに

よる。

一 住戸用受信機 住戸用自動火災報知設備の受信機(受信機に係る技術上の規格を定める

省令(昭和 56 年自治省令第 19 号。)第2条第7号に規定する受信機のうち、P型三級受

信機又はGP型三級受信機に限る。)であって、住戸等(省令第2条第2号に規定する住戸

等をいう。以下同じ。)及び共用部分(省令第2条第4号に規定する共用部分をいう。以下

同じ。)に設ける感知器(火災報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省

令(昭和 56 年自治省令第 17 号。以下「感知器等規格省令」という。)第2条第1号に規

定する感知器をいう。以下同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号(以下「火災信

号」という。)を受信した場合に、火災の発生を当該住戸等及び共用部分の関係者に報知す

るものをいう。

二 音声警報装置 感知器又は住戸用受信機から発せられた火災信号を受信し、音声又は音

響により火災の発生を報知するものをいう。

三 補助音響装置 住戸等および共用部分にいる者に対し、有効に音声警報又は音響警報を

伝達するために、住戸用受信機から発せられた火災信号を受信し、補助的に音声警報又は

音響警報を発する装置をいう。

四 戸外表示器 住戸等の外部において、住戸用受信機から発せられた火災信号を受信し、

火災の発生を報知するものをいう。

第3 住戸用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準

住戸用自動火災報知設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持するものと

する。

一 省令第3条第2項第4号ロにおいてその例によることとされる省令第3条第2項第3号

イただし書きの警戒区域が二以上の階にわたったとしても防火安全上支障がないものとし

て消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準は、次に定めるところによるこ

と。

(1) 住戸用自動火災報知設備の一の警戒区域の面積が住戸等にあっては 150 平方メー

トル以下、共用部分にあっては 500 平方メートル以下であり、かつ、当該警戒区域が

特定共同住宅等(省令第2条第1号に規定する特定共同住宅等をいう。)の二の階にわ

たる場合又は第2号(1)イ及びハの規定により煙感知器を設ける場合であること。

(2) (1)の規定にかかわらず、階段室型特定共同住宅等(特定共同住宅等の構造類

型を定める件(平成 17 年消防庁告示第3号。(3)において「構造類型告示」という。)

第2第4号に規定する階段室型特定共同住宅等をいう。以下同じ。)にあっては、一の

階段室等(省令第2条第5号に規定する階段室等をいう。以下同じ。)のうち、六以上

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-27

の階にわたらない部分を一の警戒区域とすること。

(3) 廊下型特定共同住宅等(構造類型告示第2第5号に規定する廊下型特定共同住宅

等をいう。以下同じ。)の階段室等にあっては、当該階段室等ごとに一の警戒区域とす

ること。

二 感知器は、次に定めるところによること。

(1) 次のイからチまでに掲げる場所に、当該イからチまでに定めるところにより感知

器を設けること。

イ 階段及び傾斜路 煙感知器

ロ 廊下及び通路 作動式及び補償式スポット型感知器のうち一種若しくは二種、定

温式スポット型感知器のうち特殊(公称作動温度 60 度又は 65 度のものに限る。以

下ヘ及びトにおいて同じ。)又は煙感知器

ハ エレベーターの昇降路、リネンシュート、パイプダクトその他これらに類するも

の 煙感知器

ニ 感知器を設置する区域の天井等(天井の室内に面する部分又は上階の床若しくは

屋根の下面をいう。以下同じ。)の高さが 15 メートル以上 20 メートル未満の場所

煙感知器又は炎感知器

ホ 感知器を設置する区域の天井等の高さが 20 メートル以上の場所 炎感知器

ヘ 住戸 自動試験機機能等対応型感知器(感知器等規格省令第2条第 19 号の3に

規定する自動試験機能等対応型感知器をいう。以下同じ。)であって、作動式及び補

償式スポット型感知器のうち一種若しくは二種、定温式スポット型感知器のうち特

殊又は煙感知器のうち一種、二種若しくは三種

ト 共用室(省令第2条第3号に規定する共用室をいう。)及び管理人室 作動式及び

補償式スポット型感知器のうち一種若しくは二種、定温式スポット型感知器のうち

特殊又は煙感知器のうち一種、二種若しくは三種

チ イからトまでに掲げる場所以外の場所 その使用場所に適応する感知器

(2) 感知器の設置は、次に定めるところによること。

イ 熱感知器は、共用部分の廊下及び通路にあっては、歩行距離 15 メートルにつき

1個以上の個数を、火災を有効に感知するように設けること。

ロ 煙感知器は、共用部分の廊下及び通路にあっては歩行距離 30 メートル(三種の

感知器にあっては 20 メートル)につき1個以上の個数を、階段及び傾斜路にあっ

ては六以上の階にわたらない部分ごとに1個以上の個数を、火災を有効に感知する

ように設けること。

(3) 感知器は、住戸用受信機に接続すること。

三 中継器は、消防法施行規則(昭和 36 年自治省令第6号。以下「規則」という。)第 23

条第9項の規定の例によるほか、その付近に当該中継器の操作上支障となる障害物がない

ように維持すること。この場合において、遠隔試験機能(中継器に係る技術上の規格を定

める省令(昭和 56 年自治省令第 18 号。以下「中継器規格省令」という。)第2条第 13 号

に規定する遠隔試験機能をいう。)を有する中継器のうち、中継器規格省令第3条の3第3

項第1号に規定する外部試験機能を接続するものにあっては、住戸の外部であって容易に

接続することができる場所に設けること。

四 配線は、規則第 24 条第1号(チを除く。)及び第5号の2ハの規定の例によるほか、次

に定めるところによること。

(1) 電源から住戸用受信機(監視状態を 60 分間継続した後、10 分間以上作動するこ

とができる容量の予備電源を有する場合を除く。)までの配線並びに住戸用受信機から

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-28

戸外表示器、音声警報装置(住戸用受信機の音声警報装置を除く。)及び補助音響装置

までの配線は、規則第 12 条第1項第5号の規定の例によること。

(2) 住戸等に設ける感知器及び音声警報装置の信号回路の配線(戸外表示器と共用す

る配線を除く。)は、当該住戸等の外部から容易に導通を確認することができるように

措置が講じられていること。

五 住戸用受信機は、規則第 24 条第2号(イ及びロに限る。)及び第6号並びに第 24 条の

2第1号(ホ及びヘを除く。)の規定の例によるほか、次に定めるところによること。

(1) 住戸等及び共用部分に設けること。

(2) 住戸等及び共用部分で床面積が 150平方メートルを超えるものに設けないこと。

(3) 住戸等に設けられた住戸用受信機にあっては、感知器から発せられた火災信号を受

信した場合に、当該信号を戸外表示器に発信する機能を有すること。

(4) 警報を停止できる機能を設けることができること。

六 電源は、規則第 24 条第3号の規定の例によること。ただし、住戸等に設ける住戸用受

信機の電源にあっては、住戸等ごとに交流低圧屋内幹線から専用の分岐開閉器を介してと

ること。

七 音声警報装置(補助音響装置の音声警報装置を含む。以下(1)、(3)及び(6)にお

いて同じ。)は、次に定めるところによること。

(1) 音声警報装置の音圧は、音声警報装置から1メートル離れた位置で 70 デシベル

以上であること。

(2) 音声警報装置は、住戸等及び共用部分に、かつ、有効に火災の発生を報知できる

ように設けること。ただし、有効に音声警報又は音響警報が伝わらないおそれのある

部分については、当該部分に音声警報又は音響警報を有効に伝達することができるよ

うに補助音響装置を設けることとする。

(3) 音声警報装置の音声警報音は、次に定めるところによること。

イ 音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。

ロ シグナルは、非常警報設備の基準(昭和 48 年消防庁告示第6号)第4第3号(2)

に定めるところによること。

ハ メッセージは、男声によるものとし、火災が発生した場所、避難誘導及び火災で

ある旨の情報又はこれに関する内容であること。

ニ 音声警報音は、サイプリング周波数8キロヘルツ以上及び再生周波数帯域3キロ

ヘルツ以上のAD-PCM符号化方式による音声合成音又はこれと同等以上の音質

を有するものであること。

(4) 音声警報を発する区域は、次のイ及びロに掲げる区分に従い、当該イ及びロに定

めるところによること。

イ 住戸、共用室及び管理人室において火災の発生が確認された場合 当該住戸等に設

置された感知器から発せられた火災信号を受信した住戸用受信機の警戒区域及び当

該住戸等に面する共用部分

ロ 共用部分において火災の発生が確認された場合 当該共用部分に設置された感

知器から発せられた火災信号を受信した住戸用受信機の警戒区域

(5) 音声警報は、次に定めるところによること。

イ 音声警報の構成は、第一シグナル、メッセージ、一秒間の無音状態、第一シグナ

ル、メッセージ、一秒間の無音状態、第二シグナルの順に連続する警報を一単位とし

て、これを 10分間以上連続して繰り返すものであること。

ロ 火災信号を受信した場合に、自動的に音声警報を行うこと。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-29

(6) 住戸の外部から、自動試験機能(中継器規格省令第2条第 12 号に規定する自動

試験機能をいう。)又は遠隔試験機能を用いて住戸に設置されている住戸用受信機及び

自動試験機能等対応型感知器並びに住戸の外部に設置されている戸外表示器の機能の

異常を確認する場合には、当該住戸の音声警報装置が音声警報(戸外表示器の警報を

除く。)を発しない措置を講じることができるものであること。

ハ 音響警報を用いる住戸用自動火災報知設備にあっては、前号((1)、(3)イ及びハ並び

に(5)イを除く。)及び第4第1号(1)に定めるところによるほか、感知器から発せら

れた火災信号を受信した場合に住戸用受信機から火災が発生した旨の音響警報を発するも

のであること。

九 戸外表示器は、次に定めるところによること。

(1) 戸外表示器は、次のイからハまでに適合する場所に設けること。

イ 住戸、共用室及び管理人室の主たる出入口の外部であって、作動表示灯(戸外

表示器に設けられ、当該戸外表示器が設置された住戸、共用室及び管理人室の感

知器が作動した旨を表示する表示灯をいう。)が当該住戸、共用室及び管理人室

が面する共用部分から容易に確認できる場所。

ロ 点検に便利な場所

ハ 雨水のかかるおそれの少ない場所

(2) (1)に定めるもののほか、戸外表示器は、消防庁長官が定める基準に適合する

ものであること。

第4 共同住宅用非常警報設備の設置及び維持に関する技術上の基準

共同住宅用非常警報設備は、次の各号に定めるところにより設置し、及び維持するものと

する。

一 音響装置は、非常ベル又は自動式サイレンの音響装置とし、次に定めるところによるこ

と。

(1) 音圧は、音響装置の中心から1メートル離れた位置で 90 デシベル以上であるこ

と。

(2) 一の起動装置の操作によって、当該特定共同住宅等に設ける音響装置を一斉に鳴

動させることができること。

(3) 廊下型特定共同住宅等にあっては、廊下の各部分から一の音響装置までの水平距

離が 25 メートル以下となるように設けること。

(4) 階段室型特定共同住宅等にあっては、一階及び当該階から上方に数えた階数三以

内ごとに設けること。

二 起動装置は、規則第 25 条の2第2項第2号の2(イを除く。)の規定によるほか、各階

ごとに、階段付近に設けること。ただし、階段室型特定共同住宅等にあっては、一階及び

当該階から上方に数えた階数三以内ごとに設けることができる。

三 操作部(起動装置と連動し、又は手動により警報を発するものをいう。)は、次に定める

ところによること。

(1) 点検に便利で、かつ、雨水等のかかるおそれの少ない場所に設けること。

(2) 一回線に接続することができる音響装置及び表示灯の個数は、それぞれ 15 以下

とすること。

四 配線は、規則第 25 条の2第2項第4号の規定の例によること。

五 非常電源は、規則第 25 条の2第2項第5号の規定の例によること。

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-30

別添7

戸外表示器の基準

平成 18 年5月 30 日

消防庁告示 第 20 号

第1 趣旨

この告示は、共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準(平成 18

年消防庁告示第 18 号。第2第 11 号において「共同住宅用自動火災報知設備告示」という。)

第3第 10 号(2)及び住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常用警報設備の設置及び

維持に関する技術上の基準(平成 18 年消防庁告示第 19 号。第2第 11 号において「住戸用

自動火災報知設備等告示」という。)第3第9号(2)に規定する戸外表示器の基準を定める

ものとする。

第2 構造及び機能

戸外表示器の構造及び機能は、次の各号に定めるところによる。

一 確実に作動し、かつ、取扱い、保守点検及び附属部品の取替えが容易にできること。

二 耐久性を有すること。

三 水滴が浸入しにくいこと。

四 ほこり又は湿気により機能に異常を生じないこと。

五 腐食により機能に異常を生ずるおそれのある部分には、防食のための措置を講ずること。

六 不燃性又は難燃性の外箱で覆うこと。

七 配線は、十分な電流容量を有し、かつ、接続が的確であること。

八 部品は、機能に異常が生じないように、的確に、かつ、容易に緩まないように取り付け

ること。

九 充電部は、外部から容易に人が触れないように、十分に保護すること。

十 定格電圧は、60 ボルト以下であること。ただし、附属装置にあっては、この限りでない。

十一 共同住宅用受信機(共同住宅用自動火災報知設備告示第2第1号に規定する共同住宅

用受信機をいう。以下同じ。)又は住戸用受信機(住戸用自動火災報知設備等告示第2第1

号に規定する住戸用受信機をいう。以下同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号を

受信したときに遅滞なく警報を発すること。

十二 音声警報装置の音圧は、当該音声警報装置から1メートル離れた位置で 70 デシベル

以上であること。

十三 作動表示灯(戸外表示器に設けられ、当該戸外表示器が設置された住戸等(特定共同

住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令

(平成 17 年総務省令第 40 号)第2条第2号に規定する住戸等をいう。)の感知器(火災

報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和 56 年自治省令第 17

号)第2条第 1 号に規定する感知器をいう。)が作動した旨を表示する表示灯をいう。以

下同じ。)は、共同住宅用受信機又は住戸用受信機から発せられた火災が発生した旨の信号

を受信した場合に直ちに赤色の灯火を点滅させること。

十四 作動表示灯は、周囲の明るさが 300 ルクスの状態において、前方3メートル離れた地

点で点滅していることが明確に識別することができること。

十五 共同住宅用受信機又は住戸用受信機が通電状態にあることを容易に確認できる通電表

示灯を有すること。

十六 周囲の温度が零下 10 度以上 50 度以下の場合、機能に異常を生じないものであること。

十七 通電状態において、温度 40 度で相対湿度 85 パーセントの空気中に一時間放置した場

合、機能に異常を生じないものであること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-31

十八 充電部と非充電部との間の絶縁耐力は、50 ヘルツ又は 60 ヘルツの正弦波に近い実効

電圧 500 ボルト(定格電圧が 60 ボルトを超え 150 ボルト以下のものにあっては、1,000

ボルト、定格電圧が 150 ボルトを超えるものにあっては定格電圧に2を乗じて得た値に

1,000 ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、一分間これに耐えること。

第3 附属装置

戸外表示器には、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならな

いこと。

第4 表示

戸外表示器には、次の各号に掲げる事項を見やすい箇所に容易に消えないように表示する

ものとする。

一 型式番号

二 製造年月

三 製造者名又は商標

附 則

この告示は、平成 19 年4月1日から施行する。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-32

別添8

特定共同住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供す

る設備等に関する省令等の運用について

平成 18 年8月 12 日

消防予 第 188 号

第1 趣旨

この告示は、共同住宅用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準(平成 18

年消防庁告示第 18 号。第2第 11 号において「共同住宅用自動火災報知設備告示」という。)

第3第 10 号(2)及び住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常用警報設備の設置及び

維持に関する技術上の基準(平成 18 年消防庁告示第 19 号。第2第 11 号において「住戸用

自動火災報知設備等告示」という。)第3第9号(2)に規定する戸外表示器の基準を定める

ものとする。

第2 構造及び機能

戸外表示器の構造及び機能は、次の各号に定めるところによる。

一 確実に作動し、かつ、取扱い、保守点検及び附属部品の取替えが容易にできること。

二 耐久性を有すること。

三 水滴が浸入しにくいこと。

四 ほこり又は湿気により機能に異常を生じないこと。

五 腐食により機能に異常を生ずるおそれのある部分には、防食のための措置を講ずること。

六 不燃性又は難燃性の外箱で覆うこと。

七 配線は、十分な電流容量を有し、かつ、接続が的確であること。

八 部品は、機能に異常が生じないように、的確に、かつ、容易に緩まないように取り付け

ること。

九 充電部は、外部から容易に人が触れないように、十分に保護すること。

十 定格電圧は、60 ボルト以下であること。ただし、附属装置にあっては、この限りでない。

十一 共同住宅用受信機(共同住宅用自動火災報知設備告示第2第1号に規定する共同住宅

用受信機をいう。以下同じ。)又は住戸用受信機(住戸用自動火災報知設備等告示第2第1

号に規定する住戸用受信機をいう。以下同じ。)から発せられた火災が発生した旨の信号を

受信したときに遅滞なく警報を発すること。

十二 音声警報装置の音圧は、当該音声警報装置から1メートル離れた位置で 70 デシベル

以上であること。

十三 作動表示灯(戸外表示器に設けられ、当該戸外表示器が設置された住戸等(特定共同

住宅等における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令

(平成 17 年総務省令第 40 号)第2条第2号に規定する住戸等をいう。)の感知器(火災

報知設備の感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令(昭和 56 年自治省令第 17

号)第2条第 1 号に規定する感知器をいう。)が作動した旨を表示する表示灯をいう。以

下同じ。)は、共同住宅用受信機又は住戸用受信機から発せられた火災が発生した旨の信号

を受信した場合に直ちに赤色の灯火を点滅させること。

十四 作動表示灯は、周囲の明るさが 300 ルクスの状態において、前方3メートル離れた地

点で点滅していることが明確に識別することができること。

十五 共同住宅用受信機又は住戸用受信機が通電状態にあることを容易に確認できる通電表

示灯を有すること。

十六 周囲の温度が零下 10 度以上 50 度以下の場合、機能に異常を生じないものであること。

十七 通電状態において、温度 40 度で相対湿度 85 パーセントの空気中に一時間放置した場

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-33

合、機能に異常を生じないものであること。

十八 充電部と非充電部との間の絶縁耐力は、50 ヘルツ又は 60 ヘルツの正弦波に近い実効

電圧 500 ボルト(定格電圧が 60 ボルトを超え 150 ボルト以下のものにあっては、1,000

ボルト、定格電圧が 150 ボルトを超えるものにあっては定格電圧に2を乗じて得た値に

1,000 ボルトを加えた値)の交流電圧を加えた場合、一分間これに耐えること。

第3 附属装置

戸外表示器には、その機能に有害な影響を及ぼすおそれのある附属装置を設けてはならな

3 運用期日等

⑴ 新特例基準は、平成 8 年 10 月1日から運用されたいこと。

なお、防火対象物の関係者等との事前協議等において、新特例基準によることかできる

場合にあっては、同日前に運用することとしても差し支えないものであること。

⑵ 49 号通知及び 170 号通知が適用されている既存の共同住宅等であって、これらの通知に

よる基準に適合しているものにあっては、当分の間これらの通知に基づく消防用設備等の

特例を認めて差し支えないものであること。

⑶ 新特例基準の運用日以降においては、49 号通知、170 号通知及び次に掲げる通知並びに

これらの通知に関する質疑応答に係る適用を行わないものであること。

ア 「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の細則について」(昭和 50 年1月 13

日付け消防予第 190 号)

イ 「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例の細目について」(昭和

62 年7月 1 日付け消防予第 109 号)

4 その他

⑴ 消防法施行令第 21 条第1項の規定により自動火災報知設備の設置が義務づけられる共

同住宅等について、新特例基準を適用しない場合であっても、適正な機能維持を図るため、

住戸等の外部から感知器に係る機能の点検が可能な遠隔試験機能付きの自動火災報知設備

又は自動試験機能付きの自動火災報知設備を設置するよう指導されたいこと。

⑵ 新特例基準において自動火災報知設備(共同住宅用自動火災報知設備及び住戸用自動火

災報知設備)の設置を省略することのできる共同住宅等であっても、火災の早期発見とい

う観点から、極力、自動火災報知設備(共同住宅用自動火災報知設備及び住戸用自動火災

報知設備)又は住宅用火災警報器を設置するよう指導されたいこと。

⑶ 既存の共同住宅等で自動火災報知設備を設置していないものについては、住宅防火対策

の観点から、機会を捉え、住戸用自動火災報知設備又は住宅用火災警報器を設置するよう

指導されたいこと。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-34

別 添

共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例

第1 適用範囲

この基準は、消防法施行令(以下「令」という。)別表第 1 ⑸項ロに掲げる防火対象物(寄

宿舎、下宿又は共同住宅)及び令第 8 条の規定により同項ロに掲げる防火対象物とみなされる

もの(以下「共同住宅等」という。)に適用する。

第2 用語の意義

この基準における用語の意義は、次のとおりとする。

1 住戸等とは、住戸(寝室、宿泊室等の部分を含む。以下同じ。)、共用室、管理人室、倉庫、

機械室、電気室その他これらに頼する室をいう。

2 共用室とは、居住者の集会、遊戯等の用に供する室をいう。

3 共用部分とは、廊下、階段、エントランスホール、エレベーターホール、駐車場等の住戸

等以外の部分で居住者が共用する部分をいう。

4 階段室等とは、避難階又は地上に通ずる直通階段及びその階段室をいう。

5 二方向避難とは、住戸、共用室及び管理人室について、地上又は避難階に通ずる安全な避

難のための経路を 2 以上確保することにより、出火場所がどこであっても、少なくとも一つ

の経路を安全に利用して避難できることをいう。

6 開放型の廊下及び階段室等とは、直接外気に開放され、かつ、住戸等の火災時に発生する

煙を有効に外気に排煙できる廊下及び階段室等をいう。

7 二方向避難型共同住宅等とは、共同住宅等のうちすべての住戸、共用室及び管理人室につ

いて、二方向避難が確保されているものをいい、二方向避難・開放型共同住宅等に該当する

ものを除くものとする。

8 開放型共同住宅等とは、共同住宅等のうちすべての住戸、共用室及び管理人室について、

その主たる出入ロが開放型の廊下又は階段室等に面しているものをいい、二方向避難・開放

型共同住宅等に該当するものを除くものとする。

9 二方向避難・開放型共同住宅等とは、すべての住戸、共用室及び管理人室について、二方

向避難が確保され、かつ、その主たる出入ロが開放型の廊下又は階段室等に面しているもの

をいう。

10 階段室型共同住宅等とは、すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入

ロが階段室等に面する共同住宅等をいい、個々の階段室等を連結する廊下を有するものを含

むものとする。

11 廊下型共同住宅等とは、すべての住戸、共用室及び管理人室について、その主たる出入口

が階段室等以外の廊下等の通路に面する共同住宅等をいう。

12 光庭とは、採光のために設ける屋根のない吹き抜け状の空間をいう。

13 特定光度とは、光庭に面する住戸等において火災が発生した場合に、当該住戸等の光庭に

面する開口部からの火煙が上階に位置する住戸等に対して、影響を与えるおそれのあるもの

をいう。

14 共同住宅用スプリンクラー設備とは、共同住宅等の構造、利用形態等を勘案して、その消

火、警報、維持管理等に適した性能、機能等を有する閉鎖型スプリンクラーヘッドを使用す

るスプリンクラー設備で、別紙 1「共同住宅用スプリンクラー設備の設置基準」に適合する

ものをいう。

15 共同住宅用自動火災報知設備とは、共同住宅等の構造、利用形態等を勘案して、その感知、

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-35

警報、維持管理等に適した性能、機能等を有する自動火災報知設備で、別紙 2「共同住宅用

自動火災報知設備の設置基準」に適合するものいう。

16 住戸用自動火災報知設備とは、共同住宅等の構造、利用形態等を勘案して、その感知、警

報、維持管理等に適した性能、機能等を有する自動火災報知設備で、別紙 3「住戸用自動火

災報知設備の設置基準」に適合するものをいう。

17 共同住宅用非常警報設備とは、共同住宅等の構造、利用形態等を勘案して、その警報、維

持管理等に適した性能、機能等を有する非常警報設備で、別紙 4「共同住宅用非常警報設備

の設置基準」に適合するものをいう。

第3 建築構造上の要件

この基準を適用することのできる共同住宅等の建築構造上の要件は、次のとおりである。

1 主要構造部が耐火構造であること。

2 共用部分の璧及び天井の仕上げが不燃材料又は準不燃材料であること。

3 住戸等と住戸等及び住戸等と共用部分とは、開口部のない耐火構造の床又は璧で防火区画

されていること。

ただし、住戸等と共用部分を防火区画している壁には、一定の防火措置を講じた出入ロ、

窓等の開口部を設けることができる。

なお、防火区画及び開口部の防火措置については、別紙 5「住戸等の防火区画の基準及び

開口部の防火措置」によること。

4 特定光度に面する開口部には、防火措置がとられていること。

なお、特定光庭に面する開口部の防火措置については、別紙 6「特定光庭に面する開口部

の防火措置」によること。

第 4 消防用設備等の特例等

第 3 に掲げる建築構造上の要件を満たす共同住宅等については、令第 32 条の規定を適用し、

次に掲げる共同住宅等の区分に応じて、それぞれ定める消防用設備等の設置の特例を認めて差

し支えないものである。

1 二方向避難・開放型共同住宅等

⑴ 消火器具

消火器具は、消防法施行規則(以下「規則」という。)第 6 条の規定の例により設置す

るものとする。

ただし、次によることができるものとする。

ア 住戸、共用室及び管理人室に次により消火器を設置した場合にあっては、当該住戸、

共用室及び管理人室が直接面する廊下及び階段室等に消火器具を設置しないことができ

ること。

(ア) 住戸、共用室及び管理人室ごとに設置するものであること。

(イ) 住戸、共用室及び管理人室内に設置する消火器は、住宅用消火器とすること。

イ 階ごとの共用部分(消火器が設置された住戸、共用室及び管理人室が直接面する廊下

及び階段室等を除く。)及び住戸等(住戸、共用室及び管理人室を除く。)の部分にあっ

ては、当該部分の各部分から一の消火器具に至る歩行距離が 20m 以下となるように消火

器具を設置すること。

⑵ スプリンクラー設備

令第 12 条第 1 項第 9 号の規定に基づきスプリンクラー設備を設置しなければならない

共同住宅等にあっては、次によるものとする。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-36

ア スプリンクラー設備は、共同住宅等の 11 階以上となる階のうち、次に掲げる場所に

設置することとし、その他の場所には、スプリンクラー設備を設置しないことができる

こと。

(ア)11 階以上の階に存する住戸及び管理人室

ただし、壁等(壁及び天井(天井がない場合にあっては、上階の床又は屋根)の室

内に面する部分(回り縁、窓台その他これらに類する部分を除く。)をいう。(イ)に

おいて同じ。)の仕上げを不燃材料又は準不燃材料でしてあるものについては、この限

りでない。

(イ)11 階以上の階に存する共用室

ただし、次に掲げる事項のすべてを満たすものについては、この限りでない。

① 壁等の仕上げを不燃材料又は準不燃材料でしてあるものであること。

② 共用室とその他の部分(開放型の廊下及び階段室等に面する部分を除く。)を区

画する壁に設けられる開口部は、規則第 13 条第 1 項第 1 号ロの規定に適合するも

のであること。

③ ②の開口部は、規則第 13 条第 1 項第 1 号ハの規定に適合する防火戸が設けられ

ているものであること。

イ スプリンクラ一設備を住戸、共用室及び管理人室に設ける場合にあっては、共同住宅用

スプリンクラー設備を設置すること。

⑶ 自動火災報知投備

令第 21 条第 1 項の規定に基づき自動火災報知設備を設置しなければならない共同住宅等

にあっては、次によるものとする。

ア 自動火災報知設備は、共同住宅用自動火災報知設備を設置すること。

ただし、次に掲げる共同住宅等にあっては、それぞれに定めるところによることができ

るものであること。

(ア)地階を除く階数が 10 以下の共同住宅等

共同住宅用自動火災報知設備の設置に替えて、住戸等の部分には住戸用自動火

災報知設備を、また、直接外気に開放されていない共用部分には住戸用自動火災

報知設備を住戸等の部分に準じて設置するとともに、それ以外の共用部分には共

同住宅用非常警報設備を設置することができること。

(イ) 地階を除く階数が 5 以下の共同住宅等であって、住戸等と共用部分との問の壁に設

けられている出入口、窓等の開口部の面積の合計が一の住戸等につき4㎡(共用室にあ

っては、8㎡)以下であり、かつ、一の開口部の面積が2㎡以下であるもの

共用部分に共同住宅用非常警報設備を設置した場合にあっては、自動火災報知

設備を設置しないことができること。

イ アの規定にかかわらず、共同住宅用スプリンクラー設備を設置した住戸、共用室及び管

理人室には、共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備を設置しないこと

ができるものであること。

⑷ 屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防機関へ通報する火災報知設

備、非常警報器具及び非常警報設備並びに避難器具

⑴から⑶までに掲げる規定により、消火器、スプリンクラー設備及び自動火災報知設備を

措置した場合にあっては、令第 11 条第 1 項及び第 2 項、第 19 条第 1 項及び第 2 項、第 20

条第 1 項及び第 2 項、第 23 条第 1 項、第 24 条第 1 項から第 3 項まで並びに第 25 条第 1 項

の規定に規定する屋内消火栓設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防機関へ通報

する火災報知設備、非常警報器具及び非常警報設備並びに避難器具を設置しないことができ

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-37

るものとする。

2 二方向避難型共同住宅等又は開放型共同住宅等

⑴ 消火器具

消火器具は、規則第 6 条の規定の例により設置するものとする。

ただし、次によることができるものとする。

ア 住戸、共用室及び管理人室に次により消火器を設置した場合にあっては、当該住戸、

共用室及び管理人室が直接面する廊下及び階段室等に消火器具を設置しないことができ

ること。

(ア)住戸、共用室及び管理人室ごとに設置するものであること。

(イ)住戸、共用室及び管理人室内に設置する消火器は、住宅用消火器とすること。

イ 階ごとの共用部分(消火器が設置された住戸、共用室及び管理人室が直接面する廊下

及び階段室等を除く。)及び住戸等(住戸、共用室及び管理人室を除く。)の部分にあっ

ては、当該部分の各部分から一の消火器具に至る歩行距離が 20m 以下となるように消火

器具を設置すること。

⑵ 屋内消火栓設備

令第 11 条第 1 項の規定に基づき屋内消火栓設備を設置しなければならない共同住宅等

にあっては、同条第 3 項の規定の例により設置するものとする。

ただし、次によることができるものとする。

ア 開放型共同住宅等にあっては、設置しないことができること。

イ すべての住戸、共用室及び管理人室に共同住宅用スプリンクラー設備が設置され

ている階にあっては、設置しないことができること。

⑶ スプリンクラー設備

令弟 12 条第 1 項第 9 号の規定に基づきスプリンクラー設備を設置しなければならない

共同住宅等にあっては、次によるものとする。

ア スプリンクラー設備は、共同住宅等の 11 階以上となる階のうち、次に掲げる場所に

設置することとし、その他の場所には、スプリンクラー設備を設置しないことができる

こと。

(ア)11 階以上 14 階以下の階に存する住戸、共用室及び管理人室

ただし、開放型共同住宅等の住戸及び管理人室にあっては 1.⑵.ア.(ア)のただ

し書の規定に適合するもの、また、開放型共同住宅等の共用室にあっては 1.⑵.ア.

(イ)のただし書の規定に適合するものについては、この限りでない。

(イ)15 階以上の階に存する住戸、共用室及び管理人室

イ スプリンクラー設備は、共同住宅用スプリンクラー設備とすること。

⑷ 自動火災報知設備

令第 21 条第1項の規定に基づき自動火災報知設備を設置しなければならない共同

住宅等にあっては、次によるものとする。

ア 自動火災報知設備は、共同住宅用自動火災報知設備を設置すること。

ただし、次に掲げる共同住宅等にあっては、それぞれに定めるところによることがで

きるものであること。

(ア)地階を除く階数が 5 以下の共同住宅等

共同住宅用自動火災報知設備の設置に替えて、住戸等の部分には住戸用自動火

災報知設備を、また、直接外気に開放されていない共用部分には住戸用自動火災

報知設備を住戸等の部分に準じて設置するとともに、それ以外の共用部分には共

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-38

同住宅用非常警報設備を設置することができること。

(イ)地階を除く階数が 2 以下の共同住宅等であって、住戸等と共用部分との問の壁

に設けられている出入口、窓等の開口部の面積の合計が一の住戸等につき4㎡(共用

室にあっては、8 ㎡)以下であり、かつ、一の開口部の面積が 2 ㎡以下であるもの

共用部分に共同住宅用非常警報投備を投直した場合にあっては、自動火災報知

設備を設置しないことができること。

イ アの規定にかかわらず、共同住宅用スプリンクラー設備を設置した住戸、共用室及び

管理人室には、共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備を設置しない

ことができるものであること。

⑸ 避難経路を確保するための避難器具

開放型共同住宅等に該当するものであって、個々の住戸、共用室及び管理人室のうち二

方向の避難経路が確保されていないものにあっては、当該住戸、共用室及び管理人室のベ

ランダ等の部分に、避難器具(避難器具用ハッチに組み込まれた救助袋又は金属製避難は

しごに限る。)を設置し、当該住戸、共用室又は管理人室以外の部分に避難できるように措

置するものとする。

⑹ 屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報器

具及び非常警報設備並びに避難器具

⑴から⑸までに掲げる規定により、消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備及び

自動火災報知設備並びに避難経路を確保するための避難器具を措置した場合にあっては、

令第 19 条第 1 項及び第 2 項、第 20 条第 1 項及び第 2 項、第 23 条第 1 項、第 24 条第 1

項から第 3 項まで並びに第 25 条第 1 項の規定に規定する屋外消火栓設備、動力消防ポン

プ設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報器具及び非常警報設備並びに避難器

具を設置しないことができるものとする。

3 1 及び 2 に掲げる共同住宅等以外の共同住宅等

⑴ 消火器具

消火器具は、規則第 6 条の規定の例により設置するものとする。

ただし、次によることができるものとする。

ア 住戸、共用室及び管理人室に次により消火器を設置した場合にあっては、当該住戸、

共用室及び管理人室が直接面する廊下及び階段室等に消火器具を設置しないことができ

ること。

(ア)住戸、共用室及び管理人室ごとに設置するものであること。

(イ)住戸、共用室及び管理人室内に設置する消火器は、住宅用消火器とすること。

イ 階ごとの共用部分(消火器が設置された住戸、共用室及び管理人室が直接面する廊下

及び階段室等を除く。)及び住戸等(住戸、共用室及び管理人室を除く。)の部分にあっ

ては、当該部分の各部分から一の消火器具に至る歩行距離が 20m 以下となるように消火

器具を設置すること。

⑵ 屋内消火栓設備

令第 11 条第 1 項の規定に基づき屋内消火栓設備を設置しなければならない共同住宅等

にあっては、同条第 3 項の規定の例により設置するものとする。ただし、当該階のすべて

の住戸、共用室及び管理人室に⑶によりスプリンクラー設備を設けた階には、屋内消火栓

設備を設置しないことができること。

⑶ スプリンクラー設備

令第 12 条第 1 項第 9 号の規定に基づきスプリンクラー設備を設置しなけれぱならない

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-39

共同住宅等にあっては、次によるものとする。

ア 住戸、共用室及び管理人室以外の場所には、スプリンクラー設備を設置しないことが

できること。

イ スプリンクラー設備は、共同住宅用スプリンクラー設備を設置すること。

⑷ 自動火災報知設備

令第 21 条第 1 項の規定に基づき自動火災報知設備を設置しなければならない共同住宅

等にあっては、共同住宅用自動火災報知設備を設置するものとする。ただし、共同住宅用

スプリンクラー設備を設置した住戸、共用室及び管理人室にあっては、共同住宅用自動火

災報知設備を設置しないことができるものであること。

⑸ 避難経路を確保するための避難器具

二方向の避難経路が確保されていない住戸、共用室及び管理人室にあっては、当該住戸、

共用室及び管理人室のベランダ等の部分に、避難器具(避難器具用ハッチに組み込まれた

救助袋又は金属製避難はしごに限る。)を設置し、当該住戸、共用室及び管理人室以外の部

分に避難できるように措置するものとする。

⑹ 屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報器

具及び非常警報設備並びに避難器具

⑴から⑸までに掲げる規定より、消火器、屋内消火栓設備、スプリンクラー設備及び自

動火災報知設備並びに避難経路を確保するための避難器具を設置した場合にあっては、令

第 19 条第 1 項及び第 2 項、第 20 条第 1 項及び第 2 項、第 23 条第 1 項、第 24 条第 1 項

から第 3 項まで並びに第 25 条第 1 項の規定に規定する屋外消火栓設備、動力消防ポンプ

設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報器具及び非常警報設備並びに避難器具

を設置しないことができるものとする。

第5 その他

1 共同住宅等のうち独立した用途に供される部分の取扱い

共同住宅等のうち、「令別表第 1 に掲げる防火対象物の取扱いについて」(昭和 50 年4月

15 日付け消防予第 41 号、消防安第 41 号)記 1.⑵に定める「独立した用途に供される部分」

に該当する部分については、住戸とみなして第 4 を適用するものとする。この場合において、

当該部分は、床面積 150 ㎡以内ごとに、防火区画されていること。

2 誘導灯及び誘導標識、連結送水管並びに非常コンセント設備

⑴ 誘導灯及び誘導標識

令第 26 条第 1 項の規定に基づき設置しなければならない誘導灯及び誘導標識は、採光

上有効で、かつ、開放型の廊下及び階段室等の部分には、設置を要さないものであること。

⑵ 連結送水管及び非常コンセント設備

連結送水管及び非常コンセント設備を階段室型共同住宅等に設置する場合にあっては、

令第 29 条第 2 項及び第 29 条の 2 第 2 項の規定にかかわらず、各階段室ごとに、連結送水

管の放水口にあっては 3 階以上の階、非常コンセントにあっては 11 階以上の階に設置す

ることができること。この場合において、連結送水管にあっては 3 階、非常コンセントに

あっては 11 階に設置し、それぞ当該階から 3 階層(メゾネット型にあっては 1 住戸 1 階

層とみなす。)以内ごとに、かつ、各部から連結送水管の放水口又は非常コンセントまでの

歩行距離が 50m 以下となるように設けること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-40

3 水噴霧消火設備等

共同住宅等のうち令第 13 条第 1 項の表の上欄に該当することとなる部分については、同

表の下欄に掲げる水噴霧消火設備等のいずれかを設置するものとする。

4 階数の算定方法

⑴ 令第 8 条に規定する区画により他の用途の防火対象物とみなされる階を有する共同住宅

等の階の算定にあっては、当該他の用途の防火対象物とみなされる階を含めること。

⑵ スキップ型又はメゾネット型の共同住宅等の階数は、各住戸ごとによるものではなく、

各階単位によるものであること。

5 二方向避難等の判断基準

共同住宅等の構造が二方向避難又は開放型の廊下及び階段室等に該当するか否かの判断及

び光庭が特定光庭に該当するか否かの判断は、別紙7「二方向避難、開放型の廊下及び階段

室等並びに特定光庭の判断基準」によるものとする。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-41

別紙1

共同住宅用スプリンクラー設備の設置基準

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 2.14 に規定する共同住宅用ス

プリンクラー設備の設置基準は、次のとおりとする。

1 スプリンクラーヘッド

⑴ 小区画型ヘッド(閉鎖型スプリンクラーヘッドの技術上の規格を定める省令(昭和 40

年自治省令第 2号)第 2条第 1号の2に規定するものをいう。)1種のヘッドを用いること。

⑵ スプリンクラーヘッドは、各住戸、共用室及び管理人室の厨房(住宅用自動消火装置に

より有効に防護されている部分を除く。)、居室及び収納室(納戸等で 4 ㎡以上のものをい

う。)に設けるものとすること。

⑶ 天井に、その部分から一のスプリンクラーヘッドまで水平距離が 2.6m 以下となるよう

に設けること。

⑷ 外部から衝撃が加わるおそれのある場所に設置する場合には、当該ヘッドに外部から衝

撃が加わらないための保護措置を講じること。

⑸ その他、規則第 13 条の 3 第 2 項(第 1 号を除く。)及び第 14 条第 1 項第 7 号の規定の

例によること。

2 制御弁

⑴ 各住戸、共用室又は管理人室ごとに設けること。

⑵ パイプシャフト等外部から操作でき、かつ、外部の者に容易にいたずらされない場所に

設け、どの住戸、共用室又は管理人室用のものか区別できるよう表示すること。

⑶ 閉止時には、当該制御弁に係る配管系の表示器の赤色の表示灯が点滅するよう措置され

ていること。

⑷ 表示器は、住戸、共用室又は管理人室外の住棟受信機等から点灯できるよう措置された

場合を除き、電源停止時に 1 時間以上⑶に規定する点滅ができるよう措置されていること。

3 自動警報装置

⑴ スプリンクラーヘッドの開放により信号を発するものとすること。

⑵ 発信部は、各住戸、共用室又は管理人室ごとに設けるものとすること。

⑶ 受信部は、表示装置又は住棟受信機等とすること。

⑷ 自動警報装置の 2 次側の配管には、規則第 14 条第 1 項第 5 号の 2 ロに定める末端試験

弁に準じて、試験弁を設けること。

⑸ その他、規則第 14 条第 1 項第 4 号ホの規定の例によることこと。

4 音声警報、スピーカー等

⑴ 住戸、共用室又は管理人室に共同住宅用自動火災報知設備が設置されていない場合

における音声警報、スピーカー等については、次によること。

ア 音声警報機能等、警報範囲、メッセージ内容、スピーカー、戸外表示器等については、

「別紙 2 共同住宅用自動火災報知設備の設置基準」8、9(⑴.イに係る部分に限る。)、

10 及び 11 に定めるところに準じて措置すること。

イ メッセージの内容

スプリンクラーヘッドが開放した場合には、次に示すメッセージの例又はこれに

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-42

準じるものとすること。

「火事です。火事です。○○で火災が発生しました。安全を確認の上避難してくださ

い。」

○○には、住戸番号、共用室名等を挿入すること。なお、共同住宅等の形態から出火

室が容易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることができること。

⑵ 住戸、共用室又は管理人室に共同住宅用自動火災報知設備が設置されている場合におけ

る警報にあっては、省略することができること。

5 作動表示

⑴ 表示器は、次によること。

ア 住戸、共用室又は管理人室内のスプリンクラーヘッドが開放した場合に点滅する

ものであること。

イ その他、「別紙 2 共同住宅用自動火災報知設備の基準」11(⑴.イを除く。)に定

めるところによること。

ウ 当該住戸、共用室又は管理人室に共同住宅用自動火災報知設備が設けられる場合

にあっては、当該戸外表示器の表示灯を共用できるものであること。

⑵ スプリンクラーヘッドが開放した旨の信号は、管理人室等に設置された表示装置におい

て、受信できるように措置されていること。この場合における表示は、開放した旨及び開

放した住戸、共用室又は管理人室の存する階又は階段室がわかるものであること。ただし、

管理人室等に常時人がいない共同住宅等については、住民及び消防隊が開放表示等を確認

するのに支障のない場所に設けること。

なお、当該住戸、共用室又は管理人室に共同住宅用自動火災報知設備が設置されている

場合にあっては、当該表示装置を住棟受信機とすることができること。この場合における

表示は、火災表示と識別できるように措置されていること。

6 放水性能等

⑴ 4 個のスプリンクラーヘッドを同時に使用した場合に、それぞれの先端において、放水

圧力が1kgf/㎠以上で、かつ、放水量が 50 リットル/分以上の性能のものとすること。

⑵ 水源は、その水量が4㎥以上の量となるように設けること。

⑶ 加圧送水装置は、ポンプの吐出量を 220 リットル/分以上とするほか、令第 12 条第 2

項第 6 号並びに規則第 14 条第 1 項第 5 号及び第 11 号(ハ.(イ)を除く。)の規定の例に

よること。

7 送水口、非常電源、起動装置、操作回路の配線、配管及び貯水槽等

⑴ 送水□は、令第 12条第 2項第 7号及び規則第 14条第 1項第 6号の規定の例によること。

ただし、単口形とすることができること。

⑵ 非常電源は、規則第 14 条第 1 項第 6 号の 2 の規定の例によること。この場合における

表示・警報に要する非常電源の容量は、5 住戸分に相当する負荷に供給できるものとする

こと。

⑶ 起動装置は、規則第 14 条第 1 項第 8 号イ.(ロ)の規定の例によること。

⑷ 操作回路の配線及び住棟受信機への信号配線は、規則第 12 条第 1 項第 5 号の規定の例

によること。

⑸ 配管は、初期火災の熱により機能に支障を生じない材料を用いるか又は機能に支障を生

じない措置を講じるほか、親則第 14 条第 1 項第 10 号の規定の例によること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-43

⑹ 貯水槽等は、規則第 14 条第 1 項第 12 号の規定の例によること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-44

別紙 2

共同住宅用自動火災報知設備の設置基準

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 2、15 に規定する共同住宅用自

動火災報知設備の設置基準は、次のとおりとする。

1 共同住宅用自動火災報知設備の構成及び機能

共同住宅用自動火災報知設備の構成及び機能は、次のとおりとすること。

⑴ 共同住宅用自動火災報知投備は、住棟受信機、中継器、P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機、

戸外表示器、感知器等から構成されること。

⑵ 住戸、共用室及び管理人室には、P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機を設けること。

また、住戸、共用室及び管理人室に設ける感知器は、P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機に

直接又は中継器を介してこれらの受信機に接続されていること。この場合の P 型 3 級若し

くは GP 型 3 級受信機又は中継器は、火災が発生した旨の警報を発するための信号を住棟

受信機に移報する機能を有すること。

⑶ 住戸等(住戸、共用室及び管理人室を除く。)及び共用部分に設ける感知器は、住棟受信

機に直接接続されていること。

なお、火災が発生した旨の警報を発するための信号を住棟受信機に移報する機能を有す

る P 型 3 級若しくは GP 型 3 級受信機又は中継器を住戸等(住戸、共用室及び管理人室を

除く。)及び共用部分の適切な位置に設置する場合にあっては、これらを介して住棟受信機

に接続することができること。

⑷ 住棟受信機は、住戸、共用室、管理人室等に設置された P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機

から、火災が発生した旨の警報を発するための信号を受信した場合において、当該受信機

が存する警戒区域に係る火災表示が行えるものであること。

2 警戒区域

警戒区域の階、面積及び一辺の長さは、令第21条第 2 項の規定の例によるものとする。

ただし、次によることができるものとする。

⑴ メゾネット型住戸等の階数は 1 とみなすことができること。

⑵ 警戒区域の面積は、1,500 ㎡以下とすることができること。

⑶ 階段室型共同住宅等にあっては、一の階段室等に主たる出入口が面している住戸等及び

当該階段室等を単位として、5 階以下ごとを一の警戒区域とすることができること。

⑷ 廊下型共同住宅等にあっては、警戒区域の一辺の長さは 100m 以下とすることができる

こと。

⑸ 廊下型共同住宅等の階段室等は、それぞれ一の警戒区域とすること。

3 感知器

⑴ 設置場所

感知器は、次の場所に設けること。

ア 住戸内の厨房、居室、収納室(納戸等で4㎡以上のものをいう。)及び階段

イ 共用室、管理人室、倉庫(4㎡以上のものをいう。)、電気室、機械室その他これらに

類する室

ウ 直接外気に開放されていない共用部分

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-45

⑵ 感知器の種別及び設置

感知器の種別及び設置については、規則第 23 条第 4 項から第 7 項までの規定に準ずる

ほか、次によること。

ア 住戸等内の感知器は、自動試験機能等対応型感知器(火災報知設備の感知器及び発信

機に係る技術上の規格を定める省令(昭和 56 年自治省令第 17 号)第 2 条第 19 号の 3

に規定されるものをいう。以下同じ。)とし、作動式スポット型若しくは補償式スポット

型の感知器のうち 2 種のもの、定温式スポット型感知器のうち特種のもの(公称作動温

度が 60 度又は 65 度のもの)、煙感知器のうち 2 種若しくは 3 種のもの若しくはこれら

の種別を有する感知器又は規則第 23 条第 7 項に定めるところによりこれらの感知器の

種別と同等に表示温度等を設定されたアナログ式感知器であること。ただし、住戸以外

の部分に設ける感知器にあっては、自動試験機能等対応型感知器としないことが出来る

こと。

イ 規則第 23 条第 5 項の規定により煙感知器を設けなければならない場所(階段及びエ

レベーターの昇降路を除く。)には、作動式スポット型若しくは補償式スポット型の感知

器のうち 1 種若しくは 2 種のもの、定温式スポット型感知器のうち特種のもの(公称作

動温度が 60 度又は 65 度のもの)若しくはこれらの種別を有する感知器又は規則第 23

条第 7 項に定めるところによりこれらの感知器の種別と同等に表示温度等を設定された

アナログ式感知器を設けることで足りるものであること。

ウ 共用部分の廊下又は通路に設置する熱感知器は、歩行距離 15m につき 1 個以上の個

数を火災を有効に感知するように設けること。

エ 共用部分の階段又は傾斜路に設置する感知器は、各階ごとに 1 個以上の個数を火災を

有効に感知するように設けること。ただし、煙感知器を設ける場合にあっては、5 階ま

でごとに 1 個以上の個数とすることができる。

4 中継器

中継器の設置は、規則第 23 条第 9 項の規定の例によること。

5 配線

配線は、次に定めるところによるほか、規則第 24 条第 1 号の規定の例によること。

⑴ 住棟受信機から P 型 3 級受信機又は GP 型 3 級受信機、戸外表示器及びスピーカー(共

用部分に設けられるものに限る。)までの配線は、規則第 12 条第 1 項第 5 号の規定に準じ

て設けられていること。

⑵ 非常電源を外部から供給する方式のP型 3級受信機又はGP型 3級受信機に係る電線は、

規則第 12 条第 1 項第 4 号ニの規定に準じて設けられていること。ただし、火災により直

接影響を受けるおそれのない部分に設置する電線にあっては、同項第 5 号の規定に準じて

設けることで足りること。

6 住棟受信機

⑴ 住棟受信機は、規則第 24 条第 2 号の規定の例によること。ただし、管理室等に常時人

がいない共同住宅等については、住民及び消防隊が火災表示等を確認するのに支障のない

場所に設けること。

⑵ 同一敷地内に 2 棟以上の共同住宅等がある場合は、火災対応が十分できる範囲内ごとに

一の住棟受信機を設けることで足りるものであること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-46

7 電源及び非常電源

⑴ 電源は、規則第 24 条第 3 号の規定の例によること。特に、GP 型 3 級受信機又は P 型 3

級受信機の電源にあっては、各住戸、共用室又は管理人室ごとに交流低圧屋内幹線から他

の配線を分岐させないでとるとともに、未入居、長期間の不在等時に一般電源の開閉器が

遮断された場合であっても、感知器及び戸外表示器等の機能に支障がないように措置され

ていること。

⑵ 非常電源は、令第 21 条第 2 項第 4 号及び規則第 24 条第 4 号の規定の例によること。

なお、GP 型3級受信機又は P 型 3 級受信機の非常電源にあっては、当該受信機の電源

が停止状態となった場合に、当該住戸、共用室又は管理人室に係る感知器、音声警報及び

戸外表示器等の機能に支障がないよう措置されていれぱ足りるものであること。

また、音声警報にあっては、感知器が作動した住戸、共用室又は管理人室のみに発せら

れれば足りるものであること。

8 音声警報機能等

⑴ 音声警報音の構成

音声警報音は、シグナル及びメッセージにより構成するものであること。

⑵ シグナル等

シグナルは、非常警報設備の基準(昭和 48 年消防庁告示第 6 号)第 4、4.(2)による

こと。

⑶ メッセージの内容

メッセージは、「感知器が作動した旨の警報」にあっては女声により、また、「火災が発

生した旨の警報」にあっては男声によるものとし、9 に示す警報内容の例又はこれに準ず

るものとすること。

⑷ 音声警報音の音質

音声警報音は、サンプリング周波数 8 キロヘルツ以上及び再生周波数帯域 3 キロへルツ

以上のAD-PCM符号化方式による音声合成音叉はこれと同等以上の音質及び信頼性を

有するものであること。

⑸ 音声警報音の構成

音声警報音による放送は、次によること。

ア 「感知器が作動した旨の警報」にあっては、火災が発生した旨の警報が発せられるま

での問又は警報の停止操作がされるまでの間、第 1 シグナル、感知器が作動した旨のメ

ッセージ、1 秒間の無音状態の順に連続する警報を 1 単位として、これを連続して繰り

返すものとする。

イ 「火災が発生した旨の警報」にあっては、第 1 シグナル、火災が発生した旨のメッセ

ージ、1 秒間の無音状態、第 1 シグナル、火災が発生した旨のメッセージ、1 秒間の無

音状態、第 2 シグナルの順に連続する放送を 1 単位とし、アの時間を含めて10分間以

上連続して繰り返すものとする。

9 警報範囲、メッセージ内容等

感知器が作動した場合及び火災が確認された場合における警報範囲、メッセージ内容等に

ついては、次に掲げるとおりである。

⑴ 住戸、共用室又は管理人室内の感知器が作動した場合

住戸、共用室又は管理人室内の感知器が作動した場合にあっては、「感知器が作動した旨

の警報」及び「火災が発生した旨の警報」に分けて、それぞれ次のように警報を発するこ

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-47

と。

ア 感知器が作動した旨の警報

① 警報範囲 当該住戸、共用室又は管理人室のみ

② メッセージ内容 「火災感知器が作動しました。確認して下さい。」

③ 警報機能

a 火災の発生の有無を確認し、非火災報の場合には警報音停止スイッチ等を操作す

ることにより、警報が停止すること。

b 移報停止の操作がされないで一定の時間経過した場合、その他火災と判断で

きる信号が受信された場合には、火災が発生した旨の警報が発せられること。

イ 火災が発生した旨の警報

① 警報範囲

a 当該出火住戸、共用室又は管理人室

b 廊下型共同住宅等

当該出火住戸、共用室又は管理人室が 2 階以上の場合にあっては出火階及び

その直上階、1 階の場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階の場合

にあっては出火階、その直上階及びその他の地下階

c 階段室型共同住宅等

当該出火住戸、共用室又は管理人室が所在する階段室等に面する住戸、共用室又

は管理人室及び階段室等(開放型の階段室等に該当するものを除く。)で5階層以下

を 1 ブロックとしてそのブロック及び直上ブロック

② メッセージ内容

「火事です。火事です。○○で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さ

い。」

○○には、階、住戸番号又は共用室名等を挿入すること。なお、共同住宅等の形態

から出火室が容易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることができること。

③ 警報機能

各住戸、共用室又は管理人室ごとに警報を停止することのできる機能を設けること

ができること。

ウ 火災の確認の判断方法

① 感知器作動後一定の時間(2 分以上 5 分以下の範囲内で設定した時間)経過した場

② その他火災と判断できる信号が受信された場合

⑵ 倉庫、機械室、電気室その他これらに類する室(以下「倉庫等」という。)又は共用部分

(階段、エレベーター機械室等のたて穴部分を除く。以下この⑵において同じ。)の感知器

が作動した場合

倉庫等又は共用部分の感知器が作動した場合にあっては、「感知器が作動した旨の警報」

及び「火災が発生した旨の警報」に分けて、それぞれ次のように警報を発すること。

なお、この場合において、「火災が発生した旨の警報」が感知器の作動後 60 秒以内に発

せられた場合にあっては、「感知器が作動した旨の警報」を省略することができること。

ア 感知器が作動した旨の警報

① 警報範囲 当該感知器が設置されている倉庫等又は共用部分の警戒範囲

② メッセージ内容

「○○の火災感知器が作動しました。確認して下さい。」

○○には、階、倉庫等の名称又は共用部分の名称を挿入すること。なお、共同住宅

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-48

等の形態から出火部分が容易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることが

できること。

③ 警報機能

a 火災の発生の有無を確認し、非火災報の場合には警報音停止スイッチ等を操作す

ることにより、警報が停止すること。

b 移報停止の操作がされないで一定の時間経過した場合には、火災が発生した旨の

警報が発せられること。

なお、火災と判断できる信号が受信できる場合にあっては、当該信号により火災

が発生した旨の警報が発せられること。

イ 火災が発生した旨の警報

① 警報範囲

a 当該出火倉庫等又は共用部分

b 廊下型共同住宅等

当該出火倉庫等又は共用部分が 2 階以上の場合にあっては出火階及びその直上階、

1 階の場合にあっては出火階、その直上階及び地階、地階の場合にあっては出火階、

その直上階及びその他の地下階

c 階段室型共同住宅等

当該出火倉庫等又は共用部分の面する階段室等及びその階段室等に面する住戸等

で 5 階層以下を 1 ブロックとしてそのプロック及び直上ブロック

② メッセージ内容

「火事です。火事です。○○で火災が発生しました。安全を確認の上避難して

下さい。」

○○には、階、倉庫等の名称又は共用部分の名称を挿入すること。なお、共同住宅

等の形態から出火部分が容易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることが

できること。

③ 警報機能

各住戸、共用室又は管理人室ごとに警報を停止することのできる機能を設けること

ができること。

ウ 火災の確認の判断方法

感知器作動後一定の時間(2 分以上 5 分以下の範囲内で設定した時間)経過した場合

なお、火災と判断できる信号が受信できる場合にあっては、当該信号が受信された場合

⑶ 階段又はエレベーターの昇降路(以下「階段等」という。)に設けられた感知器が作動した

場合

階段等に設けられた感知器が作動した場合にあっては、「感知器が作動した旨の警報」及び

「火災が発生した旨の警報」に分けて、それぞれ次のように警報を発すること。

なお、この場合において、「火災が発生した旨の警報」が感知器の作動後 60 秒以内にに発

せられた場合にあっては、「感知器が作動した旨の警報」を省略することができること。

ア 感知器が作動した旨の警報

① 警報範囲 当該感知器が設置されている階段等の警戒範囲

② メッセージ内容

「○○の火災感知器が作動しました。確認して下さい。」

○○には、階段等の名称を挿入すること。なお、共同住宅等の形態から出火部分が容

易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることができること。

③ 警報機能

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-49

a 火災の発生を確認し、非火災報の場合には警報停止スイッチ等を操作することによ

り、警報が停止すること。

b 移報停止の操作がされないで一定の時間経過した場合には、火災が発生した旨警報

が発せられること。

なお、火災と判断できる信号が受信できる場合にあっては、当該信号により火災が

発生した旨の警報が発せられること。

イ 火災が発生した旨の警報

① 警報範囲

a 階段の場合

当該階段室、当該階段室に面する住戸等(廊下型共同住宅等の住戸等を除く。)及

び階段室等の共用部分

b エレベーターの昇降路の場合

(a) 廊下型共同住宅等

機械室が設置されている直近階の住戸等及び共用部分

(b) 階段重塑共同住宅専

機械室が存する直近ブロックの階段室及び階段室に面する住戸等及び共用

部分

② メッセージ内容

「火事です。火事です。○○で火災が発生しました。安全を確認の上避難して下さ

い。」

○○には、階段等の名称を挿入すること。なお、共同住宅等の形態から出火部分が

容易に特定できる場合にあっては、「この近所」とすることができること。

③ 警報機能

各住戸、共用室又は管理人室ごとに警報を停止することのできる機能を設ける

ことができること。

ウ 火災の確認の判断方法

感知器作動後一定の時間(2 分以上 5 分以下の範囲内で設定した時間)経過した場合

なお、火災と判断できる信号が受信できる場合にあっては、当該信号が受信された場

10 スピーカー

スピーカーは、次によること。

ただし、住戸等に設ける音響装置にあっては、規則第 24 条第5号に定める地区音響装置を

設けないことができるものとする。

⑴ スピーカーの種類

ア 住戸、共用室又は管理人室内に設けるもの

P 型 3 級受信機若しくは GP 型 3 級受信機又はこれと同等以上の音圧を出力できるス

ピーカーとすること。

イ 住戸、共用室又は管理人室以外の部分に設けるもの

規則第 25 条の 2 第 2 項第 3 号イに定める L 級、M 級若しくは S 級又はこれらに準じ

た音圧を出力できるスピーカーとすること。

⑵ スピーカーの設置

スピーカーは、直接外気に開放された共用部分以外の部分に、次により設けること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-50

ア 住戸、共用室又は管理人室に設ける場合

⑴.アに定めるものを 1 個設けること。ただし、メゾネットタイプ等でこれで住戸、

共用室又は管理人室内の全域に有効に音声警報音が伝わらないおそれがある場合につい

ては、2 個以上設けること。

イ 住戸、共用室又は管理人室以外の部分に設ける場合

規則第 25 条の 2 第 2 項第 3 号ロに定めるところによること。

11 戸外表示器

戸外表示器は、次により設置すること。

⑴ 次に定める火災表示灯を有すること。

ア 赤色であること。

イ 住戸、共用室又は管理人室内の火災感知器が作動した場合に点滅するものであること。

ウ 概ね 3m 離れた位置において点滅していることが明確に識別することができること。

⑵ 音響装置は、次によること。

ア 音響装置は、スピーカーとし、音圧は、取り付けられた音響装置の中心から 1m 離れ

た位置で 70dB 以上であること。

イ 戸外表示器の音響装置は、当該住戸、共用室又は管理人室内の受信機等と連動して「火

災が発生した旨の警報」を発することとし、9.⑴.イの規定の例により警報を発する

ものであること。

⑶ 適合する場所に設けられていること。

ア 各住戸、共用室又は管理人室の主たる出入口の外部で、火災表示灯が当該住戸、共用

室又は管理人室が面する共用部分から容易に識別できる場所

イ 点検に便利な場所

ウ 防滴措置がなされているものを除き、雨水のかかるおそれのない場所

12 点検対策

共同住宅用自動火災報知設備については、設置後における定期点検を含む維持管理を適正

に行うために、次に掲げる措置が講じられていること。

ただし、住戸以外の部分に設置されるものにあっては、この限りでない。

⑴ 自動試験機能付きの自動火災報知設備又は遠隔試験機能付きの自動火災報知設備とする

ことにより、住戸等内に設けられた感知器の機能の異常が当該住戸等の外部(住棟受信機

を含む。⑵から⑷までにおいて同じ。)から容易に確認することができるよう措置されてい

ること。

⑵ 自動火災報知設備の感知器及びスピーカーの信号回路の配線(インターホン等と共用し、

常時使用される部分を除く。)の導通状況を、当該住戸等の外部から容易に確認することが

できるよう措置されていること。

⑶ 遠隔試験機能付きの自動火災報知設備のうち、点検時に外部試験器を中継器に接続する

ことにより行う方式による場合にあっては、当該中継器を当該住戸等の外部で点検のしや

すい位置に設置すること。

⑷ P 型 3 級又は GP 型3級受信機及び戸外表示器にあっては、当該住戸等の外部からそれ

らの機能が確認できるように措置されていること。

⑸ 点検時において、当該住戸等内の P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機の警報は、鳴動しない

措置が講じられていること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-51

13 その他

その他共同住宅用自動火災報知設備の設置にあたっては、規則第 24 条第 6 号から第 8 号

まで及び第 24 条の 2 の規定の例によるものとする。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-52

別紙 3

住戸用自動火災報知設備の設置基準

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 2,16 に規定する住戸用自動火

災報知設備の設置基準は、次のとおりとする。

1 感知器

⑴ 設置場所

感知器は、次の場所に設けること。

ア 住戸、共用室及び管理人室内の厨房、居室、収納室(納戸等で 4 ㎡以上のものをいう。)

及び階段

イ 倉庫(4 ㎡以上のものをいう。)、電気室、機械室その他これらに頬する室(以下この

基準において「倉庫等」という。)

ウ 直接外気に開放されていない共用部分

⑵ 感知器の種別及び設置

感知器は、自動試験機能等対応型感知器とし、差動式スポット型若しくは補償式スポッ

ト型の感知器のうち 2 種のもの、定温式スポット型感知器のうち特種のもの(公称作動温

度が 60℃又は 65℃のもの)、煙感知器のうち 2 種若しくは 3 種のもの若しくはこれらの種

別を有する感知器又は規則第 23 条第 7 項に定めるところによりこれらの感知器の種別と

同等に表示温度等を設定されたアナログ式感知器であること。ただし、住戸以外の部分に

設置する感知器にあっては、自動試験機能等対応型感知器としないことができること。

2 警報範囲等

⑴ 住戸、共用室及び管理人室

受信機、補助音響装置及び戸外表示器により火災である旨を、当該住戸、共用室又は管

理人室内の全域及び当該住戸、共用室又は管理人室の面する共用部分に有効に報知できる

ように設けること。

⑵ 倉庫等

受信機及び戸外表示器により火災である旨を、当該倉庫等内の全域及び当該倉庫等が面

する共用部分に有効に報知できるように設けること。

⑶ 直接外気に開放されていない共用部分

直接外気に開放されていない共用部分にあっては、受信機及び補助音響装置により火災

である旨を、当該警戒区域の範囲内に報知できるように設けること。

⑷ 警報は、「別紙 2 共同住宅用自動火災報知設備の設置基準」9.⑴.イの「火災が発生

した旨の警報」に準じたものが望ましいものであること。

3 戸外表示器

戸外表示器は、次に定めるところによること。

⑴ 火災表示灯及び音響装置を有すること。

⑵ 音響装置の音圧は、取り付けられた音響装置の中心から 1m 離れた位置で 70dB 以上で

あること。

⑶ 次に適合する場所に設けられていること。

ア 各住戸、共用室若しくは管理人室又は倉庫等の主たる出入口の外部で、火災表示灯が

当該住戸、共用室若しくは管理人室又は倉庫等が面する共用部分から容易に識別できる

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-53

場所

イ 点検に便利な場所

ウ 防滴措置がなされているものを除き、雨水のかかるおそれのない場所

⑷ 次に定める火災表示灯を有すること。

ア 赤色であること。

イ 住戸、共用室若しくは管理人室又は倉庫等内の感知器が作動した場合に点滅するもの

であること。

ウ 概ね3m離れた位置において点滅していることが明確に識別することができること。

⑸ 戸外表示器の音響装置は、当該住戸、共用室若しくは管理人室又は倉庫等内の感知器が

作動した場合にこれと連動して、警報を発するものであること。

4 配線

受信機から電源(10 分間以上作動することができる容量の予備電源を有する場合を除く。)、

戸外表示器及び補助音響装置までの配線は、規則第12条第 5 号の規定に準じて設けられて

いること。

5 電源

電源は、住戸、共用室若しくは管理人室又は倉庫等ごとに、交流低圧屋内幹線から専用の

分岐開閉器を介してとられていること。

6 点検対策

住戸用自動火災報知設備は、設置後における定期点検を含む維持管理を適正に行うために、

次の措置が講じられていること。

ただし、住戸以外の部分に設置されるものにあっては、この限りでない。

⑴ 遠隔試験機能付きの自動火災報知設備とすることにより、住戸等内に設けられた感知器

の機能の異常が当該住戸等の外部から容易に確認することができるよう措置されているこ

と。

⑵ 自動火災報知設備の通電状況及び感知器の信号回路の配線の導通状況を、当該住戸等の

外部から容易に確認することができるよう措置されていること。

⑶ 点検時に外部試験器を中継器に接続することにより行う方式による場合にあっては、当

該中継器を住戸等の外部で点検のしやすい位置に設置すること。

⑷ P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機及び戸外表示器にあっては、当該住戸等の外部からそれ

らの機能が確認できるように措置されていること。

⑸ 点検時において、当該住戸等内の P 型 3 級又は GP 型 3 級受信機の警報は、鳴動しない

措置が講じられていること。

7 その他

その他住戸用自動火災報知設備の設置にあたっては、規則第 23 条第 4 項並びに第 24 条第

1 号、第 2 号イからハまで及びホ並びに第 6 号から第 8 号までの規定の例により設けるもの

とする。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-54

別紙 4

共同住宅用非常警報設備の設置基準

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 2.17 に規定する共同宅用非常

警報設備の設置基準は、次のとおりとする。

1 起動装置

⑴ 起動装置は、原則として各階の階段付近に設けること。ただし、階段室型共同住宅等に

あっては、当該階段室の 1 階の階段付近に設けること。

⑵ 一の起動装置の操作によつて、当該防火対象物に設けた音響装置を一斉鳴動するように

設けること。

⑶ 床面からの高さが 0.8 メートル以上 1.5 メートル以下の箇所に設けること。

⑷ 起動装置の上方に表示灯を設けること。

⑸ 表示灯は、赤色の灯火で、取り付け面と 15 度以上の角度となる方向に沿って 10 メート

ル離れた所から点灯していることが容易に識別できるものであること。

2 音響装置

⑴ 音響装置は、非常ベル又は自動式サイレンとすること。

⑵ 音圧は、取り付けられた音響装置の中心から 1 メートル離れた位置で 90 デシベル以上

であること。

⑶ 音響装置は、廊下型共同住宅等にあっては廊下の各部分から一の音響装置までの水平距

離が 25m 以下となるように、階段室型共同住宅等のものにあっては当該階数の中央の階段

付近に設けること。

3 操作部

⑴ 操作部は、点検に便利で、かつ、雨水等のかかるおそれのない位置に設けること。

⑵ 1 回線に接続できる音響装置及び表示灯の個数は、それぞれ 15 以下とすること。

4 その他

配線、非常電源等については、規則第 25 条の 2 第 2 項第 4 号及び第 5 号の規定の例によ

るものとする。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-55

別紙 5

住戸等の防火区画の基準及び開口部の防火措置

「共同住宅に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 3.3 に規定する防火区画の基準

及び開口部の防火措置は、次のとおりとする。

1 住戸等と住戸等との間の防火区画

住戸等と住戸等とが開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されていること。

なお、住戸等と住戸等との間の防火区画については、「令 8 区画及び共住区画の構造並び

に当該区画を貫通する配管等の取扱いについて」(平成 7 年 3 月 31 日付け消防予第 53 号。

以下「53 号通知」という。)によること。

2 住戸等と共用部分との間の防火区画及び開口部の防火措置

⑴ 住戸等と共用部分とが、原則として、開口部のない耐火構造の床又は壁で区画されてい

ること。

なお、住戸等と共用部分との間の防火区画については、53 号通知によること。

⑵ 住戸等と共用部分との間の壁に設ける出入口、窓等の開口部(換気口その他これらに類

するもの(当該共用部分が開放型の廊下及び階段室等に該当しないものに面するものにあ

っては、火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖するダンバーを設けたもの

に限る。)を除く。)には、甲種防火戸又は乙種防火戸(主たる出入口に設けられるものに

あっては、随時開くことができる自動閉鎖装置付きのものに限る。)が設けられていること。

⑶ 二方向避難・開放型共同住宅等又は開放型共同住宅等に該当しないものの住戸等(スプ

リンクラー設備が設置されているものを除く。)については、当該住戸等と共用部分との間

の壁に設ける出入口、窓等の開口部の面積の合計が一の住戸等につき 4 ㎡(共用室にあっ

ては、8 ㎡)以下であること。ただし、一の開口部の面積は、2㎡以下であること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-56

別紙 6

特定光庭に面する開口部の防火措置

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 3.4 に規定する特定光庭に面

する開口部の防火措置は、次のとおりとする。

1 特定光庭に面する開口部の防火措置(特定光庭部分に廊下又は階段室等を設けているもの

を除く。)

⑴ 開口部には、はめ殺しの甲種防火戸又は乙種防火戸が設けられていること。

ただし、住戸等にあっては、アに定める特定光庭に面する開口部に設ける防火戸又はイ

に定める特定光庭に面する開口部で当該共同住宅等の 4 階以下の部分に存するものに設け

る防火戸は、はめ殺しのものであることを要しない。

ア 「消防法施行規則の規定に定める屋内避難階段等の部分を定める件」(昭和 48 年6月

1日付け消防庁告示第 10 号)に適合する階段に面する特定光庭

イ ア以外の特定光庭で下端に常時外気が流通する開口部で有効断面積が1㎡以上のもの

が設けられているもの

⑵ 異なる住戸等の開口部間の水平距離は、同一壁面上にあるものにあっては 0.9m以上、

異なる壁面上にあるものにあっては 2.4m(はめ殺しの甲種防火戸又は乙種防火戸が設け

られている開口部相互間にあっては、2m)以上であること。

⑶ 異なる住戸等の開口部間の垂直距離は、1.5m(はめ殺しの甲種防火戸又は乙種防火戸が

設けられている開口部相互間にあっては 0.9m)以上であること。

⑷ 一の開口部の面積は 1 ㎡以下であり、一の住戸等の同一階の開口部の面積の合計は

2㎡以下であること。

⑸ 開口部の室外部分に設けられる遮閉スクリーンを不燃材料にする等特定光庭に面する付

帯設備等は不燃材料でつくられていること。

2 開口部間の距離制限(特定光庭部分に廊下又は階段室等を設けているものを除く。)

⑴ 1.⑵に定める異なる住戸等の開口部間の水平距離の制限は、当該開口部の上端からの

垂直距離が上方 1.5m(相互の住戸等の開口部にはめ殺しの甲種防火戸又は乙種防火戸が

設けられているものにあっては、0.9m)未満の範囲にある開口部を対象とするものである

こと。

ℓ ⑴及びℓ ⑵は距離制限を

受ける。

ℓ ⑶は距離制限を受けない。

基準の 開口部

ℓ ⑴ ℓ ⑶

ℓ ⑵

1 . 5 m (0.9m)

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-57

⑵ 1.⑵ に定める異なる住戸等の開口部間の垂直距離の制限は、当該開口部の横端からの

水平距離が、同一壁面上にあるものにあっては 0.9m未満、異なる壁面上にあるものにあ

っては 2.4m(相互の住戸等の開口部にはめ殺しの甲種防火戸又は乙種防火戸が設けられ

ているものにあっては、2m)未満の範囲にある開口部を対象とするものであること。

ア 同一壁面上の場合

イ 異なる壁面上の場合

⑶ 同一壁面上の開口部相互が 0.5m以上突出した耐火構造のひさし、そで壁等で防火上有

効にさえぎられている場合にあっては、1.⑵に定める水平距離の制限及び1.⑶に定め

る垂直距離の制限は受けないものであること。

3 特定光庭部分に廊下又は階段室等を設けているものの開口部等の取扱い

⑴ 一の住戸等の特定光庭に面する出入口、窓等の開口部の面積の合計は、一の住戸等につ

基準の 開口部

ℓ ⑵

ℓ ⑴

0.9m 0.9m

ℓ ⑴は距離制限を受ける。

ℓ ⑵は距離制限を受けない。

基準の 開口部

ℓ ⑵

ℓ ⑴

2.4m (2m)

ℓ ⑴は距離制限を受ける。

ℓ ⑵は距離制限を受けない。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-58

き4㎡以下であること。この場合において、一の開口部の面積は、2 ㎡以下であること。

ただし、共同住宅用スプリンクラー設備が設けられている場合にあっては、この限りでな

い。

⑵ 特定光庭の下端に常時外気が流通する開口部で有効断面積が特定光庭の水平投影面積の

50 分の 1 以上のものであること。

4 特定光庭に面して給湯湯沸設備等を設ける場合の取扱い

特定光庭に面する部分に給湯湯沸設備等(給湯器付風呂釜を含む。以下同じ。)を設ける場

合は、次によるものとする。

⑴ 1.⑴.アに定める特定光庭又はこれと同等以上の開放性を有する特定光庭であること。

⑵ 設置するガス給湯湯沸設備等の具備条件

「給湯湯沸設備の設置に関する疑義について」 (昭和 57 年4月 14 日付け消防予第 86

号)問の記 1 に掲げる次の条件を満たすこと。

ア ガス消費量 60,000kcal/h 以下であること。

イ 1住戸の用に供するものであること。

ウ 密閉式又はこれに準ずる燃焼方式で、バーナー部が隠ぺいされていること。

エ 圧力調節器備えられており、バーナーガス圧に変動がないこと。

オ 過熱防止装置及び立消え安全装置が備えられていること。

カ ガス用品等の基準により安全性が確認されたものであること。

⑶ 設置方法

ア 壁貫通部は、不燃材料で埋め戻すこと。

イ 配管は、金属製のものを使用すること。

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-59

別紙 7

二方向避難、開放型の廊下及び階段室等並びに特定光庭の判断基準

「共同住宅等に係る消防用設備等の技術上の基準の特例」第 5.5 に規定する二方向避難、

開放型の廊下及び階段室等並びに特定光庭の判断基準は、次のとおりとする。

1 二方向避難の判断基準

⑴ 二方向避難可能な住戸等(住戸、共用室及び管理人室に限る。この別紙 7 において同じ。)

かどうかについては、次の例を踏まえて判断するものとする。

ア 片廊下型(連続したバルコニー、両端に 2 の階段)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する片廊下の両端部にそれぞれ階段を配し、か

つ、各住戸等を連続するバルコニーを設けた共同住宅等

判定:二方向避難に該当する。

イ 片廊下型(部分的に連続したバルコニー、両端に 2 の階段)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する片廊下の両端部にそれぞれ階段を配し、か

つ、各住戸等が少なくとも隣接する一の住戸等とバルコニーにより接続されている共同

住宅等

判定:二方向避難に該当する。ただし、バルコニーを共用する 2 住戸について、出入口

の扉等の開口部をバルコニーの接続部の廊下側に接近して設ける場合(注 3)は、

各バルコニーに避難器具(避難器具用ハッチに組み込まれた救助袋又は金属製避

難はしごに限る。)又はこれと同等以上の安全な経路(以下「避難器具等」とい

う。)を設けない限り、二方向避難に該当しない。

容易に破壊できる仕切板 連続バルコニー

階段

住戸

片廊下

部分的なバルコニー

扉等 扉等

接近させないこと

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-60

ウ 片廊下型(連続したバルコニー、2 の階段のうち 1 が端部に)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する片廊下に 2 以上の階段が設けられ、片廊下

の端部に少なくとも一の階段が配置され、かつ、各住戸等を連続するバルコニーを設け

た共同住宅等

判定:W について、階段への経路が重複する住戸が 1 戸なら、二方向避難に該当する。

2 戸以上なら、当該端部側のバルコニーに避難器具等を設けた場合に限り、二方

向避難に該当する。

エ 片廊下型(部分的に連続したバルコニー、2 の階段のうち 1 が端部に)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する片廊下に 2 以上の階段が設けられ、片廊下

の端部に少なくとも一の階段が配置され、かつ、各住戸等が少なくとも隣接する一の住

戸等とバルコニーにより接続されている共同住宅等

判定:W について、ウと同様の扱いとする。ただし、経路が重複する住戸が 1 戸であっ

ても、バルコニーを共用する 2 住戸について、出入口の扉等の開口部をバルコニ

ーの接続部の廊下側に接近して設ける場合(注 3)は、各バルコニーに避難器具

等を設けない限り二方向避難に該当しない。

容易に破壊できる仕切板

住戸

片廊下

連続バルコニー

片廊下

住戸

部分的なバルコニー 容易に破壊できる仕切板

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-61

オ 階段室型(連続したバルコニー)

各住戸等を連続するバルコニーを設けた共同住宅等

カ 階段室型(部分的に連続したバルコニー)

判定:原則として二方向避難に該当しない。ただし、各バルコニーに避難器具等を設け

た場合に限り、二方向避難に該当する。

キ 階段室型(部分的に連続したバルコニーであるが反対側に経路を補完するバルコニー

を併設したもの)

判定:二方向避難に該当する。

住戸

連続バルコニー 容易に破壊できる仕切板

判定:二方向避難に該当する。

住戸

部分的なバルコニー 容易に破壊できる仕切板

住戸

部分的なバルコニー 容易に破壊できる仕切板

補完するバルコニー

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-62

ク 中廊下型(連続したバルコニー)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する中廊下の両端部にそれぞれ階段を配し、か

つ、各住戸等を連続するバルニーを設けた共同住宅等

判定:二方向避難に該当する。

ケ 中廊下型(部分的に連続したバルコニー)

同一階の各住戸等の主たる出入口が面する中廊下の両端部にそれぞれ階段を配し、か

つ、各住戸等が少なくとも隣接する一の住戸等とバルコニーにより接続されている共同

住宅等

判定:原則として二方向避難に該当しない。ただし、各バルコニーに避難器具等を設け

た場合に限り、二方向避難に該当する。

住戸

住戸

連続バルコニー 容易に破壊できる仕切板

中廊下 連続バルコニー

住戸

住戸

部分的なバルコニー 容易に破壊できる仕切板

中廊下 部分的なバルコニー

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-63

コ その他の型(部分的に連続したバルコニー、3 戸の中央に階段)

判定:ケと同様の扱いとする。

サ その他の型(部分的に連続したバルコニー、中央に 2 の階段)

判定:二方向避難に該当する。

シ その他の型(奇数階が片廊下型のメゾネット型)

住戸

部分的なバルコニー

階段 容易に破壊できる仕切板

住戸

部分的に連続したバルコニー

容易に破壊で きる仕切板

1戸

G.L.

屋内の 住戸専 用階段

片廊下 (両端部等 に階段があ るもの)

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-64

判定:奇数階における住戸、階段室、廊下及びバルコニーの配置により、ア、イ、ウ

又はエと同様の扱いとする。

ス その他の型(奇数階が片廊下型のスキップ型)

判定:奇数階における住戸、階段室、廊下及びバルコニーの配置により、ア、イ、ウ又

はエと同様の扱いとする。

セ その他の型(階段室型で 3 階ごとのスキップ型)

判定:各階における住戸、階段室及びバルコニーの配置により、オ、カ又はキと同様の

扱いとする。

(注)1 図示の各例は、有効な避難経路として、バルコニー等を経由する1住戸以上隔て

ての住戸等内通過の原則により判定しているので、連続した住戸等数が 3 以下の場

合は、図例に準じて個々に判定する必要があること。

2 図示の各例は、原則として 2 の階段を有する共同住宅等であるが、1 の階段及び

避難器具等を有する共同住宅等についても、二方向避難を確保できる場合があるの

で、図例に準じて判定すること。

3 イ及びエの「接近して設ける場合」とは、バルコニー等を共用する異なる住戸等

の界壁の直近の開口部(浴室のバランス釜の絵排気口、甲種防火戸により常時閉鎖

状態を保持したメーターボックス等又は火災により温度が急激に上昇した場合に自

動的に閉鎖する防火ダンバーを設けた開口部を除く。)相互問の距離が3m以下の場

合をいうものであること。

G.L.

偶数階の 住戸専用 階段

片廊下 (両端部等 に階段があ るもの)

一戸

一戸

エレベーター

片廊下及びエレベーター・ホール

一戸

一戸

G.L. 階段室

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-65

⑵ 避難経路となるバルコニー等が、隣接住戸等間で仕切板等によって仕切られている場合、

当該仕切板等は、避難の際、容易に開放、除去又は破壊できる等避難上支障のない構造の

ものであり、かつ、見やすい箇所に次の事項が明示されているものであること。

ア 避難経路である旨

イ 避難の際の使用方法

ウ 仕切板等の付近に避難に支障となる物品を置くことを禁ずる旨

⑶ メゾネット型の住戸及び共用室にあっては、主たる出入口を経由する経路以外の避難経

路を各階ごとに 1 以上確保したものであること。

2 開放型の廊下及び階段室等の判断基準

開放型の廊下及び階段室等の判断基準は、次のとおりである。

なお、当該廊下又は階段室等が、隣地境界線若しくは他の建築物等の外壁との中心線から

1m以下の距離にある場合又は特定光庭に面している場合は、開放型の廊下又は階段室等に

該当しないものであること。

⑴ 開放型の廊下

次に掲げる区分に応じ、それぞれ定めるところによるものとする。

ア 片廊下の一部に手すり、スクリーン等外気の流通を妨げる部分が設けられているもの

次に掲げる事項のすべてに適合すること。

(ア)手すり等(さく、金網等開放性のあるものを除く。以下同じ。)がある場合、外壁面

の直接外気が流通する部分の面積(廊下の両端部の面積を除く。)は、当該階の当該廊

下に面する見付面積の 3 分の 1 を超えること。

(イ)直接外気が流通する部分について、手すり等の上端から小梁、たれ壁等の下端まで

の高さは1m以上であること。

(ウ)廊下の外壁面に下方へ小梁、たれ壁等を設ける場合は、天井面から小梁、たれ壁等

の下端までの高さは 30cm 以下であること。

(エ) 接外気が流通する部分について、防風のためのスクリーン等を設ける場合は、スク

リーン等の幅を2m以下とするとともに、相互に1m以上離して設けること。

たれ壁

手すり

30㎝以下

1m 以上

手すり

廊下 防風スクリーン

2m以下

×間口

(一戸分)見付面積

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-66

ィ 片廊下で廊下の一部に階段室、エレベーター等外気の流通を妨げる部分が設けられて

いるもの

ア.(ア)から(エ)までによるほか、Lは、8W 以下で、かつ、12m 以下であるこ

と。ただし、a 部分が閉鎖されている場合の L は、4W 以下で、かつ、6m 以下とする。

L:非開放の廊下部分の長さ

W:非開放の廊下部分の幅

a:非開放の廊下端部

⑵ 開放型の階段室等

「消防法施行規則の規定に定める屋内避難階段等の部分を定める件」(昭和 48 年6月 1

日付け消防庁告示第 10 号)に適合する開口部を有するものとする。

3 特定光庭の判断基準

⑴ 特定光庭は、次に掲げる光庭部分の高さ(光庭の底部から頂部(パラペットの天端)ま

での距離をいう。以下同じ。)に応じて、それぞれに定めるものとする。

ア 光庭部分の高さが 15m以下のもの

各住戸等の光庭に面する外壁間の距離(光庭部分を介して対面する各住戸等の外壁間

の距離をいい、各住戸等が廊下を介して光庭部分に面する場合にあっては、光庭を介し

て対面する当該廊下の手すり、腰壁等の問の距離をいう。以下同じ。)が6m未満

イ 光庭部分の高さが 15mを超えるもの

各住戸等の光庭に面する外壁間の距離が、当該部分の高さの 1/2.5 の距離未満

ただし、光庭部分の上昇温度が次式を満たす場合にあっては、特定光庭に該当しない

ものとすることができる。

△T≦4℃

△Tは、光庭部分の上昇温度であって、次の式により求めた値

(単位 ℃)

△T=2.06α

αは、次の式により求めた値

α=1.2+

住戸 住戸

階 段 E

a W

Q2/3

D5/3

γ+0.66

1.32

1.

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-67

γは、給気口率であって、次の式により求めた値(単位 %)

γ= ×100

A’ は、光庭部分に面して常時開放された絵気ロの面積

(単位 ㎡)

A は、光庭部分の最小水平投影面積(単位 ㎡)

Qは、光庭部分に面する各住戸等について、次の式によりそれぞれ求めた発熱速度

の最大値(単位 kW)

Qx=400(a1 h1 + a2 h2 + ・・・+an hn)

Qx は、光庭部分に面する一の住戸等の発熱速度(単位 kW)

a1~anは、当該住戸等の開口部のうち光庭部分に面するものの面積

(単位 ㎡)

hl~hnは、当該住戸等の開口部のうち光庭部分に面するものの高さ

(単位 m)

D は、各住戸等の光庭に面する外壁間の距離(単位 m)

⑵ 共同住宅等に存する光庭又は吹抜け状の空間が、特定光庭に該当する形状かどうかにつ

いては、次の例を参考にして判断するものとする。

ア 特定光庭に該当しない場合

判定:開放型の廊下に接する吹抜けの部分について、当該廊下の手すり等の上端から小

梁、たれ壁等の下端までの高さが1m以上であれば、特定光庭に該当しない。

イ 特定光庭に該当しない場合

判定:開放型の廊下に接する吹抜けの部分について、当該廊下の手すり等の上端から小

梁、たれ壁等の下端までの高さが1m以上であれば、特定光庭に該当しない。

A

A’

開 放 廊 下

住戸等 住戸等 住戸等

吹抜け 吹抜け 吹抜け

開 放 廊 下

住戸等 住戸等

吹抜け

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第 23 特定共同住宅等の省令・基準・運用等(別添・別紙)

第23.別添-68

ウ 特定光庭に該当しない場合

判定;開放型の星外階段に接する吹抜けの部分については、特定光庭に該当しない。

開放廊下

住戸等 住戸等 吹抜け

たれ壁

開放型の屋外階段