津波による浸水状況 - gsi津波による浸水状況...
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本日の報告内容本日の報告内容Ⅰ.はじめに
Ⅱ.空中写真緊急撮影
Ⅲ 津波による浸水範囲概況図の作成Ⅲ.津波による浸水範囲概況図の作成
及び浸水範囲の面積
Ⅳ.津波浸水区域の現地調査
Ⅴ 浸水範囲の土地利用別面積Ⅴ.浸水範囲の土地利用別面積
Ⅵ.5mメッシュDEM及びデジタル標高
地形図の作成
Ⅶ まとめⅦ.まとめ
Ⅰ.はじめに東北地方太平洋沖地震による被害の状況
・北海道から関東地方
にいたる広い範囲で
被害が出た
東日本大震災(2011) ※ 1
昭和三陸津波(1933) ※ 2
明治三陸津波(1896) ※ 3
死者 15 217 1 522 21 909被害が出た。
・死者行方不明者は約
死者 15,217 1,522 21,909
行方不明者 8,666 1,542 44
負傷者 5 339 1 092 4 3982万4千人、避難者
はピーク時に約43万
に達した。
負傷者 5,339 1,092 4,398
流出家屋 4,034 8,524
倒壊家屋に達した。
・三陸地域では過去に
も大きな津波 見ま
倒壊家屋 98,005 1,817 1,844
浸水家屋 9,272 4,018 2,272
も大きな津波に見ま
われ、今回は更に大
きな津波災害となっ
※1 警察庁緊急災害警備本部(5月25日)、平成23(2011年)
東北地方太平洋沖地震の被害状況と警察措置
※2 宇佐美龍夫(2003):最新版日本被害地震争乱[416]-2001きな津波災害となった。
※ 宇佐美龍夫( ) 最新版日本被害地震争乱[ ]
※3 震災予防調査会(1897):震災予防調査会報告第11合
地震による津波の高さ
今回の地震では津波の高さが非常に大きくの高さが非常に大きく、青森県から茨城県にかけて約4m~16mに達けて約4m~16mに達した。その結果、内陸奥深くまで津波が達して被害を大きくした。
1:気象庁資料2:港湾空港技術研究所・
東京大学都司准教授
3:東京海洋大学岡安教授3:東京海洋大学岡安教授4:東京電力による資料
Ⅱ.空中写真の緊急撮影・ 3月12日から4月5日にかけて、空中
写真の緊急撮影等を行い、青森県北部から茨城県沿岸南部地区の空中写真を整備した整備した。
・ 三陸南部~福島県北部(3月12~13日)
・ 茨城県沿岸北部(3月12日)
・ 三陸沿岸北部(3月13日)
・ 三陸海岸(3月19日)
・ 茨城県沿岸南部(3月27日)
・ 三陸海岸(4月1日)
・ 青森県北部(4月5日)青森県北部(4月5日)
空中写真撮影区域
空中写真・正射画像データ(オルソ画像)の提供
正射画像データ(オルソ画像)の範囲
正射画像データ(オルソ画像)とは、地図と重なるように歪みをように歪みを補正した空中写真画像
空中写真撮影位置(仙台地区)
空中写真 正射画像データ(オルソ画像)
津波浸水区域の空中写真による判読(Ⅰ)
① 湛水・浸水
空中写真により津波の到達・浸水した区域を下記の特徴に基づいて判読した。
① 湛水 浸水
家屋や耕地、道路が海水で覆われる区域
仙台市宮城野区れる区域。 城野区
② 家屋等の損壊
家屋などの建物が破壊されてその跡をとどめない。また、瓦礫や車、船舶が集積している区
宮城県南三陸町
域
震 災 前 震 災 後
③ 土砂(砂 泥)の堆積
浸水区域の空中写真による判読(Ⅱ)③ 土砂(砂・泥)の堆積
岸壁や工場敷地のコンクリート面上に泥や砂が堆積し、灰色~黒灰色の色調となる。
宮城県石巻市
④ 瓦礫・流木の堆積建物などの瓦礫や流木が平野や谷沿いに集積。
宮城県仙台市若林区
震 災 前 震 災 後
Ⅲ.浸水範囲概況図の作成
写真判読と原発周辺は衛星画像で判読した津波による浸水区域を 20万分1読した津波による浸水区域を、20万分1地勢図上に重ね合わせてホームページで公表した。
浸水概況図の作成によ浸水概況図の作成によって三陸沿岸では海岸沿いの狭い谷低平野が、宮城県 巻市から福島県南城県石巻市から福島県南相馬市にかけては、平野部が広範囲に浸水していることが明らかとなった。
アクセス数は計約31万リクエストであり 関心は
調査地域の全体図 No.13 仙台市~岩沼市
リクエストであり、関心は高かった。
市区町村別浸水区域の面積浸水区域全体で561km2が浸水した。市区町村別にみると、宮城県南部から福
島県北部にかけての石巻市や仙台市、名取市、岩沼市、東松島市、亘理町、相馬市、南相馬市など平野部で大きな浸水区域となっていることがわかった。
70
80
(Km2 )
50
60
70
30
40
50
10
20
0六ヶ所村
三沢市
おいらせ
八戸市
階上町
洋野町
久慈市
野田村
普代村
田野畑村
岩泉町
宮古市
山田町
大槌町
釜石市
大船渡市
陸前高田
気仙沼市
南三陸町
女川町
石巻市
東松島市
松島町
利府町
塩竈市
七ヶ浜町
多賀城市
仙台市宮
仙台市若
仙台市太
名取市
岩沼市
亘理町
山元町
新地町
相馬市
南相馬市
浪江町
双葉町
大熊町
富岡町
楢葉町
広野町
いわき市
北茨城市
高萩市
日立市
東海村
ひたちな
水戸市
大洗町
鉾田市
鹿嶋市
神栖市
銚子市
旭市
匝瑳市
横芝光町
山武市
九十九里
大網白里
白子町
長生村
一宮町
市区町村別の津波浸水区域の面積
村 せ町
村 市田市
市町 市 町市宮城野区
若林区
太白区
市 市市 なか市
町 里町
里町
Ⅳ.浸水区域の現地調査
津波により甚大な被害とな たな被害となった仙台市、石巻市
三陸海岸を中
大槌町 (浸水の高さ) 陸前高田市 (砂州地形の浸食)
、三陸海岸を中心に、浸水地域の被災状況の把 大槌町 (浸水の高さ) 陸前高田市 (砂州地形の浸食)
握、地形変化、津波の遡上位置の確認 浸水深の確認、浸水深と建物被害の相関性等について関性等について現地調査を実施した。
宮古市田老町(堤防の損壊状況)南三陸町 (建物の破損・浸水高)
Ⅴ.浸水範囲の土地利用別面積国土数値情報の土地利用細分メ
ッシュデータとを組み合わせ、浸水範囲の土地利用面積を集計した範囲の土地利用面積を集計した。土地利用区分については、国土交通省国土計画局が公表している国土数値情報「土地利用細分メッシュ土数値情報「土地利用細分メッシュデータ」(平成18 年度)を原データとして、いくつかの項目をまとめた。
土地利用の凡例
建物用地・幹線交通用地
その他の用地
田・その他の農用地・森林・荒地・ゴルフ場
河川地及び湖沼・海浜・海水域
No.13 仙台市~岩沼市
河川地及び湖沼・海浜・海水域
県別の浸水範囲の土地利用面積比
・浸水範囲について土地利用別の面積を解析した。・その中で水田が37%ともっとも多く、次いで建物用地( 20%)、その他の用
県別の面積の割合
その中で水田が37%ともっとも多く、次いで建物用地( 20%)、その他の用地( 10%)となった。
・宮城県と福島県は水田の割合が、岩手県では建物用地の割合が大きくなっているのに対し、青森県や茨城県、千葉県は海浜やその他の用地の割合が
田その他の農用 森林 荒地
建物用地
幹線交通用地
その他の用地
河川地及び湖 海浜 海水域 ゴルフ場
大きい。
農用地
森林 荒地 通用地 の用地
及 湖沼
海浜 海水域 場
青森県 3 2 10 6 10 1 21 9 33 6 0
岩手県 17 4 9 1 34 3 15 10 3 4 0
○○
○○岩手県 17 4 9 1 34 3 15 10 3 4 0
宮城県 41 7 7 1 21 2 8 10 2 1 0
福島県 53 3 4 1 12 2 9 7 3 7 0
○○○
○○○
茨城県 6 2 4 1 15 1 23 6 29 12 0
千葉県 21 6 12 2 15 0 8 2 23 12 0
6県合計 37 5 7 1 20 2 10 9 6 4 0
○
○
○○
○○
○○
6県合計 37 5 7 1 20 2 10 9 6 4 0
県別の土地利用面積の割合(単位%)
○ ○
市区町村別土地利用面積・市区町村別の浸水面積で三陸地域や平野部では岩手県中部から宮城県、福島県
北部にかけて建物用地の浸水が多く見られた。・岩手県大槌町、宮城県南三陸町、宮城県東松島市では建物用地の50%以上が浸
水した。
80 平成23年東北地方太平洋沖地震 市区町村別津波浸水範囲の土地利用別面積
河川地及び湖沼・海浜・海水域
km2
0
60
70 河川地及び湖沼・海浜・海水域
田・その他の農用地・森林・荒地・ゴルフ場
その他の用地
幹線交通用地
30
40
50
浸水
面積
建物用地
10
20
30
0
六ヶ所村
三沢市
おいらせ
八戸市
階上町
洋野町
久慈市
野田村
普代村
田野畑村
岩泉町
宮古市
山田町
大槌町
釜石市
大船渡市
陸前高田
気仙沼市
南三陸町
女川町
石巻市
東松島市
松島町
利府町
塩竈市
七ヶ浜町
多賀城市
仙台市宮
仙台市若
仙台市太
名取市
岩沼市
亘理町
山元町
新地町
相馬市
南相馬市
浪江町
双葉町
大熊町
富岡町
楢葉町
広野町
いわき市
北茨城市
高萩市
日立市
東海村
ひたちな
水戸市
大洗町
鉾田市
鹿嶋市
神栖市
銚子市
旭市
匝瑳市
横芝光町
山武市
九十九里
大網白里
白子町
長生村
一宮町
村 せ町
村 市田市
市町 市 町市宮城野区
若林区
太白区
市 市市 なか市
町 里町
里町
茨城県宮城県岩手県 福島県青森県 千葉県
Ⅵ.5mメッシュDEM及びデジタル標高地形図の作成
宮城県が地震後の3月19日に計測した航空レーザデータ
デ(三次元データ)により、5mメッシュDEM及びデジタル標高地形図を作成した
仙台港
高地形図を作成した。
仙台空港
20 4km
未満
デジタル標高地形図(仙台市周辺)
デジタル標高地形図(拡大図)
デジタル標高地形図から、仙台港は緑色で標高が3~5m、仙台空港は水色で2~3mであり、紫色の津波による湛水域がかなり広範囲に分
仙台港
湛水域がかなり広範囲に分布していることが明瞭。
仙台空港
10mメッシュDEMによる段彩図と浸水範囲
陸前高田市陸前高田市宮城県以外は、10メ シ DEM(標高) 陸前高田市陸前高田市mメッシュDEM(標高)
データを用いて標高ごとの段彩図を作成して
40m以上
気仙沼市名三陸海岸の地域で
浸水区域の標高の解析に使用した。 浸水区域
凡 例
10-15m
15-20m
20-30m
30-40m気仙沼市名取市
三陸海岸の地域では海岸沿いに5m以下の低地がみられ、
2-3m
3-4m
4-5m
5-10m津波は河川沿いに標高が5~15mの谷底平野まで達していた
0m 未満
0-1m
1-2m
海岸低地(三陸海岸)
浸水区域の標高別面積浸水区域の標高別面積
0.00% 5.00% 10.00% 15.00% 20.00% 25.00%
0m未満
0-1m
10mメッシュDEM(標高) データを用いて浸 23
51
0.8
1-2m
2-3m
3-4m
4-5m
水区域の標高別の面積を調査した。
51 127
105644 5m
5-6m
6-7m
7-8m
浸水区域の標高は10m以下で94%、標高5m以下では67%
64
60
30
22
8-9m
9-10m
10-15m
高5m以下では67%に達し、ほとんどが10m以下の低地の部分に到達し 標高10m以
21
23
2215-20m
20-25m
25m以上
に到達し、標高10m以
上の区域は非常に僅かであった。
1.7
6.5
0.9
浸水区域の市区町村別・標高別面積面積Km2
80
浸水区域の市
8-10m60
10m以上
浸水区域の市区町村別・標高別の面積は宮古市から女川町に
4-6m
2-4m
0-2m
40
6-8mかけての三陸沿岸では6m以上の標高の割合が
0-2m
20
半分以上で、石巻市から南相馬市にかけてでは
が多
0
2-4mが多く、平野部の特徴を表していることが明らかとなりまし
六ヶ所村
三沢市
おいらせ村
八戸市
階上町
洋野町
久慈市
野田村
譜代村
田野畑村
岩泉町
宮古市
山田町
大槌町
釜石市
大船渡市
陸前高田市
気仙沼市
南三陸町
女川町
石巻市
東松島市
松島町
利府町
塩竃市
七ヶ浜町
多賀城市
仙台市宮城野区
仙台市若林
仙台市太白区
名取市
岩沼市
亘理町
山元町
新地町
相馬市
南相馬市
浪江町
双葉町
大熊町
富岡町
楢葉町
広野町
いわき市
北茨城市
高萩市
日立市
東海村
ひたちなか市
水戸市
大洗町
鹿嶋市
鉾田市
神栖市
銚子市
旭市
匝瑳市
横芝町
山武市
九十九里町
大網白里町
白子町
長生村
一宮町
0明らかとなりました。
津波の海岸線からの距離と標高A.気仙沼港周辺 (津波の高さとして、車載型画像計測システムで計測した浸水深に航空レーザ測量によるDEMの標
津波
高値を加算)(※海岸線付近の浸水深は土木学会東北地方太平洋沖地震津波合同調査グループの調査結果による)
位置図
波の高さ(m
)(=
A
=地盤高+浸水
B
海岸線からの距離(m) 地盤高の断面(赤線)及び計測地点の分布
水深)
B 南三陸町志津川港周辺 (浸水範囲概況図の津波到達地点の標高を航空レ ザ測量によるDEMで読み取り)B.南三陸町志津川港周辺 (浸水範囲概況図の津波到達地点の標高を航空レーザ測量によるDEMで読み取り)
津波到20
25
30
到達標高(m
)5
10
15
20
海岸線からの距離(m)
津波到達地点の分布0
5
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
Ⅶ ま と めⅦ.ま と め• 今回の地震に伴う津波の浸水状況を表示した「浸
水範 概 を作成水範囲概況図」を作成。
• 宮城県計測の航空レーザデータ(三次元データ)から5 メ シ DEM デジタル標高地形図を作から5mメッシュDEM、デジタル標高地形図を作成。
• 今回作成した成果については 国 地方公共団体• 今回作成した成果については、国、地方公共団体等へ復旧・復興の基礎資料として提供した。
• 今後、地震災害が発生した場合、特に津波につい今後、地震災害が発生した場合、特に津波について浸水範囲概況図、デジタル標高データ(5mメッシュDEM、デジタル標高地形図)が有効であることが明らかになったとが明らかになった。
• 今後、津波による浸水区域と地形との関係を明らかにしていきたいかにしていきたい。