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治療薬効果予測1-1
肥満細胞腫と確定診断された症例で c-kit 遺伝子変異検査!・肥満細胞腫の新たな治療薬であるメシル酸イマチニブの抗腫瘍効果を治療前に予測。・遺伝子変異検査でメシル酸イマチニブの適応症例を選択。・適正な治療選択により、治療費を軽減。
c-kit 遺伝子変異検査
肥満細胞腫 (イヌ)
肥満細胞腫 (ネコ)
c-kit 遺伝子からは成長因子の受容体である KIT 蛋白が合成されます。c-kit 遺伝子に変異があると、KIT 蛋白から細胞内に過剰な細胞増殖刺激が伝達され細胞が腫瘍化します。メシル酸イマチニブは KIT 蛋白の ATP 結合部位(増殖刺激の伝達に重要な役割を果たす部位)に結合し、増殖刺激を抑制することで抗腫瘍効果を発揮します。
Note
c-kit 遺伝子エクソン 11 変異あり 変異なし
c-kit 遺伝子エクソン 8 変異あり 変異なし
c-kit 遺伝子エクソン 9 変異あり 変異なし
Q:メシル酸イマチニブの使用を考えています。遺伝子検査をするメリットは何ですか。A:あらかじめ遺伝子検査を実施することで、非常に薬価の高いメシル酸イマチニブが効果を発揮するかどうかの予測ができます。
Q:肥満細胞腫のグレードによって c-kit 遺伝子変異の頻度に違いはありますか。A:一般的にグレードⅠでは、ほとんど変異がないと言われています。逆にグレードⅢでは、約半数の症例で変異が認められると報告されています。組織学的にハイグレードの症例で変異の割合が高いと考えられています。
Q:c-kit 遺伝子変異検査で変異の認められた症例では、必ずメシル酸イマチニブが効きますか。A:非常に高い確率で効果が認められます。しかしながら、稀に耐性を持ち効かない症例も存在します。Q:c-kit 遺伝子変異検査で変異が認められなかった症例では、メシル酸イマチニブが効きませんか。A:変異が認められなくても効いた症例はあります。このような症例では、本検査で検出することのできない変異あるいはc-kIT 以外の成長因子レセプターに変異が存在することが考えられます。
FAQ集
変異があればメシル酸イマチニブが効果をしめす可能性大
過剰な増殖刺激により肥満細胞が腫瘍化
変異型 KIT 蛋白
肥満細胞
増殖刺激
メシル酸イマチニブ
メシル酸イマチニブにより増殖刺激抑制
KIT
KIT
検査では、PCR法を用いエクソン11の変異を検出します。
検査では、PCR 法を用いエクソン 8、そしてPCR-RFLP 法を用いエクソン 9の変異を検出します。
コード;G0004、G0016
;検体採取法参照
ケーナインラボ 2010.2 改訂
変異があればメシル酸イマチニブが効果をしめす可能性大
治療薬効果予測1-2
資料1
資料2
資料3
c-kit 遺伝子変異検査
変異の有無
変異(+);5 症例 変異(-);16 症例
症例
イヌ ネコ
変異部位 変異部位
エクソン 11 エクソン 8 のみエクソン 9 のみ
エクソン 8 および 9
変異有症例数 / 症例数 変異有症例数 / 症例数
45/403 14/5411/48*0/48*
変異の割合 変異の割合
*6 症例では、エクソン 9 の検査は未実施
11.2% 25.9%22.9%
0%
SPN; splenectomy, VBL; vinblastine, CCNU; lomustine, CLB; chlorambucil, CPM; cyclophosphamide, NM; nitrogen mustard, P; prednisolone/prednisone, CR; complete remission, PR; partial remission, SD; stable disease, PD; progressive disease.*エクソン 9(c.1517-1518delinsTT)の変異は当社の検査では検出できません。 日本獣医生命科学大学 獣医臨床病理学教室 提供
変異部位(部位名) イマチニブ使用前処置
イマチニブとの併用薬
最良効果 / 最良効果の出現までの期間(週)
最終効果 /使用期間(週)
肥満細胞腫と診断されたイヌ 21症例について、c-kit 遺伝子エクソン 11の変異の有無を検出した。さらに10mg/kgメシル酸イマチニブを連日経口投与し、抗腫瘍効果をRECISTのガイドラインに従って評価した。
肥満細胞腫と診断されたネコ10症例について、c-kit遺伝子エクソン8および9の変異の有無を検出した。さらにメシル酸イマチニブを経口投与し、抗腫瘍効果をRECIST のガイドラインに従って評価した。
肥満細胞腫と診断されたイヌ 403 症例およびネコ 54 症例で c-kit 遺伝子変異検査を行い、変異の出現頻度を算出した。
c-kit 遺伝子に変異が検出された全ての症例でイマチニブの効果が認められた。
完全寛解(CR)/ 部分寛解(PR);10 症例 不変(SD)/ 進行(PD);11 症例
日本獣医生命科学大学 獣医臨床病理学教室 提供
メシル酸イマチニブの効果
変異の検出された 8 症例のうち 7 症例で効果が認められた。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
エクソン 8(c.1244-1255dup)
エクソン 8(c.1244-1255dup)
エクソン 8(c.1244-1255dup)
エクソン 8(c.1244-1255dup)
エクソン 8(c.1244-1255dup)
エクソン 9(c.1430G>T)
エクソン 9(c.1430G>T)
エクソン 9(c.1517-1518delinsTT)*
None
None
None
SPN
VBL, CLB, P
SPN, CPM, VBL, P
SPN, CCNU, VBL, NM
VBL, P
None
P
P
None
None
None
P
VBL, P
None
CCNU, P
None
None
P
None
変異
効果有
効果有
(+)
KIT
KIT
PR/3
PR/3
PR/3
CR/2
SD
PR/2
PR/2
PR/3
PR/3
SD
PR/3
PD/32
PR/18
CR/2
SD/13
PD/11
PR/9
PR/12
PR/14
SD/4
コード;G0004、G0016
;検体採取法参照
ケーナインラボ
社内データ