玉井 充 o z rally...

1
123 ・Zラリーレーシングを見て「懐かし い」と思われる方も多いことだろ う。原型となるホイールは1988年、グ ループA時代のWRC(世界ラリー選手権) にグラベル専用としてデビュー。89年に はトヨタ セリカGT-4に装着され、90、 92年にドライバーズ、93年にはマニュ ファクチャラーズ、94年にはドライバー ズ&マニュファクチャラーズを制覇し た。20個のホールを配したディッシュデ ザインはグラベルでの跳ね石からブレー キを守るためだったが、ディスク面に O・Zレーシングと大きくブランド名が刻 まれていたのも印象的だった。一方、ター マック用としては同じく白の5本スポー クとしたクロノを使用していた。 そんなWRCでの活躍を受け、市販の ディッシュデザインのO・Zラリーレーシ ングは一世を風靡した。カラーは白がメ インでシルバーも用意。かつ、当時はク ロカン4WDブームもあって黒の6Hまで もラインナップされていた。 そして今、新たに蘇ったのがこのラ リーレーシングである。今では特異な ディッシュデザインゆえ、一見、昔と同じ デザインに感じられるが、子細に見れば 違いに気付かされる。まずホール数が 15となり、ディスクからリムに至る部分 にはリブを持たせてスポーク風に仕立て ている。そのスポークには軽く折れが設 けられ、立体感を伴いながらきっちりと リムエンドに達している。ディスク面の ロゴはかつてよりは小さくなっている。 そう、雰囲気こそかつてのデザインを受 け継ぎながらも、しっかりリファインさ れているのである。このデザインは世界 中のO・Zユーザーの声を反映したとのこ と。ちなみにベースカラーはガンメタ系 のダークグラファイトでホワイトも用意 するというスタンスだ。 サイズは17、18、19インチで、輸入 車から国産車まで幅広くカバーする。か つてのトヨタ セリカやランチア デルタ にホワイトを装着すればラリーの、アル ファ 156にダークグラファイトを装着 すればDTMの雰囲気を手に入れること ができる。専用サイズが用意されている だけにまさにジャストフィット。また、 MINI、フォルクスワーゲン、アウディな どの、現在のスポーツモデルにセットし ても似合う。そればかりかアウトドアの イメージも有するため、トヨタC-HRや マツダCX-5などSUVに装着すれば雰囲 気が一変する。かつての栄光を知る年代 の方には懐かしく、当時を知らない若者 には新鮮に映る、それがラリーレーシン グの強みなのかもしれない。 O・Z S.p.A.の取締役社長、クラウディ オ・ベルノーニ氏がレース用ホイール を手掛けたのが1984年。そしてラリー 用として88年にデビューさせたのがこ のラリーレーシングだった。それだけ に30年を経た今、ベルノーニ氏のラ リーレーシングへの思い入れは大きい と聞く。来年には日本でのWRC開催が 予定されている。WRCではワークス勢 が100%装着しているO・Zホイール。 その雄姿を間近で目にすることができ そうだ。 価格:50,760円~79,920円(1本) カラー:ホワイト/ダークグラファイト http://oz-japan.com かつてのWRCを席巻したホイールを最新技術で新開発 OZ Rally Racing O O・Z ラリーレーシング アルミ鋳造1ピースホイール フォルクスワーゲンやアウディをはじめ、輸入車か ら国産車まで対応車種を幅広くカバーする。 O・Zレーシングはトヨタ・セリカとともに1990年代 のWRCを席巻。世界中から大きな注目を集めた。 The Wheel Climax 写真: 玉井 充

Upload: others

Post on 02-Oct-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 玉井 充 O Z Rally Racingoz-japan.com/OZjapan/wp-content/uploads/2018/10/MMP...サイズは17、18、19インチで、輸入 車から国産車まで幅広くカバーする。か

123

・Zラリーレーシングを見て「懐かしい」と思われる方も多いことだろ

う。原型となるホイールは1988年、グループA時代のWRC(世界ラリー選手権)にグラベル専用としてデビュー。89年にはトヨタ セリカGT-4に装着され、90、92年にドライバーズ、93年にはマニュファクチャラーズ、94年にはドライバーズ&マニュファクチャラーズを制覇した。20個のホールを配したディッシュデザインはグラベルでの跳ね石からブレーキを守るためだったが、ディスク面にO・Zレーシングと大きくブランド名が刻まれていたのも印象的だった。一方、ターマック用としては同じく白の5本スポークとしたクロノを使用していた。 そんなWRCでの活躍を受け、市販のディッシュデザインのO・Zラリーレーシングは一世を風靡した。カラーは白がメインでシルバーも用意。かつ、当時はクロカン4WDブームもあって黒の6Hまでもラインナップされていた。 そして今、新たに蘇ったのがこのラ

リーレーシングである。今では特異なディッシュデザインゆえ、一見、昔と同じデザインに感じられるが、子細に見れば違いに気付かされる。まずホール数が15となり、ディスクからリムに至る部分にはリブを持たせてスポーク風に仕立てている。そのスポークには軽く折れが設けられ、立体感を伴いながらきっちりとリムエンドに達している。ディスク面のロゴはかつてよりは小さくなっている。そう、雰囲気こそかつてのデザインを受け継ぎながらも、しっかりリファインされているのである。このデザインは世界中のO・Zユーザーの声を反映したとのこと。ちなみにベースカラーはガンメタ系のダークグラファイトでホワイトも用意するというスタンスだ。 サイズは17、18、19インチで、輸入車から国産車まで幅広くカバーする。かつてのトヨタ セリカやランチア デルタにホワイトを装着すればラリーの、アルファ 156にダークグラファイトを装着すればDTMの雰囲気を手に入れること

ができる。専用サイズが用意されているだけにまさにジャストフィット。また、MINI、フォルクスワーゲン、アウディなどの、現在のスポーツモデルにセットしても似合う。そればかりかアウトドアのイメージも有するため、トヨタC-HRやマツダCX-5などSUVに装着すれば雰囲気が一変する。かつての栄光を知る年代の方には懐かしく、当時を知らない若者には新鮮に映る、それがラリーレーシングの強みなのかもしれない。 O・Z S.p.A.の取締役社長、クラウディオ・ベルノーニ氏がレース用ホイールを手掛けたのが1984年。そしてラリー用として88年にデビューさせたのがこのラリーレーシングだった。それだけに30年を経た今、ベルノーニ氏のラリーレーシングへの思い入れは大きいと聞く。来年には日本でのWRC開催が予定されている。WRCではワークス勢が100%装着しているO・Zホイール。その雄姿を間近で目にすることができそうだ。

価格:50,760円~79,920円(1本)カラー:ホワイト/ダークグラファイト

http://oz-japan.com

かつてのWRCを席巻したホイールを最新技術で新開発

O・Z Rally Racing

O

O・Z ラリーレーシングアルミ鋳造1ピースホイール

フォルクスワーゲンやアウディをはじめ、輸入車から国産車まで対応車種を幅広くカバーする。

O・Zレーシングはトヨタ・セリカとともに1990年代のWRCを席巻。世界中から大きな注目を集めた。

The Wheel Climax

写真:玉井 充