年度版 有機薬化学 iii(b クラス 1総合演習問題 解説 …...2014年度版...
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2014年度版 有機薬化学 III(Bクラス) 総合演習問題 解説 ページ
1
問1 その1共通「酸性度が高い順番に並べよ」 「酸性度が高い順番に並べよ」という問題が出た場合は、共役塩基の安定性を比べること。共役塩基がより安定であれば酸性度はより高い。 問1-1
O O
CH2 CH2
O O
CH3
共鳴書けない。最も不安定。
酸素上に負の電荷・・・寄与大
炭素上に負の電荷・・・寄与小
酸素上に負の電荷・・・寄与大
O O
CH3
O O
CH3
酸素上に負の電荷・・・寄与大より安定
より不安定
OH
HCH2
HO H O
CH3 > > >
酸性度を高い方から並べると
問1-2
H2C
O
H H2C
O
H
酸素上に負の電荷・・・寄与大
H2C
O
H共鳴書けない。不安定。
H3C
O
H H3C
O
H
酸性度を高い方から並べると
>
問1-3
H2C N
H2C N
O
OH2C N
O
O
CH3
CH3
酸素上に負の電荷・・・寄与大
共鳴書けない。不安定。
酸性度を高い方から並べると
>H3C NO2 H3C N(CH3)2
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2
問1-4
H2C
H2C
O F
F
F
FF
H2C
F
FF
F
F
H2C
O F
F
F
FF
酸素上に負の電荷・・・寄与大
かつ、F原子に電子が引っ張られ、誘起効果によりアニオンががより安定に
H2C
O F
F
F
FF
H2C
O
H2C
O酸素上に負の電荷・・・寄与大
共鳴書けない。 H2C
F
F
F
FF
F原子に電子が引っ張られ、誘起効果によりアニオンががより安定に
誘起効果による安定化は少ない
共鳴書けない。 誘起効果による安定化は少ない
より安定
より不安定
H3C
O F
F
F
FF
> > >H3C
OH3C
F
FF
F
FH3C
酸性度を高い方から並べると
問1-5
H2C
O
H2C
O
ClHC
O
ClHC
O
Cl2C
O
Cl2C
O
どの化合物も共鳴効果は同じである。
O OCl
H
H
H
OCl
Cl
よって、誘起効果を比較する。
H3C
OOCl
H H
OCl
Cl H> >
酸性度を高い方から並べると
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問1-6
C N
C NC
C C
N
N N
芳香族性あり
芳香族性なし
芳香族性あり+有利な共鳴構造ありC N
C NC
C C
N
N N
芳香族性あり+有利な共鳴構造多数あり
C NC
C C
N
N N
etc...
H H H HH HC N
H HC NC
C C
N
N N
> > >
酸性度を高い方から並べると
より安定
より不安定
問1-7
H2C S
H2C S
OPh
O
OPh
H2C S Ph
H2C SO
Ph
H2C SO
PhO
H2C SO
PhO
共鳴書けない。不安定。
より安定
より不安定
酸素上に負の電荷x1
酸素上に負の電荷x2
H3C S PhH3C SH3C S
OPh
O
OPh >>
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問1-8
比較対象は、次の5つの対アニオン。これらを安定な順に並べればよい。
O
OO
N
OH3C
O
CH3
Ovs vs vs vs
○ポイント1:カルボニルα位の酸性度はなぜ高いのか? 1.ケトン
電気陰性度の大きな酸素上へと電荷が分散される
O O
アニオンを非局在化させる有利な共鳴構造式が1つ書ける。安定:寄与大
まず、第1に重要なのは、この「安定な共鳴構造式がいくつ書けるのか」ということである。
2.β-ジケトン
O
CH3
O O
CH3
O
アニオンを非局在化させる有利な共鳴構造式が2つ書ける。安定:寄与大
O
CH3
O
安定:寄与大
3.エステル・アミド
O
O
O
O
安定:寄与大
N
O
N
OH3C H3C
安定:寄与大それぞれ、アニオンを非局在化させる有利な共鳴構造式は1つ書ける。
4.テトラヒドロナフタレン
アニオンを強力に非局在化出来る共鳴構造式は書けない。
もちろん、ベンゼン環上に負のアニオンを分散させた共鳴式を書くことはできるが、これらは、①ベンゼン環の芳香族性が失われる②負の形式電荷が炭素原子上に存在する、ため、寄与の大きな共鳴式とは言えない。
☆これらの共鳴の寄与は非常に小さい
以上のことより、まず、大まかに以下の順位をつけよう O
CH3
O
O
OO
N
OH3C> >
安定な共鳴構造式2つ 安定な共鳴構造式1つ 安定な共鳴構造式ゼロ
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○ポイント2:ケトン vs エステル vs アミド 次に、考えるべき点は、カルボニル基に流入する電子がα位のアニオンの他にあるかどうかである。
O O
ケトンのカルボニルは、α位の負電荷をほぼ100%受け入れることが出来る。
O
O
O
O
O
O
O
O
エステルの場合、α位のアニオンだけでなく酸素原子からの電子供与があるため非局在化が弱まってしまう。
一部、α位に局在化してしまう。
N
O
N
O
N
O
N
OH3C H3C H3C H3C
アミドの場合は、窒素原子からの強力な電子供与があるためエステルの時よりさらに電子が局在化してしまう。
エステルよりも、局在化する。
OよりNのほうが電子豊富
カルボニルという入れ物
分かりにくい場合、上図のように、カルボニルという大きさが一定の器をイメージしよう。ケトンの場合はα位アニオンの電子を全て受け入れることが出来るのに対し、エステルの場合は、酸素上の孤立電子対からも電子を受け入れなければいけないので、α位に電子が残ってしまうのである。アミドの場合、窒素上はさらに電子豊富なので、α位に残る電子の量もさらに増えてしまう。
α位アニオンの電子
+
ケトンの場合
エステルの場合
カルボニルという入れ物 α位アニオンの電子 酸素上孤立電子対
+ +
α位カルボニル
カルボニル α位 酸素
アミドの場合
カルボニルという入れ物 α位アニオンの電子 窒素上孤立電子対
+ +
カルボニル α位 窒素
よって、アニオンの安定性は
O
OO
N
OH3C
O
CH3
O> > > >
であるため、酸性度は
O
OO
N
OH3C
O
CH3
O> > > >
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問1-9
安定性を比べるべきアニオンは次の4つ。
N CH3
CH3N CH3 N CH3
H3C ON
H3C O
O
CH3
vs vs vs
ポイント1:電気陰性度はN<Oなので、酸素原子上に負の電荷がくる共鳴構造式が多く書けるアニオンの方が安定。
N CH3
H3C O
N CH3
H3C ON
H3C O
O
CH3
N
H3C O
O
CH3
N
H3C O
O
CH3
安定:寄与大 安定:寄与大 安定:寄与大
1つ 2つ
N CH3
CH3N CH3
共に0個
よって、安定性について次の関係が成り立つ。
N CH3
CH3N CH3N CH3
H3C ON
H3C O
O
CH3
> >
2つ 1つ 0個
ポイント2:寄与が小さくても共鳴構造式が書ける方が安定 N-メチルアニリン: N-メチルアニリンのアニオンは、ベンゼン環上に負の形式電荷をもつ共鳴構造式を書
くことができる。しかし、これらのアニオンは、ベンゼン環の芳香族性を壊す上、炭素上に負の形式電荷が存
在するため不安定であり、寄与は小さい。(共鳴構造式は単にたくさん書ければより安定だと誤解してい
る人が多い。万札1枚は 100円玉3枚より価値が大きいでしょ? )
N CH3
たくさん書けるが寄与は小さい
N CH3 N CH3 N CH3
ジメチルアミン:ジメチルアミンのアニオンについては共鳴構造式を一切書くことができない。
CH3N CH3
共鳴構造式は書けない
共鳴安定化については「全く書けない」よりは「寄与が小さい共鳴が書ける」方がまだマシである(100円玉 3
枚でもあった方がマシというわけ )。よって、
N CH3
CH3N CH3N CH3
H3C ON
H3C O
O
CH3
> > >
よって、酸性度は
HN CH3
CH3HN CH3HN CH3
H3C OHN
H3C O
O
CH3
> > >
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問1-10
安定性を比べるべきアニオンは次の4つ。
NN N
NN
NNvs vs vs
ポイント1:電気陰性度はC<Nなので、窒素原子上に負の電荷がくる共鳴構造式が多く書けるアニオンの方が安定。
NN
NN
NN
NN
NN
NN
NN
NN
NN
NN
N N N N N
安定:寄与大 安定:寄与大 安定:寄与大 安定:寄与大
安定:寄与大
N
N N N
N N N N
安定:寄与大N
以上より、寄与が大きな共鳴構造式をたくさん書けるのは、
NN
NN
ポイント2:寄与が小さくても共鳴構造式が書ける方が安定
N のほうが、N
よりもたくさんの共鳴構造式を書ける。一方、N
は一切共鳴構造式を書くことがで
きない。
よって、アニオンの安定性は、
NN N
NN
NN >>>
であるから、酸性度は
NH
HN
HN
NN
HN
N >>>
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問1-11
考え方1)
「脱離基の脱離能」の脱離能を比べると、Cl–>PhCOO–>EtO–>H2N‒の順なので、加水分解されやすいのは、
Ph
O
O Ph
O
Ph
O
Cl Ph
O
OEt Ph
O
NH2> > >
の順である。
考え方 2) カルボニル化合物のδ+性を比べればよい。
R CO
XR C
O
XR C
O
X RCO
X
共鳴効果原子Xの電気陰性度が低い場合。Xから炭素原子に電子が流れ込むので、炭素のδ+性↓
δ+ δ+
誘起効果原子Xの電気陰性度が高い場合。Xが炭素原子の電子を奪っていくので炭素のδ+性↑
R CO
X
δ+性については、プリントを参照すること。
R CO
F
R CO
NMe2
R CO
CH3
R CO
Cl主に誘起効果が強く現れる
フッ化アシル 塩化アシル
ケトン
R CO
OCH3
C,H上に孤立電子対がないのでに共鳴効果はない。電気陰性度も小さく誘起効果もほぼゼロ。
エステル
共鳴効果と誘起効果の両方が現れるが、反応性では主に共鳴効果が強く表れる。
R CO
H
アミド
主に共鳴効果が強く表れる。
カルボニル炭素のδ+性の順位(求核付加に対する反応性)
Xの電気陰性度
電気陰性度
大
小
共鳴効果
小
大
ない
誘起効果
大
小
共鳴効果 誘起効果
1
3
4
2
アルデヒド
○酸無水物については、共鳴効果が二つのカルボニルに分散されるため、エステルとは異なり、誘起効果の方
が支配的になる。δ+性は塩化アシルとケトンの中間程度です。
Ph
O
O Ph
O
Ph
O
O Ph
O
Ph
O
OPh
O
酸無水物は共鳴効果が2つのカルボニルに分散してしまう。
よって、δ+性は「塩化アシル」>「酸無水物」>「エステル」>「アミド」
Ph
O
O Ph
O
Ph
O
Cl Ph
O
OEt Ph
O
NH2> > >
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問1-12:
「アミンの塩基性度が高い順番に並べよ」という問題が出た場合は、アミンそのままで(プロトン化せずに)窒素上の電子密度、孤立電子対の状態を比べる。
N N
NHH3C
CH3
CH3
CH3N N
NHH3C
CH3
CH3
CH3NN
NHCH3
CH3
H3C
CH3NN
NHCH3
CH3
H3C
CH3
1.グアニジン
それぞれのNから電子の流れ込みがあるため、太字のNの電子密度は上昇する。
2.アミン
Nの電子密度を変化させるような共鳴構造は書けない。
NHCH3H3C
3.アニリン
NHH3C NHH3C NHH3C NHH3C
ベンゼン環の芳香族性を破壊・炭素上に負の形式電荷 →寄与小さい
N上の電子はベンゼン環に少しだけ流入しているが、それぞれの共鳴構造の寄与が小さく影響は少ない。
O CH3
NHH3C
4.アミド
O CH3
NHH3C 酸素上に負の形式電荷→寄与大きいよって、N上の電子は大きくカルボニルに流入
O CH3
NH
O CH3
NH
CH3
O
CH3
O
O CH3
NH
CH3
O
5.イミド
寄与大 寄与大寄与の大きな共鳴構造を2つも書ける→N上の電子は双方のカルボニルに流入
よって、答えは、
N N
NHH3C
CH3
CH3
CH3
NHCH3H3C
NHH3C
O CH3
NHH3C
O CH3
NH
CH3
O> > > >
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問1-13:
1.ピリジン vsピロール
N HN6e
6e
芳香族性に不関与芳香族性に関与
よって、孤立電子対が芳香族性に関与しているピロールは、塩基性が非常に低い。芳香族性に非関与のピリジ
ンは塩基性が高い。
2.ピペリジン vsピリジン
NHN
>
塩基性はピペリジン>ピリジン
HN
sp3N
sp2
ピペリジン窒素はsp3であるに対し、ピリジン窒素はsp2である。
s
psp3
s
p
sp2
一般的に、s軌道のほうがp軌道よりもエネルギーが低いため、s性の低いsp3軌道の方が、sp2軌道よりもエネルギーが高い。そのため、よりエネルギーの高いsp3窒素上の孤立電子対の方が高いエネルギーを持っており、結果反応性(=塩基性)が高くなる。
より高エネルギーより低エネルギー
以上より
NHN
>HN>
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問2 反応剤が酸性なのか塩基性なのかを意識して、反応機構を書くことは非常に重要である。
☆ 酸性条件の時の決まり
① 電子豊富な部位が酸に対して反応する矢印から書き始める
② ヒドロキシイオン(OH–)など酸性条件では存在し得ないイオンを書かない。
☆ 塩基性条件の時の決まり
① 求核剤が電子不足な部分に求核攻撃する矢印から書き始める。
② ヒドロニウムイオン(H3O+)など塩基性条件では存在し得ないイオンを書かない。
問2-1
O
Ph H
BH3 O
Ph H
H2B H O
Ph H
BH2
H
O
Ph
BOBn
OBn H O HHOH
H
OH
Ph
O
Ph H
HBH HH
Na+
O
Ph HH
Na+ H O H
H
OH
Ph HH
①ボランのカルボニルへの配位 ②ヒドリドの求核付加 繰り返し ③ホウ酸エステルの加水分解
①ヒドリドの求核付加 ②生じたアルコキシドを酸を加えて中和
問2-2 酸性:ソロモン p711参照、塩基性:ソロモン p712参照
教科書はカルボン酸までの加水分解を記載しているが、条件を調節してアミドで止めることは可能。
CO
NH2
O
NH2
N H O H
H
C N HOH
HCO
NH
H H
H O H
H
O
NH2
HOH
HOH
H酸性条件
C N OH CN
OH CNH
O
OH H
H OH
OH H
塩基性条件
①ニトリルへの酸の配位 ②ニトリリウムイオンへ水が付加 ③互変異性化に続く中和
①ニトリルへの水酸化物イオンの付加 ②プロトン化に続く互変異性化
問2-3:ソロモン p698参照
酸性条件O
OH
O
OEtH O H
HO
OH
H
HOEt
OOH
H
OH
Et
OO
H
OEt
HH
OH H
H O H
H OH H
H2O, H3O+
塩基性条件O
O H OEtO
Oカルボン酸の酸性プロトンをエトキシドアニオンが引き抜くため(中和するため)、カルボキシラートアニオンとなる。エステル化は進行しない。
①カルボニルへの酸の配位 ②エタノールの付加 ③プロトン移動と水の脱離
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問2-4 酸性:ソロモン p698の逆反応、塩基性:ソロモン p701参照
O
OEt
O
OEtH O H
HO
OEt
H OOEt
H
OH
H
OO
H
OH
HEt
OH H
H O H
H OH H
EtOH, H3O+O
H H
O
OEt–OH
O
OEtOHOEt
O
O H OEtO
O Na+
酸性条件
塩基性条件①カルボニルへの酸の配位 ②水の付加 ③プロトン移動とエタノールの脱離
①エステルへの水酸化物イオンの付加 ②エトキシドアニオンの脱離 ③中和
問2-5 酸によるハロゲン化:ソロモン p647参照 塩基によるハロゲン化;ソロモン p648参照
酸性条件O
CH3
OBr
O
C
OBr
H BrO
C
H
H
HH
OH H OH
Br BrH Br–
OBr
–OH
H
HH
OBr Br
塩基性条件①カルボニルへの酸の配位 ②エノールへの互変異性化 ③エノールの臭素への付加
①水酸化物イオンによるエノラート化 ②エノラートの臭素への付加 問2-6 酸触媒アルドール・・・ソロモン p656参照 アルドール反応(塩基性)・・・ソロモン p652, 653参照
CH3H
O CH3H
O
CH3H
OH O H
H
CH
OH
H
HH
OH H
H
OH
H
O OH
CH3
H O H
H
H
H HO
H H
H
OH OH
CH3
H O H
H
H
O
CH3
HO
H H
CH
O
H
HH
–OHH
O CH3H
O
H
O O
CH3
OH H
H
O OH
CH3H H
–OH
H
O OH
CH3 CH3H
O
酸性条件
塩基性条件①カルボニルへの酸の配位 ②エノールへの互変異性化 ③エノールのアルデヒド
への付加④再度のエノール化と水の脱離
①水酸化物イオンによるエノラート化 ②エノラートのアルデヒドへの付加 ③再度のエノラート化と水の脱離 問2-7 アミドの還元
O
Ph N
BH3 O
Ph N
H2B H O
Ph N
BH2
H
O
Ph N
HAlH HH
Li+
O
Ph NH
Li+
CH3
CH3
CH3
CH3
CH3
CH3
O
Ph N
B
H
CH3
CH3
H
H
Ph N
H
CH3
CH3H
O BH H2O
H3BO3
CH3
CH3 CH3
CH3
AlH3O
Ph NHCH3
CH3
AlH H
H
Ph N
H
CH3
CH3
O AlH
H
H
Ph N
H
CH3
CH3H
O AlH
H
H2OAl(OH)3
①ボランのカルボニルへの配位
①ヒドリドの求核付加
②ヒドリドの求核付加 ③イミニウムの生成④ヒドリドの求核付加
③イミニウムの生成 ④ヒドリドの求核付加②ルイス酸の配位
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問3 問3-1 アルドール反応(塩基性)・・・ソロモン p652, 653参照、問 2-6b)と同じ。 問3-2 アルドール環化・・・ソロモン p664参照。
CHO
O
CH3
–OHHH
O
CH3
O
H
O
OHH O H
O
OH
H–OH
O
OH
O
①水酸化物イオンによるエノラート化 ②エノラートのアルデヒドへの付加 ③再度のエノラート化と水の脱離 問3-3 ヨードホルム反応・・・ソロモン p649-650参照。
O
C
OI–OH
H
HH
OI I
H H –OH
OI I
H
IO
I
I H –OH
OI I
I
IO
I
I I–OH
HOI
I I
O
O CI
II
OH O
O
+ CI
IIH
①水酸化物イオンによるエノラート化 ②エノラートのヨウ素への付加 ③2度目のエノラート化とヨウ素への付加 ④3度目のエノラート化とヨウ素への付加
⑤ヒドロキシイオンの求核付加とヨードホルムアニオンの脱離 ⑥中和
問3-4 LDAを用いたエノラート化とアルデヒドへの付加・・・ソロモン 667ページ参照
O
CH
HH
NLi
O
O
H O O O OHH O H
①LDAによる不可逆的エノラート化 ②エノラートのアルデヒドへの付加
Li+
問3-5 LDAを用いたエノラート化とアルキル化・・・ソロモン 669ページ参照
O
CH
HH
NLi
O O
①LDAによる不可逆的エノラート化 ②エノラートのベンジルブロミドへの求核置換
Li+
Br
問3-6 ニトロアルドール反応(ヘンリー反応)・・・p662参照
C NO
O
H
HH
–OH
H2C NO
O
O
H
NO2
O
H O H
OH
H–OH
N+O
O- OHN+O-
O- NO2
①水酸化物イオンによる脱プロトン化 ②ニトロナートのアルデヒドへの付加③プロトン化と再度のニトロナート化 ④ヒドロキシイオンの脱離
問3-7 ニトリルのアニオンによるアルデヒドへの付加
CNHH
HNLi
CNH
HLi+
H
O
ONC
H2OOH
NC
①LDAによる不可逆的脱プロトン化 ②ニトリルのアニオンのアルデヒドへの付加
LDAによる反応は低温で行うことが多いため、脱水までは進行しないことが多い。
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問3-8 チオールの共役付加
SO3NaSH
H
O+
H
O
SSO3Na
HH
O
SSO3Na
①チオールの共役付加 ②プロトン移動
H
O
SSO3Na
H
チオールも非常に共役付加しやすい求核剤である。HSCH2CH2SO3Na はウロミテキサン(商品名メスナ)と呼ば
れるアクロレインの解毒薬である。
問3-9 アミンの共役付加・・・ソロモン p671参照。ちゃんとケト型で最終生成物を書くように。
O
Ph+H
NO
PhNH
O
PhNH
O
PhN
①アミンの共役付加 ②プロトン移動
問3-10 クプラート・・・1,4-付加優先。授業で配ったプリントを参照にすること。
Br Mg MgBr
①グリニャール試薬の調整
Cu I Cu
MgBr
Cu +MgBr
②トランスメタル化 ③銅への配位クプラート
Cu +MgBr
OO
CuIII
④クプラートの共役付加
O
CuPh
H O H
H
⑤3価銅の還元的脱離
O
問3-11 ただのグリニャール試薬・・・1,2-付加優先
Br Mg MgBr
①グリニャール試薬の調整 ②グリニャール試薬の1,2-付加
O
OHOH
HHO
問3-12:位置選択的なエノラート化とアルドール反応
O (LDA)H3C H Ph
ONLiH
OH3C
OH3C
O OH3C
OHH3O+
① LDAによる立体的に空いた側 のα位の脱プロトン化(不可逆的)
②エノラートのアルデヒドへの付加
OCH3
H(LDA)
NLi
XOLi
CH3
注:メチル側のα位は立体的に不利であるため脱プロトン化は進行しない
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問3-13 ロビンソン環化・・・ソロモン p672参照
OCH3
O
O
マイケル付加体
H
–OHO
CH3
O①β-ジケトンの脱プロトン化
O
CH3O
O
H O HO
CH3O
O
②β-ジケトンエノラートの共役付加
O
CH3O
OH
–OH O
CH3O
O
CH3O
O
O
H O H
CH3O
HO
OH
–OH
CH3O
HO
O
CH3O
O
③水酸化物イオンによる脱プロトン化 ④エノラートの分子内付加 ⑤エノラート化につづく水酸化物イオンの脱離
問3-14 塩化チオニル・・・ソロモン p694参照。アミド化は p705など。
OH
O
MeHN Me
Cl SO
ClOH
O SO
ClCl
OH
O SO
ClCl–
OH
O SO
ClClO
ClH
Cl–SO2
O
ClHCl
①カルボン酸のチオニルクロリドへの付加-脱離注:カルボニルの方が電子密度が高いので、そちらから攻撃させた方がよい。
②脱離した塩化物イオンの付加、並びに、二酸化硫黄、塩酸の脱離。 塩化アシル
O
Cl
OCl
NMe
MeH
O
NMe
MeH
Cl–HNMe2
O
NMe
Me
③塩化アシルへのジメチルアミンの付加-脱離
問3-15 DCC縮合・・・ソロモン p708参照。但し、授業中の説明の通り、最初は必ず DCCの Nがカルボ
ン酸の酸性プロトンを脱プロトン化するところから、書き始めるように。
O
O N C N
H O
O
N C N
H
HN
N
O
O
HN
N
O
O
H2N
N
O
H H
O
NHN
+ HN
OO
HN
HN+
①ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)によるカルボン酸の 脱プロトン化(双方の活性化)
②カルボキシラートアニオンのプロトン化された DCCへの付加 活性中間体
③活性中間体へのアミンの付加及び脱離目的物 ジシクロヘキシルウレア
(副生成物)
問3-16 クライゼン縮合・・・ソロモン p726参照。
O
EtO
O
EtOH
–OEt O
EtO
O
EtO
O OEtCH3
O
EtO
O
CH3H HEtO–
O
EtO
O
CH3
HCl O
EtO
O
CH3
①エトキシドアニオンによるエノラート化 ②酢酸エチルへのエノラートの付加 ③エトキシドアニオンによる活性メチレン引き抜きと、塩酸での中和
2014年度版 有機薬化学 III(Bクラス) 総合演習問題 解説 ページ
16
問3-17 βケトエステルのアルキル化・・・ソロモン p732-735参照。
HH
O O
OEtBrBr
–OEt
O O
OEtH
O O
OEtH
Br
–OEt
O O
OEt
Br
O O
OEt
O O
OEt–OH
O O
OEt
OH O
O
OH
EtO– O
O
O
O
O
O
Na+
Na+H Cl
O
O
OH
O
O
OH O H
H O H
H
HO H O
①エトキシドアニオンによるエノラート化 ②エノラートのアルキル化
③再度のエノラート化とアルキル化
④塩基性条件下でのエステル加水分解
⑤カルボキシラートアニオンのプロトン化 ⑥脱炭酸(逆アルドール)⑦エノールの互変異性化
問3-18 ジチオアセタール・・・p745参照。チオアセタールの加水分解は、アセタール加水分解(p623-624)
の類似反応である。HgCl2がプロトンの役割を担っていると考えればよい。
S S
H H
S S Br Ph S S
Ph
S S
Ph
Hg ClCl
S S
Ph
HgCl S S
Ph
HgCl
OH
H
S S HgCl
OHPhCl–
S O
Ph
HgS
H Cl– PhO
H
①ジチアンの脱プロトン化 ②アルキル化
③ジチアン硫黄の水銀(II)への配位 ④チオニウムカチオンの生成と水の付加 ④2度目の水銀の配位とアルデヒドの生成
問3-19 前半は Mannich反応(p748)、中盤はアミン-N-オキシドへの酸化(p.782)、後半は Cope脱離(p.802)
H H
O H Cl
HNCH3
CH3 H H
OHNH3CCH3H
H H
OHNH3CCH3
H Cl脱プロトン化
H H
N CH3H3C
イミニウムカチオン
OH Cl
O H
H
HNCH3
CH3O H
H H
N CH3H3C(CH3)2NH
O
NCH3
CH3
O H O
N CH3
CH3
HO+
O
N CH3
CH3
OO H
O
Cl
O
N CH3
CH3
O
N-oxide体
NO
CH3CH3
①ホルムアミドとジメチルアミンの脱水縮合によるイミニウムカチオンの生成
②シクロヘキサノンのエノールへの互変異性化 ③エノールのイミニウムへの付加
④ mCPBAによるN-オキシド体への酸化
⑤ アミンオキシドのSyn脱離(Cope脱離)
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問3-20 エナミン法・・・p750参照
O NH
O
O N
O
HHO N
O
N
O
H
–OH N
O
H2O
エナミン
N
O
Ph
O
Cl N
O
O
PhCl
N
O
O
Ph
HOH N
O
O
PhO
H
H N
O
O
PhO HH
R2NHO
Ph
ONH
O
①ケトンへの付加および脱水によるエナミンの生成
②塩化アシルへのエナミンの求核付加 ③生じたイミニウムの加水分解
問3-21 Knoevenagel反応・・・p746参照。
EtO
O O
OEt
O
HNH
H HEtO
O O
OEt
OH
OEtO
EtONH
NHH
HO OH
OEtO
EtO
OEtO2C
EtO2C
①エノラートの生成 ②アルデヒドへの付加 ③脱水
問3-22 還元的アミノ化・・・p776-777参照。
O
+ Me NHMe
HO
H O
O
CH3N
H3CCH3 H O
O
CH3NH3C CH3 H B
HCN
H
Na+NH3C CH3
①酢酸触媒によるイミニウム塩の生成 ②イミニウムの還元
問3-23 アジド化とアジドの還元・・・p774参照
Ph BrN N N Na+
Ph N N N
H AlH
HH
Ph N N NPh N N N
Li+
Ph N N N H H O HPh N
HN N H
–OHPh NH Ph NH2
H O H
①SN2によるアジド化
②アジドに対するヒドリドの付加 ③窒素の脱離–N2
問3-24 ガブリエル合成法・・・p774参照
N
O
OPh
H2N NH2N
O
OPh
N NH2
H H
N
O
Ph
ONNH2
HH
HN
O
Ph
O HN N
O
O
NHNH
HNPh
O
NHNH
O
H2N Ph
H+
H
H
NR3
②ヒドラジンのフタルイミドへの求核付加 ②分子内求核付加とフタラジンの脱離 によるベンジルアミンの生成
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問3-25 Hoffmann転位・・・p780参照
Ph
O
N H
H
–OHPh
O
NH
Br Br
Ph
O
N Br
H
–OHPh
O
N Br–Br–
O C N Ph
イソシアネート
OCNPh
–OH O CNPh
OH O CNHPh
O
H O H
NH2Ph–CO2
①アミドの脱プロトン化とブロモ化 ②アミドの脱プロトン化と転位
③ヒドロキシイオンの付加と脱炭酸
問3-26 Curtius 転位・・・p781 参照。ちなみに、POCl3による酸クロリドの合成は化学系応用実習書に載
っています。最後はイソシアネートを EtOHで処理するとカルバマート(ソロモン p715参照)になります。
Ph
O
OH
Cl PO
ClCl
Ph
O
OH
PClCl
O Cl
Ph
O
OH
PClCl
OCl–
Ph
O
OH
PClCl
O
ClPh
O
O
PClCl
O
ClH Ph O
Cl
Ph
O
Cl
N N N Na+
Ph
O
Cl
N N N
Ph
O
N N N
Ph
O
N N NPh
O
N N N–Br–
O C N Ph
イソシアネート
!
OCNPh
HOEtNPhO
OH
EtHNPhO
OEt
カルバマート
①オキシ塩化リンによる塩化アシルの生成
②アジドアニオンの付加脱離による酸アジドの生成
③クルティウス転位によるイソシアネート生成
④エタノールのイソシアネートへの付加
プロトン移動
問3-27 Sandmeyer反応・・・p787参照。ジアゾニウム塩を出すところは p784参照。なお、Sandmeyer反
応の詳細なメカニズムは教えていませんので、あくまでも参考です。
NH2
NaNO2HCl
HO NO HCl
H2O NO
N Oニトロシルカチオン
①ニトロシルカチオンの生成
N ONN O
H H NN O
H
HNN O
H
HNN O
H
H
プロトン移動
プロトン移動 N N Cl–
ジアゾニウムカチオン②アニリンのニトロソ化につづくジアゾニウムカチオンの生成
N N Cl–CuCN
C N③Sandmeyer反応
N N Cl–
参考:提唱されているSandmeyer反応のメカニズム(テスト範囲外)
CuI CN
1電子移動
N N
CuIICl(CN)
+
N2
フェニルラジカル
CuIICl
CN CN
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問3-28 ジアゾカップリング・・・p791参照
①ニトロシルカチオンの生成N N Cl–
ジアゾニウムカチオン
②アニリンのニトロソ化につづくジアゾニウムカチオンの生成ここまでは、問3-28と同じ
O–OHH
O
NN
H O HNN
–OHNaO N
N
③フェノキシドイオンの発生とジアゾニウムカチオンへの付加 問3-29 N-ニトロソ化・・・p785参照
NaNO2HCl
HO NO HCl
H2O NO
N Oニトロシルカチオン
①ニトロシルカチオンの生成
NHN O
NN O
H3CH N
N O
CH3CH3
H2O
③N-ニトロソ化 問3-30 C-ニトロソ化・・・p786参照
NaNO2HCl
HO NO HCl
H2O NO
N Oニトロシルカチオン
①ニトロシルカチオンの生成
NN O
H3C③C-ニトロソ化
H3CH N
H3C
H3C
HNO
H2O NH3C
H3CNO
問3-31:Claisen転位
O–OHH
OBr
O
O200 °C
O
H
OH
ケト-エノール互変異性化
①フェノキシドアニオンの生成とアリル化
②クライゼン転位 問3-32:SNArによる芳香族求核置換反応
Cl–OH
O2N ClN OHO
O ClN OHO
OOHN
O
O
–OHONaN
O
O①ヒドロキシイオンの付加による共鳴安定化されたアニオンの生成 ②クロリドイオンの脱離
問3-33:ベンザインの生成とカリウムアミドの付加
14C BrNH2
H
14C
ベンザイン
14CNH2
14CNH2
14C
14C
NH2
NH2
H NH2
H NH2
14C
14CH
NH2
NH2
H
①カリウムアミドによるベンザインの発生②ベンザインへのカリウムアミドの付加
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問4 問4-1
反応剤は4つ。n-BuLi、ジイソプロピルアミン、酢酸エチル、アセトアルデヒドである。
正解手順:
① LDAの調整:まずは、フラスコの中にジイソプロピルアミンを入れ、n-BuLiを加えて、LDAを調整する。
②エノラートの調整:次に、LDAの溶液の中に酢酸エチルを加えてエノラートを調整する。
③アルデヒドの滴下:最後に、アセトアルデヒドをエノラートの溶液に加え、アルドール反応を進行させる。
n-BuLi
NH
NLiLDA
NH
H3C
O
OEt
H2C
OLi
OEt
H
O
CH3
NH
O
OEt
OLi
H3C
① ② ③
問4-1の続き)加える順番を間違えた場合に起こりうる副反応:
A. 十分に LDAを調整せずに n-BuLiを加えてしまった場合・・・n-BuLiのアルデヒドへの付加など。
例えば、ジイソプロピルアミン、酢酸エチル、アセトアルデヒドの混合物の中に最後に n-BuLiを加える
n-BuLi
NH
①
H3C
O
OEt H
O
CH3 H
O
CH3
アルデヒドの反応性が高いので、先にアルデヒドとブチルリチウムが反応してしまうかもしれない。
n-BuLi+n-Bu
OH
CH3 etc.
B. 酢酸エチルの中に LDAを加えた場合・・・酢酸エチルの自己クライゼン縮合などが起きるかもしれない
NLiLDA
H3C
O
OEt
LDAを少しだけ加えた後のフラスコの様子
H3C
O
OEtH2C
OLi
OEt
エノラートと酢酸エチルが同時に存在する
直ちに反応してしまい
O
OEt
自己クライゼン縮合体が生成してしまう
OLi
H3C
ここにアルデヒドを加えてしまうと
O
OEt
O
H3C
CH3
Knoevenagel型の縮合が進行するかもしれない
CH3H
O
C. アルデヒドと酢酸エチルを加える順番を逆にした場合・・・アセトアルデヒドのエノラートが酢酸エチル
に付加するかもしれない。
H3C
O
H
NLiLDA
NH
OLi
H
H3C
O
OEt
NH
O
HH3C
O
アセトアルデヒドエノラートの酢酸エチルへの付加
アセトアルデヒドのエノラート生成
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問4-2:アミンのアルキル化
BrNH3 NH2
(大過剰量)
正解手順:大過剰量のアンモニアの中に、少しずつベンジルブロミドを加えていく。
NH3
Br
NH3 NH3NH3NH3
NH3 NH3NH3NH3
大過剰量アンモニア
NH3
H2N
NH3 NH3NH3NH3NH4Br
NH3
NH3
アンモニアの方がたくさんあるので、アンモニアと反応する可能性が高い
Br
NH4Br
H2N
NH3 NH3NH3NH3
NH3
NH4Br H2N
ベンジルアミンが生成しやすい
まずい手順:ベンジルブロミドの中に、大過剰のアンモニアを加えていく。
Br
Br
ベンジルブロミド
NH3
NH3Br
Br
NH3
NH2
Br
NH4BrNH2Br
NH4Br
ちょっとアンモニアが入るとベンジル化される
次いでアンモニアが入ると、中和が起こり、生じたベンジルアミンが直ちにベンジルブロミドと反応してしまう。