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©2016, Digital Business Innovation Center , All Rights Reserved
イノベーションの機会発掘とシステムケーパビリティ~新たなアイディアがビジネスとして実装されるまで~
特定非営利活動法人CeFIL
デジタルビジネス・イノベーションセンター (DBIC)
副代表 兼 チーフディレクター 小西 一有(東京理科大学 客員教授 / 九州工業大学 客員教授)
第10回要求シンポジウム(2017年3月10日)
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Who are we?法人名: 特定非営利活動法人CeFIL(セフィル)
設立日: 2009年1月場 所: 東京都港区虎ノ門2-10-8 虎ノ門15森ビル2階目 的:
デジタル化により社会・事業環境が激変する時代を踏まえ、ICTを利活用し、社会・産業システムを変革していく人材を育成し、日本の成長戦略の推進に貢献します。
ミッション:(1)国の成長戦略や人材育成方針、経団連の提言に協力し、下記を具現化・推進する
活動に取り組みます。デジタル化時代にふさわしい人材育成の仕組みや研修・教育カリキュラムの調査研究、これに基づいた人材育成支援活動 経営、組織改革を担う経営層/経営企画人材 ICT利活用社会を牽引する人材 ICT利活用社会を支える人材
(2)デジタルビジネスに関する最新の事例・動向調査と情報発信
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Who are we?
部署名: デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)設 立 : 2016年5月20日
趣 旨 :日本において、組織がデジタル技術を駆使して、ビジネスにイノ
ベーションを起こし、グローバルな競争力をつけることを実現する。特に、エコシステム、オープンイノベーションの考え方に基づいて推進する。
本趣旨に賛同する有志企業が集まり、日本企業がイノベーションを起こし続けることができる場と仕組みを構築し運営する。
グローバルの最新情報と有志企業のイノベーションにかける熱意を受けて、常に進化し続けるセンターとする。
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デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)
虎ノ門OG
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デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)
虎ノ門OG
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デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)
虎ノ門OG
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デジタルビジネス・イノベーションセンター(DBIC)
虎ノ門OG
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本日のテーマ
イノベーションの機会発掘とシステムケーパビリティ~新たなアイディアがビジネスとして実装されるまで~
2010年以降、経営者は、企業の持続的成長を実現させるため、
イノベーションに期待を寄せています。イノベーションにおけるシステムの役割は、新たなビジネスを「探索するプロセス」と、「実装(深化)するプロセス」とでは要求される思考や行動様式が全く異なります。これらの違いを理解するために「イノベーション」、及び「プロセス」の定義にまで遡り理解し、システムケーパビリティを確実に育成しなければなりません。
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【本日のAgenda】
◎ イノベーションとは何か?
◎ イノベーションプロセスとは何か?
◎ プロセス毎のシステムケーパビリティの相違とは何か?
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【本日のAgenda】
◎ イノベーションとは何か?
◎ イノベーションプロセスとは何か?
◎ プロセス毎のシステムケーパビリティの相違とは何か?
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イノベーションとは何か?
具現化&実装
アイディア
ビジネス価値
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イノベーションとは何か?
顧客中心であるべき
破壊的であるべき経営改革は?
製品・サービスは?
業務改善は?
×
×
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イノベーションの定義
イノベーションは、シュンペーターの理論の中心概
念である。ちなみに、シュンペーターは、初期の著
書『経済発展の理論』ではイノベーションではなく
「新結合(neue Kombination)」 という言葉を使っ
ている。これは、クレイトン・クリステンセンによる
「一見、関係なさそうな事柄を結びつける思考」とい
うイノベーションの定義と符合する。
ヨーゼフ・シュンペーター (1883年 - 1950年)
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イノベーションの定義
◎ 新結合とは、何と何の新結合か?
◎ 『蒸気機関』 と 『乗合馬車』 = 蒸気機関車
◎ 『寿司屋』 と 『提案営業』 = 回転寿司
◎ 『自動車生産』 と 『スーパーマーケット』 = トヨタ生産方式
イノベーションとは、「知」と「知」の新結合
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昔は「新結合」に時間が掛かった
ジェームズ・ワット(1769年) ジョージ・スティーブンソン(1825年)
56年
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『デジタル・テクノロジ』は、速い!
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【本日のAgenda】
◎ イノベーションとは何か?
◎ イノベーションプロセスとは何か?
◎ プロセス毎のシステムケーパビリティの相違とは何か?
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イノベーション・プロセス
調査・研究 開発 事業化
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イノベーション・プロセス調査・研究 開発 事業化
既存のマーケット
企業の(知識)境界線
出典:OPEN INNOVATION―ハーバード流イノベーション戦略のすべて (Harvard business school press):H.チェスブロウ
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「知」を得る領域の広さが重要
調査・研究 開発 事業化
既存のマーケット
最初から自社の製品・サービス以外は興味が無い状態
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イノベーションへの試練【DBICのイベントに参加した大企業社員の感想】
◎ 「とにかく行ってこい」と言われたので、参加した。参加動機は、特に無い。
◎ 現業が忙しくて、イノベーション(新しいことを考えること)どころではない。
◎ 当社は、○○○を販売しているが、今日は○○○の話題では無く興味を持てなかった。
◎ イノベーションを興すための稟議をあげようとすると、「出来るわけ無い」と却下される。
◎ 現業が破壊されるようなアイディアは、絶対に認められない。
◎ 他社とは、NDAを締結しない限り、如何なるビジネスの話も出来ない (と指示されている) 。
◎ 今回は、同業他社の発表だったので、絶対に聞きに来なければと思った。
◎ 同業他社の聴講は、排除して欲しい。
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両手利きの経営とは?Ambidexterity of Organization Management
知の探索
知の深化
深化だけでなく、探索方向にも『組織として』対応すべきである
Mode-2
Mode-1
◎ 武士秩序の外側◎ 意外な方法論◎ 割と破壊的
例えるなら忍者
例えるなら武士
◎ 武士秩序の維持◎ 伝統的で形式的◎ 堅物で保守的
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イノベーション・プロセス調査・研究 開発 事業化
既存のマーケット
「知の探索」 ExploreMode-2
「知の深化」 ExploiteMode-1
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日本企業は「深化」のみに注力している
調査・研究 開発 事業化
既存のマーケット
「知の深化」 ExploiteMode-1
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コンピテンシートラップ
知の探索
知の深化
探索活動は結果が出にくいし、わかりにくいしかも、元来、企業活動は深化を得意としてきた。
Mode-2
Mode-1
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「深化」のみに注力してしまう理由
◎ 「探索」と「深化」の仕事の仕方をマネジメントが理解していない
⇒ 明快な探索業務の遂行を指示できない
⇒ 探索業務の目標設定が出来ない
◎ 「探索」って言っても、ビジネスにつながらなければね・・・
⇒ 「調査・研究」は、成果を評価しづらい(遊んでいると思ってしまう)
⇒ ついつい3年後の売上げ目標を課してしまう
◎ 「探索業務」を遂行できる人員がいない
⇒ 現業が忙しすぎて、他のことに構っていられない
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「探索」活動の正しい理解
◎ 「探索」とは、イノベーションを生み出すことを目的にしている
⇒ 「探索」した結果として「知」と「知」の新結合を試行する
⇒ ビジネスのプロトタイピングを実施し、評価・修正を繰り返す
◎ 「探索」活動に対する評価指標を持つ
⇒ 「知」と「知」の新結合 を 年間○○個作る(成功しなくても良い)
⇒ プロタイピングを3年間で○○個作り、○○回の修正をする。
◎ 「探索」活動専門人員が必要
⇒ 「現業が忙しすぎて・・・」という言い訳をさせない
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◎ イノベーションとは何か?
◎ イノベーションプロセスとは何か?
◎ プロセス毎のシステムケーパビリティの相違とは何か?
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「探索」モード: 実証的で、プロセス・ベース◎ 探索に則した原則を厳守し、新たな現実 (過去のプロジェクトの教訓、現場からの
フィードバック) を常に参照しながら、反復的なプロセス・ベースのアプローチをとる。感知して即応するセンス・アンド・レスポンド能力が極めて重要
◎ 目的: ピボット (方向性を素早く180度転換) し、前進しながら状況に適応できるようにする
「深化」モード: 計画駆動で、承認ベース◎ IT運営委員会によるトップダウンの意思決定◎ 目的: プロジェクトの順次実行に注力しながら厳しくコントロールし、信頼性、一体感、
一貫性を実現する◎ 主な参照先は当初計画
「探索」と「深化」のガバナンスの相違
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「探索」と「深化」の関係構築の相違
IT部門
マーケティング部門
顧客
製品開発
研究・開発 LOB
「探索」では、クラスタ化が基本
IT部門 ビジネス部門 顧客
「深化」では、リニアが普通
(シーケンシャル)
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ITジェネレーションの推移
『職人的 IT 時代』
☑ テクノロジに注力
プログラミング/システム管理
◎ 散発的な自動化とイノベーション
◎ 場当たり的な問題対処
『 IT 近代化 時代』
☑ プロセスに注力
◎ サービス&ソリューション◎ 効率性と有効性
ITマネジメントサービス・マネジメント
『 デジタル 時代』
☑ ビジネスモデルに注力
◎ デジタルビジネス・イノベーション
◎ ビジネスの新しい価値
デジタル・リーダーシップ
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『 IT 近代化 時代』
☑ プロセスに注力
◎ サービス&ソリューション◎ 効率性と有効性
ITマネジメント
サービス・マネジメント
安全性と正確性を重視した「深化」型アプローチ
目標 信頼性
価値 パフォーマンス対価
アプローチウォーターフォール、
Vモデル、「儀式度が高いIID」
ガバナンス計画駆動、承認ベース
ソーシング 企業サプライヤー、長期取引
有能な人材従来型のプロセスとプロジェクトに最適
文化IT中心、
顧客との接点なし
サイクルタイム 長い (月単位)
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『 デジタル 時代』
☑ ビジネスモデルに注力
◎ デジタルビジネス・イノベーション
◎ ビジネスの新しい価値
デジタル・リーダーシップ
目標 信頼性
価値売上げ、ブランド、顧客経験価値
アプローチアジャイル、カンバン、「儀式度が低いIID」
ガバナンス実証的、継続的、プロセス・ベース
ソーシング小規模新規ベンダー、
短期取引
有能な人材新規の不確実なプロジェクトに最適
文化ビジネス中心、
顧客との距離が近い
サイクルタイム 短い (日/週単位)
俊敏性とスピードを重視した探求的なアプローチ
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「探索」モードと「深化」モードの相違に着目
◎ 深化モード(従来)のIT部門のケーパビリティと全てが違う
◎ 深化モードの優秀者が探索モードでも優秀だとは限らない
◎ 探索モードのIT部門の為の専門のキャリアパスが必要
◎ 「探索」「深化」の両ITを正しくマネジメントする仕組み(機構)が必要
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「探索」モードのチームを保護すべき
CIO
深化モード開発
探索モード開発
インフラ&運用
Enterprise
Architecture
深化モード
(Dev Ops自動化)
CEO
CIO CDO
深化モード開発
インフラ&運用
探索モード開発
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