第30回日本環境感染学会総会・学術学会で ポス...

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病院だよりは鳥取市立病院ホームページにも掲載しています。 http://hospital.tottori.tottori.jp/ №174 20153月号 念> 1.信頼される病院 2.心温まる病院 3.楽しく働ける病院 ・地域における医療福祉の向上につとめ、地域住民のいのちと健康を守る。 ・地域の中核的病院として、地域の医療機関と連携・協調を図る。 ・二次医療を中心に頻度の高い三次医療まで担当する。 ・医療需要の増大と、多様化に対応できる病院づくりを目指す。 <基本方針> 〒680-8501 鳥取市的場1丁目1番地 鳥取市立病院 Tel 0857-37-1522 一般演題「人材育成」のカテ ゴリーで、『院内感染防止対策 認定スタッフ(院内ICS)制度と 今後の課題~自ら学ぶ心を刺激 して役割意識を育てる~』と題 して、院内 I C S 制度発足の経緯 と成果、そして課題について報 告しました。全国的には、少数のスペシャリストを育 成する病院が多い中、標準予防策を実践できるICSを 過去3年間で100人育成した当院の取り組みは非常に 斬新であると、聴講者からいくつか質問を受けるなど 大きな反響がありました。 私の夢は、すべての患者さまに対して正しく、そし て当たり前に感染防止対策を実践できる職員でいっぱ いにすることなのです。感染防止対策に自ら興味を もって、院内ICSを目指して試験に挑む職員に対して、 その熱意を維持するために、私自身が縁の下の力持ち としての役割を果たしたいと学会発表を終えて改めて 決意しました。 第30回日本環境感染学会 総会・学術学会で ポスター発表しました。 日本環境感染学会 とは 医療関連感染及び環境感染に関する研究の進歩・発展・普及、会員相互の連絡と 親睦ならびに国際的交流を図り、感染制御の質と安全を向上させることで、国民 の健康増進に寄与することを目的に設立された、日本における感染症、特に医療 現場などの環境における感染制御に関わる大規模かつ中心的な学術機関です。 「血液培養検査」をご存知で すか?敗血症という感染症の診 断・治療にとても有用な検査の 一つです。病気を引き起こす細 菌を見つけ出し、どんな薬が効 くのかを調べるものですが、こ の検査の際に、もともと患者さ まの皮膚に存在する常在菌が検査結果に影響すること があり、これをコンタミネーションといいます。 消毒方法、採血部位、採血手技などコンタミネー ションには複数の要因が考えらますが、その影響を最 小限に減らすことを目的に、感染防止対策チームが主 体となって、コンタミネーション事例の追跡調査に取 り組んできました。その結果コンタミネーション率が 半減し、有意な結果が得られましたので、本学会で報 告しました。 発表の際には参加者から病院全体としての取り組み を高く評価され、当院職員の向上心による結果である と改めて実感し、今後の励みになりました。 これからも安心安全で質の高い医療を提供するため に、チーム活動を続けていきます。 臨床検査技師 小林 香織 医療安全対策室 岩田 知子

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Page 1: 第30回日本環境感染学会総会・学術学会で ポス …第30回日本環境感染学会総会・学術学会で ポスター発表しました。 日本環境感染学会とは

病院だよりは鳥取市立病院ホームページにも掲載しています。http://hospital.tottori.tottori.jp/

№174 2015年3月号

<理 念>

1.信頼される病院

2.心温まる病院

3.楽しく働ける病院

・地域における医療福祉の向上につとめ、地域住民のいのちと健康を守る。・地域の中核的病院として、地域の医療機関と連携・協調を図る。・二次医療を中心に頻度の高い三次医療まで担当する。・医療需要の増大と、多様化に対応できる病院づくりを目指す。

<基本方針>

〒680-8501 鳥取市的場1丁目1番地鳥取市立病院Tel 0857-37-1522

一般演題「人材育成」のカテゴリーで、『院内感染防止対策認定スタッフ(院内ICS)制度と今後の課題~自ら学ぶ心を刺激して役割意識を育てる~』と題して、院内ICS制度発足の経緯と成果、そして課題について報告しました。全国的には、少数のスペシャリストを育成する病院が多い中、標準予防策を実践できるICSを過去3年間で100人育成した当院の取り組みは非常に斬新であると、聴講者からいくつか質問を受けるなど大きな反響がありました。私の夢は、すべての患者さまに対して正しく、そし

て当たり前に感染防止対策を実践できる職員でいっぱいにすることなのです。感染防止対策に自ら興味をもって、院内ICSを目指して試験に挑む職員に対して、その熱意を維持するために、私自身が縁の下の力持ちとしての役割を果たしたいと学会発表を終えて改めて決意しました。

第30回日本環境感染学会 総会・学術学会でポスター発表しました。

日本環境感染学会 とは医療関連感染及び環境感染に関する研究の進歩・発展・普及、会員相互の連絡と親睦ならびに国際的交流を図り、感染制御の質と安全を向上させることで、国民の健康増進に寄与することを目的に設立された、日本における感染症、特に医療現場などの環境における感染制御に関わる大規模かつ中心的な学術機関です。

「血液培養検査」をご存知ですか?敗血症という感染症の診断・治療にとても有用な検査の一つです。病気を引き起こす細菌を見つけ出し、どんな薬が効くのかを調べるものですが、この検査の際に、もともと患者さまの皮膚に存在する常在菌が検査結果に影響することがあり、これをコンタミネーションといいます。消毒方法、採血部位、採血手技などコンタミネー

ションには複数の要因が考えらますが、その影響を最小限に減らすことを目的に、感染防止対策チームが主体となって、コンタミネーション事例の追跡調査に取り組んできました。その結果コンタミネーション率が半減し、有意な結果が得られましたので、本学会で報告しました。発表の際には参加者から病院全体としての取り組み

を高く評価され、当院職員の向上心による結果であると改めて実感し、今後の励みになりました。これからも安心安全で質の高い医療を提供するため

に、チーム活動を続けていきます。

臨床検査技師 小林香織 医療安全対策室 岩田知子

Page 2: 第30回日本環境感染学会総会・学術学会で ポス …第30回日本環境感染学会総会・学術学会で ポスター発表しました。 日本環境感染学会とは

市立病院だよりNO.174

予約ありの患者さまは、50%以上は30分以内に診察室にご案内させていただけているという結果でした。しかし、予約をしていても1時間以上待った方が22.3%となっており、前年度と比べると2.6%増加しました。診察の状況によりどうしても待ち時間が発生してしまう場合がございますが、説明するなど工夫してまいります。

概ね70%以上が満足という結果でしたが、駐車場の利便性については、年々満足度が下がってきています。中でも「駐車場の空きが無い」とコメントされた方が多くみられました。昨年から、病院利用者以外の方の駐車や、長期間駐車している車を確認、退去していただき、来院された方がスムーズに駐車していただけるよう努めています。

接遇面の満足度は、「看護師の言葉遣い・態度」が91.2%で最も高く、次いで「医師の言葉遣い・態度」が89.9%となりました。その他のほとんどの項目で80%以上が満足という結果になりましたが、プライバシーの配慮は79.2%でした。

診療サービス面は、医師・看護師の説明が80%以上でした。一方「支払い待ち時間」は50.2%、「診察待ち時間」は37.2%という低い結果になりました。待ち時間短縮のための更なる対策の検討が必要と考えております。

施設面満足度

接遇面満足度

診療サービス満足度

診察待ち時間調査

平成26年10月27日~31日の1週間、外来に来られた患者さまに対してアンケートを行いました。お忙しい中ご回答いただきありがとうございました。

配布数 1,453有効回答数 1,269有効回答率 87.3%

外来アンケートご協力ありがとうございました

4.9

11.7

7.4

21.1

25.2

23.6

16.9

32.3

54.9

43.2

62.1

58.9

56.3

60.4

35.9

28.6

37.8

15.3

13.1

16.5

21.8

27.0

11.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

診察待ち時間

診察時間

支払い待ち時間

看護師の説明

医師の病状・検査説明

医師へ相談しやすさ

薬剤師の説明

10分

以内

18.1

4.5

11~

20分

14.0

9.1

21~

30分

21.2

26.6

31~

40分

6.9

10.4

41~

50分

4.1

3.2

51~

60分

13.5

13.6

61~

80分

4.2

4.5

81~

100分

8.3

13.6

101~

120分

5.5

4.5

120

分超

4.3

9.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

<凡例>

予約あり

予約なし

18.8

25.0

17.9

16.4

13.7

16.1

14.3

13.5

20.5

53.9

55.7

66.0

64.4

57.7

59.6

59.1

57.3

64.8

19.5

14.5

15.2

18.0

24.9

18.5

23.7

24.6

12.9

7.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

交通の便利さ

駐車場の広さ・入りやすさ建物の外観やつくり

総合待合室設備・雰囲気各科待合室設備・雰囲気

トイレ・洗面所設備

売店・食道・自動販売機案内看板の表示

清潔感

非常に満足 満足 どちらでもない 不満

23.4

24.0

31.3

33.9

22.7

23.8

20.8

63.9

64.3

59.9

56.0

61.6

63.0

58.4

11.1

10.0

7.4

8.6

15.2

12.5

19.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

総合案内・会計

各科診療受付

看護師言葉遣い・態度

医師言葉遣い・態度

薬剤師言葉遣い・態度

技師言葉遣い・態度

プライバシーの配慮

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市立病院だよりNO.174

看護部1年間の総まとめ 研修会・研究発表会

鳥取市立病院看護部では「患者さまの尊厳を守る看護の提供」を基本理念に、専門職業人として、生命の尊厳と権利を守り、質の高い看護サービスを提供できる看護師職の育成を目指しています。2月、3月は1年かけた研修のまとめを発表する時期です。今回は、看護研究Ⅱ、固定チームリーダー研修成果発表会、プリセプター研修を紹介します。

看護研究Ⅱ看護研究Ⅱ研修では臨床で感じた疑問をテーマに取り組

み、研究成果を論文にまとめ発表を行います。今年は6階東病棟「終末期がん患者の在宅療養移行の実現に向けた実態調査」、救急外来「便秘症患者に対する効果的な大腸内視鏡における前処置の検討」など全6題が発表され、各部署の特殊性を生かしたテーマの研究で、日々の看護実践につながる内容でした。この研究結果から看護の質のさらな

発表スライドを廊下に貼り出しました

2月6日(金)

る向上を目指し、より良い看護に活かしていきたいと考えます。

固定チームリーダー研修成果発表会各部署、各看護チームでは、年度当初に1年間の目標を

設定し、リーダーを中心に具体策を立て、日々の看護実践を行っています。1年間の成果を発表する会を開催し、各部署のリーダー、サブリーダー、スタッフ等約90名が参加しました。この発表会では、1年を通して自分達がどのような学習

を行い成長したのか、看護業務として何を行ったのか、

その結果、患者さまご家族にどのようなサービスを提供できたのかを振り返り、事例を挙げて発表しました。入院中の安全の質の確保、退院を見据えた多職種連携、地域連携、セルフケア支援など、各部署がチームの重点目標に向かって実践した結果、高い成果が得られました。他部署の発表を聞くことにより今後の参考となり、実り多い研修となりました。

リーダー研修発表中の様子

2月23日(月)

プリセプター研修今年度第3回プリセプター研修会は、プリセプターとし

て4月から約1年間にわたって新採用者看護師の指導者としての自分の成長を振り返り、来年度への抱負を宣言する形で行いました。各部署のプリセプターとプリセプターをフォローした主査が参加しました。「新人個々に合わせてスケジュール調整を行うことが大

切」「プリセプティから学ぶことも多かった」「部署のみ

んなのフォローがあったからここまで頑張れた」「ポジティブフィードバックが大切」等の発表がありました。また各部署の新人教育スケジュールの見直しを行い、次年度のプリセプターへ引き継ぐ準備も行いました。プリセプターには、研修終了の感謝状を看護部より授与し、プリセプティからのメッセージカードが贈られ心に残る研修会となりました。

良かったことや、反省点を発表中

2月20日(金)