第427回 定例研究報告会 ieejアウトルック 2018 ·...

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IEEJアウトルック 2018 IEEJ © 2017 427定例研究報告会 IEEJ アウトルック 2018 2050年に向けた展望と課題20171012, 東京 日本エネルギー経済研究所 エネルギー・環境・経済 IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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第427回 定例研究報告会

IEEJアウトルック 2018 —2050年に向けた展望と課題—

2017年10月12日, 東京

日本エネルギー経済研究所

エネルギー・環境・経済

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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足元の世界エネルギー市場を俯瞰する

2

・世界のエネルギー市場をアジアがけん引する構造は変わらない。4割のシェアを占める米中の動向にも注目。

・石油、ガス需要が伸びている中で、石炭需要が2年連続で減少(米中の寄与大)。中国は3年連続減(2016年、BP統計)。

・2000年代のピークオイル論(供給ピーク)は、需要ピーク論へと変化。相次いでガソリン・軽油車禁止の動き。

・CO2排出は2015年に減少したが、2016年は再び増加。米中が2年連続減少するも、インド、ASEANで大きく増大。

・パリ協定は2020年までに「長期低排出発展戦略」の提出を要請。本アウトルックの推計期間も2050年までに延長。

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本アウトルックのシナリオ

3

【エネルギー需給モデル分析】 ●レファレンスシナリオ現在までのエネルギー・環境政策等を背景とし、過去の趨勢が継続するシナリオ。急進的な省エネルギー・低炭素化政策は打ち出されない。

●技術進展シナリオ各国がエネルギー安定供給の確保や気候変動対策の強化のため、強力なエネルギー・環境政策を打ち出し、それが最大限奏功するシナリオ。

●石油需要ピークケース石油需要ピークの可能性を分析するために、レファレンスシナリオをベースに、仮想的に自動車の電動化が急速に進んだ場合のケース。

レファレンス 技術進展 石油需要 ピーク

省エネ

自動車技術 (ZEV*1販売比率)

2030年 9% 2050年 20%

21% 43%

30% 100%

石炭火力発電 (新設に占める高効率発電技術*2比率)

2030年 30% 2050年 90%

70% 100%

レファレンスと同じ

非化石電源

設備導入量 太陽光発電 風力発電 原子力発電

(2015→2050) 224→1519GW 415→1865GW 399→577GW

(2050) 2497GW 3002GW 956GW

CCS付き火力発電 (帯水層を除くCO2貯留ポテンシャルのある国・地域のみ)

なし 2030年以降の新設火力

*1 ZEV: 電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車*2 高効率発電: 超々臨界圧発電、先進的超々臨界圧発電、石炭ガス化複合発電

❖技術導入例

【超長期気候モデル分析】 ●レファレンス:過去の趨勢が継続する排出パス。●最小費用パス:累積総合コストが最小となる排出パス。●2050年半減 :IPCC第5次評価報告書で整理されている「RCP2.6」における排出パス。

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2050年までのエネルギー見通し

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50

100

150

200

250

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

Y2015=100-250 250 750

中国

インド

アセアン

他アジア

中東・北アフリカ

サブサハラ

中南米

欧州

国際バンカー

OECD非

OEC

D2015-2030 2030-2050

Mtoe

エネルギー市場の重心は南・東南アジアへ

経済のエネルギー効率は大きく改善するが、世界のエネルギー需要は増え続ける。

需要増加の3分の2がアジア非OECD諸国から。中国は2040年代半ばにピークを迎え、アジア内のエネルギー市場の重心は南方へとシフトしていく。

5

❖世界の人口・GDP・一次エネルギー需要 ❖一次エネルギーの地域別増減

255

145

132

GDP

エネルギー

人口

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発電用・輸送用燃料が需要増加をけん引する

2050年までのエネルギー需要増加の4分の3が、発電用及び輸送用燃料に集中。

相対的にまだ貧しく、人口規模の大きいアジア非OECD諸国における経済発展、生活水準の改善が世界大での需要増加に大きく寄与する。

6

❖電力需要 ❖自動車用石油燃料

【レファレンス】

7.0

2.83.8

1.62.2

8.6

-10

-8

-6

-4

-2

0

2

4

6

8

10

0

2

4

6

8

10

12

中国

イン

アセ

アン

他ア

ジア

他非

OEC

D

OEC

D

千TWh

MWh/人

2015-2050年増分

1人当たり電力需要2015・→●2050

0.320.19

0.26

0.070.15

0.70

-1.2

-0.8

-0.4

0.0

0.4

0.8

-8

-4

0

4

8

12

16

20

中国

イン

アセ

アン

他ア

ジア

他非

OEC

D

OEC

D

Mb/d

台/人

2015-2050年増分

1人当たり自動車保有台数2015・→●2050

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21.2

32.9

44.1

0

10

20

30

40

50

1990 2010 2030 2050

GtCO2

13.6

19.8

0

5

10

15

20

2015 2050

Gtoe

-0.5 0.5 1.5 2.5

石炭

石油

天然ガス

原子力

再エネアジア*

他世界

Gtoe

化石燃料への依存体質は変わらない

増大する電力需要は主に火力発電で賄われ(約6割)、特に天然ガスが大きく伸びる。輸送用燃料と合わせて、アジアが化石燃料消費の増加をけん引する。

化石燃料依存が変わらない中で、エネルギー起源CO2排出量は2050年までに34%増加する。

7

❖一次エネルギー需要増減 ❖エネルギー起源CO2排出量

【レファレンス】

❖エネルギー構成

*アジア非OECD諸国

81%

79%

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19.8

17.2

0

5

10

15

20

25

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

レファレンス

技術進展

Gtoe

電力

電力

電力

他燃料

他燃料

他燃料

発電ロス

送配電ロス※

-0.8 -0.6 -0.4 -0.2 0.0

産業

運輸

民生

発電

Gtoe

技術進展という別のパスを描く

技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

電力関連における省エネ効果は省エネ量全体の3割を占める。運輸部門でも自動車電動化などにより省エネ効果は大きい。

8

❖一次エネルギー需要 ❖技術進展による省エネ効果 (2050年)

最先端技術

燃費改善 運航効率化

機器効率改善 断熱強化

高効率火力 非化石電源

※所内消費を含む

累積40Gt削減

【技術進展】 IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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20

30

40

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レファレンス 技術進展

2015 2050

千TWh

10%

28%47%

0

2

4

6

8

10

12

14

レファレンス 技術進展

2015 2050

変動電源*

他再エネ

水力

原子力

ガス

石油

石炭

TW

ゼロエミッション電源が3分の2を占める

2050年までに1.8倍に増加する電力需要(レファレンス)を技術進展で1.6倍に抑える。

技術進展シナリオでは、非化石発電のシェアは6割に。CCS付き火力を含めるとゼロエミッション電源は3分の2を占め、発電量当たりのCO2排出原単位は現在の半分に。

設備容量の半分が自然変動電源に。十分なコスト低下、系統安定化対策の強化が前提。 9

❖世界の発電電力量 ❖世界の発電設備容量

注: 変動電源は太陽光発電、風力発電、太陽熱発電、海洋発電を含む

66% 62%

38%

34%

60%

6%

非化石

CCS付 火力

火力

34%

【技術進展】 IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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1

2

3

4

5

6

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

Gtoe

石油

石炭

原子力

再エネ

ガス

発電

発電

発電

発電

運輸

-2 -1 0 1

石炭

石油

天然ガス

原子力

再エネ

Gtoe

石炭は大きく減少、再エネ合計を下回る

技術進展では、石炭は現在がピークで、2040年頃に再エネ合計を下回る。電力関連での省エネ・非化石燃料化が大きく寄与。輸送用燃料など石油需要も大きく減少するが、ピークには至らない。

2050年の化石燃料シェアは79%から68%まで低下するが、化石燃料依存度は高いまま。

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❖一次エネルギー需要 ❖技術進展による効果 (2050年)

(実線:技術進展、点線:レファレンス)

【技術進展】 IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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CO2排出量は2020年代半ばにピーク

技術進展シナリオのエネルギー起源CO2排出量は2020年代半ば以降に減少に向かうが、2050年半減には程遠い。

レファレンスからのCO2削減効果は省エネルギーが最大。電力関連(非化石電源、火力発電CCS、電力・発電省エネ)による削減効果が全体の3分の2を占める。

❖エネルギー起源CO2排出量 ❖技術別削減寄与

……▲6.2Gt

……▲0.4Gt

…………▲2.2Gt

44

30

33

10

20

30

40

50

1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

GtCO2省エネルギー

バイオ燃料

太陽光・風力等

原子力

燃料転換

CCS

レファレンス

技術進展

半減

▲14.4Gt

……▲3.6Gt

…………▲0.5Gt

…………▲1.5Gt

【技術進展】 IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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超長期気候変動分析

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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超長期を踏まえた規範=総合コストの低減

気候変動に対して無策であれば、緩和費用をかけずに済むが、適応費用・被害は膨大となる。 強力な緩和策を講じれば、適応費用・被害は軽減されるが、そのための費用は顕著に大きい 気候変動問題は、広範な領域に影響し、かつ何世代にもわたる長期的課題。持続可能性に基づき、 緩和費用、適応費用、被害額の和=総合コスト が小さくなる組み合わせを評価する。

❖緩和+適応+被害=総合コスト ❖パスごとの総合コストのイメージ緩和 省エネルギー、非化石エネルギーによる

GHG排出削減が代表的。 CCSによるGHGの大気中への放出 削減なども含む。 これらで気候変動を緩和する

適応 気温上昇により、海面上昇、農作物の旱魃、疾病の蔓延などが発生しうる。 これらに対する堤防・貯水池整備、 農業研究、疾病の予防・処置などが 適応

被害 緩和、適応によっても気候変動の 影響が十分に低減できない場合、 海面上昇、農作物の旱魃、疾病の 蔓延などの被害が実際に発生する

パス①

緩和過小

適応大

被害大

パス②

緩和中庸

適応中

被害中

パス③

緩和過大

適応小

被害小

緩和費用

適応費用

被害額

総合コスト

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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コスト最小化を統合評価モデルで表現

最小費用パスの総合コストはレファレンスの半分程度。GHG排出量は2150年に現状比8割減で、19世紀後半からの気温上昇は2.6°Cとなる。

2050年半減パス*では、気温は2100年頃に低下に転じ、2150年には1.7°Cとなる。しかし、総合コストはレファレンスより2割程度、最小費用パスの2倍以上高い。

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❖GHG排出量 ❖ GHG濃度(エーロゾル等を含む)

❖気温上昇 (19世紀後半から)

❖総合コスト (累積現在価値※)

※2015-2500年の累積

*気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)で整理されている「RCP2.6」における排出パスを設定。

0

20

40

60

80

2000 2050 2100 2150

GtCO2eq

レファレンス 最小費用パス 2050年半減*

0

200

400

600

800

1,000

2000 2050 2100 2150

ppm CO2eq

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

2000 2050 2100 2150

0

20

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80

100

緩和費用 適応・被害

Tril. $

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超長期の気候分析はいまだ不確実性が高い

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❖割引率の違いによるGHG排出パスと気温変化 (最小費用パス)

-10

0

10

20

30

40

50

60

2000 2050 2100 2150 2200

平均 高割引率 低割引率

GtCO2-eq

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

2000 2050 2100 2150 2200平均 高割引率 低割引率

-10

0

10

20

30

40

50

60

2000 2050 2100 2150 2200

標準 高気候感度 低気候感度

GtCO2-eq

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

2000 2050 2100 2150 2200標準 高気候感度 低気候感度

❖気候感度の違いによるGHG排出パスと気温変化 (最小費用パス)

割引率※

本分析は2.5%を採用。 AR5のまとめでは1.1%から4.1%と幅がある。

気候感度※

本分析は3°Cを採用。 AR5によれば1.9°Cから4.5°C内にある可能性大。

1.4°Cの差

注:大気中の温室効果ガスの濃度(CO2換算濃度)が倍増したときに、気温が何°C上昇するかを示すパラメータ。

注:将来における価値(収入や支出)を現在の価値に換算する時に用いる値。低い割引率は適応・被害を相対的に重視して直近のGHG削減を強化し、高い割引率は緩和費用を重視してGHG削減を後ろ倒しにする傾向がある。 モデル分析では毎年変化するが、ここでは2015~2300年の平均値で表記。

1.3°Cの差

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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2°C目標へのもう一つの排出パス

「2°C最小費用」 は、例えば、2150年の気温上昇幅を2°Cに抑えるという条件下で、総合コストが最小化となるパスの例。気温条件のない最小費用パスより総合コストは2割ほど増大する。

GHG排出量は2050年に3割減、2100年以降は概ねゼロエミッションに。気温上昇幅は2100年に2°Cわずかに超えたところでピークとなり、低下に転じる。

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❖GHG排出量 ❖ GHG濃度(エーロゾル等を含む)

❖気温上昇 (19世紀後半から)

❖総合コスト (累積現在価値※)

※2015-2500年の累積

*気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)で整理されている「RCP2.6」における排出パスを設定。

0

20

40

60

80

2000 2050 2100 2150

GtCO2eq

レファレンス 最小費用パス 2℃最小費用パス 2050年半減*

0

200

400

600

800

1,000

2000 2050 2100 2150

ppm CO2eq

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

2000 2050 2100 2150

0

20

40

60

80

100

緩和費用 適応・被害

Tril. $

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超長期の将来に向けた技術開発の例

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技術 概要 課題

CO2の発生を抑制するもの

次世代原子炉 超高温ガス炉、高速炉などの第4世代 原子炉や中小型炉が、現在国際的に 開発がすすめられている

次世代原子炉に対する研究開発支援の拡大等

核融合 質量数の小さな水素等の核融合により、太陽と同じようにエネルギーを取り出す技術。 燃料となる重水素は豊富かつ普遍的に存在する。また、高レベル放射性廃棄物としての使用済燃料が発生しない

連続的に核融合反応を起こし、また それを一定の空間に閉じ込める技術、 エネルギー収支およびコストの削減、大規模な開発のための資金調達と国際協力体制の構築等

宇宙太陽光 (SPS)

太陽光が地上よりも豊富に降り注ぐ宇宙空間にて太陽光発電を行い、発電した 電気を、マイクロ波等を通じて無線で 地球に伝送し地上で利用する技術

無線エネルギー転送技術の確立、 宇宙に建設資材を運ぶコストの低減等

発生したCO2を固定、または、 大気中のCO2を取り除くもの

水素の利活用 水素を化石燃料から製造する場合は、発生したCO2の二酸化炭素回収・貯留(CCS)実施によりカーボンフリーにできる

水素製造技術のコスト削減、 輸送・貯蔵の効率向上、 水素利用を促進するための制度構築等

CO2固定化・ 有効活用 (CCU)

触媒変換、鉱物化、電気化学的変換、光触媒変換、発酵などにより、CO2を原料にして化学中間品、燃料、建材、ポリマーなどを製造。 CO2を固定化できる

固定化・有効利用できる量や効率の 格段の向上等

CCS付きバイオエネルギー(BECCS)

生物学的プロセスによる光合成とCCSにより、大気から炭素を吸収

大規模な土地を必要とし、食料等の生産のために利用可能な土地面積に影響を与える可能性がある

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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2°C最小費用パス

高温ガス炉FCV

水素発電

BECCS (2025)

IGCC (高位)

IGCC (低位)-200

0

200

400

600

2030 2050 2100

$/tC

O2

見込み

目標宇宙太陽光

革新的技術のコスト低下がカギ

モデル内で計算された「2°C最小費用パス」の炭素価格は、2050年に$85/tCO2。BECCSや水素発電、FCV、高温ガス炉、宇宙太陽光などの革新的技術の目標コストはこれらの炭素価格の概ね範囲内に。2°C目標はこれらの技術を活用することで十分に達成可能。

長期的視点から研究開発を強化することが重要であり、そのためには国際協力が不可欠。 18

注: 2°C最小費用パスは、同パスの各時点で採用された技術のうち最も高いもののコスト(=炭素価格)。 詳細は報告書本文を参照。

❖革新的技術のCO2削減コスト

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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技術進展シナリオからのさらなる削減

19

❖エネルギー起源CO2排出量①CO2フリー水素技術の利用 (参考:アウトルック2016)・水素発電 1GW x 3000基・燃料電池車 10億台(800Mt/年の水素需要は現在のLNG需要の約3倍)

②ネガティブエミッション技術の利用・BECCS:バイオマス発電 0.5GW x 2800基

(2000Mtoe/年の燃料供給に285万km2相当の土地)

③ゼロエミッション電源の利用+製造業CCS▲10GtCO2 (CCS未設置火力発電の代替による削減上限値)

・宇宙太陽光 :1.3GW x 2300基or・高温ガス炉 :0.275GW x 8700基 or・核融合炉 :0.5GW x 4500基 or・CCS火力発電:2800GW

(CO2貯留のポテンシャルは推定7000Gt以上) + ▲1GtCO2・製造業CCS:製造施設・プラントの約2割に設置

(鉄鋼、セメント、化学、紙パ、石油精製、GTL/CTL)

❖ さらなる11Gtの削減に必要な技術導入量の例

※気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書(AR5)で整理されている「RCP2.6」における排出パスを設定。

44

30

19

10

20

30

40

1990 2010 2030 2050

レファレンス技術進展GtCO2

<超長期分析>● 最小費用● 2℃最小費用◆ 2050年半減※

▲11Gt

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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石油“需要”ピークケース

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石油消費は運輸、とりわけ自動車がドライブ

石油消費の2050年までの増分の約7割は、 運輸と石油化学用原料。特に、自動車用が 行き先を決めうる

21

❖石油消費[レファレンスシナリオ] ❖自動車用石油消費[レファレンスシナリオ]

ただし、その自動車用もOECDでは減少の 一途で、2020年ごろには非OECDを下回る。 今後の増分はすべて非OECDで発生する勘定

21

19OECD

15

18

26 非OECD

33

0

10

20

30

40

2000 2010 2020 2030 2040 2050M

b/d

その他

非エネ

他運輸3040

4547

自動車48

76

90

105114

122

0

20

40

60

80

100

120

2000 2015 2030 2040 2050

Mb

/d

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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自動車電動化への動きが、こと最近活発化

22

❖最近の政府・議会の主な動き ❖最近の大手自動車メーカーの主な動き2030年までにEUでの従来型 自動車販売を禁止する決議案を連邦参議院が可決(2016)

ドイツ

2025年までに従来型自動車の廃止を与野党が提案(2016)

ノルウェー

2040年までに従来型自動車 販売を禁止と政府が発表(2017)

フランス

2040年までに従来型自動車 販売を禁止と政府が発表(2017)

英国

2030年以降の新車販売を すべてEVにと大臣が発言(2017)

インド

従来型自動車の販売禁止に ついて研究検討中と副大臣が 言及(2017)

中国

FCV販売目標を2020年に年3万台以上に引き上げ(2015)。2020年にEVに本格参入との報道(2016)

2025年までに30車種以上のEVを投入し、総販売台数の25%まで 高める戦略を発表(2017)

2022年までに12車種のEVを投入。販売の3割を電動化車両とする 目標(2017)

2020年までに全ラインアップで 電動車両を用意する計画(2015)

EVとHEVを合わせたエコカーの 中国での販売比率を2025年までに7割に引き上げると発表(2017)

2030年に四輪車販売台数の 3分の2を電動化する。2018年には中国でEVを発売予定(2017)

トヨタ

フォルクスワーゲン

ルノー・日産

ヒュンダイ

フォード

ホンダ

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ZEVの急速普及で、石油は2030年ごろピーク

レファレンスシナリオでは急速な増加を続ける非OECDの自動車用石油消費も2030年ごろから減少に転じる。2050年にはレファレンスシナリオ比で約3分の1にまで減少

23

❖石油消費 ❖自動車用石油消費[石油需要ピーク]

石油需要ピークケースでは、石油消費は2030年ごろの98 Mb/dを頂点に減少に転じる。 レファレンスシナリオからの減少は、2030年に7 Mb/d、2050年には33 Mb/dに拡大

8690

105

122

技術進展97

98

石油需要

ピーク

89

60

80

100

120

2010 2020 2030 2040 2050

Mb

/d

レファレンス

15

33

21

16

OECD5

18

22

非OECD11

0

10

20

30

40

2000 2010 2020 2030 2040 2050M

b/d

注: 点線はレファレンスシナリオ

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天然ガス、石炭消費増。石油製品構成にも変化

石油消費が減退する一方で、ZEVによる電力需要が発電用燃料消費増を喚起。天然ガス、石炭が2030年代末には石油を上回る。以降、天然ガスが最大のエネルギー源となる

24

❖消費変化(レファレンスシナリオ比) ❖石油製品消費構成

注: 自家消費を除く

石油製品構成比では、ガソリンが2050年に10%まで縮小。軽油は、自動車以外の用途も あるためガソリンほどシェアは小さくはなら ないが、現状より8%ポイント低下

軽油35%

34% 33%

ガソリン27%

25% 23%

34% 27%

23% 10%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2015 2030 2050 2030 2050

レファレンス 石油需要

ピーク

LPG

ナフサ

ジェット

燃料油灯油

重油

その他

-1,846

-1,596

432

572

-1,567

-83

409

-2,000 -1,000 0

(Mt)

石油

石炭

天然ガス

石油

バイオ

電力

CO

2一次消費

自動車

Mtoe

2030

2050

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原油生産は低コスト地域へのシフトを強める...

需給の緩和圧力と市場の認識変化を背景として、原油価格は下落する—レファレンスシナリオでの2030年$95/bbl、2050年$125/bblに対し、2030年$65/bbl、2050年$50/bbl (2016年実質価格)

この大幅な価格低下を想定すると、生産コストが低廉な地域の優位性が高まり、2050年の生産が現状を上回るのは中東のみ。対して、北米の生産は、レファレンスシナリオ比4割減の13 Mb/dに

25

❖ 原油生産[石油需要ピークケース]

28.8

9.9

17.113.8

7.2 8.4

33.7

10.7

18.4

13.8

6.9 6.9

37.3

9.213.0 11.5

6.2 5.3

32.4

42.0

11.313.6

21.6 21.9

14.5 15.0

8.812.4

7.4 7.2

0

10

20

30

40

中東 その他 北米 旧ソ連 中南米 アジア

OPEC 非OPEC

Mb

/d

2015 2030 2050 レファレンス

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...が、経済の下押しは中東にも働く

相対的利得を得る中東だが、1兆6,000億ドル、名目GDP比13%の石油純輸出減少は大きな影響

逆に、石油純輸入削減額において最も裨益する国は、第2の石油消費国となるが国内資源に 恵まれないインド、次いで世界最大の自動車保有国となる中国。米国はほぼ石油自給となる ため、消費規模の割には影響が小さめ

26

❖ 石油純輸出入額変化[2050] ❖ 石油純輸出額変化の名目GDP比[2050]

注: ヨーロッパは旧ソ連を除く

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

米国

日本

中国

インド

中南米

旧ソ連

中東

純輸入額

純輸出額

兆ドル

レファレンス石油需要ピーク

数量効果価格効果

OECDヨーロッパ

ASEAN

インド

他アジア

日本

ヨーロッパ

中国

オセアニア米国

アフリカ

中南米

旧ソ連

カナダ

中東-15%

-10%

-5%

0%

5%

0 50 100 150

石油純輸出額変化の名目

GD

P比実質GDP (2010年価格兆ドル)

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そして、石油消費減退の影響は多岐にわたる

自動車電動化の大きなドライバーたるNOxの削減効果は2010年総排出量比-27%、 PM2.5は同-3%と、都市部の大気保全には一定の貢献が見込まれる

27

❖ 排出変化(レファレンスシナリオ比) ❖ OECDの自動車用ガソリン・軽油物品税額

370

313

238270

79

0

100

200

300

400

2030 2050 2030 2050

2015 レファレンス 石油需要

ピーク1

0億ドル

注: 自動車起源。従来型自動車の排出抑制性能の向上効果を含まない

税率等が現状のままの場合、自動車用ガソリン・軽油物品税が大きく落ち込む。ZEV普及促進期における助成とあわせ、財政の問題となる可能性

-5.4

-30.5

-40 -30 -20 -10 0

2030

2050

NO

x (M

t)

-0.2

-1.2

-1.5 -1.0 -0.5 0.0

2030

2050

PM2

.5 (M

t)

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急速な消費減退の見立てをどう認識するか

28

石油需要ピークケースは、状況によっては石油消費が遠からず減少に転じうることを示している

しかし、ZEVの普及想定が、ボトムアップ方式で先進技術の最大限の導入を見込む技術進展シナリオをはるかに上回ることから、極めてチャレンジングであるといえる。むしろ、石油消費は容易には減少しない可能性を暗示しているとも解釈できる

中東依存度の高まりは、安定供給に対する地政学リスクを上昇させることになる

低油価対応の中東産油国の公共投資抑制や補助金削減などの取り組みには、合理性が ある。しかし、社会不安を増大させ、産油国のみならず中東の情勢をさらに悪化させる可能性も否定できない

産油国自らの取り組みのみならず、資源金融や出資等で消費国の役割は重要であり続ける。サウジアラビアの“Saudi Vision 2030”に代表される産油国の取り組みを支援することも必要

その上で...

石油需要ピークケースの2050年においても、石油が今日と 大差ない規模で求められていることを見過ごしてはならない

将来を過度に悲観することで 供給投資がおろそかになれば、それこそが石油離れを—エネルギー安全保障を脅かしながら—誘発することになりかねない

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付属資料

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地域区分

– 世界を42地域に区分、特にアジア地域を15地域に区分– アジアのエネルギー需給構造を特に詳細に考慮

・米国・カナダ

北米

・オーストラリア・ニュージーランド

オセアニア・南アフリカ・北アフリカ・他アフリカ

アフリカ

・サウジアラビア・イラン・イラク・UAE ・クウェート・カタール・オマーン・他中東

中東 ・日本・中国・インド・台湾・韓国・香港・インドネシア・マレーシア・フィリピン・タイ・ベトナム・シンガポール・ブルネイ・ミャンマー・他アジア

アジア(15地域)

・イギリス・ドイツ・フランス・イタリア・他OECDヨーロッパ

OECDヨーロッパ・ロシア・他旧ソ連・非OECDヨーロッパ

非OECDヨーロッパ・旧ソ連

・メキシコ・ブラジル・チリ・他中南米

中南米

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モデルの構造

エネルギー需給モデル

世界貿易モデル

応用一般均衡モデル

気候変動モジュール

エネルギー需要量及び生産量を前提に、線形計画法を用いて石油・天然ガス貿易フローを推計。

エネルギーの需給の変化が各国・地域に与える経済的インパクトを産業連関データに基づいて分析。

温室効果ガス(GHG)排出パスに対して大気中GHG濃度、気温上昇等を計算し、気候変動による被害額を概算。

主要前提条件GDP、原油価格、為替レート人口、電源計画、世界貿易など

技術評価モデル

電源構成モデル

GDP関連指標、物価指数、各種活動指標(素材生産量など)、輸送関連指標等を整合的に推計。

自動車及び民生機器等の現状及び将来の効率を、ストック及び代替の積み上げに基づいて評価。

発電設備の実績値及び電力需要想定に基づき、将来のコスト最適な電源構成を線形計画法によって評価。

•国際エネルギー機関(IEA)の詳細なエネルギーバランスデータ(実績値)を回帰分析することにより、将来見通しを行う計量経済モデル。•エネルギー需要の他、エネルギー転換部門や一次エネルギー消費の分析も実施。•さらに、CO2排出量やCO2原単位、エネルギー自給率等の各種指標も推計。

当所各部署の担当者による専門的な知見

マクロ経済モデル

31

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主な前提条件:人口

32

981

1,371

中国1,340

697

1,311

インド1,662

347

608

ASEAN761

361

629

中南米777

477

1,185

アフリカ2,509

4,436

7,336

9,710

0 2,000 4,000 6,000 8,000 10,000

1980

2015

2050

100万人

日本 他アジア 北米 欧州OECD 欧州非OECD 中東 オセアニア

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主な前提条件:実質GDP

4.4 5.7

4.2 0.9

2.8 2.0

2.7 1.4

2.7 4.4

2.8 2.0

1.7 4.0 3.8

2.7

0 2 4 6 8 10

中国インドASEAN日本

他アジア北米

中南米欧州OECD欧州非OECDアフリカ

中東オセアニア

OECD計非OECD計アジア世界

年平均変化率(%)

1980-2015

2015-2050

9

中国40

16

6

8

18

北米36

20

欧州OECD

32

75

191

0

50

100

150

200

2015 2050

オセアニア

中東

アフリカ

欧州非OECD中南米

他アジア

日本

ASEAN

インド

2010年兆ドル

33

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0

50

100

150

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

$/bbl

0

5

10

15

20

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

日本欧州(英国)

米国

$/MBtu

主な前提条件:一次エネルギー価格

(注)実績値は名目価格、見通しは2016年価格

日本の輸入CIF価格

原油

0

50

100

150

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

$/t

0

200

400

600

800

1,000

19801990200020102020203020402050

石油天然ガス石炭

$/toe

天然ガス

石炭

34

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2050年までの世界・アジアのエネルギー需給展望

レファレンスシナリオ

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世界の人口、GDP、エネルギー消費、CO2排出レファレンスシナリオ

132

255

145 134

0

50

100

150

200

250

300

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

一次エネルギー消費量

人口

2015=100

実質GDP

CO2排出量100

36

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世界の一次エネルギー消費(地域別)

2015-2050年の増加分2015137億t

2050198億t

(1.5倍に増加)

世界計レファレンスシナリオ

37

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0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

中国

インド

ASEAN

日本

韓国

その他

Mtoe

-39

-10

277

923

1048

1693

-0.3%

-0.1%

1.8%

2.6%

0.9%

3.2%

日本

韓国

その他

ASEAN

中国

インド

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

アジアの一次エネルギー消費(国・地域別)

2015-2050年の増加分

レファレンスシナリオ

201555億t

205094億t

(1.7倍に増加)

アジア計

38

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0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

石油

天然ガス

原子力

水力

他再生可能

Mtoe

166

384

695

1132

1515

2250

1.2%

1.3%

0.5%

1.6%

0.9%

1.6%

水力

原子力

石炭

他再生可能

石油

天然ガス

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

世界の一次エネルギー消費(エネルギー別)

2015-2050年の増加分2015

137億t

2050198億t

(1.5倍に増加)

世界計レファレンスシナリオ

39

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 40: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

石油

天然ガス

原子力

水力

他再生可能

Mtoe

90

330

443

993

1015

1020

1.5%

4.0%

1.6%

1.6%

0.9%

3.1%

水力

原子力

他再生可能

石油

石炭

天然ガス

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

アジアの一次エネルギー消費(エネルギー別)

2015-2050年の増加分

レファレンスシナリオ

201555億t

205094億t

(1.7倍に増加)

アジア計

40

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 41: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

産業

運輸

民生

非エネルギー

Mtoe

516

1062

1066

1646

1.4%

1.0%

1.0%

1.2%

非エネ

ルギー

運輸

産業

民生

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

世界の最終エネルギー消費(部門別)

2015-2050年の増加分201594億t

2050137億t

(1.5倍に増加)

世界計レファレンスシナリオ

41

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 42: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

産業

運輸

民生

非エネルギー

Mtoe

278

616

626

1004

1.6%

1.0%

2.0%

1.8%

非エネ

ルギー

産業

運輸

民生

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

アジアの最終エネルギー消費(部門別)

2015-2050年の増加分

レファレンスシナリオ

201536億t

205061億t

(1.7倍に増加)

アジア計

42

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 43: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

石油

天然ガス

電力

その他

Mtoe

64

329

829

1483

1586

0.2%

0.6%

1.3%

0.9%

1.9%

石炭

その他

天然ガス

石油

電力

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

世界の最終エネルギー消費(エネルギー別)

2015-2050年の増加分201594億t

2050137億t

(1.5倍に増加)

世界計レファレンスシナリオ

43

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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アジアの最終エネルギー消費(エネルギー別)

2015-2050年の増加分

レファレンスシナリオ

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

石油

天然ガス

電力

その他

Mtoe

60

92

436

965

971

0.2%

0.4%

2.9%

2.4%

1.7%

石炭

その他

天然ガス

電力

石油

Mtoe年平均

伸び率(2015-2050)

201536億t

205061億t

(1.7倍に増加)

アジア計

44

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 45: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の石油消費

石油消費(地域別) 石油消費(部門別)

レファレンスシナリオ

45

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

国際バンカーオセアニアアフリカ非OECDヨーロッパOECDヨーロッパ中東アジア中南米北米

Mtoe

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門非エネルギー消費民生運輸産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 46: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアの石油消費

石油消費(地域別) 石油消費(部門別)

レファレンスシナリオ

46

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

その他韓国日本ASEANインド中国

Mtoe

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門

非エネルギー消費

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 47: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の石油生産レファレンスシナリオ

47

42% 43%45%

47%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

0

20

40

60

80

100

120

140

2015 2030 2040 2050

OPEC生産シェア アジア・オセアニア欧州・旧ソ連

その他中南米

北米

その他アフリカその他中東

OPEC非中東

OPEC中東

Mb/d

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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石油の純輸入量レファレンスシナリオ

48

-35

-25

-15

-5

5

15

25Mb/d

20152030 レファレンス2050 レファレンス

2050年 純輸出地域← →2050年 純輸入地域

中東 非OECD欧州 北米 中南米 アフリカ オセアニア 他アジア 日台韓 OECD欧州 ASEAN 中国 インド

・中央アジア

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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主要な原油貿易フロー(2016年)

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

東南アジア

オセアニア

南アジア

2.2

4.6

1.9

1.1

1.4

3.7

6.0

1.8

2.7

0.6

0.6

単位:mb/d

1.0

2.01.9

0.50.7

49

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 50: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

主要な原油貿易フロー(2030年)レファレンスシナリオ

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

東南アジア

オセアニア

南アジア

1.5

3.3

1.4

1.7

1.5

7.4

4.9

3.6

6.7

0.8

0.6

0.8

0.5 1.0

単位:mb/d

0.7

0.6

0.80.6

50

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 51: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の天然ガス消費

天然ガス消費(地域別) 天然ガス消費(部門別)

レファレンスシナリオ

51

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

国際バンカーオセアニアアフリカ非OECDヨーロッパOECDヨーロッパ中東アジア中南米北米

Mtoe

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門

非エネルギー消費

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 52: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアの天然ガス消費

天然ガス消費(地域別) 天然ガス消費(部門別)

レファレンスシナリオ

52

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

その他韓国日本ASEAN

インド中国

Mtoe

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門

非エネルギー消費

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 53: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の天然ガス生産レファレンスシナリオ

53

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2015 2030 2040 2050

アジア・オセアニア欧州・旧ソ連中南米北米アフリカ中東

Bcm

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 54: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

天然ガスの純輸入量レファレンスシナリオ

54

-300

-200

-100

0

100

200

300Bcm

2015

2030 レファレンス

2050 レファレンス

2050年 純輸出地域← →2050年 純輸入地域

北米 非OECD欧州 中東 オセアニア アフリカ 中南米 ASEAN 他アジア インド 日台韓 中国 OECD欧州

・中央アジア

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 55: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界のLNG輸入量レファレンスシナリオ

55

191

3910 13 8 3

349

96

20 245 3

0

100

200

300

400

アジア 欧州 中東 中南米 アフリカ 北米

2016 2030

Mt

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 56: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

主要な天然ガス貿易フロー(2016年)

56

単位:BCM

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

東南アジア

オセアニア

南アジア36

37

166

24

1424

61

38

55

15

34

10

パイプラインガスLNG

16

7

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 57: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

主要な天然ガス貿易フロー(2030年)レファレンスシナリオ

57

単位:BCM

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

オセアニア

南アジア

2535

4930

26

103148

45

27

23

23

25

6822

42

2213

22

東南アジア

パイプラインガスLNG

16

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 58: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の石炭消費

石炭消費(地域別) 石炭消費(部門別)

レファレンスシナリオ

58

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

オセアニアアフリカ非OECDヨーロッパOECDヨーロッパ中東アジア中南米北米

Mtoe

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門非エネルギー消費民生運輸産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 59: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

転換部門非エネルギー消費民生運輸産業

Mtoe

アジアの石炭消費

石炭消費(地域別) 石炭消費(部門別)

レファレンスシナリオ

59

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

その他韓国日本ASEAN

インド中国

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 60: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の石炭生産

60

レファレンスシナリオ

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

2015 2030 2040 2050

その他アジア・オセアニア欧州・旧ソ連中南米北米アフリカ中東

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 61: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

石炭の純輸入量レファレンスシナリオ

61

-500

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300Mtoe

20152030 レファレンス2050 レファレンス

2050年 純輸出地域← →2050年 純輸入地域

オセアニア 非OECD欧州 アフリカ 北米 中南米 中東 他アジア ASEAN OECD欧州 中国 インド 日台韓

・中央アジア

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 62: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

主要な石炭貿易フロー(一般炭・2016年)

62

単位:Mt

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

インド

92

5 16

103

44 15462

43

60

5

20

4

22

99

15

5885

21

21 6

ロシア

コロンビア

南アフリカ

58

13

アセアン他

4

5

3

インドネシア

63

5

2

3 3

3

9

60

6

2モンゴル

3

7オーストラリア

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 63: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

日韓台

欧州非OECD/中央アジア

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

インド

90

5 19

96

41 14280

47

57

9

57

4

9

79

15

5354

19

19 6

ロシア

コロンビア

南アフリカ

53

72

アセアン他

5

4

4

インドネシア

65

39

3

3 4

12

17

93

5

2モンゴル3

22

5

9オーストラリア

3

単位:Mt

主要な石炭貿易フロー(一般炭・2030年)レファレンスシナリオ

63

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 64: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

日韓台

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

インド

3

27 63

7

4

7

2

13

13 19

ロシア

コロンビア

モザンビーク

40

モンゴル

5

8

7

5

44

アセアン他

15

インドネシア

24

オーストラリア

1

欧州非OECD/中央アジア

1

単位:Mt

主要な石炭貿易フロー(原料炭・2016年)

64

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 65: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

日韓台

北米

中東

中南米

アフリカ

欧州OECD

中国

インド

2

30 66

7

4

318

18 19

ロシア

コロンビア

モザンビーク

60

モンゴル

4

6

インドネシア

7

6

22

アセアン他

16

2

3

3

10

4

3

2

1

11

欧州非OECD/中央アジア

オーストラリア

1

単位:Mt

主要な石炭貿易フロー(原料炭・2030年)レファレンスシナリオ

65

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 66: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアの化石燃料需給バランス

石油 天然ガス 石炭

レファレンスシナリオ

66

9411,489

2,006

-4,000

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

2015 2030 2050

生産需要純輸入

Mtoe

164425

780

-4,000

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

2015 2030 2050

Mtoe

296 416 626

-4,000

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

2015 2030 2050

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

オセアニアアフリカ非OECDヨーロッパOECDヨーロッパ中東アジア中南米北米

Mtoe

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

民生運輸産業

Mtoe

世界の電力最終消費

電力消費(地域別) 電力消費(部門別)

レファレンスシナリオ

67

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

その他韓国日本ASEAN

インド中国

Mtoe

アジアの電力最終消費

電力消費(地域別) 電力消費(部門別)

レファレンスシナリオ

68

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

民生運輸産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

他再生可能水力原子力天然ガス石油石炭

TWh

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

世界の発電構成レファレンスシナリオ

発電量 発電量シェア

69

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

他再生可能水力原子力天然ガス石油石炭

TWh

0%

20%

40%

60%

80%

100%

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

アジアの発電構成レファレンスシナリオ

発電量 発電量シェア

70

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

5

10

15

20

25

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

北米

中南米

アジア

中東

欧州OECD

欧州非OECD

アフリカ

オセアニア

Gt-CO2

-1.1

-1.0

0.0

0.4

0.9

1.1

1.5

8.6

-0.6%

-0.9%

-0.4%

0.4%

1.2%

1.3%

2.4%

1.3%

北米

欧州OECD

オセアニア

欧州非OECD

中南米

中東

アフリカ

アジア

年平均

伸び率(2015-2050)

Gt-CO2

世界のCO2排出量

2015-2050年の増加分2015329億t

2050441億t

(1.3倍に増加)

世界計レファレンスシナリオ

71

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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0

2

4

6

8

10

12

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050

中国

インド

ASEAN

日本

韓国

その他

Gt-CO2

-0.3

0.0

0.6

1.2

2.3

4.7

-0.7%

0.1%

2.0%

0.3%

3.0%

3.4%

日本

韓国

その他

中国

ASEAN

インド

年平均

伸び率(2015-2050)

Gt-CO2

アジアのCO2排出量

2015-2050年の増加分

レファレンスシナリオ

2015151億t

2050237億t

(1.6倍に増加)

アジア計

72

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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技術進展シナリオ

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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技術進展シナリオの前提

【需要サイドの技術】■産業部門最高効率水準(ベストプラクティス)の産業プロセス技術(鉄鋼、セメント、紙パルプ等)が世界的に普及■運輸部門クリーンエネルギー自動車(低燃費車、ハイブリッド車、プライグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車)の普及拡大■民生部門省エネ家電(冷蔵庫、テレビ等)、高効率給湯器(ヒートポンプ等)、高効率空調機器、高効率照明の普及拡大、断熱強化

世界各国がエネルギー安定供給の確保、気候変動対策を一層強化すると共に、既存技術の効率改善や国際的な技術移転が促進され、新技術の普及が世界的により一層拡大するシナリオ

【供給サイドの技術】■再生可能エネルギー風力発電、太陽光発電、太陽熱発電、バイオマス発電、海洋発電、バイオ燃料の普及拡大■原子力導入促進原子力発電建設加速、設備利用率向上■高効率火力発電技術SC、USC、 A-USC、石炭IGCC、天然ガスMACCの普及拡大■次世代送配電技術低損失型の変電設備、電圧調整装置■二酸化炭素貯留技術

環境規制や国家目標の導入、強化国家的戦略・目標設定、省エネ基準、燃費基準、低炭素燃料基準、省エネ・環境ラベリング制度、再生可能エネルギー導入基準、固定価格買取制度、補助金・助成制度、環境税、排出量取引等

研究開発投資の拡大、国際的な省エネ技術協力(鉄鋼、セメント分野等)や省エネ基準制度の構築支援等

技術開発強化や国際的な技術協力の推進

注: SCは超臨界圧火力発電、USCは超々臨界圧火力発電、A-USCは先進超々臨界圧火力発電 74

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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主な前提条件: エネルギー・環境技術

75

2015年 2050年 (レファレンス2050年)

先進国 発展途上国火力発電

[ストック効率] 天然ガス: 48.5% 55.7% (56.9%) 天然ガス: 36.7% 47.3% (44.9%)石炭: 37.3% 44.4% (45.0%) 石炭: 36.5% 40.2% (41.4%)

原子力発電 適切な卸電力市場価格の維持 初期投資の融資枠組み整備[設備容量] 2015年: 309 GW 327 (241) 2015年: 90 GW 629 (337)

再生可能発電 システムコスト低減 システムコスト低減[設備容量] 系統安定化技術のコスト低減 低コスト融資

系統システムの効率的運用 電力システムの高度化風力: 237 GW 1,091 (718) 風力: 178 GW 1,912 (1,152)

太陽光: 165 GW 909 (573) 太陽光: 60 GW 1,588 (946)

自動車用バイオ燃料 次世代バイオ燃料の開発 バイオ燃料のコスト低減FFVの普及拡大 農業政策としての位置づけ

[消費量] 50 Mtoe 107 (68) 26 Mtoe 94 (56)

産業運輸[乗用車新車燃費] 14.5 km/L 41.1 (27.8) 12.9 km/L 28.6 (20.2)

[乗用ZEV販売比率] 0.8% 66% (35%) 0.5% 41% (17%)

民生(2050年でレファレンス比約20%改善)

暖房・給湯・厨房用途における電化、クリーンクッキング化

2050年にBATが100%普及

新規、新設の家電・機器効率及び断熱効率の改善スピードが約2倍に

初期投資ファイナンススキーム整備 IGCC新設導入比率0% 60% (20%)

低燃費自動車のコスト低下。ZEVの航続距離が2倍に

2030年以降新設CCS導入(帯水層を除く貯留ポテンシャルがある国)

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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原子力発電設備容量技術進展シナリオ

76

0

200

400

600

800

1,000

1,200

2030 2050 2030 2040 2050

2005 2015 レファレンス 技術進展

中東・アフリカ

中南米

旧ソ連・非OECD

ヨーロッパOECDヨーロッパ

北米

アジア

GW

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 77: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

風力・太陽光発電設備容量

風力発電 太陽光発電

技術進展シナリオ

77

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2015 2050 2030 2050

レファレンス

技術進展

GW

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2015 2050 2030 2050

レファレンス

技術進展

GW

オセアニア

アジア

中東

アフリカ

旧ソ連・非OECD欧州

欧州OECD

中南米

北米

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 78: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の輸送用バイオ燃料導入量技術進展シナリオ

78

0

50

100

150

200

250

300

2005 2015 2030 2050 2030 2040 2050

レファレンス 技術進展

その他

国際バンカー

中国

ASEAN

ブラジル

欧州連合

米国

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 79: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

乗用車台数

保有台数構成新車販売台数構成

79

95%

50%

17%

2%

1%

0%

2%

25%

33%

11%

21%

12%28%

1%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

レファレンス

技術進展

2015 2050

97%

56%

23%

2%

1%

1%

1%

25%

37%

9%

18%

8%21%

0%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

レファレンス

技術進展

2015 2050

燃料電池車

電気自動車

プラグインガソリン車ガソリン・軽油ハイブリッド車天然ガス車

従来車

技術進展シナリオ

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 80: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

新車燃費 保有燃費

乗用車燃費

80

13.6

22.3

32.0

0

5

10

15

20

25

30

35

レファレンス 技術進展

2015 2050

km/L

43%改善

12.5

20.4

27.8

0

5

10

15

20

25

30

35

レファレンス 技術進展

2015 2050

km/L

36%改善

技術進展シナリオ

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 81: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

産業部門原単位技術進展シナリオ

81

73.2 64.3

80.6 71.2

75.6 66.5

80.1 70.9 68.7 60.6

0

20

40

60

80

100レファレンス

技術進展

レファレンス

技術進展

レファレンス

技術進展

レファレンス

技術進展

レファレンス

技術進展

2015 2050 鉄鋼原単位

2050 窯業土石原単位

2050 化学原単位

2050 紙パルプ原単位

2050 その他産業原単位

12%改善 12%改善 12%改善 11%改善 11%改善2015=100

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 82: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

民生部門総合効率技術進展シナリオ

82

77.0 61.1

50.2 40.0

0

20

40

60

80

100

レファレンス

技術進展

レファレンス

技術進展

2015 2050 総合効率(家庭)

2050 総合効率(業務)

21%改善20%改善

2015=100

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 83: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の発電構成技術進展シナリオ

発電量 発電設備容量

83

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000

2015 2050 2030 2050

レファレ

ンス

技術進展

他再生可能

水力

原子力

石油

天然ガス

石炭

TWh

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

2015 2050 2030 2050

レファレ

ンス

技術進展

GW

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 84: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアの発電構成技術進展シナリオ

発電量 発電設備容量

84

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

2015 2050 2030 2050

レファレ

ンス

技術進展

他再生可能

水力

原子力

石油

天然ガス

石炭

TWh

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2015 2050 2030 2050

レファレ

ンス

技術進展

GW

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 85: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

電力のCO2排出原単位

*発電端でのCO2排出原単位

世界 アジア

85

レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

374

251

641

566 541

507

445

389

200

300

400

500

600

700

1980 1990 2000 2015 2030 2050

レファレンス

技術進展

gCO2/kWh

464

322

638 646

622

555

487

200

300

400

500

600

700

1980 1990 2000 2015 2030 2050

レファレンス

技術進展

gCO2/kWh

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 86: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

省エネルギー量の部門別・国別内訳

世界の最終エネルギー消費 省エネルギー量の地域別・部門別内訳

技術進展シナリオ

86

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

2015 2050レファ

レンス

2050技術

進展

Mtoe

産業

運輸

民生等

非エネルギー

消費

9,384

13,675

11,831Mtoe

13,675Mtoe

2050レファレンス

2050技術進展

米国

欧州OECD

日本他OECD

中国

インド

他アジア

非OECD民生等

運輸

産業

国際

バンカー

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 87: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界の一次エネルギー消費削減技術進展シナリオ

87

8,774

10,028

12,873 13,647

16,562

18,374

19,789

15,717

16,69317,219

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

18,000

20,000

1990 2000 2015 2030 2040 2050

国際バンカー非OECD

OECDレファレンス技術進展

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 88: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアの一次エネルギー消費削減技術進展シナリオ

88

2,108

2,887

4,818

5,459

7,434

8,548

9,351

7,078

7,794 8,156

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

1990 2000 2015 2030 2040 2050

他アジアASEANインド中国レファレンス技術進展

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 89: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

一次エネルギー消費(エネルギー源別) 実線・・・レファレンスシナリオ点線・・・技術進展シナリオ

世界 アジア

89

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

Mtoe

石油

石炭

天然ガス

他再生可能

原子力

水力

化石燃料81%→79%(レファレンス)

68%(技術進展)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

1980 1990 2000 2010 2020 2030 2040 2050

Mtoe

化石燃料85%→82%(レファレンス)

71%(技術進展)

石油

石炭

天然ガス

他再生可能

原子力

水力

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 90: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

アジアのエネルギー自給率

アジア計 中国 インド

実線: レファレンスシナリオ点線: 技術進展シナリオ

90

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

天然ガス

石油

70%

49%

52%

29%

14%

13%

89%87%

83%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

天然ガス

石油

71%

42%22%

22%

94% 95%

94%

65%

60%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

1990 2000 2015 2030 2040 2050

石炭

天然ガス

石油

61%

39%

20%4%4%

70%

40%

81%

81%

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 91: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

世界のCO2排出削減(地域別)技術進展シナリオ

91

21.2

23.4

31.332.9

38.1

41.6

44.1

33.432.1

29.7

20

30

40

50

1990 2000 2015 2030 2040 2050

10億tCO2

米国日本その他OECD

中国インドその他アジアその他非OECD

国際バンカーレファレンス技術進展

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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アジアのCO2排出削減(地域・国別)技術進展シナリオ

92

4.96.9

13.315.1

19.5

22.023.7

17.0 17.0 16.0

0

10

20

30

1990 2000 2015 2030 2040 2050

10億tCO2

中国インド他アジアASEANレファレンス技術進展

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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技術による世界のCO2排出削減 技術進展シナリオ

93

21.223.4

31.332.9

38.1

41.6

44.1

33.4 32.1

29.7

20

30

40

50

1990 2000 2015 2030 2040 2050

10億tCO2

省エネルギーバイオ燃料太陽光・風力等原子力燃料転換CCSレファレンス技術進展

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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技術によるアジアのCO2排出削減 技術進展シナリオ

94

4.96.9

13.315.1

19.5

22.023.7

17.0 17.0 16.0

0

10

20

30

1990 2000 2015 2030 2040 2050

10億tCO2

省エネルギーバイオ燃料太陽光・風力等原子力燃料転換CCSレファレンス技術進展

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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中国、インド、ASEANのエネルギー需給

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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中国の一次エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

96

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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中国の最終エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

97

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

非エネルギー

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 98: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

中国の化石燃料需給バランス

石油 天然ガス 石炭

レファレンスシナリオ

98

319

576 614

-2,500

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

46 119210

-2,500

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

114 125 110

-2,500

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 99: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

中国の発電構成 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

発電量 発電設備容量

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

TWh

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

GW

99

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 100: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

インドの一次エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

100

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 101: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

インドの最終エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

101

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

2,000

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

非エネルギー

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 102: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

インドの化石燃料需給バランスレファレンスシナリオ

石油 天然ガス 石炭

102

164

348

656

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

17 75169

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

115 159222

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 103: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

インドの発電構成 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

発電量 発電設備容量

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

TWh

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

GW

103

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 104: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

ASEANの一次エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

104

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 105: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

ASEANの最終エネルギー消費 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

105

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1980 1990 2000 2015 2030 2040 2050 2050

レファレンス 技術進展

非エネルギー

民生

運輸

産業

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 106: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

ASEANの化石燃料需給バランスレファレンスシナリオ

石油 天然ガス 石炭

106

91

201

395

-500

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

-46

10

72

-500

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

-163-128

50

-500

-400

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

500

2015 2030 2050

生産

需要

純輸入

Mtoe

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 107: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

ASEANの発電構成 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

発電量 発電設備容量

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

TWh

0

100

200

300

400

500

600

700

800

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術進

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

GW

107

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 108: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

石油需要ピークケース

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 109: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

ZEVの普及速度についてはさまざまな見方。「石油需要ピークケース」では、 2030年に全世界の新車(乗用・貨物)販売の30%、2050年に100%がZEVになると仮想的に想定感度分析的にエネルギー需給関連への影響を評価。なお、ZEVにより増加する電力需要は火力発電によって賄うものとする

109

❖新車販売の仮定 ❖保有

注: ZEVはプラグインハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車

自動車販売・保有構成石油需要ピークケース

0%9% 14% 20%

従来車

30%

66%

ZEV100%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2015 2030 2040 2050 2030 2040 2050

レファレンス 石油需要ピーク

0% 5% 10% 15%

従来車

14%

40%

ZEV74%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2015 2030 2040 2050 2030 2040 2050

レファレンス 石油需要ピーク

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

Page 110: 第427回 定例研究報告会 IEEJアウトルック 2018 · 技術進展シナリオは、省エネ技術等の最大限の導入でエネルギー消費を2050年に13%削減。

需給緩和を通じて国際原油価格の下落をもたらすことになると想定石油需要ピークケースでは、2020年代以降下落に転じ、2050年には$50/bblまで低下

110

❖実質原油価格の想定

原油価格

52

70

95

115125

44

7065

6050

0

20

40

60

80

100

120

140

2010 2020 2030 2040 2050

$2016/bbl

レファレンス

石油需要ピーク

石油需要ピークケース

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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アジアでの天然ガス利活用

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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ガスの黄金時代がアジアにも到来 レファレンスシナリオ技術進展シナリオ

変化分(2015-2050) シェア(2050)

112

足元では伸び悩んでいるとされるアジアの天然ガス需要であるが、長期的にみれば一次エネルギー源で最大の伸びを示す。技術進展シナリオにおいても、その伸びは化石燃料の中では最大であり、そのシェアは現状より6%ポイント拡大する。

10%17%

天然ガス, 16%

石炭

石油

原子力

水力

その他

内側: 2015中央: レファレンス、2050外側: 技術進展、2050

1,020

1,015

993

444

330

90

748

-240

644

649

807

90

-500 0 500 1,000 1,500

天然ガス

石炭

石油

その他

原子力

水力

Mtoe

技術進展 レファレンス

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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ガスの黄金時代到来をより確実なものにするために

113

LNG取引における柔軟性の向上アジアにおける新興LNG輸入国における需要は不確実性が高く、より柔軟な供給体制が重要。既存の長期契約における仕向け地制約の撤廃は不可欠。2017年6月発表の公正取引委員会の調査報告書は、仕向け地制約を独占禁止法上、違法と指摘。新規契約や契約更新時だけではなく、既存契約についても、仕向地制約の見直しを求めている。他のアジアにおける競争当局が同様の判断を下すことがあれば、仕向地制約の撤廃がアジアのLNG市場におけるスタンダードに。

ファイナンス面での支援巨額のインフラ投資が必要な天然ガス供給となる一方、民間の資金だけでは必要な投資額には不足。公的な支援が不可欠。各国政府による財政支援、そうしたインフラ建設に関心を持つ企業の本国政府の輸出信用機関、世界銀行やアジア開発銀行などの国際開発金融機関など、公的な性格を持つ金融機関による資金調達面での支援が重要。

ガス利用政策(エネルギーミックス)の作成・遂行ガスの持つメリット(クリーン性、地理的分散、利便性)は、市場メカニズムにおいては十分に価格に反映されないため、政策的な支援が必要。新規のインフラ投資にかかる不確実性を可能な限り低減させていくうえでも、政府による政策的なコミットメントは不可欠であり、エネルギーミックス目標のような政策が実施されることが望ましい。

人材育成急速な天然ガス・LNG需要の拡大に対し、十分な人材が、各国政府・産業の双方において不足。迅速な意思決定の妨げになっている可能性あり。特にLNGは、他のエネルギーと比べても、取引面、安全面、環境面などの点で必要となる専門知識は多い。これまでLNGを利用してきた日本を始めとする国々が、こうした人材育成に対し積極的な役割を果たしていくことができれば、アジアのLNG利用拡大を促すうえでも大きな推進力となる。

ガス利用拡大をより確実なものにしていくためには、各国政府・公的機関による以下の分野における政策的な取り組みが重要となってくる。

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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石炭の役割と高効率利用

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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発電電力量における石炭シェア中国 ASEAN

115

レファレンスシナリオでは、石炭火力発電からの発電電力量はインド、ASEANなどアジアを中心に増加する。一方で技術進展シナリオでは、省エネルギー技術の進歩による電力需要の減少に加え、石炭から他電源への転換などにより、アジアにおいても石炭火力発電量は大きく減少する。しかし、豊富な石炭資源を有するインド、インドネシア及び、他のASEAN諸国ではエネルギーセキュリティと経済性の面から今後も石炭火力発電の建設が進む。

インド

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術

進展

TWh

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術

進展

TWh

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

2015 2030 2050 2050

レファレンス 技術

進展

他再生可能

水力

原子力

天然ガス

石油

石炭

TWh

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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高効率石炭発電技術とCO2排出量熱効率と1kWhあたりのCO2排出量の推移 発電技術別の1kWhあたりのCO2排出量

116

熱効率の向上に伴い1kWhあたりのCO2排出量は、亜臨界圧発電に対して、超臨界圧発電では90%に、超々臨界発電では86%に、IGCC発電では79%に減少する。一方で、設備費は亜臨界圧発電に対してそれぞれ1.2倍、1.3倍、1.5倍と割高となる。熱効率の向上により燃料費削減などのメリットはあるが、高効率発電技術の導入にあたっては、ファイナンス面での協力が必要である。また、IGCC発電は商用化及び量産によるコストダウンが待たれる。

0.5

0.6

0.7

0.8

0.9

1.0

36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60

(kg-CO2)

効率(%) 発電端、LHV

SC、約42%

sub-C、約38%

USC、約44%

A-USC、約48%

IGCC(1,500℃級)、約48%

A-IGCC、A-IGFC、60%程度

IGFC、約57%

IGCC(1,700℃級)、約52%

0.709

0.774

0.811

0.896

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0

IGCC(1,500℃級)

超々臨界圧

(USC)

超臨界圧

(SC)

亜臨界圧

(sub-C)

1kWhあたりのCO2排出量(kgーCO2)

石炭発電設備の設備費亜臨界圧 超臨界圧 超々臨界圧 IGCC

設備費($/kW) 1,400 1,700 1,850 2,150

出所:IEA, “World Energy Outlook 2016”を基に推定

IEEJ:2017年10月掲載 禁無断転載

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