第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93...

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17 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況 既存資料調査により、対象事業実施区域(以下、事業予定地という。)及びその周辺の地域概 況を把握した。 既存資料調査は、自然的状況として事業予定地を中心とする約 10 ㎞四方(約 10,000ha)の範 囲を、社会的状況として事業予定地の位置する浜松市(天竜区)を基本とし、把握する環境の特 性に応じて範囲を拡大・縮小した。なお、自然的状況の対象範囲は、「面整備事業環境影響評価 技術マニュアル」(平成 11 11 月、面整備事業環境影響評価研究会)において『地域特性を把 握する範囲』の目安として示された『10 ㎞四方程度』を基に設定した。 4.1 地域の自然的状況 4.1.1 気象 事業予定地最寄りの気象観測所である天竜地域気象観測所(気温、降水量、風速、風向)お よび静岡地方気象台(全天日射量、雲量)における気象の状況を整理した。 天竜気象観測所および静岡地方気象台の位置を図 4.1.1 に示す。 4.1.1 天竜気象観測所と静岡地方気象台の位置

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Page 1: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

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第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況

既存資料調査により、対象事業実施区域(以下、事業予定地という。)及びその周辺の地域概

況を把握した。

既存資料調査は、自然的状況として事業予定地を中心とする約 10㎞四方(約 10,000ha)の範

囲を、社会的状況として事業予定地の位置する浜松市(天竜区)を基本とし、把握する環境の特

性に応じて範囲を拡大・縮小した。なお、自然的状況の対象範囲は、「面整備事業環境影響評価

技術マニュアル」(平成 11年 11 月、面整備事業環境影響評価研究会)において『地域特性を把

握する範囲』の目安として示された『10㎞四方程度』を基に設定した。

4.1 地域の自然的状況

4.1.1 気象

事業予定地最寄りの気象観測所である天竜地域気象観測所(気温、降水量、風速、風向)お

よび静岡地方気象台(全天日射量、雲量)における気象の状況を整理した。

天竜気象観測所および静岡地方気象台の位置を図 4.1.1に示す。

図 4.1.1 天竜気象観測所と静岡地方気象台の位置

Page 2: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

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主な気象要素の平年値を表 4.1.1 に、気温と降水量の平年値の月別推移を図 4.1.2に示す。

天竜気象観測所における平年値は、年間平均気温 15.9℃、最高気温 32.5℃(8月)、最低気

温 0.5℃(1月)、年間降水量 2,100.3㎜、最大月間降水量 279.8㎜(6月)、最低月間降水

量 54.4 ㎜(12月)、年間平均風速 1.4 m/sで、北北東の風が卓越していた。なお、静岡地方

気象台における全天日射量の年間平均値は 13.7MJ/㎡、年間平均雲量は 6.5であった。

天竜地域気象観測所における平成 26年の風向別出現頻度および風向別平均風速を図 4.1.3に

示す。同観測所における最多風向は北北西(全体の 31.5%)で、平均風速 2.4 m/sであった。

表 4.1.1 主な気象要素の平年値注(天竜地域気象観測所、静岡地方気象台)

天竜地域気象観測所 静岡地方気象台

気 温 (℃) 降水量 (㎜) 平均風速

(m/s) 最多風向

全天日射量 (MJ/㎡)

雲量

平均 最高 最低 合計 平均 平均

1 月 5.3 10.7 0.5 61.4 1.3 北北東 9.9 4.4

2 月 6.2 11.8 1.1 88.6 1.4 北北東 12.1 5.2

3 月 9.3 15.1 4.1 189.9 1.5 北北東 13.9 6.4

4 月 14.4 20.4 9.1 193.5 1.6 北北東 16.7 6.7

5 月 18.5 24.3 13.5 221.0 1.5 北北東 17.7 7.6

6 月 21.9 27.2 17.8 279.8 1.3 南西 15.8 8.5

7 月 25.6 30.9 21.8 239.5 1.3 南西 16.7 8.1

8 月 26.8 32.5 22.9 212.2 1.5 北北東 18.0 7.2

9 月 23.7 29.1 20.0 274.4 1.3 北北東 13.7 7.6

10 月 18.2 23.7 14.2 168.0 1.4 北北東 11.4 6.7

11 月 12.8 18.4 8.3 117.9 1.4 北北東 9.5 5.4

12 月 7.6 13.3 2.7 54.4 1.3 北北東 9.0 4.0

年 間 15.9 32.5 0.5 2,100.3 1.4 北北東 13.7 6.5 注)平年値は、統計期間 30年(1981~2010年)である。 出典)「気象統計情報」(気象庁ホームページ)

図 4.1.2 気温と降水量の平年値の月別推移(天竜地域気象観測所)

0

5

10

15

20

25

30

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0

50

100

150

200

250

300

350

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

降水量

平均気温

降水量(

mm)

平均気温

(℃)

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風向 出現頻度(%) 平均風速(m/s)

N 23.8 2.5

NNE 4.5 1.7

NE 1.4 1.3

ENE 0.8 1.1

E 0.9 1.2

ESE 1.6 1.3

SE 2.1 1.9

SSE 4.5 2.4

S 5.1 2.4

SSW 5.4 2.3

SW 4.2 2.3

WSW 2.8 1.6

W 2.1 1.5

WNW 2.7 1.9

NW 5.9 2.3

NNW 31.5 3.1

Calm 0.7 -

合計 100.0 2.4

注)Calm:0.2m/s以下

図 4.1.3 風向別出現頻度及び風向別平均風速(平成 26年、天竜気象観測所)

:出現頻度 :平均風

速 N

NNE

NE

ENE

E

ESE

SE

SSE

S

SSW

SW

WSW

W

WNW

NW

NNW(%)

(m/s) Calm:0.7%6.0

4.0

2.0

0.0

0

10

20

30

平均風速

2.4m/s

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4.1.2 水象

(1) 河川

事業予定地周辺における河川分布および河川の水文水質観測所の位置を図 4.1.4に、河川の

概要を表 4.1.2に示す。

事業予定地は、天竜川水系の長石川の流域に位置している。長石川(延長 1,800m)は東方

向へ流下しながら、阿多古川と合流しその直後に天竜川へと流入している。

長石川および阿多古川における流況等の観測記録はないが、天竜川の鹿島観測所における過

去5年間(平成 21年~平成 25年)の流況は表 4.1.3に示すとおりであり、平均流量は毎秒

150.06~327.93㎥、年総量は 47 億 4,537万~103億 4,167万 ㎥であった。

表 4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

水系名 管理区分 河川名 延長(m) 終点

天竜川 一級河川

天 竜 川 95,350

(静岡県のみ) 海に至る

二 俣 川 20,380 天竜川への合流点

阿 多 古 川 22,620 天竜川への合流点

長 石 川 1,800 阿多古川への合流点

米 沢 川 1,200 天竜川への合流点

都田川 二級河川 都 田 川 49,940 海に至る

灰 ノ 木 川 4,260 都田川への合流点

出典)「静岡県河川指定調書 平成 26年 4月 30日現在」(静岡県)

表 4.1.3 天竜川の流況(鹿島観測所)

観測年

流量(m3/s) 年総量

(×106 ㎥) 豊水*1 流量

平水*2 流量

低水*3 流量

渇水*4 流量

最大 流量

最小 流量

平均 流量

平成 21年 255.67 167.31 101.63 72.42 1,569.46 33.78 211.07 6,656.21

平成 22年 387.79 220.98 155.15 91.90 4,615.51 72.30 317.66 10,017.65

平成 23年 340.92 200.90 126.16 95.98 7,500.37 79.45 327.93 10,341.67

平成 24年 228.92 130.63 95.47 87.03 3,633.73 83.21 194.12 6,138.60

平成 25年 196.73 130.08 96.68 88.65 5,612.46 86.70 175.55 5,536.02

注 1)豊水流量:1年を通じて 95日はこれを下らない流量 注 2)平水流量:1年を通じて 185日はこれを下らない流量 注 3)低水流量:1年を通じて 275日はこれを下らない流量

注 4)渇水流量:1年を通じて 355日はこれを下らない流量 出典)「水文水質データベース」(国土交通省ホームページ)

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図 4.1.4 河川分布と水文水質観測所の位置

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(2) 湖沼

「日本の湖沼環境Ⅱ」(平成7年 12月、環境庁)は原則として1ha以上の天然湖沼を調査

対象としているが、事業予定地周辺には、同資料に掲載されている湖沼はない。

(3) 地下水

事業予定地周辺の観測井戸における地下水位の経年変化(年平均値)を表 4.1.4及び図 4.1.5

に、観測井戸の位置を図 4.1.6に示す。

地下水位の観測地点である旧尾野公民館における水位は、平成5年の観測開始から平成 14

年までは概ね低下する傾向にあったが、その後上昇し始め、平成 24年には観測開始以降最高

の水位を記録している。

なお、事業予定地は、「静岡県地下水の採取に関する条例」(昭和 52年静岡県条例第 25号)

に基づく規制地域には指定されていない。

事業予定地周辺の湧水について、「静岡県の湧き水 100」(平成 14年 4月、静岡新聞社)で

選定されている湧水を表 4.1.5に、湧水の位置を図 4.1.6に示す。

事業予定地に最も近い湧水は、事業予定地から南東約 1.4㎞に位置する岩水寺赤池がある。

表 4.1.4 地下水位の経年変化

観測地点の概況 観 測 年 水位(年平均値)

(海抜標高)

旧尾野公民館 井戸の深さ:110m ストレーナーの深さ:52.0~60.0m 海抜標高:37.92m 設置年月:平成 5年 8 月

平成 6年 13.42 m

平成 7年 12.70 m

平成 8年 11.63 m

平成 9年 11.29 m

平成 10年 12.44 m

平成 11年 11.38 m

平成 12年 11.10 m

平成 13年 11.37 m

平成 14年 11.24 m

平成 15年 12.16 m

平成 16年 12.67 m

平成 17年 12.96 m

平成 18年 13.01 m

平成 19年 13.25 m

平成 20年 13.05 m

平成 21年 13.68 m

平成 22年 13.98 m

平成 23年 14.22 m

平成 24年 14.27 m

平成 25年 13.81 m 注)観測開始年は観測井を設置後、初めの 1月から 12月まで通して観測を行った年とする。

出典)「浜松市の環境の現状と対策(平成 26年度版)」(平成 26年 11月、浜松市)

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資料)「浜松市の環境の現状と対策(平成 26年度版)」(平成 26年 11月、浜松市)

図 4.1.5 地下水位の経年変化(年平均値)

表 4.1.5 事業予定地周辺における湧水

名 称 所 在 地

清瀧寺 浜松市天竜区二俣町二俣

岩水寺赤池 浜松市浜北区根堅

八幡神社 浜松市天竜区二俣町鹿島

資料)「静岡県の湧き水 100」(平成 14年 4月、静岡新聞社)

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図 4.1.6 観測井戸及び湧水の位置

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(4) 利水状況

事業予定地周辺の水利用状況を表 4.1.6に、利水現況図を図 4.1.7に示す。

天竜川の中・下流部(長野県天竜峡~河口)における水利用は、発電用水が全体の 95.78%

とほとんどを占め、次いで農業用水 2.34%、工業用水と水道用水がともに 0.21%となってい

る。

利水現況図によると、事業予定地より下流域には農業用水の取水口が分布し、事業予定地の

地下には三方原用水(取水口:秋葉ダム秋葉取水工、受益地 5,225ha)幹線用水路トンネル部

が位置している。

表 4.1.6 天竜川水系の水利用状況(中・下流部:長野県天竜峡~河口)

種 別 最大取水量(m3/s)

発電用水 1,902.778 (95.78%)

水道用水 4.184 ( 0.21%)

工業用水 4.113 ( 0.21%)

農業用水 46.444 ( 2.34%)

その他 29.051 ( 1.46%)

合 計 1,986.570 (100.00%)

出典)「天竜川水系流域及び河川の概要」(平成 20年 7月 25日、国土交通省)

(5) 水源かん養状況

事業予定地周辺における森林法(昭和 26年 6月 26日法律第 249号)に基づき指定された水

源かん養保安林の概要を表 4.1.7 に、位置を図 4.1.8に示す。

浜北区尾野に分布する水源かん養保安林は、おおよそ静岡県立森林公園にあたり、馬込川水

系となる。

表 4.1.7 水源かん養保安林の概要

保 安 林 種 所 在 地 保安林指定面積

水源かん養 浜北区尾野東ノ谷池上 2597-1 13.1784 ha

出典)「静岡県森林情報共有システム」(静岡県ホームページ)

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図 4.1.7 事業予定地周辺の利水状況

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図 4.1.8 事業予定地周辺の水源かん養保安林

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4.1.3 地形・地質

(1) 地形

事業予定地周辺の地形分類図を図 4.1.9に示す。

事業予定地は、赤石山脈の南裾に分布する引佐山地の辺縁に位置し、その南側には三方原台

地、浜松平野が分布している。

地形分類の観点では、事業予定地は小起伏山地(起伏量 400~200m)の下方に続く丘陵地(起

伏量 200~100m)に位置し、一部に砂礫質の谷底平野が分布している。

「自然環境保全基礎調査 静岡県すぐれた自然図」(昭和 50、51年、環境庁)、「日本の地

形レッドデータブック第1集-危機にある地形-」(平成 12年 12月、古今書院)及び「日本

の地形レッドデータブック第2集-保存すべき地形-」(平成 14年3月、古今書院)によると、

事業予定地およびその周辺に貴重な地形は記載されていない。

(2) 地質

事業予定地周辺の表層地質図を図 4.1.10に示す。

事業予定地は、東縁を赤石構造線に、北西縁を中央構造線に接した三角地帯にあたり、御苛

鉾(みかぶ)帯の南側に位置する秩父帯に分布している。

表層地質の観点では、事業予定地は北半が古生代のチャートが、南半に洪積世の砂礫からな

る段丘堆積物が分布している。前者の岩体は、硬さ「中」、岩片の硬さ「中」、風化状態「深

い風化」である一方、後者の岩体は、硬さ「軟」、岩片の硬さ「中」、風化状態「中程度風化」

であった。

「自然環境保全基礎調査 静岡県すぐれた自然図」(昭和 50、51年、環境庁)によると、事

業予定地およびその周辺に貴重な地質は記載されていない。

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図 4.1.9 地形分類

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図 4.1.10 表層地質

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4.1.4 動物・植物

(1) 動物

ア 動物相(外来動物含む)

事業予定地周辺の動物相について既存文献を収集・整理した結果、タヌキ、ニホンジカ等

の哺乳類7目 15 科 26種、ヒヨドリ、ヤマガラ、メジロ等の鳥類 18目 53科 232種、ニホン

カナヘビ、アオダイショウ等の爬虫類2目5科 11種、ニホンアマガエル、ヌマガエル等の

両生類2目5科 14種、モツゴ、ドジョウ、ナマズ等の淡水魚類9目 17科 53種、アキアカネ、

ヒグラシ、ヒラタクワガタ、ナミアゲハ等の昆虫類 20目 301科 2,059種、イトミミズ、カワ

ニナ、サワガニ等の底生動物(水生昆虫含む)21目 72科 152種、ヤマタニシ、ニッポンマ

イマイ、ウスカワマイマイ等の陸・淡水産貝類4目 18科 77種の生息記録があった。

また、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成 16年 6月 2日

法律第 78号」(以下、外来生物法)の特定外来生物・未判定外来生物として、哺乳類アライ

グマ、鳥類ソウシチョウ、は虫類アカミミガメ、両生類ウシガエル、淡水魚類オオクチバス、

ブルーギル、淡水産貝類カワヒバリガイの計7種の生息記録があった。

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イ 注目すべき動物

既存文献調査結果から、表 4.1.8に示す選定根拠に基づき注目すべき種を抽出した。

その内訳は、表 4.1.9(1)~(10)に示すとおり、哺乳類3目5科7種、鳥類 12目 27科 63

種、は虫類1目2科2種、両生類2目4科7種、魚類8目 11科 20種、昆虫類(底生動物の

水生昆虫含む)7目 27科 53種、陸・淡水産貝類3目 10科 30種である。

表 4.1.8 注目すべき種の選定根拠(動物)

略号 法律または文献 種別

文 化 財 保 護 法 ( 昭 和 25年 5月 30日 法律第 214号)、 静岡県文化財保護条例(昭和 36年 3月 28日 静岡県条例 23号)、 浜松市文化財保護条例 (昭和 52年 3月 30日 浜松市条例第28号)

国指定特別天然記念物 国指定天然記念物 県指定天然記念物 市指定天然記念物

Ⅱ 絶 滅 の お そ れ の あ る 野 生 動 植 物 の種 の 保 存 に 関 す る 法 律 ( 平 成 4年 6月 5日 法律第 75号)

特定国内希少野生動植物種 国内希少野生動植物種 国際希少野生動植物種

Ⅲ 静岡県希少野生動植物保護条例 (平成 23年 4月 1日 条例第 37号)

指定希少野生動植物種

レッドデータブック 2014<哺乳類、鳥類、爬虫類・両生類、貝類、その他無脊椎動物、汽水・淡水魚類、昆虫類> (平成 26年・平成 27年、編集:環境省 自 然 環 境 局 野 生 生 物 課 希 少 種 保全推進室)

絶滅 (EX) 野生絶滅 (EW) 絶滅危惧Ⅰ A類 (CR) 絶滅危惧Ⅰ B類 (EN) 絶滅危惧Ⅱ類 (VU) 準絶滅危惧 (NT) 情報不足 (DD) 絶滅のおそれのある地域個体群 (LP)

ま も り た い 静 岡 県 の 野 生 生 物 ― 県版レッドデータブック―動物編 (平成 16年、編集:静岡県自然環境調査委員会・企画:静岡県環境森林部自然保護室課)

絶滅 (EX) 野生絶滅 (EW) 絶滅危惧Ⅰ A類 (CR) 絶滅危惧Ⅰ B類 (EN) 絶滅危惧Ⅱ類 (VU) 準絶滅危惧 (NT) 情報不足 (DD) 絶滅のおそれのある地域個体群 (LP) 現状不明 (N-Ⅰ ) 分布上注目種等 (N-Ⅱ ) 部会注目種 (N-Ⅲ )

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表 4.1.9(1) 注目すべき種(哺乳類)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

翼手 キクガシラコウモリ キクガシラコウモリ NT コキクガシラコウモリ NT ヒナコウモリ モモジロコウモリ VU 齧歯 リス ニホンリス N-Ⅲ ムササビ NT ネズミ カヤネズミ NT 偶蹄 ウシ ニホンカモシカ 特天

3 目 5 科 7 種 1 種 0 種 0 種 0 種 6 種

表 4.1.9(2) 注目すべき種(鳥類-1)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

ミズナギドリ ミズナギドリ シロハラミズナギドリ DD コウノトリ サギ ヨシゴイ NT EN ミゾゴイ VU EN チュウサギ NT カラシラサギ NT コウノトリ コウノトリ 特天 国内 CR カモ カモ ヒシクイ 国天 VU ツクシガモ VU オシドリ DD トモエガモ VU VU アカハジロ DD ミコアイサ NT タカ タカ ミサゴ NT N-Ⅲ ハチクマ NT VU オジロワシ 国天 国内 VU EN オオワシ 国天 国内 VU N-Ⅱ オオタカ 国内 NT VU ハイタカ NT VU サシバ VU VU クマタカ 国内 EN VU ハイイロチュウヒ N-Ⅱ チュウヒ EN EN ハヤブサ ハヤブサ 国内 VU VU コチョウゲンボウ N-Ⅲ キジ キジ ウズラ VU VU ヤマドリ NT ツル ツル ナベヅル VU クイナ クイナ NT ヒクイナ NT EN

特天: 特別天然記念物 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅲ: 部会注目種

Page 18: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

34

表 4.1.9(3) 注目すべき種(鳥類-2)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

チドリ タマシギ タマシギ VU VU チドリ イカルチドリ NT シロチドリ VU VU ケリ DD タゲリ NT シギ ヒバリシギ VU ウズラシギ VU ハマシギ NT タカブシギ VU VU ホウロクシギ VU VU ヤマシギ DD セイタカシギ セイタカシギ VU NT ツバメチドリ ツバメチドリ VU カモメ コアジサシ 国際 VU EN フクロウ フクロウ コミミズク EN コノハズク EN オオコノハズク DD アオバズク VU フクロウ NT ヨタカ ヨタカ ヨタカ NT VU ブッポウソウ カワセミ ヤマセミ VU アカショウビン EN ブッポウソウ ブッポウソウ EN CR キツツキ キツツキ アリスイ NT オオアカゲラ NT スズメ ツバメ コシアカツバメ NT

サンショウク

イ サンショウクイ VU EN

モズ チゴモズ CR CR アカモズ EN EN ツグミ ノビタキ N-Ⅱ ウグイス イイジマムシクイ 国天 VU DD ヒタキ コサメビタキ VU

カササギヒタ

キ サンコウチョウ NT

ホオジロ ミヤマホオジロ NT 12 目 27 科 63 種 5 種 7 種 0 種 39 種 51 種

特天: 特別天然記念物 CR: 絶滅危惧 IA 類 DD: 情報不足 国天: 国指定天然記念物 EN: 絶滅危惧 IB 類 N-Ⅱ: 分布上注目種等 国際: 国際希少野生動植物種 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-Ⅲ: 部会注目種 国内: 国内希少野生動植物種 NT: 準絶滅危惧

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35

表 4.1.9(4) 注目すべき種(は虫類)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

トカゲ トカゲ ニホントカゲ N-Ⅱ ヘビ シロマダラ DD

1 目 2 科 2 種 0 種 0 種 0 種 0 種 2 種

表 4.1.9(5) 注目すべき種(両生類)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

サンショウウオ イモリ イモリ NT カエル ヒキガエル アズマヒキガエル N-Ⅲ アカガエル ニホンアカガエル VU トノサマガエル NT N-Ⅲ ナゴヤダルマガエル EN CR アオガエル カジカガエル NT モリアオガエル NT

2 目 4 科 7 種 0 種 0 種 0 種 2 種 7 種

表 4.1.9(6) 注目すべき種(魚類)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

ヤツメウナギ ヤツメウナギ スナヤツメ VU EN ウナギ ウナギ ウナギ EN オオウナギ N-Ⅲ サケ サケ アマゴ NT N-Ⅱ コイ コイ カワムツ N-Ⅱ カワバタモロコ 指定 EN CR ヤリタナゴ 指定 NT CR ドジョウ ドジョウ DD トウカイコガタスジシマドジョウ EN EN シマドジョウ N-Ⅱ ホトケドジョウ EN VU トウカイナガレホトケドジョウ EN NT ナマズ アカザ アカザ VU EN ダツ メダカ ミナミメダカ VU NT スズキ ユゴイ ユゴイ N-Ⅲ カワアナゴ オカメハゼ N-Ⅲ

カワアナゴ N-Ⅲ

カサゴ カジカ アユカケ NT カジカ EN ウツセミカジカ VU

8 目 10 科 20 種(移入種を除く) 0 種 0 種 2 種 11 種 18 種

DD: 情報不足 N-Ⅱ: 分布上注目種等

CR: 絶滅危惧ⅠA 類 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-Ⅲ: 部会注目種 EN: 絶滅危惧ⅠB 類 NT: 準絶滅危惧

指定: 指定希少野生動植物種 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-Ⅱ: 分布上注目種等 CR: 絶滅危惧 IA 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅲ: 部会注目種 EN: 絶滅危惧 IB 類 DD: 情報不足

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36

表 4.1.9(7) 注目すべき種(昆虫類 -1)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

I Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

トンボ イトトンボ オオイトトンボ CR ベニイトトンボ NT CR ヒヌマイトトンボ EN CR モートンイトトンボ NT VU モノサシトンボ グンバイトンボ NT CR アオイトトンボ コバネアオイトトンボ EN CR サナエトンボ キイロサナエ NT VU タベサナエ NT VU フタスジサナエ NT VU ヤンマ アオヤンマ NT VU エゾトンボ トラフトンボ VU キイロヤマトンボ NT CR ハネビロエゾトンボ VU VU トンボ ハッチョウトンボ EN キトンボ CR オオキトンボ EN CR バッタ コオロギ クチナガコオロギ N-Ⅱ カメムシ コオイムシ コオイムシ NT N-Ⅲ タガメ VU DD コウチュウ オサムシ オオヒョウタンゴミムシ NT NT アオヘリアオゴミムシ CR ゲンゴロウ ケシゲンゴロウ NT キボシケシゲンゴロウ DD キベリマメゲンゴロウ NT クロゲンゴロウ NT DD ゲンゴロウ VU VU ミズスマシ オオミズスマシ NT コオナガミズスマシ VU ミズスマシ VU DD ガムシ シジミガムシ EN ガムシ NT NT ホタル ヘイケボタル NT ハチ セイボウ オオセイボウ本土亜種 DD アリ トゲアリ VU ベッコウバチ フタモンベッコウ NT スズメバチ ヤマトアシナガバチ DD アナバチ フジジガバチ NT ヤマトスナハキバチ DD トビケラ ヒゲナガトビケラ ギンボシツツトビケラ NT

市天: 市指定天然記念物 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-Ⅰ: 現状不明 CR: 絶滅危惧 IA 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅱ: 分布上注目種等 EN: 絶滅危惧 IB 類 DD: 情報不足 N-Ⅲ: 部会注目種

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表 4.1.9(8) 注目すべき種(昆虫類 -2)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

I Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

チョウ セセリチョウ ギンイチモンジセセリ NT N-Ⅱ アゲハチョウ ギフチョウ 市天 VU NT シロチョウ ツマグロキチョウ EN ヒメシロチョウ EN VU シジミチョウ ウラナミアカシジミ VU ミヤマシジミ EN NT クロシジミ EN VU シルビアシジミ EN CR タテハチョウ コムラサキ N-Ⅱ ウラギンスジヒョウモン VU ホシミスジ N-Ⅱ オオムラサキ NT N-Ⅲ ジャノメチョウ ヒメヒカゲ CR クロヒカゲモドキ EN NT ウラナミジャノメ VU シャチホコガ カバイロシャチホコ NT N-Ⅰ

7 目 27 科 55 種 1 種 0 種 0 種 44 種 53 種

表 4.1.9(9) 注目すべき種(陸・淡水産貝類 -1)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

I Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

アマオブネガイ ゴマオカタニシ ゴマオカタニシ NT ベニゴマオカタニシ VU 盤足 ヤマタニシ サドヤマトガイ NT トウカイヤマトガイ VU DD カワザンショウガイ ヨシダカワザンショウガイ VU ホラアナゴマオカチグサ CR+EN NT 柄眼 キバサナギガイ ナタネキバサナギガイ VU VU ラッパガイ クチマガリスナガイ VU NT マキミゾガイ ヒラドマルナタネガイ NT キセルガイ エルベリギセル DD ツメギセル NT ハチノコギセル NT オオギセル NT ミカワギセル NT ホウライジギセル CR+EN EN ベッコウマイマイ タカキビ NT ヒメカサキビ NT オオウエキビ DD ヒメハリマキビ NT ウメムラシタラガイ NT ミドリベッコウ DD キヌツヤベッコウ DD

市天: 市指定天然記念物 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-Ⅰ: 現状不明 CR: 絶滅危惧 IA 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅱ: 分布上注目種等 EN: 絶滅危惧 IB 類 DD: 情報不足 N-Ⅲ: 部会注目種

CR: 絶滅危惧 IA 類 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 DD: 情報不足 EN: 絶滅危惧 IB 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅲ: 部会注目種

Page 22: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

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4.1.9(10) 注目すべき種(陸・淡水産貝類 -2)

目名 科名 和名 注目すべき種の選定根拠

I Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ

柄眼 ナンバンマイマイ ミニビロウドマイマイ VU DD キヌビロウドマイマイ NT ヒメビロウドマイマイ VU オナジマイマイ コケラマイマイ NT オモイガケナマイマイ CR+EN CR イシマキシロマイマイ VU NT ミヤマヒダリマキマイマイ VU NT ミカワマイマイ CR+EN EN

3 目 10 科 30 種 0 種 0 種 0 種 28 種 12 種

CR: 絶滅危惧 IA 類 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 DD: 情報不足 EN: 絶滅危惧 IB 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅲ: 部会注目種

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39

(2) 植物

ア 植生の状況

事業予定地周辺の現存植生を図 4.1.11に示す。

平成 11年より環境省が整備を進めている 1/2.5万植生図によると、事業予定地周辺の植生

は、丘陵地から山地にかけて、主にスギ・ヒノキ・サワラ植林、アカマツ群落(二次林)、

シイ・カシ二次林などが分布しており、天竜川沿いの河川沿いの低地に、水田雑草群落、市

街地、緑の多い住宅地、河川敷にヤナギ高木群落や低木群落などが広がっている。自然植生

の多くは代償植生、植林、耕作地および市街地、ゴルフ場・芝地に置き換わっている。

事業予定地は、スギ・ヒノキ・サワラ植林、アカマツ群落(二次林)、シイ・カシ二次林

等に被われており、自然植生は分布しない。

イ 植物相

事業予定地周辺における既存文献を収集・整理した結果、コナラ、アカマツ、アラカシ、

エノキ、ネザサ等の維管束植物(シダ植物及び種子植物)180科 1,978種の生育記録があっ

た。

また、外来生物法の特定外来生物・未判定外来生物を対象として、アレチウリ、オオフサ

モ、ブラジルチドメグサ、オオキンケイギクの計 4種の生育記録があった。

ウ 注目すべき植物

既存文献調査結果から、表 4.1.10に示す選定根拠に基づき、注目すべき種を抽出した。

注目すべき植物は、表 4.1.11(1)~(5)に示すとおり、サクラバハンノキ、カザグルマ等の

維管束植物 72科 235 種である。

「第4回自然環境保全基礎調査 日本の巨樹・巨木林」(平成3年、環境庁)によると、

事業予定地周辺には、表 4.1.12 及び図 4.1.12に示すとおり、市指定天然記念物をはじめ巨

樹・巨木 15 本が確認されているが、事業予定地には巨樹・巨木は分布しない。

一方、「第2回・第3回・第5回自然環境保全基礎調査」(昭和 53年、昭和 63年及び平

成 12年、環境庁)によると、事業予定地周辺には、表 4.1.13及び図 4.1.13に示すとおり、

特定植物群落の「県立森林公園のアカマツ林」、「高根金刀比羅神社のシイ林」、「観音山

学術参考保護林」の3件が分布しているが、事業予定地には特定植物群落は分布しない。

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図 4.1.11 現存植生

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41

表 4.1.10 注目すべき種の選定根拠(植物)

略号 法律または文献 種別

文 化 財 保 護 法 ( 昭 和 25年 5月 30日 法律第 214号) 静岡県文化財保護条例(昭和 36年 3月 28日 静岡県条例 23号) 浜松市文化財保護条例(昭和 52年 3月 30日 浜松市条例第 28号)

国指定特別天然記念物 国指定天然記念物 県指定天然記念物 市指定天然記念物

Ⅱ 絶 滅 の お そ れ の あ る 野 生 動 植 物 の種 の 保 存 に 関 す る 法 律 ( 平 成 4年 6月 5日 法律第 75号)

特定国内希少野生動植物種 国内希少野生動植物種 国際希少野生動植物種

Ⅲ 静岡県希少野生動植物保護条例 (平成 23年 4月 1日 条例第 37号)

指定希少野生動植物種

レッドデータブック 2014<植物> (平成 27年、編集:環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室)

絶滅 (EX) 野生絶滅 (EW) 絶滅危惧Ⅰ A類 (CR) 絶滅危惧Ⅰ B類 (EN) 絶滅危惧Ⅱ類 (VU) 準絶滅危惧 (NT) 情報不足 (DD) 絶滅のおそれのある地域個体群 (LP)

ま も り た い 静 岡 県 の 野 生 生 物 ― 県版レッドデータブック―動物編 ( 2004年、編集:静岡県自然環境調査委員会・企画:静岡県環境森林部自然保護室課)

絶滅 (EX) 野生絶滅 (EW) 絶滅危惧Ⅰ A類 (CR) 絶滅危惧Ⅰ B類 (EN) 絶滅危惧Ⅱ類 (VU) 準絶滅危惧 (NT) 情報不足 (DD) 絶滅のおそれのある地域個体群 (LP) 現状不明 (N-Ⅰ ) 分布上注目種等 (N-Ⅱ ) 部会注目種 (N-Ⅲ )

Ⅵ 自然公園法第 20条第 3項第 11号の規定により環境大臣の指定する植物 (昭和 32年 6月 1日 法律第 161号)

天 竜 奥 三 河 国 定 公 園 特 別 地 域 に お ける指定植物

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42

表 4.1.11(1) 注目すべき種(維管束植物 -1)

目名 科名 和名 注目すべき種選定基準

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ

シダ植物 マツバラン マツバラン NT VU ●

ミズニラ ミズニラ NT VU

ハナヤスリ ハマハナヤスリ N-Ⅲ

ゼンマイ ヤシャゼンマイ ●

コケシノブ コケホラゴケ NT

ホングウシダ エダウチホングウシダ N-Ⅲ

ウチワホラシノブ EX

シシラン タキミシダ EN VU ●

チャセンシダ テンリュウヌリトラノオ VU N-Ⅲ

ヒノキシダ VU

オクタマシダ VU

クモノスシダ ●

ハヤマシダ N-Ⅱ

アオガネシダ ●

オシダ ツクシイワヘゴ N-Ⅲ

タカサゴシダ NT N-Ⅱ

ヌカイタチシダモドキ N-Ⅲ

アツギノヌカイタチシダマガイ VU

イワデンダ ヒトツバシケシダ EN

ウスバミヤマノコギリシダ N-Ⅲ

コガネシダ EN

ウラボシ ツノダシクリハラン N-Ⅱ

ヤノネシダ ●

アオネカズラ N-Ⅲ

デンジソウ デンジソウ VU EN

アカウキクサ アカウキクサ EN VU

離弁花類 カバノキ サクラバハンノキ NT NT

ハシバミ N-Ⅰ

ニレ コバノチョウセンエノキ EN

タデ ナガバノウナギツカミ NT

コギシギシ VU EN

キンポウゲ ヒメイチゲ ●

キクザキイチゲ N-Ⅲ ●

カザグルマ NT VU ●

オキナグサ VU EN ●

メギ イカリソウ ●

ツヅラフジ ハスノハカズラ N-Ⅲ

スイレン ジュンサイ NT

ヒメコウホネ VU DD

ヒツジグサ EN

ウマノスズクサ カギガタアオイ EN VU

イワタカンアオイ VU VU

ヒメカンアオイ ●

オトギリソウ アゼオトギリ EN EN

モウセンゴケ ナガバノイシモチソウ VU EN

イシモチソウ NT VU

モウセンゴケ ●

アブラナ ミヤマハタザオ ●

マンサク コウヤミズキ VU

ユキノシタ ミカワチャルメルソウ N-Ⅱ

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43

表 4.1.11(2) 注目すべき種(維管束植物 -2)

目名 科名 和名 注目すべき種選定基準

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ

ウメバチソウ ●

タコノアシ NT NT

バイカアマチャ ●

ヤブサンザシ VU

バラ ナガボノアカワレモコウ N-Ⅲ

マメ ミヤマトベラ VU ●

レンリソウ VU

イヌハギ VU EN

ヒメハギ カキノハグサ ●

ヒナノカンザシ VU

ツゲ ツゲ N-Ⅲ

ジンチョウゲ コショウノキ ●

スミレ キスミレ VU

サンシキスミレ N-Ⅰ

ミソハギ ミズキカシグサ VU EN

ヒシ ヒメビシ VU EN

アリノトウグサ タチモ NT EN

セリ ミシマサイコ VU VU

カワラボウフウ N-Ⅰ

合弁花類 イワウメ ヤマイワカガミ ●

イチヤクソウ ウメガサソウ ●

ギンリョウソウ ●

ツツジ サラサドウダン ●

ドウダンツツジ ●

カイナンサラサドウダン VU ●

ミツバツツジ ●

サツキ ●

シロヤシオ ●

コバノミツバツツジ ●

シブカワツツジ VU NT

ナガボナツハゼ CR EN

ヤブコウジ オオツルコウジ EN EN

マチン ヒメナエ VU VU

リンドウ リンドウ ●

イヌセンブリ VU NT

センブリ ●

ムラサキセンブリ NT VU

ミツガシワ ヒメシロアサザ VU VU

ガガブタ NT VU

ガガイモ フナバラソウ VU

クサナギオゴケ VU NT

スズサイコ NT NT

アカネ ヒロハコンロンカ N-Ⅱ

イナモリソウ N-Ⅲ ●

ハクチョウゲ EN

ヒルガオ マメダオシ CR

ムラサキ ムラサキ EN EN

シソ タチキランソウ NT NT ●

ミズトラノオ VU EN

キセワタ VU VU

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44

表 4.1.11(3) 注目すべき種(維管束植物 -3)

目名 科名 和名 注目すべき種選定基準

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ

ヤマジソ NT VU

シマジタムラソウ VU VU

ミゾコウジュ NT NT

ヤマジノタツナミソウ VU

ホナガタツナミソウ N-Ⅲ

ナス ヤマホオズキ EN EN

ゴマノハグサ ゴマクサ VU EN

イズコゴメグサ EN VU

オオアブノメ VU VU

スズメハコベ VU VU

オオヒキヨモギ VU NT

ハマウツボ ハマウツボ VU VU

タヌキモ ノタヌキモ VU VU

フサタヌキモ EN CR

ミカワタヌキモ VU EN

ヒメタヌキモ NT EN

ヒメミミカキグサ EN EN

イヌタヌキモ NT VU

ムラサキミミカキグサ NT VU

スイカズラ ヤマヒョウタンボク N-Ⅲ

マツムシソウ マツムシソウ ●

キキョウ ツルギキョウ VU VU

シブカワニンジン N-Ⅱ

バアソブ VU

サワギキョウ N-Ⅲ ●

キキョウ VU VU ●

キク エンシュウハグマ ●

シブカワシロギク EN VU

ウラギク NT VU

フジバカマ NT VU

アキノハハコグサ EN VU

ホソバニガナ EN VU

ノニガナ N-Ⅲ

カワラニガナ NT NT

ハンカイソウ ●

ネコヤマヒゴタイ VU EN

ヒメヒゴタイ VU VU

キクアザミ ●

単子葉植物 オモダカ マルバオモダカ VU EN

アギナシ NT VU

トチカガミ スブタ VU VU

トチカガミ NT VU

ヒルムシロ ヒロハノエビモ N-Ⅰ

イトモ NT VU

カワツルモ NT VU

イトクズモ イトクズモ VU VU

イバラモ ムサシモ EN EN

サガミトリゲモ VU VU

イトトリゲモ NT VU

イバラモ N-Ⅰ

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表 4.1.11(4) 注目すべき種(維管束植物 -4)

目名 科名 和名 注目すべき種選定基準

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ

ユリ アマナ N-Ⅲ ●

ヒロハノアマナ VU EN

ステゴビル VU EN

シライトソウ ●

チャボシライトソウ VU EN ●

カタクリ N-Ⅲ ●

ショウジョウバカマ ●

イワギボウシ ●

ヤマユリ ●

ササユリ ●

コオニユリ ●

ミカワバイケイソウ VU EN

ビャクブ ナベワリ ●

ミズアオイ ミズアオイ NT VU

アヤメ ノハナショウブ ●

カキツバタ NT VU

イグサ イヌイ N-Ⅰ

ホシクサ シラタマホシクサ VU VU

クロホシクサ VU EN

ゴマシオホシクサ EN EN

イネ ヒメコヌカグサ NT NT

ミギワトダシバ VU VU

コウヤザサ N-Ⅲ

ヒナザサ NT VU

ウンヌケモドキ NT VU

ウンヌケ VU VU

ウキクサ ヒンジモ VU VU

ミクリ ミクリ NT NT

オオミクリ VU VU

ヤマトミクリ NT VU

ナガエミクリ NT NT

ヒメミクリ VU VU

カヤツリグサ イトテンツキ NT VU

トダスゲ CR EN

ヤマアゼスゲ N-Ⅲ

ホソバヒカゲスゲ VU

ニシノホンモンジスゲ N-Ⅱ

マシカクイ N-Ⅱ

コマツカサススキ N-Ⅲ

マツカサススキ N-Ⅲ

カガシラ VU VU

ミカワシンジュガヤ VU EN

ケシンジュガヤ N-Ⅲ

ラン シラン NT NT ●

ムギラン NT NT ●

ミヤマムギラン NT NT ●

エビネ NT NT ●

ナツエビネ VU VU ●

キエビネ EN EN

ギンラン ●

Page 30: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

46

表 4.1.11(5) 注目すべき種(維管束植物 -5)

目名 科名 和名 注目すべき種選定基準

Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ

キンラン VU NT ●

シュンラン ●

カンラン EN CR

ナギラン VU VU

マヤラン VU EN

クマガイソウ VU VU ●

セッコク NT ●

ツチアケビ ●

オニノヤガラ ●

ハルザキヤツシロラン VU VU

クロヤツシロラン NT

ベニシュスラン N-Ⅲ ●

ミヤマウズラ ●

ムカゴトンボ EN CR

オオミズトンボ EN EN ●

サギソウ NT VU ●

ミズトンボ VU VU ●

カゲロウラン NT VU

ヤクシマアカシュスラン VU EN

ムヨウラン ●

ウスギムヨウラン NT NT

ジガバチソウ ●

クモキリソウ ●

アオフタバラン N-Ⅲ ●

フウラン VU VU ●

ヨウラクラン ●

コケイラン ●

ガンゼキラン VU CR

ヤマサギソウ ●

トキソウ NT EN

ヤマトキソウ VU ●

ムカデラン VU VU ●

カヤラン ●

クモラン ●

トンボソウ ●

- 72科 235種 8種 4種 4種 128種 178種 80種

CR: 絶滅危惧 IA 類 NT: 準絶滅危惧 N-Ⅱ: 分布上注目種等 EN: 絶滅危惧 IB 類 DD: 情報不足 N-Ⅲ: 部会注目種 VU: 絶滅危惧Ⅱ類 N-I: 現状不明 ●: 公園指定植物

Page 31: 第4章 対象事業実施区域及びその周囲の概況...150.06~327.93 、年総量は47億4,537万~103億4,167万 であった。 表4.1.2 事業予定地周辺の河川の概要

47

表 4.1.12 事業予定地周辺の巨樹・巨木

№ 名称 樹種 幹周(cm) 樹高(m)

1 船明の鳥居杉(二本杉) スギ 460 29

2 船明の鳥居杉(二本杉) スギ 870 32.5

3 - ムクノキ 370 23

4 - イチイガシ 500 42

5 - スギ 330 45

6 - スギ 570 27

7 - ヒノキ 370 38

8 男女杉 スギ 320 33

9 男女杉 スギ 470 37

10 - イチョウ 420 26

11 - スギ 440 27

12 - イチョウ 360 24

13 尾野のケヤキ ケヤキ 398 22

14 - エノキ 300 28

15 橘神社 クロマツ 320 -

表 4.1.13 事業予定地周辺の特定植物群落

№ 名称 選定基準 位置 標高(m) 面積(ha)

1 県立自然公園のアカマツ林 E 浜北県立森林公園内 100-125 200.0

2 高根金刀比羅神社のシイ林 E 浜北県立森林公園南西 100 1.0

3 観音山学術参考林 A 観音堂より西へ延びる尾根の南斜面 400-500 4.55

注)特定植物群落の選定基準の略号を以下に示す。

A: 原生林もしくはそれに近い自然林 E: 郷土景観を代表する植物群落で、特にその群落の特徴が典型的なもの

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図 4.1.12 巨樹・巨木

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図 4.1.13 特定植物群落

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4.1.5 自然災害

事業予定地周辺における土砂災害危険箇所を図 4.1.14 に、土砂災害警戒区域等を図 4.1.15 に、

指定区域(砂防三法)を図 4.1.16に示す。

事業予定地の東縁部は、急傾斜地崩壊危険箇所および土砂災害特別警戒区域に指定されてい

る。

また、浜松市における過去 10年間(平成 16年~平成 25年)の災害発生状況を表 4.1.14に示

す。ここでいう「災害」とは、暴風、豪雨、洪水、高潮、地震、津波、その他の異常な自然現象、

並びに大規模な事故のうち火災を除いたものである。

浜松市では、過去に台風、豪雨、大雨及び地震などの災害が発生しており、被害が大きかった

ものとしては、平成 16年 9月 4日~5日に発生した豪雨(住家床上浸水7棟、住家床下浸水 13

棟)、平成 23年 9月 15日の台風 15 号による災害(住家一部損壊 2棟、住家床上浸水 24棟、住

家床下浸水 24棟、重傷者 1人、軽傷者 33人)などが挙げられる。なお、平成 23年の台風 15号

では、事業予定地下流側の阿多古川が氾濫し、青谷地区および両島地区等を含む範囲で浸水被害

が発生した。

表 4.1.14 浜松市における過去 10年間(平成 16年~平成 25年)の災害発生状況

年 発生した災害 被害状況

平成 16年

豪雨(9月 4 日~5 日) 住家床上浸水:7棟 住家床下浸水:131棟

豪雨(11月 11日~12 日) 住家床上浸水:8棟 住家床下浸水:241棟 死者:1人

平成 17年 豪雨(7月 9 日~10日) 住家床上浸水:1棟 住家床下浸水:43棟

平成 18年 ― ―

平成 19年

暴風(1月 6 日~7 日) 住家一部損壊:1棟

台風 4号(7月 14日~15日) 住家半壊:1 棟

豪雨(7月 30日) 住家床下浸水:10棟

平成 20年 突風(7月 28日) 住家一部損壊:6棟 軽傷者:4 人

落雷(8月 5 日~6 日) 住家一部損壊:1棟 軽傷者:1 人

平成 21年

地震(8月 11日) 住家一部損壊:1棟 軽傷者:2 人

台風 18号(10月 7 日~8日) 住家半壊:1 棟 住家一部損壊:18 棟 軽傷者:3人

平成 22年

大雨(8月 12日) 住家床下浸水:1棟

大雨(9月 16日) 住家床下浸水:5棟

大雨(10月 31日~11 月 1日) 住家床下浸水:18棟

平成 23年

地震(8月 1 日) 重傷者:1人

台風 12号(8月 31 日) 軽傷者:1人

台風 15号(9月 19 日) 住家一部損壊:2棟 住家床上浸水:24棟 住家床下浸水:24棟 重傷者:1 人 軽傷者:33人

平成 24年

台風 4号(6月 19日) 住家床下浸水:4棟 軽傷者:9 人

大雨(8月 14日) 住家床下浸水:9棟

台風 17号(9月 30 日) 重傷者:1人 軽傷者:1人

平成 25年 台風 18号(9月 15 日) 軽傷者:6人 注)平成 17年以前の災害については、合併前の旧市町村を含めて記載した。 出典)「静岡県の災害年報」(静岡県ホームページ)

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図 4.1.14 土砂災害危険箇所

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図 4.1.15 土砂災害警戒区域等

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図 4.1.16 指定区域(砂防三法)

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4.1.6 景観

(1) 地域景観

事業予定地周辺の地域景観は、観音山(標高 575m)を擁する引佐山地、東側を流下する天

竜川、その支川の阿多古川、西側を流下する都田川、その支流の灰ノ木川、さらに南方向に広

がる三方原台地と浜松平野から構成されている。周辺の台地や低地、天竜川沿いには、農地や

住宅地、ゴルフ場などが広がっており、自然景観構成要素と人文景観構成要素が混在した景観

となっている。

事業予定地は、引佐山地の麓域に位置し、その内部景観は自然景観のみで構成されている。

なお、「第3回自然環境保全基礎調査 自然景観資源調査報告書(静岡県)」(平成元年、環

境庁)によると、事業予定地周辺の自然景観資源は表 4.1.15及び図 4.1.17に示すとおりであ

り、事業予定地に主要な自然景観資源は分布していない。

表 4.1.15 事業予定地周辺の自然景観資源

自然景観資源名 名 称

河成段丘 三方原

峡谷、渓谷 都田川

出典)「第3回自然環境保全基礎調査 自然景観資源調査報告書(静岡県)」(平成元年、環境庁)

(2) 主要な展望地点

事業予定地周辺における主要な展望地点を表 4.1.16及び図 4.1.17に示す。

事業予定地周辺には主要な眺望点3件が分布しており、事業予定地の西側の太平洋富士見平

が最も近くに位置している。

表 4.1.16 事業予定地周辺の主要な展望地点

区 分 № 名称

眺望点

1 観音山

2 太平洋富士見平

3 鳥羽山公園

出典)「浜松市観光協会」(浜松市観光協会ホームページ)

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図 4.1.17 自然景観資源と主要な展望地点

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(3) 景観形成方針

浜松市において、「浜松市景観計画」(平成 20年 11月策定・平成 26年 12月変更、浜松市)

により市内の景観形成方針が示されている。

浜松市の地域別景観形成方針を表 4.1.17に、地域別景観区域を図 4.1.18に示す。

事業予定地は、北部山地の中山間地域に該当し、「暮らしや伝統文化、産業を伝える施設や

街道筋の景観を保全・育成し、これと調和した魅力的なまち並み景観を形成する」とされてい

る。

表 4.1.17 浜松市の地域別景観形成方針

区 域 地 域 景 観 形 成 基 本 方 針

環浜名湖

浜名湖岸地域 雄大で美しい浜名湖の景観を保全・育成し、産業・レク

リエーションの場として活用した魅力的なまち並み景観を形成する。

奥浜名地域 都田川扇状地を囲う緑地景観を保全・育成し、身近な緑

地景観に調和したまち並み景観を形成する。

北部山地

北部森林地域 季節感あふれた森林景観を保全・育成し、これと調和し

た魅力的なまち並み景観を形成する。

中山間地域 暮らしや伝統文化、産業を伝える施設や街道筋の景観を

保全・育成し、歴史ある個性を活かしたまち並み景観を形成する。

天竜市街地 平野と山地を結ぶ交易の拠点として、歴史に育まれた景

観を保全・育成し、集積とまとまりのある魅力を継承したまち並み景観を形成する。

三方原台地

台地北部地域 防風林や散居形式の集落などの空間が広がる景観を保

全・育成し、これと産業技術拠点が調和したまち並み景観を形成する。

台地南部地域 特徴的な斜面緑地や佐鳴湖の景観を保全・育成し、身近

な自然と暮らしが調和したまち並み景観を形成する。

天竜川扇状地

市街地周辺地域

河川や農地、歴史ある街道沿いのまち並みなどが共存する景観を保全・育成し、それぞれの地域の個性を活かしたまち並み景観を形成する。

浜北市街地 広々とした扇状地平野の中の拠点市街地として、にぎわ

いのある魅力的な市街地景観を形成する。

都 心 風格と活力を備えた、魅力ある都心のまち並み景観を形

成する。

駅南・ 遠州灘沿岸

浜松駅南部連担 市街地

田園風景や連担市街地などが共存する景観を保全・育成し、それぞれの地域の個性を活かしたまち並み景観を形成する。

遠州灘沿岸地域

美しい砂丘や松林の景観を保全・育成し、身近な自然景観に調和したまち並み景観を形成する。

出典)「浜松市景観計画」(平成 26年 12月、浜松市)

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出典)「浜松市景観計画」(平成 26年 12月、浜松市)

図 4.1.18 浜松市の地域別景観区域

事業予定地

★ 事業予定地

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4.1.7 人と自然との触れ合い活動の場

事業予定地周辺における人と自然との触れ合い活動の場を表 4.1.18及び図 4.1.19に示す。

事業予定地を含む一帯は天竜奥三河国定公園に指定されており、事業予定地は第3種特別地域

に指定されている。

また、事業予定地周辺には、自然との触れ合いやレクリエーション等を目的とした静岡県立森

林公園が分布する。

その他、事業予定地周辺には、都市公園 26件、ハイキングコース6件、その他の観光施設等

6件が整備されている。

表 4.1.18 人と自然との触れ合い活動の場

区 分 № 名 称 № 名 称

国定公園 1-1 天竜奥三河国定公園 ― ―

自然ふれあい施設 2-1 静岡県立森林公園 ― ―

都市公園

3-1 船明ダム運動公園 3-14 大平公園

3-2 諏訪公園 3-15 御馬ヶ池緑地

3-3 仲町小道公園 3-16 大平第二公園

3-4 城山公園 3-17 根堅公園

3-5 城下公園 3-18 明神池運動公園

3-6 二俣本町公園 3-19 上ノ前公園

3-7 鳥羽山公園 3-20 中瀬四塔公園

3-8 西鹿島第二公園 3-21 尾野札木前公園

3-9 西鹿島第一公園 3-22 尾野公園

3-10 天竜川鹿島上島緑地 3-23 都田丸山緑地

3-11 上島桜堤公園 3-24 飛ケ谷緑地

3-12 向野公園 3-25 都田丸山第二緑地

3-13 岩水寺公園 3-26 沢上公園

ハイキングコース

4-1 市民の森ハイキングコース 4-4 観音山ハイキングコース

4-2 青谷不動の滝・鍾乳洞コース 4-5 麁玉 浜北区北部コース

4-3 遠州山辺の道 4-6 灰木散策Cコース

その他

5-1 森の家 5-4 浜北森林アスレチック

5-2 バードピア浜北 5-5 はままつフルーツパーク時之栖

5-3 木工体験館 5-6 滝沢キャンプ場

出典)「公園データ」、「浜松観光情報」、「浜北散歩マップ」(以上、浜松市ホームページ)、観光パンフレット等

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図 4.1.19 事業予定地周辺の野外レクリエーション施設