第５世代移動通信規格「５G」で社会がどう変わるのか

２０２０年のオリンピックに向け、

「５Ｇ」という言葉が浸透してきてい

る。前橋市は他市に先駆け、「前橋５

Ｇ等ＩＣＴ利活用検討推進協議会」

を組織し、先進的に取り組んでいる。

今回は協議会の事務局を務める前橋

市政策部情報政策課に５Ｇがもたら

す未来について寄稿していただいた。

我々を待つ未来

︱︱携帯端末にインストールされ

た自分専用のＡＩが、持ち主の趣味

嗜好に合わせて情報を収集し、必要

に応じ音声にてアドバイスする。

︱︱自宅ではＡＩロボットが調理

や洗濯など家事全般を行い、子ども

の話し相手をする。

これは昨年、総務省若手職員有志

が発表した近未来の社会をイメージ

して創作した小説「新時代家族」に

登場する具体例だ。この中では、ＡＩ

ロボット「アイコ」が、ある家庭に迎

えられ、人間との交流に思い悩みな

がらも、徐々に意思疎通を上達させ、

家族の一員として認められる様子が

描かれている。それはまるでアトム

やドラえもんを彷彿とさせる。しか

し、アイコは単なる空想上のキャラ

クターではない。総務省若手職員が

省幹部や大手ＩＴ企業との意見交換

を通じてたどり着いた現在の技術の

延長線上にある確かな実現可能性を

持った近未来の象徴なのだ。

﹁５Ｇ﹂とはなにか

話は「５Ｇ」に移る。５Ｇとは第５

世代移動通信規格、つまり、現在の携

帯端末が広く採用する４Ｇ（ＬＴＥ）

の次の技術である。２０１９年にも

商用サービス開始を目指し、環境開

発が進む。特徴としては、①超高速

（４Ｇの１００倍の通信速度）、②多

数同時接続（１つのアンテナに対す

る同時接続可能な端末数が４Ｇの

１００倍）、③低遅延（通信によるタ

イムラグが４Ｇの１／１０）の３つが

挙げられる。

ここで、多くの方は疑問を持つの

ではないか。現状の通信速度で十分

なのにこれ以上高速になる意味があ

るのか、と。こうした意見に対して、

前橋市出身でＮＴＴドコモ代表取締

役の吉澤和弘氏は昨年５月に前橋市

主催により開催された「前橋５Ｇ等

利活用検討協議会発足記念講演」の

なかで「（３Ｇから４Ｇへの移行期に

も）こんな高速通信が本当に必要な

のかとの意見が多かった。ところが、

高速通信が普及したことで、結果的

に新たなサービスが次々と生まれ、

今では生活に欠かせないものとなっ

ている。移動通信は常により高速を

求められる宿命にある。ドコモでは

５Ｇの開始にあたり、当初から５Ｇ

時代のサービスをご利用いただける、

つまりネットワークとサービスとを

同時に提供開始することを目指して

いる。～中略～そのためにも、幅広

いパートナーとの﹃協創﹄を推進し、

社会や産業の発展に貢献したい。」と

述べている。

５Ｇの可能性

吉澤社長の発言から見えてくるの

は、「サービスの重要性」だ。つまり、

通信技術が時代に応じて高度化する

のは当然。どのように５Ｇを使いこ

なすのか、それが問われているので

ある。とは言え、５Ｇがもたらす新サ

ービスについて明確に言及すること

は、現段階では難しい。ちょうど３Ｇ

時代に４Ｇのサービスを予想できな

かったように。ただし、一つ言えるこ

とがあるとすれば、それは我々の生

活様式・産業構造・行政のあり方さ

えも変えてしまう可能性を秘めてい

る。それは、冒頭に紹介した「新時代

2019.01 18

TOPICS

家族」の世界に近づくということで

もある。もちろん、５Ｇだけでは充足

できない技術もあるだろう。だが、５

Ｇ活用の延長線上にはアイコが活躍

する世界があるはずだ。

ソサエティ５．０の到来

現在、世間ではＩｏＴ（モノのイ

ンターネット）が大きな盛り上がり

を見せている。これまで、インターネ

ットへのアクセスと言えば、携帯端

末やＰＣを使ったヒトの行為そのも

のでしかなかった。ところが今後は

ＩｏＴ、つまりセンサーやカメラと

いった機器がむしろ主役となってイ

ンターネットにつながり、情報を流

通させるようになる。こうして集め

られた情報はビッグデータとなり、

ＡＩ（人工知能）により解析され、新

たな知恵を生んでいく。このような

ＩｏＴ＋ＡＩにより、人類に劇的な

変化をもたらす社会を「ソサエティ

５．０」と呼ぶ。

ＩｏＴが真価を発揮するには、何

よりも、多くの機器が常時、同時接

続できる環境が必要だ。これを実現

するには５Ｇの３つの特徴が揃う必

要があり、その意味でも５Ｇの活用

は、ソサエティ５．０の実現を早める

のではないかと期待が高まる。５Ｇ

はつまり未来への扉を開くカギに他

ならない。

未来への期待を込めて

さて、「新時代家族」の１シーン。

ソサエティ５．０や５Ｇ、もしかした

ら、その先の技術が実用化された未

来の、とある日常の１ページ。そこに

はＩｏＴ＋ＡＩが社会インフラとし

て描かれている。ストーリー終盤、家

族は、アイコに対し、「あなたは想像

以上に家族のことを理解してかけが

えのない存在になった。あなたはロ

ボットではなく家族として接してく

れた。もうＡＩＫＯではなく家族の

一員、愛子なのよ。」と語りかける。

果たして、我々や子どもたちが経

験する未来とはどのような世界なの

だろうか。

（文／前橋市情報政策課）

●

小説「新時代家族」

●

５ＧやＡＩを活用した

　

実証実験への取組

　

一昨年12月、総務省では、テクノロジー

の進展を見据えた２０３０～２０４０年

頃の未来社会のイメージを制作するこ

とを目的に将来、行政の中枢を担う若手

職員による「未来デザインチーム」を組

織。昨年４月、本チームが社会イメージ

を小説形式でとりまとめ、発表に至った

もの。ご覧いただく場合はこちらから。

︵http://w

ww

.soum

u.g

o.jp/m

enu_n

ew

s/s-new

s/02tsushin0

1_0

4000517.htm

l

︶

めて５Ｇにより病院やドクターカーに送信

することで、搬送中でも医師からの適切なア

ドバイス、処置の指示を得ると共に病院には

受入れに必要な準備を促すことで救急医療

の高度化に資するもの

　

②

ＡＩを活用した地域交通の最適な

　　

運用の実証実験　

　

デマンド型運行バスを走らせ、複数の利

用者からのオーダーに対し、ＡＩを活用して

もっとも効率的な送迎順、送迎車両をリアル

タイムに配車決定する。また、来年度以降、

携帯電話ネットワークの仕組みを利用し、Ａ

Ｉにより人口の未来予測をする技術を応用

し、さらに高度な配車決定を目指すもの

　

③

スポーツイベント×写真をテーマ

　　

としたマッチングプラットフォーム

　　

実証実験

　

市民マラソン等の一般市民参加型スポー

ツイベントにおいて、沿道等から競技を観戦

する一般客が、自分のスマートフォン等の機

材を使って撮影した大会参加者の競技中の

写真を、インターネットを通じて売買する撮

影シェアリング実証実験を実施するもの

　

昨年５月、ドコモと前橋市とは、ＩＣＴを

活用した街づくりを推進するための協定を

締結し、現在、次のような取組を進めている。

　

① 救急分野での５Ｇ活用に向けた

　　

実証実験

　

救急車で搬送中の患者の容体を鮮明な４

Ｋ動画やエコーなどの検査機器情報をまと

出典：総務省「未来イメージ『15の生活シーン』（案）」

出典：総務省「未来イメージ『15の生活シーン』（案）」

2019.0119

202019.01

蔵前産業株式会社〒379-2153　群馬県前橋市上大島町176-44電話027（261）3552　FAX027（263）0414

会場：旅館たにがわ　群馬県利根郡みなかみ町谷川524-1

ISO 9001　ISO 14001　認証取得

橋本勝 谷川岳フォトギャラリー谷川岳の作品等を常設展示しておりますお気軽にお立ち寄りください（入場無料）

TAN IGAWADAKE谷川岳写真集も好評発売中

酒類食品の総合商社 前橋産芋焼酎/梅酒「赤城の恵」販売元前橋産さつま芋

「黄金千貫」使用

群馬県卸酒販株式会社本店 〒371 - 8 585 前橋市城東町四丁目2番1号

TEL 027-231-9157 FAX 027-231-9189

前橋産 「白加賀梅」使用

前 橋 中 央 支 店 、 高 崎 支 店 、 太 田 支 店 、 北 毛 支 店中 之 条 営 業 所 、 東 毛 物 流 セ ン タ ー 、 浦 和 営 業 所

関 連 会 社 ： 群 酒 大 成 物 産 （ 株 ） 、 群 酒 輸 送 （ 株 ）

「この街と共に100年」「この街と共に100年」葬儀事前相談・見積承ります

365日24時間対　応

年年年」」」若宮若宮 北代田創業107年