第7回 銀河の誕生と進化kato/f3_file/gairon/gai_7_2016.pdf天文学概論Ⅰの構成...

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第7回 銀河 の誕生と進化 加藤 賢一 天文学概論Ⅰ(13)

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  • 第7回

    銀河の誕生と進化

    加藤 賢一

    天文学概論Ⅰ(13)

  • 天文学概論Ⅰの構成

    天文学概論Ⅰ・・・加藤賢一 2

    第1回 宇宙を構成する天体

    第2回 宇宙を見る目

    第3回 宇宙観の変遷(1)古代から中世まで

    第4回 宇宙観の変遷(2)近代から現代へ

    第5回 課題演習(1)および中間試験(1)

    第6回 宇宙が誕生した頃

    第7回 銀河の誕生と進化

    第8回 銀河系を作る天体と構造

    第9回 星の誕生

    第10回 星のいろいろとその進化

    第11回 課題演習(2)および中間試験(2)

    第12回 太陽系の姿

    第13回 惑星のいろいろ

    第14回 地球とその運動

    第15回 課題演習(3)および中間試験(3)

    第16回 最終評価試験

  • 今日の課題

    銀河を形態で分けたハッブル分類における銀河の種類と形態について述べよ。

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 秋空に肉眼で ー アンドロメダ銀河

    ・数100万~数1000億の恒星+星間物質

    ・多様な外観

    ・ダークマター

    ・集団化

  • 十字に見えるのは銀河系内の恒星。大部分は他の銀河

  • 物質の無かった宇宙初期 = 火の玉

    エネルギー(光子)のかたまり

    エネルギー(光子)から生まれた物質(素粒子)

    38万年後、3000Kに冷えた宇宙⇒ 水素原子形成(普通の物質)

    <暗黒時代の謎>

    ①巨大恒星の誕生と集合

    ②巨大ガス星雲の誕生、恒星へ分化

    134億年頃までは見える(ガンマ線バースト)

    エネルギーだけの火の玉から宇宙では遠方ほど昔の姿!

  • どこまでさかのぼれるか?

    宇宙誕生後38万年

    ・光が宇宙を走り回れるようになる(宇宙の晴れ上がり)・水素原子の形成(光の進行を邪魔する電子が水素原子にとらえられる)

    宇宙背景放射(電波)

  • 最遠の天体

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 渦状銀河

  • 棒渦状銀河

  • 楕円型銀河

    M87 in Virgo cluster, M110アンドロメダ銀河の伴銀河、Leo I 局所銀河群

  • 不規則型

  • ハッブル分類

    ・楕円型

    S0

    ・渦状

    ・棒渦状

    ・不規則

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • W. ハーシェル(1738-1822)

    (ドイツ‐イギリス)

    教会のオルガン奏者作曲、演奏、教授も

    宇宙構造を解明しよう!

  • ハーシェルの大望遠鏡

  • いろいろな星雲

  • これも星雲

  • (2)星雲ハーシェル時代は全く正体不明

    星に分離できるもの、できないもの

    いろいろな形

  • ウィリアム・パーソンズ、ロス卿

  • 国立天文台岡山天体物理観測所

    天文学概論Ⅰ・・・加藤賢一 24

  • 口径188cm 反射望遠鏡

    天文学概論Ⅰ・・・加藤賢一 25

  • しっかりした形の星雲が見えた

    渦状銀河の発見

  • いろいろな銀河

  • W. ハギンズ(1824-1910)の貢献

    星雲 - 星の集団、熱い気体

    星の集団-銀河+星団 霧状の天体ー文字通りの星雲

  • (3)球状星団の分布

  • 1920年、シャプレー・カーチス論争

    1918、ハーロー・シャプレー(1885-1972) 93 globular clusters

    1920年、シャプレー・カーチス論争

    シャプレー「我々の銀河系の大きさは直径約30万光年程度で、渦巻星雲は球状星団と同じように銀河系内にある」

    カーチス「銀河系の大きさは直径約2万光年程度で、渦巻星雲は我々の銀河系と同じような他の銀河である」

  • (4)アンドロメダ銀河までの距離

    E. ハッブル(1889–1953 )、1924年距離測定に成功

  • 銀河の概念の確立

    1924年、

    アンドロメダ銀河までの距離

    銀河は遠い天体!

    銀河系、銀河の確立

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 渦状銀河、棒渦状銀河

    ●楕円型より暗いものまである●バルジ:赤い、老齢●円盤:若い、青い星。星間雲が付随●大質量の明るいものほど金属が多い●タリーフィッシャー関係(光度が回転速度の4乗に比例)

    ●銀河が密集していない場所

    ●回転運動回転曲線はほぼ一定

    (⇒ダークマター)

  • 楕円型銀河

    ●可視光で明るい(多数の星)、赤い(色等級関係、下の図)●中心部に光度が集中●質量が大きいほど金属が多い●フェイバージャクソン関係(光度は速度分散の4乗に比例)

    ●銀河団など密集した場所●星のランダム運動●3軸不等の楕円体(速度成分比)

  • 不規則型

    ●渦状より可視光では暗い●渦状より青い(星形成)●ガスに富む●ガスの金属量は小●近くの銀河の潮汐力で変形しているものも

  • 矮小銀河 - ハッブル分類に乗らない!

    ●赤い(古い星)●小さいものほど金属が少●ガス少●指数的表面輝度分布

    ●星のランダム運動

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 近距離銀河の距離

    大マゼラン雲 16万 光年

    M31 アンドロメダ銀河 230万

    M74 3700万

    M81/82 1200万

    M104 4600万

  • ハッブルの乾板、N:新星、上は消して変光星(ケフェイド)と

  • ケフェイド 周期・光度関係

  • 近距離銀河までの距離計測(距離のはしご)

    ケフェウス座δ型変光星(ケファイド)の周期光度関係

    地上からは約1000万光年まで

    -アンドロメダ銀河を含めて10個程度

    ハッブル宇宙望遠鏡

    -6000万光年程度、おとめ座銀河団まで

    地上から2000万光年~6000万光年

    銀河の中で一番明るい星や星団、

    巨大な電離水素領域(HII領域)

    超新星の最大の光度

  • 遠距離銀河の距離

    渦状銀河 - タリー・フィッシャー関係

    色-等級関係

    楕円型銀河 - フェイバー・ジャクソン関係

  • ハッブルの法則

    赤方偏移z

    波長λ0のスペクトル線 ⇒ 波長λに

    z=(1)

    ドップラー効果によるものとして、相対速度をv,光速度をcとして

    (2)

    Z≪1 では z=v/c(3)

    v=Hr(4)

    v:後退速度,r:距離,H:ハッ

    ブル定数(70km/s/Mpc)

  • ドップラー効果遠ざかる-より赤く

  • 今日の目次

    1.銀河とその誕生

    2.ハッブル分類

    3.銀河の発見-再見

    4.各タイプの特徴

    5.距離計測

    6.銀河の集団

  • 銀河群

    局部銀河群銀河系を含め、約40銀河

    他の銀河群おおぐま座のM81銀河群、

    M101銀河群、

    りょうけん座のM51銀河群、

  • 銀河団

    数十~数千の銀河が重力的に結合

    宇宙誕生直後、密度揺らぎが成長して生まれた銀河が重力によって集合

    おとめ座銀河団、かみのけ座銀河団、うみへび座銀河団、など

  • おとめ座

  • 超銀河団

    銀河群や銀河団が集まって、1億光年以上の広がり

    おとめ座超銀河団(おとめ座銀河団・りょうけん座銀河団など)

    ペルセウス座・うお座超銀河団

    うみへび座・ケンタウルス座超銀河団

    超銀河団が連なり、さらに大きな構造(銀河フィラメント)を形作り、その間にはほとんど銀河の見られない超空洞(ボイド)がある

  • 大規模構造2dFGRS Image Gallery : http://www.mso.anu.edu.au/2dFGRS/ より転載 )

    http://www.mso.anu.edu.au/2dFGRS/

  • 大規模構造2dFGRS Image Gallery : http://www.mso.anu.edu.au/2dFGRS/ より転載 )

    http://www.mso.anu.edu.au/2dFGRS/

  • 今日の課題

    銀河を形態で分けたハッブル分類における銀河の種類と形態について述べよ。