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1 第9章 機械要素の性能評価と標準 標準化教育プログラム 個別技術分野編 機械分野 本資料は,経済産業省委託事業で ある「平成17年度基準認証研究開 発事業(標準化に関する研修・教育 プログラムの開発)」の成果である。 制作日:2007年12月21日 作:大同メタル工業(株) 岡本 東京農工大学教授 山本隆司 - すべり軸受の場合 -

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第9章 機械要素の性能評価と標準

標準化教育プログラム個別技術分野編 機械分野

本資料は,経済産業省委託事業である「平成17年度基準認証研究開発事業(標準化に関する研修・教育プログラムの開発)」の成果である。

制作日:2007年12月21日制 作:大同メタル工業(株) 岡本 裕

東京農工大学教授 山本隆司

- すべり軸受の場合 -

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目 次

1. 機械要素の性能評価

2. すべり軸受の性能評価の国際規格

3. すべり軸受の材料としての主な性能評価項目と関連規格

4. すべり軸受の製品としての主な性能評価項目と関連規格

5. 単体試験機とは

6. 単体試験機の要求事項

7. 単体試験機におけるジャーナル軸受形状の回転の種類

8. 単体試験機における軸受への荷重の負荷方法

9. 軸受荷重パターン

10.試験評価項目

11.単体試験機の詳細

12.測定項目

13.試験軸受と軸,潤滑の詳細

14.試験結果

15.すべり軸受の材料試験

16.標準化されたすべり軸受材料試験の例

17.標準化されたすべり軸受の単体試験の例

18.製品の性能評価試験

19.製品評価試験の流れ

20.製品試験方法の標準化

21.ISOにおけるすべり軸受の性能試験

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3

1.機械要素の性能評価

材料の評価 製品の性能評価

硬度,機械的特性等 単体試験

最終確認:実機試験

性能評価試験

機械要素の試験による評価は,性能を支配する製品の素材である材料の性能評価と,製品形状に加工し,材料及び設計を加えた製品としての総合評価とがある。材料そのものと,加工し製品形状にした場合では,性能値が異なることに注意を払う必要がある。ここでは機械要素の代表としてすべり軸受を取り上げる。

p. 3

◆ 解 説

機械要素の性能評価

ここでは,代表的な機械要素であるすべり軸受を取り上げて,機械要素の性能評価と標準について説明する。すべり軸受では,材料の特性のみならず設計面の特性を合わせ持ったものが総合性能となる。材料がすべり軸受性能へ寄与する影響度は大きい。そこで,素材である材料のみを機械的特性を評価するとともに,機械加工を経て実際の適用される形状においても単体試験機の評価を行う。 終的には実際に使用される機械にて 終確認がされる。しかしながら,1つの適用する機械に対して多くの候補軸受がある場合は,材料試験及び単体試験によって候補軸受を絞り込むことが,より迅速に経済的に採用する軸受を決めることになる。

4

4

2.すべり軸受の性能評価の国際規格

・すべり軸受のISO規格:Technical committee TC123で標準化が進められている

TC(専門委員会)の下に分科会(SC)が5つ

・SC2:材料及び潤滑剤,その性能,特性,試験方法・条件性能評価の試験関連の規格: 11件

・Pメンバー 7カ国

日本,ドイツ,ロシア,英国,南アフリカ,韓国,中国

p. 4

◆ 解 説

すべり軸受の性能評価の国際規格

すべり軸受の国際規格は,ISO/TC123の専門委員会で標準化され,TCの下に5つの分科会があるが,SC2:材料及び潤滑剤,その性能,特性,試験方法・条件で作業が続けられている。規格制定に対して審議権のあるPメンバーは8カ国であるが,日本,ドイツ,英国が積極的に提案している。SC2の試験方法・条件の規格について説明する。

5

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3.すべり軸受の材料としての主な性能評価項目と関連規格 ①

ISO 4386-1:1992 金属系複層すべり軸受-第1部:接着強さの超音波非破壊試験接着強度

日本機械学会規準 S013摩耗の標準試験法

摩擦・摩耗特性 ISO 7148-1:1999 軸受材料のトライボロジー挙動試験-第1部:金属系軸受試験

ISO 7148-2:1999 軸受材料の摩擦挙動試験-第2部:樹脂系軸受試験

関 連 規 格性能評価項目

機械的特性

(引張強度,圧縮強度,せん断力等)

硬 度

JIS Z 2241:1998 金属材料引張試験方法, ISO 6892:1984

JIS Z 2201:1998 金属材料引張試験片, ISO 6892:1984

JIS Z 2245:2005 ロックウェル硬さ試験-試験方法, ISO 6508-1:1999

JIS Z 2244:2003 ビッカース硬さ試験-試験方法, ISO 6507-1:1997

JIS Z 2243:1998 ブリネル硬さ試験-試験方法, ISO/DIS 6506-1:1996

p. 5

◆ 解 説

すべり軸受の材料としての主な性能評価項目と関連規格

すべり軸受の性能評価に関連のあるJIS規格とISO規格を示す(p.7まで)。

6

6

3.すべり軸受の材料としての主な性能評価項目と関連規格 ②

耐食性

関 連 規 格性能評価項目

耐焼付き性

耐疲労性

ISO/TR10129:1993 金属系軸受の試験-静的条件下における潤滑油による耐食性

ISO 7905-3:1995 軸受疲労-第3部:金属複層軸受材料の平板状金属材料試験

ISO 7905-2:1995 軸受疲労-第2部:円筒形状の試料を用いた金属軸受材料の試験

ISO 7905-1:1995 軸受疲労-第1部:流体潤滑条件下の試験及び適用におけるすべり

軸受

JIS Z 2273:1978 金属材料の疲れ試験方法通則

p. 6

◆ 解 説

(なし)

7

7

4.すべり軸受の製品としての主な性能評価項目と関連規格

ISO 7905-4:1995 軸受疲労-第4部:金属複層材料の半割り軸受試験

ISO 7905-1:1995 軸受疲労-第1部:流体潤滑条件下の試験及び適用におけるすべり軸受

耐疲労性

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

耐食性

耐焼付き性

ISO 4386-3:1992 金属系複層すべり軸受-第3部:非破壊貫通試験

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針摩擦・摩耗特性

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

ISO/TR10129:1993 金属系軸受の試験-静的条件下における潤滑油による耐食性

関 連 規 格性能評価項目

接着強度

硬 度

ISO 4386-2:1982 金属系複層すべり軸受-第2部:2mm以上の軸受層に対する接着強さ破壊試験

ISO 4386-1:1992 金属系複層すべり軸受-第1部:接着強さの超音波非破壊試験

JIS Z 2245:2005 ロックウェル硬さ試験-試験方法, ISO 6508-1:1999

JIS Z 2244:2003 ビッカース硬さ試験-試験方法, ISO 6507-1:1997

JIS Z 2243:1998 ブリネル硬さ試験-試験方法, ISO/DIS 6506-1:1996

p. 7

◆ 解説

(なし)

8

8

5.単体試験機とは

・できる得る限り変動要因を少なくし,安定した試験環境下で,実機に近い試験条件で試験評価を行うことができる試験機

・実機で試験するより簡易的になおかつ迅速に評価できる

・試験条件を標準化することにより,過去の結果と比較することができる。データの蓄積によりデータベースが構築できる。

p. 8

◆ 解説

単体試験機とは

実機では,それぞれのアプリケーションで軸受の寸法,荷重条件,潤滑方法等が異なるため,定量的な評価が期待できない。そこで用途,あるいは性能評価の目的に合わせて,試験機及び試験条件を標準化して,軸受の評価を実施する必要がある。単体試験からはアプリケーションに特定されない汎用性の高いデータを得られる。また実機に近い試験条件を設定して,実機との相関性を取りながら試験することも重要である。

9

9

6.単体試験機の要求事項

ISO/DIS6281:2005 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験 に基づき次に単体試験の評価方法を示す。

・ 単体試験機に求められるもの

1) 簡単な機械構造

2) 組付け,組ばらしの容易性,緊急停止装置の装備

3) 試験軸受の寸法が決められている

4) 軸のたわみが少なく,試験機の剛性が高い

5) 適切な潤滑油が確保される給油条件,軸受クリアランス内の潤滑油の流

れ,給油位置

6) 潤滑条件が決められている

7) 乱流域か層流域で試験するか決められている

8) 試験装置のバックアップがある

9) 適切な測定技術または装置を備えている

p. 9

◆ 解説

単体試験機への要求事項

ISOでは,TR6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験は,TR(Technical report)からIS(International Standard)へ改正中であり,DISとなって,ISへ向かって規格化が進められている。本規格案では,IS化において原案作成は日本が中心となって進めており,試験法の原理・原則を中心に標準化されている。ここでは単体試験機への要求事項が制定されている。すべり軸受の性能が,安全に正確に評価できる試験が提案されている。

10

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7.単体試験機におけるジャーナル軸受形状の回転の種類

回 転 揺 動

ISO/DIS 6281:2005

ジャーナル軸受の代表的な回転を示す。

p. 10

◆ 解説

単体試験機におけるジャーナル軸受形状の回転の種類

本規格では,すべり軸受の試験法の原理原則を規格化する。ここでは,ジャーナル軸受の代表的な回転の種類として,回転と揺動をあげている。

11

11

8.単体試験機における軸受への荷重の負荷方法

軸受に直接負荷する方法 軸から軸受に負荷する方法

ISO/DIS 6281:2005

11

22

F

F/2F/2

ω ω

Key

1. Test bearing

2. Journal

p. 11

◆ 解説

単体試験機における軸受への負荷方法

軸受が組付けられているハウジングから軸受に荷重を負荷する方法と,例えば,軸から軸受へ荷重を負荷する1例として,軸に錘を付けて回転することによって軸から軸受に荷重を加える方法がある。

12

12

9.軸受荷重パターン

静荷重

動荷重(回転荷重)

動荷重(任意パターン)

ISO/DIS6281:2005

軸受に負荷する荷重の時間に対する大きさと方向の変化を示す。

Key

F Bearing load

β Direction of bearing load

F β

β

β

t

t

ta at

t

F

F

t

β

F

ω

p. 12

◆ 解説

軸受荷重パターン

軸受荷重には荷重の大きさと方向が一定である静荷重と荷重の大きさと方向が時間とともに変化する動荷重がある。軸受への要求性能は大きく異なる。静荷重を受ける軸受の代表的な例は,タービン用,ポンプ用軸受であり,一方,動荷重を受ける軸受ではエンジン用,コンプレッサー用軸受である。

13

13

10.試験評価項目

A)初期なじみ性

B)耐摩耗性

C)軸受の軸との順応性

D)異物埋収性

E)軸の傷に対する耐力

F)なじみ性

G)変形性(圧縮力)

ISO/DIS 6281:2005

試験機で得られた結果を実際に適用するには,その軸受性能を評価する試験条件を確立する必要がある。異なった試験機で相互に結果を比較していくことも重要である。

H)耐エロージョン性

I)静的な負荷能力

J)動的な負荷能力(耐疲労性)

K)摩擦特性

L)潤滑油量特性

M)温度上昇特性

AからHは,主として材料の機械的特性に依存する。

p. 13

◆ 解説

試験評価項目

すべり軸受は,適用される用途及び使用条件において必要な要求性能が大きく異なる。その目的に合わせて,評価項目を決定して試験条件を求める必要がある。

14

14

11.単体試験機の詳細

試験機は下記の内容を把握して使用する。

1)名前,型式

2)構造図,作動原理

3)荷重の負荷方法

4)主要寸法,設計限界

5)試験軸受数と位置

6)繰り返し性と再現性

7)駆動モータの主力と速度,制御方法

8)緊急停止の方法と仕様

9)装置のバックアップ

10)計測位置と点数

ISO/DIS 6281:2005

p. 14

◆ 解説

単体試験機の詳細

試験評価者(試験の実施者も含めて)は,試験機の構造・原理から試験限界まで詳細を把握していなければならない。試験中,試験機に異常が生じた場合は,直ちに緊急停止できるように配慮されていなければならない。また,試験機の故障のリスクも考慮し,バックアップの体制も準備しておく必要がある。

15

15

12.測定項目

・時間に依存しない項目

a)軸受荷重

b)周速あるいは回転数

c)潤滑油入口温度

d)潤滑油の供給圧力

e)軸受周囲の環境温度と空気の流速

ISO/DIS6281:2005

試験における測定項目が時間に依存の有無は明確に区別する。

・時間に依存する項目

a)油膜厚さ

b)油膜温度

c)潤滑出口温度

d)潤滑油量

e)油膜圧力

f)軸受とハウジングの温度

g)軸受応力と歪

h)軸受摩耗と損傷

i)摩擦トルク

p. 15

◆ 解説

測定項目

試験の測定項目が時間とともに変化するかは,明確に区別しておかなければならない。

16

16

13.試験軸受と軸,潤滑の詳細

・軸受

1) 軸受材料とその構造

2) 各部寸法と表面仕上げ方法と粗さ

・軸

材料とその特性

各部寸法と表面仕上げ方法と粗さ

・潤滑

1) 潤滑油とその特性

2) 給油方法

ISO/DIS6281:2005

評価対象である試験軸受のみならず,試験結果に大きな影響を及ぼす軸,潤滑についても十分に調査する。

p. 16

◆ 解説

試験軸受と軸,潤滑の詳細

すべり軸受の性能は,軸受のみならず相手材の軸,また潤滑油,潤滑方法によって大きく左右される。比較評価を実施する場合は,各部寸法と表面仕上げ方法と粗さとでき得る限り同一条件とする。また,潤滑油の劣化等にも配慮する必要がある。

17

17

14.試験結果 ①

1.流体潤滑パラメータ・油膜厚さの分布形状の見積もり・時間による最小油膜厚さの見積もり・最高油膜圧力の見積もり・油膜圧力の分布形状の見積もり・時間による最高油膜圧力の見積もり・軸受材料の静的最大応力,最大歪,最大変形・軸受材料の動的最大応力,最大歪,最大変形・潤滑油膜の温度の見積もり・軸受材料とハウジングの温度の見積もり・摩擦損失と放熱のバランスの見積もり・潤滑油量・摩擦トルクと摩擦係数・時間による摩擦トルクと摩擦係数

ISO/DIS 6281:2005

試験条件によって決定される次のパラメータを測定あるいは見積もっておく。計測が困難な項目は理論計算から求める。

p. 17

◆ 解説

試験結果

試験条件から決定される流体潤滑パラメータを測定あるいは見積もっておけば,精度良い試験結果を得ることができる。計測が困難な項目は流体潤滑の理論計算,FEMによる構造解析から求める。試験結果から軸受性能を判断する時は,複数の定量的及び定性的な評価項目を調査し,矛盾がないか確認する。

18

18

14.試験結果 ②

2.軸受性能の評価

・摩耗あるいは損傷の決定とその要因

・目視による摩耗と損傷の程度

・取り去られた材料の重量あるいは体積

・寸法の変化,例 肉厚

・単位時間の摩耗量と摩耗分布

・試験時間(荷重サイクル数)

・達成した試験条件,例,面圧,周速,最高温度,最小摩擦

ISO/DIS 6281:2005

軸受性能は複数の定量的及び定性的な評価項目から判断する。

p. 18

◆ 解説

(なし)

19

19

15.すべり軸受の材料試験

・素材に特化して試験評価する場合,製品の材料を試験機の条件の形状に合わせて試料を作成する。試料の作成方法は次の2つの方法がある。

1.素材

2.製品

1.素材から試料を作成する。2.製品から試料を取り出して試料を作成する。

p. 19

◆ 解説

すべり軸受の材料試験

すべり軸受は一般的には,合金のみのソリッド,鋼板と薄い合金の2層構造のもの,さらにその合金の上にめっきを施した3層構造が代表的な構造である。その軸受は,耐疲労性・耐摩耗性に代表される強度となじみ性,焼付き性,異物埋収性などの軟らかさという相反する特性を同時に求められる。これらの性能を評価する軸受材料の試験は,素材から資料を作成する場合,また製品あるいは製品に近い形状から資料を取り出す場合もある。

20

20

16.標準化されたすべり軸受材料試験の例

・すべり軸受の材料は,強度と相反する特性である軟

らかさを兼ね備えた性能を要求されるため,様々な試

験条件,試験機で評価される。

p. 20

◆ 解説

(なし)

21

21

軸受材料の摩擦・摩耗試験 ①ISO 7148-1:1999 軸受材料のトライボロジー挙動試験-第1部:金属系軸受試験

1.ディスク又はリング

2.ピン又はブロック

(軸受材料)

荷 重

p. 21

◆ 解説

軸受材料の摩擦摩耗試験 ①

軸受材料の摩擦摩耗の試験例である。回転するディスク又はリングの側面に軸受材料であるピン又はブロックを押し付けて,軸受材料の摩擦係数,摩耗量を測定する。

22

22

軸受材料の摩擦・摩耗試験 ②ISO 7148-1:1999 軸受材料のトライボロジー挙動試験-第1部:金属系軸受試験

1.ディスク又はリング

2.ピン又はブロック

(軸受材料)

荷重

p. 22

◆ 解説

軸受材料の摩擦摩耗試験 ②

軸受材料の摩擦摩耗の試験例である。回転するディスク又はリングの外形面に軸受材料であるピン又はブロックを押し付けて,軸受材料の摩擦係数,摩耗量を測定する。

23

23

17.標準化されたすべり軸受の単体試験の例

・すべり軸受の製品としての性能評価は,実機に近い

使用条件下で単体試験機で評価される。

p. 23

◆ 解説

(なし)

24

24

ISO 4386-2:1982 金属系複層すべり軸受第2部:2mm以上の軸受層に対する接着強さ破壊試験

接着力=最大荷重/接着面の面積

NOTES

1 For journal bearings, the inner diameter d ₁ is the critical parameter for selection of dimensions for the specimen and apparatus. For thrust bearings, a test surface of 100 ㎟ may be chosen as desired.

2 Details not indicated are to be chosen accordingly.

Dimensions in millmetres

Journal and thrust bearingJournal

bearing

d ₈d ₇

0

-0.1

d ₆

+0.1

0

d ₅d ₄

+0.1

0

d ₃

±0.01

d ₂

±0.01

M12

M8

23.9

15.9

38

29

24

16

2912.128.82200> 200

19.78.119.58100< 200

Apparatus Specimen Test surface

Inner

diameter of the bearing

d ₁

Table - dimensions and tolerances (see figures 1,2 and 3)

試料寸法と公差

p. 24

◆ 解説

(なし)

25

25

ISO 4386-2:1982 金属系複層すべり軸受第2部:2mm以上の軸受層に対する接着強さ破壊試験

圧縮試験 引張試験

p. 25

◆ 解説

ISO 4386-2:1982 金属系複層すべり軸受-第2部:2mm以上の軸受層に対する接着強さ破壊試験

軸受層(合金)が2mm以上ある厚肉軸受の軸受層と鋼裏金との接着強度を評価する方法である。図の形状に完成した製品から試料を切り出す。その接着強度= 大荷重/接着面の面積で定義されている。圧縮試験と引張試験の両方から評価する。

26

26

ISO 7905-4:1995 軸受疲労第4部:金属複層材料の半割り軸受試験

周波数50~80Hz

繰り返しサイクル数50×106

p. 26

◆ 解説

ISO 7905-4:1995 軸受疲労-第4部:金属複層材料の半割り軸受試験

半割軸受の耐疲労性を評価する試験方法である。通常,半割軸受が適用されるエンジン用軸受では, 大荷重部近くに繰り返しの応力を受けることによって疲労損傷が発生する。この試験方法は,軸受の合せ目方向に繰り返しの荷重を与え,疲労を評価する。

27

27

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

静荷重試験機

p. 27

◆ 解説

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

静荷重試験機

軸受が組み付けられたハウジングを垂直上方向に力を加えことにより,荷重を軸受に与える方法である。潤滑油はハウジングから軸受へ給油される。軸はテーパー形状になっており,取り替えが容易な構造となっている。

28

28

ISO/TR 6281:1990単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

軸のたわみを伴う変動荷重試験機

p. 28

◆ 解説

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

軸のたわみを伴う変動荷重試験機

エンジン用の大端部軸受の負荷状況を再現するために考案されたものであり,比較的変形し易い回転軸受の中間に2本のコネクティングロッド(ハウジング)が取り付けられている。コネクティングロッドの大端部に試験軸受が組み付けられ,小端部は本体に固定されている。したがって,各試験軸受は。コネクティングロッドの中心線方向の荷重のみを支えることになる。回転軸がたわみ変形することにより,試験軸受にはその両側2対のアンバランスウエイトの不釣合い力がかかる。

29

29

ISO/TR 6281:1990単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

回転荷重試験機

p. 29

◆ 解説

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

回転荷重試験機

2つの試験軸受の中央にあるアンバランスウエイトが回転することにより軸から軸受に動荷重を与える方法である。潤滑油は軸から軸受に給油される。

30

30

ISO/TR 6281:1990単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

油圧による動荷重試験機

p. 30

◆ 解説

ISO/TR 6281:1990 単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針

油圧による動荷重試験機

油圧によってハウジングに荷重を加えるが,軸が偏心していることにより動荷重を発生させる機構である。支点間距離が短く,軸のたわみの影響を極力抑えることができる。潤滑油はハウジングから軸受へ給油される。

31

31

18.製品の性能評価試験 ①

要素部品の製造業における一般的な量産化された製品の評価方法を示す。

・製品における設計と製造との品質を長期に渡り性能を確認するために,代表的品目を選定して定期的に性能評価試験を実施する。

・生産担当部門は定期的にある製品品目の初回生産ロットから規定されたある数を抜き取り,試験部門へ性能評価試験を依頼する。

・試験依頼書には,サンプリング日付,品番,製造Noを記入する。

・試験部門は,特定された試験条件及び試験機で要求性能値を満足するかどうか評価する。

・試験方法は標準化されている。

(JIS,ISO等を使用あるいは社内規格)

p. 31

◆ 解説

製品の性能評価試験の流れ

製品において設計と製造との品質を長期に渡って維持,あるいは改善していくために,製品の中から代表的品目を選定して定期的に性能評価試験を実施する必要がある。生産担当部門は定期的にある製品品目の初回生産ロットから規定されたある数を抜き取り,試験部門へ性能評価試験を現品と依頼書とともに依頼する。試験部門は,標準化された試験条件及び試験機で要求性能値を満たしているのか試験を実施する。

32

32

18.製品の性能評価試験 ②

・試験部門は評価結果を依頼部門に報告する。

・生産部門は品質管理部門及び素材製造部門に試験結果を連絡する。

・製品の試験結果が許容値を満足できなかった場合,①初回生産ロットの出荷を止める。②品質管理部門主催で対策会議を召集し,原因を究明する。

p. 32

◆ 解説

その結果を試験部門は依頼部門に報告書とともに報告する。生産部門は品質管理部門及び素材製造部門にその試験結果を連絡する。もし製品の試験結果が要求性能値を満足できなかった場合は直ちに初回生産ロットの出荷を中止し,品質管理部門主催で対策会議を召集し,その原因を究明し改善を図る,

33

33

19.製品評価試験の流れ

生産担当部門 試験部門

試験評価依頼依頼書

現品

評価結果の報告報告書

試験結果の判定

出荷不可,

対策会議の実施

出荷可

Yes

No

品質管理部門

素材製造部門

p. 33

◆ 解説

(なし)

34

34

20.製品試験方法の標準化

・評価項目

・試験の手順

・試験条件

・N数

・試験機

・評価基準

・報告書の作成

評価する試験機は,常に同じ状態を維持するために,必ず日常点検

及び定期的保守に努めなければならない。

p. 34

◆ 解説

(なし)

35

35

21.ISOにおけるすべり軸受の性能試験 ①

Metallic multilayer plain bearings -- Part 3: Non-destructive penetrate testing (金属系複層すべり軸受-第3部:非破壊貫通試験)

ISO 4386-3:1992

Testing under conditions of hydrodynamic and mixed lubrication in test rigs – Guidelines

(単体試験機における流体潤滑及び混合潤滑条件下の試験-指針)

ISO/TR 6281:1990

Metallic multilayer plain bearings -- Part 1: Non-destructive ultrasonic testing of bond

(金属系複層すべり軸受-第1部:接着強さの超音波非破壊試験)

ISO 4386-1:1992

Metallic multilayer plain bearings -- Part 2: Destructive testing of bond for bearing metal layer thicknesses greater than or equal to 2 mm(金属系複層すべり軸受

-第2部:2mm以上の軸受層に対する接着強さ破壊試験)

ISO 4386-2:1982

名 称国際規格

p. 35

◆ 解説

ISOにおけるすべり軸受の性能試験 ①~③

ISO/TC123のSCにおけるすべり軸受の性能評価試験に関する規格を示す。

36

36

21.ISOにおけるすべり軸受の性能試験 ②

Testing of bearing metals- Resistance to corrosion by lubricants under static conditions

(金属系軸受の試験-静的条件下における潤滑油による耐食性)

ISO/TR 10129:1993

Testing of the tribological behaviour of bearing materials – Part 1: Testing of bearing metals

(軸受材料の摩擦挙動試験-第1部:金属系軸受試験)ISO 7148-1:1999

Testing of the tribological behaviour of bearing materials – Part 2: Testing of polymer-based bearing materials

(軸受材料の摩擦挙動試験-第2部:樹脂系軸受試験)ISO 7148-2:1999

名 称国際規格

p. 36

◆ 解説

(なし)

37

37

21.ISOにおけるすべり軸受の性能試験 ③

Bearing fatigue - Part 3: Test on plain strips of a metallic multilayer bearing material

(軸受疲労-第3部:金属複層軸受材料の平板状金属材料試験)

ISO 7905-3:1995

Bearing fatigue - Part 4: Tests on half-bearings of a metallic multilayer bearing material

(軸受疲労-第4部:金属複層材料の半割り軸受試験)ISO 7905-4:1995

Bearing fatigue-Part 1: Plain bearings in test rigs and in applications under conditions of hydrodynamic lubrication(軸受疲労-第1部:流体潤滑条件下の試験及び適用におけるすべり軸受)

ISO 7905-1:1995

Bearing fatigue-Part 2: Test with a cylindrical specimen of a metallic bearing material

(軸受疲労-第2部:円筒形状の試料を用いた金属軸受材料の試験)ISO 7905-2:1995

名 称国際規格

p. 37

◆ 解説

(なし)