第9回特定健康診査・特定保健指導の在り方に関する検討会 年齢 … · 140...
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1.特定健診NDBデータよりみた性・年齢階級
別平均値、有所見率の状況
2. 特定保健指導対象者の特徴
3.65歳以上における課題
サルコペニア肥満に留意する必要性
4.40歳未満における保健指導の必要性
若年期肥満の長期的影響
若年肥満者への生活習慣介入
3
特定健診データから見た性・年齢別平均値(肥満度・血圧)男性のBMIは60以降低下傾向、血圧は年齢とともに上昇し60歳以降は保健指導判定値を超える
BMI 収縮期血圧[mmHg]
腹囲 拡張期血圧[cm]
(特定健診NDB 平成22年度 全国、性・年齢区分別平均値より)
84.0 84.7 84.9 85.0 84.8 84.4 84.7
76.577.5
78.880.1 80.9
81.983.0
7072747678808284868890
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
24.0 24.0 23.9 23.8 23.6 23.4 23.4
21.621.9 22.1 22.3 22.4 22.6 22.8
20
21
22
23
24
25
26
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
[kg/m2]
[mmHg]
121 123
126 128
131 132 133
112 115
119 123
126 130
132
100
105
110
115
120
125
130
135
140
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
76 79 80 81 80
78 77
69 71
73 74 75 75 75
60
65
70
75
80
85
90
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
4
空腹時血糖 中性脂肪
96 99
102 105 106
104 103
89 91
93 95 96 96 97
80
85
90
95
100
105
110
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
[mg/dl]
137 144 144 139
133 127 123
75 82
92 101
107 110 112
50
70
90
110
130
150
170
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
[mg/dl]
57 58 58 58 58 58 57
70 71 72 70
68 66
64
40
45
50
55
60
65
70
75
80
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
HDL
125 126 125 124 123 120 117 109
117
128 133 133 130
126
80
90
100
110
120
130
140
150
160
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性
女性
LDL[mg/dl][mg/dl]
(特定健診NDB 平成22年度 全国、性・年齢区分別平均値より)
特定健診データから見た性・年齢別平均値(糖・脂質代謝)男性では空腹時血糖平均値は60-64歳で、中性脂肪は45-54歳でピーク
5
男性計: 12,337,704人 女性計: 10,111,685人 総計: 22,449,389人
(数値は有効回答数)
0
<男性> <女性>
全国のBMI(肥満)の状況(2010年度)有効回答数 年齢階級別 平均値
BMI25.0以上の割合
24.0 24.0 23.9 23.8 23.6 23.4 23.423.8 23.7
21.621.9 22.1 22.3 22.4 22.6 22.8
22.2 22.2
20.0 20.5 21.0 21.5 22.0 22.5 23.0 23.5 24.0 24.5 25.0
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
中計 年齢
調整
男性 女性[kg/㎡]
33.0% 33.4% 33.0% 31.5%29.0%
26.6% 27.0%31.1% 30.6%
6.1% 5.3% 4.4% 3.3% 2.4% 1.7% 1.8%3.9% 3.6%
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
全体 年齢
調整
25.0以上 30.0以上(再掲)
14.1%15.9%
17.6%18.8% 19.4%
20.8%23.2%
18.5% 18.5%
3.4% 3.3% 3.2% 3.0% 2.7% 2.6% 2.9% 3.0% 3.0%
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
全体 年齢
調整
25.0以上 30.0以上(再掲)
2,29
5,85
2
2,11
3,42
1
1,93
6,07
1
1,97
0,74
2
1,75
1,96
4
1,19
3,99
8
1,07
5,31
5
1,47
9,74
0
1,39
9,11
1
1,35
7,24
1
1,43
1,53
8
1,66
0,27
1
1,45
0,82
3
1,33
2,72
3
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
男性 女性
6
全国のBMI(やせ)の状況(2010年度)BMI18.5未満の割合
<男性> <女性>
3.0%2.7% 2.7%
3.0%3.3% 3.3%
3.6%
3.0% 3.1%
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
3.0%
3.5%
4.0%
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
全体 年齢
調整
14.6%
12.0%10.5%
9.6%8.7%
7.8% 7.7%
10.1% 10.1%
0.0%
2.0%
4.0%
6.0%
8.0%
10.0%
12.0%
14.0%
16.0%
40~44歳
45~49歳
50~54歳
55~59歳
60~64歳
65~69歳
70~74歳
全体 年齢
調整
NDBよりみた 肥満とやせの状況
男性では40歳代が肥満のピークだが70歳でも27%が肥満
男性では60歳代以降痩せの割合が高くなる
女性は高齢者の方が肥満割合が高い
女性は40歳代前半で痩せの割合が高い 7
7.8 8.1 7.6 7.0 6.3 5.5 5.4 6.8
7.2 8.5 8.6 8.7 8.9 7.4 7.1 8.0
4.89.9
17.024.7
34.0 41.847.4
25.5
0
10
20
30
40
50
60
70
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳 計
%愛知県(男性)
n = 433,290
未治療:保健指導対象者 未治療:受診勧奨対象者 治療中
2.1 2.6 2.8 2.8 2.9 2.9 3.0 2.81.8 2.6 3.0 3.3 3.5 3.5 3.7 3.21.94.5
10.317.5
27.236.6
44.6
23.6
0
10
20
30
40
50
60
70
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳 計
%愛知県(女性)
n = 418,984
未治療:保健指導対象者 未治療:受診勧奨対象者 治療中
16.820.2 22.1 23.3 25.3 25.0 25.3 22.5
2.0
2.73.5
4.14.4 4.5 4.4
3.6
1.8
3.45.3
8.010.0 11.1 12.0
7.3
0
10
20
30
40
50
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳 計
%
愛知県(男性)
n = 433,261
未治療:保健指導対象者 未治療:受診勧奨対象者 治療中
5.7 7.4 9.6 11.9 13.1 14.5 16.411.90.5
0.71.1
1.5 1.82.1
2.4
1.6
0.51.0 1.8
3.34.9
6.27.7
4.2
0
10
20
30
40
50
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳 計
%
愛知県(女性)
n = 418,916
未治療:保健指導対象者 未治療:受診勧奨対象者 治療中
愛知県特定健診受診者の性・年齢階級別、判定別(保健指導・受診勧奨判定・治療中)割合
血圧高値
高血圧は年齢とともに増加するが、とくに治療中の者が増加している
血糖高値
8
高血糖・高血圧・脂質異常のリスクを2個以上持つ人【肥満判定別:平成21年度】
31.9
38.0 44.2
49.5 54.7
60.0 63.9
8.9 13.3
18.4
24.2
30.8
37.1 41.6
0
10
20
30
40
50
60
70
80
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳
%男性 n = 505,109
肥満
非肥満
19.1
25.1
36.5
47.2
57.1
63.8 67.6
1.8 4.2
10.2
19.4
30.3
39.5
45.9
0
10
20
30
40
50
60
70
80
40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-69 70-74
歳
%
女性 n = 411,505肥満
非肥満
リスクを2個以上持つ人は各年齢階級において肥満者の方が多い。年齢が高くなるほど、非肥満でもリスク保有割合が増加する 9
65歳以上の特定保健指導対象者の特徴〇若年期と比較すると、腹囲は同程度であるが、BMIは小さい
⇒サルコペニア肥満の可能性が高い(特定健診NDB分析中間とりまとめより)
保健指導前の腹囲65-69歳 90.01㎝70-74歳 90.06㎝
ref.40-44歳 動機 90.13㎝40-44歳 積極 92.46㎝
(男性)
保健指導前のBMI65-69歳 25.0670-74歳 24.94
ref.40-44歳 動機 26.1040-44歳 積極 26.67
10
保健指導前の腹囲65-69歳 92.37㎝70-74歳 92.79㎝
ref.40-44歳 動機 90.55㎝40-44歳 積極 97.62㎝
女性
保健指導前のBMI65-69歳 26.0570-74歳 25.83
ref.40-44歳 動機 27.72㎝40-44歳 積極 30.03㎝
高齢者ではリスクを持ちやすく、肥満の程度が軽度でも特定保健指導の対象となりやすい 11
【血圧】積極・動機それぞれにおいて年齢とともに上昇高齢者のリスクとして
血圧がカウントされる例が上昇する
【中性脂肪】積極・動機それぞれにおいて年齢とともに低下65歳以上では積極と動機が混在するためその中位
【血糖】積極・動機それぞれにおいて年齢とともに上昇傾向65歳以上では積極と動機が混在するためその中位
12
【血圧】積極・動機それぞれにおいて年齢とともに上昇65歳以上では積極と動機が混在するがその中位より高め
【中性脂肪】積極・動機それぞれにおいて年齢によるベースラインの差はほとんど見られない65歳以上では積極と動機が混在するためその中位
【中性脂肪】積極・動機それぞれにおいて年齢によるベースラインの差はほとんど見られない65歳以上では積極と動機が混在するがその中位より低め
13
サルコペニア肥満(サルコペニア+肥満)
小原.日老会誌 2014;51:99-108
・加齢に伴い、筋肉量が低下、脂肪量(とくに内臓脂肪)が増加する。
・筋肉はインスリンの標的組織であるため、筋肉量の減少はインスリン抵抗性の原因となる。
・脂肪組織は炎症性たんぱくやサイトカイン(CRP、TNF-α、IL-6等)を生成、慢性炎症を起こし、筋萎縮やサルコペニアの進行につながる。
・加齢の骨格筋に対する効果 と
肥満が骨格筋に及ぼす影響は共通の回路を有しており、加齢と肥満の合併は、サルコペニアのプロセスを促進する。
肥満に伴うアディポサイトカインの変化とサルコペニア筋肉におけるインスリン抵抗性
14
東京都健康長寿医療センター等
2013年包括的健診に参加した65歳以上の地域在住高齢者758名.
四肢SMI*,握力,歩行速度からサルコペニアの分類を行った
四肢SMI(Skeltal Muscle mass Index)=(上肢と下肢筋肉量 の総和)/身長(m)2
前期高齢者では普通体重でも約3割はプレサルコペニア後期高齢者では普通体重でもサルコペニアが15%、プレサルコペニアが36.7%存在
(日老医誌 2016;53:387―395) 15
65歳以上に対する情報提供、保健指導について
• とくに高齢期においては、非肥満でも高血圧、高血糖のリスク保有者が高くなる。
• 高齢期において、腹囲とBMIが乖離し、腹囲は基準値以上であるがBMIが25未満の人が保健指導対象となるケースが増える。
• その場合、サルコペニア肥満といわれるように、筋肉量の減少がインスリン感受性を低下させ、糖代謝異常等を惹起している人が含まれる。
• 高齢期の保健指導については、筋肉量の維持に留意し、急激な減量を避けるように注意する必要がある。運動と食事改善の併用が重要である。
17
1989年時点で20歳代の男性10,125 人を対象、20年間追跡レセプト、健診データで評価【結果】20 歳代のBMI が高い区分ほど40 歳時の高血圧や糖尿病の有病率は上昇し,医療費も増加した.20 歳代のBMI 区分
とその後の体重増加に依存して有病率が高くなった.
18
畑中・玉腰・津下
虚血性心疾患の発症リスク
30 ~55 歳男性従業員27,945 人のうち,8年後(2003 年)の定期健診データが存在する19,742 人(70.6%)レセプトデータの入院歴と資格喪失データから虚血性心疾患の発症リスクを年齢群別にCox 比例ハザードモデルを用いて検証した.
【結果】30–39 歳の群はBMI,LDL,空腹時血糖値が高い者や21 本以上の喫煙者でリスクが上昇40–55 歳の群は高血圧や脂質異常症の治療者でリスクが上昇した.
(産衛誌 2015; 57(3): 67–76) 20
97名
体重(BW) (㎏) 83.3BMI (kg/m²) 27.7ウエスト周囲長(WC) (cm) 95.2 95.9%内臓脂肪面積(VFA) (cm²) 91.1 32.0%収縮期血圧(SBP) (mmHg) 121.0 7.2%拡張期血圧(DBP) (mmHg) 66.0 1.0%中性脂肪(TG) (mg/dl) 132.0 38.1%HDLコレステロール(HDL-C) (mg/dl) 52.0 10.3%LDLコレステロール(LDL-C) (mg/dl) 140.0 51.5%空腹時血糖(FPG) (mg/dl) 93.0 0.0%HbA1c (%) 5.50 0.0%AST (IU/l) 24.0 25.8%ALT (IU/l) 40.0 74.2%γ-GTP (IU/l) 43.0 43.3%尿酸(UA) (mg/dl) 6.60 36.1%
(20.0、31.5)(30.0、67.5)(30.0、64.0)(5.90、7.40)
(62.0、75.0)(87.5、181.5)(43.0、58.0)
(122.0、161.5)(89.0、99.5)(5.20、5.60)
中央値有所見
該当率(第1、第3四分位数)
(77.7、107.7)(114.5、128.5)
(77.8、91.8)(26.3、30.0)(90.0、100.2)
20~30代男性、BMI≧25kg/m²に該当する147名に対し動機づけ支援型保健指導を実施。介入開始時までに減量しBMI<25 kg/ m²となった31名、服薬治療中(高血圧、脂質異常症、高尿酸血症)の5名、すべてのリスク項目に異常のない者14名を除き、
肥満に起因ないし関連し、減量を要する健康障害を有する肥満症に該当する97名(年齢29.8±4.7歳)を解析対象とした
GPT、LDLコレステロール、γGTP、中性脂肪の有所見率高い。血圧、血糖の有所見率低い。21
97名 中央値 中央値 中央値 p
BW (㎏) 83.3 82.0 -1.5 <0.001
BMI (kg/m²) 27.7 27.1 -0.6 <0.001
WC (cm) 95.2 91.2 -2.9 <0.001
VFA (cm²) 91.1 81.8 -10.4 <0.001
SBP (mmHg) 121.0 120.0 -1.0 0.258
DBP (mmHg) 66.0 64.0 -3.0 0.007
TG (mg/dl) 132.0 122.0 -7.0 0.105
HDL-C (mg/dl) 52.0 49.0 -3.0 <0.001
LDL-C (mg/dl) 140.0 130.0 -11.0 <0.001
FPG (mg/dl) 93.0 94.0 1.0 0.191
HbA1c (%) 5.50 5.40 -0.10 <0.001
AST (IU/l) 24.0 21.0 -2.0 <0.001
ALT (IU/l) 40.0 31.0 -7.0 <0.001
γ-GTP (IU/l) 43.0 34.0 -6.0 <0.001
UA (mg/dl) 6.60 6.60 -0.10 0.326
介入前 介入後 ⊿(第1、第3四分位数)
(75.2、89.2)(77.8、91.8)
(第1、第3四分位数)
(20.0、31.5)
(30.0、67.5)
(26.3、30.0)
(90.0、100.2)
(77.7、107.7)
(114.5、128.5)
(62.0、75.0)
(87.5、181.5)
(43.0、58.0)
(122.0、161.5)
(89.0、99.5)
(5.20、5.60)
(25.7、29.1)
(87.2、97.3)
(67.7、91.9)
(114.0、125.0)
(60.0、70.0)
(79.0、165.5)
(43.0、57.0)
(109.5、149.0)
(90.0、98.5)
(5.20、5.50)
(18.0、26.5)
(21.0、49.5)
(24.0、57.0)
(5.95、7.15)
(30.0、64.0)
(5.90、7.40)
(第1、第3四分位数)
(-3.7、-0.1)
(-1.3、-0.1)
(-4.9、-1.4)
(-19.7、0.3)
(-8.0、5.0)
(-10.0、3.0)
(-19.0、0.0)
(-17.0、-1.0)
(-0.50、4.50)
(-54.5、21.0)
(-7.0、1.0)
(-20.0、0.0)
(-3.0、5.0)
(-2.00、0.00)
(-8.0、1.0)
保健指導の効果動機づけ型初回面接+4か月後の面接・評価を実施
差の中央値:体重1.5㎏減、腹囲2.9㎝減拡張期血圧、中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、HbA1c、肝機能が統計的に有意に改善 22