誰でも簡単に始められるcae ボトル落下解析＜手順 … intelligence®...

Innovation Intelligence®

誰でも簡単に始められるCAE

ボトル落下解析＜手順書＞

※CADデータ付き（handle_bottle_2.iges）CADデータの著作権はアルテアが有します。本トレーニング以外の目的に、許可なくご利用いただくことはできかねます。

アルテアエンジニアリング株式会社渡部高史（わたべたかし）

TEL 03-5396-1341

2015年 6月 6日

Ver.01.1

8分で

設定できて

Copyright © 2015 Altair Engineering, Inc. Proprietary and Confidential. All rights reserved.

はじめに

HyperWorks というCAEソフトウェアを使うことにより、ボトル落下解析（内液を含む）を

簡単に行うことが可能です。

CAEソフトウェアを使って解析設定するには、本来、時間がかかり、操作の慣れが必

要でした。しかし、今回紹介するソフトウェアを組合わせて使えば、CAE専任者でなく

ても、簡単に解析設定することが可能です。

サンプルのボトル（CAD）を使って、落下解析に必要な一連の解析手順について紹介

します。ボトルのコンセプトデザイン開発段階で、ボトルの性能を評価することに役立

つのではないでしょうか。


必要なソフトウェア環境

1. HyperWorks 13.0

HyperWorksには、次のようなアプリケーションが含まれます

•HyperMesh：有限要素作成、解析設定

‒ Drop Test：ボトル落下解析専用自動化ツール

•RADIOSS：構造解析ソルバー

•HyperView：解析結果処理

•HyperView Player（無償）：解析結果ビューアー

2. Packaging CAE Manager 圧縮解析自動化ツール年間ライセンス

PCMには、次のようなアプリケーションが含まれます

•HyperWorks Topload Simulator：ボトル圧縮解析専用自動化ツール


ボトル落下解析のワークフロー

HyperWorks

Topload Simulator

RADIOSS

HyperView

IGES

ファイル

hm

ファイル

h3d

ファイル

rad

ファイル

HyperMesh

Drop Test

HyperView Player

CADを取り込み、有限要素を作成

落下解析のための設定

落下解析の計算実行

解析結果処理

＜アプリケーション＞＜作業内容＞


HyperWorks Topload Simulator

を使い有限要素モデルを作成する

• CADファイルを取り込み、肉厚を3つの領域に分割する

• 有限要素モデルを作成する

• 座屈解析用に作成された有限要素モデルを、落下解析用へ修正する

IGES

ファイルhm

ファイル


用意するCAD

• IGESファイル

• 日本語名は不可、またフォルダ名もアルファベットである必要がある

• 抜け落ちた面や隙間など欠損の無い形状

• ねじ山のように細かい形状の無いボトルが望ましい

• 単体ボトル

• キャップや注ぎ口など複数の部品で成り立っているボトルにはTopload Simulatorの自動要素作成機能は使用できない

• 口が閉じたソリッド形状

圧縮座屈解析のみを行う場合は、厚みのある口の開いたソリッド形状も利用可能です

今回の落下解析で必要になるCADは次の通り

アドバイス


ベースとなるアプリケーションを起動する

• デスクトップにある、アイコンをクリックし起動

します

• もしくは、スタートメニューからHyperWorks

Topload Simulatorをクリックし起動します

HyperWorks Topload Simulatorを起動する


• HyperMeshを選択

• RADIOSSを選択

• Block120を選択

ユーザプロファイルが出てきたら、OKをクリックする

アプリケーションの使用環境を設定する


PCM自動化ツールを起動する

• 圧縮解析自動化ツールを起動する

メインメニューから Topload Simulatorを選択


CADファイルを読み込む

• 解析を行うボトルモデル（IGES）、今回は「

handle_bottle_2.iges」を選択し、開くボタンを

クリック

• PCMメニューの「ファイル：」の空欄にパスを入力してもファイルを選択できる

• PCMメニューにある「読み込み」をクリックす

ると、CADが読み込まれる

CADモデルメニューにある、フォルダアイコンをクリック


CADファイルを読み込む

• PCMツールの中で、ボトルの向きが垂直に

表示されていない場合は、「設定」をクリック

し「上向き方向」をプルダウンで指定し、変更

することができます

1

2

アドバイス


モデル表示を切り替える

CADワイヤーフレームからサーフェス表示に切り替える


表示を切り替える

表示方向やサイズを変えることが可能


有限要素作成の設定

メッシュサイズの設定

• ユーザ定義のボタンをクリック

• 任意のメッシュサイズを入力

• ここでは「4(mm）」に設定

メッシュは細かいほど精度が高い解析ができますが、その分計算時間が長くなります。サイズの違うメッシュで解析精度と計算時間を比較し、お持ちのマシン環境と照らし合わせて、最適なメッシュサイズを決めるのもよいでしょう。

アドバイス


有限要素作成の設定

ボトルの材料設定

• 予め登録してある材料から、解析で使う材料

物性を選択

• 今回は、ポリプロピレン相当である「PP」を選

択


新しい材料物性の登録

材料プルダウンメニューから「データベース」を選択

• 余白部分で、右クリックして「add」を選択

• ダブルクリックすることで、それぞれの数値を入力することが可能です

アドバイス


肉厚の設定

ボトルを高さで3領域に区分し、それぞれ肉厚値を設定します

• 1パーツのボトルを、ネック、ボディ、底部の3

つのパーツに分割する作業です

• 「板厚」画面の数字部分をクリックし、肉厚を

分けるための高さを数値入力します

• 今回は、ネックとボディの境界線は、高さ「193(mm）」と入力します

• ボディと底部の境界線は、「5」とします


数値入力以外の高さ指定方法アドバイス

• 緑色の矢印をクリック。

• グラフィックス画面のポイントをクリックし、「Proceed」ボタンをクリック

することで、CAD形状から数値を入力することも可能です

1

2

3


肉厚の設定と有限要素モデル作成

3つの領域に、肉厚値を入力します

• 板厚画面の中で、それぞれの数字をクリック

し、肉厚値を入力

肉厚値は上下領域の値の差が少ないことが望まれます。差が大きいと肉厚領域が変わるところで座屈しやすくなり、現実解から離れる恐れが生じます。

• 今回は、ネックは「1.8(mm)」、ボディは

「1.0(mm)」、底部は「1.4(mm)」と入力

• 内容液は「なし」を選択

• 「モデル作成」をクリックすると、圧縮解析用

の有限要素モデルが自動で作成されます

• 「終了」をクリックし、PCMメニューを終了しま

す

アドバイス


圧縮解析を行う場合

• 内容液の「なし」、もしくは「割合」を入力

• 「モデル作成」をクリック

• 「解析実行」をクリックすると、圧縮解析の計

算が始まります

• 解析結果が表示されましたら、「終了」をクリ

ックし、PCMメニューを終了します

アドバイス


落下解析モデルへの修正

圧縮解析用の解析設定を削除し、素の有限要素モデルに修正します

• 「Model」タグをクリックし、修正作業を開始します


圧縮解析用モデルを素のモデルへ修正

不要な「Entities」を削除します

• 左の表にある通り「Output Block」

など不要な項目を右クリックして

「Delete」⇒「Yes」で、削除します

• 残す「Entities」は次通りです

• Assembly Hierarchy

• Body、Neck、Bottom

• Component

• Title

• Material

• Curve

• Property


素の有限要素モデルを保存

hmファイルを出力する

• 「File」⇒「Save As」⇒「Model」

をクリック

• アルファベットでファイル名を入力

し、保存します

• 今回は、「bottle」と入力

• これで、後ほど落下解析で使用する

素の有限要素モデルがきました

• 「File」⇒「Exit」を選択し、

HyperWorks Topload Simulatorを

終了します


HyperMesh Drop Test

を使い、ボトル落下解析の設定を行う

• 素の有限要素モデル（hmファイル）を取り込み、落下姿勢、内液量、落下

高さなどの解析条件を設定します

• 構造解析ソルバ、RADIOSS計算用のradファイルを出力します

hm

ファイルrad

ファイル


HyperWorks Topload Simulatorを起動する

• デスクトップにある、アイコンをクリックし起動

しまする

• もしくは、スタートメニューからHyperWorks

Topload Simulatorをクリックし起動します


DropTestを起動する

• 「User Profiles」アイコンをクリック

• 「Application」のプルダウンメニューから「

Engineering Solutions」を選択

• 「DropTest」のラジオボタンを選択

• 「OK」をクリック

1

2

3


DropTestを起動する

• 「Folder」のアイコンをクリックし、落下解析を

行う作業フォルダを決めます

• 今回は、「bottle.hm」が入っている「011」というフォルダを選択

• 日本語名のフォルダは使えません

• 「Create/Open」をクリック


DropTestを起動

• DropTest（ボトル落下解析設定ツール）が起動しました


hmファイルの読み込み

• 「Simulate Fluid」を「Yes」と選択。液体入りのボトルを解析することができます

• 「Import File Format」は、「HyperMesh」を選択。先ほど作成したhmファイルを読み込

むことができます

• 「Import Model」で、読み込むファイルの場所を指定します

• 今回は、「011」フォルダにある「bottle.hm」を選択

• 「Apply」をクリック

Topload Simulatorで作成した有限要素モデルだけではなく、マニュアルで作成した有限要素モデルも読み込むことが可能です。CAE先任者が、肉厚を細かく設定した有限要素モデルを作成し、この落下解析設定自動化ツールに読み込むことも可能です

アドバイス


落下姿勢の設定

• 「Increment」にボトルを傾ける度合いを入力します。

• 今回は「10」と入力

• 「AboutX」の「>」を1度クリック。「AboutY」の「<」を2度クリック。

ボトルの落下姿勢は、X方向に10度、Y方向に-20度に設定されました。



内液設定

• 「Fill Heightに内液を入れる割合を数値入力

• 「Fill Direction」が「Z」の場合、Z軸に垂直に交わる液面が作成されます

• 今回は「90」パーセントとして入力。「Fill Height Criteria」が「Percentage」の場合、ボトル容量に対して90パーセントの内液が充填されます


• 「Select Parts to Fill」をクリックし、内液を入れるパーツを選択

• 「Comps」をクリック

• 「Body」、「Neck」、「Bottom」をチェックし、「Select」をクリック

• 「proceed」をクリック


落下高さ設定

• 落下方向は「Z」軸方向が指定されています

• 重力加速度はデフォルトで入力されています

• 「Drop Height」に自由落下させる高さを数値入力

• 今回は、「600(mm）」と入力

• 解析では自由落下し、接地直前からの状態を解析します

• 「Create」をクリック


内液の材料を定義する

• 「Modfy Material」をチェックし、「Select

from Database」をクリック

• 「Mizc」から「Water」を選択し、「Select」を

クリック

• プルダウンで「Water」を選択。内液に水の

材料物性が適用されました。



条件設定の確認

• 条件設定を確認する画面



構造解析ソルバ、RADIOSSの設定する

• フォルダアイコンをクリックし、RADIOSSの設定ファイル出力先を指定

• 日本語のフォルダやファイル名はご利用いただけません

• 今回ファイル名は「drop」とし、「011」フォルダを指定しました

• 「Termination Time」に解析したい現象時間を入力

• 今回は、「0.01（sec）」を入力

• この値を大きくすると、計算時間が膨大になります

• 「Number of CPUs」に、使用する並列計算Core数を入力

• 今回は、4Coreマシンを利用するので「4」と入力

• 「Number of Outputs」に、結果アニメーションの枚数を入力

• 今回は、「10」を選択しました。0.01sec当たり、10コマのアニメーション画像が出力されます

• 「Export」をクリックし、radファイルを出力。「DropTest」を終了します

• 「Solve」をクリックすれば、そのまま計算が始まります


衝撃解析ソルバ、RADIOSS

を使い、落下解析計算を実行

• 内液の粒子を球の形状にするための設定を行います

• 解析ファイルを選択しRADIOSS計算を実行します

• 計算が終ると、h3dファイル（解析結果ファイル）が作成されます

rad

ファイルh3d

ファイル

starterファイル(*_0000.rad)

engineファイル(*_0001.rad)


内液を球にする設定

• radファイルが置いてあるフォルダを開き、Engineファイル「*_0001.rad」を

テキストエディタで開きます

• 「/ANIM/VERS/44」という文字を

入力し、保存して閉じる

デフォルトでは、解析結果において内液が三角プレートで表現されます。結果表示の選択肢を増やすために、内液を球状へと変更します。

内液が三角プレートの表現でよければ、前工程（構造解析ソルバ、RADIOSSの設定する）にて、「Solve」をクリックすれば、そのまま計算が始まります。これ以降の工程は必要ございません。

アドバイス


落下解析を実行する

• スタートメニュー、あるいはアイコンか

らRADIOSSを起動

• 「Input file」のフォルダアイコンをクリ

ックし、starterファイル「*_0000.rad」

ファイルを選択


落下解析を実行する

• 「Options:」の右にある「…」をクリック

し、「-nthread」をチェック、使用する

計算Core数を入力

• 今回は、4coreを入力

• 「Apply Options」をクリック

• 「Run」をクリックすると、解析計算が

始まります


落下解析計算実行

• 左のような画面が現れ、計算が実行

されます

• 設定によりますが、内液を入れた場

合、計算に数時間かかることがありま

す

• 計算ジョブを途中で終了したい場合

は、「KILL」にチェックを入れて、「

Send Command」をクリックすることで

終了します

• 計算が終ると「h3dファイル」が作成さ

れます


HyperView

を使い、ボトル落下解析の結果処理を行う

• 計算結果の可視化を行います

• 計算結果を他のファイルに出力します

• HyperView Player（無償）で結果を表示します

h3d

ファイル


落下解析を可視化する

• スタートメニュー、あるいはアイコンか

らHyperViewを起動

• 「Load Model」のフォルダアイコンをク

リックし、「*.h3d」ファイルを選択

• ここでは、「drop.h3d」ファイル

• 「Apply」をクリックすることで、計算結

果ファイルを読み込むことができます

• アニメーションを再生することができ

ます

• 「Results」タグ、「Components」の

マークをクリックすることで、モデルを

非表示/表示の選択が可能

再生スピード調整

コマ送りハンドル

◆アニメーションコントローラ


変位を表示する

• マークのアイコンをクリック

• 「Result Type：」で「Displacement」を

選択します

• 「Selection:」で、「Components」を選

択

• 「Extended Entity Selection」のメニュ

ーで、「All」をクリック

• 「Apply」をクリックすると、変位コンタ

ーが表示されます1

2

3

4


永久変形を表示する


• 「Result Type：」で「Plastic Strain」を

選択します


択



• 「Apply」をクリックすると、永久変形コ

ンターが表示されます


ミーゼス応力を表示する


• 「Result Type：」で「Von Mises」を選

択します


択



• 「Apply」をクリックすると、ミーゼス応

力コンターが表示されます


GIFアニメーションの出力


• 名前を入力し、GIFフォーマットで保存

プレゼンやWebブラウザで表示可能なGIFアニメを作成


H3Dファイルの出力

• マークのアイコンをクリック、もしくは

File⇒Export⇒Modelを選択

• 「Export H3D Model」メニューで、ファイル出力先を選択

• 必要な項目をチェックし、「OK」をクリックします。

• マウスでモデルを回転するなど、インタラクティブに表示

可能なH3Dファイルが出力されます

HyperView Player（無償）で表示可能なファイルを出力


HyperView Player（無償）ダウンロードページ

http://web2.altairhyperworks.com/hyperview-player-13

http://web2.altairhyperworks.com/hyperview-player-13


おわりに

最後まで、ボトル落下解析を実行くださいまして、ありがとうございました。

今回は、Packaging CAE Manager （Topload Simulator）で、有限要素を作成しましたが、

HyperMeshを使うことで、より詳細な有限要素モデルを作成することが可能です。

ボトルの解析においては、材料物性と肉厚分布が解析精度に大きく影響してきます。

今後、より詳細な解析を進めるにあたりましては、HyperMeshをご利用願います。

今後もHyperWorksとPackaging CAE Manager自動化ツールをぜひご利用願います。

- Packaging CAE Manager 圧縮解析自動化ツール ※別売

- Packaging CAE Manager 陽/負圧解析自動化ツール（開発中） ※別売

- HyperWorks Drop Test ボトル落下解析


技術サポート連絡先

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