病室撮影に向けた小児用 と...
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病室撮影に向けた小児用CRと
カセッテ型FPDの比較検討
○厚東大智1),告野真奈1),鎌田真奈1),島田真1),阿部修司1),谷正司2),樫山和幸2)
1)大阪府立母子保健総合医療センター 放射線科 2)大阪府立急性期・総合医療センター 医療技術部 画像診断科
背景・目的
• 当センターのFPDはCsI柱状結晶で、ISS方式を用いており、線量の低減が可能とされている.
• 現在、病室撮影では片面集光読取CRと小児用の両面集光読取CRを使用している.
• 本研究の目的はFPDの評価を行い、新生児の病室撮影にFPDを導入することである.
使用機器
診断用X線高電圧装置:UD150B-30(島津製作所)
:PROFECT(富士フィルム) 画像読取装置
:両面方式CR(ST-BD)
: ISS方式FPD(CALNEO C)
:片面方式CR(ST-VI)
X線検出器
:Console Advance DR-ID 300CL(富士フィルム)
画像処理コンソール
使用機器
ST-BD
CALNEO C
ST-VI
X線検出器
50 μm
100 μm
150 μm
ピクセルサイズ 集光方式
ISS方式
両面集光
片面集光
蛍光体
CsI
CR
FPD
BaFBr・BaFI
BaFBr・BaFI
片面集光方式より蛍光体層が厚く、鮮鋭度はそのままで粒状性を改善する
ST-BDの特徴
方法
入出力特性
鮮鋭度(MTF)
タイムスケール法
エッジ法
ウィナースペクトル(NNPS) 二次元変換フーリエ法
検出量子効率(DQE) 雑音等価量子数(NEQ)
撮影条件
IEC規格に準拠したRQA5(電圧77kV) 入射線量 0.85mR: 77kV 500mA 16ms
参考図書:デジタルX線画像計測(オーム社)
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
4500
0 1 2 3 4
ISS方式FPD
両面方式CR
片面方式CR
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
4500
0 1 2 3 4
結果(入出力特性) デジタル値
相対露光量(Log Rel. Exp)
R2=0.997
R2=0.9996
R2=0.9943
結果(MTF)
0
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
0 2 4 6 8 10
ISS方式FPD
両面方式CR
片面方式CR
空間周波数[cycles/mm]
MTF
結果(NNPS)
1.0E-06
1.0E-05
1.0E-04
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3
ISS方式FPD
両面方式CR
片面方式CR
空間周波数[cycles/mm]
NN
PS
結果(NEQ・DQE)
0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0 2 4
ISS方式FPD
両面方式CR
片面方式CR
空間周波数[cycles/mm]
0
20000
40000
60000
80000
100000
120000
140000
160000
0 2 4
ISS方式FPD
両面方式CR
片面方式CR
空間周波数[cycles/mm]
NEQ
DQ
E
:Console Advance DR-ID 300CL(富士フィルム)
視覚評価 使用機器
:PROFECT(富士フィルム)
:両面方式CR
:ISS方式FPD
:片面方式CR X線検出器
画像読取装置
水等価ファントム:タフウォーター
ハウレットチャート N-70
バーガーズファントム凹15型
(京都科学)
(日興ファインズ)
(京都科学)
ピクセルサイズ 100μm
ディスプレイ: RadiForce RX211 2M pixel(EIZO)
診断用X線高電圧装置:UD150B-30(島津製作所)
評価者:放射線技師 5名
ピクセルサイズ 150μm
画像処理コンソール
撮影条件
2cm
1cm
2cm
2cm 3cm
3cm
新生児の肺野を想定 新生児の心縦隔を想定
50 kv, 250 mA, 5.6 ms(病室撮影 50 kV ,1 mAsに相当)
水等価ファントム
発泡スチロール
ディテクター
ハウレットチャート
バーガーズファントム 100cm X線
1.16mR 0.58mR
X線
方法
方法
デジタル値700 デジタル値350
ハウレットチャート バーガーズファントム
結果(ハウレットチャート)
0
2
4
6
8
10
12
ISS方式FPD 片面方式CR 両面方式CR
* *
: P<0.05 *
IQ va
lue
結果(バーガーズファントム)
0
1
2
3
4
5
0 2 4 6 8 10
片面方式CR
両面方式CR
ISS方式FPD
深さ
(mm
)
直径(mm)
考察(物理評価)
ISS方式FPDのDQEはCRと比較して
大きく上回っていた
MTFが大幅に上回っていたため、DQEは高くなった
両面方式CRは粒状性が高かった
特徴通り、X線の利用効率が高い
考察(視覚評価)
• 高コントラスト分解能はISS方式FPDが高かった.
• 低コントラスト分解能はISS方式FPDが高い傾向にあった
FPDはCRと比較してDQEが大きく上回っていたため
ISS方式FPD
MTFが同等で、NNPSが良くよいため
• 片面方式CRよりDQEは高かったが、高コントラスト分解能では差がなかった.
• 片面方式CRより低コントラスト分解能が高い傾向にあった.
両面方式CR
結論
ISS方式FPDはCRと比較して、DQEとコントラスト分
解能が高いことから線量低下、もしくは同線量でさらに高画質な画像が得られる FPDは新生児の病室撮影に導入が可能である