産科病棟管理者 交流集会 - japanese nursing association2013/08/03  ·...

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産科病棟管理者 交流集会 時:平成 25 8 3 日(土)9:01:00 場:日本看護協会 JNA ホール 催:公益社団法人 日本看護協会

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Page 1: 産科病棟管理者 交流集会 - Japanese Nursing Association2013/08/03  · 産科病棟管理者 交流集会 日 時:平成25年8 月3 日(土)9:30~17:00 会 場:日本看護協会JNAホール

産科病棟管理者 交流集会

日 時:平成 25 年 8 月 3 日(土)9:30~17:00

会 場:日本看護協会 JNA ホール

主 催:公益社団法人 日本看護協会

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プログラム

9:30~ 9:40

9:40~10:50

10:50~12:00

12:00~12:30

開会のあいさつ

講演

「助産師の労働環境と人員配置を考える

~診療報酬要件の理解と活用~」

日本看護協会 労働政策部 専門職

奥村 元子

講演

「助産師の人員配置に関する諸課題

~全ての妊産褥婦と新生児に助産師のケアを提供するために~」

日本看護協会 常任理事

福井 トシ子

質疑応答

ページ

13

12:30~13:30 昼食

13:30~15:10 グループワーク

テーマ「助産師の人員配置の考え方について」

35

15:10~15:20

15:20~16:30

16:30~16:40

(10 分休憩)

各グループ発表

質疑応答

16:40~16:45

閉会のあいさつ

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助産師の労働環境と人員配置を考える

~診療報酬要件の理解と活用~

公益社団法人 日本看護協会

専門職 奥村元子

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公益社団法人 日本看護協会 労働政策部

2013年8月3日 公益社団法人日本看護協会 産科病棟管理者研修会

これからご説明すること

1. 病棟看護配置の基本的な考え方

2. 看護配置計算Ⅰ

入院基本料算定ルールの理解と応用

3. 看護配置計算Ⅱ

ケア提供体制と職員の労働条件を考慮

4. 参考

a.入院基本料関係

b.医療法・医療法施行規則

公益社団法人日本看護協会労働政策部 2

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2

病棟A

病棟B

病棟C

病棟D

病棟E

1.病棟看護配置の基本的な考え方

公益社団法人日本看護協会労働政策部

病棟A

病棟B

病棟C

病棟D

病棟E

入院基本料算定届出 各病棟ごとの「傾斜配置」

該当する病棟を一括して届出

平均入院患者数

届出区分の 看護配置比率

病棟全体で提供されるべき月延べ勤務時間数

=看護要員配置

【その他の要件】 平均在院日数 看護師比率 重症度・看護必要度 夜勤体制(複数夜勤・平均夜勤時間数72時間以内)

各病棟ごとの

提供すべき看護

入院患者数

診療科特性

勤務体制

労働条件

看護要員配置

3

2.看護配置計算 Ⅰ

公益社団法人日本看護協会労働政策部 4

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看護配置数算出の手順(例)

公益社団法人日本看護協会労働政策部 5

平均入院患者数= 直近1年間の平均(正常の妊産婦、健康な新生児を含む)

届出区分の看護配置比率 = 7対1,10対1,13対1,15対1 ※24時間を平均した患者対看護職員比率を指す

病棟全体で提供されるべき月延べ勤務時間数 = 「平均入院患者数」と「届け出区分の看護配置比率」から算出。 病棟看護職員の「月述べ勤務時間数」を「看護要員配置」に換算。

【その他の要件】 平均在院日数(届け出単位の病棟全体の直近3ヶ月について算出) 看護師比率(看護職員中の看護師比率。看護師の月述べ勤務時間数で算出) 重症度・看護必要度(産科入院患者、新生児は評価対象外) 夜勤体制(各看護単位ごとに複数夜勤体制、届け出単位の病棟全体の平均夜勤時間数72時間以内)

診療報酬算定要件にもとづく病院看護配置

【入院基本料算定の基本ルール】

院内同一種別の複数病棟は一括して届け出る。病棟ごと異区分届出は認めない。

病棟ごと・日夜・週日週末等に伴う傾斜配置は病院の裁量で可能。

交代制の勤務体制(当直制は不可)

各病棟ごとに看護職員による複数夜勤体制をとる

他部署兼務・短時間勤務者の病棟勤務は総看護時間数に計上(常勤換算不要)

患者の「重症度・看護必要度」の把握に基づく傾斜配置を求める。

6 公益社団法人日本看護協会労働政策部

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必要看護配置数算出の手順(7対1の例) 1.一般病棟全体の平均入院患者数(保険診療患者のほか、正常の妊産婦、健康な新生児,ドックなど保険診療以外の患者を含む・直近1年間の平均数)の算出

2.届け出る入院基本料区分(7対1)に対応した「必要看護配置数」を算出

①350人の患者に「常時7対1」となる看護職員数は? 350(人)÷7=50(人)・・・1日24時間を平均した出勤者数 ②①の人数が24時間を通じて勤務すると、1日の延べ出勤者数は? ×3=150(人) 小数点以下端数切上げ

※1人の職員の1日の勤務を8時間の原則に立って、「1日24時間を8時間勤務の職員3人で担当する」と考える。「3交代制」の「3」ではない点に注意。

③1日 の看護配置(1勤務8時間)を行う場合の、1ヶ月(31日)の延べ看護時間数(月延べ勤務時間数)は? ×8時間×31日= ④ を満たす看護職員数を算出 ÷150時間=248(人)

※「150時間」はひとりの看護職員が1カ月に提供できる勤務時間数の目安。年間1,800時間(225日×8時間) 年間休日140日:週休105日、国民の祝日15日、年末年始休暇5日、有給休暇20日)を想定。

a. 50人

b. 150人

b. 150人

a. 50人

b. 150人 c. 37,200(時間)

c. 37,200(時間) c. 37,200(時間) d. 248人

3. 上記「③」(月延べ勤務時間数)が実際に提供されたことを確認。平均在院日数・平均夜

勤時間数72時間以内・各病棟複数夜勤体制・「患者の重症度・看護必要度」要件を満たす

7 公益社団法人日本看護協会労働政策部

この人数を各病棟に配分する!

ある産科病棟で、「7対1」配置基準を念頭に置いた必要看護配置数を算出する例

1.この病棟の平均入院患者数は? 妊婦・産婦・褥婦 35人・新生児 14人=49人

2.この病棟で入院基本料区分(7対1)に対応した「必要看護配置数」を算出 ①35人の患者・14人の新生児に「常時7対1」となる看護職員数は? 49(人)÷7=7(人)・・・1日24時間を平均した出勤者数 ②①の人数が24時間を通じて勤務すると、1日の延べ出勤者数は? ×3=21(人) 小数点以下端数切上げ

③1日 の看護配置(1勤務8時間)を行う場合の、1ヶ月(31日)の延べ看護時間数(月延べ勤務時間数)は? ×8時間×31日= ④ を満たす看護職員数を算出 ÷150時間≒34.7(人)≒35(人)

a. 7人

b. 21人 a. 7人

b. 21人 c. 5,208(時間)

c. 5,208(時間) c. 5,208(時間)

d. 35人

b. 21人

c. 5,208(時間)

8 公益社団法人日本看護協会労働政策部

この病棟の昼夜の配置数のイメージと必要夜勤従事者数の算出 ※「1日述べ出勤者 」の各勤務帯への配分は?まず「夜勤」を何人にするか? (例)準夜勤 人 深夜勤 人 → 21-( + )=13 日勤 13人 この病棟の月延べ夜勤時間数は? ( 人×16時間)×31日=1,984時間 平均夜勤時間数72時間以内とするための必要夜勤従事者数は? 1,984時間÷72時間≒27.6≒28人 必要夜勤従事者数=28人

b. 21人 4 4 4 4

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3.看護配置計算 Ⅱ

公益社団法人日本看護協会労働政策部 9

ケア提供体制と助産師の労働条件を仮定した 必要な助産師配置数の試算

例題 ケア提供体制 スタッフの労働条件 必要な助産師配置数

夜間の助産師配置数

月夜勤回数 (3交代制での平均回数)

年間労働時間/稼働日数

A

8回

年間労働時間 1,800時間(225日×8時間) ※年間休日140日:週休105日、国民の祝日15日、年末年始休暇5日、有給休暇20日 さらに、研修 6日、病棟外活動4日 → 年間稼働日数 215日

8人+1(人)

B

16人+1(人)

C

24人+1(人)

D

31人+1(人)

公益社団法人日本看護協会労働政策部 10

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【例題A】 夜間の助産師配置数「1」の計算例 【労働条件】3交代制・平均夜勤回数8回、年間稼働日数215日

公益社団法人日本看護協会労働政策部

①夜間助産師1人体制での月延べ夜勤回数は (準夜勤1人+深夜勤1人)×31(日)=62(回)

【展開】助産師 8人でとれる体制は? ③ 8人の助産師の年間稼働延日数は? 助産師1人の年間稼働日数215日 → 8(人)×215(日)=1,720(日) ④では、日勤にあてられる日数(年間)は? 1,720(日)-(2(回)×365(日))=990(日) ⑤では、④(年間延日勤日数)を365日に割り振れば?

990(日)÷365(日)=2.7・・・(日勤者数)

準夜

深夜勤

日勤

11

②月平均夜勤回数を8回以内とするために必要な助産師数は 62(回) ÷ 8(回)=7.75 ≒8(人)

【例題D】 夜間の助産師配置数「4」の計算例 【労働条件】3交代制・平均夜勤回数8回、年間稼働日数215日

公益社団法人日本看護協会労働政策部

①夜間助産師4人体制での月延べ夜勤回数は (準夜勤4人+深夜勤4人)×31(日)=248(回)

【展開】助産師31人でとれる体制は? ③31人の助産師の年間稼働延日数は? 助産師1人の年間稼働日数215日 → 31(人)×215(日)= 6,665(日) ④では、日勤にあてられる日数(年間)は? 6,665(日)-(8(回)×365(日))=3,745(日) ⑤では、④(年間延べ日勤日数)を365日に割り振れば?

3,745(日)÷365(日)=10.3・・(日勤者数)

準夜

深夜勤

日勤

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②月平均夜勤回数を8回以内とするために必要な助産師数は 248(回) ÷ 8(回)=31(人)

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4.参考

公益社団法人日本看護協会労働政策部 13

「医療法標準数」(医療法、医療法施行規則)

• 実質的に「最低基準」として機能 「標欠」(標準数より少ない配置状態)へのペナルティ

基準を引き上げるには法律改正が必要なので難しい

「診療報酬算定要件の配置基準」(医療課長通知)

• 「より充実した配置」をすると入院報酬が増える

医療提供の実情に即して引上げられてきた

【参考】「医療法標準数」と 「診療報酬算定要件の配置基準」

公益社団法人日本看護協会労働政策部 14

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第19条2 法第二十一条第三項の厚生労働省令で定める基準(病院の従業者及びその員数に係るものに限る。次項において同じ。)であつて、都道府県が条例を定めるに当たって従うべきものは、次のとおりとする。

二 看護師及び准看護師 療養病床、精神病床及び結核病床に係る病室の入院患者の数を四をもつて除した数と、感染症病床及び一般病床に係る病室の入院患者(入院している新生児を含む。)の数を三をもつて除した数とを加えた数(その数が一に満たないときは一とし、その数に一に満たない端数が生じたときは、その端数は一として計算する。)に、外来患者の数が三十又はその端数を増すごとに一を加えた数。ただし、産婦人科又は産科においてはそのうちの適当数を助産師とするものとし、また、歯科、矯正歯科、小児歯科又は歯科口腔くう外科においてはそのうちの適当数を歯科衛生士とすることができる。

三 看護補助者 療養病床に係る病室の入院患者の数が四又はその端数を増すごとに一

第22条の2 法第22条の2第1号の規定による特定機能病院に置くべき医師、歯科医師、薬剤師、看護師その他の従業者の員数は、次に定めるところによる。

四 看護師及び准看護師 入院患者(入院している新生児を含む。)の数が二又はその端数を増すごとに一と外来患者の数が三十又はその端数を増すごとに一を加えた数以上。ただし、産婦人科又は産科においてはそのうちの適当数を助産師とするものとし、また、歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔くう外科においてはそのうちの適当数を歯科衛生士とすることができる。

医療法施行規則による病院看護配置(条文)

公益社団法人日本看護協会労働政策部 15

医療法標準数(病院の医療従事者配置) 一般病床 療養病床 精神病床 感染症病床 結核病床

定義

精神病床、感染症病床、結核病床、療養病床以外の病床

主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床

精神疾患を有する者を入院させるための病床

感染症法に規定する一類感染症、二類感染症及び新感染症の患者を入院させるための病床

結核の患者を入院させるための病床

1)大学病院等※1

1)以外の病院

人員配置標準

医師16:1 薬剤師70:1 看護職員3:1

医師48:1 薬剤師150:1 看護職員※2 4:1 看護補助者※24:1 理学療法士及び作業療法士;病院の実情に応じた適当数

医師16:1 薬剤師70:1 看護職員3:1

医師48:1 薬剤師150:1 看護職員※3 4:1

医師16:1 薬剤師70:1 看護職員3:1

医師16:1 薬剤師70:1

看護職員4:1

(各病床共通) ・歯科医師歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科の入院患者に対し、16:1 ・栄養士病床数100以上の病院に1人 ・診療放射線技師、事務員その他の従業者病院の実情に応じた適当数

(外来患者関係) ・医師40:1 ・歯科医師:病院の実情に応じた適当数、 ・薬剤師:外来患者に係る取扱処方せん75:1 ・看護職員30:1

※1 大学病院(特定機能病院及び精神病床のみを有する病院を除く。)のほか、内科、外科、産婦人科、眼科及び耳鼻咽喉科を有する100床以上の病院(特定機能病院を除く。)のことをいう。

※2 平成24年3月31日までは、6:1でも可 ※3 当分の間、看護職員5:1、看護補助者を合わせて4:1

公益社団法人日本看護協会労働政策部 16

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病棟区分別の入院基本料の点数・基準一覧 種別 基準 一般病棟 専門病院 障害者施設 結核病棟 精神病棟 特定一般 特定結核 特定精神

区分A 7対1入院基本

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

1,566点 7対1以上 70%以上 18日以内

1,566点 7対1以上 70%以上 28日以内

1,566点 7対1以上 70%以上 -

1,566点 7対1以上 70%以上 -

1,566点 7対1以上 70%以上 26日以内

1,566点 7対1以上 70%以上 -

1,322点 7対1以上 70%以上 40日以内

区分B 10対1入院基

本料

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

1,311点 10対1以上 70%以上 21日以内

1,311点 10対1以上 70%以上 33日以内

1,311点 10対1以上 70%以上 -

1,311点 10対1以上 70%以上 -

1,251点 10対1以上 70%以上 40日以内

1,311点 10対1以上 70%以上 28日以内

1,311点 10対1以上 70%以上 -

1,251点 10対1以上 70%以上 40日以内

区分C 13対1入院基

本料

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

1,103点 13対1以上 70%以上 24日以内

1,103点 13対1以上 70%以上 36日以内

1,103点 13対1以上 70%以上 -

1,103点 13対1以上 70%以上 -

931点 13対1以上 70%以上 80日以内

1,103点 13対1以上 70%以上 -

931点 13対1以上 70%以上 80日以内

区分D 15対1入院基

本料

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

945点 15対1以上 40%以上 60日以内

965点 15対1以上 40%以上 -

945点 15対1以上 40%以上 -

811点 15対1以上 40%以上 -

945点 15対1以上 40%以上 -

850点 15対1以上 40%以上 -

区分E 18対1入院基

本料

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

809点 18対1以上 40%以上 -

723点 18対1以上 40%以上 -

区分F 20対1入院基

本料

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

763点 20対1以上 40%以上 -

669点 20対1以上 40%以上 -

特別 1

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

575点 15対1未満 40%未満 -

特別 2

点 数 実質配置 看護比率 在院日数

550点 20対1未満 40%未満 -

550点 20対1未満 40%未満 -

平成24年度改定版

17

公益社団法人日本看護協会労働政策部

看護配置要件の留意事項① 病棟勤務時間数の計上

勤務形態(常勤・非常勤、フルタイム・短時間勤務、他部署兼務など)にかかわらず、「病棟での実働時間(+休憩時間)」の総合計時間数を患者対配置数に換算する。(→職員個々を、勤務時間によって配置数換算する必要がない)

病棟外での会議、研修等に参加した時間、休暇を取得した時間、時間外勤務時間は計上しない。

厚労省の想定(平成17年10月中医協への新たな算定要件提案時の試

算)では、看護職員1名の1カ月の勤務時間数を平均150時間(年間1800時間)と設定

18 公益社団法人日本看護協会労働政策部

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看護配置要件の留意事項② 病棟勤務時間数の計上

【実働時間とみなされる職員研修の範囲】(H19年4月20日厚労省医療課事務連絡(疑義解釈通知))

入院基本料の施設基準の「院内感染防止対策に関する基準」及び「医療安全管理体制に関する基準」を満たすために必要な院内感染防止対策委員会、安全管理のための委員会及び安全管理の体制確保のための職員研修に参加する時間帯に限り、当該病棟で勤務する実働時間数に含んでも差し支えない。

●院内感染防止対策委員会は、病院長又は診療所長、看護部長、薬剤部門の責任者、検査部門の責任者、事務部門の責任者、感染症対策に関し相当の経験を有する医師等の職員から構成されているものであり、月1回程度定期的に開催される委員会であること。安全管理のための委員会は、安全管理の責任者等で構成されているものであり月1回程度開催される委員会であること。(→委員会構成員のみ)

●安全管理の体制確保のための職員研修は、安全管理のための基本的考え方及び具体的方策について職員に周知徹底を図ることを目的とするものであり、研修計画に基づき2回程度実施される研修であること。 (→全職員対象) 19 公益社団法人日本看護協会労働政策部

【留意点】病棟での「勤務時間数」計上のポイント

公益社団法人日本看護協会労働政策部 20

休憩

始業時刻

終業時刻

時間外 勤務

「病棟での勤務時間数」として計上する

所定労働時間 所定労働時間

0:00 6:00 12:00 24:00

18:00 9:00 17:00

日勤時間帯 夜勤時間帯 夜勤時間帯

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【留意点】平均入院患者数には健康な新生児を含む

4 入院患者の数及び看護要員の数等については下記のとおりとする。

(1) 入院患者の数については、次の点に留意する。

ア 入院患者の数には、保険診療に係る入院患者のほか、正常の妊産婦、

生母の入院に伴って入院した健康な新生児又は乳児、人間ドックなどの

保険外診療の患者であって、看護要員を保険診療を担当する者と保険

外診療を担当する者とに明確に区分できない場合の患者を含むもので

あること。なお、救急患者として受け入れ、処置室、手術室等において死

亡した患者について入院料を算定する場合であっても、当該患者につい

ては、入院患者の数に計上しない。

イ 入院患者の数については、届出時の直近1年間(届出前1年から6か月の間に開設又は増床を行った保険医療機関にあっては、直近6か月間とする。)の延入院患者数を延日数で除して得た数とし、小数点以下は切り上げる。

(以下略)

公益社団法人日本看護協会労働政策部

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第2号・平成24年3月5日)の別添1「初・再診料の施設基準等」

21

(2) 看護要員の数については、次の点に留意する。

ア 看護要員の数は、届出時の看護要員の数とする。

イ 当該届出病棟に配置されている看護要員の数は、1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりの要件を満たしていること。なお、出産、育児又は家族介護に関する休業等が確保されるよう配慮を行うこと※。

ウ 看護要員の数は、病棟において実際に入院患者の看護に当たっている看護要員の数であり、その算定に当たっては、看護部長等(専ら、病院全体の看護管理に従事する者をいう。)、当該保険医療機関附属の看護師養成所等の専任教員、外来勤務、手術室勤務又は中央材料室勤務等の看護要員の数は算入しない。

エ ただし、病棟勤務と外来勤務、手術室勤務、中央材料室勤務又は集中治療室勤務を兼務する場合は、勤務計画表による病棟勤務の時間を比例計算の上、看護要員の数に算入することができる。(以下略)

公益社団法人日本看護協会労働政策部

【留意点】出産・育児・家族介護にかかわる休暇の 確保を前提とする看護配置が必要

※日本看護協会ホームページに算出方法等の参考資料を掲載

http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/housyu/pdf/step1.pdf

「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(保医発0305第2号・平成24年3月5日)の別添1「初・再診料の施設基準等」 22

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入院料の看護職員夜勤要件(夜勤体制・夜勤時間数等)の経緯 年 改正内容

1992(平成4)年 ◆「看護師等の人材確保の推進に関する法律」成立

文部省・厚生省・労働省(告示)「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針」において「週40時間労働(完全週休2日制)普及等労働時間短縮の推進」、「複数を主として月8回以内夜勤体制の構築」の必要性を明記 ◆診療報酬改定で看護料に「夜間看護加算」を新設(25点) ・加算要件で3交代・2交代それぞれに平均夜勤回数を設定(下図参照) ・週所定労働時間40時間以内

・夜勤専従者の夜勤回数はそれぞれ2倍以内(→ 2人体制で16回以内、3人体制で18回以内)

基準看護の要件で「勤務形態はなるべく三交代であることが望ましいが、保険医療機関の実情に応じて二交代制の勤務形態があってもさしつかえない」とされた

1996(平成8)年

診療報酬改定で「夜間勤務等看護加算」の要件変更(下図参照) ・「夜勤人数」を「夜勤看護職員一人あたり患者数」に、「夜勤回数」を「夜勤時間数」に読替え。

2000(平成12)年 「入院基本料」創設。従来の「看護料」「入院時医学管理料」「入院環境料」を包括。「夜間勤務等看護加算」は「入院基本料」の加算に。

2006(平成18)年 「入院基本料」算定にかかわる看護配置の表記を「配置数」から「実質配置」に変更。「複数夜勤」「月平均夜勤時間数72時間以内」を「入院基本料」の要件に。「夜間勤務等看護加算」廃止。

23

夜間看護加算(1992年) 夜間勤務等看護加算」(1996年)

3交代・2人夜勤/8回以内 夜勤看護職員1人あたり患者数15人以下、月平均夜勤時間72時間以内

3交代・3人夜勤/9回以内 同20人以下、72時間以内

2交代(12時間夜勤)/6回以内 同30人以下、64時間以内

2交代(16時間夜勤)/4回以内 夜勤看護要員1人当たり患者数20人以下、月平均夜勤時間数72時間以内

同30人以下、64時間以内

【留意点】入院基本料

「平均夜勤時間数72時間要件」の運用ポイント 【算定要件】

夜勤看護職員の月(または4週)平均夜勤時間数は72時間以内

「複数夜勤」は夜間の患者の安全が守れる最低限の看護体制。あわせて看護サービスの質確保のために看護職員の夜勤負担に歯止めをかける趣旨。

平成18年改定で「加算」(算定する病院のみが満たせばよい)から「要件」(入院基本料算定には原則として満たさねばならない)に位置づけを変更

「72時間」は3交代(8時間夜勤)で9回に相当。

【運用】

届出のための計算期間(1カ月または4週間)はどちらでも選択可

平均夜勤時間数計算は届出単位の全病棟を一括して行う。

病棟単位の計算は不要。各人ごとの上限はない。※負担軽減対策が不可欠

月夜勤時間数16時間以内の者と夜勤専従者は平均夜勤時間算出計算から除外。短時間正職員については12時間以上で平均夜勤時間算出計算に含める

届け出後の変動許容幅は「1割以内の3カ月以内の変動」。72時間の1割増し(=79.2時間)以内の超過なら、最長3カ月まで許容される

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助産師の人員配置に関する諸課題

~全ての妊産褥婦と新生児に

助産師のケアを提供するために~

公益社団法人 日本看護協会

常任理事 福井トシ子

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~全ての妊産褥婦と新生児に

助産師のケアを提供するために~

公益社団法人 日本看護協会

福井 トシ子

助産師の人員配置に関する諸課題

現 状 1.妊娠・出産・子育てを取り巻く環境は、

多様化しており、助産師には、様々な役割を果たすことが期待されている。

2.地域・施設によって、助産師の就業状況の偏在があるため、現場では、助産師が不足している感がある。

2

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1.助産師の必要人数について

1)日本の出産に関する現状

2)周産期医療における法律・施策

3)助産師必要人数に関する課題

3

目的 医療施設において、安全・安心な妊娠・出産・育児環境を整備し、全ての妊産褥婦 及び新生児にとって、必要な助産ケアを提供することができるために、適正に助産師が 配置される

現状・課題 1.都道府県・施設の偏在や病院内における偏在・潜在化 ・人口10万対の医療従事者数が高い・低い都道府県の差は、約2倍と非常に大きい。 ・助産師が他科に配属される、または他科患者へのケアが優先される等によって、全ての妊産褥婦・新生児にケアを 提供することが難しい。 ⇒仮に分娩30件にあたり助産師が1人必要と考えると、病院・診療所・助産所において、妊娠・分娩に従事する 助産師は少なくとも36,000人必要 ⇒平成21年病院・診療所・助産所の就業数約29,000人と比べると、約7,000人不足

2.助産師の人員配置に関する基準がない

3.人員配置を促進させるインセンティブがない

対応策(案) ●関係職種、関係団体との協働による検討・体制の整備に向けた取り組み

●法律・制度上に位置づける ・医療法施行規則の人員配置の中に、助産師に関する内容を含める。

●配置基準の作成 ・分娩件数に対する助産師の配置 ・入院患者数(新生児を含む)に対する助産師の配置 ・産科を標榜している施設に対する助産師の配置

助産師の必要人数に関する課題

4

14

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分娩事故判例分析(43例) ●平成11年4月~平成19年6月までの裁判例情報の内、「平成元年1月1日以降の分娩時の事故」や「胎児死亡、 仮死で出生後に死亡、脳性麻痺の損害が生じていること」等を満たす判例より読み取れる事故原因や再発事故 防止策が抽出された。 ●従来より、分娩事故防止のために指摘されているとおり、産科医療を提供する施設内や施設間の連携体制の 整備、周産期医療を担う一人ひとりの胎児心拍陣痛図の判読能力の強化等が重要である。

17 (39%)

9 (21%)

5 (12%)

4 (9%)

2 (5%)

2 5%

2 (5%)

1 (2%)

1 (2%)

産科診療所 自治体病院 私立病院(複数科) その他の公的病院 国立病院 私立産科病院 大学病院 私立総合病院

9 (20.9%)

2 (4.7%)

6 (14.0%)

4 (9.3%)

16 (37.2%)

4 (9.3%)

2 (4.7%)

自然分娩 クリステレル* 吸引分娩

鉗子分娩 帝王切開 他娩出から帝王切開

6 (14.0%)

33 (76.7%)

4 (9.3%)

36週未満 37週以上 不明

21 (48.8%)

3 (7.0%)

19 (44.2%)

脳性麻痺 胎児死亡 死亡

7 (16.3%)

11 (25.6%)

11 (25.6%)

14 (32.6%)

1000万円未満 1000万円以上~5000万円未満

5000万円以上~1億円未満 1億円以上

図 判例分析により抽出された要因数(n=43) 図 分娩事故が発生した医療機関の特性・規模(n=43)

図 分娩週数(n=43)

図 娩出法(n=43)

図 分娩事故における児の予後(n=43)

図 補償金額(n=43)

出典:医療問題弁護団・分娩事故判例研究会「分娩事故判例分析~裁判例に学ぶ事故原因と再発防止策~(2008年4月)

*クリステレル圧出法:娩出が進まない時に、妊婦の腹部にまたがって腹部を 圧迫することで娩出を助ける方法。

1 3 5 6 6 3 5 5

1 2 3

7

11 12 10

8

15

3 3 0

5

10

15

20

25

ハイリスク症例を扱

う施設

妊娠・分娩のハイリ

スク評価・診断ミス

夜間休日態勢

子宮収縮剤の使用

分娩監視

経膣分娩の手技

帝王切開選択基準

出生後の産婦人科に

よる新生児管理

説明義務

カルテ改ざん

診療所以外

診療所

5

産科医療補償制度 ●2009年、分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児に対する補償の機能と脳性麻痺の原因分析・再発防止の 機能とを併せ持つ制度として、産科医療補償制度が創設された。 ●補償対象となった20事例の原因分析によると、周産期医療を担う医師・助産師の連携・協働体制や、 妊娠・分娩の経過を判断する知識・技術の習得の必要性が強く指摘されている。

分娩に関連して発症した脳性麻痺児およびその家族の経済的負担を補償

紛争の防止・早期解決および 産科医療の質の向上を図る

脳性麻痺発症の原因分析を行い、将来の脳性麻痺の予防に資する情報を提供

補償認定

依頼

妊産婦・児

補償認定

請求 分娩機関

補償認定

審査

日本医療機能評価機構

補償金

支払い

民間

保険会社

原因分析

•医学的観点からの分析(分娩機関と妊産婦・児)双方へのフィードバック

再発防止

•事例を整理し再発防止策・課題の策定 産科医療の質の向上

課題(産科医療補償制度の20事例の原因分析)

・医師不足による過重労働

・医師-助産師間の連携不備(連絡・報告)

・妊娠・分娩の経過を判断する知識や技術不足等

(胎児心拍陣痛図の判読、新生児救急蘇生など)

支払回数 補償金額

準備一時金(看護・介護を行う基盤整備のための資金) 1回 600万円

補償分割金(看護・介護費用として毎年定期的に支給) 20回 120万円/年

総額 3000万円 補償内容

補償後の流れ

補償の流れ

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胎児・児童虐待 ●ここ数年、妊婦健康診査を受けないままの飛び込み出産など、ハイリスク分娩がある。 ●児童虐待による死亡の内、生後間もない児の占める割合は、近年増加している。 ●平成20年度の生後0カ月児の死亡の内、「望まない妊娠」や「計画外妊娠」であった割合は約半数であった。 ●児童虐待を予防するために、「妊娠期からの支援を必要とする家庭の早期発見のための方策」「望まない 妊娠について悩む者への相談体制の充実」「望まない妊娠や計画しない妊娠を予防するための方策」「相談 しやすい体制づくりの整備・相談先の周知徹底」など、妊娠初期からの継続的な関わりが重要である。

2 8 8 9

17 26

9

16 12 11

20

13 25

58 56 61

78

67

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

1次 2次 3次 4次 5次 6次

0ヶ月児 0ヶ月を除く0歳児 総数

(H15.7~12)

図 子ども虐待による死亡事例等の検証結果等(第1~6次報告)における子ども虐待による

死亡事例(心中以外)について

出典:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第1~6次報告)

(H17.1~12) (H18.1~12) (H19.1~H20.3) (H20.4~H21.3) (H16.1~12)

(件)

0日目(n=16) それ以外の0ヶ月児

(n=10)

動機 ・家族(夫や両親)、職場、

学校に知られたくない:

未婚、配偶者以外の相手

との間の妊娠

・育児をする気がない

・育児能力がない。

育てられない。

・どうして良いかわからない

・出産や中絶する費用、

育児の為のお金がない

・泣きやませようとした

・育児のお金がない、

相手に知られたくない

・ストレス

・育児不安

・死んだとは思っていない

養育者 一人親(未婚)52.9% 実父母(51.1%)

母の年齢 30~34歳(37.5%) 25~29歳(32.6%)

20~24歳{28.3%}

加害動機 子 ど も の 存 在 の 拒 否

(35.3%)

しつけ(18.4%)

妊娠・

周産期の

問題

①望まない妊娠/計画外

68.8%

②若年妊娠 31.3%

③母子健康手帳の未発行

81.3%

④妊婦健康診査未受診

75%

①20.4%

②18.4%

③12.2%

④16.3%

表 第6次報告の子ども虐待による死亡事例(心中以外)における0日目・それ以外の0ヶ月児の概要

出典:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第6次報告)

7

周産期医療提供体制の変遷と助産師数と産婦人科医師数の推移 ●産婦人科医師数は減尐傾向にあったが、ここ数年停滞している。助産師数は、1990年以降、年々増加している。 ●人口10万対の医療従事者数が高い・低い都道府県の差は、産科・産婦人科医師は約1.8倍、助産師は約2倍と 非常に大きい。

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

1955 1960 1965 1970 1975 1980 1984 1990 1994 2000 2004 2006 2008

出典:医師・歯科医師・薬剤師調査、厚生労働省医政局看護課しらべ

助産師数(’09)31,312人

産婦人科医師数(’08) 10,389人

1971年 助産師教育課程の改正 学科時間、臨床実習時間の大幅な減尐 1996年

養成所指定規則の一部改正 ・統合カリキュラム

・分娩取り扱い数10例程度

2004年 専門職大学院の開設

2008年 養成所指定規則の一部改正 分娩取り扱い事例の明示、単位数の増加:総数(23)、実習(9)

2012年

看護師等養成所の

運営に関する指導

要領の一部改正 ・単位数の増加:総数(28)、実習(11) ・内容の改正

2006年大野病院事件

2010年

・周産期医療提供

体制整備指針の改正

・チーム医療の推進

1996年 周産期医療対策整備事業

図1 産婦人科医師数・助産師数の推移(1955~2008年)

厚生労働省平成20年保健・衛生行政業務報告より作成

5.8 6.2 6.4 10.5 10.7 11

0

5

10

15

奈良 埼玉 滋賀 沖縄 東京 徳島

図 人口10万対の産科・産婦人科医師数の高い・低い都道府県

全国平均8.1

15.9 16.2 16.2 30.6 30.9 32

0

10

20

30

40

三重 埼玉 千葉 島根 新潟 富山

図 人口10万対の就業助産師の高い・低い都道府県

全国平均21.8

8

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分娩を取り扱う病院・診療所における分娩・産婦人科医師・助産師数 ●病院と診療所の出産がほぼ半々であるにも関わらず、産婦人科医師数・助産師数は病院に偏在している。 ●診療所では経膣分娩の割合が多く、「低リスク」「中リスク」が中心であるとため、助産師が主体的に助産ケアを 提供し、活躍できる場である。 ●病院・診療所に就業する助産師は、分娩・帝王切開を合わせて一人当たり年間平均約100件を担当している。

67.4%

42.4% 52.7%

77.3%

32.6%

57.6% 47.3%

22.7%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

診療所 病院

産婦人科医師 (n=7,390.2)

分娩数 (n=904,180)

助産師数 (n=1,8171.6)

分娩取り扱い施設

(n=2,713)

平成20年(2008)医療施設(静態・動態)調査・病院報告

図 分娩様式別分娩数と施設別の割合

29.5% 40.0% 30.5%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

低リスク(n=27,577.5)

中リスク(n=36167.2)

高リスク(n=26,673.3)

82%

18%

経膣分娩 (n=73,776)

帝王切開 (n=16,642)

66.6%

33.4%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

49.5%

50.5%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

図 分娩施設別の比較 帝王切開は、病院の方が多く、助産師一人当たりでは、 年間、病院79件、 診療所13件担当

経膣分娩は、病院・診療所が半々であり、助産師一人当たりに換算すると、年間、

病院26件、診療所90件担当

助産師が 主体的に

関われる出産

適時、医師と 連携し、助産師が

主体的に 関われる出産

医師と助産師が連携して 関わる出産

中林正雄;厚生労働科学研究補助金 H16年度 総括・分担研究報告書

図 妊産婦のリスク別ケア必要量

平成20年(2008)医療施設(静態・動態)調査・病院報告

平成20年度院内助産システム推進プロジェクト 答申

高 リスク 低

図 リスク別分娩数(件)(推計)

9

◆日本看護協会助産師職能委員会・助産婦定数小委員会報告(1983年) ・慢性的な助産師数の不足が問題である。 ・助産師の必要数は、約67,000人。(助産師の実働時間1,968時間、出生数153万人、新生児・妊産婦に必要なすべてのケアを助産師 が行うとき、その看護総時間を87時間として算出)

◆日本助産師会(2004年) ・助産師の必要数 約50,500人(フルタイム人員)(妊娠リスクや在院日数、看護体制等より算定)

◆日本産婦人科医会(2005年) ・助産師不足数:約6,700人 「助産師充足状況緊急実態調査」

◆厚生労働省科研 「助産師の需給実態の把握と適正な養成数及び配置基準の探索」前田樹海(2008年) ・助産師の不足は従来の看護職員配置基準に助産師固有の基準はなく、何を以って『不足』とするか、基準が曖昧である。 ◆周産期領域有識者ら 「分娩30件につき、助産師1人の配置が必要」

助産師の必要人数の算定と諸外国における助産師の配置 ●周産期医療提供体制が再整備されている中、助産師の需給が検討され、必要数が算定されているが、統一した 見解はない。全ての妊産褥婦に、必要な助産ケアを提供する前提に算出されたデータでは、深刻に助産師が不足 していると示されている。 ●一方、諸外国では国家または職能団体レベルで、助産師の配置を明記している国もある。

イギリス 英国助産師会(RCM) 2009年 妊産婦のリスクごと(categoryⅠ~Ⅴ)に助産師の配置を設定 categoryⅠ,Ⅱ(低リスク) categoryⅢ(誘発、胎児モニター管理、早産児) categoryⅣ(ハイリスク) categoryⅤ(緊急時を含めた最も高リスク)

カナダ カナダ産婦人科学会(SOGC) 2002年 「分娩時に1:1看護を。」 女性の健康・産科・新生児看護師協会(AWHONN)2005年 『産科患者のための標準分類』としてリスクごとの助産配置を明記。

ニュージーランド ドイツ 分娩には助産師が必ず立ち会うことを法律で明記 →産科医であっても1人で分娩を介助 することはできない。

助産師:女性 1:1 1.2:1 1.3:1 1.4:1

諸外国における助産師の配置基準

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国内の助産師の配置基準に関する動向

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・医療法に「助産師配置」の明確な定義はなく、 「適当数」という表記にとどまっている

・正常新生児数は、医療法施行規則(病院の人員等の基準)の中で入院患者数に含まれると示されているにも関わらず、入院患者数に含まれていない場合が多い

診療報酬制度、看護職員の人員配置における助産師数の位置づけ ●病院の看護職員の配置は、診療報酬に位置づけられている。 ●正常妊娠・分娩は、診療報酬の対象外であること、看護職員は、病院内で傾斜配置が可能であることより、正常な 妊娠・出産・産後のケアを提供するために必要な助産師の配置につながりにくい。

医療法施行規則に定められる看護職員の配置 診療所:第1条の14〔病院、診療所の開設〕 助産所:第2条〔助産所の開設〕 診療所、助産所の開設にあたり、「看護師、助産師及びその他の 従業者の定員」を届け出なければならない。 従業者の定員を届け出る義務はあるが、具体的な法定人員数を 示す規定はない。 病院 : 第19条〔病院の従業者員数の標準〕 特定機能病院 : 第22条の2〔特定機能病院の法定人員〕 病院、特定機能病院は厚生労働省令で定める員数の看護師等を有しなければならない。 ただし産婦人科・産科においてはそのうちの適当数を助産師とするものとする。

医療法における配置基準 病棟 外来

医師 16:1 40:1 看護師 3:1 30:1 ※助産師の記載はなし

妊産褥婦・新生児にとって、適切・必要な助産師の配置とは?

・正常産(ローリスク)は診療報酬加算の対象では ない。

・産科患者は看護必要度を測定する対象外であり、また看護必要度の項目も妊産褥婦・新生児へのケアの必要性を示しにくい。

課題 課題

診療報酬体系に定められる看護職員の配置 一般病棟入院基本料看護配置7対1

看護師の診療報酬上の位置づけ → 診療報酬体系の「入院基本料」の中で「看護配置基準」として 位置づけられている。看護必要度をマネジメントツールにして、 患者の看護必要量に応じて、適正な人員を配置。 2006年看護配置の表記変更、診療報酬改定に伴い「7対1」 看護が導入された。 助産師の診療報酬上の位置づけ → なし。 周産期領域において加算がとれる項目も限られている。

2008年 周産期領域における診療報酬 ・ハイリスク分娩管理加算 ・ハイリスク妊娠管理加算 ・妊産婦緊急搬送入院加算

加算対象 ・帝王切開術 ・NICU管理料 ・GCU入院医療管理料

11

2.助産師の業務について

1)助産師の役割と関連する諸課題

2)国の施策・事業における助産師の位置づけ

3)世界の助産師の役割・業務

12

18

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目的 チーム医療の推進の中で、助産師が期待されている役割を遂行することができる。

現状・課題 1.平成23年以降の助産師基礎教育の中で、緊急時の処置として明示された「新生児

蘇生」等に関する知識・技術について、就業している助産師の習得が急がれる。

2.助産外来・院内助産など、助産ケアやケア提供体制を保障する体制がない。

対応策 ●関係職種、関係団体との協働による検討・体制の整備に向けた取り組み

●現任教育体制や助産師の実践能力を保障する体制の整備に向けた検討

助産師の業務に関する課題

13

母と子のケアパッケージ

正常な妊娠への支援 安全・清潔・安心な出産 救急ケアと適切な搬送

家族計画の 情報とサービス 届出と登録 抗貧血食 異常の早期発見 と管理

呼吸の確立 保温 目の処置 早期母乳授乳 予防接種相談

助産師の役割と関連する課題 ●助産師に期待される役割は、多様化しており、質を担保して実施することができるような助産師の基礎教育・現任 教育体制の整備が必要である。 ●助産師には、ローリスク・妊娠・出産だけではなく、ハイリスク妊娠・出産・産後の女性の増加により、ハイリスクに 対応できる高い実践能力が求められている。

新生児

・乳児

幼児・

女児 思春期 妊娠・出産・子育て 更年期

助産師の役割

課題

幼児から思春期尐女へ

思春期妊娠の防止 健康教育・相談 ・性と生殖に関する健康 ・栄養 ・暴力-性的虐待・児童虐待・ 近親相姦 ・薬物濫用(麻薬・アルコール・ タバコ)

産後

母乳保育の援助 家族計画 母親役割の獲得支援 傷つき易い者への支援 流産後の相談

相談・教育・支援・地域社会の啓発・組織・支持・監督・研究・情報提供

助産師は、女性の生涯を通じてニーズに応える

性と生殖に関する健康相談 更年期障害への支援

◆早産・低出生体重児の割合の増加

◆児童虐待

◆性感染症罹患率の増加 ◆子宮頚部がんワクチンの接種

◆分娩取り扱い施設・産婦人科医師の減尐 ◆分娩取り扱い施設・産婦人科医師・助産師の偏在 ◆助産師の主体的な活動となる院内助産システムの 推進 ◆ハイリスク妊娠・出産の増加 (高齢、不妊妊治療後、高血圧症や糖尿病など合併症 を伴う妊娠・出産の増加、未受診妊婦の出産の増加等) ◆HTLV-1母児感染 ◆ハイリスク妊産婦への助産ケア ◆育児期にある女性の孤立化、育児放棄、児童虐待等 ◆助産師の新たな役割(会陰縫合・新生児蘇生など)

◆更年期障害のある女性へのケア ・国の事業への位置づけが不明 瞭である。 ・相談窓口等が十分確保されて いない。 ・利用者への普及啓発も十分で はない。

14

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国の施策・事業における助産師の位置づけ ●尐子高齢化や限られた医療施設・設備・人材など、医療を取り巻く環境は大きく変化している ●医療サービスの向上に向けたチーム医療の推進、子育て支援策などが国家規模で画策されている。その中で、 改めて助産師の活用や必要性、今後の発展的展望が指摘されている。

・・・「助産師の活用によるチーム医療の採用」を推進

【中間評価】

第1回(H17):助産師数増加傾向、しかし、就業施設間での

偏在化

第2回(H22):助産師数は変わらず増加傾向。地域偏在や

施設間偏在など、指標に表れない重要な課題

が是正されず現場の不足感は続いている。

「健やか親子21」 課題②妊娠・出産に関する安全性と快適さ

の確保と不妊への支援 (2000~2014年 厚生労働省)

•助産師は保助看法に定められているように助産行為を業務とするものであり、正常分娩の助産と母子の健康を総合的に守る役割を担っているが、出産には予期せぬ危険が内在することから、日常的に医師と十分な連携をとる必要がある。

•地域の関係者と連携・協力の上、助産師確保策に努める

医政局長通知

「分娩における医師、助産師、

看護師など役割分担と連携等について」 (2007年 厚生労働省)

•助産師については、医師との連携の下で正常産を自ら扱うよう、院内助産所・助産師外来の普及等を図るとともに、 専門性の発揮と効率的な医療の提供の観点から、チーム医療による協働を進める。またその際、助産師業務に従事する助産師の数を増やすとともに、資質向上策の充実も 図る。

「安心と希望の医療確保ビジョン」 (2008年 厚生労働省)

•産科医との連携、協力、役割分担のもと、助産師の専門性のさらなる活用を目指す

•会陰裂傷の縫合について、安全かつ適切な助産を行う上で必要性の高い行為であることを考慮しつつ、助産師が対応可能な裂傷の程度や、産科医の連携の在り方等について臨床現場での試行的な実施と検証を行い、その結果を踏まえて最終的な結論を得ることが適当である

「チーム医療の推進について」 (2010年 厚生労働省)

平成22~23年度「周産期医療体制の推進に関する研究」(厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究)により助産師による会陰縫合について、検証中 15

世界の助産師の役割・業務 ●世界の助産師の教育や実践は、各国の状況によって異なるが、概ね、日本と同様の内容である。 ●一方で、「会陰縫合」や「薬剤処方」など日本の助産師は現在実施していない実践を行っている国もある。

助産師の定義

助産師とは、その国において正規に認可された助産師教育課程に正規に入学し、助産学の所定の科目を履修したもので、助産業務を行うために登録され、また/あるいは法律に基づく免許を得るために必要な資格を取得したものである。

助産師は、女性の妊娠、出産、産褥の各期を通じて、サポート、ケア及び助言を行い、助産師の責任において出産を円滑に進め、新生児及び乳児のケアを提供するために、女性とパートナーシップを持って活動する。これには、予防的対応、正常出産をより生理的な状態として推進する こと、促すこと、母子の合併症の発見、医療あるいはその他の適切な支援を利用することと救急処置の実施が含まれる。

助産師は、女性のためだけではなく、家族及び地域に対しても健康に関する相談と教育に重要な役割を持っている。この業務は、産前教育、親になる準備を含み、さらに、女性の健康、性と生殖に関する健康、育児におよぶ。 助産師は、家庭、地域(助産所を含む)、病院、診療所、ヘルスユニットと様々な場で実践することができる。

国際助産師連盟国際評議会2005年7月改定:日本看護協会、日本助産師会、日本助産学会訳

助産師の実践 欧州連合(各国共通)

教育: ・看護教育後の18ヶ月 ・助産師単独教育3年間 実践:(日本の実践内容と異なる事項のみ記載) ・正常分娩の介助(必要時、会陰切開) ・緊急時には、骨盤位分娩の介助 ・異常時の医師への報告・介助。医師不在時 の緊急処置(胎盤用手剥離、胎盤内精査) 【出典】 DIRECTIVE 2005/36/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 7 September 2005 on the recognition of professional qualifications

ニュージーランド 教育: ・助産師単独教育3年間 実践: ・妊娠~産後1カ月までの正常経 過に伴うケア内容(薬剤処方・ 検査依頼・会陰縫合を含む) 更新: ・3年間(助産技術・授乳介助) ※成人・新生児蘇生や実践許可証 は毎年取得する必要がある。

アイルランド 教育・実践: ・EU規定に基づく Advanced: ・6か月間の教育・研修によって、 病院が指定する薬剤の処方権

欧米諸国や一部のアジア地域の助産師に認められている業務

会陰切開・縫合

薬剤処方

英国 教育・実践: ・EU規定に基づく Advanced: ・特別な教育を終了した者にのみ 薬剤処方権が与えられる。 (地域における指定薬剤の処方/ 医師の初回処方後の薬剤処方)

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助産師の法律上の位置づけ ●明治時代に「産婆規則」と「産婆名簿登録規則」によって「産婆」と位置付けられていた。 ●昭和23年に「保健師助産師看護師法」が制定され、助産師の法的身分、業務や教育の内容が規定 され、法的位置づけが明確になった。

1907年

刑法第134条

(守秘義務)

•第134条 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人、またはこれらの職に在った者は、業務上取り扱ったことで知り得た人の秘密を、正当な理由なく第三者に告知することをした時には、6ヶ月以上の懲役または10万円以下の罰金が科せられる

国際助産師連盟(ICM)

1972年 助産師の定義 採択 2005年改訂

1999年 助産師の国際倫理綱領

世界保健機構(WHO)

世界産婦人科連盟(FIGO)

1948年

保健師助産師看護師法

(助産師の定義・助産師業務の制限・名称独占)

•〔助産師の定義〕第3条

•この法律において、「助産師」とは厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導をなすことを業とする女子をいう。

•〔助産師業務の制限〕第30条

•助産師でなければ、第3条に規定する業をしてはならない。但し、医師法(1948年法律201号)の規定に基いてなす場合は、この限りではない。

•〔助産録〕第42条の2

•助産師が分娩を介助した時には、助産に関する事項を遅滞なく助産録に記載しなければならない

•〔名称独占〕第42条の3

•助産師でないものは、助産師またはこれに紛らわしい名称を使用してはならない

1948年

医療法第8条

(助産所の開設)

•助産師が助産所を開設したときは、開設後10日以内に、助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない

助産師

1948年

母体保護法

受胎調節実施指導員(リプロ・ヘルス・サポーター)

• 〔第15条〕受胎調節の実施指導 •女子に対して厚生労働大臣が指定する避妊用の器具を使用する受胎調節の実地指導は、医師の他に都道府県知事の指定を受けたものでなければ業として行ってはならない

• 〔第39条〕受胎調節のために必要な医薬品 •平成27年7月31日までを限り、受胎調節のために必要な医薬品で厚生労働大臣が指定するものに限り、薬事法(昭和35年法律第145号)第24条第1項の規定にかかわらず、販売することができる。

批准

17

出典:平成23年9月22日 社会保障審議会医療部会資料 「周産期医療体制について」 18

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出典:周産期医療体制整備指針(2010)

●周産期医療対策整備事業(厚生省児童家庭局長通知:平成8年5月10日)に基づき、各都道府県では「周産期医療再整備計画」を策定し、都道府県下の施設を指定・認定し、体制の整備を図っている。

●全ての妊産褥婦はリスクに関係なく、助産師のケアを必要としているが、助産師の配置数について 示されているのは、母体胎児集中治療室(MFICU)に関するもののみであり、それ以外の施設に関して、明示されていない。

役割 基準

・常時、母体・新生児搬送を受入れる。 ・リスクの高い妊娠に対する医療、高度な新生 児医療等の周産期医療を行う。 ・必要に応じて当該施設の関係診療科又は他 の施設と連携し、産科合併症以外の合併症 を有する母体に対応できる。 ・都道府県が指定する

1.母体胎児集中治療管理室(MFICU)(6床以上) ・複数名の産科担当医師(24時間体制) ・常時3床に1名の助産師又は看護師 2.新生児集中治療管理室NICU(12床以上) ・新生児医療担当医師1名(24時間体制) ・常時3床に1名の看護師 3. GCU(NICUの2倍以上の病床数) ・常時6床に1名の看護師 4.分娩室 ・原則、助産師及び看護師が病棟とは独立して勤務している。 ただし、MFICUとの兼務は差し支えない。 5.その他 ・麻酔科医の配置 ・NICU入院児支援コーディネーターの配置が望ましい

・比較的高度な医療行為を行える。 ・都道府県が認定する。 ※NICUを備える小児専門病院等の場合、 産科を備えていなくても、認定は可能。 ・地域周産期医療関連施設等からの救急搬送 や総合周産期母子医療センターからの戻り 搬送を受け入れるなど、総合周産期母子医 療センターその他の地域周産期医療関連施 設等との連携を図る。

1.産科(ある場合) ・帝王切開術が必要な場合に迅速(おおむね30分以内)に手 術ができる医師(麻酔科医を含む)及びその他の各種職員 2.小児科(新生児医療を担当する) ・24時間体制を確保するために必要な職員 3.新生児病室 ・病院内に小児科担当医師(24時間体制)がいる ・設定した水準の新生児医療を提供するために必要な看護 師が適当数勤務している ・臨床心理士等の臨床心理技術者を配置すること ※特に、助産師の配置数は決められていない。

・基本的な医療行為を行える。

1.病院(20床以上) 2.診療所(20床未満) ※特に、助産師の配置数は決められていない。

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周産期医療体制の整備基準

総合周産期母子 医療センター (全国89施設)

地域周産期母子 医療センター (全国279施設)

病院 (全国758施設)

診療所 (全国1,441施設)

妊産婦のリスクの変化に伴う紹介・搬送 または戻り搬送

【具体的な整備指針がない施設群】 病院(758施設)と有床診療所(1,441施設)は、ローリスク・正常分娩の 取り扱い施設であり、高度医療の提供体制に主眼を置いている周産期医療体制整備計画では、十分な検討がなされていない。 特に「病院」の分娩リスク、分娩件数、マンパワーは地域特性も相まって 施設ごとに多様である。分娩件数全体の約3割(病院における分娩の約6割)を担っていると考えられる「病院」の中で、産科の混合病棟化が進んでいる。

医療計画に基づく 周産期医療体制

ハイリスク

ローリスク

周産期の場合は「健康モデル」なので 患者の流れはローリスクからハイリスクへ。 (急性期→慢性期→介護という, 「医療モデル」とは逆になる)

分娩取り扱い病院・診療所 (2,567施設)の実態

総合周産期母子 医療センター (89施設)

地域周産期母子 医療センター (279施設)

病院(一般病床) (758施設)

有床診療所 (1,441施設) 無床診療所 (2,514施設)

リスク 人員(常勤換算)2008

分娩件数 2009 実数

分娩件数 (2009年データ*より推計)

1施設あたりの常勤*

医師数 助産師数

病院勤務 産科医: 4,981人(67%) 助産師:

14,053人(77%)

病院 (1,126)

552,430件(51.6%)

推計 6% 72,624件(平均816件×89

施設) 病院の12%

帝王切開

率35.3% 13.2人 30.7人

推計 15% 160,983件 (平均577件

×279施設) 病院の28%

帝王切開率28.1%

7.5人 17.8人

中 低

推計 33% 348,680件 (平均460件

×758施設) 病院の60%

帝王切開率22.2%

4.3人 11.4人

低 産科医: 2,409人(33%) 助産師: 4,118人(23%)

診療所 (1,441)

505,534件(47.3%)

505,534件(実数)(47.3%)

帝王切開率13.1%

推計1.6人(2,409人÷1,441施設)

推計2.8人(4,118人÷1,441施設)

病院・診療所の

分娩件数1,057,964(2008)

高度医療

正常分娩

* 日本産婦人科医会勤務医部会全国調査2009年8月

周産期医療体制と分娩取り扱い病院・診療所の分娩リスク及び人員配置の実態

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パターンA:「周産期の特に分娩に対応する助産師」 パターンB:パターンAに追加(妊婦健康診査・家庭訪問・退院後の乳房 ケア等)を含めたケアを提供する助産師 パターンC:妊娠褥婦・新生児だけでなく、思春期から更年期まで対応 する助産師とする。 ・パターンAについては、地域によってすぐに産科医が来てくれるところと 来てくれないところがあることが推測できる。そこは助産業務量を補正 していく。

・助産業務量から必要人数を病棟単位で結び付けることは難しい。 まずはセミマクロ的な提示をし、みんなに納得してもらい、次に中身 の問題に取り組む必要がある。

助産業務量から助産師の必要人数を考える 有識者コメント

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都内4施設における産科病棟の産後母子ケアに焦点をあて、出産後 から退院までの施設内における助産業務量の現状を明らかにし、母子同室の標準的なケアを検討するとともに、実情に合わせた助産師の 人員配置について基礎データを得ることを目的としている。

産後日数が浅い母子だけではなく、退院指導が入る退院前の2日間に助産業務が多いことがわかった。

また、対象4施設では母子同室であり、母乳栄養を推進していることもあり、母乳栄養確立のために母子のニーズに合わせて24時間くまなく ケアを提供しているが、人員配置の尐ない夜間帯においては、分娩や 帝王切開など優先される緊急事態が起こった際には、産後の母子ケアの優先順位は低くなり、ケアの質を保証するには、こうしたケアに専念 できる状況を担保できるかどうかという人員配置による影響を大きく 受けることが考えられた。

このような現状から、産科病棟における助産師の配置については、 夜間帯に就寝患者が多くなるなどの算出根拠とは異なり、産科特有の産後の母子ケアと分娩という母子の二つの生命の危機に対応するだけの安全に配慮した人員配置基準の検討が必要であると考えられる。

施設内における助産ケアの検討 ~産後の母子ケアを中心に~ 2012年 山岸ら

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周産期患者の安全:周産期ユニットにおける看護配置の決定方法の標準化 (英題:Standardizing Methods to Determine Nurse Staffing for Perinatal Units) Kathleen Rice Simpson 2012年/ 周産期ユニットにおける看護配置に関する

予算計画にあたり、標準化された方法の提案。)

標準化された方法の開発に対する問題:ユニットモデルの多様性(LDR、LDPR、混合ユニットなど)、内科・外科ユニットで使われている算出法に依存していること、安全な人員配置の決定に考慮しなければならない重要な要素についての認識が不足して いること

分娩ユニットにとっての手始め:産婦の平均分娩時間(LOS:length of stay)、延長 ケア・観察のために陣痛ユニットに留まる可能性のあるハイリスク産婦を計算にいれることができれば、出産件数から看護配置時間を算出できる(Wilson and Blegen2010が この種のモデルを考案している)

LOSを知ることが重要:誘発、自然、分娩後の回復時間、トリアージ患者、妊婦健診、ハイリスク妊婦など。

1:1看護か、1:2看護か、1件の分娩に対する来診回数の割合(平均2回の患者来診)

看護配置のニーズを明確に把握するために、特定の数週間の間、4時間ごとにデータの収集をし、平均LOSおよび看護師対患者の具体的な人数比を推定し、分娩1件 あたりの平均看護時間数を決定する。その後、産科トリアージ、外科的処置、ユニット外ケア・モニタリングにかかる看護時間数を人員配置ニーズの算定に加算すると、 おおよその看護時間数が求められる

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病 院 81.1%

(20,093人)

診療所 28.9%

(8,162人)

総合周産期母子 医療センター

(89施設、92,848件)

地域周産期母子 医療センター

(279施設、174,891件)

一般病院 (758施設、276,914件)

有床診療所 (1,441施設、494,609件)

低~中リスク群 高~超高リスク群

低リスク群 中等度リスク群 ハイリスク群 超ハイリスク群

●助産師の偏在是正と助産師のキャリア形成支援、 助産実践能力強化支援を目的とした 「助産師出向システム」を推進する ●医療計画上に、妊娠・分娩リスクも考慮した 「助産師の適正配置人数」が記載されることを目指す

一般病院

地域周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センター

逆三角形の

就業状況

リスクも考慮した、

分娩件数とのバランス

良い人数配置へ

2011年出生数 (103万人)

2010年就業 助産師数分布

周産期医療体制別 妊娠リスクスコア (2012年8月1日現在の入院患者で算出)*

13.4% 12,349

33.3% 30,918

27.1% 25,162

26.2% 24,326

26.2% 45,821

34.0% 59,463

26.7% 46,696

13.1% 22,911

54.7% 151,472

29.1% 80,582

10.7% 29,630

5.5% 15,230

* 2012年 日本看護協会「助産師の出向システムと助産実習の受け入れの 可能性等に関する調査」、日本看護協会解析結果より

24

周産期医療体制における就業助産師数と妊娠リスクスコア

各群の面積は、分娩件数を表す

出向

で偏在是正

54.7%

26.2%

13.4%

29.1%

34.0%

33.3%

10.7%

26.7%

27.1%

5.5%

13.1%

26.2%

12,349

45,821

151,472

30,918

59,463

80,582

25,162

46,696

24,326

一般病院

地域周産期母子医療センター

総合周産期母子医療センター

29,630

22,911

15,230

低~中リスク群 高~超高リスク群

低リスク群 中等度リスク群 ハイリスク群 超ハイリスク群

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・医療法に「助産師配置」の明確な定義はなく、 「適当数」という表記にとどまっている ・正常新生児数は、医療法施行規則(病院の人員 等の基準)の中で入院患者数に含まれると示され ているにも関わらず、入院患者数に含まれていな い場合が多い

●病院の看護職員の配置は、診療報酬に位置づけられている。 ●正常妊娠・分娩は、診療報酬の対象外であること、看護職員は、病院内で傾斜配置が可能であることより、 正常な妊娠・出産・産後のケアを提供するために必要な助産師の配置につながりにくい。

医療法施行規則に定められる看護職員の配置 診療所:第1条の14〔病院、診療所の開設〕 助産所:第2条〔助産所の開設〕 診療所、助産所の開設にあたり、「看護師、助産師及びその他の従業者の定員」を届け出なければならない。 従業者の定員を届け出る義務はあるが、具体的な法定人員数を示す規定はない。 病院 : 第19条〔病院の従業者員数の標準〕 特定機能病院 : 第22条の2〔特定機能病院の法定人員〕 病院、特定機能病院は厚生労働省令で定める員数の看護師等を有しなければならない。 ただし産婦人科・産科においてはそのうちの適当数を助産師と するものとする。

医療法における配置基準 病棟 外来

医師 16:1 40:1 看護師 3:1 30:1 ※助産師の記載はなし

実態を踏まえた 妊産褥婦・新生児にとって、適切・必要な助産師の配置とは

・正常産(ローリスク)は診療報酬加算の対象では ない。 ・産科患者は看護必要度を測定する対象外であり、 また看護必要度の項目も妊産褥婦・新生児への ケアの必要性を示しにくい。

課題 課題

診療報酬体系に定められる看護職員の配置 =一般病棟入院基本料7対1

看護師の診療報酬上の位置づけ → 診療報酬体系の「入院基本料」の中で「看護配置基準」として 位置づけられている。看護必要度をマネジメントツールにして、 患者の看護必要量に応じて、適正な人員を配置。 2006年看護配置の表記変更、診療報酬改定に伴い「7対1」 看護が導入された。 助産師の診療報酬上の位置づけ → なし。 周産期領域において加算がとれる項目も限られている。

2008年 周産期領域における診療報酬 ・ハイリスク分娩管理加算 ・ハイリスク妊娠管理加算 ・妊産婦緊急搬送入院加算

加算対象 ・帝王切開術 ・NICU管理料 ・GCU入院医療管理料

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診療報酬制度等、看護職員の人員配置における助産師の位置づけ

・助産師の業務範囲や、医師と助産師の関係がどうあるべきか決まっていない段階で、 必要人数やそれに対するリスクを議論するのは、早計ではないか。 ⇒助産師・看護師・医師それぞれの業務を決め、人数を推計することが必要。

・助産師によるケアの項目を立てれば今後の議論につながるのではないか。正常な妊娠 から出産まで、助産師が介入するタイミングをあげ、一般的なモデルとし、その中で ケア項目をあげる。 ⇒各ケアには何時間かかるか算出し、医療者が何人必要なのか計算する。 ⇒今のマンパワー(人×時間)と、必要な人数によるマンパワーのギャップを可視化する。 ⇒ミニマムのケアでこれだけの人数が必要だと出すことは根拠にもなる。

・ケア項目については、現場の助産師に意見をもらい、微調整をすることで真の適正な ケアボリュームを出す。

・看護者間の経験が異なることから、ケアにかかる時間は一定ではないため、ケア時間の平均を出すことで、人員を算定する際の基礎資料とする。

・ケアにかかる時間については、提案したもの(項目)が現場で「その通りである」と言ってもらうことが必要であり、それによって人員配置についての考え方を受け入れてもらえる

機会が増える。

助産業務量と他職種との連携・協働を加味した 助産師の必要人数の検討

有識者コメント

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3.1.2.を踏まえて、 どのように人員配置を考えるか

1)新生児数を考慮

2)妊産婦のリスクを考慮

3)各勤務帯に1名以上の助産師がいることを

考慮

4)総夜勤時間数を考慮

5)産科混合病棟における看護職員の配置と

業務分担は必須

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入院基本料の届出に関する施設基準において、「正常の妊産婦や健康な新生児又は乳児、人間ドックなどの保険外診療の患者で看護要員を、保険診療を担当する者と保険外診療を担当する者とに明確に区分できない場合の患者は入院患者数に含むこと」とされている。健康な新生児を区分して(別に分けて)人員配置することができないのであれば、入院基本料の届け出の際に健康な新生児も入院患者数に含めなければならない。

新生児数を入院患者数に含め、産後早期の母子の状態を考慮したケアや業務の量に応じた看護職員の配置が行われる必要がある。

日本未熟児新生児学会の「正期産新生児の望ましい診療・ケア」では正期産新生児を、「母親の付属物ではなく独立した存在である。従って,母親の診療記録とは別に,新生児用の診療記録を作成し適切な看護師・助産師を配置すべきである。」としている。

米国小児科学会と米国産婦人科医会のガイドラインによると、「健常な新生児6 〜8 名に1 名、健常な母子のカップル3 〜4 組に1 名」の看護職の配置を、と提言している。

以上のことから、新生児を入院患者数に含め、ケアの対象として、

看護職員の配置を行うことが必要である。

このような看護職員の配置についても、病院全体で共有し運用することが必要。

1)新生児数を考慮した看護職員の配置

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妊産婦のリスクに応じて、総合周産期母子医療センター、地域

周産期母子医療センター、一般病院と周産期医療提供体制は、

機能分化がされている。しかし、病院機能に関わらず、どの

病院にも低リスクからハイリスク群の妊産褥婦が入院している

ことが明らかになっている(日本看護協会 調査結果2012年)。

この結果から、どの機能の病院でも、ローリスクからハイリスクの妊産婦を受け入れる可能性がある。妊産婦の状況に応じて、 どのような看護業務が発生するのかを考慮して、妊産褥婦の リスクに応じた看護職員の配置を考える必要がある。

2)妊産婦のリスクを考慮した看護職員の配置

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「母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査」によると、 助産師が分娩第1期から産婦にケアを行うと、産婦の満足度が高く、ローリスク産婦の医療介入が少ないと報告されている。

つまり、助産師が分娩第1期から産婦に関わることが「安全で安心な出産環境を提供する」ことになると言える。

分娩は、昼夜を問わず流動的であることから、分娩第1期から産婦に 関わるならば、分娩件数が1日1件未満であったとしても、各勤務帯に1名以上の助産師が配置されることが望ましいと言える。

現状で、各勤務帯1名の助産師配置が困難ならば、オンコール体制か、宅直などを組み合わせる。

助産師一人の判断の限界も踏まえることが必要。

3)各勤務帯に1名以上の助産師がいることを 考慮した助産師配置

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□1日に必要な最低助産師数=各勤務帯1人で、計3名

年間に必要な、延べ最少必要助産師数=3人(各勤務帯1名/日)×365日=1095人

1名の助産師が勤務できる日数は週休と法廷祝日を引いた250日なので、病棟

に必要な最少助産師数1095人÷250日=4.3≒5人

加えて、自施設の状況を踏まえると、何人の助産師が必要になるか

●助産師の数が5人とすると、注意すべきことは、各勤務帯に助産師が1人、

つまり分娩時の助産師数は1人のみということ。

●自施設では、1日に必要な助産師が何人か。リスクに応じた分娩件数も踏まえて、安全な環境を配慮した、助産師の必要人数や配置を検討する必要がある。

●最少人数で、分娩時の対応を考えざるを得ないときは、看護職種の勤務の

組み合わせや、勤務体制を考慮する必要がある。

各勤務帯に1人以上の助産師が配置されるために必要な助産師の人数

31

入院基本料を算定する一般病棟の看護職者の月平均夜勤時間数は 72時間以下であることが要件。夜勤時間を考慮すると必要な助産師の人数

□ひと月の助産師の延べ夜勤時間=1人×16時間×31日=496時間

1人の助産師が月に夜勤を行うことができる時間数は最大72時間なので、

病棟に必要な最少の助産師数=496÷72=6.8≒7人

●ただし、ここでも注意したいのは、夜勤帯に助産師が1人しかいない

ということである。夜勤帯に必要な助産師は、何人必要か、自施設の

状況を踏まえて検討する必要がある。

4)総夜勤時間数を考慮した助産師の配置

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日本看護協会の調査結果(2012年)によると、看護職員のうち 助産師が占める割合は、産婦人科と他科の混合病棟で助産師の割合が低くなっている。このことから、看護職員のうち、助産師 配置人数が占める割合が低い場合は、分娩時に助産師が必要な観察やケアを行うことができるように、助産師と看護師の業務の 役割分担が必須である。

5)産科混合病棟における看護職員の 配置と業務分担

役割分担の例)

33

助産師:混合病棟における分娩状況やケアについて(1) 下記にあげた行為について、実施することの多い職種の順に番号をご記入ください。該当者がいないばあいは、空欄のままにしてください。

出所: 2012年 日本看護協会「助産師の出向システムと助産実習の受け入れの可能性等に関する調査」、日本看護協会分析

1番目 2番目 3番目 無回答

妊婦へのケア)切迫流早産など) 89.6% 8.0% 2.3% 0.1%

日勤帯での入院に際して、電話での来院指示

73.1% 19.2% 1.1% 6.6%

夜勤帯での入院に際して、電話での来院指示

91.0% 6.8% 0.3% 1.9%

日勤帯での、陣痛発来時の入院判断 46.9% 38.0% 0.4% 14.6%

夜勤帯での、陣痛発来時の入院判断 92.6% 4.2% 0.2% 2.9%

分娩第1期におけるケア 99.8% 0.2% 0.0% 0.0%

分娩第2期におけるケア 99.1% 0.8% 0.0% 0.0%

陣痛促進剤や誘発時の点滴管理 95.8% 3.9% 0.0% 0.2%

分娩監視装置の装着 99.5% 0.5% 0.0% 0.0%

分娩監視装置を外す判断 95.4% 4.3% 0.0% 0.2%

小児科医が不在の分娩時における、新生児に対する緊急蘇生

38.2% 53.9% 2.0% 5.9%

褥婦へのケア(乳房マッサージ以外) 95.1% 3.5% 1.3% 0.1%

褥婦への乳房マッサージ 98.9% 0.9% 0.1% 0.1%

正常新生児のケア 85.5% 12.8% 1.5% 0.2%

1番目 2番目 3番目 無回答

妊婦へのケア)切迫流早産など) 11.3% 63.4% 0.1% 25.1%

日勤帯での入院に際して、電話での来院指示

4.4% 50.4% 11.0% 50.2%

夜勤帯での入院に際して、電話での来院指示

2.2% 41.0% 7.2% 49.5%

日勤帯での、陣痛発来時の入院判断 0.7% 13.6% 10.6% 75.1%

夜勤帯での、陣痛発来時の入院判断 0.7% 22.7% 5.5% 71.0%

分娩第1期におけるケア 0.4% 31.4% 0.1% 68.1%

分娩第2期におけるケア 0.2% 14.4% 6.0% 79.4%

陣痛促進剤や誘発時の点滴管理 0.2% 13.0% 4.3% 82.5%

分娩監視装置の装着 1.1% 56.6% 1.3% 41.1%

分娩監視装置を外す判断 0.6% 25.8% 9.0% 64.5%

小児科医が不在の分娩時における、新生児に対する緊急蘇生

3.9% 15.4% 35.1% 45.6%

褥婦へのケア(乳房マッサージ以外) 6.1% 63.0% 0.2% 30.7%

褥婦への乳房マッサージ 1.6% 41.3% 0.1% 57.0%

正常新生児のケア 16.3% 66.9% 0.2% 16.6%

助産師 看護師

34

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出所: 2012年 日本看護協会「助産師の出向システムと助産実習の受け入れの可能性等に関する調査」、日本看護協会分析

1番目 2番目 3番目 無回答

妊婦へのケア)切迫流早産など) 1.1% 3.4% 12.8% 82.6%

日勤帯での入院に際して、電話での来院指示

0.3% 1.0% 5.4% 93.2%

夜勤帯での入院に際して、電話での来院指示

0.3% 1.4% 7.1% 91.1%

日勤帯での、陣痛発来時の入院判断 0.1% 0.4% 2.0% 97.4%

夜勤帯での、陣痛発来時の入院判断 0.1% 0.9% 4.5% 94.5%

分娩第1期におけるケア 0.1% 1.2% 5.4% 93.2%

分娩第2期におけるケア 0.0% 0.7% 3.2% 96.0%

陣痛促進剤や誘発時の点滴管理 0.0% 0.4% 2.4% 97.1%

分娩監視装置の装着 0.4% 1.6% 8.8% 89.2%

分娩監視装置を外す判断 0.2% 0.7% 4.4% 94.6%

小児科医が不在の分娩時における、新生児に対する緊急蘇生

0.2% 0.5% 2.5% 96.7%

褥婦へのケア(乳房マッサージ以外) 0.9% 3.2% 11.3% 84.6%

褥婦への乳房マッサージ 0.2% 1.4% 7.1% 91.3%

正常新生児のケア 1.6% 3.2% 13.4% 81.8%

准看護師 1番目 2番目 3番目 無回答

妊婦へのケア)切迫流早産など)

日勤帯での入院に際して、電話での来院指示

23.3% 12.3% 5.1% 59.3%

夜勤帯での入院に際して、電話での来院指示

7.7% 15.1% 5.4% 71.7%

日勤帯での、陣痛発来時の入院判断 52.8% 10.4% 1.6% 35.2%

夜勤帯での、陣痛発来時の入院判断 7.2% 21.7% 3.4% 67.6%

分娩第1期におけるケア

分娩第2期におけるケア 1.1% 25.2% 2.7% 71.0%

陣痛促進剤や誘発時の点滴管理 4.4% 22.7% 2.8% 70.1%

分娩監視装置の装着 0.3% 3.7% 5.0% 90.9%

分娩監視装置を外す判断 4.9% 29.1% 4.1% 61.8%

小児科医が不在の分娩時における、新生児に対する緊急蘇生

59.5% 18.1% 4.6% 17.7%

褥婦へのケア(乳房マッサージ以外)

褥婦への乳房マッサージ

正常新生児のケア

産科医

助産師:混合病棟における分娩状況やケアについて(2)

35

混合病棟における職種別業務実施について

助産師の9割以上が、助産師が行っているとした業務

• 分娩第1期におけるケア • 分娩監視装置の装着 • 分娩第2期におけるケア • 乳房マッサージ • 陣痛促進剤や誘発時の点滴管理 • 分娩監視装置を外す判断 • 褥婦へのケア(乳房マッサージ以外) • 夜勤帯の陣痛発来時の入院判断 • 夜勤帯の電話での来院指示

日本看護協会の調査結果(2012年) (回答:混合病棟に勤務する助産師2442人)

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【まとめ】 助産師必要人数の考え方

助産師からみた側面 • 労働環境と診療報酬体系を踏まえた必要人数 • 夜勤時間帯の状況を踏まえた必要人数 ケア提供からとらえた側面 • 業務範囲を考慮 • 他職種と連携・協働することを考慮 • 妊産婦のリスクを考慮 • 新生児の人数を考慮 • 標準的なケアを安定的に提供できることを考慮

■そもそもの議論による必要人数は、これから算出!

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日本助産師会によるⅣ 助産師の役割・責務をベースに作成http://www.midwife.or.jp/b_attendant/statement_index.html

業務内容1妊婦あたりの時間数(例)

回数 根拠(仮)

最少 中 最大

妊娠の診断問診/聴診/基礎体温法/試薬を用いての免疫学的妊娠反応/双合診/超音波断層法など

15分 1回

母体の健康状態(問診、外診、計測診、内診)/胎児の健康状態(聴診、触診、超音波断層法)/臨床検査(血液検査、尿検査、血圧測定、性感染症検査)

妊娠中の情緒状態/母性行動/性意識・性行動の変化/家族や他のサポートネットワーク/生活環境・健康習慣/職業/ドメスティック・バイオレンス(DV)や児童虐待のリスク要因

安定した妊娠生活の維持に関する診断と、女性の意思決定や意向を考慮した日常生活上のケアを行う。女性のセルフケア能力のアセスメントと能力に応じた支援/健康状態に応じた健康の維持・増進・予防的ケアと逸脱状況に応じたケア/健康逸脱徴候のアセスメント/地域の社会資源の紹介

妊娠経過に伴う正常からの逸脱徴候が発見されたら、医師や他の専門職と協働して正常の妊娠経過をたどることができるように支援を行う。

女性やパートナー・家族に対し出産準備の支援を行う。出産準備教育の企画・実施・評価/親準備教育の企画・実施・評価/バースプラン作成などの支援

出産準備学級1回 出産準備学級2回 出産準備学級4回 3時間

回数はそれぞれのケースを参照

助産師インタビュー

入院中のハイリスク妊婦へのケア1日あたり1日10分のケア

(CTGモニターチェック、記録)

1日あたり20分のケア(CTGモニターチェック、記録、

助産師による観察)

1日あたり45分のケア(すべてのケアを助産師が行う)

ケースによって時間が、10分、20分、45分と異なる。

1日助産師インタビュー(1日あたりのケアの分数)

(1)  分娩の開始ならびに分娩進行の診断を行う。問診/分娩開始徴候のアセスメント/妊娠経過などによるアセスメント/身体的診査(外診、胎児心音聴取部位、触診による子宮収縮の測定など)/全身の変化(発汗、表情、言動、姿勢など)/内診(子宮口開大度、展退度、先進部、胎児下降度、回旋、胎胞の有無、子宮口の位置・硬さ、胎児と産道の適合状態など)/胎児心拍の性状・胎動・分娩監視装置のデータの判読など。

(2) 母子の健康状態の診断を行う。

産婦の身体的状態・精神状態(情緒的変化)・産痛に対する対処行動/胎児心拍の性状・胎動・分娩監視装置のデータの判読/超音波診断(羊水量・胎児の大きさの推定・胎盤付着部位)など

(3)  母子とその家族の分娩進行に伴うケアを行う。基本的ニーズ(栄養、排泄、休息、清潔など)の充足と快適さ/産痛の緩と安楽/分娩進行の促進/医学的処置の情報提供と女性の選択に基づいた対応/家族への支援/女性と家族の出産体験への支援

(4)  自然な経腟分娩の介助を行う。産婦の意思・主体性を尊重/女性およびその家族と協働/緊急事態に対処できる体制の整備

(5) 分娩後、母子の早期接触を支援する。

(6) 分娩進行に伴う母子の異常発生予防と早期発見を行う。

(7)  異常発生時の判断と臨時応急の手当てを行う。また、女性とその家族へ説明を行いながら、『助産所業務ガイドライン』(社団法人日本助産師会)に基づいて、連携医療機関への搬送の必要性を判断し適切に行動する。

厚労省 院内助産・助産外来についてhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/11/dl/s1104-3j.pdf日本看護協会調査結果より

30分

 助産師の必要人数を算出する一つの提案として、妊産褥婦と新生児にかける助産業務時間を算出し、それを担うためには何人の助産師が必要かを検討する。 まず、分娩取扱施設における助産師の業務内容(ケア項目)を算出する(この資料に示しているケア項目は、日本助産師会による「Ⅳ助産師の役割・責務」から、分娩取扱施設向けにケア項目を一部削除し、整理した)。各業務内容について、1人の妊産婦にかかる時間を設定するが、助産師によってケアにかかる時間は一定ではないため、平均的な時間とする。設定した時間に、妊産褥婦の人数を乗ずることで、自施設の必要な助産師ケアに必要な時間を算出し、1人の助産師の年間総労働時間、勤務体制、看護職員配置数などの情報を考慮し、自施設に必要な助産師の人数を算出する。 また、助産師の業務範囲は決まっておらず、看護師・産科医と連携する中で、どこまでの業務を行っているかが異なる。そのため、業務内容について「最大」「中」「最小」のパターンを設定し、それぞれのパターンについて所要時間を設定した。(*「最高」:妊娠・出産に関するすべての業務を助産師が担当すると考えた内容。なお、分娩取扱施設における業務に限定している。*「中」:「最大」と「最小」の間をとった内容。*「最小」:保健師助産師看護師法で規定されている業務に基づき、助産師が最低限担当するべきと考えた内容。)

助産師の業務量算出方法とそれによる人員配置の検討(仮)

妊娠中

分娩中

業務にかかる時間の考え方

妊娠の診断については「診療の補助」として助産師が担当することを想定する

正常分娩の介助正常分娩の介助と帝王切開時に、

新生児のお迎え(ベビーキャッチ、新生児のケア)

正常分娩の介助+帝王切開の両方を担当する

(オペ室で機械出しも担当)

助産外来での業務と所要時間を想定する

正常分娩初産婦

 14時間、経産婦8時間

帝王切開手術時間2.5時間

新生児お迎え1時間

1回第3版助産学体系 7 助産診断・技術学Ⅰ(分娩時間)(平成15年)

3回

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妊婦・産褥婦の入院中の病棟業務

妊婦・産褥婦の入院中の病棟業務(申し送り、記録、カンファレンス、病棟業務等) 90分 1日 助産師インタビュー

(1)  産褥経過の診断を行う。問診・外診による生理的変化の診断(退行性変化:子宮復古状態、悪露の性状・量、外陰部・肛門の状態/進行性変化:乳腺の発育状態、乳房・乳頭の状態、母乳分泌状態、授乳状態、授乳に関するトラブル発生の有無など)/問診による心理・社会的状態の診断(家族の健康状態、経済状態、人間関係、生活環境、生育歴、現在の精神状態、分娩経過の受容など)

(2)  産褥期の退行性変化(子宮の復古など)・進行性変化(乳房の変化など)を促し、褥婦のセルフケア能力を高め、育児の基本が習得できるように支援する。

(3)  正常な産褥復古経過からの逸脱を判断し、適切なケアを行う。

(4)  母乳育児に関して、女性の意思を尊重し、「母乳育児成功のための10カ条」と「母乳代用品の販売流通に関する国際基準」に基づいてケアを行う。

(5)  母乳育児を行えない/行わない母親への支援を行う。妊娠中から何らかの要因で母乳育児の選択ができない母親への支援/出産後に何らかの要因で母乳育児が行えない母親への支援/母乳育児を希望しない母親への支援

(6)  家族機能と役割の変化に対応できるように支援する。家族の生活環境や生活背景のアセスメント/家族機能と役割の変化への適応状態に関するアセスメントおよび支援/児童虐待の予防と早期発見(発見時は法に基づき通告)

(7)  家族が地域社会の資源や制度を理解し活用できるように支援する。

母乳相談・マッサージ

退院後の母乳相談、マッサージの支援 何もせず 電話相談のみ 退院後母乳外来対応

それぞれ0分、電話

15分/回、母乳外来1時間/回

相談回数

(1) 母体外生活への移行期(入院中)のアセスメントとケアを行う。出生後の経時的アセスメントとケア/愛着行動のアセスメントと愛着を促すケア

出生直後(30分)+母子同室を前提とした、生後0、1、2日は

ケアを実施

出生直後(30分)+母子同室を前提とした、生後0、1、2、3日は

ケアを実施

出生直後(30分)+母子同室を前提とし、入院期間中は

ケアを実施

出生直後の1時間+毎日30分

の観察とケア

入院日数分

病院等の新生児ケアマニュアル

新生児訪問(生後1か月まで) なし 希望者のみ 全員 3時間/件 1件日本看護協会調査日本看護協会インタビュー

1日 先行調査、助産師ヒアリング

新生児のケア

産褥0,1,2日を助産師がみる 産褥0,1,2, 3日を助産師がみる 入院全期間を助産師がみる

帝王切開90分、

経腟分娩60分

産褥期のケア

1日90分

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グループワーク

助産師の人員配置の考え方について

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●事例A●

総合周産期母子医療センター

病棟形態 産科単科病棟

病床数 産科病床: 27床 MFICU: 9床

年間分娩件数 640件、帝王切開率35% ローリスク45%、ハイリスク55%

看護職 産科病棟: 助産師 ( )名 看護師 ( )名 看護補助者 ( )名 MFICU : 助産師 ( )名 看護師 ( )名 看護補助者 ( )名 産科医: 6 名 (うち研修医1名)

病棟状況 ・一般病棟7対1入院基本料傾斜配置あり・MFICU3対1 ・チームナーシング制(管理妊婦チームと褥婦チーム、分娩チームはローテーション) ・病棟と産科外来は一元管理 ・原則母子同室制 ・周囲の分娩施設が閉鎖されたことに伴い、ローリスク妊産婦の受け入れを 考えており、病院全体で院内助産の開設を計画中 ・妊娠36週以降・2000g以上の児は状態によって産科で管理 ・妊婦健診未受診産婦の年間分娩件数は10件程度 ・新卒助産師の入職は毎年2~3名 ・看護学生の実習・助産学生の実習を受け入れ ・夜勤帯:産科病棟( )名、MFICU( )名

●産科

●MFICU

1年目 2~4年目 5~9年目 10年目以上

助産師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

看護師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

事例A【病棟職員経験年数】

1年目 2~4年目 5~9年目 10年目以上

助産師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

看護師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

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●事例B●

地域周産期母子医療センター

病棟形態 産科混合病棟:産科、婦人科、整形外科

病床数 病棟病床: 58床

年間分娩件数 730件、帝王切開率20% ローリスク60%、ハイリスク40%

看護職 助産師 ( )名 看護師 ( )名 看護補助者( )名 産婦人科医: 4 名(研修医1名)

病棟状況 ・一般病棟7対1入院基本料、2交代制 ・リーダーが、受け持ち部屋を割り振る ・病棟と産科外来は一元管理のため、病棟から外来に看護者2名を配置 ・原則母子同室制 ・ナースステーションの一角で児の預かりを実施 ・妊婦健診未受診産婦の年間分娩件数は1件以上 ・新卒助産師の入職は毎年3~5名 ・看護学生の実習を受け入れ ・夜勤帯:助産師( )名、看護師( )名 ・婦人科は主に手術患者(手術平均3件/日)、 ・ターミナル期の患者は、別棟の婦人科に空床がない時のみ受け入れ実施 (平均2~3件/月) ・整形外科の入院患者は主に高齢者

事例B【病棟職員経験年数】

1年目 2~4年目 5~9年目 10年目以上

助産師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

看護師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

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●事例C●

総合病院、緊急搬送受け入れている

病棟形態 産科混合病棟:産科、婦人科、眼科

病床数 病棟病床: 42床

年間分娩件数 635件、帝王切開率22% ローリスク80%、ハイリスク20%

看護職 助産師 ( )名 看護師 ( )名 看護補助者( )名 産婦人科医: 8 名(内、非常勤4名)

病棟状況 ・一般病棟7対1入院基本料、2交代制 ・リーダーが、受け持ち部屋を割り振る ・産後2日目から原則母子同室制、適宜新生児室で児を預かる ・児の預かりは担当看護者以外も対応 ・婦人科の入院患者は主にターミナル期の患者 ・体調不良者以外、面会制限はない ・新卒助産師の入職は毎年3名程度 ・夜勤帯は、看護者( )名、助産師はオンコールで待機 ・眼科は日帰り入院が多く、手術は平均10件/日

1年目 2~4年目 5~9年目 10年目以上

助産師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

看護師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

事例C【病棟職員経験年数】

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●事例D●

総合病院、緊急搬送受け入れている

病棟形態 産科混合病棟:産科、婦人科、小児科、内科、皮膚科

病床数 病棟病床: 35床

年間分娩件数 350件、帝王切開率13% ローリスク90%、ハイリスク10%

看護職 助産師 ( )名 看護師 ( )名 看護補助者 ( )名 産婦人科医: 5 名

病棟状況 ・一般病棟7対1入院基本料、2交代制 ・リーダーが、受け持ち患者を割り振る ・原則母子同室制、児の預かりは極力対応しない ・婦人科の入院患者は主に良性腫瘍(手術5件/週) ・小児科の入院患者は夜間の緊急入院が多い ・内科・皮膚科の入院患者は高齢者が多く、日常生活支援が多い ・新卒助産師の入職は毎年2~3名程度 ・夜勤帯は、看護者( )名、入職2年目以降の助産師がオンコール待機 ・助産学生の実習受け入れ要請あり

事例D【病棟職員経験年数】

1年目 2~4年目 5~9年目 10年目以上

助産師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

看護師( 名) ( )名 ( )名 ( )名 ( )名

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Page 43: 産科病棟管理者 交流集会 - Japanese Nursing Association2013/08/03  · 産科病棟管理者 交流集会 日 時:平成25年8 月3 日(土)9:30~17:00 会 場:日本看護協会JNAホール

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