【事例】基盤整備による水管理の省力化 -...

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31 3 0 10 20 30 40 事業前 事業後 水管理の省力化 (時間/ha) 【北海道 中樹林地区】 国営農地再編整備事業 9割減 ほ場の大区画化・汎用化、地下かんがいシステムの導入と併せて担い手 農家への農地の利用集積を広域的に図ることにより、労働時間の縮減と生 産コストの低減を実現。 経年劣化により十分な通水が行えず多大な労力を要する老朽化した開水路 を自然圧パイプライン化することにより、維持管理の軽減と安定した用水供給を 確保。 維持管理費が年々増加 配水管理に苦労 漏水による湿田状態 用水配分に不均衡 農作業、農業経営に係る 負担軽減 漏水防止 用水配分の均衡 【静岡県 下古城地区】 県営農地整備事業 ・経営の一層の低コ スト化を可能とする 直播栽培にも有効 120 21 0 50 100 150 事業前 事業後 水管理の省力化 (時間/ha) 8割減 ○ 地下かんがいシステムによる水管理の省力化 ○ パイプライン化による水管理の省力化 【事例】基盤整備による水管理の省力化 ○地下かんがいシステムの概要 11 なかじゅりん しもふるしろ

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Page 1: 【事例】基盤整備による水管理の省力化 - maff.go.jp...省力化を可能とするICTの導入 等 (1)地区全体の「水利システム再編計画」の策定 (2)農業水利システムの整備

31

3

0

10

20

30

40

事業前 事業後

水管理の省力化(時間/ha)

【北海道 中樹林地区】 国営農地再編整備事業

9割減

ほ場の大区画化・汎用化、地下かんがいシステムの導入と併せて担い手農家への農地の利用集積を広域的に図ることにより、労働時間の縮減と生産コストの低減を実現。

経年劣化により十分な通水が行えず多大な労力を要する老朽化した開水路を自然圧パイプライン化することにより、維持管理の軽減と安定した用水供給を確保。

維持管理費が年々増加 配水管理に苦労 漏水による湿田状態 用水配分に不均衡

農作業、農業経営に係る負担軽減

漏水防止 用水配分の均衡

整 備 前

整 備 後

【静岡県 下古城地区】 県営農地整備事業

・経営の一層の低コスト化を可能とする直播栽培にも有効

120

21

0

50

100

150

事業前 事業後

水管理の省力化(時間/ha)

8割減

○ 地下かんがいシステムによる水管理の省力化 ○ パイプライン化による水管理の省力化

【事例】基盤整備による水管理の省力化

○地下かんがいシステムの概要

11

なかじゅりん しもふるしろ

Page 2: 【事例】基盤整備による水管理の省力化 - maff.go.jp...省力化を可能とするICTの導入 等 (1)地区全体の「水利システム再編計画」の策定 (2)農業水利システムの整備

○ 飼料用米の拡大など地域の営農変化に伴う水需要の変化に対し、地元で情報共有を図りつつ、現在確保されている農業用水を最大限活用することが必要。

代かき期の

1日当たり作業量

作業時期

作業が短期間に集中

コシヒカリ(早生)

◆ 農地集積とあいまって、飼料用米の作付が増加すると、大規模経営体による作業分散が発生。

◆ 水稲作期を後倒しすると、代かき期のピーク水量は減少するが、かんがい期後半に必要な水が増加。(図1)

図1.「通常の水田利用」と「水稲作期が分散した場合」を比較したイメージ

図1.「通常の水田利用」と「水稲作期が分散した場合」を比較したイメージ

コシヒカリ(早生)

経営体が作業ピークを分散

モミロマン(中生)

もちだわら(晩生)

作業時期

代かき期の

1日当たり作業量

【従

来】

【作業分散】

農地が集積

凡 例

通常の水田利用

水利権

水田利用の拡大+作期後倒し

現状より減少

現状より増加

代かき期に必要な水が減少

後半の用水量が増加するため、ソフトとハードの工夫が必要

用水のピークは大幅に増加しない

水量

既存の農業用水を有効活用

ため池や農業用ダム等の運用を変更することにより、必要なかんがい用水を確保。

【ため池・ダムの運用変更】

3月

6月

9月

12月

現行水利権

変更水利権

流量(m3/s)

(イメージ)

・ 現在確保されている農業用水を 大限有効活用することが重要。・ その上で、地域の用水量が不足する場合には、①用水量を節減する方法、②新たに水源を確

保する方法が考えられる。・ いずれの場合も管理のための労力や費用負担を伴うため、地元の方々と十分に話し合い、農業

用水を安定的に確保する方法を考えることが重要。

○ 用水確保の手法・工夫

(相坂川左岸地区(青森県))

新たな水源の確保

【用水の反復利用】【調整池による用水の需給調整】

ゲートで排水路の水位を高くし、用水路に導水することにより、用水を反復利用。

河川に豊富に水がある時期に調整池等に貯留し利用。

(耳納山麓地区(福岡県))

ゲート

排水路

用水路

【渓流水・地下水の利用】

(平鹿平野地区(秋田県))

渓流水や地下水を用水路に補給するなど、地区内の水源を有効活用。

(耳納山麓地区(福岡県))

渓流本線

○ 農業用水の需要変化

用水量の節減 (配水管理ロスの節減と管理の省力化)

【用水管理の自動化】

ほ場の用水管理を自動化することにより、配水管理ロスが節減。

(自動給水栓の設置)

パイプライン化開水路

開水路のパイプライン化により、漏水等による配水管理ロスが節減。

(九頭竜川下流地区(福井県))

ロス(蒸発)

ロス(漏水) ロス(漏水)

【パイプライン化】

ゲート

排水路

用水路

2.農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応(1)水需要の変化を踏まえた農業用水の活用

渓流取水

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末端支配面積500ha未満の調整水槽等の工事に係る部分都府県・北海道・離島50%、沖縄80%、奄美65%

国営かんがい排水事業 【平成27年度概算要求(拡充)】~担い手による多様な水需要に弾力的に対応するための調整施設の追加~

○ 農地集積が加速化し、担い手自らの経営判断による消費者の需要に応じた作物の選択が求められている中、作付作物の多様化に伴い、用水需要が大きく変化

○ 一方、新たな水資源開発は困難であり、担い手の経営判断によって生じる農業用水の需要の変化に対応できない状況

○ 幹線水路の分水工以降に、無効放流を削減し、用水ブロック毎に、変化する用水需要に対するバッファー機能を有する調整施設を設置→ 新たな水源開発が困難である中、既存の水利権を

大限活用し、担い手が水利用の自由度をもって戦略的な営農を展開

課 題 対 応

主食用米, 152.6

加工用米, 2.7

米粉用

米, 0.7飼料用

米, 3.4

WCS用稲, 2.3

備蓄米, 1.2

麦, 7.7大豆, 12.4

飼料作物, 6.9

そば, 2.9なたね,

0.1野菜等,

21.9

通年不付地, 18.6

水田の利用状況(平成23年)単位:万ha

新規の水資源開発は困難

・用水ブロック毎の用水需要に対するバッファー機能を持つ調整水槽等の設置

水利用の自由度を持った戦略的な営農が可能

新たな水資源開発が困難な地域において、水需要の変化に対応するため、末端支配面積100ha以上500ha未満の調整水槽等を設置することが必要な場合にあっては、通常の農業水利施設に加えて、当該調整水槽等までの農業水利施設を対象に追加

拡充内容

調整施設

不足

余剰

【現状の各ブロック内の水利用】

水量

期間

供給可能量

需要量

(夜間)無効放流

中央管理所

F

FF

F

無効放流の削減

水不足への対応

需給バランスの崩れ

営農の多様化

<国庫負担率>

13

(参 考)

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○ 農村人口が減少し、大規模・少数の担い手が地域の水利用の大宗を占める農業構造となった場合に、円滑に対応できるような新たな農業水利システムの構築が必要。

農業水利システムの現状 新たな農業水利システムの姿

末端水路(開水路)

末端水路(管水路)

【支線】ポンプ加圧して配水

地域独自の水利秩序が存在

【幹線】老朽化による漏水

重層管理のイメージ

ほ場の水管理(農家)

【基幹的水利施設】頭首工管理(土地改良区)

【幹線水路】

分水操作(土地改良区)

【支線水路】分水操作(水利組合)

【ほ場】堰板により水位を確保し水田へ

【支線】水路をパイプライン化して、自然圧で配水

【調整水槽・配水槽】

農地ブロックの必要水量に応じた配水が可能な調整水槽・配水槽

ゲート

を設置

排水路

用水路

末端水路(管水路)

末端水路(管水路)調整水槽

配水槽

配水槽

土地改良区は、中央管理所でダム・頭首工・取水・配水(給水栓まで)を一元管理

担い手農家は、カメラ、ICT等を活用し、ほ場の利水状況をリアルタイムで確認

二層管理のイメージ土地改良区、担い手農家が持つICT情報を集約・解析し、水管理を改善

【幹線】水路の補修・改修

吸水口の数を削減

【ほ場】パイプラインから水田に自動給水

○ 改良区(幹線水路)、単区改良区・水利組合(支線水利)、集落・農家(末端水路)が重層的に水管理をしており、戦略的な営農が困難な状況

○ 集落機能の低下などにより、従来の水利秩序が守られない、節水要請などの指示が伝わらないケースが発生し、対応する土地改良区の管理範囲は拡大傾向

○ 担い手の水需要にダイレクトに対応するため、重層管理から、二層構造のフラット型に管理組織を再編

○ 担い手の営農情報の集約・解析を基に、配水管理と営農活動との連携を強化

改良区と担い手農家の二層管理

142.農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応(2)農村人口の減少に対応した新たな農業水利システムの構築

用水の反復利用

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国営水利システム再編事業(農地集積促進型)【平成27年度概算要求(拡充)】国営水利システム再編事業(農地集積促進型)【平成27年度概算要求(拡充)】

○ 我が国農業の競争力を強化するためには、担い手の経営規模拡大を図ることが重要。○ しかしながら、既存の水利システムは、作業集中による水管理作業の負担増大、営農形態変化による水管理作業の

複雑化等、経営規模拡大の制約要因となっている状況。○ このため、担い手の水管理負担を抑制し、経営の自由度を確保できる需要主導型の水供給システムへの転換を推進。

※ただし、①農業用水の再編に伴い、施設規模の変更を行うもの②末端施設まで一貫してパイプライン化等が可能となるもののいずれかを満たす場合にあっては末端支配面積要件を緩和

3.事業実施主体国

1.事業内容

具体的には、① 地域内の水需要の増減に応じた基幹水路の再整備② 水利用の効率化のためのパイプライン化③ 水需給の効率性を確保するための調整水槽の設置④ 担い手の経営農地への多様な配水調整を可能とする

水管理制御システムの新設⑤ 担い手と土地改良区の需給調整や担い手の水管理の

省力化を可能とするICTの導入 等

(1)地区全体の「水利システム再編計画」の策定(2)農業水利システムの整備

2.事業要件・国営土地改良事業により形成された農業水利システムが現存すること

・事業完了時において担い手への農地集積率:50%以上

・受益面積:500ha以上

・末端支配面積:500ha以上※

関連事業水利施設整備事業(農地集積促進型)のうち中心経営体農地集積促進事業

(1)事業内容中心経営体への農地集積率に応じて促進費( 大10.4%)を交付

(2)事業主体都道府県、市町村、土地改良区

エネルギーの活用による維持管理費の節減

・用水ブロック単位での営農体系の均一化・給水栓の統廃合や操作対象施設の減少

ほ場の利水状況のリアルタイム確認

反復利用P営農の変化に弾力的に対応

中央管理所

自動給水栓

自動ゲート

小水力発電

二層構造のフラット型の管理組織

土地改良区による管理

(支線水利組合を吸収)

大規模・少数の担い手農家

による管理

水管理のIT化

支線水路の

パイプライン化

供給システムの効率化に

より担い手への水需要に

きめ細かく対応

面的集積

F

15

(参 考)

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2.主な附帯事業附帯事業:中心経営体農地集積促進事業対象事業:国営水利システム再編事業(農地集積促進型)

水利施設整備事業(農地集積促進型)実施主体:都道府県、市町村、土地改良区補 助 率 :50%等助成割合:

水利施設整備事業(農地集積促進型)【平成27年度概算要求(新規)】水利施設整備事業(農地集積促進型)【平成27年度概算要求(新規)】

○ 我が国農業の競争力を強化するためには、優れた経営感覚を備えた担い手の経営規模拡大を図ることが重要。○ 一方、開水路でかつ多くの給水口を有する従来型の水利システムは、担い手の規模拡大や生産性向上の制約要因と

なっており、担い手の水管理労力の軽減や適切かつ合理的な水配分を実現することが必要。○ このため、農地集積が一定のレベルに達している地区を対象に、既存の施設を活用しつつ、徹底した水管理の省力化

を図る水利システムを整備することにより、高いレベルの農地集積・集約を推進。

1.農業水利施設等整備事業工 種:パイプライン化、水管理のICT化等の省力化整備等実施要件:① 農地集積率50%以上

② 受益面積20ha以上 等実施主体:都道府県補 助 率 :50%等

中心経営体

集積率

国営水利システム再編事業(農地集積促進型)

助成割合 集約化加算※

85%以上 8.5% +1.9%(計10.4%)

75~85% 7.5% +1.6%(計9.1%)

65~75% 6.5% +1.3%(計7.8%)

55~65% 5.5% +1.0%(計6.5%)

分水工

現況 改修後

合口分水工

水利施設整備事業(農地集積促進型)

助成割合 集約化加算※

8.5% +4.0%(計12.5%)

7.5% +3.0%(計10.5%)

6.5% +2.0%(計 8.5%)

5.5% +1.0%(計 6.5%)

※中心経営体に集積する農地面積の80%以上を集約化(面的集積)する場合。

パイプライン化

廃止

水口

自動給水栓

ゲートの自動化

ほ場の利水状況のリアルタイム確認

16(参 考)

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○ 地域の営農戦略に対応するため、水田のフル活用に資する汎用化を推進する必要。

○ 水田の汎用化は、食料自給力の向上にも寄与。

注:田全体は、農林水産省「H21農作物作付(栽培)延べ面積及び耕地利用率」基盤整備実施地区は、整備後の田(約12万ha)における実績(H15~21)

○ 暗きょ排水等の整備による耕地利用率の向上

○ 暗きょ排水・地下かんがいによる水田の汎用化○ 水田整備における汎用化の整備状況

資料: 農林水産省 「農業基盤情報基礎調査(平成24年3月)」

排水不良田

[7万ha:30%]

汎用田

[15万ha:70%]

排水不良田

[43万ha:32%]

汎用田

[91万ha:68%]

区 画 整 備 済[156万ha:63%]

未 整 備(狭小・不整形)[91万ha:37%]

大区画(1ha程度以上)[22万ha:9%]

標 準 区 画(30a程度以上)

[134万 ha:54%]

排水良好田

[34万ha:38%]

排水不良田

[57万ha:62%]

※汎用田:標準区画(30a程度以上)整備済みかつ、排水良好(4時間排除・地下水位70cm以深)の水田

17

2.農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応(3)地域の営農戦略に応じた農地整備

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○ 地域の営農変化に伴う水需要の変化に対応し、畑地かんがい施設整備による農業の高付加価値化を推進する必要。

○ 畑地かんがいの効果○ 畑地かんがい施設整備率の推移

資料: 農村振興局 「農業基盤情報基礎調査(平成24年3月)」

46万ha

21.9%

0

50

100

150

200

250

300

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

S39

S44

S50

S58

H05

H13

H22

H23

H24

耕地

面積

(万

ha)

整備

率(%

畑の耕地面積 畑かん施設整備済面積

畑かん施設整備率

182.農政改革を踏まえた地域の農業構造や営農戦略等への対応(4)水需要の変化に応じた農地整備

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○ 家族経営体

・法人経営体数は、この10年で2倍以上に増加しており、農地面積全体に占めるシェアも増加。

・平成22年の20ha以上の法人経営体は22%、法人経営全体の農地面積の80%。

・50ha以上の法人経営体は7%、法人経営体全体の農地面積の50%。

資料: 農林水産省統計部「農林業センサス」、「農業構造動態調査」(組替集計)により作成。

注1:平成22年までは全数調査、23年以降はサンプル調査。

資料: 農林水産省「農業経営構造の変化」

注1: 農林水産省「農林業センサス」(平成22(2010)年まで) 、「農業構造動態調査」(平成24(2012)年)、「耕地及び作付面積統計」により作成。

注2: 法人経営体は、農家以外の農業事業体のうち販売目的のもので、平成2(1990)年までは会社のみであり、平成7(1995)年からは農事組合法人、農協、特例民法法人等を含む。農事組合法人:農業協同組合法(昭和22年法律第132号)に基づき農業生産について協業を図ることにより、共同の利益を増進することを目的として設立された法人農協:農業協同組合法に基づき組織された組合で、農業協同組合、農協の連合組織(経済連等)が該当

注3: 平成24(2012)年以降は牧草地経営体を含む。

○ 経営耕地面積規模別の法人経営体数と農地面積(平成22年)

・農地集積シェアで見ると、平成25年には、5ha以上層が家族経営全体の48%。

○ 法人経営体

(単位:法人、万ha、%)

20ha未満 20~30 30~50 50ha以上 計

9,706 946 931 928 12,511

(78) (8) (7) (7) (100)

3.8 2.3 3.5 9.6 19.3

(20) (12) (18) (50) (100)

経営体数

農地面積

22%

80%

資料: 農林水産省 「農業経営構造の変化」

注1:農林水産省「2010年世界農林業センサス」により作成。

1,797 2,581 2,842 2,803 2,902

4,986 5,272

8,700

12,511 14,100

14,600

0.1 0.4 0.4 0.40.4

1.51.6

2.5

4.2

6.26.7

0

2

4

6

8

0

4,000

8,000

12,000

16,000

50年 55年 60年 平成2年 7年 12年 17年 22年 24年 25年

法人 %

農地面積全体に占める法人の農地利用面積の割合(右目盛)

法人経営体数

昭和45年(1970)

○ 今後10年間(平成35年まで)で法人経営体数を5万法人まで増加させるため、農地集積等に向けて多くの話合いが行われる基盤整備の機会を最大限活用して、法人を含む多様な担い手の育成・強化を図ることが必要。

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3.基盤整備と多様な担い手の育成・強化(1)基盤整備を契機とした多様な担い手の育成・確保-①

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○ ほ場整備完了地区における農業生産法人の設立状況

・全国平均と⽐較して、基盤整備地区の農業⽣産法⼈数は約2倍。

2.6

5.3

0

2

4

6

全国平均 基盤整備地区

(法人/千ha)

全国: 農業生産法人数 11,829(H22)農地面積459.3千ha(H22)

基盤整備地区: 農業生産法人数 157受益面積 29,558ha

(基盤整備実施地区の農業生産法人数及び受益面積は、H20~H22年度にほ場整備事業を完了した283地区の実績)

農地を1ha程度に区画整理するほ場整備を契機に、農業生産法人を立ち上げるとともに、女性・高齢者を活用して加工・直売所を展開。

【事例】大区画化を契機とした6次産業化の展開(滋賀県)

概要事 業 名:担い手育成基盤整備事業 (平成8年度~13年度)

農業構造改善事業(平成11年度 ~12年度)事業内容:区画整理(大区画化)34.4ha

換地により加工所・直売所用地を創出農 業 者:58名→ 集落1法人化

所有者加工所で米粉パン等を製造販売。

減農薬野菜等を生産。直売所で販売。

大区画化により生み出された労働力と土地で加工・直売を展開

1集落1法人

農業生産法人

法人組合員

女性

高齢者

省力化

農地貸付け

賃借料 賃金支払い

203.基盤整備と多様な担い手の育成・強化(1)基盤整備を契機とした多様な担い手の育成・確保-②