紫外線硬化型frpを用いた高強度 高靭性木質構造耐...

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紫外線硬化型FRPを用いた高強度 高靭性木質構造耐力要素の開発 ~鋼板挿入型ドリフトピン接合の耐力特性~ 1 1010920022 佐藤祐太

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紫外線硬化型FRPを用いた高強度 高靭性木質構造耐力要素の開発

~鋼板挿入型ドリフトピン接合の耐力特性~

1

1010920022 佐藤祐太

研究目的 内容

・木質材料は異方性材料で、繊維方向に強く、繊維直交方向に弱い材料

・木質材料特有の破壊現象を防止する開発を行う。

・紫外線硬化型FRPを用いて補強することにより、 木質接合部の性能を向上させる。

2

紫外線硬化型FRPとは

ガラス繊維、ビニロン繊維の光を透過する繊維補強材に紫外線硬化開始材が混入された繊維シート

紫外線によって硬化

FRP ・・・ Fiber Reinforced Plastics

3

紫外線硬化型FRPの構成

本研究で使用するFRPは、硬化前のFRPシートは柔らかく粘着質

付着させる側と紫外線照射側に保護フィルムが設けられている。

一般的なFRPは、保護フィルムと別になっている。

そのため本研究で使用するFRPは、施工性が良い

4

ドリフトピン接合曲げ試験

試験内容 1000KN万能試験機に試験体を設置

計測方法:変位計で計測 木質材料 集成材

5

ドリフトピン接合曲げ試験を行う試験体

試験を行う試験体はドリフトピンを打つ位置を変えた

FRPあり8体、FRPなし8体 全16体

6

試験体の詳細

説明 黒点:ドリフトピン

黒塗り:FRP

7

180

2000

600 600 600100 100

試験体① 4D-4D-4モデル

 

 

 

487530

280 40 28048

84

48

48 7530

847530 84 7530

 

 

 

 

φ12(木部の穴あけ寸法)

曲げ試験中の様子

8

FRPあり FRPなし

試験結果 試験体①

9

0

5

10

15

20

25

0 20 40 60 80 100 120

荷重

(kN

)

変位(mm)

FRPあり

FRPなし

終局後の試験体の様子 FRPあり FRPなし

10

11

105

105

450

210

3000 650 650 3000

8160

3980

3430

580 580

3430

430 4307300

3980

48

溝形鋼200-90-8-13.5-L450鋼鈑(SS400)450-580-t9

ドリフトピンDP16-210(丸鋼φ16-L210×40本)

構造用LVL 105-450(120E-320F/55V-47H)

M16ボルトL185 スチフナ(t=9)

高力TCボルトM20-L60

ドリフトピンDP16用孔加工木材:φ16孔,鋼材:φ16.5孔

φ18貫通孔(φ50段差孔)

φ22孔

105 105

210

450

200

550 550

50505050

φ18貫通孔(φ50段差孔)

900 900 900 900

8 8

φ18貫通孔(φ50段差孔) φ18貫通孔(φ50段差孔) φ18貫通孔(φ50段差孔)

140

φ18貫通孔(φ50段差孔) φ18貫通孔(φ50段差孔) φ18貫通孔(φ50段差孔)

φ18貫通孔(φ50段差孔)

50

25

M16ボルトL185

25

50

87.5

87.5

900900900900 1409

鋼鈑:φ18孔木材:φ18貫通孔(φ50段差孔)

87.5

50

87.5

50

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

φ22孔

48

9

200

部品

その他すべてφ16.5孔

48

48

鋼鈑450-580-t9(SS400)

φ18孔

450

48

580

100

φ22孔

50

87.5

87.5

87.5

87.5

50

ドリフトピンDP16用孔加工木材:φ16孔,鋼材:φ16.5孔

484848484848484848

48

48

48

33

33

48

48

48

48

480

488 488

484848484848484848

48

48

48

33

48

484833

木質材料 LVL スパン 7.3m 高力TCボルト(M20)使用

試験体

実大スケールドリフトピン接合曲げ試験

開発ターゲット

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研究テーマ:公共建築木造化に伴う、学校校舎に必要な部材の提案 詳細案:ガラス繊維補強モーメント抵抗接合部を使用した、大スパン梁の提案 利点:ガラス繊維による補強でDPを木材際に打つことで大きな抵抗を得る その他目標:ガラス繊維を使用することで、上記以外の何らかの利点が生じる必要が有る

試験概要

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D1

D2 D3 D4 D5 P

D7

D6

3000 1300 3000

7300

450

1000 1000

試験体の変形挙動

14

試験体の変形挙動

15

試験体の変形挙動

16

接合部変形状況 接合部損傷状況

17

実大スケールドリフトピン接合曲げ試験 試験体より先に鋼板が降伏してしまったため、FRPの補強の成果を確認できなかった。 改善点 鋼板 表面 ブラスト処理 板厚9mm → 15mm

試験結果

18

0

50

100

150

200

250

300

0 0.02 0.04 0.06 0.08

曲げモーメント

(kNm

)

相対回転角(rad)

改良モデル

旧モデル

旧モデル 改良モデル 曲げ強さ𝑓𝑚 24.6

N/mm2 35.2

N/mm2 曲げヤング係 数𝐸𝑚(せん断変

6.66 kN/mm2

11.7 kN/mm2

まとめ

・ドリフトピン接合曲げ試験

FRPを使用することによって、それぞれの試験体は耐力、粘りが大きく向上した。この試験によってFRPで補強することで、弱い試験体も強くなり、強い試験体もさらに強くなった。

FRPの補強の成果は出たと考える。

・実大スケールドリフトピン接合曲げ試験

鋼板 を表面:ブラスト処理、板厚:9mm → 15mmにしたことで、鋼板の降伏を防ぎ、試験体を計測出来たので、FRPによる補強の成果も期待できる。

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最後に

紫外線硬化型FRPは使い方次第で大きな成果を発揮する

ことを確認できた。今後は、本研究の成果で挙げた課題を一つずつクリアし、紫外線硬化型FRPを活用した木質ラーメン構法が実用化されることを確信している。

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