秋田県における地域連携型nstに向けた課題 -秋田県nst研究会の現況報告-...
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秋田県における地域連携型NSTに向けた課題
-秋田県NST研究会の現況報告-
秋田県NST研究会
古屋智規,蛇口達造,成田 琢磨,鈴木 裕之
添野武彦,遠藤 和彦,大内 慎一郎,八代 均
住吉 明子,粕谷 孝光,細谷 重直,小林 顕
小松 寛,武藤 直将
背 景
秋田県は,05年に初のJSPEN認定施設誕生後,急速にNST稼動施設が増加した
我々は地域連携型NSTが有効と考え,秋田県NST研究会を設立し,研修会を開催してきた(第23,24回JSPENで報告)
しかし,本県は各施設間の距離が遠く,医療従事者も不足し,NST活動の普及はいまだ十分とは言い難い
これまでの,研究会の道のり 発足; 08年4月
世話人メーリングリスト活用
ホームページ立ち上げ
年2回の割合,これまで計4回の研修会を開催
第5回は10年4月17日,第6回は10年11月20日を予定
古屋先生御連絡ありがとうございました 蛇口-----このグループメールのアドレスは <nst-akita@...
世話人の皆様へ秋田県NST研究会のホームページに…。秋田県NST研究会事務局
http://www.city.akita.akita.jp/city/ho/newho/bumon/nst_kenkyukai.htm
研究会参加施設
市立秋田総合病院 秋田赤十字病院
本荘第一病院
細谷病院
山本組合総合病院
秋田組合総合病院
平鹿組合総合病院
すずきクリニック秋田大学医学部附属病院
大館市立総合病院
市立横手病院
大館市立扇田病院
介護老人保健施設ほのぼの苑
方 法
第2,3回研究会(研修会)で,開催時に出席者全員にアンケート調査を行い,その内容の検討を行った(結果は本研究会ホームページ上で公開)
アンケートの内容;
研修会のテーマ
進行
特別講師
一般演題
開催会場の評価
今後の研究会に対する希望等
研修会 参加者人数および内訳
参加者数
第1~3回まで100~200名で推移
→ 他研修会との重複等で必ずしも十分でない
参加者内訳(第2/3回)
・医師 20/16名 ・看護師 26/23名
・薬剤師 9/26名 ・管理栄養士・栄養士 35/36名
・臨床検査技師 6/3名 ・学生その他 6/18名
→ 計 102/122名
アンケート回収率52.9/57.4%
結 果
各研修会の評価は,開催会場の問題(良い会場の確保が
困難だった)を除いて概ね良好
今後の希望等について,様々な建設的意見が寄せられた
(後述)
研修会参加者のNST活動への情熱を感じさせた
(上記ホームページ参照)
第2回秋田県NST研究会報告(アンケート実施)08/12/6開催
今後の希望テーマは?• NSTの評価とアセスメントについて• 食べることの重要性についての事例発表、医師の関わり• 短腸症候群患者の栄養管理について• 地域連携について• 急性期病院でのNSTについて知りたい、給食の内容など• 栄養評価の標準化• 経腸静脈栄養療法の詳細内容(変更、追加)や経過など• 高齢者の嚥下について• 嚥下訓練食について
研究会テーマは?
大変よかったよかった
進行は?
大変よかった
よかった
よくなかった
開催会場は?
よくなかったよかった
大変よかった
第3回秋田県NST研究会報告(アンケート実施)09/4/11開催
今後の希望テーマは?・NSTの評価とアセスメントについて ・急性期病院のNST・外来でのNSTの役割 ・NSTと精神的フォロー・NSTと地域連携について ・嚥下について・胃瘻トラブル ・経管栄養から経口栄養への移行・褥瘡と栄養 ・呼吸器疾患の症例とNST・薬剤師の関わりについて ・合併症と栄養管理・NST活動の実状 ・簡単で再現性高く、正確な栄養評価方法・具体的なアセスメント方法について ・NSTの立ち上げの実際・症例に学ぶNST ・施設での栄養サポートについて・口腔訓練による食事摂取の関連 ・腎丌全・透析患者のNST・外科の栄養、整形外科の栄養、内科の栄養等、科に特化したテーマ・腎疾患、肝疾患、糖尿病患者に対するNST介入について・認知症患者のケアを行っている療養型病院におけるNSTについて・一般演題をもっと多くしてほしい
附)第4回秋田県NST研究会報告(アンケート実施)09/11/14開催
本研究会は各施設が支え合う「地域連携型」NSTを目指しています。このことに、
• 各施設の情報交換。• 県内3ヶ所くらいできたらと思う。NSTの必要性が学べるような今回の特別講演の先生のお話を
県内各部会でもできたら良いと思う。• 中核病院を中心としたサテライト方式。• 職種を問わず出席できる研究会を開催する。• 地域連携の実例報告などを行う。• 病院と診療所、在宅介護間のパス作成。• 今後もこのような研究会を継続していく。• 急性期、回復期の医療機関のNST体制の確立。介護福祉施設(グループホーム、ショートステイ
などの)栄養指導ができる連携体制の確立。秋田県内の現状把握をもとに、基礎・土台を固めてから取り組みが重要と考える。
• 各施設にもNSTが広く普及するようにしたらいいと思います。• 転院時介入してきた経過等を資料を一緒に提供してもらいたい。• 秋田県は他県に比べ消極的である。NST専門員を目指しても実習の場が少ない。• 勉強会の他、懇話会等各施設間で話す機会を作る。• 施設会員+個人会員の形態。
• NST 活動が院内に知られていない現状があるのに、地域まで持っていくのは難しい。• 各施設の充実のためにもう少し研究すべきである。
賛成 42名
反対 2名 無回答・回答なし 2名
考 察
医療過疎の進む地方では,
NST活動,研究会発展は,必ずしも容易ではない
いまだ,本活動に情熱を傾ける一部の医療従事者に依存
しかし,むしろ地方でこそ,地域における栄養管理およびチーム医療を充実させることが大事