暗くて狭い空間を全方位写し出す...

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床下や天井裏には、電気の配線や上下水の配管等 が網の目のように張り巡らされています。ふだん目 にすることのない、狭くて暗い場所でのトラブルや 異常の原因を画像ですばやく確認できるのが、今回 ご紹介する「View360」です。 View360は、60個のLEDが360度を隅々まで明 るく照射し、水平、垂直の全方向を画像として記録 することができ、トラブルの解決策もピンポイント で立てることができます。 家屋やオフィスだけでなく、人が入って確認でき ない場所はいたるところに点在しています。災害時 などでは突然、閉ざされた場所が出現したりします。 中がどのような状態にあるのか、View360なら本体 が入る隙間さえあれば、リアルタイムに撮影、確認 することができます。  弊社は昭和44年(1969年)に創業した事務機器 全般を取り扱う企業です。本年で創立47周年を迎 えますが、最近では「事務機器」という言葉は死語 になりつつあり、もっぱら「IT関連機器」と呼ば れることが多くなっています。 このIT関連機器商社が、いったいなぜ、この View360を思いつき、商品化にこぎ着けたのか。  じつは弊社には、以前、ゼネコンに勤務した経験が ある社員がおります。その社員がメーカーの商品展 示会に訪問した際に、全天球カメラを目にしました。 この商品に大変興味を持ち、彼が口にした言葉が「こ のカメラにストロボが付いたらとても便利なのに」 でした。 私にはまったく意味が理解できず、その場は聞き 流し、後日「なぜ、全天球カメラにストロボが付く と便利なのか」と改めて聞いてみたところ、その社 員曰く、「さまざまな建築物にはパッと見では見え ない場所がたくさんある。天井裏、床下、パイプス ペース、建物と建物の間、数え上げたらきりがない。 こういった、人が入りにくい狭いスペースや真っ暗 で見えにくい箇所に、点検、検査、確認などの作業 でもぐり込み、写真を撮影するというシーンがしば しばある」というのです。 ヘルメットをかぶっているとはいえ、頭をそちら 暗くて狭い空間を全方位写し出す 「View360」 テクノロジーEYE  View360 人が入れない暗くて狭い場所でも LEDで照射して異常を確認 Technology Eye 全天球カメラにストロボを付けたら…… とある社員のひと言が開発のきっかけ 操作は手元の スマホからも 行えます スイッチONで 瞬時に点灯 360°すべての 空間を撮影 360°を ムラなく照らす 60灯のLED 床下や天井裏などのトラブル解消に威力を発揮! 品プレゼンテーション 害虫駆除業者 設備管理担当者 保守点検業者 必見! 理工事務機㈱ NMC営業部 小林 由介 Technology Eye Technology Eye 45 2016.07

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Page 1: 暗くて狭い空間を全方位写し出す 「View360」bc-ol.com/devel/magazine/2016/07/201607_p45-47eye.pdf「THETA」をタップ します ⑦RICOH THETA本 体の底面に記載さ

ビルクリ資機材情報

 床下や天井裏には、電気の配線や上下水の配管等が網の目のように張り巡らされています。ふだん目にすることのない、狭くて暗い場所でのトラブルや異常の原因を画像ですばやく確認できるのが、今回ご紹介する「View360」です。 View360は、60個のLEDが360度を隅々まで明るく照射し、水平、垂直の全方向を画像として記録することができ、トラブルの解決策もピンポイントで立てることができます。 家屋やオフィスだけでなく、人が入って確認できない場所はいたるところに点在しています。災害時などでは突然、閉ざされた場所が出現したりします。中がどのような状態にあるのか、View360なら本体が入る隙間さえあれば、リアルタイムに撮影、確認することができます。 

 弊社は昭和44年(1969年)に創業した事務機器全般を取り扱う企業です。本年で創立47周年を迎えますが、最近では「事務機器」という言葉は死語になりつつあり、もっぱら「IT関連機器」と呼ばれることが多くなっています。 このIT関連機器商社が、いったいなぜ、この

View360を思いつき、商品化にこぎ着けたのか。 じつは弊社には、以前、ゼネコンに勤務した経験がある社員がおります。その社員がメーカーの商品展示会に訪問した際に、全天球カメラを目にしました。この商品に大変興味を持ち、彼が口にした言葉が「このカメラにストロボが付いたらとても便利なのに」でした。 私にはまったく意味が理解できず、その場は聞き流し、後日「なぜ、全天球カメラにストロボが付くと便利なのか」と改めて聞いてみたところ、その社員曰く、「さまざまな建築物にはパッと見では見えない場所がたくさんある。天井裏、床下、パイプスペース、建物と建物の間、数え上げたらきりがない。こういった、人が入りにくい狭いスペースや真っ暗で見えにくい箇所に、点検、検査、確認などの作業でもぐり込み、写真を撮影するというシーンがしばしばある」というのです。 ヘルメットをかぶっているとはいえ、頭をそちら

暗くて狭い空間を全方位写し出す「View360」

テクノロジーEYE  View360

人が入れない暗くて狭い場所でもLEDで照射して異常を確認

Technology Eye

全天球カメラにストロボを付けたら……とある社員のひと言が開発のきっかけ

操作は手元のスマホからも行えます

スイッチONで瞬時に点灯

360°すべての空間を撮影

360°をムラなく照らす60灯のLED

床下や天井裏などのトラブル解消に威力を発揮!

製品プレゼンテーション

害虫駆除業者設備管理担当者保守点検業者必見!

理工事務機㈱ NMC営業部小林 由介 Technology Eye

Technology Eye

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Page 2: 暗くて狭い空間を全方位写し出す 「View360」bc-ol.com/devel/magazine/2016/07/201607_p45-47eye.pdf「THETA」をタップ します ⑦RICOH THETA本 体の底面に記載さ

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こちらにぶつけることもしょっちゅう。そのうえ、片手に懐中電灯、もう片方の手で写真撮影と、それはもう大変な作業だったそうです。 そこで彼がひらめいたのが、この全天球カメラにストロボを付ければ、たった1回の撮影で360度撮影できるし、狭い場所にはハイアングルスティック(最近流行の自撮り棒のようなもの)か何かを使えばいい、というものでした。 社員が集まり、もっとほかの使い道はないかと思いつくままに意見を出し合いました。新築の建設現場だけではなく、既存建物のさまざまな点検、検査、確認(天井裏に動物がいるような音がする、戸建て住宅の耐震検査で床下に潜る)など、いろいろと用

途がありそうだということになりました。 そこで、メーカーに全天球カメラにストロボを付けられないか交渉しましたが、このアイデアは採用されず、であれば「当社でストロボに代わる照明器具を作ろう!」ということになり、商品化に向けた作業に取りかかり、試行錯誤を繰り返しながら、View360の製品化に成功しました。

 View360は、全天球カメラを取り付けて、ハイアングルスティックにセットするだけです。さらに、

View 360の主な部品

View 360の取り付け方

◀落下を防ぐために、取り付け前に本機側のハイアングルスティック取り付け用のネジ穴と、位置決め穴の位置をよく確認し、ネジを回してしっかりと取り付けてください

取り付け完了!

専用アプリのインストール

テクノロジーEYE

View360と専用アプリで簡単に画像を撮影して活用

①下記のURLを入力またはQRコードから RICOT THETA S のダウンロードページを開き、スマートフォン用アプリケーションの iPhone/Android のいずれかをクリックしてダウンロードしてください

https://theta360.com/ja/support/download/

②インストールをタップします

③同意するをタップします

④インストールしたら、アイコンをタップして起動

⑤ホーム画面。撮影した画像を確認するには RICOH THETAと Wi-Fi で 接 続 する必要があります

⑥ ス マ ー ト フ ォ ンの Wi-Fi 設 定 か ら

「THETA」をタップします

⑦ RICOH THETA 本体の底面に記載されているパスワード

(8桁)を入力して「接続」をタップ

⑧アプリのホーム画面に緑色の曲線が3本表示されたら接続完了です

THETA S に関する詳しい取り扱い説明については同梱の「THETA S クイックスタートガイド」またはメーカーホームページをご覧ください。http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/theta_s/

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RICOH THETA S本体および付属品

View360本体 ハイアングルスティック

◀ RICOH THETA S をView360 本体上部の取り付け部分に差し込む

▲差し込んだ RICOH THETA S を時計回りに止まるまでしっかり回してください

Page 3: 暗くて狭い空間を全方位写し出す 「View360」bc-ol.com/devel/magazine/2016/07/201607_p45-47eye.pdf「THETA」をタップ します ⑦RICOH THETA本 体の底面に記載さ

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理工事務機㈱TEL:03-3293-8955URL:http://www.ricohjimuki.co.jp/

問い合わせ

全天球カメラ専用アプリを手元のモバイル端末にダウンロードし、Wi-Fiで全天球カメラと接続します。View360のスイッチをオンし、60個のLED照明を点灯させ、これで準備完了。 撮影したい場所、例えば天井裏に張り巡らされている空調配管についているメーターの確認など、手元のモバイル端末にてライブビューで撮影箇所を確認しながらシャッターボタンをオンする、とても簡単な操作で撮影は終了します。 撮影した画像は、いったん全天球カメラ本体に保存されますので、アプリを使ってモバイル端末に移動またはコピーして確認します。不具合があれば、すぐにその場で撮影し直すだけです。 また、撮影した画像データは専用アプリ上で確認できますし、撮影した360度の画像の中の一部分を利用したい場合は、必要な個所を画面上に表示して、画面ショットで一般の写真画像として活用することが可能です。 さらに、この全天球カメラは動画撮影も可能ですので、「天井裏で何か物音がするが、動物か何かいるのかな?」というときなど、暗い中での周囲の変化などを記録することも可能です。 これら私たちが思いつく利用方法以外にも、ご購入いただいたお客様から便利な使い方やご意見を集めて、これからご検討いただくお客様の参考になるよう、ホームページ上で情報公開する準備も進めて

います。

 現時点でも、さまざまなご意見をいただいていますが、今後の取り組みテーマがいくつか顕在化しています。 まず、防水・防塵性能の強化です。現状でも水滴がかかった程度ならすぐに拭き取れば問題はありません。しかしこの程度では用途が限られると思いますので、改良に取り組みます。 次に、連続使用時間です。現状ではView360、全天球カメラともに約1時間ですが、少しでも長く連続使用できるように改良していきたいと考えています。より高性能のバッテリーを使用して、総重量も軽くすることを計画しています。 これらいくつかの取り組みテーマに挑戦すると同時に、コストを抑えて価格を安くし、お求めやすくすることに挑戦したいと思います。 今後のView360の進化にも、ぜひご注目ください。

場所や構造に応じて使い分ける さまざまな場所を点検できる

テクノロジーEYE

利用者の声を受け止め、性能・使用時間の向上に挑戦中!

狭 怖

危暗

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撮影したい場所の構造や状況は、さまざまなケースが考えられます。View360は、いろいろな状況に応じて角度や長さを調整できます

▶撮影したいものとの距離によって、スティックの長さが調整できます

最長625mm

最長1485mm

▲さらに狭く、暗い奥もスティックを 90 度に曲げて撮影することができます