研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨...

26
Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved. 1 作成日:2018 8 2 京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター 研究計画書作成要領 使用上の注意 1. 目的 本作成要領は、質の高い臨床研究法上の特定臨床研究又は、臨床研究(以下「臨床研 究」とする。)を行うために、プロトコル(研究計画書)を標準化し、その迅速な作成 を支援するための道具である。プロトコル作成者は、臨床研究の目的や状況に応じて 必要な修正を施してもよい。 2. 適用試験 本作成要領中の記述は、臨床研究を想定している。 3. 章、節、項番号 章、節、項番号は第 3 レベル(1.1.12.3.1 など)までとし、すべての章、節、項にタ イトル(「1.目的」、「4.1 選択基準」など)をつける。第 4 レベルは 1)2)など、第 5 ベルは①、②などとする。 4. 計量単位 計量単位は国際単位系(System International d’UnitesSI 単位)を推奨する。SI 単位 は基礎単位(mKgsAKmolcd)、誘導単位(代表例に m 2 m 3 m/s)、併 用単位(minhdL、℃)で構成される。mEq/dLU/LmmHg などの一般的に 広く用いられている慣用単位は使用を認める。10 n のファクターに相当する接頭語は、 10 12 =T10 9 =G10 6 =M10 3 =K10 2 =h10 1 =da10 -1 =d10 -2 =c10 -3 =m10 -6 = μ、10 -9 =n10 -12 p を用いる。体積の単位には m 3 ではなく L を推奨する。ただし、 cc を用いてはならない(例: dm 3 Lmm 3 →μLccmL)。濃度の単位には、 mg/dLg/dLg/Lmmol/Lmol/L などを用いる。 5. 登録商標 商品名を記載する際には、最後に® (registered trademark; 登録商標の意)を付記する。 6. ヘッダーとフッター フッターにはページ番号を中央に入れる。「シェーマ」を1ページ目とする。 プロトコル本文のヘッダーには右寄せで本臨床研究を特定できる番号(研究計画書コ

Upload: others

Post on 01-Jan-2020

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

1

作成日:2018 年 8 月 2 日 京都大学医学部附属病院 臨床研究総合センター

研究計画書作成要領 使用上の注意 1. 目的

本作成要領は、質の高い臨床研究法上の特定臨床研究又は、臨床研究(以下「臨床研

究」とする。)を行うために、プロトコル(研究計画書)を標準化し、その迅速な作成

を支援するための道具である。プロトコル作成者は、臨床研究の目的や状況に応じて

必要な修正を施してもよい。 2. 適用試験

本作成要領中の記述は、臨床研究を想定している。 3. 章、節、項番号

章、節、項番号は第 3 レベル(1.1.1、2.3.1 など)までとし、すべての章、節、項にタ

イトル(「1.目的」、「4.1 選択基準」など)をつける。第 4 レベルは 1)、2)など、第 5 レ

ベルは①、②などとする。 4. 計量単位

計量単位は国際単位系(System International d’Unites、SI 単位)を推奨する。SI 単位

は基礎単位(m、Kg、s、A、K、mol、cd)、誘導単位(代表例に m2、m3、m/s)、併

用単位(min、h、d、L、℃)で構成される。mEq/dL、U/L、mmHg などの一般的に

広く用いられている慣用単位は使用を認める。10n のファクターに相当する接頭語は、

1012=T、109=G、106=M、103=K、102=h、101=da、10-1=d、10-2=c、10-3=m、10-6=μ、10-9=n、10-12=p を用いる。体積の単位には m3 ではなく L を推奨する。ただし、

cc を用いてはならない(例:dm3→L、mm3→μL、cc→mL)。濃度の単位には、mg/dL、g/dL、g/L、mmol/L、mol/L などを用いる。

5. 登録商標 商品名を記載する際には、最後に® (registered trademark; 登録商標の意)を付記する。

6. ヘッダーとフッター フッターにはページ番号を中央に入れる。「シェーマ」を1ページ目とする。 プロトコル本文のヘッダーには右寄せで本臨床研究を特定できる番号(研究計画書コ

Page 2: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

2

ード)を入れることが望ましい。 用語一覧 (臨床研究法施行規則第一条、臨床研究法施行規則の施行等について 1.(1), 2.(7)(9)) 研究代表医師:多施設共同研究を実施する場合に、複数の実施医療機関の研究責任医師を

代表する研究責任医師。認定臨床研究審査委員会へ申請書等の提出、疾病等報告等の情報

共有等の手続を行う。 実施医療機関:臨床研究が実施される医療機関。 研究責任医師:臨床研究法に規定する臨床研究を実施する者。各実施医療機関において臨

床研究に係る業務を統括する医師または歯科医師をいう。 研究分担医師等:各実施医療機関において、研究責任医師の指導の下に臨床研究に係わる

業務を分担する医師または歯科医師を「研究分担医師」、研究分担医師及び臨床研究に従事

する者を併せて「研究分担医師等」という。 医薬品等:臨床研究の対象とされる薬物。 対象者:医薬品等を投与される者または当該臨床研究の対象とされる者。 症例報告書:原資料のデータおよびそれに対する研究責任医師若しくは研究分担医師の評

価を対象者ごとに記載した文書。 モニタリング:臨床研究に対する信頼性の確保及び臨床研究の対象者保護の観点から臨床

研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨

床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

任医師が特定の者を指定して行わせる調査。 監査:臨床研究に対する信頼性の確保及び臨床研究の対象者保護の観点から臨床研究によ

り収集された資料の信頼性を確保するため、臨床研究が臨床研究法、関連する法規及び研

究計画書に従って行われたかどうかについて、研究責任医師が特定の者を指定して行わせ

る調査。 疾病等:臨床研究の実施に起因するものと疑われる疾病、障害もしくは死亡又は感染症に

加え、臨床検査値の異常や諸症状を含む。 有害事象:医薬品等との因果関係の有無を問わず、対象者に生じた全ての好ましくないま

たは意図しない傷病若しくはその兆候(臨床検査値の異常を含む)をいう。

Page 3: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

3

代諾者:生存する対象者の意思および利益を代弁できると考えられる者であって、当該対

象者がインフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断される場合に、当

該対象者の代わりに、研究責任/分担医師に対してインフォームド・コンセントを与える

ことができる者 試験薬提供者:研究責任医師(多施設共同研究の場合は研究代表医師)に対して医薬品等

を提供する者。 原資料:対象者に対する医薬品等の投与及び診療により得られた臨床所見、観察その他の

活動に関する元の記録やデータをいう。 手順書:臨床研究に係る各々の業務が恒常的に、かつ適切に実施されるよう手順を定めた

文書をいう。

Page 4: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

4

表紙

表紙には以下の内容を含める。 研究の標題 研究計画書コード 研究責任医師(多施設共同研究の場合は研究代表医師)の所属機関名、氏名 認定臨床研究審査委員会承認版(初版)の作成日 改訂が行われた場合には、改訂番号及び改訂日

表紙 次ページ

遵守すべき綱領、法律、規則、指針などを記載する。 臨床研究法及び関連する法規を必ず記載すること。

シェーマ

本章では、試験の概要を把握するための図(シェーマ)および試験デザインの要約を

記載する。 シェーマには以下の内容を含める。 主な適格基準 登録・ランダム化のタイミング 目標症例数、試験期間および登録期間 治療内容の概略および治療期間 効果判定時期および/または追跡期間

試験デザインの要約には以下の内容を含める。 試験の相:探索的研究/検証的研究、相が明確な場合には第 I 相~第Ⅳ相 比較の方法:前後比較/並行群間比較/クロスオーバー/無対照 対照の種類:プラセボ対照/実薬対照/用量漸増/無治療 介入(診断/治療)の割付方法:割付なし/ランダム化 盲検化の有無とレベル:盲検化の場合、非盲検、単盲検、二重盲検

概要

本章では、臨床研究実施計画・研究概要公開システム(以下、jRCT と記載)の申請

に必要な項目を記載する(jRCT の申請においては「副次的な評価項目」を除き全て

必須項目)。 項目名に英語が併記されているものは英語も記載する(jRCT の申請において英語表

記も必要)。 研究の目的

Page 5: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

5

試験のフェーズ/Phase 症例登録開始予定日 実施期間(登録期間を含む) 実施予定被験者数 試験の種類/Study Type 試験デザイン/Study Design(プラセボの有無、盲検の有無、無作為化の有無、

研究目的) 保険外併用療養費の有無 研究対象者の適格基準

・ 主たる選択基準/Inclusion Criteria ・ 主たる除外基準/Exclusion Criteria ・ 年齢下限/Age Minimum ・ 年齢上限/Age Maximum ・ 性別/Gender

中止基準 対象疾患名/Health Condition(s) or Problem(s) Studied 介入の内容/Intervention(s) 主たる評価項目/Primary Outcome(s) 副次的な評価項目/Secondary Outcome(s)

※研究計画書テンプレートの記載例では、jRCT の申請における選択肢を併記しているので、

該当するものを残せば概要が作成できるようになっている。

目次

1. 背景と根拠 1.1. 対象疾患について (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)②(ア)~(エ)) 下記の点について、参考文献、根拠データ等に基づき、分り易く簡潔に記載する。文献な

どを引用した場合は、すべての情報源を明らかにする。 国内外における対象疾患の状況(対象疾患に関する疫学データを含む。)

これまでに実施されてきた標準治療の経緯及び内容

現在の標準治療の内容及び治療成績

当該臨床研究の必要性につながる、現在の標準治療の課題、不明点等

1.2. 試験治療について 試験治療の根拠については、治療内容およびコンセプト、臨床試験の結果、標準治療

に対して有効性、安全性、利便性または経済性などにおいて勝ると考えられる根拠な

どについて述べる。 文献などを引用して、すべての情報源を明らかにする。

Page 6: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

6

1.3. 試験計画の経緯 当該試験の正当性を裏付けるための情報を要約して記載する。

(何を明らかにしようとするのか。リサーチクエスチョンは何か。) 検証的研究の場合、証明しようとする仮説を示す。 社会的および学術的な意義は何か。 文献などを引用して、すべての情報源を明らかにする。

2. 目的 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)③) 本章では、2~3 行を目安に研究目的を記述する。 本臨床研究のデザインの適切性が判断できるよう、本臨床研究で明らかにしようとし

ている点(課題設定)について、分り易く簡潔に記載する。 対象集団、試験治療、評価する特性(有効性、安全性、臨床効果など)、評価項目を

含める。 目的が複数ある場合は、それらを 1 つの主要目的とその他の目的(副次目的)に分け

て、すべて記載する。

3. 診断基準と病期・病型分類 本章では、適格基準および割付調整因子で規定される疾患または病態の診断基準およ

び病期・病型分類を記述する。なお、効果判定基準は「9.評価項目」に記載する。 試験を開始する時点で標準的に用いられている病期・病型分類を用いる。 用いる基準および分類の出典を明らかにし、必要に応じて一部を抜粋し記載する。

4. 適格基準 4.1. 選択基準 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑤(ア)(エ)) 本節では、試験対象の選択基準を具体的かつ客観的に箇条書きで記載する。 選択基準とは、試験治療の有効性が示された場合にその治療を適用することが妥当と

みなされる集団を規定する基準である。 やむを得ず、同意の能力を欠く者、同意の任意性が損なわれるおそれのある者を対象

者とする場合には、その必然性を記載する。 以下の項目について記載する。 疾患名および診断方法 病期・病型、症状 遺伝子変異の有無(特定の遺伝子変異を有する者を対象者とする場合) 性別・年齢

Page 7: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

7

全身状態の指標(例:PS など) 関連する主要臓器機能 臨床検査値等による閾値 文書による患者の同意

各項目の設定根拠を記載する。 4.2. 除外基準 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑤(イ)) 本節では、試験対象の除外基準を具体的かつ客観的に箇条書きで記載する。 除外基準とは、選択基準で示される集団に属するが、特定の状況下でリスクが高くな

り臨床研究への参加が倫理的でない、また臨床研究の有効性・安全性評価に影響を及

ぼすと判断されることを規定する基準である。 以下の項目について基準を設定する。 前治療 既往歴 併存疾患・合併症 アレルギー歴 併用薬・併用療法 妊娠および授乳に関する事項

各項目の設定根拠を記載する。

5. インフォームド・コンセント等 5.1. インフォームド・コンセントの手続き (臨床研究法施行規則第十四条第十七号、第五十条、臨床研究法施行規則の施行等につい

て 2.(11)⑰,2.(54)) 本節では、説明と同意取得の手順、説明文書・同意書(様式)の交付・保管、説明文

書改訂時の手順、再同意の手順を記載する。「対象者に緊急かつ明白な生命の危機が

生じている状況における研究」に該当する場合には、その取扱いについて記載する(下

記 5 要件すべてを満たすと判断される場合)。 対象者に緊急かつ明白な生命の危険が生じている その他の治療方法では十分な効果が期待できない 試験の実施により対象者の生命の危険が回避できる可能性が十分にあると認めら

れる 対象者に対する予測される不利益が必要な最小限度のものである 代諾者等と直ちに連絡を取ることができない

代諾者からのインフォームド・コンセントを受ける研究に該当する場合には、その手

続きについて記載する。 代諾者等の選定方針 代諾者等への説明事項

Page 8: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

8

未成年者やインフォームド・コンセントを与える能力を欠くと客観的に判断され

る者を対象者とすることが必要な理由 代諾者からインフォームド・コンセントを受けた場合であって、対象者が試験を実施

されることについて自らの意向を表すことができると判断される場合には、インフォ

ームド・アセントを得る手続きについて記載する。 対象者への説明事項および説明方法 試験実施内容に拒否の意向を示した場合は、その意向を尊重する。ただし、対象

者に直接の健康上の利益が期待され、かつ代諾者がそれに同意するときは、この

限りでない。 5.2. 説明文書・同意書(様式)の作成と改訂 本節では、説明文書・同意書(様式)の作成主体、承認の手続き、改訂の手続き等の

必要項目を記載する。 説明文書とは、臨床研究の意義、目的、方法などを分かりやすく記述した文書であり、

対象者にそれらを説明する際に用いられる。 同意書とは、対象者が臨床研究への参加の意思を表明する文書である。

5.3. 個人情報の保護 (臨床研究法施行規則第二十七条、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(33)) 本節では、対象者の個人情報保護に関する留意点を記載する。 試料等の匿名化の有無 匿名化をする場合にはその方法および連結可能性の有無

(対象者識別の方法:被験者識別コードの付与など) 個人情報を含むデータの取扱者の範囲 対応表の管理方法 対象者の個人情報を実施医療機関外に提供する場合には、研究責任/分担医師が

匿名化を行う旨 対象者の個人情報とは、診察、検査などにより実施医療機関が知りうるすべての情報

のことである。例えば、氏名、生年月日、診断名、臨床検査値、画像所見、遺伝子情

報などが含まれる。 匿名化とは、個人情報から個人を識別する情報の全部または一部を取り除き、代わり

にその個人とかかわりのない符号または番号を付すことをいう。 5.4. 健康被害に対する補償 (臨床研究法施行規則第十四条第十四号、第二十条、臨床研究法施行規則の施行等につい

て 2.(11)⑭,2.(20)) 本節では、補償内容を具体的に記載する。 健康被害に対する補償の有無 健康被害への補償措置(臨床研究保険への加入など)、その他必要な措置

補償とは、違法性の有無に関わらず対象者の被った損失を補填することをいう。

Page 9: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

9

当該臨床研究の実施に伴い生じた健康被害に対する医療の提供のみを行い、補償を行

わない場合には、実施計画、研究計画書及び説明文書・同意書(様式)にその旨記載

し、その理由について認定臨床研究審査委員会の承認を得ること。 5.5. 倫理的な配慮に関する事項 (臨床研究法施行規則第十四条第十二号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑫) 本臨床研究において、対象者に生じる利益及び負担並びに予測される不利益、これら

の総合的評価、負担及び不利益を最小化する対策の倫理的背景や理由を記載する。 研究の実施に伴い、対象者の健康または子孫に受け継がれ得る遺伝的特徴等に関する

重要な知見が得られる可能性がある場合には、対象者に係る研究結果(偶発的所見を

含む)の取扱いについて記載する。

6. 試験デザイン 6.1. 投与方法・投与量・投与期間 (臨床研究法施行規則第十四条第六号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑥(ア)) 本節では、試験治療の詳細を治療群別に記載する。 症例登録から試験治療開始までの期間を規定する。 試験治療開始後の治療スケジュールは、原則として日単位で表記する。 前治療(制吐薬の予防投薬などを含む)に関する規定やウォッシュアウト期間は本節

に明記する。 試験治療中の入院、外来の別を明記する。 試験治療 投与量、投与法、およびそれらの設定根拠を記載する。 投与期間およびそれらの設定根拠を記載する。 治療が複数コースで計画されている場合はコース数を明記する。 注射薬以外の場合、規格(10mg 錠など)を明記する。 実投与量(/body)への換算が必要な場合は、そのルールを明記する。 治療開始後の体重変動による投与量補正が必要な場合は、そのルールを記載する。 治療スケジュールが複雑な場合は、図を用いて説明する。

6.2. 投与変更基準 本節では、「6.1.投与方法・投与量・投与期間」に定められた用量・スケジュールを

変更する基準を記載する。 治療効果を損なうことなく安全性を確保するために用量およびスケジュールの変更

基準を定める。 延期、減量、休止、スキップ、中止を定義する。 (以下は一例として挙げる) 延期:規定の日時に投与せず、それを遅らせること。 減量:規定の用量未満に減じて投与すること。

Page 10: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

10

休止:治療全体または特定薬剤の投与を再開条件が揃うまで一時的に休むこと。

再開時には、休止時点のスケジュールに戻って治療を再開する。 スキップ:治療レジメン中の一部の薬剤を投与せず次の投与スケジュールに進む

こと。 中止:治療全体または特定の薬剤を永久的・継続的に取り止めること。再開しな

いことが前提である。 延期、減量、休止、スキップを行う根拠となる基準は数値などを用いて客観的に定義

する。 延期、減量、休止、スキップのいずれか、またはその組み合わせについて下記項目が

明らかになるように規定する。 用量の変更(基準となる投与量からの減量の割合、減量回数) 毒性から回復した後の再投与や増量の可否 減量後にも規定の毒性が継続または再出現する場合の投与量 次コースの開始条件・投与可能条件

延期に関する規定 前コースにおける毒性のため次コース投与の延期が必要な場合はその延期期間の

許容日数を定める。 次コースを開始するのに安全と判断できる程度に回復していることを確認するた

めの条件を明記する。 次コースを開始するにあたっては、適格基準に定める臓器機能条件(通常は第1

コースの開始基準)との整合性を確保する。 減量に関する規定 前コースで観察された有害事象がある条件を満たす場合に、次のコースの投与量

を減量するための基準を記載する。 すべての薬剤を減量する場合と特定の薬剤のみを減量する場合がある。 毒性の種類により減量規定が異なる場合、毒性別に記載する。 減量レベルが明確にわかるように表にまとめる。

休止に関する規定 コース中に観察された有害事象がある条件を満たす場合に、それ以降の投与を休

止するための基準を記載する。 すべての薬剤を休止する場合と特定の薬剤のみを休止する場合がある。 毒性の種類により休止する薬剤を特定する。

スキップに関する規定 コース中に観察された有害事象がある条件を満たす場合に、それ以降の投与をス

キップするための基準を記載する。 すべての薬剤をスキップする場合と特定の薬剤のみをスキップする場合がある。 毒性の種類によりスキップする薬剤を特定する。

用量・スケジュールの変更と同時に支持療法が必要となる場合は、その支持療法の内

容を本節に記載する。支持療法の詳細については、「6.4.併用禁止薬等」に記載する。

Page 11: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

11

6.3. 中止基準 (臨床研究法施行規則第十四条第五号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑤(ウ)) 本節では、試験治療の中止基準それらの設定根拠を記載する。 中止基準は、試験内容に応じて以下のカテゴリから規定する。 (カテゴリ内の中止基準については、一例とする。) 試験治療無効

・原疾患の増悪・再発 ・最低用量でも治療を継続できない場合

対象者の安全に対する配慮 ・有害事象の発現により、試験の継続が困難となった場合 (中止と判断する事象名やグレード等を特定することも可) ・合併症の増悪

対象者(または代諾者)の申し出 ・対象者(または代諾者)の同意撤回 ・対象者(または代諾者)の治療中止の申し出

試験対象として不適 ・試験治療開始後、不適格症例であると判明した場合

その他 ・転居等により対象者が来院しない場合 ・責任/分担医師の判断 ・対象者の死亡

中止基準が治療群によって異なる場合は治療群別に明記する。 「6.2.投与変更基準」との整合性を確保する。 治療中止症例および同意撤回症例におけるデータの取り扱いについて記載する。

6.4. 併用禁止薬等 (臨床研究法施行規則第十四条第六号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑥(イ)) 本節では、併用治療および支持療法の詳細を記載する。 併用治療については、併用禁止、併用制限および併用注意治療について記載する。 併用禁止治療:有効性/安全性評価が困難となる、または対象者の安全性確保の

ため、併用してはいけない治療(例:適応症あるいは作用機序が同じ薬剤、試験

治療に用いられる薬剤の添付文書において併用禁忌と記載されている薬剤)。 併用制限治療:用法・用量などの変更があると、有効性/安全性評価に影響を及

ぼすと考えられるため、併用を制限すべき治療(例:適応症が同じで作用機序が

異なる薬剤、または他の治療法(運動療法など))。 併用注意治療:ある基準を満たした場合のみ、新たに併用してもよい治療(例:

試験薬とのキレート形成などのため、一定時間以上間隔をあければ併用可とする

薬剤)。 支持療法については、有害事象別に推奨される治療法を指示する。 全対象者に必須の治療は、試験治療として「6.1.投与方法・投与量・投与期間」に記

Page 12: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

12

載する。 治療群によって異なる場合は治療群別に記載する。 前投薬については「6.1.投与方法・投与量・投与期間」に記述する。

6.5. 後治療 (臨床研究法施行規則第十四条第六号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑥(ウ)) 本節では、後治療に関する規定を記載する。

7. 試験薬/試験機器情報(試験機器/細胞等) 7.1. 試験薬等 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)②(オ)ⅰ) ,④(エ) (キ)) 本節では、試験薬または試験機器の概要、薬効薬理、一般薬理、薬物動態について試

験薬/試験機器概要書の要約を記載する。 毒性については、本章ではなく、「10.3. 予期される有害事象」に記載する。 医薬品の場合は、一般名、承認済みの場合は商品名を併記※。構造および外観、性状、

投与方法、用量用法を記載する。 ※ 薬品名は一般名をカタカナで、( )内に(英文小文字で一般名、商品名®、略称)

を記載する。商品名を記載する際には、「®」を記載する。 医療機器の場合は、機器名称、構造および形状、原理、機器クラス、使用方法、外観

写真または図示。該当する場合、用量、電気的安全性、生物学的安全性、放射線に関

する安全性、機械的安全性、接触刺激性などを記載する。 国内で製造販売承認等を取得していない医薬品/医療機器の場合、名称に加えて製造

番号又は製造記号を記載する。 関連する薬剤・医療機器の添付文書をプロトコルの付録として添付し、本章には試験

薬名のみ記載することを可とする。添付文書は、独立行政法人医薬品医療機器総合機

構のホームページからダウンロード可能である。 医療用医薬品 情報検索:http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/ 医療機器 情報検索:http://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/

概要は当該薬剤の成分、作用機序を含む特徴を記載する。 薬効薬理、一般薬理、薬物動態については当該試験に関係する重要な所見を簡潔に記

載する。 試験薬/試験機器の保管・管理に関する手順を記載する。 研究代表医師等から試験薬/試験機器を配布・提供する場合は、試験薬/試験機

器の交付・回収の手順についても本節に記載する。 別途試験薬/試験機器の取扱いに関する手順書を作成する場合は、「別途定める

「試験薬の取扱いに関する手順書」に従い、適切に試験薬の保管・管理を行う」

と記載するのみでもよい。

Page 13: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

13

7.2. 無作為化の方法 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)④(ウ) (ク))

本節では、割付方法の概略と割付調整因子(層別ブロック法における層別因子または

最小化法におけるバランス因子など)について記載する。ただし、割付を行わない試

験においては本節を省略する。 割付とは、各対象者の受ける試験治療を決定することである。 割付にはランダム割付と非ランダム割付がある。非ランダム割付には対象者が自分の

受ける試験治療を選択する方法やコホート単位で用量を漸増する方法などがある。 代表的なランダム割付の方法は、以下の通りである。 層別ブロックランダム化法 最小化法

ランダム割付の場合、以下の点に注意する。 割付責任者を置き、割付責任者はランダム化の方法を決定し、割付表の作成、割

付プログラムの作成、割付コードの管理などを行う。 次の対象者の割付結果を予見できないようにするため、層別ブロック法における

ブロックサイズなどの割付方法の詳細はプロトコル中に記載しない。 治療群間の比較可能性を高めるために、割付調整因子を設定する場合がある。そ

の際、割付調整因子としては、実施医療機関および評価項目に影響を及ぼしうる

因子を選択する。 各群に割り付けられる比率を記載する。

7.3. 盲検化 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)④(ウ)) 本節では、盲検化する対象範囲と期間について記載する。ただし、盲検化しない試験

においては本節を省略する。 ・誰に対してどの期間盲検化を維持するか ・盲検解除の条件および時期

キーオープンを行う場合は、以下の手順について記載する。 ・キーオープン可否判断の手順 ・キーオープン結果の報告方法

8. 観察・検査・報告項目とスケジュール (臨床研究法施行規則第十四条第四号) 8.1. 症例登録の手順 本節では、研究責任/分担医師が行う症例登録の手順を記載する。 症例登録とは、研究責任/分担医師が候補となる対象者の適格性判断に必要な情報を

登録センターに連絡し、適格性を確認して当該試験の対象者として登録する手続きで

ある。 症例登録を 2 段階(仮登録・本登録)で行う場合、段階ごとに手順を記載する。

Page 14: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

14

ランダム化試験の場合、症例登録後、各治療群の割付を行うタイミングおよび研究責

任/分担医師への割付結果の連絡方法について記載する。 症例登録は連絡方法(FAX 方式または WEB 方式)により手順が異なるため、方式

に合わせて記載する。 登録の手順が複雑な場合には、図を用いて説明する。

8.2. 観察・検査・報告項目 本節では、適格性判断や安全性・有効性評価のために最低限必要な観察・検査項目お

よび報告すべき治療情報(投与日、投与量など)を規定する。 本節で規定された観察・検査項目の結果はすべて症例報告書に記載され、データとし

て収集される。症例報告書に結果を記載する必要のない観察・検査項目がある場合は、

その旨明記する。 中央測定を行う項目が含まれる場合は、どの項目が該当するのか明記する。 自他覚所見または検査所見に応じて追加する検査項目についてはその条件を明記す

る。「必要に応じて」や「可能ならば」という表現は用いない。 「登録前」「治療開始前」「治療期間中」「治療終了後」など、時系列に沿って、観察・

検査・報告項目とその実施時期を明記する。ただし、実施時期に許容範囲がある場合

は併記する;例 Day 15(許容範囲:Day 13~15)。 「登録時」には、患者背景情報および適格性判定に必要な観察・検査項目を規定

する。 「治療開始前」には、評価項目の評価に関わる項目のベースライン値を得るため

の観察・検査項目を規定する。ただし、登録前値で代用できる場合には「治療開

始前」を規定する必要はない。 「治療期間中」には、安全性・有効性評価のために必要な、試験治療の期間中に

観察・検査する項目を規定する。 「治療終了後」には、安全性・有効性評価のために必要な、試験治療終了後の追

跡期間中に観察・検査する項目を規定する。「10.1.有害事象及び疾病等の定義と発

現時の対応」で規定した有害事象の報告範囲(例:試験治療終了後 30 日以内など)

の情報を収集できるようにする。 一般的でない検査項目については想定される実施医療機関で規定通りに実施可能で

あることを確認する。 判定法や測定法が複数あり、それらの間で精度が異なる場合、または、換算が必要な

場合は、一意的に特定できるように記載する。例えば、CT の場合は、単純 CT、造

影 CT、単純または造影 CT を区別する。クレアチニンクリアランスの場合は、計算

法の短時間法(1 回法、2 回法)、24 時間法を区別する。 治療群によって観察・検査項目またはその実施時期が異なる場合は治療群ごとに明記

する。 8.3. 観察・検査スケジュール 本節では、「8.2.観察・検査・報告項目」で規定した項目の内容と実施時期および治

Page 15: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

15

療スケジュールを1ページに収まる表形式で示す。 1時点を1列とし、左から時系列に並べる。 治療群によって観察・検査項目またはその実施時期が異なる場合は治療群ごとに作成

する。

9. 評価項目 (臨床研究法施行規則第十四条第四号、第七号、第八号、臨床研究法施行規則の施行等に

ついて 2.(11)④(ア) ,⑦,⑧(ア) (イ)) 本章では、評価項目の定義を記載する。 評価に用いる基準および評価の時期・期間を明確に記載する。 評価項目とは、試験の目的に関連する仮説を検証するうえで臨床的に意味があり、客

観的に評価できる観察・検査項目またはそれらの合成指標である。 研究責任/分担医師によって判断が異ならないように明確に定義する。 評価項目は、各対象者について定義されるものであり、発生割合や有効割合など、集

団について定義される指標ではない。 評価項目のうち、試験の目的に最も合致したものを主要評価項目とし、それ以外を副

次評価項目とする。 主要評価項目は1つが望ましい。複数設定する場合は多重性の問題への対処方法を

「11.統計学的考察」の章に記載する。 副次評価項目は必須ではなく、設定する場合は複数でもよい。 評価項目の測定の評価者間での信頼性が疑われる場合には、中央判定や複数の評価者

による画像読影などの対応策を実施すべきである。 評価項目に腫瘍縮小効果を設定する場合は、以下の事項を明記する。 腫瘍の測定方法 測定可能病変の定義、その際用いるべき測定機器 標的病変と非標的病変の定義、標的病変の選択基準および個数

一般的でない評価項目の場合、その設定根拠を明記する。 9.1. 主要評価項目 9.2. 副次的評価項目 9.3. 評価基準

10. 有害事象及び疾病等 10.1. 有害事象及び疾病等の定義と発現時の対応 (臨床研究法施行規則第十三条、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑧(ウ)(エ))

Page 16: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

16

本節では、有害事象及び疾病等の定義および発現時の対応について明記する。 試験治療終了後に発生した有害事象については、試験治療の特性などを考慮して報告

すべき範囲を試験ごとに定める(例:試験治療終了後 30 日以内など)。 10.2. 重篤な疾病等の定義と発現時の対応 本節では、重篤な有害事象の定義の他、各実施医療機関の研究責任/分担医師が、研

究代表医師、実施医療機関の管理者、厚生労働大臣などへ報告する義務のある疾病等

の範囲、報告手順および研究代表医師などの対応手順を定める。なお、別途疾病等の

取扱いに関する手順書を作成する場合は手順書に従う旨を記載する。 重篤な疾病等の報告、対応については、各研究で定めた疾病等報告手順及び京都大学

臨床研究審査委員会作業手順書に従って報告・対応を行う。 試験治療終了後に発生した疾病等については、試験治療の特性などを考慮して報告す

べき範囲を試験ごとに定める(例:試験治療終了後 30 日以内など)。 関連する企業(製薬企業など)への疾病等の報告手順および報告内容について、試験

開始前に契約を含む取り決めを行い、研究計画書もしくは手順書を作成する場合は手

順書にその旨を記載する。 二重盲検試験において重篤な有害事象発現によるキーオープンが必要となった場合

の手順は「7.3.盲検化」に記載する。 医薬品または医療機器を用いる試験において、当該医薬品等の副作用、不具合等によ

るものと疑われる症例の発生を知った場合の副作用等の報告については、医薬品医療

機器の規定に留意し、適切に対応する必要がある。 10.3. 予期される有害事象 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)②(オ)ⅴ)) 本節では、薬剤または治療法ごとに、重大な有害事象名とそれらの発生割合をすべて

有害事象と疾病等

有害事象

被験者に生じた全ての好ましくないまたは意図しない傷

病若しくはその兆候(臨床検査値の異常を含む)。

研究との因果関係の有無は問わない。

疾病等

特定臨床研究の実施に起因するものと疑わ

れる疾病、障害もしくは死亡又は感染症。

特定臨床研究との因果関係が否定できない

有害事象。

Page 17: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

17

記載する。その他の有害事象については、当該試験上特に注意を要すると考えられる

事象名とそれらの発生割合を記載する。 文献等から引用した場合は、文献番号を記載する。 重大な有害事象とは添付文書に記載された重大な副作用のことを指す。添付文書に記

載がない、または添付文書がない場合、例えば併用によって初めて起こるまたは増強

される有害事象については、先行試験のデータを参照し、試験上特に注意を要するも

のを記載する。 文献や添付文書に発生割合が記載されていない場合は、「頻度不明」と明記する。 比較試験の場合、試験治療群だけでなく対照治療群についても予期される有害事象を

記述する。 10.4. 対象者等に生じる利益及び負担並びに予測される不利益等 (臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑫(ア)) 10.4.1. 予測される利益 試験に参加することで対象者が得る利益、または集団にもたらす潜在的な利益を示す。 対象者自身に利益がない場合は、ないことを記載する。

10.4.2. 対象者等に生じる負担・予測される不利益 その状態が対象者にとって不快な状態となりうることを記載する。

・試験実施に関連して起こりうる有害事象(「10.3.予期される有害事象」を参照する。) ・検査費用の負担増 ・身体の拘束 ・来院回数・検査回数が増える ・ 対象者に係る試験結果(偶発的所見を含む)の取扱い ・対象者が小児であって、身体および精神に生じる傷害および負担が軽微と判断でき

ない場合は、その検査・処置等 10.4.3. 負担及び不利益を最小化する対策および負担及び不利益と利益における

総合的評価 負担及び不利益を最小化する対策の倫理的背景や理由についても記載する 対象者が小児の場合、十分な事前の対応や実施時に気を紛らわす工夫等の配慮

11. 統計学的考察 (臨床研究法施行規則第十四条九号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑨) 本節では、解析対象集団の構成、患者背景およびベースライン測定値、治療情報、有

効性・安全性評価項目などについて、統計解析を行う項目およびその方法、実施時期

を記載する。 患者背景には、性別、年齢、既往歴、病期・病型などが含まれる。ベースライン測定

値には、治療または観察開始前の臨床症状・徴候および臨床検査値などが含まれる。

Page 18: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

18

統計的検定を用いる場合は、検定手法、帰無仮説および有意水準を明記する。 サブグループ解析を行う場合には、サブグループを規定する因子を明記する。 統計解析担当者は統計解析計画書を別途作成し、解析方法の詳細を規定する。

11.1. 解析対象集団 本節では、解析対象集団を定義する。 解析対象集団とは、当該臨床試験に登録された対象者のうち、統計解析の対象として、

試験目的に関連する仮説を検証するために最も適切な対象者集団を指す。 解析対象集団は単一であることが望ましいが、評価項目ごとに解析対象集団を設定す

る場合、それぞれについて定義する(例:有効性解析対象集団と安全性解析対象集団)。 11.2. 主たる解析 11.3. 副次的解析 11.3.1. 有効性の解析 11.3.2. 安全性の解析 11.4. 実施時期 11.5. 人口統計学的および他の基準値の特性 11.6. 目標症例数およびその設定根拠 本節では、目標症例数の設定根拠となった臨床的仮説、評価項目、統計手法および用

いた仮定とその根拠を記述する。 検定に基づく場合は棄却域の設定(片側、両側)、有意水準、検出力を設定して記載

する。 区間推定に基づく場合は信頼係数と許容される信頼区間の幅を設定して記載する。 予測される不適格例および解析除外例の割合を考慮し、登録すべき目標症例数を設定

する。 11.7. 中間解析 本節では、中間解析の実施時期と手法および結果の報告について記載する。中間解析

を実施しない場合にはその旨を記載する。 中間解析とは、試験治療の有効性・安全性の観点から試験の早期中止の必要性を判断

する際に、その根拠を得るために実施する統計解析を指す。 中間解析の実施時期は、登録症例数(例:目標例数の○○%が登録された時点から○

年後)、イベント数(例:全体で○○の死亡があった時点)、試験開始または最終症例

登録からの経過時間(例:試験開始○年後)などによって特定する。 中間解析の手法については、解析対象集団、解析方法および項目、多重性の調整方法

を記載する。 中間解析の結果は、独立データモニタリング委員会またはそれに準ずる組織に報告す

る。試験実施および評価に影響を及ぼす可能性があるため、独立データモニタリング

委員会以外の組織および個人には中間解析の結果を知らせてはならない。

Page 19: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

19

症例登録期間中に中間解析を実施する場合は、中間解析実施中および結果の審議中に

おける登録一時中断の必要性についても記載する。 11.8. 統計解析計画の変更 解析計画を変更する可能性がある場合はその手順を記載する。

12. 症例報告書等 (臨床研究法施行規則第十四条十三号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)④(ケ)) 本節では、以下の内容を記載する。 使用する症例報告書の種類(紙か、電子データシステムか)を記載する。

(症例報告書が紙の場合) ・症例報告書の送付手段(郵送、FAX など)と送付先を記載する。 ・症例報告書の写しを研究計画書で規定された期間、実施医療機関で保管する

ことを記載する。 (症例報告書が電子データ収集システムの場合)

・使用するシステム名が既に決まっている場合は記載することを推奨する。 ・データベース固定後に、実施医療機関の最終的なデータを入手し、実施医療

機関にて研究計画書で規定された期間、保管することを記載する。 責任医師等は、研究計画書に求められているデータを報告することを記載する。 症例報告書のもととなるデータを原資料として、実施医療機関が保管することを

記載する。 誰が、症例報告書の記入、作成を行うのかを記載する。 症例報告書の記入・修正の際の遵守事項を記載する。 症例報告書で報告された情報が完全かつ正確であることを責任医師が保証するか

を記載する。 原資料となる資料を特定し記載する。症例報告書を原資料とする項目がある場合

はその旨を記載する。 12.1. 原資料の特定 症例報告書のデータのもととなる資料を特定し記載する。

13. 原資料等の直接閲覧 (臨床研究法施行規則第十四条第十号、臨床研究法施行規則の施行等について 2.(11)⑩) 本章では、原資料等の閲覧に関する事項について記載する。

Page 20: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

20

14. モニタリング・監査 14.1. モニタリング (臨床研究法第五条第五号、臨床研究法施行規則第十四条第十一号、第十七条、臨床研究

法施行規則の施行等について 2.(11)⑪(ア),2.(17)) 本節では、モニタリングの適切な範囲および方法、モニタリングに従事する者の責務

や評価項目等を記載する。 また、当該研究のリスクに応じて重点的に確認する事項を定めるなど、当該研究にお

けるモニタリングの方法や関係者の責務についてあらかじめ計画を立て、計画された

モニタリングが適切に行われるよう具体的な手順を定める。 モニタリングに従事する者について、モニタリングの対象となる業務に直接従事して

いないことが規定されているが、例えば、研究分担医師が作成した症例報告書につい

て、当該研究分担医師がモニタリングを行うことを制限するものであり、同⼀医療機

関の別の研究分担医師が作成した症例報告書をモニタリングすることを制限するこ

とを意図しない。 モニタリング結果の報告内容には、日付、実施場所、担当者氏名、モニタリング結果

の概要を含む。 別途モニタリング手順書を作成する場合は、「別途定めるモニタリング手順書に従い、

モニタリングを行う」と記載するのみでもよい。 14.2. 監査 (臨床研究法第五条第五号、臨床研究法施行規則第十四条第十一号、第十八条、臨床研究

法施行規則の施行等について 2.(11)⑪(イ),2.(18)) 本節では、監査の適切な範囲および方法、監査に従事する者の責務や評価項目等を記

載する。 研究責任医師は、対象者数、対象者への不利益の程度、モニタリング等で見出された

問題点、利益相反管理計画を考慮して監査の実施の有無を検討する。 監査結果の報告内容には、日付、実施場所、担当者氏名、監査の対象、監査結果の概

要を含む。 別途手順書を作成する場合は、「別途定める監査手順書に従い、監査を行う」と記載

するのみでもよい。

15. 研究計画書の変更・改訂 本章では、研究計画書の改訂手順について記載する。改訂手順を記載する際は、以下

の点に留意する。 研究計画書を改訂する場合、研究責任医師はそれに応じて対象者への説明文書の

改訂を検討する。 改訂内容が症例登録票または症例報告書の様式に影響する場合、研究責任医師は

データマネジメント責任者に症例登録票または症例報告書の様式の改訂を依頼す

Page 21: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

21

る。 研究責任医師は、研究計画書の全ての改訂内容とその理由を認定臨床研究審査委

員会、および実施医療機関の管理者に報告する。また、必要に応じて厚生労働大臣

に届け出る。 改訂された研究計画書は、認定臨床研究審査委員会および実施医療機関の管理者

の承認を得た上で、jRCT にて公開される日まで使用してはならない。

16. 臨床試験の終了と早期中止 16.1. 臨床試験の終了 (臨床研究法施行規則の施行等について 2. (24)①) 本節では、臨床試験の終了の定義および終了後の手順について記載する。

16.2. 臨床試験の早期中止 (臨床研究法施行規則の施行等について 2. (11)④(カ)) 本節では、臨床試験の早期中止基準を設定し、その後の手順について記載する。

17. 実施医療機関の管理者への報告 (臨床研究法施行規則第十五条、第二十二条、第二十四条第 4 項、第 8 項、第 9 項、第三

十九条、第五十四条、第五十九条、臨床研究法施行規則の施行等について 2. (22)) 本章では、実施医療機関の管理者への具体的な報告内容や、報告方法、報告頻度を以

下の内容に留意して記載する。具体的な報告内容や、報告方法、報告頻度は研究の内

容に応じて検討する。 認定臨床研究審査委員会から意見を述べられた場合には、速やかに、その意見の

内容について、報告を行う。 臨床研究法及び関連する法規に規定された疾病等の発生を知ったときは、それぞ

れ臨床研究法及び関連する法規に定める期間内に報告を行う。 臨床研究が臨床研究法及び関連する法規又は研究計画書に適合していない状態

(不適合)であると知ったときは、速やかに報告を行う。 主要評価項目報告書又は総括報告書の概要を公表したときは、速やかに報告を行

う。 臨床研究の実施状況について、少なくとも年 1 回報告を行う。

18. 臨床試験に関する費用 18.1. 研究資金等 (臨床研究法第五条第七号、臨床研究法施行規則第三十九条第 5 項第一号、臨床研究法施

行規則の施行等について 2. (11)⑱(ア))

Page 22: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

22

本節では、研究資金等の提供の有無、提供組織名称、契約締結の有無、物品提供の有

無およびその内容、役務提供の有無およびその内容について記載する。 研究責任(代表)/分担医師、統計解析責任者及び当該臨床研究を実施することによ

って利益を得ることが明白な者の利益相反に関する状況を記載する。 18.2. 対象者の経済的負担および謝礼 本節では、研究期間中の医療費の負担者について記載する。 試験参加に伴う対象者負担の軽減を図るために、対象者に交通費等の費用負担および

補填を行う場合には、その旨を説明文書・同意書(様式)、および研究計画書または

別の合意文書に記載する。

19. 記録の取扱いおよび保存 (臨床研究法施行規則第十四条第十三号、臨床研究法施行規則の施行等について 2. (11)⑬) 本章では、臨床研究法及び関連する法規に規定される試料・情報(臨床研究に用いら

れる情報に係る資料を含む)の保存及び廃棄の方法を記載する。なお、再生医療等製

品については、廃棄時期について詳細に記載すること。 利用目的に、他機関に試料・情報を提供することが含まれる場合にはその旨(ゲノム

データを取得する場合はその旨)を記載する。 試料・情報等の保存期間を記載する

(京都大学独自のルール) ・当該論文等の発表後少なくとも 10 年間 (臨床研究法) ・臨床研究が終了した日から 5 年間

(その他、注意事項)

Page 23: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

23

保存対象(既存試料等が臨床研究に利用される者の記録の作成も含まれる)の記録に

ついて記載する。 ①対象者ごとに医薬品等を用いた日時及び場所に関する記録 (試験薬の管理に関する文書、診療録等(診療録によって実施医療機関内でいつ実施

されたのかが読み取れればよい。通院等の場合は、臨床研究の内容に応じて通院で実

施している旨を記載する。)) ②対象者を特定する事項に関する記録 (対応表、被験者スクリーニング名簿、被験者識別コードリスト、被験者登録名簿等) ③対象者に対する診療及び検査に関する記録 ④臨床研究への参加に関する記録 (診療録等(対象者へ臨床研究への参加(継続参加の意思確認も含む)について、説

明した日、内容、臨床研究参加の意思を確認した旨等を記載する) ⑤臨床研究を実施するために必要な記録 ⑥①~⑤に規定する記録の修正を行う場合は、修正した記録 ⑦研究計画書、実施計画、対象者に対する説明及びその同意に係る文書、総括報告書

その他の臨床研究法及び関連する法規の規定により研究責任医師が作成した文書又

はその写し ⑧認定臨床研究審査委員会から受け取った審査意見業務に係る文書 ⑨モニタリング及び監査に関する文書 ⑩原資料等 ⑪臨床研究の実施に係る契約書 ⑫臨床研究に用いる医薬品等の概要を記載した文書

規則第 53 条第 2 項関係 ① 多施設共同研究の継続中に、一の実施医療機関において特定臨床研究を継続しなくなっ

たため実施計画の変更を届け出た場合であっても、当該実施医療機関の研究責任医師であ

った者は、当該特定臨床研究が終了した日から5年間、記録を保存すること。

※ 途中で研究をやめた医療機関も自施設が臨床研究をやめた日ではなく研究全体が終了

した日を起算日として5年間保存すること。

② 研究責任医師は、特定臨床研究が終了した日から5年を経る前に、実施医療機関に所属

しなくなった場合には、当該実施医療機関に所属する者の中から記録の保存を行う者を指

名すること。

③ 実施医療機関以外で委託業者や共同機関がある場合は、当該研究責任医師又は研究代表

医師の指導の下、当該臨床研究に関連する記録を保存すること。また、この場合において、

研究計画書や契約において、当該記録の保存について担保すること。

規則第62条第2項関係

実施医療機関の管理者は、研究期間中及び研究終了後5年間の研究責任医師の記録の保存

に協力をするほか、研究責任医師が不在となった場合において当該研究責任医師が指名し

た者が行う記録の保存について適切に行うことができるよう協力をすること。

Page 24: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

24

⑬(未承認の医薬品、医療機器、再生医療等製品を用いる場合のみ) 臨床研究法施行規則第二十五条第二項の規定により作成又は入手した記録 ⑭その他、臨床研究を実施するために必要な文書

20. 研究成果の帰属と結果の公表 20.1. 成果の帰属 本節では、本試験で得られた研究成果の帰属先について記載する。

20.2. 試験に関する情報公開の方法 (臨床研究法施行規則第十四条第十五号、臨床研究法施行規則の施行等について 2. (11)⑮) 本節では、jRCT による研究に関する情報の公表方法(研究開始前、変更時、終了時)

について記載する。 資金提供を受けた医薬品等製造販売業者等と臨床研究の結果に関する公表内容及び

時期に関する取り決めがある場合にはその内容についても記載する。

21. 試験実施期間 (臨床研究法施行規則第十四条第十六号、臨床研究法施行規則の施行等について 2. (11)④(オ),2. (11)⑯) 本章では、対象者登録期間と、対象者観察期間、試験実施期間を記載する。

各期間の定義は以下のとおり。 1)対象者登録期間:研究計画を jRCT で公表した日以降の登録開始日から登録終了ま

で 2)対象者観察期間:研究計画を jRCT で公表した日以降の登録開始日から追跡調査終

了まで 3)試験実施期間:研究計画を jRCT で公表した日から総括報告書の概要を jRCT で公

表した日まで

22. 研究組織 (臨床研究法第五条第 1 項第一号,第三号、臨床研究法施行規則第十四条第一号、臨床研究

法施行規則の施行等について 2. (11)①) 本章では、研究の実施体制(全ての実施医療機関の名称、研究責任/分担医師の氏名

臨床研究法施行規則第二十五条第二項(一部抜粋)

一 臨床研究に用いる医薬品等の製造年月日、製造番号又は製造記号その他の当該医薬品

等の製造に関する記録

二 臨床研究に用いる医薬品等を入手した場合には、その数量及び年月日の記録

三 臨床研究に用いる医薬品等の処分の記録

Page 25: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

25

を含む)を記載する。 基本的に変更のないものについては本文中に、変更される可能性の高いものは別紙に

記載する。 以下に記載すべき項目を例示する。なお、所属部署、職名については、実際に給与の

支給を受けている全ての正式名所を記載する(SRP や寄附講座も含む)。 ①研究責任医師(多施設共同研究の場合は研究代表医師)に関する事項 研究責任医師(研究代表医師)の氏名、所属部署、職名、医療機関の所在地、電

話番号、E-mail アドレス ②多施設共同研究における研究責任医師に関する事項 研究責任医師の氏名、所属部署、職名、医療機関の所在地、電話番号、E-mail アドレス

③研究責任医師以外の研究に従事する者に関する事項 データマネジメント担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 モニタリング担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 監査担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 統計解析担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 研究・開発計画支援※1担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 調整管理実務※2担当機関、責任者の氏名、所属、職名、電話番号 研究代表医師及び研究責任医師以外の研究を総括する者※3 の氏名、所属、職名、

連絡先 ④業務委託先等に関する事項

臨床研究に関連する臨床検査施設、医学的及び技術的部門・機関の名称、所在地

(法人の場合には、代表者の氏名も含む) 開発業務受託機関に業務を委託する場合には、開発業務受託機関の名称、所在地、

委託する業務の内容、監督方法(法人の場合には、代表者の氏名も含む) ⑤研究に関する問い合わせ先に関する事項 研究に関する問い合わせ先の氏名、所属部署、医療機関の所在地、電話番号、FAX番号、E-mail アドレス

※1 研究・開発計画支援担当者

研究全体の方向性を明確にし、着想から戦略策定、成果の公表(又は実用化)

までの一連のプロセスの効率的な計画・運営と、必要な複数の臨床研究及び基

礎研究等の最適化を支援する者であって、臨床薬理学(特に薬効評価、研究倫

理)、一般的臨床診療あるいは臨床研究関連法令に関する見地から臨床研究計画

(又は開発戦略)に批判的評価を加え、臨床開発計画に基づく最も有効で効率

的な(最適化された)臨床研究計画の基本骨格の作成を支援する者 ※2 調整管理実務担当者 臨床研究の計画的かつ効率的な運営管理に関する知識及び手法に基づき、臨床

研究を円滑に運営する者 ※3 研究代表医師及び研究責任医師以外の研究を総括する者

Page 26: 研究計画書作成要領iact/research/newflow/...研究が適正に行われていることを確保するため、臨床研究の進捗状況並びに臨床研究が臨 床研究法、関連する法規及び研究計画書に従って行われているかどうかについて、研究責

Copyright (C) 2018 Institute for Advancement of Clinical and Translational Science(iACT) Kyoto University Hospital All Rights Reserved.

26

当該臨床研究に用いる医薬品等の特許権を有する者や当該臨床研究の研究資金

等を調達する者等であって、研究を総括する者

認定臨床研究審査委員会の審査の効率性の観点から、未承認又は適応外の医薬品等を

用いた臨床研究において、実施医療機関が追加される可能性がある場合には、当該臨

床研究を実施できる実施医療機関の要件を記載するよう努める。

23. 審査意見業務を行う認定臨床研究審査委員会 (臨床研究法第五条第 1 項第八号、臨床研究法施行規則第三十九条第 5 項第二号) 本章では、審査意見業務を行う認定臨床研究審査委員会の名称、認定番号、所在地、

電話番号、E-mail アドレスを記載する。

24. 文献 文献は引用順に番号をつける。 本文中の引用箇所に文献番号を上付き文字で示す。 例 1:・・・が示された 1)。 例 2:・・・が示された 1,2,5)。 例 3:・・・が示された 1-5)。

書 式 は ICMJE 統 一 投 稿 規 定 ( 2010 年 改 訂 版 ) に 従 う

( http://www.honyakucenter.jp/usefulinfo/pdf/uniform_requirements2010.pdf か

らダウンロード可能)。 著者が 6 名以内の場合は全員記載し、7 名以上の場合は最初の 3 名を記載し、後は

「他(et al.)」を続ける。

25. 付録 本章には、当該試験の付録とする資料名を記載する。