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1 はご自分とともにいる為です、こ れから貴方は長い修道生活の中で 様々な困難や忙しさに見舞われる でしょう、それでもこのことは生 涯忘れてはいけません」と言われ ました。 スペイン語を初めとする様々な 勉強、一人のマリアニストとして、アリアン スの会員としての在り方は、まだまだ不完全 な状態ですが、日本の三つの枝のマリアニス ト家族の会員達や全世界のアリアンスの会員 達との絆と歩みが、この喜びを揺るぎないも としてくれ、感謝の思いで終生誓願を迎えよ うとしています。 マリアニストの霊性の根幹であるシャミ ナード師の三つの徳(準備、浄化、完成)は 私に自分の無力さを感じさせると同時に、様々 な思いや気力が削がれていく中で、それでも 自分を望んで下さる神様に全てを委ね、神様 の愛によって透明化されることで、自分の思 いも行いも全て神様の愛を写し出す存在とな れることを気づかせてくれました。 私の道はまだまだ長く、試練も少なくない でしょう。でもマリアニスト家族とアリアン ス・マリアルの会員達と歩むこの道は、私に とって、イエス様とマリア様に自分を捧げる 最高の憧れの道です。 私が初めて召命への望みを抱いたの は一冊の本を通して、マザーテレサの 生き方、修道女としての思いに触れた 時でした。その後、いくつかの修道会、 在俗会と出会い、自分の弱さや様々な 困難や挫折と直面し、召命の望みもあ きらめかけていた中で、マリアニスト と出会い、マリアニストに対する憧れが私に 召命に対する情熱を再燃させ、2006 年 12 月 8 日、無原罪の聖母の祝日に私はアリアンス・ マリアルの志願者となりました。 あれから 10 年を経、今年の 10 月 10 日、 いつくしみの聖年と SMFMI 創立 200 周年 という恵まれた年に、しかも自分に初めて召 命への思いを抱かせてくれたマザ・-テレサ の列聖の年に終生誓願を宣立することになり ました。マザーテレサの映像に出てくる神の 愛の宣教者会のシスター達の初誓願式を通し て、初誓願に対する憧れは心のどこかにあり ましたが、修道会へ入会する望みを果たせな いでいた私には、終生誓願式は想像の域を超 えていました。終生誓願式が近づきつつある 現在も実感が湧きません。それにふさわしい 人間であると確信も出来ません。それでも・・・ アリアンス・マリアルへの入会式の直前、 聖イグナチオ教会の告解室で、イエズス会の 神父様から、「イエス様が貴方を呼ばれたの 2016 年秋号/通巻 120 号/ 2016 年 10 月発行 アリアンス・マリアル 田中正江 終生誓願式を目前にして

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はご自分とともにいる為です、こ

れから貴方は長い修道生活の中で

様々な困難や忙しさに見舞われる

でしょう、それでもこのことは生

涯忘れてはいけません」と言われ

ました。

 スペイン語を初めとする様々な

勉強、一人のマリアニストとして、アリアン

スの会員としての在り方は、まだまだ不完全

な状態ですが、日本の三つの枝のマリアニス

ト家族の会員達や全世界のアリアンスの会員

達との絆と歩みが、この喜びを揺るぎないも

としてくれ、感謝の思いで終生誓願を迎えよ

うとしています。

 マリアニストの霊性の根幹であるシャミ

ナード師の三つの徳(準備、浄化、完成)は

私に自分の無力さを感じさせると同時に、様々

な思いや気力が削がれていく中で、それでも

自分を望んで下さる神様に全てを委ね、神様

の愛によって透明化されることで、自分の思

いも行いも全て神様の愛を写し出す存在とな

れることを気づかせてくれました。

 私の道はまだまだ長く、試練も少なくない

でしょう。でもマリアニスト家族とアリアン

ス・マリアルの会員達と歩むこの道は、私に

とって、イエス様とマリア様に自分を捧げる

最高の憧れの道です。

 私が初めて召命への望みを抱いたの

は一冊の本を通して、マザーテレサの

生き方、修道女としての思いに触れた

時でした。その後、いくつかの修道会、

在俗会と出会い、自分の弱さや様々な

困難や挫折と直面し、召命の望みもあ

きらめかけていた中で、マリアニスト

と出会い、マリアニストに対する憧れが私に

召命に対する情熱を再燃させ、2006 年 12 月

8 日、無原罪の聖母の祝日に私はアリアンス・

マリアルの志願者となりました。

 あれから 10 年を経、今年の 10 月 10 日、

いつくしみの聖年と SM・FMI 創立 200 周年

という恵まれた年に、しかも自分に初めて召

命への思いを抱かせてくれたマザ・-テレサ

の列聖の年に終生誓願を宣立することになり

ました。マザーテレサの映像に出てくる神の

愛の宣教者会のシスター達の初誓願式を通し

て、初誓願に対する憧れは心のどこかにあり

ましたが、修道会へ入会する望みを果たせな

いでいた私には、終生誓願式は想像の域を超

えていました。終生誓願式が近づきつつある

現在も実感が湧きません。それにふさわしい

人間であると確信も出来ません。それでも・・・

 アリアンス・マリアルへの入会式の直前、

聖イグナチオ教会の告解室で、イエズス会の

神父様から、「イエス様が貴方を呼ばれたの

2016 年秋号/通巻 120 号/ 2016 年 10 月発行

アリアンス・マリアル 田中正江終生誓願式を目前にして

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 創立 200 周年準備委員会はこの聖年のモッ

トーとして、「知り」、「愛し」、「仕える」を選び

ましたが、今回は創立者が私たちに遺したマリ

アニストのカリスマに『仕える』こと、このカ

リスマを生きることが、今日、何を意味するか

について考えてみましょう。

 「この人が何か言いつけたら、そのとおりにし

てください」(ヨハネ 2 . 5)。

 このマリアのことばは、私たちマリアニスト

がそのカリスマにどのように「仕える」かを一

言で要約しています。創立者は私たちの宣教活

動を何か一つの事業に限定しませんでした(宣

教活動の普遍性)。これは、原則的にどんな宣教

活動も排除しないということであって、何でも

無差別に行うということではありません。

 創立者はまた同時に、時代の必要(時のしるし)

に応えることに非常に敏感でした。福音宣教の

ためにあらゆる手段を用いる用意があるけれど

も、その時代と場所で神は教会を通して今何を

最も必要としているかを読み取り、それに応え

創立 200 周年記念のモットー 『仕える』マリア会  清水一男

マリアニスト・シリーズ 20

ていくことが、マリアニストのカリスマに「仕え

る」原則であることを示しました。

 さて、マリアニスト修道会創立の時代から 200

年を経た現在、神はマリアニストのカリスマを通

して私たちに何を命じておられるのでしょうか。

私たちは、少なくとも自分たちの判断をもって、

「時代と場所の必要性に応じて」「摂理が導かれる

種々の宣教活動に従事」しなければなりません。

 その際の具体的な基準は、

① 時代の必要に応える奉仕をする生ける信仰の人と生ける信仰の共同体を養成して、キリスト者

を増やすこと。

②教会は、あらゆる面で、神が今日私たちに期待しておられることが何であるか、を私たちに教

えてくれるので、特に自分たちの地方教会と密接

に答えることに非常に一致して働くこと、です。

 このような基準を基にして、この 200 周年の

期間を一緒に考えていきましょう。

「カナの婚礼」ドゥッチオ

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 創立者シャミナード神父は、スペイン・サラゴサの柱の聖母の聖像の足下で神の召命を悟ったと伝えられています。このことからマリアニスト家族は発祥の記念として毎年柱の聖母の祝日を祝うようになりました。  柱の聖母像はサラゴサで一番注意を引くヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール(柱の姫君)教会にありますが、この教会は 17 世紀に建てられ、人びとから親しまれてきました。  紀元40年頃、イベリア半島へ宣教に来た使徒聖ヤコボは、この地で聖母マリアに出会ったと言う伝説があり、ヌエストラ・セニョーラ・デル・ピラール教会はその場所に建てられました。 柱の上にたたずむ聖母マリアの小立像は歳月のためずいぶん黒ずんでいますが、人びとはこの像に毎日きらびやかな衣装を着せ替えて聖母への崇敬を表し、そして聖母への奉仕のために特別な信心を行ってきました。この聖母はスペイン語圏で守護者として人びとの崇敬を集め、毎年 10 月 12日のピラール祭は盛大に祝われています。  2000 年、シャミナード神父の列福を記念して、マリアニストの十字架をあしらったマントを柱の聖母に奉呈しました。その時以来毎年 1 月 22 日シャミナード神父の祝日に、聖母はマリアニストのマントを身にまとっています。

●今後の予定●

10 月 1日(土)Sr. 廣野納骨式 14:00   

     於:カトリック府中墓地

10 日(月)アリアンスマリアル田中正江さんの     終生誓願式 於:調布聖堂12月26日(月)~28 日(水)    管区会議「ベトナム宣教」について2017 年 1 月 15 日(日)    マリアニスト家族の集い  於:暁星学園

FMI ニュース

■ 7 月 27 日: Sr. テレジア 廣野佑子 帰 天 肺炎のため、東京都 桜町病院で亡くなられました。享年 72 歳。初誓願宣立後、73 年から晃華学園中学・高等学校に勤務、86 年校長に就任。その後 2014 年 3 月に退職するまでの 27 年間、重責を果たされ、マリアニストとしての 44 年間の奉献生活のうち 40 年間、晃華学園を宣教の場として過ごされました。 姉妹は山を愛し、山を歩きながら神と語らい、ストレスを山に残して明日への英気を養っていました。重責を負っていた長い校長職の間も、つらく苦しい病床にあっても、姉妹の口から愚痴や弱音を聞くことは一切ありませんでした。姉妹のためにお祈りください。 

8 月

9 月

人事異動

 大黙想と誓願式に織り成された暑 い熱い日々でした。

6 日 ( 土 ) 夕~ 15( 月 ) 朝 年の大黙想15日 ( 月 ) 聖母被昇天の祭日 誓願宣立     50 周年感謝ミサ・有期誓願宣立式17日 ( 水 ) 朝~ 25 日 ( 木 ) 朝    終生誓願準備の大黙想 25日 ( 木 ) ~ 9 月 8 日 ( 木)    韓国管区終生誓願者 3 名   日本管区共同体訪問 28日 ( 日 ) 終生誓願宣立式  

8 日(木 ) 聖マリアの誕生   トゥオンさんの修練院受け入れ式11日(日)~16 日(金)   Sr. 墨田 Sr.レ Sr. 伊藤 ベトナム訪問  12日 (月)聖マリアのみ名    ベトナムの大司教様より、FMI の共同体開   設の許可を受ける。17日(土)夕~ 19 日(月)夕     志願者の黙想19日(月)夕 志願者 4 名のポストラント   受け入れ式24日(土 ) マリアニスト家族評議会          14:00 於:調布修道院

★Sr. 高尾:マリアンハウス修道院⇒調布修道院★Sr.ジェム:町田修道院 ⇒東村山修道院

訃 報

NTRA.SRA.DEL PILAR

「柱の聖母」

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◆ MLC の紹介のためのパンフレットを作成することになりました。

(パンフレットは、ウェブサイトへの掲載も含みます) そこでそういったことが得意な方でも得意でない方でも、MLC のために、やってみようと思う方、募集中!特に若い感性が生かされるといいものが出来るのでは‥‥と期待しています。力を貸して下さる方は [email protected]まで、タイトルを [ パンフレット ] として、氏名、連絡先、TEL、メールアドレスを添えて連絡してください。

◆おめでとうございます、田中さん 10月10 日(月)にアリアンス・マリアル田中正江様 の終生誓願宣立式が行われます。一般の社会にあって修道生活を歩む田中さんをMLC もいつも身近に感じさせてもらっていました。ここまで歩んで来られた田中さんに「おめでとうございます。先駆者として大変なこともたくさんあったでしょうに頑張ってこられた姿に我々も学ばせてもらっています」とお伝えしたいです。

 シャミナード修道院は、東京都千代田区に位置していて、近くには桜の名所千鳥ヶ淵公園、靖国神社、武道館、北の丸公園、皇居などがあり、緑豊かな地域です。都心にあるので交通の便 ( 飯田橋・九段下 ) は大変良く、集まるのには便利な所です。 修道院の中には、地区本部、シャミナード共同体、介護施設のための新館、ベトナムからの志願者がいる志願院などの施設があり、合わせて 15 名の大所帯です。若い志願者 4 名がいて、日本に来て 3 年目ですが、まだ日本語習得には時間がかかって

MLC ニュース

★ 10 月 9 日(日)世界マリアニスト祈りの日--- 各 MLC での祈りやボランティア活動などの写真を送ってください。

★ 10 月 21日( 金)晃華小のシャミナード会(信者の生徒の会)にて、MLC 有志にて「各国のMLC 活動を紹介し、皆さんができることについて考える」

★ 11 月 6 日( 日)MLC 関連で今年亡くなった方々の慰霊ミサと講演会(曉星の卒業生・千葉幸博氏)および昼食懇親会 10 時〜 13 時半 調布修道院

★ 11月19日 ( 土)〜 20 日 ( 日)MLC 主催一泊黙想会 指導 Fr. 清水 ゆるしの秘跡・個人面談可 詳細は各共同体代表に送付予定

★ 12 月 御降誕 クリスマス献金を受付けます。ご協力をお願いします。

★ 2017 年 1 月 15 日 ( 日)奉献式・マリアニスト家族の集い(暁星聖堂)

10月からの行事予定

います。修道院の雰囲気が若返り賑やかになっています。 また、汚れなきマリア修道会にも調布と町田の修道院に 2 名の司祭が派遣され、ミサなどの奉仕をしています。そして、MLCなどの活動場所として、定期的に会議室などを提供し(ソダリティ、ホワイエ、レジナ・チェリ、聖書研究会、MLC の会議など)、他にも青年の黙想会や、聖書研究会・聖書講座などの活動も行っています。   MLC などの集会をしたい方はどうぞ修道院までお申し込みください。

マリア会共同体の紹介 

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■地区会議の開催 7 月 27 日午後 2 時から 28 日午後まで、シャミナード修道院で 12 名のマリア会議員が出席し開催された。会議は順調に進み、予定より一日早く閉会した。

■ 年の大黙想 那須で行われる 年の大黙想は、参加者 13 名で、7 月 31 日から 8 月 6 日まで、那須のベタニア修道女会聖ヨゼフ黙想の家で行なわれた。説教師は聖パウロ修道会の管区長鈴木信一師が担当し、午前と午後の2回の講話があった。体調が万全でなかったにもかかわらず、使徒パウロの書簡を通して示唆に富んだ話をされた。参加者は最終日の終結ミサの中で誓願更新した。 また今年誓願記念を迎えた畑原一義士は、60 年目の誓願を更新し、昼の会食でお祝いをした。

■ベトナム人志願者の夏休み活動 4人の志願者は、長野県野尻湖で 8 月 28 日から 21 日まで、3 泊 4 日のベトナム中高生のサマーキャンプにスタッフとして参加しました。「イエスのように愛する」というキャンプのテーマについて、彼らと一緒に勉強したり遊んだりしました。 このキャンプの中で、私たちは彼らから多くのことを勉強させてもらいました。例えば、演芸大会の前に、一日勉強したり遊んだりするうちに、演芸大会のための演目がまだ決まっていないのに、グループのメンバーは一緒に打ち合わせをしたり練習することができました。結局、演芸大会の中で、深い意義と感動がある演目を演出できました。 そして、私たちは1人で働くのではなくて、グループのメンバーが一緒に働く方法を勉強しました。このキャンプは有益で楽しいばかりでなく、新しい体験をして色々なことを学ばせてもらいました。     (グェン チャン ミン クァン)

● 10 月 9 日(日)世界マリアニスト祈りの日● 10 月20日(木)〜 21日(金)      宗教部研修会(東京)● 10 月22日(土)〜 23日(日)召命司牧会議● 11 月16日(水)〜 17日(木)(札幌)        マリアニスト・スクール連盟研修会● 11 月18日(金)理事長・校長研修会(札幌)

● 2017 年  1 月 5 日(木)〜 6 日(金) 地区集会      (マリア会創立 200 周年祭)

  1 月15日(日)マリアニスト家族の集い

今後の予定

マリア会 ニュース

MLCのためのお部屋できました!マリア会に感謝!

 マリア会のご厚意により、シャミナード修道院の1階にMLCの部屋をお借りすることができました。マリアやカトリックに関する書籍、当時の執行部の方のご尽力によって制作されたマリアニスト研修会のビデオやDVDやMLCが刊行した書籍・印刷物、これまでのMLCの資料等が一か所で保管できるようになりました。 シャミナード修道院の受付の隣にある応接室がその部屋です。2016年6月25日に中村院長と梁川会長によって借室契約書が取り交わされ、正式に借用できるようになりました。契約は1年毎で年度初めにマリア会とMLCの間で借用状況を確認することになっています。 まだ整理が終わらず雑然としていますが、今後

は書籍用の棚や事務作業を進めるうえで必要とされる備品を揃えていく予定です。MLC会員がどなたでも気軽にこの部屋を使用できるように整備し、これからの活動がより一層発展していくようにこの部屋を活用していきます。

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 この世に生きている私たちは誰でも時がある。聖書のコヘレトのなかに書いてあるように

「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がる。泣く時、笑う時、嘆く時、踊る時。愛する時、憎む時、戦いの時、平和の時」( コヘレト 3,1,4,8 ) 私は終生誓願の準備に当たって、黙想の中で自分の召命を考えながら時を過ごした。なぜなら、私は今年、終生誓願の恵みを頂くのと同時に、ちょうど今年は私が来日して 10 年目を歩んでいるからである。「私に従いなさい」という黙想のテーマで、私は今まで歩んできた自分の召命を振り返って考えてみた。10 年という数字は 1 日ずつ数えたら決して短い期間ではない。しかし、今ここで 10 年前の事を振り返ってみると自分にも驚くほどあっと言う間だったと感じた。やはり、時間の経つのは早いもので、「時間は息のようにあっと言う間に経ってしまう」というベトナムのことわざは間違っていないなぁとしみじみと実感した。 神様が「ハンさん、私に従いなさい」と私を呼んでくださったのはどんな時だったか覚えていないが、私は一つの事は確信出来る。それは神様が呼び、選んでくださったからこそ今私はここにいる事が出来、そして 8 月 28 日に終生

 感謝の日に当たり、田舎の小学校にある女の先生が子供たちに「感謝の気持ちを絵で自由に描いて下さい」と宿題を与えました。この先生は子供たちが感謝することがあるかどうか知りたかったためでした。おそらく果物やお花又伝統的な料理の絵ばかりではないかとこの先生は思いました。様々な絵が並んでいましたが、一枚の絵が先生と他の子供たちを引き付けました。それは人の手の絵でした。この絵は非常に単純な描写で同時にとても抽象的で深みのある絵でした。この手の絵はいったい誰の手?お母さんの手?お父さんの手などと思いました。先生はこの絵を描いた小さい女の子に聞きました。「先生、この手は神様の手です。神様が私たちにたくさんの物を与えてくださいました。」と女の子が答えました。 私は今、この瞬間、ここにいることはたくさんの人々の手のおかげだと感じています。子供の時、母と家族の手に育てられて、学生の時代に先生と友達の手、社会人になった時、回りの人々の手、修道女になった時、姉妹たちの手によって育てられ成長してきました。全て感謝いたします。 当たり前と思うような感じでしたが一つ一つの出来事は全て神様の手の中にあったと私は実感しています。この手は大きい手、温かくて心地良い手で私を包んで下さいます。神様の手の中こそ、私の居場所です。

終生誓願を宣立した姉妹たちの

手記を紹介します。

温かい手     Sr. テレサ ジェム

恵みの時          Sr. マリア ハン

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神からくる平和はどう表現したらよいのでしょう湖のような静けささざなみも 立ちません           神からくる平和は理解できない 不思議です地中に 隠された宝のようにいくら掘っても 変わりません 神からくる平和は純粋で穏やかですお父さんのそばに座り息吹を聞くと いのちを感じるからです

神からくる平和は神秘で平穏です平穏の中に 慰めをお父さんの胸に寄りそえるからです

神からくる平和は限りない喜びですやさしいお父さんの いとしい娘となれるからです

 わたしは 8 月 28 日に終生誓願宣立のお恵みをいただきました。

その準備の黙想中にわたしが 5 年前に作詞した「神からくる平和」を通して、わたしの歩んできた道を繰り返し、繰り返し神様に話し、識別をしました。今のわたしの心を表現した詩を紹介させていただきます。 初誓願宣立時から今までのわたしの奉献生活の道は平らではなく、山あり谷あり川あり、また峠越えなど 予想外の凸凹道―喜びや悲しみに出会ったり、辛いことや嫌なこと……などを体験―を神様に導かれながら前進してきました。ですからどんなときにもわたしの心は平和を保つことができました。これは優しい父なる神様は愛娘の側にいてくださり、いつも励まし、慰め、助け、教え、導いてくださいました。 人生の色には多種多様な色があるように、奉献生活にも種々な色があります。終生誓願を宣

立することは終わりではなく、1 日 1 日がわたしにとって新しいスタート!  恐れなく、優しい父なる神様に信頼し続け、一生涯を委ねます。 皆様方からたくさんのお祈りをいただき、心より感謝申し上げます。よき神様の愛娘として、マリアニストとして成長することができますよう続けてお祈りく

ださいませ。                                  感謝。            2016 年 8 月 28 日 

神から来る平和      Sr. テレサ リン

誓願の恵みを受ける事も出来たということである。聖書のエレミヤ書に「私はとこしえの愛を持ってあなたを愛し変わることなく慈しみを注ぐ」( エレミヤ 31,3) とあるように、神様は今その無条件の愛を私に注ぎつつ、私を相応しいものとするために様々な試練で私の愛を清め強めてくださったと感じる。 これから先の事は分からないが、神様の愛に応えながらマリア様のようにフィアトの心でイエスの足跡を辿り続けていきたい。

▲左から Sr. ジェム・Sr. ハン・Sr. リン

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■発行:日本マリアニスト家族評議会

 問い合せメール:[email protected]

 ホームページ:http://www.marianist.jp/

 MLC の web ページにURL(http://cafemlc.jimdo.com)

を新たに設定しました。この web ページは、スマホでもパソコンでも見ることができるようになっています。今後、この web ページで様々な

お知らせを掲載したいと思います。スマホをお使いの方一度覗いてみて下さい。

 2016 年 7 月 14 日、汚れなきマリア修道会の創立 200 周年を記念し、同会マリアニスト宣教センター(マリアンハウス修道院内)において、

「青年ワークショップーあなたにとっての神様とはー」が行われました。 当日の参加者は 21 名を数え、盛会となりました(青年は高校生 7 名、大学生 6 名、FMI 有期誓願者・志願者 4 名の計 17 名)。 プログラムは、第 1 部 : 祈り(ミサ)、第 2 部 :学び(講話・分かち合い)、第 3 部 : 喜び(バーベキュー)からなり、それぞれとても充実した時間を過ごすことができました。 なかでも特筆すべきは、講話後の分かち合いについてです。3 つのグループに分かれて行われましたが、いずれのグループでも高校生メンバーが、自身の教会生活や信仰について積極的に発言し、白熱したものとなりました。またバーベキューでの火起こしや調理、片づけも青年が率先して取り組み、つつがなくプログラムを終えることができました。 当初は、15:00 に解散を予定していましたが、予想以上の盛りあがりに加え、突然のゲリラ豪雨で雨宿りの必要もあり、青年たちが修道院をあとにしたのは 16:30 を過ぎていました。ワークショップ最後のアンケートでは「来てよかった」「ぜひまた参加したい」「充実した時間だった」

「これほど楽しい企画があるならもっとPRすべき」といった声が相次ぎ、こうした企画の持つ重要性を改めて認識させられました。

 今回のワークショップは、5 月に突如として話が持ちあがり、限られた時間のなか、暗中模索しつつ準備を進めました。 本ワークショップを暖かく見守ってくださった FMI 管区長さま、宣教センターの活用を模索し諸方面に奔走された Sr. 小林、快くミサを司式してくださった山崎神父さま、会場になったFMI マリアンハウス共同体のみなさま、高校生に熱心な呼びかけをするだけでなく、お手伝いくださった暁星宗教部の先生方をはじめ、数えきれないほど多くの方のご協力があり、実現することができました。 今回、ワークショップに参加した青年たちはいずれも、マリアニストスクール暁星・晃華の在校生・卒業生たちでした。学校の枠を越えて出会ったこの仲間たちが核となり、信仰の輪を広げ、ともにキリストの道を歩んで行くことを願ってやみません。(H.A)

「青年ワークショップ」報告