研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について -...

60
研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について 京都府立医科大学研究開発・質管理向上統合センター 学内講師 松山 琴音 平成 28 年度治験推進地域連絡会議

Upload: others

Post on 22-Mar-2021

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

研究者を対象とした臨床研究教育ツールの作成について

京都府立医科大学研究開発・質管理向上統合センター

学内講師 松山 琴音

平成 28 年度治験推進地域連絡会議

Page 2: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

平成 28 年度治験推進地域連絡会議

演題「研究者を対象とした臨床研究教育ツールの作成について」

所属:京都府⽴医科⼤学 研究開発・質管理向上統合センター

演者:松⼭ 琴⾳

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 2

本演題発表に関連して、開⽰すべきCOI関係にある 企業等はありません。

Page 3: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

本日の内容

臨床研究における品質確保について

Quality by Designアプローチ

臨床研究教育ツールについて 平成28年度⽇本医師会委託業務として実施 成果物を⽇本医師会治験促進センターホームページに掲載予定

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 3

Page 4: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究における品質確保について

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 4

Page 5: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

背景:臨床研究の質確保に対する要求

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 5

研究者主導臨床研究において、⽇本ではこれまで国際的な品質低下をもたらす事態が 多く発⽣し、社会的にも⼤きな問題となっている。

Page 6: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

背景:臨床研究の質確保に対する要求

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 6

ICH-GCP改訂(2016年11⽉Step 4)

このイメージは、現在表示できません。

Page 7: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

ICH-GCPの改訂と品質管理計画書

2016年11⽉に三極合意(Step4)へ移⾏→各国での実施(Step 5 )へ

改訂される項⽬(例) 品質管理計画の導⼊

The longest addendum to the guideline is centered on a sponsor's quality management, which includes the efficient design of trial protocols, data collection tools and procedures, and the collection of data essential to decision making

試験モニタリングへの「中央モニタリング」の併⽤に関する推奨 “A combination of on-site and centralized monitoring activities may be

appropriate”

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 7

Page 8: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究の質確保に対する要求 contd.

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 8

第20 モニタリング及び監査(1)研究責任者は、研究の信頼性の確保に努めな

ければならず、侵襲(軽微な侵襲を除く。)を伴う研究であって介⼊を⾏うものを実施する場合には、研究機関の⻑の許可を受けた研究計画書に定めるところにより、モニタリング及び必要に応じて監査を実施しなければならない。

信頼性の確保→そもそも、モニタリングと監査だけではない

「⼈を対象とする医学系研究に関する倫理指針 」(平成26年⽂部科学省・厚⽣労働省告⽰第3号)

Page 9: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床試験での「品質」

GCPガイダンス(省令GCP第4条業務⼿順書等)による記載 治験依頼者は、治験の実施並びにデータの作成、記録及び報告が

本基準及び治験実施計画書を遵守して⾏われることを保証するために、⼿順書に基づく品質保証及び品質管理システムを履⾏し、保持する責任を有する。

なお、「治験の品質保証」とは、治験の実施、データ作成、⽂書化(記録化)及び報告 が、治験実施計画書及び本基準を遵守していることを保証するために設定された計画的 かつ体系的な全活動を、「治験の品質管理」とは、治験関連の活動の質に求められる事項を充⾜しているか否かを検証するために治験の品質保証システムの⼀環として⾏われる 実務的な⼿法及び活動をいう。

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 9

GCP遵守→質確保といえるか?

Page 10: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質の定義

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 10

品質という言葉は、様々な意味が含まれている。使い勝手の良し悪し信頼性(故障の頻度、動作の安定性など)安全性耐久性デザイン

「品質」は概念であり、「品質」の良し悪しは顧客の要求事項によって変化する。したがって、「品質」は、一定の「品質尺度」を設定した上で「測定」という行為があって初めて定義づけられる。

品質とは、実現されたパフォーマンスや結果であり、本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たしている程度のことをいう。(ISO9000)

Page 11: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

治験・臨床研究の目標と質確保

シーズ・現場ニーズ

アンメットメディカルニーズ

新薬(医療機器)・新医療技術

新薬(医療機器)・新医療技術

新規治療法の提供

シーズ・研究に起因する「質」

実施体制・システムに起因する「質」

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 11

Page 12: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床試験で求められる品質?:お作法の違い

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 12

候補物質・候補治療

「安全性が担保され治療効果(有効性)がある」ことの証明→臨床試験

製剤化⾮臨床での効果と安全性

論⽂・ガイドライン 市販化(承認申請)

ICH-E8GCP倫理指針お作法と出

⼝の違い

Page 13: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床試験で求められる品質?:出口による品質の違い

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 13

新規候補物質

新たな医療技術やその改良

既存薬の新しい組み合わせ

保険収載(先進医療AないしB等)

ガイドライン収載論⽂発表倫理指針

倫理指針・健康保険法

⾮臨床・安全性PhaseI・II薬理 Phase III

有効性

薬事法(GLP・GMP・GCP) 新薬

High

Low

品質

Page 14: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質マネジメント:ISO 9000シリーズ

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 14

• 品質に関して組織を指揮し、管理するための調整された活動。 (ISO9000)

品質マネジメント(quality management) の定義

• トップマネジメントは品質管理に対する全体的な⽅針を決定

品質⽅針の策定

• 品質⽅針の実現のために品質⽬標を設定

品質⽬標の設定

• 業務の規定、プロセスの記述と全体最適化。PDCA(Plan, do, check, action)サイクルによる⾒直し。トップマネジメントによる確認とフィードバック。

業務プロセスの確⽴、PDCA

Page 15: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質管理に関する規格~日本工業規格Q分類(管理システム)~

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 15

規格番号 名称 制定・改正 対応国際規格

JIS Q 9000 品質マネジメントシステム−基本及び用語

制定 2000/12/20改正 2015/11/20(最新)

ISO 9000 :2015

JIS Q 9001 品質マネジメントシステム−要求事項

制定 2000/12/20改正 2015/11/20(最新)

ISO 9001 :2015

JIS Q 13485医療機器−品質マネジメントシステム−規制⽬的のための要求事項

制定 1998/3/25改正 2005/10/1 ISO 13485 :2003

JIS Q 14971-1

医療⽤具−リスクマネジメント−第1部:リスク分析の適⽤

制定 2001/2/25 ISO 14971-1 :1998

Page 16: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

5.0 クオリティ・マネジメントQuality Management (ICH-GCP Addendum)

スポンサーは、臨床研究の企画、実⾏、記録、評価、報告、保存を通して品質管理システムを履⾏しなければならない。スポンサーは、被験者保護及び研究結果の信頼性を保証するのに⽋かせない臨床研究活動に集中しなければならない。品質管理には、臨床研究実施計画書の効率的なデザイン、データ収集のツール及び⼿順、意思決定するのに必須な情報の収集も含まれる。臨床研究の品質の保証及び管理に使⽤される⽅法は、臨床研究固有のリスクと収集される情報の重要性に釣り合ったものでなければならない。スポンサーは、臨床研究があらゆる側⾯で運⽤上実施可能であることを保証しなければならず、不必要な複雑な⼿順及びデータ収集は避けるべきである。実施計画書、症例報告書及びその他運⽤上の⽂書は、明確、簡潔で⼀貫性がなければならない。品質管理システムは、下記に記載されるリスクに基づく⽅法を取り⼊れなければならない。

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 16

Page 17: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質管理システム(QMS)の要求事項

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭)

1. マネジメントプロセス トップマネジメント層が組織の⽅針・⽬標を定め、QMS・法規制を遵守さ

せ、実⾏のための資源を提供する2. 製品実現のプロセス

要求仕様に対する受注・設計・購買・製造・検査・保管・出荷・顧客への各プロセスをバリューチェーンでつなげる(リスクマネジメントも含む)

個別プロセスが計画通り実⾏され、トレースできる3. サポートプロセス

マネジメントプロセスの⽅針どおりにQMSが運⽤されているか、出荷まで問題なく製造されているか監視→問題があれば速やかに是正・予防を⾏う

4. ⽂書・記録の管理 多くの⼿順を⽂書化し最新版が利⽤できるようにする。 ルールどおりに運⽤されているかの証拠としてプロセス実施の記録を作成す

17

Page 18: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

7つの品質マネジメント原則(ISO9000:2015)

顧客重視(Customer Focus) リーダーシップ(Leadership) ⼈々の積極的参画(Engagement of people)

トップダウン+ボトムアップ プロセスアプローチ(Process approach)

成果のアウトプットまでのプロセスを、成果に影響を及ぼす要素ごとに管理する 改善(Improvement)

成功する組織は。改善に対して、継続して焦点を当てている 客観的事実に基づく意思決定(Evidence-based decision making) 関係性管理(Relationship management)

密接に関連する利害関係者との関係をマネジメントする

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 18

Page 19: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

Quality by Designアプローチ

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 19

Page 20: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

プロセスに分解してリスクベースに計画する→Quality by Design

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 20

Quality by Designとは:事前の⽬標設定に始まり、製品及び⼯程の理解並びに⼯程管理に重点をおいた、⽴証された科学及び品質リスクマネジメントに基づく体系的な開発⼿法。(ICH-Q8(R2)製剤開発に関するガイドラインに⽰された定義)

http://www.gmp-compliance.org/eca_news_1189.html

QbDアプローチ:品質メトリクスによる可視化可能な品質⽬標を定め、品質⽬標を達成するような開発アプローチ

★プロセスベースの開発アプローチ

Page 21: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床試験領域のQbDの定義

Quality by Design (QbD) Systematically building quality into clinical trial design to ensure that

processes are focused on what is critical and are performed in a way that mitigates errors which have the greatest impact on subject safety and data quality. (TransCelerate)

CTTI QbD project

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 21

Protect patients during the trial

Obtain reliable results and meaningful information from the trial

QbD helps organizations

become prospectively and fully aware throughout the

trial lifecycleof the important errors that could jeopardize

the ability to …

https://www.ctti-clinicaltrials.org

Page 22: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

QbDの実現に必要なこと

被験者保護

被験者保護

データ品質の確保データ品質の確保

QbDでの開発QbDでの開発

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 22

安全性データ 有効性データ

品質管理項⽬

ププロトコルへの組み込み

出⼝⽬標の設定 医療ニーズの実現

リスク ントリスクコントロール

Page 23: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭)

Position Paper: Risk-Based Monitoring Methodology 3 FINAL 30May2013 © 2013 TransCelerate BioPharma Inc. All rights reserved.

Figure 1 TransCelerate Methodology for Risk-Based Monitoring – High Level Process and Associated Tools

23

Page 24: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭)

Position Paper: Risk-Based Monitoring Methodology 3 FINAL 30May2013 © 2013 TransCelerate BioPharma Inc. All rights reserved.

Figure 1 TransCelerate Methodology for Risk-Based Monitoring – High Level Process and Associated Tools

24

プロトコルへの品質の組み込み

リスクの同定・管理

リスクに基づくモニタリング

CAPAによる監視・改善

品質メトリクスの監視

Page 25: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

TransCelerateの提案する品質メトリクス

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭)

Table 3 Suggested Measures for Evaluating TransCelerate’s Risk-Based Monitoring Methodology

Dimension Metric Examples

Quality

Number and classification of major/critical audit/inspections findings per audited site Number of significant protocol deviations per site Number of unreported, confirmed SAEs as discovered through any method

Timeliness/Cycle Time

Average number of days from data entry to initial monitoring Median number of days from visit to CRF data entry Median number of days from query open to close

Efficiency

Average monitoring (all types) cost per site Average interval between On-site Monitoring visits per site

TransCelerate-RBM-Position-Paper-FINAL-30MAY2013

25

Page 26: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

CAPA: 是正措置と予防措置

是正措置:Corrective Action →再発の防⽌ 不適合の再発を防⽌するための不適合の原因を除去する措置

(QMS省令,ISO13485) 検知された不適合⼜は望ましくない状況の原因を除去する措置

(ICH Q10,ISO9001:2005)

予防措置:Preventive Action →予測して防⽌ 起こり得る不適合の発⽣を防⽌するためにその原因を除去する

措置(QMS省令, ISO13485) 起こり得る不適合⼜は他の望ましくない起こり得る状況の原因

を除去する措置(ICH Q10, ISO9001:2005)

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 26

Page 27: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

是正措置と予防措置(例)

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 27

是正措置

是正措置

予防措置

Page 28: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

RBM:リスクベーストアプローチの手順

品質⽬標・品質メトリクスの設定

•品質管理計画及び実施計画書の測定項⽬として規定

•リスクの特定・リスク管理計画

モニタリング計画の作成

•中央モニタリング(DM)と協業。リソースとバランス

•オンサイトで確認する項⽬、確認頻度を確定。

モニタリング実施

•⼿順確認・フィージビリティ確保のための振返り

•変更管理(是正措置)

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 28

是正・監視・改善

GOAL

品質⽬標の達成→出⼝⽬標(GOAL)の達成

Page 29: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究教育ツールについて

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 29

Page 30: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床試験が目指すゴール:治療の発展・更新

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 30

前提:標準治療:State of the Artの達成診療・治療ガイドラインによる実施ができているか現時点の標準治療を達成しているか(医学標準テキスト等による)

現時点の治療成績の把握 標準治療、候補治療の⽐較

標準治療の更新

結果の公表

臨床における課題の抽出→仮説設定

Page 31: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

課題:臨床研究計画時におちいりやすい罠

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 31

結果の公表

実施計画書作成

欲しいデータが取れているか?

資⾦⾒込み、スケジュールは⼤丈夫か?

臨床上の課題

スムーズに症例登録されるか?

Page 32: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

本研究で目指す「質が確保された研究計画書」

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 32

研究計画書の作成

資⾦資⾦

出⼝

適切なリサーチクエスチョンへの構造化→出⼝を⾒据えたシノプシスの作成

リソースに⾒合い、現実的に実施可能な研究計画書へのブラッシュアップ

ゴール:上記を2本柱とする新たな臨床研究計画書作成の教育ツールを提供する

Page 33: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

既存の「研究計画書作成」教育ツールとの比較・位置付け

• 医師・研究者:研究責任者となりうる⽅(中級者向け)

• アカデミアARO等の⽀援機関:プロトコル作成を⽀援する部⾨

本コンテンツの教育対象者

• ICR-WEB、医師会治験促進センター、北⾥⼤学グローバル臨床研究センター、UMIN等

• リサーチクエスチョン構造化等のプロトコルシノプシスの作成に関する項⽬はあるが、Quality by Designの概念はない

既存の教育ツールとの⽐較

• シノプシス作成まで及びQuality by Designによる質を確保した研究計画書作成の⼊⾨ツール

本教育ツールの位置付け

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 33

Page 34: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

実際のコンテンツ(例示)

RQの構造化〜シノプシスの作成

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 34

Page 35: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

本書の対象読者

• 想定している対象読者は次のとおりです– 臨床研究や治験の参画経験があり、既に実施計

画書を作成したことのある、あるいはこれから実施計画書を作成しようとしている医師・研究者

– 臨床研究の⽀援に携わっている実務担当者(PM、DM、モニター、CRC等で1年以上の実務経験を有する者)

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

35

Page 36: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

イントロダクション

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

36

医療現場の

課題

リサーチ・

クエスチョン

研究計画

研究実施

解析

論⽂化

医療現場の課題に基づき、リサーチ・クエスチョン(仮説)を設定し、解決するための科学的に質の⾼い研究計画を設計する研究デザインが重要

質の⾼い研究計画に基づき、粛々と実施

Page 37: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

リサーチ・クエスチョン(RQ)

• 医療現場の課題を臨床研究で解決可能な形式に変換したもの

• 研究計画の基本⾻格• 頭⽂字をとってPICO/PECO

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

37

Patient 対象 誰に

Intervention/Exposure 介⼊/要因 何を⾏うと/何があると

Comparison ⽐較対照 何と⽐べて

Outcome アウトカム どうなるか

Page 38: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

InterventionとExposure

• 研究の型の⼤きな分岐点• 介⼊するか(intervention)、観察するか

(observation)– 介⼊:研究のために治療を選択

→PI(intervention)CO – 観察:ありのまま→PE(exposure:要因)CO

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

38

Page 39: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

PECOへの構造化の例CQからRQへ• クリニカル・クエスチョン(CQ)⼤都市には⽪膚疾患が多いか?

• PECO P(対象) :学童児 E(介⼊/要因) :⼈⼝10万⼈以上の都市に住んでいる C(⽐較対照) :⼈⼝10万⼈未満の地域に住んでいる O(アウトカム):アトピー性⽪膚疾患の罹患率

• リサーチ・クエスチョン(RQ)⼈⼝10万⼈以上の都市に住む学童児のアトピー性⽪膚疾患の罹患率

は、⼈⼝10万⼈未満の地域に住む学童児に⽐べて⾼いか?

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

39

Page 40: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

評価項⽬へのブラッシュアップ

• アウトカムから、評価項⽬(Endpoint)を設定– 測定可能か?– 客観性はあるか?

• 研究主⽬的に対応する主要評価項⽬を考える– FINER(後述)の過程を通して、

主要評価項⽬を決定

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

40

Page 41: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

サンプルサイズ設計

• 主要評価項⽬に対する解析⼿法が定まってから• 当該解析⼿法、有意⽔準の下、

臨床的に意義のある差を、ある検出⼒で統計的有意差ありと判断するに必要な最⼩例数– 検出⼒:期待する差が存在する場合に、

帰無仮説を棄却する確率– 例数が多いほど、検出⼒は向上する

• 過剰な例数では、臨床的に意義のない差も統計的有意差ありと判断する確率が⾼くなる

– 観察中の脱落を加味し、最終的に決定臨床研究教育ツールの作成について

(松山)41

Page 42: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

P:プロトコルシノプシスの完成

プロトコルシノプシスに最低限記載すべき項⽬・研究⽬的・研究デザイン・対象集団(選択基準・除外基準)・症例数・エンドポイント

リサーチクエスチョン(RQ)から研究計画へ• RQに適合した明確な研究⽬的を設定する• 研究⽬的を達成するために必要な研究デザイン・明確な研

究⽬標を設定する明確な研究⽬標を設定するために・研究を実施する真のニーズを把握する・最終成果物を決定する(品質基準・完了基準・成功基準の決定)・3要素(品質(スコープ)、時間、費⽤)の優先順位を決定する

記載すべき項⽬については、ICH E8(臨床試験の⼀般指針)を参照

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

42

Page 43: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

実際のコンテンツ(例示)

Quality by Designアプローチによる

プロトコルのブラッシュアップ

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 43

Page 44: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

良い臨床試験を実施するためには?良い臨床試験を実施するためには、PECOに基づき⽴案したResearch Questionを、良い臨床研究の必要条件(FINER)を満たす臨床研究実施計画に具体化しなければなりません。F:Feasible 実施可能性I:Interesting 科学的興味深さN:New 新規性E:Ethical 倫理性R:relevant 社会的重要性どんなに科学性・倫理性が確保された臨床試験計画であっても、実施不可能な臨床試験計画では「良い」臨床試験が実施できません。

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

44

Page 45: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

モニタリング担当者研究者 医療スタッフ

統計・解析担当者データ管理者 監査担当者

ヒト モノ

各種検査機器

データマネジメントシステム

統計解析ソフト

カネ

臨床試験の適正な実施に必要なリソース

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

45

Page 46: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

実施可能な臨床試験

臨床試験実施計画書の要求事項

が準研究者が準備できるリソース

(ヒト・モノ・カネ)

臨床試験実施計画書の要求事項と、リソースのバランスが取れている臨床試験

現在のリソースで適切に管理できる臨床試験のレベルを踏まえた計画⽴案が必要

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

46

Page 47: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質を⾒据えた実施計画書作成のステップ

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

47

プ2. 出⼝⽬標・プロジェクト期間の設定

3. プロトコル概要

4.概算⾒積

5. 品質⽬標の設定

6. 測定項⽬の決定7. リスク評価

9. 実施可能性のチェックとフルプロ

トコル完成

1. RQの構造化

8. プロジェクト計画10.品質管理計画、モニタリング・DM計画Fix

11.詳細⾒積、Founderの決定

12. 予算の決定

Page 48: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究経費の概算

固定費

Protocol

各種手順作成

DB構築費用

解析.結果報

告・論文作成

変動費

モニタリング・

DM・監査

臨床検査費

薬剤費

DB管理

文書保管

研究機関

手続き・研究費

CRC費用

負担軽減費

医療補償

全ての作業は、⼀度費⽤に換算する必要があります。(⾃前でも、⼯数に応じた費⽤が必要で0円にはなりません)

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

48

Page 49: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

プロトコル概要・リソースに関する情報

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

49

項⽬ 概要研究題⽬実施体制シェーマ研究⽬的研究期間評価項⽬適格基準⽬標症例数

項⽬ 概要施設 数、地域モニタリング 体制監査 体制(有無)CRF 紙か電⼦かデータマネジメント

委託有無

統計 委託有無臨床検査 中央測定する

かどうかCRC 利⽤有無論⽂ ライティング

利⽤有無

<プロトコル概要> <リソースに関する情報>

概算⾒積のために必要な情報について、整理をする

Page 50: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

⾒積の種類と実施時期臨床研究に必要な費⽤を⾒積もる(⾒積予算)

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

50

クラス 内容 ⾒積精度超概算⾒積(OME)

OME(Order of Magnitude Estimate)は詳細な研究計画がない段階で実施する⾒積。計画の経済性分析を⽬的とし過去実績等からの類推⾒積法により実施する。

±20~30%

概算⾒積(PCE)

PCE(Preliminary Cost Estimation)は研究計画⾻⼦が作成された段階で実施する⾒積。予算承認を⽬的としモデルを⽤いた係数積算法により実施する。

±10~20%

詳細⾒積(DCE)

DEC(Definitive Cost Estimate)は、研究計画が確定した段階で実施する⾒積。競争⼊札を⽬的とし単価、数量等による積上積算法により実施する。DCEは、研究遂⾏中の中間評価にも⽤いる。

±5~10%

⽬指す品質と⾒積予算がマッチしているかどうかをチェックする

Page 51: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

品質管理計画

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

51

出⼝⽬標

位置づけ ゴールを達成することを目標とし、スポンサー(医師も含まれる)の責任を明確にした品質に対する「管理体制」を定める

臨床試験の最終目的を明確にする例)抗凝固薬Aによる心筋梗塞の予防、RCTによるガイドライン治療の更新、○○雑誌への投稿・・・など

品質⽅針臨床研究の出口目標に応じ、品質を確保するために何をするべきかを定める 例)本試験は学術ガイドラインの収載を目的とし、ICH-GCPを遵守して実施する

品質⽬標

品質方針で求める水準を満たすように、測定可能で具体的な目標を設定する例)主要評価項目に関しては、データエラーがない例)同意取得に関しては、そのプロセス及び記録を100%確認例)症例登録に関しては、予定期間内に完了

Page 52: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

データ項⽬の検討

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

52

評価項⽬→論⽂での図表イメージを作成

測定項⽬→臨床試験の質を担保するための項⽬を設定

例)抗腫瘍薬の臨床評価・被験者背景:Table1主要評価項⽬:無再発⽣存期間(Table2)副次評価項⽬:副作⽤の発現率(Table3)探索的評価項⽬:背景因⼦ごとのフォレストプロット(Figure1)・・・

例)抗腫瘍薬の臨床評価・エンドポイント・図表に必要なデータ項⽬があるかどうか→被験者背景・画像評価・転帰・検査値異常変動・質管理上の項⽬:品質⽬標に⾒合う項⽬(メトリクス)⽇常診療と離れた⼿順があるかどうか→あれば、データ項⽬にあげる(モニタリングでの対象項⽬)・・・

データ項⽬の確定:下記の作業を⾏う。→研究カレンダー及びモニタリング対象項⽬を確定する

Page 53: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

Q:想定されるリスクの洗い出し①

リスクは、それが起こったときに⽬標に与えるインパクトとそれが起こり得る確率からなる

• 研究⽬標を達成するために重要となるプロセスとデータを特定する。

• その重要となるプロセスとデータに⼤きな影響を与えるリスクを特定する。

リスクとは• もしそれが発⽣すれば、少なくとも1つのプロジェクト⽬

標(品質(スコープ)、時間、コストなど)にプラスやマイナスの影響を与える不確実な事象あるいは状態のこと

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

53

Page 54: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

Q:想定されるリスクの洗い出し②

臨床研究における主なリスク区分• 臨床研究固有のリスク

安全性、試験デザイン、データ管理、予算管理、スケジュール、研究管理など• 実施体制・運⽤システムのリスク

実施医療機関、⼿続き、教育訓練、⼿順書、リソースなど

・ブレーンストーミング・インタビュー・チェックリスト・前提条件分析・SWOT分析

リスクの特定ツールと技法

あらゆる部署のメンバーで、あらゆる視点から広範にリスクを洗い出すことが重要

リスクの特定とは• 起こり得る事象とその原因を洗い出し、分析する• リスクへの対策が講じられるレベルまで具体化する

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

54

Page 55: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

重要:中間評価の計画

品質メトリクス(測定項⽬)に基づいた成功基準を達成するために必要なアクティビティと成果物

⾒積予算の中間評価(Check Estimate)• 計画した⾒積予算で、要求される研究の品質⽬標を達成

できるかどうかを検討する

品質⽬標と実情のギャップを把握し、品質⽬標の達成可能性を判断する

必要に応じ⾒積予算を修正する

⾒積予算で実施できるアクティビティと成果物

⽐較検討

臨床研究教育ツールの作成について(松山)

55

Page 56: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 56

研究成果物として公開予定

Page 57: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

さらに学びを深めたい方へ

ICRWeb

プロトコル作成

iHope(認定NPO法⼈)

RQRQTransCelerate

CTTI

QbDQbD

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 57

https://www.icrweb.jp/course/view.php?id=87

http://www.i-hope.jp

POSITION PAPER:RISK-BASED MONITORING METHODOLOGY

QbD Toolkit

本教育ツールはResearch Question(RQ)の構造化とシノプシス作成、Quality by Design(QbD)アプローチの⼊⾨編である

更に理解を深めたい時はこちら

上記は例。その他参照のこと

Page 58: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

まとめ

試験計画の早い段階から出⼝に⾄るための実施可能性を確保し、実効性の⾼い試験計画を⽴て、試験管理を⾏うことは、求められる品質に即した臨床研究を実施する上で必要不可⽋である。

特に今までに、QbDアプローチを導⼊した教育コンテンツは本邦に例がないため、本教育ツールは、確実にゴールにたどり着く臨床試験を⾏うための⼀助となるだろう。

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 58

Page 59: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

共同研究者:臨床研究教育WG

武⽥薬品⼯業株式会社 医薬開発本部 ⽇本開発センター 臨床研究推進G

岩崎 幸司

武⽥薬品⼯業株式会社 医薬開発本部 ⽇本開発センター 臨床研究推進G

須崎 友紀株式会社リニカル 品質管理部 担当部⻑ 吉⽥ 浩輔

⼤分⼤学医学部臨床薬理学講座 教授附属病院 総合臨床研究センター⻑/臨床薬理センター⻑

上村 尚⼈

東京医科⻭科⼤学 医学部膠原病リウマチ内科医学部附属病院臨床試験管理センター 笠井 祥⼦

慶應義塾⼤学 慶應義塾⼤学病院臨床研究推進センター 松嶋 由紀⼦⽇本たばこ産業株式会社 医薬事業部 臨床開発部 ⻑尾 典明京都府⽴医科⼤学 医学研究科 ⽣物統計学 助教 横⽥ 勲京都⼤学 医学部附属病院臨床研究総合センター

⼤学院医学研究科医療疫学分野 准教授 福間 真悟国⽴研究開発法⼈国⽴がん研究センター 中央病院治験管理室 ⼩林 典⼦(オブザーバー)⽇本医師会治験促進センター 研究事業部 部⻑ ⼭本 学

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 59

(敬称略)

Page 60: 研究者を対象とした臨床研究 教育ツールの作成について - Med臨床研究教育ツールの作成について(松 ) 15 規格番号 名称 制定・改正

ご清聴頂き、ありがとうございました

臨床研究教育ツールの作成について(松⼭) 60

ご質問等は E-mail: [email protected]までお気軽にどうぞ。