競争戦略の考え方(2)vrio分析 (barney, 1997) • vrio – 価値(value) •...
TRANSCRIPT
ポジショニング視点
資源ベース視点
静態的 動態的
(発見・活用) (創造・革新)
変化への適応
ゲーム論的視点
学習プロセス視点
市場での位置取り
独自資源
(競争回避)
(競争優位)
利益の源泉
競争戦略の4つの視点
同じ業界に属しながら、なぜ企業間で利益率が異なるのか?
• 戦略グループ(strategic group)
– 同じ業界内で、事業展開の仕方が異なる企業群のこと• 戦略グループ間では異質性がある一方、戦略グループ内では同質性
が見られる
e.g. 自動車業界
– 普通自動車、軽自動車、スポーツカー、SUV…
– 戦略グループ間を移動することは必ずしも容易ではない• 移動障壁(mobility barrier)
– 特定の戦略の実現のために投資を行い、関連する資源やノウハウを蓄積してきているため
• 企業の持つ独自資源・能力(distinctive resource/competence)
– 同じ業界構造の中でも企業業績が異なるのは、それぞれの企業が持っている資源・能力に差があるためである
資源ベース視点
• 企業が持つ「独自の資源・能力」が企業の利益率を規定する
• 他社にない独自の資源・能力を発見・創造し、活用する– 競争優位性の形成
– 「戦って勝つ」
• 競争優位の基本的発想– 「競争優位とは、自社と他社との間に(相対優位な)『差異』を作り出すことで
ある」
差異の創造 一時的競争優位性
差異の維持
「模倣困難性」が鍵!
持続的競争優位性
VRIO分析(Barney, 1997)
• VRIO
– 価値(Value)
• その資源は企業の製品・事業展開の上で重要な役割を果たす価値あるものか?
– 希少性(Rareness)
• その資源は他社があまり有していないという意味での希少性はあるか?
– 模倣困難性(Imitability)
• その資源は他社が容易に模倣できるか?
– 組織(Organization)
• その資源の可能性を強化・育成し、活用していくような組織・システムが用意されているか?
経営資源の内容
• ヒト– 経営者、技術者、工場労働者、セールスマン・・・
• モノ– オフィス・ビル,工場,機械・設備,原材料,在庫,コンピュー
タ・・・
• カネ– 手持ち資金,有価証券,資金調達能力・・・
• 情報– 技術ノウハウ、戦略・管理ノウハウ、顧客基盤・顧客の 信用、
ブランド力、企業文化・組織風土・・・
情報的資源の特徴
• 特徴
– 見えない
– 使用による減耗がない
– 同時多重利用が可能
– 市場での調達が困難
– 形成に時間がかかる
⇒資源の多重利用による多様な展開可能性の基礎となる
→ シナジーを通じた多角化などの戦略展開(成長戦略の基礎)
⇒ いったん形成されると他社が模倣困難な資源として、自社と
他社 を区別する「差別化メカニズム」として機能する
→ 資源を梃子にした持続的競争優位の形成(競争戦略の基礎)
他社に模倣困難な独自資源・能力
• 情報的資源の強み
– 制度的に保護された権利としての資源・能力
• 特許(技術、ビジネスモデル)、実用新案・・・
– 組織に共有された資源・能力
• 研究開発・生産・営業上の資源やノウハウ
– メタ知、プロセス知、生産ノウハウ、顧客対応のノウハウ,顧客の暗黙
知、信用・ブランド・・・
• 創造と革新の企業文化・組織風土
– DNA
– 部門間のコミュニケーション能力
• 資源・能力体系の一貫性
要素知識
メタ知識個々の要素の組み合わせ・活用に関する知識
絵の具・パレット・筆手法・技法・・・
絵を描くセンス
要素知とメタ知
* メタ(meta-)とは、beyondと同義の接頭語。「より上位の」「より高次の」という意味合いを持つ。
アウトプット知とプロセス知
• アウトプット知
– 活動の成果、あるいは副産物として生み出される知識
• プロセス知
– 活動の成果あるいは副産物としての知識が生み出されるプロセスに関する知識
– 「知識を生み出すプロセスについての知識」
アウトプット知識
プロセス知識
資源・能力体系の整合性・一貫性
• コア資源と補完的資産– 補完的資産
• 競争上の鍵となる独自資源・能力を、製品・事業として実現させていく上での関連資源・能力
・単一資源の模倣可能性= 0.9(90%)
・資源・能力体系の模倣可能性= 0.9×0.9×0.9×0.9×0.9(56%)
コア・コンピタンス
製造
ノウハウ
流通・
販売力
管理
システム
補完
技術
組織
風土
サービス力