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独立行政法人国立病院機構 東京医療センター初期臨床研修プログラム

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独立行政法人国立病院機構

東京医療センター初期臨床研修プログラム

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Ⅰ一般目標(General Instructional Objective:GIO) 将来の専門性にかかわらず、日常診療で頻繁に遭遇する疾患や病態に適切に

対応できるようにするため、診療科毎の垣根がない総合診療施設としての機能

を活用して、社会の枠組みの中で医療に携わるチームの一員としての見識を持

ち、患者の多様なニーズに対して全人的な対応のできる、幅広い知識と応用力

と技能および態度を身につける。

Ⅱ行動目標(Specific Behavioral Objectives:SBOs) すべての臨床医に求められる基本的な臨床能力(医療人として必要な基本的

姿勢・態度、医師として必要な知識・判断力・技能)を身につけるために、以

下にあげた行動目標を踏まえて研修を行う。

(1) 患者-医師関係

① 患者、家族の有する問題を、身体的、心理的、及び社会的側面から全人

的に理解した上で、患者、家族に不快感を与えない態度で、適切に処理

できる。 ② 患者・家族との良好な人間関係を確立できる。 ③ 医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームド

コンセントについて理解できる。 ④ 医師としての守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。

(2) チーム医療

① 医療チームの構成員としての役割を理解し、医療・福祉・保健の幅広い

職種からなる他のメンバーと協調できる。 ② 適切な時期に、指導医、専門医へのコンサルテーション、他施設への患

者紹介ができる。 ③ 上級および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションをと

ることができる。 ④ 同僚および後輩へ教育的配慮ができる。 ⑤ 患者の転入、転出時に適切な情報交換ができる。 ⑥ 関係機関や諸団体の担当者と適切なコミュニケーションをとることが

できる。

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(3) 問題対応能力

① 患者の問題点を病態・生理的側面、疫学・社会的側面など多角的側面か

ら把握・整理し、問題点を解決するために必要な情報を収集・評価した

上で、当該患者に対する適応を判断できる。 ② 自己評価および第三者による評価を踏まえて、問題対応能力の改善に努

めることができる。 ③ 臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動への参加の機会があれ

ば積極的に参加する。 ④ 生涯にわたり自己学習する態度を身につけ、自己管理能力の習得と生涯

にわたる基本的診療能力の向上に努める。

(4) 安全管理

① 患者ならびに医療従事者にとって安全な医療の遂行に努力し、安全管理

の方策を習得して、危機管理への参画ができる。 ② 院内のマニュアルなどに沿って、医療事故の 防止と事故後の対応を行

うことができる。 ③ 院内感染及びその対策(Standard Precautions を含む)について理解し、

院内のマニュアルなどに沿って、院内感染発生の防止と発生後の対応を

行うことができる。

(5) 医療面接

患者・家族との信頼関係を構築し、診断・治療に必要な情報が得られる

ような医療面接と指示、指導ができる。

① 医療面接におけるコミュニケーションのもつ意義を理解した上で、コミ

ュニケーションスキルを習得し、患者の解釈モデル、受診動機、受療行

動を把握することができる。 ② 診療に必要な患者情報(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、

系統的レビュー)の聴取と記録が適切にできる。 ③ 患者および家族に対して、指導医とともにインフォームドコンセント、

インフォームドアセントの考え方に基づいた適切な説明と療養の指導

ができる。

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(6) 症例呈示

① チーム医療の実践と自己の臨床能力向上のために、カンファレンスや学

術集会で、症例呈示、討論を行い、適切な問題対応ができる能力を身に

つける。 ② 臨床症例に関する院内外のカンファレンスや学術集会に参加して、症例

呈示および意見交換に関する基本的態度を身につける。

(7) 診療計画

保健・医療・福祉の各側面に配慮した診療計画の作成と評価

① 疾患の全体像を把握し、医療・保健・福祉への配慮を行いながら、診療

計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)の作成ができる。 ② 診療ガイドラインやクリニカルパスの理解と活用ができる。 ③ 入退院の適応の判断(デイサージャリー症例を含む)ができる。 ④ 患者および家族の QOL(Quality of Life)を考慮した、総合的な管理計画

(社会復帰、在宅医療、介護を含む)に参画できる。 ⑤ 診療録やその他の医療記録を適切に作成できる。

(8) 医療の社会性

① 医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献する態度を身につ

ける。 ② 医療に関する法令を学び遵守することができる。 ③ 医療保険制度および公費負担制度の枠組みと内容を理解した適切な診

療ができる。 ④ 医の倫理、生命倫理について理解した適切な行動ができる。

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Ⅲ経験目標(別紙1参照)

「臨床研修の到達目標と対応診療科」中の経験目標に示された診察法、検査、

手技、症状、病態、疾患、特定の医療現場での経験を経験目標とし、可能な

限り多く例数を経験できるように努力する。

Ⅳ研修方法(別紙 2 参照)

(1) 研修期間は2年間とし、研修方式はスーパーローテート方式とする。

(2) 各診療科を幅広くローテートすることを原則とするが、

総合診療科、

循環器系【循環器科及び心臓血管外科】、

脳神経系【神経内科及び脳神経外科】、

内科系選択科目

【呼吸器系(呼吸器科・呼吸器外科・アレルギー科)、消化器科、血液内科、

腎臓・内分泌・代謝・膠原病内科】のうち 2 科目、

外科、救命救急センター、麻酔科、小児医療、産婦人科、精神科、

整形外科、放射線科、地域保健・医療

は必須とする。

(3) 各診療科をローテートする期間は、各診療科のカリキュラムに従い、

4 週から 12 週とする。

(4) 研修医は、研修期間中、研修プログラムに基づき研修に専念すること。

Ⅴ評価(別紙3参照)

「初期臨床研修の到達度評価表」を用いて、各診療科における研修終了時に、

A、B、C3 段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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Ⅵ各診療科・部門別の初期臨床研修プログラム

総合診療科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 卒後臨床研修において診療科を問わず求められる、基礎的な臨床能力(知識、

技能、態度、情報収集力、総合的判断力)を身につける。 Ⅱ 行動目標 ・ 日常診療で遭遇する頻度の高い症状(*1参考)に対し適切にアプローチで

きる。 ・ 一般的な疾患(common disease)(*2参考)を中心に、入院患者を適切に管

理できる。 ・ 行った診療について適切にプレゼンテーションできる。 ・ 診療を通じて、臨床上の問題点を挙げることができる。 ・ 上記患者において、臨床上の問題点とケア目標を統合した診療を経験する。 ・ 医学モデルではなく、心理社会的要因など複雑な問題を持った患者に対して、

患者個人の事情を汲み取り、より妥当な判断を行うプロセスを経験する。 ・ 総合診療の実践に必要な、身体診察法、手技、臨床検査の基本を実施し解釈

できる。 ・ 臨床疫学・EBM的な手法を学習し、診療に応用できる。 ・ 医療記録を適切に作成し管理できる。 Ⅲ 方略 ・ 指導レジデントと同じ診療チームに所属し入院患者診療を行う。 ・ プリセプターの指導のもと、初診外来診療を行い、医療面接を実践する。 ・ 診療チームの一員として、日中2次救急外来診療に参加する。 ・ 各カンファレンスにおいて、経験した患者のプレゼンテーションを行う。 ・ 上記の診療を通じて、臨床上の問題点を挙げる。 ・ 臨床上の問題点解決のための勉強会(*3参考)を開催する。 ・ 臨床疫学・EBM的な手法については講義を行う。 ・ 臨床上の問題点解決にために、データベース(コクランライブラリ、up to

date、pub med、best evidence など)の使用法を習得し、実際にデータベ

ースで情報収集する。 ・ 作成した医療記録については指導医の査定を受ける。

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*1 初診外来で頻度の高い症状 (当院総合診療科外来の統計より:20 位まで累積頻度70%)

1. 心窩部痛 10.3% 2. 咳・痰 7.4% 3. 健診異常 7.4% 4. 頭痛・頭重感 6.8% 5. 腹痛 6.5% 6. 発熱 5.2% 7. 咽頭痛・かぜ 3.8% 8. 胸痛 3.3% 9. 嘔気 3.1% 10.全身倦怠感 2.7% 11.下痢 2.2% 12.胸部不快・息切れ 2.0% 13.微熱 1.7% 14.めまい・ふらつき 1.6% 15.下腹部違和感 1.5% 16.動悸 1.2% 17.背部痛 1.0% 18.腹部不快感 1.0% 19. 頚部リンパ節腫大・頚部リンパ節痛 1.0% 20.便の異常 0.9% *2 入院管理が必要な内科系 common disease

(これらで入院患者累積頻度 約60% 平成12年度診療概況より) 肺炎 腎盂腎炎 喘息 脳血管障害 糖尿病 癌終末期 感染性腸炎 消化性潰瘍 *3 勉強会 総合診療科における勉強会のテーマは、各カンファレンス、診療現場より抽出

し、チーフレジデントがリスト化したものから選ばれ、チーフレジデントによ

って編成された勉強会担当チームが解決にあたる。発表はパワーポイントによ

るプレゼンテーションを原則とする。問題解決にあたり、以下の指定されたデ

ータベースからの検索が必須であり、必要に応じ他のデータベースを用いる。

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データベース:①コクラン、②up to date、③pub med、④best evidence、⑤ハ

リソン CD-ROM 版 Ⅳ 評価

評価は、各目標の達成および作成された医療記録などをもとに自己評価と指導

医評価により行う。

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神経内科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 内科系臨床研修の一環として、神経疾患もしくは神経症状を呈する患者を診

療する際に必要な基礎的知識および技術の修得を目標とする。 初期臨床研修においては、プライマリケアで必要な内容を想定している。た

だし、将来の進路が定まっている場合には、それに沿うように配慮する。 Ⅱ 行動目標 基本的事項および研修の原則は、内科全般のカリキュラムに準じるが、神経

内科として特徴的な研修項目は次のごとくである。 A 診断技術の修得 1.神経学的所見のとり方 ① 次の項目の診察を自ら行い、結果が判定できるようにする。

意識・精神機能 脳神経系

運動系 感覚系 反射 自律神経系 髄膜刺激症状、その他 手技を身に付ける訓練は、まず正しい診察方法で正常者の所見を確認して

おくことから始める。さらに、症例に基づき、異常所見とその評価を経験す

る。 ② 機能的病巣部位診断の思考過程を理解し、専門医と相談しながら必要な臨

床検査の計画をたてる。 2.臨床検査の実施 ① 次の検査を自ら施行し、結果を解釈できるようにする。

腰椎穿刺による髄液検査 ② 次の検査を自ら指示し、結果を判読できるようにする。 頭部 CT、MRI、脊髄 MRI、頭蓋および脊椎レントゲン検査 ③ 次の検査の必要性を判断し、患者への説明ができ、専門医の意見を聞きな

がら結果が判定できるようにする。 脳波、筋電図、誘発電位、脳血流シンチ、筋生検 B 神経症状に対する診療の計画および実施 1.頻度が高い、もしくは重大な症状に関し、次の事項が行えるようにする。

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① 救急の場合、直ちに適切な初期対応を行なう。 ② 必要な病歴の聴取、診察に基づいて、鑑別診断の進め方を計画立案し、

必要な検査を指示する。 ③ 専門医(神経内科、脳外科、整形外科、眼科、耳鼻科、など)への依

頼のタイミングを判断する。 ④ 必要に応じて専門医と相談しながら、診断、治療を行い、フォローア

ップの方針を立てる。 2.神経内科では、次のような症状について経験し、知識を習得することが期

待される。 全般的症状

意識障害 失神 痙攣 頭痛 めまい

主に神経系の症状 知的機能の障害: 痴呆、失語 脳神経系の障害: 視覚障害、複視、顔面の症状、構語障害、嚥

下障害 運動系の障害: 歩行障害、運動麻痺、不随意運動、筋萎縮、

失調 感覚系の障害: 局所性の感覚障害、四肢のしびれ 自律神経系の障害:排尿障害、起立性低血圧

C 神経系疾患の理解、診断・治療 1. 典型的な神経疾患を経験して理解を深め、専門医と相談しながら診療で

きるようにする。 2. 経験すべき疾患には、次のようなものが挙げられる 脳血管障害: 脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、慢性硬膜下血腫 中枢神経系感染症:髄膜炎、脳炎 神経系変性疾患: アルツハイマー病、パーキンソン病、脊髄小脳変

性症、 筋萎縮性側索硬化症

脱髄疾患: 多発性硬化症、ギラン・バレー症候群 脊髄疾患: 脊髄圧迫性病変 末梢神経疾患: 多発神経炎、

顔面神経麻痺、その他の単神経麻痺 筋疾患: ミオパチー、重症筋無力症、多発性筋炎 発作性疾患: てんかん、片頭痛

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D 神経疾患患者の心理的・社会的側面に関する問題の理解 1.神経疾患の患者に生じ易い心理的、社会的問題を理解し、患者・家族のニ

ーズに応えることができるようにする。 2.具体的目標としては、次のことが挙げられる。

① 難治進行性の神経難病の患者との人間関係を築くことができる。 ② 身体障害者や痴呆の患者およびその介護者へのアドバイスができる。 ③ 専門医との連携、ならびにリハビリテーション、看護・介護、社会福

祉担当者との連携がとれる。 ④ 以上に基づき QOL を考慮した総合的な患者管理に参画できる。

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呼吸器科・呼吸器外科・アレルギー科初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 一般臨床医にとって重要な呼吸器疾患に対する初期診療能力を身につけるた

めに、呼吸器科、呼吸器外科、アレルギー科合同で研修を行い、呼吸器疾患の

プライマリーケアに必要な基礎的知識と手技を習得する。 Ⅱ 行動目標 下記の項目を理解することあるいは適切に行えることを目標に研修を行う。

1. 基本的診断技術の習得

(ア) 呼吸器疾患に特徴的な症状を理解し、患者の訴えを適切に解釈する。 (イ) 呼吸器疾患診断において重要な既往歴、家族歴を理解し患者または家族

より聴取する。 (ウ) 全身観察(バイタルサインと精神状態の把握、表在リンパ節の触診、浮

腫など)を行い、身体所見を的確に記載する。 (エ) 胸部の診察(視診、触診、聴診、打診)を行い、的確に所見を記載する。 (オ) 胸部 X 線写真、胸部 CT の正常像を理解した上で異常を指摘する。異常

像の成り立つ機序、原因となる疾患を理解する。 (カ) 呼吸器に関する核医学検査の適応を理解し結果を解釈する。 (キ) 肺機能検査法を理解し結果を解釈する。 (ク) 呼吸器疾患の診断に必要な検体(動脈血、痰、胃液など)の的確な採取

法を理解した上で自ら検体を採取する。 (ケ) 動脈血ガス分析を自ら行いその結果を解釈する。 (コ) 喀痰の細菌学的検査結果を理解し、治療方針を立てる。 (サ) 喀痰細胞診の結果を理解する。 (シ) 症例検討会で受け持ち症例を適切に呈示する。 (ス) 病理解剖に立会い病態、生前診断、治療に関する情報を病理医に的確に

伝える。 2. 専門的診断・治療手技の習得

(ア) 酸素吸入療法の適応、方法を理解し、適切に実施する。 (イ) 気管内挿管、気管切開が行われている患者の呼吸管理を行う。 (ウ) 人工呼吸器による呼吸管理(NIPPV を含む)を行う。 (エ) 在宅酸素療法の導入を行う。 (オ) 胸腔穿刺を指導者の直接指導の下に施行し、検体を的確な検査に提出し、

結果を解釈する。 (カ) 吸引細胞診(頚部リンパ節等)、針生検(胸膜等)を指導者の直接指導

の下に行い結果を理解する。 (キ) 気管・気管支の構造を理解し、指導者の直接指導の下で術者として気管

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支鏡検査を行い、気管・気管支を観察する。 (ク) 指導者の直接指導の下で胸腔ドレーンの挿入を行い、適切なドレーン管

理を行う。 (ケ) 指導者の直接指導の下ミニトラック挿入を行う。 (コ) 呼吸器疾患で用いられる薬剤の作用機序と使用法を理解する。 (サ) 吸入療法の意義と方法を理解し適切に実施する。 (シ) 呼吸器外科手術に助手として参加し呼吸器外科の標準術式を理解する。 (ス) 呼吸器外科手術の術後管理に参加する。

3. 各種呼吸器疾患の理解、診断・治療法の習得

(ア) 呼吸不全(急性呼吸不全、慢性呼吸不全) ① 急性呼吸不全にたいする、酸素吸入、人工呼吸管理を行う。 ② Ⅰ型、Ⅱ型慢性呼吸不全例に対応した酸素吸入を行う。 ③ 慢性呼吸不全の急性増悪例の呼吸管理を行う。

(イ) 呼吸器感染症 ① 成人市中肺炎に対するガイドラインを理解し患者の治療を行う。 ② 成人院内肺炎に対するガイドラインを理解し患者の治療を行う。 ③ 肺結核症の診断と結核病棟を持たない病院での患者対応を習得する。 ④ 呼吸器真菌症の診断法と治療法を習得する。 ⑤ 特殊な感染症の診断法と治療法を理解する。 ⑥ 感染対策について理解し実行する。

(ウ) 閉塞性・拘束性肺疾患(肺気腫、気管支喘息、気管支拡張症、間質性肺

炎) ① 慢性閉塞性肺疾患のガイドラインを理解し肺気腫患者に対応が出来

る。 ② 気管支喘息の病態生理を理解し、アレルゲン検索、ピークフロー測

定の意義を理解する。また気管支喘息ガイドラインを理解し患者の

治療を行う。 ③ 間質性肺炎(肺線維症)は種々の疾患の集合体であることを理解し

特発性、膠原病、薬剤性、サルコイドーシス、粟粒結核などの鑑別し治療を

行う。 (エ) 肺癌

① 肺癌取り扱い規約を理解し自らステージングを行う。 ② 病期に応じた治療法の選択を理解する。 ③ 化学療法、放射線療法、手術を行う患者管理を行う。 ④ 肺癌手術に助手として参加する。

(オ) 転移性肺腫瘍 ① 転移性肺腫瘍の手術適応を理解する。 ② 転移性肺腫瘍の手術に助手として参加する。

(カ) 自然気胸 ① 的確に診断し、治療方法の選択法を理解する。

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② 指導者の直接指導の下胸腔ドレーンを挿入する。 ③ 胸腔鏡下手術に助手として参加する。

(キ) 胸膜炎 ① 胸膜炎の原因の的確な検索を行う。 ② 胸腔ドレナージ、胸腔内洗浄、胸膜癒着術、を行う。 ③ 原因疾患の治療を行う。

(ク) 気道内出血(血痰、喀血) ① 原因疾患診断に必要な検査を行う。 ② 診断に基づいた適切な治療、処置を行う。

(ケ) 胸部外傷 ① 損傷部位、程度、合併損傷の診断に必要な検査を的確に行う。 ② 治療を的確に行う。

(コ) 縦隔腫瘍 ① 各種縦隔腫瘍の鑑別診断法を理解し的確な検査を行う。 ② 各種縦隔腫瘍の治療法(手術、化学療法、放射線療法、集学的治療)

の適応を理解する。 ③ 各種縦隔腫瘍の治療を行う。 ④ 縦隔腫瘍の手術に助手として参加する。

(サ) その他稀な呼吸器疾患 ① 診断、治療法の検索を自ら行う。

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消化器科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 患者の多彩なニーズに対応できる幅広い良識のある医療を提供するために、

臨床医として必要な基本的態度、基礎的知識および診療技術の習得に主眼を置

き、上下部消化管疾患、肝疾患、肝膵胆道系疾患を中心にその基礎的知識、診

察診断、治療法の基本を身につけることを目標とする。 Ⅱ 行動目標 初期臨床研修医は以下の内容を行動目標として、消化器科ローテート期間中

に多くの経験をつむよう努力する。 1. 臨床医として必要な基本的事項

臨床医として必要な以下の基本的事項を身につける。 ① 医師としての職業的倫理的原則をよく理解し、基本的な診療に必要な知

識、診断力、判断力、態度、治療方針の決定 ② 緊急を要する疾患、病態に対応できる臨床能力 ③ 患者や家族の持つ問題を身体的、心理的、社会的側面から全人的に理解

し、適切に対処できる能力 ④ 患者および家族とのコミュニケーションを十分行うことができる能力 ⑤ 常に患者、家族の立場を考え、患者および家族に不快感を与えない態度 ⑥ チーム医療の原則を理解し、コメディカルスタッフや他科の医師など他

の医療メンバーと協調できること。 ⑦ 適切な時期に専門医への診療依頼、他施設への患者紹介が出来ること ⑧ 診療録やその他の医療記録を適切に作成できること ⑨ 医療に関する法令を学び遵守すること ⑩ 自己評価を行い、第3者による評価を受け入れ診療の質の向上をはかる

態度 ⑪ 自己教育の継続

2. 臨床医として必要な基本的事項を修得するための診療面での原則 研修医は入院患者の受け持ち医として指導医の助言を得ながら診療にあた

る。適切な指導を行うために以下に挙げた項目を実施する。 ① 指導医とともに入院患者の回診、診察、検査結果の評価および本人家族

への病状説明 ② 指導医による診療録の確認 ③ 新入院カンファランス、医長回診における症例提示 ④ 外科内科消化器科カンファランスでの症例提示、参加 ⑤ 内視鏡フィルム読影カンファランスへの参加 ⑥ 病理解剖の見学

3. 消化器内科領域で必要な基礎的知識および診療技術の修得

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消化器内科卒後初期臨床研修の期間中に修得することが望ましい研修領域、

研修内容、疾患を以下に挙げた。疾患に関しては各分野の代表的疾患につい

て症例を通じて理解を深めることが重要であるが、短期のローテート期間中

に経験出来る症例には限りがあるので体表的な疾患のうちのいくつかを経

験し理解できれば可とする。 ① 病歴聴取、病状説明

主訴、現病歴、既往歴、家族歴などを聴取し記載する。がん告知、イン

フォームドコンセントに配慮した対応が出来る ② 診察

バイタルサインを把握する 黄疸、貧血の有無を診察する 肝性昏睡の症状である意識レベル、羽ばたき振戦の有無 腹部所見(腹水、肝脾腫大、腹水、圧痛、腹膜刺激症状、腸音など)を

正確にとれるようにする。 直腸診をおこなう

③ 手技 採血(動静脈)、末梢静脈確保 導尿、胃管の挿入 イレウス管の挿入 胃洗浄 輸血、輸液 腹水穿刺

④ 薬物療法 合併症、副作用、薬剤相互作用を考慮し適切な投与薬、投与量を決めら

れる ⑤ 画像診断

指導医、専門医のもとで各種の画像診断検査のオーダー、読影を行い検

査結果を正しく理解する。

-胸腹部単純写真、CT、DIC、MRI、MRCP、ERCP、注腸、胃透視、小腸造

影、RI 検査、腹部エコー、血管造影

⑥ 臨床検査

消化器内科学に最低必要な臨床検査の実施、オーダー、結果の評価が出

来るようにする。

―末梢血、生化学検査、凝固系検査、便潜血検査、肝炎ウイルス検査、

消化管ホルモン、腫瘍マーカー、細菌検査、穿刺液検査、病理検査

⑦ 内視鏡検査

上部下部内視鏡検査の適応、禁忌を理解し、前処置を含めてオーダーす

る。また、内視鏡所見を理解するようにする。更に、内視鏡モデルを用

いた擬似内視鏡を体験し、消化管内視鏡の基礎を理解する。

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⑧ 救急医学 日常の診療、時間外診療を通じて、消化器系救急患者への対応法を 修得する。 ―消化管出血、急性腹症、嘔吐、下痢、肝性脳症、重症膵炎、劇症肝炎

⑨ 治療 消化器内科学において特異な治療のオーダー、結果の理解が可能にする。 ―SB チューブ、EIS、EVL、胃大腸ポリープ切除術、EMR、EST、EPD、

TAE、PEIT、内視鏡的止血術、 ⑩ 経験することが望ましい各分野別の代表的疾患

消化管―食道炎、食道潰瘍、バレット潰瘍、食道癌、良性食道腫瘍、食

道静脈瘤、急性胃炎、慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃癌、胃肉腫、良性

胃腫瘍、マロリーワイツ症候群、腸炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、大

腸ポリープ、大腸癌、小腸腫瘍、イレウス、過敏性大腸炎、虚血性腸炎、

憩室炎、憩室出血、消化管ポリポーシス 肝胆道膵―急性肝炎、亜急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎、自己免疫性肝

炎、PBC,肝硬変、薬剤性肝障害、アルコール性肝障害、脂肪肝、肝膿瘍、

肝のう胞、肝癌、良性肝腫瘍、特発性門脈圧亢進症、胆石症、胆嚢胆管

炎、胆道腫瘍、PSS、総胆管結石症、急性膵炎、慢性膵炎、膵のう胞、

膵癌 腹腔疾患―急性腹膜炎、癌性腹膜炎

4. 臨床研究 院内院外の研究会、学会において症例報告をおこなう。

Ⅲ 評価 国立病院機構東京医療センターの“初期臨床研修の到達度評価表”による評価

を基本としておこなう。

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循環器科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

(1)患者の年齢や性別にかかわらず、緊急を要する疾病(急性心不全、急性心

筋梗塞症、急性大動脈解離、急性肺塞栓、心タンポナーデ、感染性心内膜炎、

頻脈性不整脈、徐脈性不整脈)や外傷、頻度の高い症状・病態に対する初期

診療能力を身につける。

(2)患者の有する問題を身体的、精神心理的、および社会的側面から全人的に

理解し、適切に対処できる能力を身につける。(循環器疾患は急性期に致死

的になることがある)。

(3)慢性疾患患者や高齢患者の診断、治療、予防、在宅医療(在宅酸素療法)

やリハビリテーション(急性心筋梗塞症後)・社会復帰につき、総合的な管

理計画に参画できる。

(4)末期患者(慢性心不全)を全人的に理解し、身体症状への対応だけでなく

心理社会的側面、死生観・宗教観などの側面へも対処できる。

(5)チーム医療の原則を理解し、他の医療メンバーと協調できる。(一人で行

き詰まったら、誰でも人を呼ぶ)

(6)診療録やその他の医療記録(心電図には日付、患者名をその場で記載する)

を適切に作成できる。

Ⅱ 行動目標

(1)以下の基本的診察法を実施し、所見を解釈できる。

1)全身の観察

(バイタルサインと精神状態のチェック、皮膚、爪や表在リンパ節の診

察を含む)

2)頭頸部の診察

(眼底検査、外耳道、鼻腔、咽頭の観察、頚部リンパ節、甲状腺の触診、

頚動脈や静脈の診察、雑音、拍動を含む)

3)胸部の診察(心音、心雑音、肺雑音)

4)腹部の診察(動脈拍動、動脈雑音)

5)四肢動脈の触知

6)小児の診察

生理的な身体所見(無害性心雑音、肝の触知、原始反射など)

(2)以下の基本的検査法を実施あるいは指示し、結果を解釈できる。

1)心電図

2)動脈血ガス分析

3)血液生化学的検査

トロポニン T

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4)単純X線

胸部X線

5)X線CT検査

胸部CT

6)MRI検査

胸部MRI

7)核医学検査

心筋血流、脂肪酸、MIBGシンチ、心プールシンチ

8)超音波検査

心臓超音波検査(断層、カラードップラー)

9) その他

ホルター心電図、運動負荷心電図、ダブルマスター負荷、トレッド

ミル負荷

(3)以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

1)療養指導 (安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む)

2)薬物療法 (抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、麻薬を含む)

高血圧、心不全、虚血性心疾患、不整脈、抗凝固療法、抗血小板療法

3)輸液

高血圧、心不全、虚血性心疾患、不整脈、血栓溶解療法、抗凝固療法

4)輸血 (成分輸血を含む)

5)食事療法 減塩、減コレステロール

6)運動療法 運動処方の決定

(4)以下の基本的手技の適応を決定し、実施できる。

1)気道確保、挿管手技

2)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、

中心静脈確保:大腿静脈、鎖骨下静脈、内頚静脈)

3)採血法(静脈血、動脈血)

4) 電気的除細動

(5)以下の救急処置法を適応に行い、必要に応じて専門医に診察を依頼するこ

とができる。

1)バイタルサインの把握

2)重症度および緊急度の把握(判断)

3)心肺蘇生術の適応判断と実施

(BLS、ACLSの把握)

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(6)以下の項目に配慮し、患者・家族と良好な人間関係を確立できる。

1)コミュニケーション技術

2)患者、家族のニーズと心理的側面の把握

3)インフォームドコンセント

4)プライバシーへの配慮

5)生活習慣変容への配慮 禁煙、節酒、減量、減カロリー、減塩食、適

度な運動

(7)以下の予防医療を実施あるいは重要性を認識し、適切に対応できる。

1)食事指導

2)運動療法

3)ストレスマネジメント

(8)以下のチーム医療を理解し、必要に応じて実施できる。

1)指導医や専門医へのコンサルテーション

2)他科、他施設への紹介・転送

救急車での転送

3)医療・福祉・保健の幅広い職種からなるチームの活用

【経験すべき症状・病態】

(1)緊急を要する疾患・病態

1)意識障害

2)ショック

3)急性心不全

4)急性心筋梗塞症、不安定狭心症

急性動脈解離、急性肺塞栓症、心タンポナーデ

(2)頻度の高い症状

1)胸痛

2)呼吸困難

3)全身倦怠感

4)意識障害、痙攣発作

5)失神

6)動悸

7)体重減少、体重増加

8)浮腫

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腎臓・内分泌・代謝内科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

プライマリーケアを実践するにふさわしい臨床医を育成することを目標

として、日常の診療でよく遭遇する腎内分泌代謝疾患の診療についての

理解を深める。

Ⅱ 行動目標

腎内分泌代謝に関する解剖、生理、およびそれらの疾患の病因、病態、

治療の基礎を学ぶ。また、患者を受け持つことで医師としての基本的態

度についても指導医のもとで研修する。

カンファレンス、抄読会を通じて、表現力やまとめる力を育成する。

Ⅲ 研修カリキュラム

下記諸項目について指導医の指導の下に研修する。但し、*印の項目は

できれば経験することが望ましい項目

A.知識

1 :蛋白尿、血尿、尿沈さ、の意義と鑑別診断

2 :乏尿と多尿の鑑別診断と治療

3 :浮腫と脱水の鑑別診断と治療

4 :高 Na 血症と低 Na 血症の鑑別診断と治療

5 :高 K 血症と低 K 血症の鑑別診断と治療

6 :代謝性酸塩基平衡異常

7 :腎生検の意義と方法

8 :高血圧治療の原則

9 :内分泌性高血圧の鑑別診断*

10:糖尿病の病型分類と合併症

11:経口糖尿病薬

12:インシュリン治療

13:低血糖と sick day*

14:糖尿病の食餌療法

15:糖尿病の教育入院

16:甲状腺疾患(機能亢進、機能低下)

17:副腎疾患*

18:IgA 腎症

19:ネフローゼ症候群

20:急速進行性糸球体腎炎

21:急性腎不全の鑑別診断と治療

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22:慢性腎不全の原因と病態

23:腎疾患の食餌療法

24:透析療法の概略

25:自己免疫疾患の腎障害*

26:腎疾患に用いる薬剤(ステロイド剤、降圧剤、利尿剤、免疫抑

制剤)

27:妊娠中毒症*

28:腎移植*

29:各種血液浄化療法*

30:輸液療法の基礎

B.技術および態度

1 :病歴および身体所見の取り方

2 :診療録の記載

3 :入院および退院症例のプレゼンテーション

4 :尿検査の実施

5 :症候毎、疾患毎の診療計画立案

6 :血液ガス分析

7 :腎生検介助

8 :透析療法介助

9 :輸液療法の計画立案*

10:中心静脈へのカテーテル挿入*

11:超音波検査*

12:画像診断(CT,MRI)*

13:指導医からの患者および家族への説明(IC)に立ち会う

14:腎生検病理標本の鏡検*

Ⅳ 研修期間

膠原病内科と合わせて 6 週間

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膠原病内科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 内科系臨床研修の一環として、膠原病及び関連疾患の患者を診療する際に必

要な基礎的知識および技術を習得する。

Ⅱ 行動目標 1) 下記にあげる諸疾患の入院患者の担当医として指導医とともに診療にあた

り、それらの疾患の門診法、理学的所見の取り方、検査計画と結果の評価法、

膠原病の治療法を理解し、実施できる。 研修の対象とする主な疾患 ① 全身性エリテマトーデス(SLE) ② 全身性硬化症(SSc)/CREST症候群 ③ 多発性筋炎(PM) ④ 皮膚筋炎(DM) ⑤ 関節リウマチ(RA) ⑥ 合性結合組織病(MCTD) ⑦ シェーグレン症候群(SS) ⑧ 抗燐脂質抗体症候群 ⑨ 多発性動脈炎(PN) ⑩ リウマチ熱 ⑪ リウマチ性多発筋痛症(PMR) ⑫ 成人発症スチル病(AOSD) ⑬ ベーチェット病 ⑭ 線維筋痛症 ⑮ 痛風 ⑯ 偽痛風 ⑰ 感染性関節炎 ⑱ 癌性関節炎

2) 膠原病及び関連疾患の患者に生じ易い心理的、社会的問題を理解し、患者・

家族のニーズに応えることができるようにする。 3) 院内のカンファレンスに参加して、症例呈示、討論を行い、適切な問題対応

ができる。 4) 院外の研究会や学会で発表の機会が有った場合には、指導医の指導のもとに

筆頭発表者として発表し、学術論文を作成する。 5) 抄読会に参加して、膠原病に関連する論文を読み、その内容について理解し

説明できる。

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Ⅲ方略 1 研修期間 研修期間は腎臓・内分泌・代謝内科と合わせて 6 週とする。 2 研修方法 研修医は入院患者の担当医として、指導医の助言を得ながら診療にあたる。

適切な指導を行うために、以下にあげた項目を実施する。 1)カンファランス 週一回毎週火曜日午後 1時 30分より9B病棟カンファランス・ルームで行う.

その週の新入院患者につき、研修医は所定の入院患者プロトコール作成用フォ

ーマットで文書を作成し、患者の説明をする.そのあと、診断および治療法な

どについてスタッフと討論する 2)医長回診 上記カンファランス終了後に9B病棟を含む全階の入院患者につき腎・内分

泌グループと合同で行う.回診時研修医に対しては、「ベッドサイド・ティーチ

ング」(所見の説明・診察法など)を適宜行う. 3)クルズス 原則として週一回、合計4回(下記)にわたってクルズスを医長が行う.

第 1 回 膠原病・リウマチ性疾患の関節の診察法 (説明とプレゼンテーション) 第 2 回 膠原病・リウマチ性疾患のステロイド剤の使用法 (初回投与量の決め方.ステロイド感受性か抵抗性かの判定方法.投与

量の減量法.維持量の決め方、など) 第 3 回 膠原病・リウマチ性疾患の画像診断法 (リウマチ性疾患のレントゲン写真の読影法、筋MRIの見方、唾液腺

シンチグラムの読み方、など) 第 4 回 膠原病・リウマチ性疾患における自己抗体 (抗核抗体の調べ方、評価法、その他) 4)抄読会 医長回診後に9Bカンファランス・ルームで行う.

膠原病・腎臓病・内分泌疾患に関連する論文を研修医を含む構成員全員の回り

持ちで読み、その説明を行い、その後質疑応答を行う. 5)外来見学 希望者に対しては外来における「リウマチ性疾患患者」の「実地診療」を見

て、実際の「患者さんへの接し方、説明のしかた」などを見聞できる. 6)学会発表 担当した入院患者で、「症例報告」をする学術的価値を認める場合には、日本

内科学会関東地方会などに、筆頭報告者として発表(口演)したり、または学

術誌などに論文発表することが可能である.

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Ⅳ評価 研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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血液内科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 ・ プライマリーケアに必要な血液内科の知識・技術の習得を通じて、種々の血

液疾患の診断と治療のプロセスを学ぶ ・ 特に貧血、発熱、リンパ節腫脹、出血傾向などの日常よく見られる症状に対

するアプローチを学び、血液内科専門医へ紹介すべき状況とそのタイミング

を習得する Ⅱ 行動目標 A、経験すべき診察法・検査 (1)基本的診察

(ア) 問診と病歴 ① 現病歴

貧血に関連する症状(労作時息切れ、頭痛、動悸など),感染症、

悪性腫瘍を疑わせる症状(発熱、リンパ節腫脹、盗汗、体重減

少)、皮疹、出血傾向(口腔内出血、鼻出血、紫斑、喀血、血尿、

吐下血、性器出血) ② 家族歴

特に兄弟姉妹の有無、健康状態、年齢、居住地(移植ドナーを

意識) ③ 既往歴

結核症、消化器疾患、胃腸手術、婦人科疾患、悪性腫瘍、自己

免疫疾患、薬剤アレルギー (イ) 診察法

① 視診 貧血、黄疸、口腔内出血、紫斑、皮疹 ② 触診 リンパ節、肝臓、脾臓、浮腫、腫瘤 ③ 打聴診 胸骨叩打痛、胸水・腹水

(2)臨床検査 (ア) 一般血液検査の評価

① 末梢血液検査値異常の評価;貧血の鑑別診断 ② 凝固・線溶系検査値異常の評価;播種性血管内凝固症(DIC)の診断 ③ 溶血に関する検査 ④ 免疫血液学的検査;PAIgG ⑤ 血漿蛋白検査;蛋白分画、免疫電気泳動 ⑥ 出血時間

(イ) 骨髄検査の評価 ① 骨髄穿刺塗抹標本の判読 ② 細胞化学的検査;ペルオキシダーゼ、エステラーゼ、アルカリフォ

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スファターゼなど ③ 特殊検査;フローサイトメトリー、染色体、遺伝子検査 ④ 病理組織診断

(ウ) リンパ節生検 ① リンパ節スタンプ標本細胞診 ② 病理組織診断 ③ 免疫組織化学染色 ④ 特殊検査;フローサイトメトリー、染色体、遺伝子検査、in situ

hybridization(ISH) (エ) 穿刺液検査

① 胸腔穿刺 ② 腹腔穿刺 ③ 腰椎穿刺

(オ) 放射線検査 ① 超音波(胸部、心臓、腹部)検査 ② 全身(頸部、胸部、腹部、骨盤)CT 検査、MRI 検査 ③ 全身ガリウムシンチグラム

(3)診断・治療手技 1. 中心静脈カテーテル留置法 2. 骨髄穿刺法 3. 骨髄生検法 4. 胸腔・腹腔穿刺法 5. 腰椎穿刺法(抗腫瘍薬髄腔内投与を含む) 6. 末梢血幹細胞採取法

B、経験可能な疾患・治療法 経験可能な疾患

1) 貧血性疾患;鉄欠乏性貧血、巨赤芽球性貧血、腎性貧血、慢性

疾患に随伴する症候性貧血 2) 自己免疫性疾患;自己免疫性溶血性貧血、特発性血小板減少性

紫斑病 3) 骨髄不全性疾患;再生不良性貧血、骨髄異形成症候群 4) 造血器悪性腫瘍;急性(骨髄性・リンパ性)白血病、慢性骨髄

性白血病、慢性リンパ性白血病、悪性リンパ腫 (Hodgkin 病、

non-Hodgkin リンパ腫)、多発性骨髄腫 5) 慢性骨髄増殖症候群;真性多血症、本態性血小板血症、原発性

骨髄線維症 6) その他;顆粒球減少症、血球貪食症候群、移植片対宿主反応

graft-versus-host disease(GVHD) 7) 特殊感染症;伝染性単核球症、後天性免疫不全症候群(AIDS) 8) 血液凝固異常症;播種性血管内凝固症候群、血友病

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経験可能な治療法 1. 薬物療法;鉄、葉酸、ビタミン B12、蛋白同化ステロイド 2. 免疫抑制療法;ステロイド、シクロスポリン 3. 造血因子;EPO, G-CSF 4. 抗腫瘍薬による化学療法 5. 急性白血病の分化誘導療法;レチノイン酸 6. 造血幹細胞移植;骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植 7. Donor lymphocyte infusion(DLI) 8. 放射線療法 9. 血漿交換療法 plasmapheresis 10. 細胞濾過療法 cytapheresis(leukapheresis) 11. 特殊薬剤;チロシンキナーゼ阻害薬、抗 CD20 モノクローナル

抗体 12. 支持療法;感染症の予防・治療、無菌管理、成分輸血療法

Ⅲ 研修方法 1 入院患者を指導医とともに受け持ち、個々の患者の病態の理解を深めると

ともに患者の社会的背景を考慮した正しい治療目標を設定できるようにする 2 造血器悪性腫瘍患者やその家族への病状告知、面談に指導医とともに積極

的に参加し、彼らの精神的なサポート、適切なインフォームドコンセントに

ついて学ぶ 3 病棟回診や血液内科カンファレンスに積極的に参加し、患者の問題点を簡

潔に提示できるように努力する 4 専門内科外来での骨髄検査や、通院治療センターを利用した外来化学療法

を実際に体験し、血液疾患の外来診療を理解する 5 退院する患者の入院サマリーを、簡潔明瞭かつ速やかに記載する 6 骨髄移植、末梢血幹細胞移植を必要とする症例の治療に指導医、看護師と

チームで参加し、無菌的管理の実際を学ぶ 7 終末期医療を必要とする造血器悪性腫瘍患者を指導医とともに受け持ち、

患者の疼痛緩和や精神的サポート、臨終の立会いを経験する Ⅳ 評価 具体的目標を提示し、達成度の自己評価を行う。指導医は自己評価を点検し、

研修医の目標達成を援助する。評価のポイントは下記のごとし。 1) 入院患者の病歴、身体所見を的確に取り、記載できる 2) 入院患者ならびにその家族と円滑なコミュニケーションがとれる 3) 自分の発言、医療行為の誤りに対し、口実を述べたり卑屈に謝罪するこ

となく、淡々と事実を認めることができる 4) 指導医、病棟看護師と協調し、和やかな雰囲気で職務を遂行できる 5) 貧血患者の鑑別診断ができる

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6) 輸血が必要な臨床状況を理解し、適切な輸血がオーダーできる 7) 骨髄穿刺、生検が円滑に行える 8) 発熱を認める患者に対する適切なアプローチができる 9) リンパ節腫脹、出血傾向を有する患者に対する初期対応ができる 10) 血液内科緊急症を診断し、速やかに指導医に連絡できる 11) 退院患者の病歴サマリーを簡潔、正確、迅速に完成させられる Ⅴ 血液内科週間予定表 病棟回診(全員参加) 毎週水曜日午後3時7A病棟より開始、終了後必要により他病棟へ 血液内科・新入院カンファレンス(全員参加) 毎週水曜日病棟回診後、午後5時から病棟7A カンファレンスルームに

て 血液内科・移植カンファレンス(全員参加) 毎週金曜日午後5時から病棟7Aカンファレンスルームにて 研修中の小講義内容

1) 貧血患者の鑑別診断と治療 2) 赤血球、血小板輸血の適応と問題点 3) 抗がん化学療法の理念と造血器悪性腫瘍治療の実際 4) 抗生物質の選択と日和見感染症の予防・治療 5) 造血幹細胞移植・細胞療法の基本 6) 血液像(末梢血、骨髄)の見方と疾患 7) 出血傾向の鑑別診断と検査 8) リンパ節腫脹を認める患者の鑑別診断と検査 9) Oncologic emergency とその対応

血液内科のトピックスについての抄読会

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精神科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 総合的な診療能力を身につける一環として、主な精神疾患・状態像の診断、

治療の知識、基本的な技術の習得をめざす。 Ⅱ 行動目標 (1)面接および問診の技術を習得する。

・ 問診のとり方 ・ 精神疾患の評価のための知識(精神症状・状態像など)

(2)主な精神疾患・状態像の診断のための知識を習得する。 ・ 以下の疾患、愁訴、状態像について知識を習得 うつ、不眠、せん妄、不安(パニック障害含む)、適応障害、身体表現性障

害、幻覚妄想(統合失調症含む)、自殺企図・希死念慮、痴呆、アルコール

/物質依存、症候性精神障害、薬剤の副作用としての精神症状 (3)主な精神疾患・状態像の診断・治療のための技術を習得する。

・ 以下の症例を経験する。 うつ、不眠、せん妄、不安(パニック障害含む)、適応障害、身体表現性障

害、幻覚妄想(統合失調症含む)、自殺企図・希死念慮 ・ 診断・治療方針を決める。 ・ カルテの記載法(SOAP 形式、適切な術語の使用)を学ぶ ・ 看護士に適切な指示を出す。

(4)精神症状への薬物療法を習得する。 ・ 向精神薬療法

(5)精神症状への心理社会的介入方法を習得する。 ・ 患者、家族への指導の実際を学ぶ。

(6)コンサルテーション・リエゾン精神医学の実際を経験する。 ・ せん妄、抑うつ状態などの代表的なリエゾン症例を経験する。 ・ 主治医(身体科)に情報を提供する。 ・ 看護に対し適切なアドバイスや指導をする。

(7)院内他職種との連携のための技術を身につける。 ・ 看護士との合同ミーティング ・ 薬剤師、ケースワーカーなどを含む病棟カンファレンス

(8)臨床検査(心理テスト、脳波など)を理解する。 ・ 心理テスト ・ 脳波

Ⅲ 方略 (1)研修期間 4週間

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(2)研修方法 ・ 精神科外来での陪席、予診 ・ 精神科病棟で副主治医として患者を担当 ・ 身体科リエゾンで症例を担当 ・ 診断、治療のための知識、薬物療法、臨床検査については講義も行う。 ・ 希望者には精神科専門病院の見学も検討する。 ・ 看護士のスタッフミーティングに参加する。 ・ 病棟カンファレンス、症例検討会などの機会に発表を行う。 Ⅳ 評価 ・ 研修終了時にレポートによる自己評価 ・ 医長、指導医による観察記録 ・ 講義を行った事項についてはテストを行うこともある。

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小児科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標 日常遭遇する頻度の高い救急疾患を含んだ小児疾患に対する初期診療能力を

身につけるために、小児の特殊性を理解した上で、一般的な小児疾患及び病態

を経験し、小児の診療を適切に行うことのできる基礎的知識・技能・態度を修

得する。 Ⅱ 行動目標 1) 患者、家族の有する問題を、身体的、心理的、及び社会的側面から全人的に

理解した上で、患者、家族に不快感を与えない態度で、適切に処理できる。 2) 患者としての小児の不安、不満、ストレスを把握し、対処できる。 3) 医師としての守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。 4) チーム医療の原則を理解し、コメディカルスタッフや他科の医師などの他の

医療メンバーと協調できる。 5) 適切な時期に、指導医、専門医へのコンサルテーション、他施設への患者紹

介ができる。 6) 患者の問題点を病態・生理的側面、発育・発達の側面、疫学・社会的側面か

ら把握・整理し、問題点を解決するために必要な情報を収集・評価した上で、

当該患者に対する診療方針を説明できる。 7) 自己評価を行い、第三者による評価を受け入れ、診療の質の向上をはかると

ともに、生涯にわたり自己学習する態度を示す。 8) 小児の診療に関する安全管理について理解し、院内のマニュアルに沿って、

医療事故の防止と事故後の対応を行うことができる。 9) 小児期感染症の特殊性を踏まえた上で、院内感染及びその対策について理解

し、院内のマニュアルに沿って、院内感染発生の防止と発生後の対応を行う

ことができる。 10)小児に不安を与えないように接し、家族から発育・発達歴、既往歴、予防接

種歴などを含む小児診療に必要な情報が得られるような医療面接の技能を習

得し、患者、家族に対して、指導医とともにインフォームドコンセント、イ

ンフォームドアセントの考え方に基づいた適切な説明と療養の指導ができる。 11)院内外のカンファレンスや学術集会に参加して、症例呈示、討論を行い、適

切な問題対応ができる。 12)疾患の全体像を把握し、医療・保健・福祉への配慮を行いながら、診療ガイ

ドラインやクリニカルパスを考慮した診療計画の作成ができる。 13)入退院の適応を判断できる。 14)慢性疾患患者やハンディキャップを持つ患者、家族の QOL を考慮した、総

合的な管理計画に参画できる。

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15)診療録やその他の医療記録を適切に作成できる。 16)医療に関する法令を学び遵守することができる。 17)医療保険制度の枠組みと内容を理解できる。 18)医の倫理、生命倫理について理解できる。 19)小児患者の病態を把握するために以下の基本的診察法を実施し、所見を解釈

できる。 ①小児の身体計測、検温、血圧測定ができる。 ②小児の正常な身体発育、精神運動発達を理解し判断できる。 ③小児の発育・発達の年齢差による特徴を説明できる。 ④全身の観察から、患者の動作・行動、顔色、元気さ、発熱の有無、食欲の

有無などを参考に、全身状態を把握し、重篤度を判断できる。 ⑤小児の口腔、咽頭、鼓膜、眼球の視診ができる。 ⑥小児の呼気・吸気の肺雑音、心音・心雑音を聴取し説明できる。 ⑦小児の腹部、外陰部、四肢の理学的所見について観察し説明できる。 ⑧発疹のある小児では、皮疹や粘膜疹の性状、その他の臨床所見から、麻疹、

風疹、水痘、突発性発疹症、手足口病、伝染性紅斑、溶連菌感染症、伝染

性膿痂疹などの発疹性疾患 の鑑別診断ができる。 ⑨下痢のある小児では、便の性状(軟便、泥状便、水様便、粘液便、血便、

白色便)、脱水の有無を説明できる。 ⑩嘔吐や腹痛のある小児では、重大な腹部所見について診察し説明できる。 ⑪咳嗽のある小児では、咳嗽の性状、呼吸困難や喘鳴の有無とその判断の仕

方について説明できる。 ⑫けいれんを診断でき、またけいれんや意識障害のある小児では、大泉門膨

隆、髄膜刺激症状の有無について診察し説明できる。 20)医療面接及び身体診察から得られた情報をもとに、確定診断・鑑別診断のた

めに必要な以下の基本的検査法を実施あるいは指示し、年齢により基準値が

異なる項目があることを踏まえて、結果を解釈できる。 (A) ・・・自ら実施し、結果を解釈できる。 (B) ・・・検査を指示し、結果を解釈できる (C) ・・・検査を指示し、専門医の意見に基づき結果を解釈できる。 ①一般尿検査(尿沈渣顕微鏡検査を含む)(A) ②便検査(潜血、虫卵検査)(B) ③血算・白血球分画(B) ④出血・凝固・線溶検査(B)

出血時間(A) ⑤血液型判定・交差適合試験(A) ⑥心電図(12 誘導)(A)、負荷心電図(B) ⑦動脈血ガス分析(A)

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⑧血液生化学的検査(B) 簡易検査(血糖値、電解質など)(A) ⑨免疫血清学的検査(炎症マーカー、微生物の免疫血清学的診断、アレルギー

検査)(B) ⑩細菌学的検査・薬剤感受性検査(PCR 検査も含む)(B)

グラム染色(A) ⑪肺機能検査(B) ⑫髄液検査(B) 髄液細胞数カウント(A) ⑬細胞診・病理検査(C) ⑭超音波検査 腹部(A) 心臓・頭部・その他(C) ⑮単純X線検査(B) ⑯造影X線検査(B) ⑰X線 CT 検査 頭部(B) 躯幹部・その他(C) ⑱MRI 検査(C) ⑲核医学検査(C) ⑳神経生理学的検査(脳波、聴性脳幹反応、筋電図など)(C) 20)小児疾患の診断と治療のために必要な以下の基本的手技の適応を決定し、単

独もしくは指導医の指導のもとで実施できる。 A必ず経験するべき項目 ①新生児・乳幼児を含む小児の採血(毛細血管血、静脈血、動脈血) ②新生児・乳幼児を含む小児の皮下注射、静脈注射、点滴静注 ③小児に対する輸液、輸血とその管理 ④新生児高ビリルビン血症に対する光線療法 B経験することが望ましい項目 ①緊急時の気道確保と人工呼吸(気管内挿管、バッグマスクによる人工換気を

含む) ②緊急時の心マッサージ ③腰椎穿刺 ④骨髄穿刺 ⑤導尿 ⑥浣腸 ⑦注腸・高圧浣腸 ⑧胃洗浄 ⑨新生児の臍肉芽腫処置 21)以下の基本的治療法の適応を決定し、実施できる。

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①療養指導(安静度、体位、食事、入浴、排泄、環境整備を含む) ②小児に用いる薬剤の作用、副作用、相互作用、小児薬用量に関する知識に基

づいた薬物療法(抗菌薬、副腎皮質ステロイド薬、解熱薬、麻薬を含む) ③乳幼児の服薬に関する看護師、家族への服薬指導 ④病態、年齢、体重に応じた輸液 ⑤輸血 ⑥吸入療法 ⑦喀痰排出のための体位ドレナージ 22)以下の医療記録を指導医の指導のもとで、適切に作成し管理できる。 ①診療録(退院サマリーを含む)) ②処方箋・指示書 ③診断書、死亡診断書(死体検案書)、各種証明書 ④紹介状、返信 ⑤CPC レポート Ⅲ 小児科診療において経験するべき症状・病態・疾患 1頻度の高い症状 到達目標一覧を参照 2緊急を要する症状、病態 到達目標一覧を参照 3必ず経験するべき疾患、病態 (1)血液・造血器・リンパ網内系疾患 貧血 (2)神経系疾患 てんかん、熱性けいれん (3)皮膚系疾患 湿疹・皮膚炎群(乳児湿疹、おむつかぶれなど)、蕁麻疹 (4)循環器疾患 先天性心疾患 (5)感染症 発疹性ウイルス感染症(麻疹、風疹、水痘、突発性発疹症、伝染性紅斑、手

足口病のいずれか)、その他のウイルス感染症(ムンプス、ヘルパンギーナ、イ

ンフルエンザのいずれか)、感染性胃腸炎(細菌性胃腸炎、ウイルス性胃腸炎)、

呼吸器感染症(咽頭・扁桃炎、気管支炎、細気管支炎、肺炎)、尿路感染症、髄

膜炎 (6)免疫・アレルギー疾患 小児気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、川崎病 (7)新生児疾患 低出生体重児、新生児黄疸、新生児呼吸障害

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(8)救急医療 バイタルサインの把握、重症度および緊急度の把握、二次救命処置の実施と 1次救命処置の指導、、頻度の高い救急医療(発熱、けいれん発作、喘息発作、脱

水症)の初期治療 (9)予防医療 予防接種 (10)小児・成育医療 小児の各発達段階に応じた医療、乳幼児健診、母子健康手帳の理解と活用 Ⅳ 方略 1 研修期間 研修期間は 12 週間とする。 2 研修方法 研修医は入院患者の受持医として、また週に 1 回程度の一般外来診療、救急

外来診療を通じて、指導医の助言を得ながら診療にあたる。適切な指導を行う

ために、以下にあげた項目を実施する。 ①指導医による入院患者の毎日の回診及び重要な症例についてのカンファレン

ス ②指導医による外来患者についてのカンファレンス ③指導医による診療録やその他の医療記録のチェック ④死亡例については可能な限り病理解剖を実施し、病理学的診断が行えるよう

に努力する。 Ⅴ 評価 研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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外科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 1) 基本的な診療に必要な知識、技能、態度を身につける。 2) 外傷または緊急患者に関する初期診療の能力を身につける。 3) 末期患者に対して人間的、心理的理解にたっての治療、管理能力を身に

つける。 4) 患者、家族との人間関係の構築を図ることができる。 5) 患者の問題を全人的にとらえ、解決し、説明・指導する能力を身につけ

る。 6) チーム医療における他の医療メンバーとの協調性を図ることができる。 7) 指導医、他科、他施設に委ねるべきかを判断し、必要な書類を添えて紹

介・転送できる能力を身につける。 8) 医療評価のできる診療録を作成する能力を身につける。 9) 臨床における思考力、判断力、創造力を培い、自己評価し第三者の評価

を受け入れ、フィードバックする能力を身につける。 Ⅱ 行動目標 1) 基本的診療 1、アナムネーゼ、現症(患者の重篤度の判断、創部の深さおよび感染の有

無、甲状腺・乳腺の診療、腹部・直腸の診察)などを正確に把握し、記載

できる。 2) 基本的検査法 1、血液、尿、心・肺・腎機能、細菌学的、病理学検査などを適切に選択・

指示し、結果を解釈できる。 2、下記の検査を適切に選択・指示、場合によっては実施し、その結果を解

釈し外科適応、治療の組み立てができる。 ・ 単純 X 線検査 ・ 造影 X 線検査 ・ 超音波検査 ・ 内視鏡検査 ・ CT 検査・MRI 検査・核医学検査 ・ 直腸鏡検査

3) 基本的治療法(下記の項目の適応を決定、実施できる) 1、 薬剤の処方 2、 輸液、輸血、血液製剤、抗生物質、副腎皮質ホルモン、解熱

剤、鎮痛剤、麻薬、 抗がん剤などの使用、管理 3、 レスピレーターによる呼吸管理 4、 蘇生術

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4) 基本的手技(下記の項目の適応を決定、実施できる) 1、 採血、注射法 2、 中心静脈カテーテル挿入 3、 穿刺法(胸腔、腹腔など) 4、 導尿法 5、 胃管、イレウス管の挿入と管理 6、 ドレーン・チューブ類の管理 7、 浣腸・摘便 8、 皮膚縫合法(ステープラによる縫合を含む) 9、 圧迫止血法 10、包帯法 11、麻酔法(局所麻酔、腰椎麻酔)

5) 外科で経験すべき症状、病態、疾患(全体の 70%以上を経験することが

望ましい) 1、 頻度の高い症状 ・ 全身倦怠感 ・ 不眠 ・ 食欲不振 ・ 体重減少、体重増加 ・ 浮腫 ・ リンパ節腫脹 ・ 発疹 ・ 黄疸 ・ 発熱 ・ 頭痛 ・ めまい ・ 胸痛 ・ 動悸 ・ 呼吸困難 ・ 咳、痰 ・ 嘔気、嘔吐 ・ 胸焼け ・ 嚥下困難 ・ 腹痛 ・ 便通異常 ・ 歩行障害 ・ 四肢のしびれ ・ 排尿障害 ・ 尿量異常 ・ 聴覚障害

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・ 腰痛 ・ 関節痛

2、緊急を要する症状、病態 ・ 心肺停止 ・ ショック ・ 意識障害 ・ 急性呼吸不全 ・ 急性心不全 ・ 急性腹症 ・ 急性消化管出血 ・ 急性腎不全 ・ 急性感染症 ・ 外傷 ・ 誤飲、誤嚥

6) 経験が求められる疾患、病態 1、 貧血 2、 心不全 3、 動脈疾患 4、 静脈、リンパ管疾患 5、 呼吸不全 6、 食道、胃、十二指腸疾患 7、 小腸、大腸疾患 8、 胆嚢、胆管疾患 9、 肝疾患 10、 膵臓疾患 11、 横隔膜、腹壁、腹膜疾患 12、 甲状腺疾患 13、 乳腺疾患 14、 細菌感染症 15、 真菌感染症 16、 高齢者の栄養摂取障害 17、 泌尿器科的腎、尿路疾患

Ⅲ 評価 評価は、各目標の達成を、自己評価と指導医の評価とでおこなう。項目によ

っては、看護師の評価も加える。評価方法は、3 段階評価とし、A, B, C で評

価する(A:ほぼ達成、B:努力したが未達成、C:未達成)。経験すべき症状、

病態、疾患は 70%以上の経験を必要とし、指定された研修期間終了時に外科

系指導責任者が総合評価する。

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外科的手技(研修期間に経験した手術症例数)

術者として 助手として ①甲状腺 核出術 例 例 葉切除 例 例 ②肺・縦隔疾患 例 例 ③乳腺 腫瘤摘出手術 例 例 郭清を伴う切除術‐乳房全切除術 例 例 ‐乳房部分切除術 例 例 ④虫垂切除術 例 例 ⑤胆嚢摘出術(開腹) 例 例 (腹腔鏡下) 例 例 胆管切開術 例 例 胆道再建手術 例 例

⑥胃切除術 例 例 胃切除術+郭清 例 例

⑦イレウス解除術 例 例 胃・腸瘻造設術 例 例 人工肛門造設術 例 例 消化管吻合術 例 例 腸切除術 例 例

⑧結腸切除術+郭清 例 例 直腸切除(切断)術+郭清 例 例

⑨痔核手術 例 例 痔瘻手術 例 例

⑩ヘルニア根治手術 例 例 小児ヘルニア根治手術 例 例

⑪下肢静脈瘤手術 例 例 その他、食道、肝臓、膵臓、脾臓手術などの上記以外の症例について術者、助

手の経験についても手術別に術者経験数、助手経験数を記載すること。

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整形外科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

整形外科の基本的考え方を知り、日常の診療で頻繁に遭遇する整形外科疾患

の診断と治療を習得する。

Ⅱ 行動目標

以下に述べる基礎知識、整形外科診断学、整形外科治療学、疾患総論・各論

について学ぶ。 (1)運動器の基礎知識

①骨・軟骨・関節

解剖学・組織学の基本的事項

修復過程の基本的事項

②神経・筋・腱

解剖学・組織学の基本的事項

修復過程の基本的事項

③バイオメカニクス、バイオマテリアルの基本的事項

(2)整形外科診断学

①骨・関節・筋・神経の診察

骨関節外傷の診察

各関節の診察

脊柱の診察

徒手筋力検査法

②画像診断

単純 X線、MRI、CT、脊髄造影

(3)整形外科治療学

①保存的治療

薬物療法

注射(関節腔内注射、神経ブロックなど)

整復法(骨折・脱臼)

固定法(包帯法、副子、ギプス、テーピングなど)

牽引法(直達牽引、介達牽引)

装具療法

理学療法

②手術的治療

手術療法選択の考え方

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術前準備と術後療法

手術の術式(骨・関節・神経・筋・腱)

助手の役割

(4)整形外科外傷総論

骨関節外傷の初期診断と治療

骨関節外傷の合併症と処置

神経・筋・腱損傷の診断、初期治療

脊椎・脊髄損傷の診断・治療

小児の骨関節外傷の特徴

(5)整形外科外傷各論

①上肢帯と上肢

鎖骨骨折・肩鎖関節脱臼・肩関節脱臼・上腕骨近位端骨折・上腕骨骨幹部骨折・

上腕骨遠位端骨折・前腕骨骨幹部骨折・橈骨下端骨折・手舟状骨骨折・手指の骨

折・手指の神経・腱損傷・肘内障

②体幹

頚椎・胸腰移行部・腰椎・骨盤・肋骨の骨折

③下肢

股関節脱臼・大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折・大腿骨骨幹部骨折・膝周辺骨

折・膝靭帯損傷・膝半月損傷・脛骨骨幹部骨折・足関節周辺骨折・足関節捻挫・ア

キレス腱断裂・踵骨骨折・中足骨骨折

(6)整形外科非外傷性疾患

①退行性疾患

変形性関節症・変形性脊椎症・椎間板ヘルニア・脊柱靭帯骨化症・骨粗鬆症

②神経・筋疾患

末梢神経障害・entrapment neuropathy、腱鞘炎

③炎症

関節リウマチ・痛風・偽痛風・化膿性関節炎・骨髄炎・脊椎炎

④腫瘍

骨軟部腫瘍・骨転移癌

⑤その他

大腿骨頭壊死症・糖尿病患者の足病変・透析患者の骨変化

Ⅲ 方略 (1) 研修期間 4 週間 (2) 研修方法 前半は見学を主体とするが、後半は個々の研修医の知識、技量に応じて簡単な

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処置・手術を指導医の監督下に行う Ⅳ 評価 研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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リハビリテーション科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 リハビリテーションは、保健衛生、予防医学、治療医学に次ぐ第4の医学と

いわれている。障害のある人が、残存する能力を最大限に発揮し、活用できる

よう、社会復帰を促進するための治療、訓練、指導の過程がリハビリテーショ

ンである。ただ生命を助けるのではなく、人間らしさを取り戻すための、ある

いは人権尊重のための医学であるということもできよう。そのようなリハビリ

テーションの基本的な考えを学び、プライマリーケアに役立てることを目標と

する。 Ⅱ 行動目標

具体的には以下に述べる、リハビリテーションの基礎知識と基本的な検査と

治療の実際を学ぶ。 1)医学的リハビリテーションの分類

理学療法(PT) 作業療法(OT) 言語療法(ST) 心理指導 医療社会活動

2)リハビリの対象となる主な疾患 整形外科領域:四肢の骨折、RAやOAなど関節疾患、脊椎脊髄障害、末梢神経障

害、骨盤骨折、四肢切断など 神経内科や脳神経外科領域:脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍、パーキンソンなど その他の内科や外科領域:循環器疾患、呼吸器疾患、糖尿病、廃用性障害など 最近では、各科手術前後からの早期リハビリも積極的に行われている.

3)検査と評価 徒手検査:肢長の測定、筋力テスト(MMT)、関節可動域テスト(ROM)、日常生活動

作(ADL) 画像診断:正常X線像、病的X線像、MRI、CTscan、嚥下造影検査など 電気生理学的診断:筋電図(EMG)、神経伝導速度

4)リハビリテーション治療 理学療法:物理療法、牽引療法、運動療法

作業療法(職能療法) ギプス療法 補装具療法:義肢、装具 薬物療法 神経ブロック

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言語療法(嚥下のリハビリ) 医師は、上記のことすべてを行うわけでなく、患者の障害状態を評価し、コメディカルに

指示を出し、時には協力していく存在である.

Ⅲ 方略 (1) 研修期間

選択期間中に希望に応じて設定できる。 (2) 研修方法 リハビリテーションの実際を見学し、医師のみならず理学療法士や作業療法

士からも教育を受ける Ⅳ 評価 研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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心臓血管外科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

心臓血管外科の専門性を理解した上で、一般診療に必要な心臓血管外科に関

する基礎的知識・技能を身につけると同時に、チーム医療を実践し、その重要

性を理解することを目標とする。

Ⅱ 行動目標

1.心疾患、不整脈疾患、動脈性疾患、静脈性疾患などの術前、術中、術後管理

を理解する。

2.当科では頻繁に人工臓器を扱うため、清潔手術の必要性を理解し、感染症対

策を含め、術前、術中、術後の清潔管理を修得する。

3.心電図、指尖脈波、心エコー図を判読し大きな異常所見を指摘できる。

4.単純 X-P 写真、CT、MRI、MRA、RI、血管造影、CAG 検査の所見を把握し臨床的

な意味を理解する。

5.心臓カテーテルデータ,Swan-Gantz データを理解する。

6.IABP、補助循環を含めた人工心肺の原理などを理解する。

7.基礎的な手術手技を行うことができる。

8.血管系の処置を理解し、実施できる。

Ⅲ 方法

1.研修医は入院患者の受持医として、スタッフ医師の助言を得ながら診療にあ

たる。

2.スタッフ医師と共に入院患者の回診及び症例のカンファレンスを行う。

3.スタッフ医師、医長による診療録やその他の医療記録のチェックを受ける。

4.スタッフ医師と共に血管造影(静脈造影、DSA など)を施行する

5.手術に参加し、基本的な技術の習得に加えて、血管系の手技を体験する。

6.病理解剖の意義を理解し、おおまかな病理学的診断が行えるように努力する。

7.院内の症例検討会、研修医発表会を通じて、臨床研究の手法について修得す

る。

Ⅳ 研修内容の評価

国立病院機構東京医療センターの「初期臨床研修の到達度評価」による評価を

基本とする。

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脳神経外科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 1) 神経系の解剖・生理を学び、脳神経外科疾患の病態の特徴を理解する。 2) 神経系画像診断法を学び、所見の判定を可能とする。 3) 日常の診療とくにプライマリーケアー及び救急診療に必要な脳神経外

科疾患の診断と治療に関する知識を習得する. Ⅱ 行動目標 1.基礎的事項 1) 問診の技術とくに神経疾患特有の問診の取り方を習得する. 2) 診察の技術を習得する.

1. 意識障害の判定方法を理解し習得する. 2. 神経症状の取り方を習得する. 3. 神経疾患に特徴的な兆候とくに頭蓋内圧亢進症状および髄膜刺

激症状などの病態生理を理解する. 3) 画像診断について理解し習得する。

1. 画像診断に必要な神経解剖学的知識を身につける。 2. 画像診断に使用する機器の構造を理解し、技術を習得する。 3. 画像所見の判定を習得する。

4) 脳神経外科外来診療とくに救急疾患の取り扱いについて学び理解する。

すなわち診察の方法、画像診断を理解した上で救急領域における脳神経外科

的疾患の特徴を学ぶ。 5) 病棟入院患者の診療において、病態を理解し診断・治療を習得する。と

くに手術に参加し脳神経外科手術の術前・術後管理の特徴を理解する。 6) 外来、病棟診療における脳神経外科の役割とくに境界領域および救急診

療における脳神経外科の役割を理解する。 7)診療記録を閲覧・記載し患者の病態の把握に努め、実際の診療を学ぶ。 2.経験すべき事項 1) 救急外来診療に参加し具体的救急処置・検査を学び、患者および家族と

の接し方を理解する。 1. 頭部外傷 2. 痙攣発作

など 2) 緊急の処置を必要とする病態を理解し、治療を学ぶ。

1. 頭蓋内圧亢進症状の理解と保存的・外科的治療の経験

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2. 髄膜刺激症状の理解と治療の経験 3) 検査方法の理解と習得

1. 腰椎穿刺の実際(必要性、具体的方法、所見の理解) 2. 画像検査としては、CT、3D-CT、CT血管撮影、MRI、

MRA、 核医学検査(SPECT)、脳血管撮影などについて学び理解する。

4) 各種脳神経外科疾患の病棟診療における特徴を理解する。 1. 頭部外傷患者の手術、術前術後管理の実際を学ぶ。 2. 脳内出血患者及びくも膜下出血患者の手術、術前術後管理の実

際を学ぶ。 3. 虚血性脳血管疾患の外科的治療を理解する。

5) 遷延性意識障害患者の病態・管理の実際を学び、看護の重要性を理解す

る。 6)脳死患者の病態を学び、診断法を理解する。 Ⅲ 方略 1)研修期間:5 週間から 10 週間程度を原則とする。 2)研修方法: 脳神経外科医の指導のもと

救急外来診療とくに二次救急診療に参加する。 緊急手術を含めて可能な限り、手術に参加する。 病棟業務、検査、とくに脳血管撮影に参加する。 簡単な手技を指導のもと実際に行う。 脳神経外科カンファレンス 神経画像カンファレンス リハビリテーション・ソーシャルワーカー合同カンファレンス に参加する。 Ⅳ 評価 初期臨床研修の到達度評価法に従って、終了時に自己評価及び指導医評価を行

う。

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産婦人科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 プライマリーケアに必要な、女性特有の疾患、ホルモン変化、妊娠分娩に関す

る研修を行う。 これにより、女性患者を全人的に理解し、女性の QOL 向上を目指したヘルスケ

アを行えることを目標とする。 1、 女性特有の疾患による救急医療

産婦人科急性腹症の診断(子宮外妊娠、卵巣嚢腫茎捻転、卵巣出血、) 2、 妊娠の診断、妊婦の管理、投薬、正常分娩の経過

妊娠分娩と産褥期の管理の基礎知識と育児に必要な母性とその育成 妊産褥婦に対する投薬や検査に対する制限などの特殊性

3、思春期、成熟期、更年期の特徴 これらのホルモン環境の変化とその失調に起因する疾患 4、婦人科腫瘍の診断と治療 Ⅱ 行動目標 A、経験すべき診察法・検査・手技 (4)基本的診察

(ア) 問診と病歴 ① 主訴 ② 現病歴 ③ 月経歴 ④ 結婚、妊娠、分娩歴 ⑤ 家族歴 ⑥ 既往歴

(イ) 診察法 ① 視診(一般的視診、膣鏡診) ② 触診(双合診、内診、妊婦の Leopold 法含む) ③ 直腸診 ④ 新生児の診察(Apgar Score、Silverman score 含む)

(5)臨床検査 経験することが望ましい検査(A)とできるかぎり経験することが望ましい

検査(B) (ア) 婦人科内分泌検査

① 基礎体温表の診断 A ② 頸管粘液検査 A

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③ ホルモン測定 A ④ ホルモン負荷検査 B

(イ) 妊娠の診断 ① 免疫学的妊娠反応 A ② 超音波検査 A

(ウ) 感染症の診断 ① 膣トリコモナス症、膣カンジタ症の検査 A

(エ) 細胞診組織診 ① 子宮膣部細胞診 A ② 子宮内膜細胞診 A ③ 病理組織生検 A

(オ) 超音波検査 ① ドプラー法による胎児心拍確認 A ② 経膣、経腹超音波検査 A

(カ) 内視鏡など ① コルポスコピー B ② 子宮鏡 B ③ 腹腔鏡 B

(キ) 放射線検査 ① 骨盤計測 B ② 子宮卵管造影法 B ③ 骨盤 CT 検査 A ④ 骨盤 MRI 検査 A

B、経験すべき症状・病態・疾患 1、 産科

(ア) 妊娠の生理について理解する (イ) 正常分娩の経過、産褥、新生児 5 例以上を見学、診療することが

望ましい ① 正常分娩の介助、見学 ② 新生児の評価

(ウ) 妊娠産褥の投薬 (エ) 妊娠中の検査 5 例以上を経験、見学することが望ましい

① 妊娠の診断 ② 超音波 ③ 分娩監視装置

(オ) 異常妊娠分娩 ① 流産の診断と処置 ② 早産の管理 ③ 帝王切開術の助手

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④ 産科出血に対する救急処置、止血法 2、 婦人科

(ア) 婦人科患者の問診 (イ) 骨盤内解剖の理解 (ウ) 視床下部、下垂体、卵巣系の内分泌調節の理解 (エ) 月経異常

① 無月経、月経不順 ② 過多月経、過長月経

子宮筋腫、機能性子宮出血など ③ 月経困難症

子宮筋腫、子宮内膜症など (オ) 不正性器出血

① 性成熟期、更年期 機能性子宮出血、子宮筋腫、子宮頸癌、子宮体癌など

② 閉経後 老人性膣炎、子宮体癌、子宮頸癌など

(カ) 思春期 ① 内分泌異常、性分化異常

(キ) 更年期 ① 心身症状に対するケア

(ク) 排尿異常、帯下 ① 性器脱の有無 ② 帯下の観察と診断

(ケ) 不妊症 ① 基礎体温 ② 内分泌的評価 ③ 不妊症検査(子宮卵管造影、精液検査など)

(コ) 性感染症 ① 診断と治療

(サ) 婦人科がん ① 診断(CT、MRI など含む) ② 治療(化学療法、放射線、手術) ③ 末期がん患者のケア

3、 急性腹症 (ア) 子宮外妊娠、流産 (イ) 卵巣嚢腫茎捻転 (ウ) 卵巣出血 (エ) 骨盤内感染症

4、 その他 (ア) 産婦人科診療に関する倫理的問題の理解

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(イ) 母体保護法関連法規の理解 (ウ) 家族計画の理解

Ⅲ 研修方法 産科 1、妊娠の診断と正常妊婦の外来管理、分娩管理 ⇒5 例以上を経験し、正常分娩経過についてはパルトグラム作成や、分娩監視装

置による検査の評価も含めたレポートを 1 例以上作成する。 2、帝王切開、流早産の管理に受け持ち医として参加する。 3、 産科出血に対する救急処置 症例があれば参加する。 婦人科 1、 婦人科良性腫瘍の診断ならびに治療計画 ⇒子宮および卵巣の良性疾患をそれぞれ 1 例以上経験し、うち 1 例はレポート

を提出する。 2、 婦人科性器感染症の検査、診断、治療に外来および病棟で参加する。 3、 無月経、更年期など内分泌疾患の診断、治療を外来で参加する。 4、 急性腹症の症例があれば受け持ち医として、診断、治療計画を立案し、

レポートして提出する。 5、 婦人科がんの診断、治療についての理解を深める。 6、 緩和ケアを必要とする症例の治療に参加し、臨終の立会いを機会があれ

ば経験する。 Ⅳ 評価 具体的目標を提示し、達成度の自己評価を行う。指導医は自己評価を点検し、

研修医の目標達成を援助する。

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麻酔科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

周術期(術前、術中、術後)の麻酔管理を通じて、呼吸・循環・代謝で代表され

る生理機能を理解し、薬理学的な知識に基づいた診断・治療法および麻酔関連

領域の幅広い知識・理論・技術を修得する。

Ⅱ 行動目標

1.術前管理

・術前患者の診察が行え、麻酔方法や麻酔合併症に関する一般的な説明ができ

る。

・適切な術前検査の指示ができ、かつ、その結果や検査データの解釈ができる。

・術前合併症や術前内服薬の影響を理解した上で適切な術前指示を出すことが

できる。

・麻酔管理上の問題点を把握し、適切な麻酔計画を立てることができる。

2.術中管理

・血管確保・気道確保・気管挿管の適応、方法、合併症およびその対処法を理

解し、実施できる。

・バイタルサインの把握、検査値(動脈血ガス分析、血算・生化学・凝固・線溶

検査)の解釈ができる。

・静脈・吸入・局所麻酔薬、筋弛緩薬の薬理を理解し、実際の患者管理に使用

することができる。

・周術期に使用される心血管作動薬、抗不整脈薬、副腎皮質ステロイドなどの

薬理学的知識を習得し患者管理に役立てることができる。

・輸液・輸血の適応、方法、種類、副作用およびその対処法を理解し、照合確

認も含め安全に実施できる。

・脊椎穿刺(脊髄くも膜下麻酔)の適応、方法、合併症およびその対処法を理

解し、実施できる。

・硬膜外麻酔の適応、方法、合併症およびその対処法を理解し、実施できる。

・中心静脈穿刺、動脈カニュレーション、肺動脈カテーテル挿入などの侵襲的

手技の適応、方法、合併症およびその対処法を理解した上で実施できる。

・観血動脈圧、心拍出量、中心静脈圧、肺動脈楔入圧など測定結果の解釈と患

者管理への応用ができる。

・術前サマリーを含め、麻酔記録を正確に記載することができる。

3.術後管理

・術後回診を通じて、自分の関与した麻酔管理についてセルフ・アセスメント

することができる。

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・主たる術後合併症について理解し、適切な処置を行うことができる。

・術後疼痛管理の方法、種類、副作用およびその対処法を習得し、実施できる。

・観血動脈圧、心拍出量、中心静脈圧、肺動脈楔入圧などの術後管理への応用

ができる。

4.その他

・人工呼吸器の使用方法を習得し、感染対策、肺理学療法まで考慮した包括的

な人工呼吸管理ができる。

・癌性疼痛の病態生理を理解し、かつ、患者とその家族に全人的に接遇でき、

緩和医療に参加できる。

Ⅲ 方略

1.研修期間

研修期間は 8週間とする。

2.研修方法

研修達成度に応じた難易度の手術患者を受け持ち、指導医のもとで周術期管理

を担当する。

術前カンファレンスを行い、適切な麻酔計画を立てる。

指導医と共に麻酔管理(全身麻酔・硬膜外麻酔・脊椎麻酔)を行う。

麻酔管理に必要な薬理・生理については適宜講義・抄読会を行う。

Ⅳ 評価

自己評価と指導医の評価を行う。評価は A、B、Cの 3段階とする。

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救命救急センター 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

救命救急センター研修においては、一般的医師として救急・災害時医療・重

症管理を適切に行うことことができるために、必要な基本的知識・技能・態度

を身につけることを目標とする。

Ⅱ 行動目標

1)研修医は、以下の内容を行動目標とし、救命救急センターローテイト期間中

に多くの経験を積むことができるように努力する。

(1)救急医療体制のしくみと当院および自分の役割について理解している

(2)救急患者を優先順位に沿って診察・治療が行える

(3)心肺蘇生法を正しく行うことができる

(4)外傷患者の初期治療を適切に行える

(5)災害時医療について理解している

(6)多臓器不全・多発外傷など、複数の障害を持つ患者を全人的に治療できる

(7)患者の生命・機能予後を正しく評価し、死を迎える患者とその家族に対し

て適切に配慮できる

2)臨床医として必要な基本的事項を修得するための診療面での原則

研修医は入院患者の受け持ち医として、指導医の助言を得ながら診療にあた

る。適切な指導を行うために、以下にあげた項目を実施する。

(1)指導医による入院患者の毎日の回診及びカンファレンス

(2)指導医による診療録やその他の医療記録のチェック

(3)臨床診療研修

①手技、処置

1)気道確保、挿管手技

2)注射法(皮内、皮下、筋肉、点滴、静脈確保、中心静脈確保)

3)採血法(静脈血、動脈血)

4)非観血的整復固定術

5)胃管の挿入と管理

6)皮膚縫合法

7)軽度の外傷・熱傷の処置

②治療法

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1)薬物療法(抗菌薬、昇圧剤、麻薬を含む)

2)輸液

3)輸血(成分輸血を含む)

4)経管栄養法

5)中心静脈栄養法

③画像診断

指導医もしくは専門医のもとで各種画像診断検査の実施、読影を行い、検査

結果 を正しく理解する。

1)単純 X線写真

2)CT、MRI

3)心エコー、腹部エコー

④臨床検査学

指導医のもとで各種臨床検査を適切に実施し、検査結果を正しく理解する。

1)一般検尿

2)血算

3)血液型判定・交差適合試験

4)心電図

5)動脈血ガス分析

6)血液生化学的検査

簡易検査(血糖など

7)細菌学的検査

検体採取(血液、痰、尿等)

薬剤感受性検査

8)薬物分析検査

トライアージ 8(尿中薬物定性試験)

薬物定量試験(血清・尿・胃液)

⑤Standard Precautions

1)重症患者の院内感染・医療者の感染予防 Standard precautions を行うこと

ができる

2)毒物の被曝防止のための Standard precautions を行うことができる

⑥経験することが望ましい代表的疾患・病態

1)心肺停止・心肺蘇生後

2)ショック(心原性・低容量性・敗血症性・神経原性)

3)意識障害

4)急性薬物中毒

5)重症感染症

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6)脳血管障害

7)急性臓器不全(心・呼吸・肝・腎)

8)DIC

9)多臓器不全

10)外傷(頭部外傷、脊髄損傷、胸部鈍的外傷、腹部鈍的外傷、骨盤骨折、

四肢骨折創傷、熱傷)

11)多発外傷

3)臨床研究

院内の症例検討会、研修医発表会や、院外の学会、研究会での発表を通じて、

臨床研究の手法について修得する。

Ⅲ 方略

1. 研修期間

研修期間は 8週間とする。

2. 研修方法

Ⅳ 評価

国立病院機構東京医療センターの「研修医の到達度評価」による評価を基本

とし、救命救急センターのカリキュラムに関しても同時に到達度評価を行う。

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放射線科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 一般臨床医としての総合的な診療能力を身につけるために、画像診断の有用

性・効率性及び放射線防御・管理の重要性を知り、各種画像診断に関する基礎

的な知識・技能、基本的診断能力を修得する。また放射線治療に関しては、そ

の原理・適応について理解する。 Ⅱ 行動目標 1) 各種画像診断の実施・診断に必要な基礎的知識を身につけ、検査項目毎に以

下の示した事項について理解もしくは修得できる。 ①CT:基本的事項の理解

原理、撮影条件(管電圧・電流・撮影時間など)、撮影方法(ス

ライス幅、スライス間隔、息止め時間など、クラスター・ヘリ

カル)、CT値、ウィンドウ幅、ウィンドウレベル、部分容積効

果、アーチファクト、表示方法 CT解剖 造影剤投与の適応・方法及びその際の撮影方法

②MR:原理における基本的理解 パラメーター、各強調画像のコントラスト、信号強度、

利点・欠点 MRA、MRCP、組織微小循環を表現する拡散・灌流強調、

組織特異性造影剤の投与とそれを用いた診断 MR室に入る際の注意事項

③消化管検査(GI): 基本的事項の理解

X線解剖・正常・異常像・検査方法・前処置 ④超音波検査(US):

基礎音響学的理解 解剖病理、検査技術習得

⑤血管造影(AG): 手技の実際・血管解剖、IVR、前処置

⑥核医学(RI): 基本的事項の理解

放射線同位元素の性質、放射線医薬品の臓器親和性、集積機序、 測定装置、SPECT、検査の特徴(利点・欠点)

実際のRI投与、 検査の流れ、画像の成り立ち、各臓器の適応・所見

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2) CT検査、MR検査、RI検査については、指導医とともに読影報告書を作

成できる。 3) 適切な造影剤やRI検査用薬剤などの投与ができ、投与が困難な場合や造影

剤により患者がショック状態を起こした場合などには、指導医とともに適切

な対応ができる。 4) 各種画像診断の有用性・効率性を理解し、不要な検査を省くことで、患者及

び医療機関双方の負担軽減、医療費削減への貢献を図ることができる。 5) 放射線治療については、実際の診療の場を通じて、治療対象疾患を知り、治

療の原理と実際(外照射・小線源治療、照射方法、線量計算)、利点、有害

事象について理解できる。 6) 放射線被曝(自然、医療、職業)とその単位、影響、放射線防御の原則、法

的規制等の放射線防護・管理に関する基礎的知識を身につけ、実施できる。 Ⅲ 方略 1 研修期間 研修期間は 4 週間とする。 2 研修方法 1) 各種画像診断については指導医・技師とともに検査を見学もしくは実施し、

指導医の指導のもとに読影を行う。 2) 放射線治療については、指導医・技師が行う実際の診療を見学する。 3) 放射線防護・管理に関する知識の修得は、講義及び日常の検査、診療を通じ

て研修する。 4) 画像診断、放射線治療に必要な解剖学、病理学に関する知識については、研

修開始前及び研修期間中に各自が自己研修する。 Ⅳ 評価 研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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泌尿器科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 1) 泌尿器科領域臓器(腎・尿管・膀胱・尿道・副腎・前立腺・精巣等)の解剖・

生理を理解し、それらに発生する疾患の検査・治療法を学習し、修得する。 2) 泌尿器科領域の画像検査法を理解し、その読影を可能にする。 3) 高齢化社会を迎え、全ての科において高齢者の排尿管理に対する理解は必要

である。当科の研修を通じ、排尿に関する機構を理解し、正しい排尿の誘導

法や排尿障害の対処法を修得する。 4) 当院は前立腺癌治療に関しては全国的に知られた施設であり、その患者も多

い。小線源療法など前立腺癌治療の先端技術を修学する。 Ⅱ 行動目標 1) 外来において診断に必要な問診と病歴・家族歴等の聴取を行う。 2) 病棟・外来において診断に必要な検査を理解する。 ・視診、触診、直腸診。 ・血液検査、尿検査、細菌検査、病理検査。 ・内視鏡(膀胱鏡)検査。 ・画像検査(KUB、IVP 等尿路造影検査、超音波検査、CT、MRI、アイソト

ープ検査)。 ・排尿機能検査、尿失禁検査。 ・性機能検査。 ・腎機能検査。 ・副腎機能検査。

3) 病棟・外来において泌尿器科領域疾患の治療法を理解する。 4) 尿路変更後の管理、導尿カテーテル管理を修得する。 5) 手術に加わり泌尿器科領域の手術、特に内視鏡手術を理解する。 6) 術前・術後管理、特に高齢者の全身管理を理解する。 7) 外科・婦人科・内科等、他科との境界領域疾患における当科の役割を理解す

る。 8) 患者およびその家族との接し方、インフォームドコンセントに関して理解す

る。 9) 診療記録を読み、また記載することで患者の状態を理解するとともに、その

日の診療を復習し、翌日の診療の予習を行う。 Ⅲ 研修方法 ・当科の研修を受ける者は原則として外科の研修を終了し、外科領域で必要

な清潔・不潔の概念、清潔操作、手術室の出入り法、手あらい法の修得は既

になされているものとする

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・研修指導者は以下の者である。 泌尿器科医長:斉藤史郎 慶應義塾大学医学部 昭和 57 年卒 日本泌尿器科学会専門医・指導医 泌尿器科医員:門間哲雄 慶應義塾大学医学部 昭和 63 年卒 日本泌尿器科学会専門医・指導医 佐藤全伯 慶應義塾大学医学部 平成 7 年卒 日本泌尿器科学会専門医 ・研修は 4 週間以上の連続した期間を原則とする。 週間予定は下記の通りである。夜間・休祭日はカリキュラム上の研修は行わ

れないが、泌尿器科的な救急患者の診察・処置は重要であり、オンコールの

泌尿器科医師の指導のもと自主的な研修が望まれる。

月 火 水 木 金

午前

回診 レントゲン検査 外来問診 ESWL

回診 レントゲン検査 病棟処置

回診 手術 病棟処置

回診 手術

回診 レントゲン検査 病棟処置

午後

外来検査 レントゲン検査 小線源療法 カンファレンス

手術 術後管理

レントゲン検査 レントゲン処置

手術 手術 レントゲン検査

Ⅳ 評価 下記内容から評価される。 1) 泌尿器科領域の解剖・各臓器の生理、および泌尿器科領域疾患の検査・診断・

治療法の理解。 2) その理解を行うための積極性。 3) 診療記録の記載をはじめ医療業務に対する態度。 4) 患者および家族に接する態度。 5) 指導医師、他科医師、看護師、技師等病院スタッフに対する態度、コミュニ

ケーション。

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皮膚科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

日常診療で遭遇しやすい皮膚科疾患の診断と治療を学び、プライマリーケア

で実践できる能力を身に着ける。

Ⅱ 行動目標

(1)適切な診療態度をマスターすること

(2)皮膚の診察と所見の記載を学ぶ

(3)真菌検査と皮膚生検・縫合処置ができるようになる

(4)以下の具体的項目は特に重点的に学ぶ

疾患:湿疹皮膚炎群,蕁麻疹中毒疹薬物反応,紅斑紫斑症,角化症炎症性

角化症,水疱症膿疱症,色素異常症,細菌真菌感染症,ウイルス感

染症,付属器疾患,良性腫瘍,悪性腫瘍など

診察・検査:発疹の記載のしかたと鑑別診断,真菌鏡検,皮膚生検,パッ

チテストなど

Ⅲ 方略

(1)研修期間

選択期間中に希望に応じて設定できる。

(2)研修方法

皮膚科担当医とともに外来・入院患者の診察に当たる。主に発疹の診察に重

点を置く。

Ⅳ 評価

研修の評価は初期臨床研修の到達度評価表に従い、研修終了時に A、B、C3段階の自己評価および指導医評価の形で形成的評価を行う。

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眼科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標 幅広い医学的見識を持った臨床医育成の目的を踏まえ、眼科、視覚領域の診療

に対する理解と共に、プライマリーケアに必要な眼科領域の知識、技能を修得

する。 Ⅱ 行動目標 1)以下の各部門における、見学、実習、講義を通じて臨床医として必要な基

本事項を修得する。 ① 外来診療 ② 病棟診療 ③ 眼科検査 ④ 手術診療 ⑤ カンファレンス

2)視覚・眼科診療におけるチーム医療を理解し、コメディカルスタッフの役

割の重要性を理解する。 3)視覚障害者へ十分な配慮をもった対応ができるために必要な基礎知識を修

得する。 4)全身管理における眼科・視覚に関する意義、重要性を考察する。

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眼科 初期臨床研修プログラム 各論

病型・検査法・手術法 理解 見学 手術見学 実習 目的・目標診断法 一般診察瞳孔の評価 ○ ○ ○

眼球運動の評価 ○ ○ ○眼位の評価 ○ ○ ○

検査各論視力検査・屈折検査 視力測定 ○ ○ ○

オートレフラクトメーター ○ ○ ○

細隙灯顕微鏡検査 基本操作 ○ ○前房深度の判定 ○ ○ 散瞳・抗コリン剤投与等の

可否判断、急性緑内障発作の診断ができる

角膜(フルオレセイン染色) ○ ○ ○水晶体・白内障・眼内レンズ ○ ○眼底検査 ○ ○

涙液分泌検査 シルマーテスト ○ ○ ○ 涙液分泌障害の診断

眼底検査: 直像鏡検査 ○ ○ ○ 直像鏡眼底観察の修得倒像鏡検査 ○ △眼底カメラ ○ ○ △ 眼底カメラ撮影蛍光眼底撮影 ○ ○

眼圧検査 アプラネーション圧平眼圧計 ○ ○ 眼圧測定眼圧検査 非接触空気眼圧計 ○ ○

両眼視機能検査 シノプト ○ ○ △ 両眼視・立体視lの理解 フライステレオテスト ○ ○ △

○視野検査 動的量的視野検査 ○ ○ △ 視野検査結果の判読

静的量的視野検査 ○ ○ △

電気生理学的検査 ERG ○ ○ △VEP ○ ○ △

疾患 一般 白内障 超音波水晶体乳化術+ 眼内レンズ挿入術

○ ○ ○

緑内障 開放隅角緑内障 ○ ○ △急性閉塞性緑内障 ○ △ △

網膜剥離 裂孔原性網膜剥離 ○ △ △網膜剥離手術・硝子体手術 ○ △ △

糖尿病網膜症 レーザー網膜光凝固術 ○ ○ ○硝子体手術 ○ △ △

ぶどう膜炎ベーチェット病、サルコイ

ドーシス、ウイルス感染症、○ △

ドライアイ 附 シェーグレン症候群 ○ ○視神経疾患 乳頭浮腫・視神経炎など屈折矯正手術症例 LASIK・PTK手術 ○ ○ ○   正しいLASIK手術の理解

救急 急性緑内障発作 ○ △ △網膜中心動脈閉塞症 ○ △ △前房出血 ○ △ △網膜剥離 ○ △ △眼窩吹き抜け骨折 ○ △ △

感染症 感染性結膜炎 診断・消毒法・感染予防 ○ △ ○ 感染性結膜炎への対処眼の充血の鑑別診断 結膜炎・強膜炎・虹彩炎 眼充血の鑑別診断

その他 処置 点眼法 ○ ○ ○ 正しい点眼法の取得

手術 消毒法 眼部の消毒法 眼部の消毒が行える麻酔法 眼科麻酔(点眼、球後、他) 眼科麻酔法・麻酔剤の修得顕微鏡手術実習 ウエットラボによる器械縫

合・顕微鏡下操作などの実○ ○

・顕微鏡下処置ができる・器械縫合が行える

診療緑 診療緑記載法 眼科診療緑の記載法の修得 ○ ○ 主な略語、用語の理解

○:必修 △:症例に応じて研修

救急疾患のプライマリケア

視力:近視・遠視・乱視・調節・老視の理解

基本診断法の修得

研修内容

全身疾患における眼症状に関する理解

眼科主要疾患       ・眼科手術学の理解

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耳鼻咽喉科・気管食道科 初期臨床研修プログラム

Ⅰ 一般目標

日常の耳鼻咽喉科診療(外来および入院)を適切に行えるような診療能力を

習得する。救急医療についてもプライマリーケア(基本的処置)が十分に行え

るようにする。

Ⅱ 行動目標

<1年次>

外来:耳鼻咽喉・頭頚部の視診・触診(耳鏡・鼻鏡・間接喉頭鏡・ファイバー

スコープの取り扱いなど)、鼻出血止血、鼓膜切開、一般耳鼻咽喉科診断

検査:純音聴力検査、語音聴力検査、ティンパノメトリ、直立検査、偏倚検査、

自発・頭位眼振検査、細菌検査、アレルギー検査

入院:一般処置・投薬、術前術後の管理、めまい・難聴の治療

手術:外科基本手技、リンパ節生検、気管切開術

<2年次>

外来:外来救急処置、めまい・難聴疾患の診断・治療、X線検査・CT・MRI・超

音波検査の読影、

耳管通気

検査:閾値上聴力検査、耳小骨筋反射、ENG(温度眼振検査、指標追跡検査)、

電気味覚検査、

静脈性嗅覚検査、顔面表情・NET、発声時間検査

入院:悪性腫瘍患者の全身管理・化学療法

手術:アデノイド切除、扁桃摘出、口唇のう腫切除、鼻骨骨折整復

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形成外科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 一般目標

① 形成外科の基本手術手技を習得し、的確な初期治療を行うこと がで

きる。 ② 形成外科で取り扱う疾患の診断および治療を学び、再建外科における

他の外科系各科との関連を理解する。

Ⅱ 行動目標

① 患者や家族の社会的心理面に配慮することができる。

② 他科との関連を有する疾患を判断することができる。

③ 創傷治癒につき理解する。

④ 形成外科的診断法、治療法、記載法を身に付ける。

⑤ 術前後の全身および局所の管理法を理解する。

⑥ 形成外科的創処置、外傷の救急処置、縫合法を身に付ける。

⑦ 簡単な顔面の手術、小範囲の瘢痕拘縮形成術、皮弁形成術、植

皮術などの手術において部分的な執刀者となる。

Ⅲ 研修方法

① 外来診察に参加する。

② 救急患者の初期治療およびその後の管理に参加する。

③ 入院患者の受持医として診療に参加する。

Ⅳ 評価

国立病院機構東京医療センターの「初期臨床研修の到達度評価」によ

る評価を基本とし、形成外科のカリキュラムに関しても同時に到達度

評価を行う。

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歯科・口腔外科 初期臨床研修プログラム Ⅰ 目標 (1)一般目標 日常歯科診療で遭遇する歯科疾患に対する診断および治療技術を習得する。 齲蝕、歯周病および補綴処置のみを対象とするのでなく、口腔を全身にお

ける顎口腔領域と認識し、口腔粘膜疾患、口腔領域の外傷、顎関節疾患診

断および治療を行う。治療対象患者は健常者のみでなく他領域に疾患を有

する患者の変化および特徴を理解し、隣接医学に対する知識を獲得する。

(2)行動目標 1)初診患者に対して病歴を聴取し、問診、視診を行い正確なカルテ記

載を行う。 2)歯および歯周組織の審査(歯髄診断、歯周ポケット測定、X線診査)

を初診時に正確に行い、齲蝕、歯髄、歯周疾患の診断を行う。 3)口腔領域の外傷、腫瘍、粘膜疾患および顎関節症の診断を行う。 4)臨床検査項目を理解するとともに、結果の解釈を習得する。 5)他診療科との連携のうえ、合併症を有する患者の歯科治療の計画を

立案する。 6)保険レセプトの記載について理解する。 7)歯科保存系のカリキュラム 浸潤麻酔の手技 充填および修復処置 窩洞形成錬成充填は前歯隣接面の光重合レジン、グラスアイオノ

マーセメントを用いた手技。 インレー充填を1および2級メタルインレーの窩洞形成から印象

採得、装着までの手技。 歯髄処置 前歯、小臼歯、大臼歯の抜髄 根管処置 根管長測定、X線診断、根管充填 歯周疾患 患者のモチベーションとブラッシング指導、スケーリン

グとルートプレーニング。治療計画書に基づいた歯周疾患の治療。 歯周外科

8)補綴系のカリキュラム 補綴処置方針についての立案を指導医のもとで研修 クラウン・ブリッジの設計から歯冠形成、装着 局部床・全部床義歯の設計から装着 義歯修理とリベース 技工指示書の作成 9)口腔外科系のカリキュラム

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検査の進め方と診断および治療方針の決定 外傷、歯性感染症、嚢胞、口腔粘膜疾患、口腔領域の腫瘍などに

つき診査および検査の習得 歯科口腔外科領域で用いる薬剤の選択 歯科診療と救急処置 顎関節症の診断および治療 口腔外科の基本的手技の習得 抜歯 前歯、臼歯および埋伏智歯の抜歯手技を指導のもと行う。 歯性感染による膿瘍の切開・消炎手術 歯牙外傷の処置 合併症を有する口腔疾患の治療計画の立案 入院患者の治療および手術を見学および介助による研修を行い、

実地研修を重ね指導医のもとで治療にあたる。 以上の項目をふまえ、患者のニーズを身体的、心理的、社会的側面から理解

し、インフォームドコンセントに基づいた同意を得ることが出来るように一口

腔単位で治療計画を立案し、全人的な治療を行う。 Ⅱ 研修方略

研修期間 外来および病棟での見学および介助による研修を行い、実地研修にあた

るが、研修期間は1年とする。 Ⅲ 評価 評価は、各目標の達成を自己評価と指導医の評価を行う。評価方法は、3段

階とし、A、B、Cで評価する。(A:ほぼ達成。B:努力したが未達成。C:

未達成)。経験すべき疾患、処置は 70%以上の経験を必要とし、研修終了時に指

導責任者が総合評価する。

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研究検査科 初期臨床研修カリキュラム

Ⅰ 一般目標 検査医学の視点から個々の症例,および臨床医学を考え,さらに検査項目の

選択,検査の頻度について医療経済的観点から考える習慣を身につける. Ⅱ 行動目標 及び 方略 初期臨床研修カリキュラムの中で,臨床検査科における研修は必須科目には

位置づけられていない.各研修医の希望による選択科目として研修することが

可能である.期間は最長で6週間である. 現在,検査科で提供できる研修の内容には,検査室別に下記のようなものが

ある.限られた時間を有効に使うため,いわばバイキング方式で各研修医が適

宜,研修内容を組み合わせてほしいが,その際,前もって各検査室における主

任技師との連絡調整が必要である. 生理検査室 1.研修は主として腹部超音波検査である. 2.腹部超音波検査の際の患者への説明,誘導を技師と同様に行う. 3.腹部超音波検査を実際に行う. 4.腹部超音波検査の報告書を記載する. 5.検査後の台帳整理,後片づけ,翌日の準備を行う. 期間は2週間以上が望ましい(一時期に受け入れ可能なのは1名). 血液検査室および血液管理室 1.血液検査業務の内容と運用,注意事項,血液分析機の見学など血液検

査全般の説明 2.血液標本の塗抹,染色,顕微鏡観察,スケッチ,分類カウントなど 3.骨髄穿刺時の標本作成,細胞数カウント,特殊染色顕微鏡観察,スケ

ッチ,分類カウント,症例別の標本観察など 4.輸血の依頼から輸血後の伝票処理までの輸血業務全般の見学 5.血液型と交差適合試験の実習 期間は血液検査室3日程度(延長は可能),血液管理室2日程度. 一般検査室 1.尿沈渣鏡検の実習 2.髄液検査における細胞数のカウントの実習 適当な検体があらわれるのは不定期なので,他の検査室での研修の合間

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に実習するのが実際的である.そのため,検査室からその都度連絡する

ことになるので,主任技師との打ち合わせが必要である. 生化学検査室 1.生化学検査機器の使用法説明と見学 2.蛋白分画,LDHアイソザイム,ALPアイソザイムなどの電気泳動,

小児ビリルビン,亜鉛,ICG試験などに関しての用手検査の実習

生化学検査室での実習は2日間程度. 免疫血清検査室 1.感染症スクリーニング検査,簡易クロマト法(HBsAg,HCV,HIV1/2, TP 抗体)の実習 2.感染症迅速検査(インフルエンザ,A 群溶連菌,RS ウィルス,ロタ

・アデノウィルス)の実習 3.外注検査について,採血管,伝票,結果問い合わせ法などについての

説明 期間は1日,検査科研修期間の後半の時期が適当と思われる. 微生物検査室 1.グラム染色,染色操作法,鏡検実習 2.抗酸菌染色,染色操作法,鏡検実習 3.希望により喀痰,咽頭粘液,便等の各種材料の培養操作実習 期間は最低2日. 病理検査室 1.蓄積された剖検症例,外科材料・生検材料の閲覧(希望により,たと

えば肝生検,腎生検,リンパ節生検,膠原病の剖検例など選択可能) 2.免疫組織化学,染色法の実習および蓄積された症例の閲覧 3.in situ hybridization の手技の実習および蓄積された症例の閲覧 4.外科病理材料の切り出し,鏡検および診断(病理専門医が指導,検閲

する) 5.病理解剖,実際に執刀医となり剖検から診断までを行う(病理専門医

が指導,検閲する) 期間は4週間以上,6週間フルタイムが望ましい.一時期に1名のみ.

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成育医療センター初期臨床研修プログラム 国立成育医療センターでは、小児科研修の一部を協力病院として実施する。 救急センターおよび小児科総合診療部外来で実施する 行動目標 1. 救急センター受診患者の社会的背景について理解する 2. 救急センター受診患者の重症度評価(トリアージ)ができる 3. 小児の一般的急性疾患、症状に対する診察、緊急検査、診断、治療方針

の決定ができる 一般的急性疾患・症状とは以下のものをいう

① 発熱 ② 嘔吐・下痢・腹痛 ③ 痙攣 ④ 呼吸困難・喘息発作 ⑤ 外傷 ⑥ 虐待 ⑦ 蕁麻疹・アナフィラキシーショック ⑧ 頭痛

4. かかりつけ医の必要性の説明ができる 5. 救急センター受診患者で翌日フォローが必要な場合の診察ができる 6. 健康乳幼児の診察(1ヶ月、6ヶ月健診)ができる 7. 予防接種の実施と注意事項、接種計画指導ができる 8. カンファレンスへの参加

① 総合診療部朝カンファレンス 月曜日 8:00 ② 総合診療部入院カンファレンス 火曜日~金曜日 7:30 ③ 救急カンファレンス 水曜日 8:00 ④ グランドラウンド 金曜日 8:00 ⑤ ランチタイムセミナ 火曜日 12:30 ⑥ レジデントセミナ 水曜日 18:00 ⑦ 思春期勉強会 木曜日 18:00 ⑧ レベルアップ 金曜日 12:30

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地域保健・医療 初期研修プログラム Ⅰ 目標 (1) 一般目標 地域社会の多様なニーズに応え、全人的医療を行うために、地域保健・医療

の実態を理解し、社会医学的視点を踏まえた実践的診療能力を身につける。 (2) 行動目標

1) 地域の保健福祉行政の概要を述べることが出来る。 2) 地域の疫学的特性を具体的に述べることが出来る。 3) 地域の医療機関における医療の受給状況を具体的に述べることが出来

る。 4) 医療チームの構成員としての役割を理解し、関係医療機関や諸団体の担

当者とコミュニケーションが取れる。 5) 地域の習慣・文化に配慮して患者と良好にコミュニケートすることが出

来る。 6) 患者の家庭・職場環境に配慮して在宅医療を行うことが出来る。 7) 適切な診療情報提供書を指導医とともに作成することが出来る。 8) 介護保険の概要について述べることが出来る。 9) 介護認定のための主治医意見書を指導医とともに作成することが出来

る。 10) 保健所、社会福祉施設、介護老人保健施設、診療所、結核医療、重症心

身障害者施設等の地域保健・医療の現場において、以下に挙げた各現

場における到達目標の項目のうち一つ以上を経験すること。 ① 保健所の役割(地域保健・健康増進への理解を含む)について

理解し、実践する。 ② 社会福祉施設等の役割について理解し、実践する。 ③ 介護老人保健施設、診療所の役割(在宅医療・看護、病診連携

への理解を含む)について理解し、実践する。 ④ 結核医療、重症心身障害者医療等について理解し、実践する。

Ⅱ 研修方略 (1) 研修期間 4 週間とし、上記の施設を適宜選択して研修する。 (2) 研修方略 各施設の実情に合わせて適宜少人数による講義と担当者について実習を行う。 Ⅲ 評価

各目標の達成を初期臨床研修の到達度評価表により自己評価と研修担当者

の評価により行う。

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総内

精神

神内

呼吸

アレ

消化

循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

形外

脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

I 【行動目標】

(1) 患者-医師関係

1) 患者、家族のニーズの把握 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) インフォームドコンセントの実施 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 守秘義務とプライバシーへの配慮 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(2) チーム医療

1) コンサルテーション ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) コミュニケーション ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 教育的配慮 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

4) 患者の転出入における情報交換 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

5) 関係機関とのコミュニケーション ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(3) 問題対応能力

1) 情報収集・評価と当該患者への適応判断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 自己評価・第三者評価に基づく対応能力 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 臨床研究や治験の意義の理解 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

4) 自己管理能力と基本的診療能力の向上 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(4) 安全管理

1) 安全確認の考え方を理解と実施 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 医療事故防止と事故後対処のマニュアルの遵守 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 院内感染対策を理解と実施 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(5) 医療面接

1) コミュニケーションスキルの習得(患者の解釈モデル、受診動機、受療行動の把握) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 患者の病歴の聴取と記録 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 患者・家族への適切な指示、指導 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(6) 症例呈示

1) 症例呈示と討論 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 臨床症例に関するカンファレンスや学術集会への参加 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(7) 診療計画

1) 診療計画の作成 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 診療ガイドラインやクリニカルパスの理解と活用 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 入退院の適応判断 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

4) QOLを考慮した総合的管理計画への参画 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(8) 医療の社会性

1) 保健医療法規・制度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 医療保険、公費負担医療 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 医の倫理、生命倫理 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

別紙1 臨床研修の到達目標と対応診療科

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総内

精神

神内

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アレ

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循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

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脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

II 【経験目標】

A 経験すべき診察法・検査・手技

(1) 基本的な身体診察法

1) 全身の観察と記載 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○

2) 頭頸部の診察と記載 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○

3) 胸部の診察と記載 ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○

4) 腹部の診察と記載 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○

5) 骨盤内診察と記載 ◎ ◎ ◎ ◎

6) 泌尿・生殖器の診察と記載 ◎ ◎ ◎ ○

7) 骨・関節・筋肉系の診察と記載 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎

8) 神経学的診察と記載 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

9) 小児の診察と記載 ◎ ○ ○ ○

10) 精神面の診察と記載 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○

(2) 基本的な臨床検査

1) 一般尿検査 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

2) 便検査 ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 血算・白血球分画 ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

4) 血液型判定・交差適合試験 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

5) 心電図、負荷心電図 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○

6) 動脈血ガス分析 ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

7) 血液生化学的検査 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

8) 血液免疫血清学的検査 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

9) 細菌学的検査・薬剤感受性検査 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

10) 肺機能検査 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

11) 髄液検査 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○

12) 細胞診・病理組織検査 ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

13) 内視鏡検査 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○

14) 超音波検査 ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

15) 単純X線検査 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎

16) 造影X線検査 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○

17) X線CT検査 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎

18) MRI検査 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○

19) 核医学検査 ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

20) 神経生理学的検査 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

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総内

精神

神内

呼吸

アレ

消化

循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

形外

脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

(3) 基本的手技

1) 気道確保 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

2) 人工呼吸 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

3) 心マッサージ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

4) 圧迫止血法 ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

5) 包帯法 ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

6) 注射法 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

7) 採血法 ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

8) 穿刺法 ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

9) 導尿法 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

10) ドレーン・チューブ類の管理 ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

11) 胃管の挿入管理 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

12) 局所麻酔法 ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

13) 創部消毒とガーゼ交換 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎

14) 簡単な切開・排膿 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

15) 皮膚縫合法 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

16) 軽度の外傷・熱傷の処置 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

17) 気管内挿管 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

18) 除細動 ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎

(4) 基本的治療法

1) 療養指導 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○

2) 薬物治療 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

3) 輸液 ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

4) 輸血 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

(5) 医療記録

1) 診療録の作成 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

2) 処方箋・指示書の作成 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 診断書の作成 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

4) 死亡診断書の作成 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

5) CPCレポートの作成と症例呈示 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎

6) 紹介状、返信の作成 ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

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総内

精神

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放 歯口腔

麻酔

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地域

B 経験すべき症状・病態・疾患

1 頻度の高い症状

1) 全身倦怠感 ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

2) 不眠 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○

3) 食欲不振 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○

4) 体重減少、体重増加 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○

5) 浮腫 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

6) リンパ節腫脹 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

7) 発疹 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○

8) 黄疸 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○

9) 発熱 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

10) 頭痛 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

11) めまい ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○

12) 失神 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○

13) けいれん発作 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○

14) 視力障害、視野狭窄 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○

15) 結膜の充血 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

16) 聴覚障害 ◎ ○ ○ ◎ ○

17) 鼻出血 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

18) 嗄声 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○

19) 胸痛 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○

20) 動悸 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○

21) 呼吸困難 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

22) 咳・痰 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

23) 嘔気・嘔吐 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○

24) 胸やけ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○

25) 嚥下困難 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○

26) 腹痛 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○

27) 便通異常(下痢、便秘) ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

28) 腰痛 ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○

29) 関節痛 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○

30) 歩行障害 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○

31) 四肢のしびれ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

32) 血尿 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

33) 排尿障害(尿失禁・排尿困難) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○

34) 尿量異常 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○

35) 不安・抑うつ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

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総内

精神

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循腎内

膠原

血内

小児

外科

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脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

2 緊急を要する症状・病態

1) 心肺停止 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎

2) ショック ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

3) 意識障害 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ◎ ◎

4) 脳血管障害 ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎

5) 急性呼吸不全 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

6) 急性心不全 ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎

7) 急性冠症候群 ◎ ◎

8) 急性腹症 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ◎ ◎

9) 急性消化管出血 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ◎

10) 急性腎不全 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ◎

11) 流・早産および満期産 ◎ ◎

12) 急性感染症 ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

13) 外傷 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎

14) 急性中毒 ◎ ◎ ○ ○ ◎

15) 誤飲、誤嚥 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

16) 熱傷

17) 精神科救急 ◎

3 経験が求められる疾患・病態

(1) 血液・造血器・リンパ網内系疾患

1) 貧血(鉄欠乏貧血、二次性貧血) ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○

2) 白血病 ○ ◎ ○ ○

3) 悪性リンパ腫 ○ ◎ ○ ○ ○

4) 出血傾向・紫斑病(播種性血管内凝固症候群:DIC) ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

(2) 神経系疾患

1) 脳・脊髄血管障害(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血) ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○

2) 痴呆性疾患 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

3) 脳・脊髄外傷(頭部外傷、急性硬膜外・硬膜下血腫) ○ ◎ ◎ ○ ◎

4) 変性疾患(パーキンソン病) ○ ◎ ○ ○

5) 脳炎・髄膜炎 ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎

(3) 皮膚系疾患

1) 湿疹・皮膚炎群(接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎) ◎ ◎ ◎ ○ ○

2) 蕁麻疹 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

3) 薬疹 ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

4) 皮膚感染症 ◎ ◎ ◎ ○

(4) 運動器(筋骨格)系疾患

1) 骨折 ◎ ○ ○ ○ ○

2) 関節の脱臼、亜脱臼、捻挫、靱帯損傷 ◎ ○ ○

3) 骨粗鬆症 ◎ ○ ○

4) 脊柱障害(腰椎椎間板ヘルニア) ◎ ◎ ○ ○

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総内

精神

神内

呼吸

アレ

消化

循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

形外

脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

(5) 循環器系疾患

1) 心不全 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○

2) 狭心症、心筋梗塞 ◎ ◎ ◎

3) 心筋症 ◎ ◎ ◎

4) 不整脈(主要な頻脈性、徐脈性不整脈) ◎ ○ ◎ ◎ ○ ◎ ◎

5) 弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症) ○ ◎ ○ ◎

6) 動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤) ◎ ◎ ◎ ◎

7) 静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫) ◎ ◎ ◎

8) 高血圧症(本態性、二次性高血圧症) ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○

(6) 呼吸器系疾患

1) 呼吸不全 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○

2) 呼吸器感染症(急性上気道炎、気管支炎、肺炎) ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○

3) 閉塞性・拘束性肺疾患(気管支喘息、気管支拡張症) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○

4) 肺循環障害(肺塞栓・肺梗塞) ○ ◎ ◎ ◎ ○

5) 異常呼吸(過換気症候群) ◎ ◎ ◎ ◎ ○

6) 胸膜、縦隔、横隔膜疾患(自然気胸、胸膜炎) ○ ◎ ○ ◎ ○ ○

7) 肺癌 ◎ ○ ○

(7) 消化器系疾患

1) 食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○

2) 小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、痔核・痔瘻) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

3) 胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎) ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○

4) 肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○

5) 膵臓疾患(急性・慢性膵炎) ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○

6) 横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア) ◎ ◎ ○ ◎ ○

(8) 腎・尿路系疾患(体液・電解質バランスを含む)

1) 腎不全(急性・慢性腎不全、透析) ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○

2) 原発性糸球体疾患(急性・慢性糸球体腎炎症候群、ネフローゼ症候群) ◎ ◎

3) 全身性疾患による腎障害(糖尿病性腎症) ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○

4) 泌尿器科的腎・尿路疾患(尿路結石、尿路感染症) ○ ◎ ◎ ○ ○ ○

(9) 妊娠分娩と生殖器疾患

1) 妊娠分娩(正常妊娠、流産、早産、正常分娩、産科出血、乳腺炎、産褥) ◎

2) 女性生殖器・関連疾患(無月経、思春期・更年期障害、外陰・腟・骨盤内感染症、骨盤内腫瘍、乳腺腫瘍) ◎ ◎

3) 男性生殖器疾患(前立腺疾患、勃起障害、精巣腫瘍) ◎ ◎

(10) 内分泌・栄養・代謝系疾患

1) 視床下部・下垂体疾患(下垂体機能障害) ◎ ◎ ◎ ○

2) 甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症) ◎ ◎ ◎ ○

3) 副腎不全 ◎ ◎ ◎ ○ ○

4) 糖代謝異常(糖尿病、糖尿病の合併症、低血糖) ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○

5) 高脂血症 ◎ ○ ◎ ○

6) 蛋白および核酸代謝異常(高尿酸血症)

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総内

精神

神内

呼吸

アレ

消化

循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

形外

脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

(11) 眼・視覚系疾患

1) 屈折異常(近視、遠視、乱視) ◎

2) 角結膜炎 ○ ○ ○ ◎

3) 白内障 ◎

4) 緑内障 ◎

5) 糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化 ◎ ○ ○ ◎

(12) 耳鼻・咽喉・口腔系疾患

1) 中耳炎 ○ ◎ ◎ ○

2) 急性・慢性副鼻腔炎 ○ ◎ ○ ◎ ○

3) アレルギー性鼻炎 ◎ ◎ ◎ ○

4) 扁桃の急性・慢性炎症性疾患 ◎ ◎ ◎ ○

5) 外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物 ○ ◎ ○ ◎ ◎

(13) 精神・神経系疾患

1) 症状精神病 ○ ◎ ○

2) 痴呆(血管性痴呆を含む) ○ ◎ ◎ ○

3) アルコール依存症 ○ ◎ ○ ○

4) うつ病 ○ ◎

5) 統合失調症(精神分裂病) ◎

6) 不安障害(パニック症候群) ○ ◎ ○

7) 身体表現性、ストレス関連障害 ○ ◎

(14) 感染症

1) ウイルス感染症(インフルエンザ、麻疹、風疹、水痘、ヘルペス、流行性耳下腺炎) ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○

2) 細菌感染症(ブドウ球菌、MRSA、A群レンサ球菌、クラミジア) ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○ ◎ ○

3) 結核 ◎ ◎ ○

4) 真菌感染症(カンジダ症) ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○

5) 性感染症 ○ ○ ◎ ◎

6) 寄生虫疾患 ◎ ◎

(15) 免疫・アレルギー疾患

1) 全身性エリテマトーデスと合併症 ○ ○ ◎ ◎ ○

2) 慢性関節リウマチ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○

3) アレルギー疾患 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○

(16) 物理・化学的因子による疾患

1) 中毒(アルコール、薬物) ◎ ◎ ◎

2) アナフィラキシー ◎ ○ ◎ ○ ◎

3) 環境要因による疾患(熱中症、寒冷による障害) ○ ○ ◎

4) 熱傷 ◎ ◎

(17) 小児疾患

1) 小児けいれん性疾患 ◎ ○ ○

2) 小児ウイルス感染症(麻疹、流行性耳下腺炎、水痘、突発性発疹、インフルエンザ) ◎ ○

3) 小児細菌感染症 ◎ ○ ○ ○

4) 小児喘息 ◎ ○

5) 先天性心疾患 ◎ ◎

(18) 加齢と老化

1) 高齢者の栄養摂取障害 ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

2) 老年症候群(誤嚥、転倒、失禁、褥瘡) ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

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総内

精神

神内

呼吸

アレ

消化

循腎内

膠原

血内

小児

外科

整外

形外

脳外

心外

皮膚

泌尿

産婦

眼耳鼻

気管

リハ

放 歯口腔

麻酔

救命

検査

地域

C 特定の医療現場の経験

(1) 救急医療

1) バイタルサインの把握 ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

2) 重症度および緊急度の把握 ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○

3) ショックの診断と治療 ○ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ◎ ◎

4) 二次救命処置(ACLS)の実施と一次救命処置の指導 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ◎

5) 頻度の高い救急疾患の初期治療 ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

6) 専門医への紹介 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

7) 大災害時の救急医療体制への理解 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ◎

(2) 予防医療

1) 食事・運動・禁煙指導とストレスマネージメント ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○

2) 性感染症予防、家族計画指導 ◎

3) 地域・職場・学校検診 ○ ○

4) 予防接種 ◎

(3) 地域保健・医療

1) 保健所の役割の理解 ○ ◎

2) 社会福祉施設等の役割の理解 ○ ◎

3) 診療所の役割の理解 ○ ○ ◎

4) へき地・離島医療の理解 ○ ◎

(4) 小児・成育医療

1) 周産期小児の各発達段階に応じた医療 ◎

2) 心理社会的側面への配慮 ◎ ○

3) 虐待への説明 ◎ ○

4) 学校、家庭、職場環境への配慮と地域連携への参画 ◎ ○ ◎

5) 母子健康手帳の理解と活用 ◎ ◎ ○

(5) 精神保健・医療

1) 精神症状の捉え方 ◎ ◎ ◎ ○ ○

2) 精神疾患に対する初期的対応と治療 ◎ ○ ○

3) デイケア等の社会復帰や地域支援体制 ◎ ○ ◎

(6) 緩和・終末期医療

1) 心理社会的側面への配慮 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○

2) 緩和ケアへの参加 ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ◎ ○

3) 告知への配慮 ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎

4) 死生観・宗教観などへの配慮 ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ◎ ◎ ◎ ○ ○ ○ ○ ○ ◎ ○ ○ ○ ◎ ○

◎:確実に実施もしくは経験することが望ましい項目  

○:出来れば実施もしくは経験することが望ましい項目

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別紙2 研修方法

研修期間 :5 月 1 日~翌々年 4 月末日(計 104 週間) 必須科目 :内科系(30 週間)

・ 総合診療科、循環器系【循環器科及び心臓血管外科】、 ・ 脳神経系【神経内科及び脳神経外科】(各 6 週間)

・内科系選択科目【呼吸器系(呼吸器科・呼吸器外科・アレル

ギー科)、消化器科、血液内科、腎臓・内分泌・代謝・膠原病

内科】の 4 科目うち 2 科目を選択(各 6 週間)* *内科系選択の各科目をローテートする研修医の上限は 1診療

科当たり 2~3 名とする 外科、救命救急センター、麻酔科(各 8 週間) 小児医療(12 週間)** **国立成育医療センターでの研修(4 週間)を含む 産婦人科(6 週間) 精神科(4 週間) 整形外科(4 週間) 放射線科(4 週間) 地域保健・医療(4 週間)

計:88 週間 選択科目 原則として、国立病院機構東京医療センターの各診療科の中から選択する その他、国立成育医療センターの各診療科なども可能

計:12 週間 夏期休暇 夏季にローテートする各診療科のローテート期間を各 1 週間ずつ増やすこと

により、当該診療科ローテート中に最大 1 週間/年の休暇をとることが出来

る 計: 2 週間

その他 最初の 2 週間はオリエンテーション期間とする 2 年間の研修期間の最終週に研修医発表会を開催する

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1年次

1-2週

オリエンテーション

2年次

19-22週

麻酔科

内科選択2

37-44週 45-52週

23-26週13-18週

選択および予備精神科救命救急

小児医療 産婦人科 地域保健医療 整形外科

3-8週 9-14週

循環器系

放射線科

総合診療科 内科選択1

31-36週

研修ローテート例

外科脳神経系

37-52週35-38週27-34週

1-12週

27-30週

15-20週 21-26週

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別紙3 初期臨床研修の到達度評価表 記入事項

研修医氏名

研修診療科

研修開始日

研修終了日

評価日

評価者(指導医)氏名

研修医の到達度に関する評価表であり、形成的評価の目的で用いる。

3段階評価とする

A:平均レベルを上回っている(類稀に優れている)

B:平均レベルに到達している

C:平均レベルを下回っている(目標レベルに到達していない)

    ピンクの欄に入力、必要に応じて黄色欄にも入力

    青欄には経験症例数を概数で入力

自己評価 指導医評価

Ⅰ 行動目標(1) 患者-医師関係

1) 患者、家族の有する問題を、身体的、心理的、及び社会的側面から全人的に理解した上で、患者、家族に不快感を与えない態度

で、適切に処理できる

2) 患者・家族との良好な人間関係を確立できる

3) 医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントについて理解できる

4) 医師としての守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる

(2) チーム医療

1) 医療チームの構成員としての役割を理解し、医療・福祉・保健の幅広い職種からなる他のメンバーと協調できる

2) 適切な時期に、指導医、専門医へのコンサルテーション、他施設への患者紹介ができる

3) 上級および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションをとることができる

4) 同僚および後輩へ教育的配慮ができる

5) 患者の転入、転出時に適切な情報交換ができる

6) 関係機関や諸団体の担当者と適切なコミュニケーションをとることができる

(3) 問題対応能力

1) 患者の問題点を病態・生理的側面、疫学・社会的側面など多角的側面から把握・整理し、問題点を解決するために必要な情報を

収集・評価した上で、当該患者に対する適応を判断できる

2) 自己評価および第三者による評価を踏まえて、問題対応能力の改善に努めることができる

3) 臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動への参加の機会があれば積極的に参加する

4) 生涯にわたり自己学習する態度を身につけ、自己管理能力の習得と生涯にわたる基本的診療能力の向上に努める

(4) 安全管理

1) 患者ならびに医療従事者にとって安全な医療の遂行に努力し、安全管理の方策を習得して、危機管理への参画ができる

2) 院内のマニュアルなどに沿って、医療事故の 防止と事故後の対応を行うことができる

3) 院内感染及びその対策(Standard Precautionsを含む)について理解し、院内のマニュアルなどに沿って、院内感染発生の防止と発

生後の対応を行うことができる

(5) 医療面接

1) 医療面接におけるコミュニケーションのもつ意義を理解した上で、コミュニケーションスキルを習得し、患者の解釈モデル、受診動機

、受療行動を把握することができる

2) 診療に必要な患者情報(主訴、現病歴、既往歴、家族歴、生活・職業歴、系統的レビュー)の聴取と記録が適切にできる

3) 患者および家族に対して、指導医とともにインフォームドコンセント、インフォームドアセントの考え方に基づいた適切な説明と療養

の指導ができる

(6) 症例呈示

1) チーム医療の実践と自己の臨床能力向上のために、カンファレンスや学術集会で、症例呈示、討論を行い、適切な問題対応がで

きる能力を身につける

2) 臨床症例に関する院内外のカンファレンスや学術集会に参加して、症例呈示および意見交換に関する基本的態度を身につける

(7) 診療計画

1) 疾患の全体像を把握し、医療・保健・福祉への配慮を行いながら、診療計画(診断、治療、患者・家族への説明を含む)の作成ができる

2) 診療ガイドラインやクリニカルパスの理解と活用ができる

3) 入退院の適応の判断(デイサージャリー症例を含む)ができる

4) 患者および家族のQOL(Quality of Life)を考慮した、総合的な管理計画(社会復帰、在宅医療、介護を含む)に参画できる

5) 診療録やその他の医療記録を適切に作成できる

(8) 医療の社会性

1) 医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献する態度を身につける

2) 医療に関する法令を学び遵守することができる

3) 医療保険制度および公費負担制度の枠組みと内容を理解した適切な診療ができる

4) 医の倫理、生命倫理について理解した適切な行動ができる

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自己評価 指導医評価

Ⅱ 経験目標

A 経験すべき診察法・検査・手技

(1) 基本的な身体診察法

1) 全身の観察と記載

2) 頭頸部の診察と記載

3) 胸部の診察と記載

4) 腹部の診察と記載

5) 骨盤内診察と記載

6) 泌尿・生殖器の診察と記載

7) 骨・関節・筋肉系の診察と記載

8) 神経学的診察と記載

9) 小児の診察と記載

10) 精神面の診察と記載

(2) 基本的な臨床検査

1) 一般尿検査

2) 便検査

3) 血算・白血球分画

4) 血液型判定・交差適合試験

5) 心電図、負荷心電図

6) 動脈血ガス分析

7) 血液生化学的検査

8) 血液免疫血清学的検査

9) 細菌学的検査・薬剤感受性検査

10) 肺機能検査

11) 髄液検査

12) 細胞診・病理組織検査

13) 内視鏡検査

14) 超音波検査

15) 単純X線検査

16) 造影X線検査

17) X線CT検査

18) MRI検査

19) 核医学検査

20) 神経生理学的検査

(3) 基本的手技

1) 気道確保

2) 人工呼吸

3) 心マッサージ

4) 圧迫止血法

5) 包帯法

6) 注射法

7) 採血法

8) 穿刺法

9) 導尿法

10) ドレーン・チューブ類の管理

11) 胃管の挿入管理

12) 局所麻酔法

13) 創部消毒とガーゼ交換

14) 簡単な切開・排膿

15) 皮膚縫合法

16) 軽度の外傷・熱傷の処置

17) 気管内挿管

18) 除細動

(4) 基本的治療法

1) 療養指導

2) 薬物治療

3) 輸液

4) 輸血

(5) 医療記録

1) 診療録の作成

2) 処方箋・指示書の作成

3) 診断書の作成

4) 死亡診断書の作成

5) CPCレポートの作成と症例呈示

6) 紹介状、返信の作成

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経験症例数

B 経験すべき症状・病態・疾患

1 頻度の高い症状

1) 全身倦怠感

2) 不眠

3) 食欲不振

4) 体重減少、体重増加

5) 浮腫

6) リンパ節腫脹

7) 発疹

8) 黄疸

9) 発熱

10) 頭痛

11) めまい

12) 失神

13) けいれん発作

14) 視力障害、視野狭窄

15) 結膜の充血

16) 聴覚障害

17) 鼻出血

18) 嗄声

19) 胸痛

20) 動悸

21) 呼吸困難

22) 咳・痰

23) 嘔気・嘔吐

24) 胸やけ

25) 嚥下困難

26) 腹痛

27) 便通異常

28) 腰痛

29) 関節痛

30) 歩行障害

31) 四肢のしびれ

32) 血尿

33) 排尿障害

34) 尿量異常

35) 不安・抑うつ

2 緊急を要する症状・病態

1) 心肺停止

2) ショック

3) 意識障害

4) 脳血管障害

5) 急性呼吸不全

6) 急性心不全

7) 急性冠症候群

8) 急性腹症

9) 急性消化管出血

10) 急性腎不全

11) 流・早産および満期産

12) 急性感染症

13) 外傷

14) 急性中毒

15) 誤飲、誤嚥

16) 熱傷

17) 精神科救急

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3 経験が求められる疾患・病態

(1) 血液・造血器・リンパ網内系疾患

1) 貧血

2) 白血病

3) 悪性リンパ腫

4) 出血傾向・紫斑病

(2) 神経系疾患

1) 脳・脊髄血管障害

2) 痴呆性疾患

3) 脳・脊髄外傷

4) 変性疾患

5) 脳炎・髄膜炎

(3) 皮膚系疾患

1) 湿疹・皮膚炎群

2) 蕁麻疹

3) 薬疹

4) 皮膚感染症

(4) 運動器(筋骨格)系疾患

1) 骨折

2) 関節の脱臼、亜脱臼、捻挫、靱帯損傷

3) 骨粗鬆症

4) 脊柱障害

(5) 循環器系疾患

1) 心不全

2) 狭心症、心筋梗塞

3) 心筋症

4) 不整脈

5) 弁膜症

6) 動脈疾患

7) 静脈・リンパ管疾患

8) 高血圧症

(6) 呼吸器系疾患

1) 呼吸不全

2) 呼吸器感染症

3) 閉塞性・拘束性肺疾患

4) 肺循環障害

5) 異常呼吸

6) 胸膜、縦隔、横隔膜疾患

7) 肺癌

(7) 消化器系疾患

1) 食道・胃・十二指腸疾患

2) 小腸・大腸疾患

3) 胆嚢・胆管疾患

4) 肝疾患

5) 膵臓疾患

6) 横隔膜・腹壁・腹膜

(8) 腎・尿路系疾患

1) 腎不全

2) 原発性糸球体疾患

3) 全身性疾患による腎障害

4) 泌尿器科的腎・尿路疾患

(9) 妊娠分娩と生殖器疾患

1) 妊娠分娩

2) 女性生殖器・関連疾患

3) 男性生殖器疾患

(10) 内分泌・栄養・代謝系疾患

1) 視床下部・下垂体疾患

2) 甲状腺疾患

3) 副腎不全

4) 糖代謝異常

5) 高脂血症

6) 蛋白および核酸代謝異常

(11) 眼・視覚系疾患

1) 屈折異常

2) 角結膜炎

3) 白内障

4) 緑内障

5) 糖尿病、高血圧・動脈硬化による眼底変化

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(12) 耳鼻・咽喉・口腔系疾患

1) 中耳炎

2) 急性・慢性副鼻腔炎

3) アレルギー性鼻炎

4) 扁桃の急性・慢性炎症性疾患

5) 外耳道・鼻腔・咽頭・喉頭・食道の代表的な異物

(13) 精神・神経系疾患

1) 症状精神病

2) 痴呆

3) アルコール依存症

4) うつ病

5) 統合失調症

6) 不安障害

7) 身体表現性、ストレス関連障害

(14) 感染症

1) ウイルス感染症

2) 細菌感染症

3) 結核

4) 真菌感染症

5) 性感染症

6) 寄生虫疾患

(15) 免疫・アレルギー疾患

1) 全身性エリテマトーデスと合併症

2) 慢性関節リウマチ

3) アレルギー疾患

(16) 物理・化学的因子による疾患

1) 中毒

2) アナフィラキシー

3) 環境要因による疾患

4) 熱傷

(17) 小児疾患

1) 小児けいれん性疾患

2) 小児ウイルス感染症

3) 小児細菌感染症

4) 小児喘息

5) 先天性心疾患

(18) 加齢と老化

1) 高齢者の栄養摂取障害

2) 老年症候群

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自己評価 指導医評価

C 特定の医療現場の経験

(1) 救急医療

1) バイタルサインの把握

2) 重症度および緊急度の把握

3) ショックの診断と治療

4) 二次救命処置(ACLS)の実施と一次救命処置の指導

5) 頻度の高い救急疾患の初期治療

6) 専門医への紹介

7) 大災害時の救急医療体制への理解

(2) 予防医療

1) 食事・運動・禁煙指導とストレスマネージメント

2) 性感染症予防、家族計画指導

3) 地域・職場・学校検診

4) 予防接種

(3) 地域保健・医療

1) 保健所の役割の理解

2) 社会福祉施設等の役割の理解

3) 診療所の役割の理解

4) へき地・離島医療の理解

(4) 小児・成育医療

1) 周産期小児の各発達段階に応じた医療

2) 心理社会的側面への配慮

3) 虐待への説明

4) 学校、家庭、職場環境への配慮と地域連携への参画

5) 母子健康手帳の理解と活用

(5) 精神保健・医療

1) 精神症状の捉え方

2) 精神疾患に対する初期的対応と治療

3) デイケア等の社会復帰や地域支援体制

(6) 緩和・終末期医療

1) 心理社会的側面への配慮

2) 緩和ケアへの参加

3) 告知への配慮

4) 死生観・宗教観などへの配慮