繊維補強鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価...大成建設技術センター報...

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010) 36-1 繊維補強鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価 三桶 達夫 *1 ・福浦 尚之 *1 ・丸屋 剛 *1 ・堀口 賢一 *1 ・西田 与志雄 *2 ・服部 佳文 *3 Keywords : shield segment,reinforced concrete with fibers,steel fiber,organic fiber, tension softening curve シールドセグメント,繊維補強コンクリート,鋼繊維,有機繊維,引張軟化曲線 1. はじめに 繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントについては, 国外では 1970 年頃に始まり現在に至るまで 30 件以上 の実績があるが,国内では徐々にその適用が始まって いる段階である。繊維補強コンクリートについては従 来からいくつかの指針案 12が公開され,活用されて いる。しかし,これらは直接にシールドトンネルのセ グメントを対象としたものではなく,繊維補強コンク リートのシールドセグメントへの適用を拡大・一般化 する上では,シールドセグメントの特徴にあわせた設 計の考え方,適用の方法を明確化していくことが必要 である。繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントを補 強材の観点から分類し,期待される構造特性を表-1 示す。また,図-1 RC セグメントと RSF/RHF セグ メントの比較を示す。 本報告では,これら RSF,RHF セグメントについて以 下の 3 点に着目し,これらの設計上の取り扱いについ て示すものである。 ①繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントの引張り特 性を適切に評価してセグメントの設計に反映する点。 ②繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントの終局限界 状態における安全性照査手法を適切に設定する点。 2. 設計に用いる繊維補強コンクリートの引 張軟化曲線の設定方法 2.1 繊維補強コンクリートの引張り軟化特性 繊維補強コンクリートは,コンクリートにひび割れ が発生した後に繊維が応力を伝達するものであり,こ のコンクリートのひび割れ部にはフラクチャープロセ スゾーンが存在していると考えられている。このゾー 配力鉄筋の省略 主鉄筋量の低減 RC セグメント RSF/RHFセグメント *1 技術センター土木技術研究所土木構工法研究室 *2 土木本部土木技術部 *3 土木本部土木設計部 項目 鋼繊維補強鉄筋コ ンクリート製セグ メント 有機繊維・鋼繊維混 合補強鉄筋コンクリ ート製セグメント 略称 RSF セグメント (r einforced concrete with s teel f iber tunnel segument) RHF セグメント (r einforced concrete with h ybrid f iber tunnel segument) 補強 材料 ・鉄筋 ・鋼繊維 ・鉄筋 ・鋼繊維 ・有機繊維 (耐荷用) 期待さ れる構 造特性 ・施工時のひび割れ,欠けの防止 ・曲げ耐力, せん断耐力, 変形性能などが従 来の RC セグメントと同等以上 ・配力鉄筋の省略 図-1 RC セグメントと RSF/RHF セグメントの比較 Table.1 The scope and characteristics of each segment Fig.1 Comparison of RC segment and RSF / RHF segment 表-1 各セグメントの特性と適用範囲 組立鉄筋 主鉄筋

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-1

繊維補強鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価

三桶 達夫*1・福浦 尚之*1・丸屋 剛*1・堀口 賢一*1・西田 与志雄*2・服部 佳文*3

Keywords : shield segment,reinforced concrete with fibers,steel fiber,organic fiber, tension softening curve

シールドセグメント,繊維補強コンクリート,鋼繊維,有機繊維,引張軟化曲線

1. はじめに 繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントについては,

国外では 1970 年頃に始まり現在に至るまで 30 件以上

の実績があるが,国内では徐々にその適用が始まって

いる段階である。繊維補強コンクリートについては従

来からいくつかの指針案 1)2)が公開され,活用されて

いる。しかし,これらは直接にシールドトンネルのセ

グメントを対象としたものではなく,繊維補強コンク

リートのシールドセグメントへの適用を拡大・一般化

する上では,シールドセグメントの特徴にあわせた設

計の考え方,適用の方法を明確化していくことが必要

である。繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントを補

強材の観点から分類し,期待される構造特性を表-1 に

示す。また,図-1 に RC セグメントと RSF/RHF セグ

メントの比較を示す。

本報告では,これら RSF,RHF セグメントについて以

下の 3 点に着目し,これらの設計上の取り扱いについ

て示すものである。 ①繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントの引張り特

性を適切に評価してセグメントの設計に反映する点。 ②繊維補強鉄筋コンクリート製セグメントの終局限界

状態における安全性照査手法を適切に設定する点。

2. 設計に用いる繊維補強コンクリートの引

張軟化曲線の設定方法 2.1 繊維補強コンクリートの引張り軟化特性

繊維補強コンクリートは,コンクリートにひび割れ

が発生した後に繊維が応力を伝達するものであり,こ

のコンクリートのひび割れ部にはフラクチャープロセ

スゾーンが存在していると考えられている。このゾー

配力鉄筋の省略 主鉄筋量の低減

組立鉄筋

RC セグメント

RSF/RHF セグメント

*1 技術センター土木技術研究所土木構工法研究室 *2 土木本部土木技術部 *3 土木本部土木設計部

項目 鋼繊維補強鉄筋コ

ンクリート製セグ

メント

有機繊維・鋼繊維混

合補強鉄筋コンクリ

ート製セグメント

略称 RSF セグメント (reinforced concrete with steel fiber tunnel segument)

RHF セグメント (reinforced concrete with hybrid fiber tunnel segument)

補強 材料

・鉄筋 ・鋼繊維

・鉄筋 ・鋼繊維 ・有機繊維 (耐荷用)

期待さ

れる構

造特性

・施工時のひび割れ,欠けの防止 ・曲げ耐力,せん断耐力,変形性能などが従

来の RC セグメントと同等以上 ・配力鉄筋の省略

図-1 RC セグメントと RSF/RHF セグメントの比較

Table.1 The scope and characteristics of each segment

Fig.1 Comparison of RC segment and RSF / RHF segment

表-1 各セグメントの特性と適用範囲

組立鉄筋

主鉄筋

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-2

ンは,骨材界面でモルタルのはく離等の微細なひび割

れが複数発生しているマイクロクラッキングゾーンと,

骨材・繊維などによるブリッヂングが支配的なブリッ

ヂングゾーンに分けられる(図-2)。このひび割れ先端

のフラクチャープロセスゾーンで伝達される引張応力

とひび割れ開口幅との関係が引張軟化曲線として表さ

れる。 繊維を含むコンクリートでは,ひび割れが発生した

後に,繊維がコンクリートからの引抜け抵抗を有する

ことで応力を伝達する。図-3 に示すように,UFC1),

HPFRCC2)など繊維混入率が高く繊維の応力伝達能力

が大きい場合にはひび割れ発生時の応力以上の引張抵

抗を示すことから,これらの特性が設計に取り込まれ

ている。一方,比較的低い繊維混入率の RSF 柱部材で

は,鋼繊維混入による繊維補強コンクリートの引張強

度の増加は期待できないことが示されている 3)。また,

図-4 に示すように,鋼繊維の種類・形状・混入率等に

より,引張軟化曲線の形状が異なることも報告されて

いる 4)。以上のことから,繊維補強コンクリートを用

いた部材の設計においては,引張軟化曲線を適切にモ

デル化する必要があると言える。

2.2 各種繊維補強コンクリートの引張り軟化特性 本報告において実施した実験に使用した繊維種別お

よび混入率を表-2,3 に示す。これらにケースについて

10×10×40 cm あるいは 15×15×53 cm 供試体の切欠

き曲げ試験を行い,結果を逆解析して繊維補強コンク

リートの引張軟化曲線を求めた。なお,逆解析にあたっ

ては,日本コンクリート工学協会にて公開されているプ

ログラムを使用した。 (http://jci-web.jp/jci_standard/kitsutaka_dl.html) 図-5 に,個々に得られた引張軟化曲線を全平均して求

めた平均軟化曲線を示す。このように,いずれも繊維

混入量の増加に伴い引張り軟化特性が向上していくの

がわかるが,繊維種類やその組み合わせにより,引張

図-2 フラクチャープロセスゾーン

Fig.2 Fracture processing zone

a)UFC の設計引張軟化曲線 5)

b)HPFRCC の設計引張軟化曲線 6)

図-3 設計引張軟化曲線の例

図-4 繊維種類と引張軟化曲線 4)

0

1

2

3

4

5

6

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0ひび割れ開口幅(mm)

引張

応力

(N/m

m2 )

SF05

SF075

SF10

PP②05

PP②075

PP②10

PVA05

実線:鋼繊維点線:有機繊維

表-2 切欠き曲げ試験実施ケース

Fig.3 Examples of the design tension softening curve

Fig.4 Fiber types and tension softening curves

Table.2 Cases of bending tests of specimen with notch

SF:鋼繊維,PP:ポリプロピレン,PVA:ポリビニルアルコ-ル

鋼繊維A

鋼繊維B

鋼繊維C

有機繊

維D

0.4 124 1.33 49.0~78.50.5 62 1.49 57.9~71.30.6 47 1.63 56.8~71.40.7 5 1.89 72.40.8 5 2.32 70.9

0.4 39 1.43 59.9~63.80.5 35 1.95 64.1~72.20.6 8 2.28 69.50.7 6 2.57 71.50.4 0.25 16 1.84 64.0~69.00.3 0.25 16 2.02 63.6~68.00.3 0.5 7 2.03 60.3~63.6

0.25 8 0.74 64.20.5 8 0.91 60.8

0.4 25 1.77 57.9~79.1(*1)開口1mmまでの破壊エネルギーの平均値を示す。

繊維混入率(%) データ数

破壊エネルギーGf,1mm

(*1)(N/mm)

繊維補強コンク

リート圧縮強度

(N/mm2)

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-3

り軟化形状は大きく異なっている。 また,図-6 に示す,鋼繊維_B_0.4%の全試験結果と

平均曲線の関係より,引張り軟化曲線にはある程度の

ばらつきがあることがわかる。このように,繊維補強

コンクリートの引張軟化曲線は,繊維量・形状・強度

およびコンクリート強度の組合せにより変化し,その

特性を一様に定めることは現実的でない。設計への適

用を可能にするには,繊維補強コンクリートの引張軟

化特性に応じて適切に引張軟化曲線を定める方法が必

要となる。

2.3 繊維補強コンクリートの引張軟化特性の特性値化 表-4 に繊維補強コンクリートの引張り軟化特性の特

性値化のフローを示す。 鋼繊維混入率 0.4 vol.%の鋼繊維 B(繊維長 30mm)

を用いた,試験時の圧縮強度が 50~80 N/mm2 程度と

なる繊維補強コンクリートを例に,具体的に説明する。

(図-7 参照) まず,実験より得られた引張軟化曲線の特徴を適切

に反映できるモデル化引張軟化曲線を設定する。切欠

き曲げ試験結果の逆解析から求めた個々の軟化曲線を

全平均して平均軟化曲線を求め,これに対して図-8 に

示す一般的な各種モデル化引張り軟化曲線との適合性

を検討したうえで EXP 型曲線の d)式を選択し,平均

軟化曲線式のパラメータα1=1.0,α2=-1.733,α3=0.55 と定めたものである。モデル化引張り軟化曲線

の選択および平均軟化曲線式のパラメータを設定する

にあたっては,引張軟化曲線自体の適合性だけでなく,

ひび割れ位置を中央一断面に固定した有限要素解析よ

表-3 鋼繊維と有機繊維

図-5 各種配合における引張軟化特性

a)鋼繊維混入(1)

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

開口 w(mm)

引張

応力

(N/m

m2)

鋼繊維B_0.4%

鋼繊維B_0.5%鋼繊維B_0.6%

鋼繊維B_0.7%鋼繊維B_0.8%

プレーンコンクリートf'c70N/mm2

b)鋼繊維混入(2)

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

開口 w(mm)

引張

応力

(N/m

m2)

鋼繊維A_0.4%鋼繊維A_0.5%鋼繊維A_0.6%鋼繊維A_0.7%プレーンコンクリートf'c70N/mm2

c)鋼繊維・有機繊維混入

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

開口 w(mm)

引張

応力

(N/m

m2)

鋼繊維A_0.3%+有機繊維D_0.5%

鋼繊維A_0.3%+有機繊維D_0.25%

鋼繊維A_0.4%+有機繊維D_0.25%プレーンコンクリートf'c70N/mm2

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

5.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0

開口w(mm)

応力

(N/m

m2)

鋼繊維B_0.4%

平均引張軟化曲線

Table.3 Steel fibers and an organic fiber

Fig.5 Tension softening properties of various formulations

図-6 全引張軟化曲線と平均引張軟化曲線の関係

Fig.6 The relationship of average tension softening curve

and total tension softening curves 表-4 引張軟化特性の特性値化フロー

Table.4 Flowchart of determing tension softening properties

モデル化引張軟化曲線の基本形状の設定

モデル化引張軟化曲線の各パラメータ値の設定

モデル化引張軟化曲線の特性値化

個々の引張軟化曲線の算定とその平均化

直径(mm)

長さ(mm)

アスペクト比 材質引張強度

(N/mm2)

製造方法

鋼繊維A(両端フックタイプ)

0.55 35 64 JIS G 3532JIS G 3505 >1080 伸線切断法

鋼繊維B(両端フックタイプ)

0.5 30 60 KS D 3554(JIS G 3505相当) >900 伸線切断法

0.75 43 57 JIS G 3532SWM-B 伸線切断法

寸法 特徴

種類および外観

>1000鋼繊維C(両端フックタイプ)

素材 ポリプロピレン 引張強度 530.3N/mm2

密度 0.91g/cm3 ヤング率 10500N/mm2

厚さ×幅 0.5×0.9mm 繊維長 48.0mm

公称断面積 0.385mm2 耐薬品性酸・アルカリ

に強い

耐荷用:有機繊維D(エンボスあり)

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-4

り得られる曲げ応力-たわみ関係との適合性につい

ても考慮して定めることが重要である。(図 -7a),b),c)) モデル化引張軟化曲線を設計に反映させるためには

特性値化して安全性を確保する必要がある。そこで,

実験より得られた引張軟化曲線より,開口幅 1 mm に

おける破壊エネルギーの実験データを正規分布と仮定

し,危険確率 5 %となる破壊エネルギーの特性値を

0.79 N/mm2 と定めた。そして,設計に用いる引張軟化

図-8 平均軟化曲線のモデル化例

b)鋼繊維A_0.4%+有機繊維D_0.25%

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0

開口w(mm)

応力

(N/m

m2)

モデル化平均曲線

α1=0.75,α2=0.51

w1=0.13,w2=5.3

モデル化平均曲線×0.59

a)鋼繊維B_0.6%

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

開口w(mm)

応力

(N/m

m2)

モデル化平均曲線α1=0.75,α2=0.6,α3=0.2w1=0.1,w2=0.85,w3=2.7

モデル化平均曲線×0.59

α1 ftk

w1 w2

α1 ftk

α2 ftk

w1

w2

α1 ftk

α2 ftk

w1

α3 ftk w3

α1 ftk)exp( 3

21ααασ wftk ⋅⋅=

a)リニアモデル b)バイリニアモデル

c)トリリニアモデル d)曲線モデル

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

α1 ftk

w1 w2

α1 ftk

α2 ftk

w1

w2

α1 ftk

α2 ftk

w1

α3 ftk w3

α1 ftk)exp( 3

21ααασ wftk ⋅⋅=

a)リニアモデル b)バイリニアモデル

c)トリリニアモデル d)曲線モデル

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

ひび割れ開口 w

引張応力 σ

図-8 引張軟化特性のモデル化

Fig.8 Modeling of tension softening properties

図-9 平均軟化曲線のモデル化例

Fig.9 Examples of Modeling of average

tension softening curves

b)引張軟化曲線の近似

0.00.51.01.52.02.53.03.54.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0開口w(mm)

引張

応力

(N/m

m2 )

実験より求めた軟化曲線の平均曲線

モデル化した軟化曲線

a)引張軟化曲線

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0開口w(mm)

引張

応力

(N/m

m2 )モデル化平均曲線

特性化曲線(Gf,1mmより)

)733.1exp(59.0 55.0wft ⋅−⋅⋅=σ

c)10*10*40曲げ応力−変位関係

0.01.02.0

3.04.05.06.0

7.08.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0たわみ(mm)

曲げ

応力

 (N

/mm2 ) 逆解析結果の平均線に基づく

モデル化平均曲線に基づく

d)開口1.0mmまでの破壊エネルギー

0

10

20

30

40

50

0.75 1.00 1.25 1.50 1.75 2.00 2.25 2.50 2.75Gf,1mm(N/mm2)

頻度

平均1.33N/mm2

標準偏差0.33N/mm2

特性値0.79N/mm2

データ数124

図-7 鋼繊維 B 0.4vol.%の場合のモデル化と特性化

Fig.7 Modeling and characterization of steel fiber B using 0.4vol.%

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-5

曲線を,Gf の平均値に対する特性値の低減率(0.79 / 1.33=0.59)を用いてモデル化した平均軟化曲線を特性

値化して定めることができる(図-7a),d))。実験より

得られた引張軟化曲線,モデル化平均曲線,特性値化

曲線の関係を図-7a)に示す。 これ以外の配合,繊維混入率の条件下においても同

様の手法により,引張軟化曲線およびその特性値を定

めることができる。モデル化引張軟化曲線の例を図-9に示す。 モデル化引張軟化曲線を統計処理して特性値化する

には十分な試験結果に基づき定めるのがよいが,鋼繊

維 B(繊維長 30mm)を混入率 0.4 vol.%で用い,圧縮

強度が 50~80 N/mm2 程度となる繊維補強コンクリー

トと同程度の配合条件および繊維材料においては,前

記材料に対する低減値 0.59 を用いても同程度の安全性

が確保されるものと考えられる。(図-9 参照)

3. 繊維補強鉄筋コンクリート部材の曲げモ

ーメントに対する安全性の検討方法 3.1 概要 前項に示したように,繊維補強コンクリートは通常

のコンクリートより多くの引張応力分担に富んだ特性

を持っている。この特性を考慮した曲げ耐力,曲げ変

形性能の算定方法について,梁部材,実大セグメント

部材の曲げ載荷実験に基づき,検討を行った。

3.2 繊維補強鉄筋コンクリート部材の曲げ載荷実験 以下の繊維種別および混入量に関して曲げ載荷実験

を行った。表-5 に実験概要を,図-10,11 に載荷実験条

件を示す。

今回実験した範囲,すなわち,繊維混入率 0.25~0.8

vol.%,引張鉄筋比 0.25~1.04 %,試験時の圧縮強度が 50

~80 N/mm2 程度の範囲における繊維補強鉄筋コンクリー

ト部材実験では,繊維が引張応力を分担することで,曲げ

ひび割れ発生後にただちに鉄筋が降伏あるいは破断するぜ

い性的な破壊性状を示すことがなく,繊維のない RC 部材

に比べて曲げ降伏荷重が増加し,その後も安定して荷重を

保持し,圧縮側コンクリートで圧壊に至ることが確かめら

れている。また,繊維混入率の増加に伴い曲げ耐力が増大

していることが確かめられた。図-12 に実験結果の例を示

す。

このように,繊維補強鉄筋コンクリート部材では,ひび

割れ発生以降も繊維混入率・繊維種別に応じて引張応力を

表-5 実験概要

Table.5 Overview of experiments

配置鉄筋

引張/圧縮側等量配置

鋼繊維有機繊維_D

混入率合計

Ⅰ 1-1 64.6 0.25 2-D10 0.5(A) 0.501-2 64.6 0.44 2-D13 0.5(A) 0.501-3 64.0 0.69 2-D16 0.5(A) 0.501-4 64.0 1.04 3-D16 0.5(A) 0.501-5 65.8 0.44 2-D13 0.3(A) 0.25 0.551-6 66.9 0.44 2-D13 0.4(A) 0.25 0.652-1 64.6 0.25 2-D10 0.5(A) 0.502-2 64.6 0.44 2-D13 0.5(A) 0.502-3 64.0 0.68 2-D16 0.5(A) 0.502-4 64.0 1.03 3-D16 0.5(A) 0.502-5 65.8 0.44 2-D13 0.3(A) 0.25 0.552-6 66.9 0.44 2-D13 0.4(A) 0.25 0.65

Ⅱ 1 51.1 0.40 2-D10 0.4(B) 0.402 51.1 0.40 2-D10 0.4(B) 0.403 51.1 0.40 2-D10 0.4(B) 0.404 68.0 0.40 2-D10 0.5(B) 0.505 68.0 0.40 2-D10 0.5(B) 0.506 68.0 0.40 2-D10 0.5(B) 0.50

Ⅲ 150 1300 78.5 0.40 8-D10 0.4(B) 0.40 SD295Ⅳ 350 2000 57.9 0.46 12-D16 0.4(C) 0.40 SD345

実験ケース

引張鉄筋比(%)

桁高さ(mm)

桁幅(mm)

圧縮強度

(N/mm2)

SD295150 325

繊維混入率(%)

150 500

SD345

350 200

鉄筋材質

600 400 600

125 250 125

3580

35

2000

等曲げ区間

500

150

200 200

80 170 80

3580

35

500

150

170

D16/D13/D10

D16

D16

D16/D13/D10

P/2 P/2

a)シリーズⅠ-1

50 10050

6023

060

200

350

D16/D13/D10

30 140 30

6023

060

200

350

D16

D16

D16/D13/D10

15001500等曲げ区間

4500

1000250 250P/2 P/2

b) シリーズⅠ-2

600 400 600

81 163 81

4060

50

等曲げ区間

325

150

D10 SD295

D10 SD295

50

4060

50

50

P/2 P/2

D10 SD295

c)シリーズⅡ 図-10 梁試験体の載荷条件

Fig.10 Loading conditions of the specimen

Page 6: 繊維補強鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価...大成建設技術センター報 第43号(2010) 36-1 繊維補強鉄筋コンクリートセグメントの構造性能評価

大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-6

負担できることから,これを考慮することで合理的な曲げ

耐力の算定ができるものと考えた。具体的には,一般の鉄

筋コンクリート部材についての算定方法と同様の平面保持

を仮定した断面解析を基本とし,従来は考慮していなかっ

たコンクリートの引張応力に代えて特性値化した繊維補強

コンクリートの引張応力-ひずみ曲線を考慮することと

した。

3.3 繊維補強コンクリート引張応力-ひずみ曲線 繊維補強コンクリート引張応力-ひずみ曲線は,引

張応力とひび割れ開口幅の関係を示す引張軟化曲線と

ひび割れ間隔から求める方法1),5)を基本とした。繊

維補強コンクリートの引張応力-ひずみ曲線を図-13 に

示す 3 つの領域に分けてモデル化を行った。領域Ⅰは,

応力-ひずみ関係が初期のヤング係数に基づく線

Ec

( )( ) )(/

)(/)(

uycytk

ycrctk

crcE

εεεγεσβσ

εεεγεσβσεεεσ

≤<⋅=

<≤⋅=<=

     

     

        ( ) ccrtk γεσβ /⋅

σ

crεε

yε uε

( ) cytk γεσβ /⋅

応力の低減係数:引張鉄筋比に応じた  

鉄筋降伏ひずみ   

)る限界ひずみ(引張応力を一定値とす   

力ひずみ関係軟化曲線より求めた応:特性値化された引張  

ここに,

β

ε

εεεσ

:

50:)(

y

yu

tk

×=

Ⅰ Ⅱ Ⅲ

図-13 引張応力-ひずみ曲線のモデル化

Fig.13 Tensile stress - strain curve model

Fig.14 Stress reduction factor depending on the ratio of

tensile reinforcement

形関係となる領域であり,領域Ⅱ・Ⅲは,ひび割れ発

2000

165

7516

5 16516

5 16520

016

575

165

165

165

165

350

外 内

5002.9

Ro=6150Ri=5800

350

4718.150

外面

P/2 P/2

85 90175

12001759.1 1759.1

主鉄筋:12-D16(内外共)配力筋:D10

3362

70

170 18

0 140

150 70 80

43 58

150

D10

D10

8-D10

8-D10

D10

180

70

170

180

140

140

180

170

180

170

180

140

1131.5 900 1131.5

826.

6

976.

6

1300

内 外

P/2 P/2

内面

外面

d)シリーズⅢ e)シリーズⅣ

図-11 実大セグメント部材試験体の載荷条件

Fig.11 Loading conditions of the specimen

a)シリーズI-1(桁高さ150mm)_鋼繊維A_0.5%下での比較

020406080

100120

0 20 40 60 80 100中央変位(mm)

荷重

(kN

RC単独(pt=0.44%) Ⅰ-1-1 Ⅰ-1-2 Ⅰ-1-3 Ⅰ-1-4

●:引張側鉄筋降伏(初降伏)◇:コンクリート圧縮ひずみ(3000μ程度)

pt=1.04%pt=0.69%

pt=0.44%

pt=0.25%

b)シリーズI-1(桁高さ150mm)_引張鉄筋比0.44%下での比較

01020304050607080

0 20 40 60 80 100中央変位(mm)

荷重

(kN

RC単独(pt=0.44%) Ⅰ-1-2 Ⅰ-1-5 Ⅰ-1-6

●:引張側鉄筋降伏(初降伏)◇:コンクリート圧縮ひずみ(3000μ程度)

鋼繊維A_0.4%+有機繊維D_0.25%鋼繊維A_0.5%鋼繊維A_0.3%+有機繊維D_0.25%

図-12 RSF と RHF 梁の載荷実験結果

Fig.12 Results of bending tests

0.00.20.40.60.81.01.2

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

引張鉄筋比(%)

応力

の低

減係

数 β

図-14 引張鉄筋比に応じた応力の低減係数

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-7

生以降の繊維補強コンクリートの引張応力分担が耐荷

機構に反映される領域である。鉄筋の降伏ひずみεy ま

での領域Ⅱについては,特性値化された引張軟化曲線

から求めた応力-ひずみ関係を基本とすることとした。

)()(

)(

crcrc

crc

LEfE

εεωωε

εεσε

>+=

≤=

  

      )0(f)0(f

ω

σ

引張応力-開口関係

ε

引張応力-ひずみ関係

Ec

σ

crε

:引張軟化曲線)(ωf

{ })(7.041.1 321, φ−+⋅⋅⋅⋅= seqcr cckkkL 6)

図-15 引張軟化曲線の引張応力-ひずみ曲線への変換

Fig.15 Conversion of tension softening curve

ただし,低引張鉄筋比の部材においては,高引張鉄

筋比の部材に比べて繊維の効果が小さくなる傾向があ

ることから,この影響を図-14 に示す応力の低減係数

βで表すこととした。この応力の低減係数βについて

は,繊維補強鉄筋コンクリート部材実験のパラメータ

解析より定めた。 引張軟化曲線から応力-ひずみ関係への変換は,

[2007 年制定コンクリート標準示方書設計編]に示され

るひび割れ幅算定式に基づくひび割れ間隔 Lcr を用い

て,図-15 に示す方法によることができる 5)。 鉄筋の降伏ひずみεy 以降の領域Ⅲについては,1)

鉄筋降伏後にはひび割れ位置で鉄筋がひずみ硬化し計

算上の仮定であるバイリニアの関係よりも鉄筋が大き

な応力を分担すること,2)鉄筋降伏後における繊維補

強コンクリートの応力-ひずみ関係について十分な知

見が得られていないことから,鉄筋の降伏ひずみ時の

引張応力を保持するモデルとしてよいこととした。 応力の低減係数βおよび領域Ⅲのモデル化の影響に

関する比較解析を図-16 に示す。これより,モデル化

された繊維補強コンクリートの引張応力-ひずみ関係

を用いることで,適切に繊維補強鉄筋コンクリート部

材の曲げ挙動を表現できることがわかる。 ここで,図-13 に示す繊維補強コンクリートの引張

応力-ひずみ関係は,通常の設計における仮定である

完全弾塑性バイリニア型の鉄筋モデルと組み合わせて

用いることを前提としており,これ以外の鉄筋モデル

と組み合わせて用いてはならないことは明らかである。 3.4 繊維補強鉄筋コンクリート部材の曲げモーメン

トに対する安全性の検討方法とその検証 曲げ耐力算定に用いる部材係数γb について検証を

行った結果を図-17 に示す。実験値と部材係数γb を

1.0 とした設計値の対比より,正規分布を仮定し危険確

率 5%となる実験値と設計耐力値の比は 1.11×(1.304-1.64×0.118)であり,計算上必要な部材係数は 1.0 を下

回るが,十分な安全性を確保できるようにγb=1.1 とし

てよい。また,耐力・変形性能に関する設計計算との比

較例を図-18に示す。 このように,従来どおりの設計計算方法に特性値化

した引張り軟化曲線に基づく引張応力-ひずみ曲線を

考慮することで,繊維補強コンクリートの曲げ耐力お

よび曲げ変形性能を適切に求めることができる。

低減無し

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

0 0.005 0.01 0.015 0.02 0.025 0.03ひずみ

引張

応力

(N/m

m2 )

①β=1.0,Lcr,eq=232mmでひずみ化②β=1.0,Lcr,eq=232mmでひずみ化+降伏ひずみ以降一定③β=0.55,Lcr,eq=232mmでひずみ化④β=0.55,Lcr,eq=232mmでひずみ化+降伏ひずみ以降一定

→ひずみεuまで応力保持

a)引張応力-ひずみ関係の比較

0

10

20

30

40

50

60

70

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180中央たわみ(mm)

全荷

重(k

N)

実験④コンクリートの引張考慮β=0.55②コンクリートの引張考慮β=1.0:比較コンクリートの引張無視

b)領域Ⅱにおける応力の低減係数βの影響の比較

010203040506070

0 20 40 60 80 100 120 140 160 180中央たわみ(mm)

全荷

重(k

N)

実験④コンクリートの引張考慮β=0.55③コンクリートの引張考慮β=0.55,降伏ひずみ以降一定としない:比較)コンクリートの引張無視

c)領域Ⅲのモデル化方法の比較

図-16 引張応力-ひずみ曲線のモデル化に関する比較

解析(引張鉄筋比 pt=0.44%,鋼繊維 A_0.3%+有機繊維

D_0.25%) Fig.16 Comparative analysis for modeling of Tensile stress -

strain curve

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大成建設技術センター報 第 43 号(2010)

36-8

Pu,cal実験最大/Pu,cal

Pud,cal実験最大/(Pud,cal)

43.6 37.7 1.16 29.4 1.48

65.9 64.5 1.02 50.1 1.32

90.6 91.5 0.99 72.7 1.25

122.9 127.9 0.96 100.0 1.23

61.9 62.7 0.99 49.2 1.26

68.3 64.2 1.06 50.1 1.36

36.1 34.0 1.06 26.7 1.35

53.6 58.4 0.92 45.8 1.17

82.6 82.8 1.00 65.3 1.26

114.2 114.4 1.00 91.4 1.25

56.4 56.9 0.99 45.0 1.25

55.7 58.1 0.96 45.8 1.22

36.0 32.9 1.09 25.1 1.43

35.3 32.9 1.07 25.1 1.41

37.8 32.9 1.15 25.1 1.51

36.3 35.1 1.03 26.4 1.38

37.7 35.1 1.07 26.4 1.43

35.9 35.1 1.02 26.4 1.36

Ⅲ 59.5 74.6 0.80 55.2 1.08

Ⅳ 396.3 447.0 0.89 364.0 1.09

実験/算定値の平均 1.01 1.30

実験/算定値の標準偏差 0.09 0.12

実験/算定値の特性値 - 1.11

計算上の必要部材係数 - 0.90

計算耐力(kN) 設計耐力(kN)実験最大荷重(kN)

実験シリーズ

y = 1.0884x

y = 0.8754x

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

0 100 200 300 400 500

実験最大荷重(kN)

解析

荷重

(kN

)

実強度計算値

設計耐力

線形 (実強度計算値)

線形 (設計耐力)

図-17 各種繊維配合下での曲げ耐力算定式の検証

4. おわりに 本報告で示された繊維補強鉄筋コンクリート製セグ

メントの設計手法は,従来より用いられている一般的

な断面設計手法を一部修正するのみで,繊維補強鉄筋

コンクリート部材の設計を行うことができる。また,

異なる適用範囲・材料条件においても本報告で示され

た材料および構造性能を確認することで本設計手法の

適用が可能となるものと考えられる。 謝辞 本報告は,大成建設(株)より土木学会技術推進

機構に技術評価を依頼し,「繊維補強鉄筋コンクリート

製セグメントの設計・製作技術」に関する技術評価委

員会(委員長:東京工業大学二羽淳一郎教授)におい

て審議を受けた成果の一部を取りまとめたものである。

委員各位に厚くお礼を申し上げます。

5. 参考文献 1) 土木学会:超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指

針(案),コンクリートライブラリー第 113 号,2004 2) 土木学会:複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料

設計・施工指針(案),コンクリートライブラリー第 127号,2007

3) 土木学会:鋼繊維補強鉄筋コンクリート柱部材の設計指針

(案),コンクリートライブラリー第 97 号,1999. 4) 三桶 達夫,福浦 尚之,丸屋 剛,堀口 賢一:複合繊維を使用

したコンクリートの力学特性に関する実験的研究,コンク

リート工学年次論文報告集,Vol.32, No.1, pp.311-316,2010 5) 内田 裕市・六郷 恵哲・小柳 洽:コンクリートの曲げ強

度の寸法効果に関する破壊力学的検討,土木学会論文集,

No. 442,V-16,pp.101~107,1992. 2 6) 土木学会:コンクリート標準示方書 設計編,2007 7) 土木学会:トンネル標準示方書 シールド工法・同解説,

2006

Fig.17 Formula of bending strength under various conditions

図-18 RHF 梁の載荷実験と解析の比較 Fig.18 Comparison of loading test result and of the analysis result

0

10

20

30

40

50

60

70

0 10 20 30 40 50 60

中央変形(mm)

全荷

重(k

N)

実験

実強度計算

設計計算(但しγb=1.0)

桁高さ150mm,引張鉄筋比pt=0.44%,鋼繊維A_0.5%混入

●:コンクリート終局

  ひずみに到達